日韓問題(初心者向け)

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レーダー照射問題の不可解な幕引き

さて、本日は2018年末に発生した韓国海軍による自衛隊機へのレーダー照射問題に関して、幕引きのしかたがあまりにも不可解であるので、その件について書いていきます。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブログ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)

注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


一連の韓国海軍レーダー照射問題に関して、先日日本と韓国は「対北朝鮮で日米韓の連携を深めるため」に、双方の主張を実質的な「棚上げ」にした状態で、再発防止を話し合おうという、事実上の幕引きを行った。


この件に関して、韓国側の言動には矛盾点や疑問点が多く、日本側はその件を簡単に指摘できるため、「幕引き」をするのであれば、こちらに負担なく追及できる点がいくつもあったにも関わらず、それをまるでしていないという問題点がある。


また、韓国側の落ち度が明確であり、彼らの価値観では「責任はとるものではなく取らせるもの」である事、約束を守るという発想自体が存在していない事から、第三国を巻き込まない形での幕引きは更なる問題の発生に繋がりかねない。


※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


以下から本文




1:不可解な幕引き



まずはこちらの記事から

日韓関係に残る「最後のトゲ」取り除く狙い…防衛省幹部「いつまでも、こだわるべきではない」
読売新聞 2023/06/05
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230605-OYT1T50047/


2018年12月に発生した韓国海軍による自衛隊機へのレーダー照射問題に関して、「日韓の関係改善」を目的とした話し合いが行われてきましたが、上記記事にあるように「レーダー照射問題の再発防止策を含めた協議加速で一致」という、何か決まっているようで決まっていない、不可解な見解が発表されました。


また、これだけですと何とも判断ができず意味不明なのですが、それに続いて防衛省幹部から「前政権で起きたことに、いつまでもこだわるべきではない。二度と起きないようにすることが重要だ」と、幕引きともとれるコメントがありました。


また次の記事によると

レーダー照射、韓国側否定のまま「類似事案防止」で一致 日韓
産経新聞 2023/6/4
https://www.sankei.com/article/20230604-K5TL7X76PBMPLLXD2X2DJMYDKA/

韓国側は「レーダー照射はしていない、日本が威嚇飛行をしてきた」という態度を一切変えておらず、その状態で「レーダー照射などの敵対的とみなされかねない行為を含む類似事案の防止策を事務レベルで協議する」が成り立つかといえば、まず成り立ちません。


仮に韓国側が裏で照射の件を認めていたとしても、ただでさえ「約束を守る」という発想自体が希薄な彼らが、公的に認めてすらいない事を前提に「約束を守る」ことなどほぼ期待できません。


勿論「北朝鮮の脅威に対応するため、共通の同盟国である米国を含む日米韓3カ国の協力を進展させるとともに日韓の相互信頼を高め、さまざまなレベルで連携を図る方向性を共有」という件は重要です。


連携ができなければ中国や北朝鮮やロシアにとってそこが「付け入る隙」になってしまうわけですから、そこを重視するのはわかりますが、この件を曖昧に幕引きすればそれはそれで「付け入る隙になる」という面もあるのです。
「火種は残っている」わけですから。


さらに問題なのは、以下にあるように

韓米日国防長官「北朝鮮ミサイル情報のリアルタイム共有、年内に運用開始」
東亜日報 June. 05, 2023
https://www.donga.com/jp/List/article/all/20230605/4202158/1

韓国海軍の艦艇が自衛隊機に火器管制レーダーを照射したという日本側の主張と、そのようなことはなく、むしろ自衛隊機が低空威嚇飛行をしたという韓国の立場が対立しているものの、再発防止策を協議することで、対立を封印することにしたとみられる」と書かれており、韓国側はこれで「終わらせる」気満々ということです。


つまり、この状態で「再発防止の協議」など成り立つわけがないのです。


また、この状態で韓国側と協議にこぎつけたとしても、韓国側は「日本側の威嚇飛行の再発防止」の話しかしないでしょう。
以前から指摘しているように、彼らにとって自己の正しさを証明する方法は「相手の落ち度」だからです。


※独特の正しさの概念

彼らの正しさの概念は独特であり、根拠を必要としない。
また「この世には最初から一つの正しさが存在する」と考えられており、自分はその正しさを常に選択していると考える傾向にある。

そして正しさ同士がぶつかった場合には、(曲解でも捏造でもその件と全く関係なくともなんでもいいので)相手の劣等性を指摘する事でそれを自己の正しさの担保とする。

また相手の劣等性を指摘した時点で自身が指摘された問題は相手の問題にすり替わる。

【日韓問題】日韓で異なる「正しさ」の概念 前編 - ニコニコ動画
【日韓問題】日韓で異なる「正しさ」の概念 前編 - YouTube

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「幕引き」の方法が双方の価値観の違いを一切考慮していないのです。
これは「河野談話」での過ちと同じ流れに見えます。


2:何が問題だったか



ここでまず、一連の騒動において韓国側の何が問題であったかをおさらいしておきます。
まずはこちら

韓国がレーダー放射したか、日本哨戒機が威嚇飛行したか…真実攻防
中央日報/中央日報日本語版2018.12.26 06:57
https://japanese.joins.com/JArticle/248469

こちらの記事にあるように、元々韓国海軍は「射撃統制システムの一つであるMW-08を探知レーダーとして使い、北朝鮮遭難船舶を捜索した」「「通信強度があまりにも微弱で雑音が激しく」て「コリアコースト(海洋警察)」という単語だけを認知した」と主張していました。


しかしこの後防衛省が当時の映像を公開すると、そもそも捜索中どころか北朝鮮船を既に発見していた状態であったことが判明、また通信が通じ難くなるような天候でもなかったことも判明します。


youtu.be



その後韓国側は主張を二転三転し続けるわけですが、それに対して防衛省

韓国海駆逐艦による自衛隊機への火器管制レーダー照射に関する防衛省の最終見解
について
防衛省 2019年1月21日
https://web.archive.org/web/20190126113941/http://www.mod.go.jp/j/press/news/2019/01/21x_1.pdf

「探知レーダー波を音に変換したデータ」を公表し、韓国側の主張が矛盾している事を指摘します。
また、韓国海軍は「日本が威嚇飛行をしてきた」としていますが、自衛隊機の対応については「米軍やNATOの通常のオペレーションも、同様の基準に則って行われている」としており、これに韓国側は何も反論していません。
本来「威嚇飛行をしてきた」と主張するのであれば、「自衛隊の対応が米軍やNATOとどう違ったのか」を具体的に説明できないといけないわけです。


更に、本来「脅威と感じる行為を受けた」のであれば、韓国海軍は自衛隊機に対して脅威となっていると通信しないといけないはずですが、「韓国駆逐艦からの無線による呼びかけもなかった」と指摘しています。


こうした矛盾点に対し、韓国側は

海軍トップがレーダー問題の部隊を訪問 対応を叱責? 
聨合ニュース 2019.01.07
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20190107003000882

韓国海軍トップが「武装した軍用機が艦艇に向かって近づく行為は危険であり、接近しないように警告するべきだったが、同艦は海自の哨戒機に対し、そのような措置を取らなかった」と部隊を叱責したようですが、騒動が起きて2週間以上も経ってからそんな事をしても、ただの「既成事実つくり」にしかなっていません。


また以下にあるように

レーダー照射“衝撃事実”!? 韓国救助漁船は「北工作船」か 日米情報当局分析…SOSなぜ韓国だけ察知した?
zakzak 2019.1.18
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190118/soc1901180008-n1.html

事件が起きたのは日本のEEZ内であり、韓国側は「北朝鮮漁船の救難信号を探知した」と主張していますが、「その船からの救難信号は自衛隊海上保安庁も受信、感知していない。韓国側が(遭難を)知っていたというのは不審な部分がある」という疑問があり、韓国側はこれにもこたえていません。


つまり、問題の幕引きをするのであれば、まず韓国側がこれら多数の疑問点について矛盾点の無いよう客観的な説明をしなければいけないわけです。
「再発防止策を協議する」とは、本来そうでなければできません。


全ての問題を棚上げして「再発防止策を協議」など、たとえ対中・対北での連携が急務であったとしても本来であればありえないのです。


3:「価値観の違い」を考慮していない



そしてこの件で最も重要なのは、今回の不可解な幕引きについて、日本政府が「価値観の違い」を考慮しているように見えない事です。


たとえば徴用工問題や慰安婦問題や輸出管理強化の件では、それぞれ「代位弁済を成立させる」「慰安婦合意に基づく補償を実行する」「国際輸出管理レジームに基いた安全基準を守る」という、「韓国側が責任を持ってするべきこと」が明確であり、更にこれに第三国を関与させています。


つまり、「韓国側が責任を持ってすべきこと」を、複数の国で共有したうえで解決しており、「約束を軽視する」韓国の外堀は埋まっています。


しかし今回の件では「韓国が責任を持って実行すべきこと」が明確でないうえに、第三国が関わっていませんから、「約束を軽視する」韓国の価値観に対する予防策が全くできていないのです。


また以前も紹介した次の記事にあるように

子供の教育に見る、なぜ韓国人は道端にごみを捨て唾を吐くのか?
JBpress 2021.10.26
https://web.archive.org/web/20211027104133/https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67456?page=4

「韓国は自主的に責任を取ると馬鹿を見るので、半強制的に責任を取らされる社会のように見える」と書かれているように、彼らは基本的に「自ら責任を取る」という発想がなく、どんなに問題を起こしてもそこに責任を感じる事はありません。


韓国は元々「他者との間に断絶」があり、社会に信頼自体が存在していないので、「責任を負う」と「自分だけが損をする」と考える社会だからです。


信頼が無いので「それぞれが自らの行いに責任を負う」という発想にならず、常に「過ちを認めれば自分だけが損をする」という疑心が付きまとうのです。


なので以下の記事にあるように

【寄稿】うそと不公平の蔓延を克服して先進国を目指せ
朝鮮日報 2015/08/16
http://web.archive.org/web/20150815231549/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/14/2015081401243.html

「他人や公的制度に対する信頼のない場所では、「皆が皆に対してオオカミ」になりやすい。不公正かつ不透明な社会の規則に対する疑心は、社会構成員たちの怒りと恨みを増幅させる」と書かれており、他者に対する疑心が嘘や無責任を蔓延させる原因になっている事は、韓国内でも認知されているほどです。


である以上、今回の日本政府による「再発防止策の協議」という事実上の幕引きは、「韓国側の自浄に期待する」という、韓国的価値観を全く考慮していない解決法ということになり、たとえ軍事的な連携が急務であったからと、この重要な要素を無視していてはいずれ韓国側がまたトラブルを起こし「問題が振出しに戻る」というリスクがあるわけです。


彼らが他者、特に「日本というナム」を信頼することなどありえないのですから、それを考慮したうえで本来はちゃんとそれに見合った予防措置、今回の事例であれば「韓国人に自らの主張の矛盾点について説明させる」という「無理矢理にでも責任を負わせる措置」と、予防措置に第三国を関与させるという行為は本来必須というわけです。



※ウリとナム

ウリ(自分達)ナム(それ以外)
自他の境界が非常に曖昧な概念であり、彼らはウリである場合自身と全く同じ正しさと感情を共有しており、「ナム」はそれ以外、或いは正しさを理解しない劣等な相手と認識される。
また、このウリの範囲はその時の都合で自身を中心に拡大縮小する。

韓国人独特の「ウリ」と「ナム」という概念 - 日韓問題(初心者向け)

【日韓問題】韓国独特の「ウリ」と「ナム」の概念 前編 - ニコニコ動画
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