日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国の「あの時はそうだったが今は違う」という反応

さて、本日は韓国における「約束」の概念に関連した、最近の事例を扱っていきます。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブログ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)

注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

一連の福島原発処理水問題や、韓国海軍レーダー照射事件に関連した最近の日韓の協議のなかで、情報を時系列でまとめると韓国側が交渉過程で約束破りをしている痕跡が見られ、日本側がまた安易に韓国側を信じてしまっていると疑われる部分がある。


以前から説明しているように、韓国では約束破りは日常であり、そのことで頻繁にトラブルも起きているが、元々社会的な信用を構築して成り立っている社会ではないので、それが大きく問題になるわけではないという背景がある。


またここで重要なのが、日本などでは約束が何らかの形での交渉の「結果」なのに対し、韓国では約束は交渉の「スタート地点」と認識される場合が多く、そのため「その当時はそういったが、今は別の事情ができた」といって約束破りをすることが多く、韓国と交渉をする場合にはこの件を踏まえた交渉が必須になる。


※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


以下から本文



1:韓国を安易に信じすぎ?


まずはこちらの記事から

「汚染水」の表現 政府「不安をあおる用語は避けるべき」
KBS 2023-06-23
http://world.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=85792

今月23日の韓国公共放送「KBS」のニュースなのですが、このなかで韓国政府が福島原発処理水に関して、「国民に漠然とした不安を感じさせる用語(汚染水等)は使わない方が良いだろう」とコメントしています。


しかしその後「日本や欧米のように「処理水」と呼ぶべきか」と聞かれると、「国際的な状況を踏まえ、ふさわしい用語を考えるべきだが、いまは適当なタイミングではない」といって逃げてしまっています。


この件なのですが、まず以下にあるように

韓国水産業界 福島汚染水の偽ニュースに対応へ=通報受け付け
聯合ニュース 2023.06.26
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20230626003400882

韓国最大野党「共に民主党」が行っているデマ扇動が原因で、韓国内で水産物の買い控えや塩の買いだめ、それに関連した詐欺などが横行し始め、この混乱への対処が必要になったからという背景があります。


またもう一つ、恐らくですが一連の日韓の様々な関係改善過程において、日本側の歩み寄りの条件の一つとして「汚染水という呼び名」をやめるよう要求した可能性が高いです。


なぜかというと、それまで韓国側は「汚染水」という呼称自体を問題視していなかったにも関わらず、突然こういった話が出てきたこと、「デマ対応」自体は名称を変えなくとも可能である事、ここ1カ月ほどの、日韓の間で様々な形で対話や協議が行われ、進展が多数ある中で出てきた事などが挙げられます。


つまり、日本側から提示された条件のうちの一つであった可能性が高いわけです。
しかし最初の記事にあるように、韓国側は呼称を問題視しながら呼称の変更自体には二の足を踏むという矛盾した態度をとっており、日本側とした約束を反故にした結果なのではないかという疑いがあるわけです。


また次の事例では

文政府「日本哨戒機に追跡レーダー照射しろ」…事実上の交戦指針(1)
中央日報/中央日報日本語版2022.08.18 07:06
https://japanese.joins.com/JArticle/294476


レーダー指針廃棄に意欲 韓国国防相
産経新聞 2022/8/29
https://www.sankei.com/article/20220829-Q6X4F4XOSBM3DLUFGDPEWZUOBM/

2022年8月、産経新聞と韓国の中央日報が一連の韓国海軍による「対日レーダー指針」を破棄する意思があるという報道を行っており、去年8月時点でこの件で何らかの動きがあったことがわかります。


また最近のニュースでも

レーダー照射、4年半越し収拾探る 日韓防衛相が会談へ
日経新聞 2023年5月30日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA262ED0W3A520C2000000/


日韓関係に残る「最後のトゲ」取り除く狙い…防衛省幹部「いつまでも、こだわるべきではない」
読売新聞 2023/06/05
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230605-OYT1T50047/


レーダー照射、決着見通せず アジア安保会議開幕
産経新聞 2023/6/2
https://www.sankei.com/article/20230602-4ZQION2IPVNTDCXMBW2MCPJ25E/

5月30日の日経と6月5日の読売で、この「対日指針」の撤回を示唆する内容が書かれており、複数のメディアでこれだけ長期にわたって情報が出ていたという事、日本側がその後実質手打ちとするような対応を取っている事から、恐らく日本側は撤回を最低限の条件に設定して、韓国側の約束を取り付けていたのでしょう。


産経の記事にもあるように、「レーダー照射問題は、日韓関係改善を優先して触れない見通し」という情報が出ていたにも関わらず、そこから急展開したことも、「何かあった」と見たほうが良いからです。


しかし実際には、以下にあるように

韓国国防相 自衛隊機にレーダー照射の指針「廃棄準備は事実ではない」
聯合ニュース 2023.06.12
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20230612004500882

韓国国防相は6月12日、公式に「指針のこの部分については軍事的なセキュリティーの問題があるため、具体的に答えないのが正しいと思う」と事実上撤回せず、更に「日本が威嚇飛行をしたにもかかわらず、逆に韓国海軍がレーダー照射をしたと歪曲(わいきょく)しているのに、韓国政府が何の謝罪も受けずに再発防止の協議をすること自体が問題」と問題を振り出しに戻してしまっています。


恐らくですが、アジア安保会議での交渉では韓国側からこれ以上追求しない事を条件に、指針の撤回をすると約束をしていたため、日本側はそれを受けて防衛省幹部が「いつまでも、こだわるべきではない」と発言したのでしょうが、韓国側からそれを即反故にされてしまったのではないかという事です。


参考記事
【ゆっくり解説】レーダー照射問題で何が起きている? - 日韓問題(初心者向け)



どちらの事例でも、恐らく日本側は「韓国側も関係改善を望んでおり、またアメリカからも相当な圧力があったうえでの約束なのだから守るだろう」という安易な判断をしてしまった結果がこの状況なのではないでしょうか。


2:信用が無いから約束が軽い



ここで重要なのは、以前から指摘しているように日本と韓国では約束の概念が大幅に異なっているので、私たちの常識は韓国に通じないという事です。


参考記事
日本人と韓国人とでは「約束・契約」の概念が全く違う - 日韓問題(初心者向け)
【日韓問題】日韓で異なる「約束」の概念 - 日韓問題(初心者向け)



また韓国内においても一応約束を守るという発想はあり


韓国国内の政争は国境線の内側にとどめるべきだ【6月27日付社説】
朝鮮日報 2023/06/27
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/06/27/2023062780085.html


こちらの事例のように、最大野党の「国民の力」が韓国政府の福島原発処理水に対する方針と正反対の「書簡」を各国に送り、贈られた国が困惑すると、その行いを「太平洋の島国と行った首脳会議後の共同宣言」に反していると批判している記事です。


また次の事例では

共に民主党、「不逮捕特権の放棄」など革新委の刷新案に立場表明を留保
東亜日報 June. 27, 2023
https://www.donga.com/jp/List/article/all/20230627/4250410/1

先日「共に民主党」の代表である李在明氏が、「不逮捕特権のために知事から議員になった」と批判を受けていた件で、「不逮捕特権を放棄する」と宣言し、党としても同じく放棄するとしていたのですが、それを数日で覆してしまったという事例です。


ここで重要なのは、普通の国であればどちらもかなり重大な約束破りであり、責任問題になってもおかしくないのですが、記事を書いた朝鮮日報も批判をしている韓国与党も、これ以上の批判をしていないのです。


また、こうした約束破りは韓国の政界で日常的に発生しており、このブログでも何度も扱っていますが、どの事例でも「その場での批判」以上のものがありません。
特に今回の処理水問題の事例では、明らかに外交問題にまで発展しているにもかかわらずです。


なぜかというと、基本的に「約束破り」というのは相手の信用を失うからこそ「批判されるべき事柄」なのですが、以前も何度か指摘したように、韓国では「他者との間に絶望的な断絶」があるので、基本的に韓国内では「本貫」と呼ばれる狭いコミュニティー内でしか信頼関係を構築できません。


参考記事
韓国との間で繰り返される問題 - 日韓問題(初心者向け)
韓国社会にも「嘘はよくない」という共通認識はある - 日韓問題(初心者向け)



なので、彼らは「約束破り」をしても、元々社会的な相互信頼自体が存在していない、つまり「失う信頼」が存在しないため、約束を破ることをそこまで問題視しないのです。


韓国と何らかの交渉をする場合には、本来はこのことを常に頭の片隅に置いておかないとトラブルの原因になるわけです。


3:約束はスタート地点



そしてもう一つ重要な要素として、こうした考え方が韓国で一般的であることから、約束というものに対する考え方が私たちとは大きくかけ離れているという事が挙げられます。


たとえば、日本などでは約束をするという事は、何らかの結果であり何らかの「ゴール」であるわけですが、韓国では元々「約束破りで失われる信頼」が存在しないので、約束後に「あの時はそうだったが今は違う」という状況が頻繁に発生します。


これはつまり、約束がゴールではなく、交渉の「スタート地点」という事です。
例えば以下の記事を見てもらうと

【時視各角】攻守が入れ替わった韓日関係
中央日報/中央日報日本語版2022.09.20 08:56
https://japanese.joins.com/JArticle/295685

首脳会談に関する認識の違いを韓国側が日本側に問うと、「首脳会談を解決の出発点とみる韓国とは違い、日本では解決の終着点ではなくとも確実な解決の糸口をつかんだ後に首脳会談をすべきという立場だ」と返してきたと書かれています。


一見するとトップダウン式の交渉とボトムアップ式の交渉の違いにも見えますが、実際には約束を「スタート地点」とする韓国と、約束をゴールとする日本との考え方の違いです。


基本的に首脳会談というのは、大抵どこでもそうですがまず事務方がある程度の交渉をおこない、道筋や妥結点を見出した後で、最終的な決定を首脳会談で行うというのが一般的であり、これは国と国同士の交渉では考慮すべき情報が膨大であり、それを個人の判断一つで決定するとなると、判断ミスや間違いが起きやすいからです。


しかし韓国では、一度した約束や決定事項であっても、約束自体をスタートラインとしているので、いくらでも後から変えて良いと考えるため、本来終着点であり何らかの形で答えを出すはずの首脳会談が、「出発点」と解釈されるわけです。


なので、最初の福島原発処理水問題や韓国海軍レーダー照射事件の事例において、韓国側が時系列的に不可解な反応をし、日本側が問題のある妥協をしたように見えるのは、韓国側が日本と内部的にした約束を、その独特の約束の概念によって反故にした結果と考えると、色々と辻褄が合うわけです。


そして同時に、この推測が正しいとすると、現在の日本政府は対韓国の専門家がいないことになります。


また、徴用工問題や慰安婦問題で現在同様の問題が起きていないのは、恐らく専門家がいた時点で「筋道ができていた」ので、それに沿った動きが続いているだけという疑念も出てきます。
個別の交渉過程にまでアメリカが事細かに口を出しているとも考えられませんし。




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