さて、本日は私が韓国を観察するようになって以来、何度も繰り返されている問題について扱っていきます。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブログ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています
・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
韓国が尹政権になって以降、「これからの韓国は違う」「反日は年寄りだけで若い世代は違う」等の内容の記事などが増えてきているが、実際にはこの論調は2002年の日韓共催W杯頃から繰り返されているフレーズであり、「実際は何も変わっていない」事がわかる。
また近年の事例でも、NO JAPAN運動は韓国の全世代で受け入れられており、一連の福島原発処理水問題のように、朴槿恵政権に始まり「尹政権にも引き継がれた」事例などもあり、韓国は「何も変わっていない」事が具体的に観測できる。
こうした背景には、「嘘をつき印象操作をしている」人がいるというより、日本と韓国の間の決定的な価値観の違いにより、現状認識や問題意識に齟齬が生じている事を認識しないまま、「同じ常識を共有している」という思い込みが「同じ過ちが繰り返される」原因になっている場合が多い。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
以下から本文
1:日韓関係の好転?
まずはこちらの記事から
“元徴用工問題”「解決は日本の国益」「尹政権でないと絶対できない」自民・松川氏
FNN 2023年2月5日
https://www.fnn.jp/articles/-/481443
いわゆる元徴用工の問題を巡り、
自民党の
松川るい外交部会長代理は5日、「解決自体は日本の
国益だ」と述べるとともに、「尹錫悦政権の間でないと絶対、解決できない」との見解を示した。
5日朝のフジテレビ「日曜報道 THE PRIME」に出演した松川氏は、「徴用工問題が日韓の間の信頼関係を損ねている最大の課題だ」と指摘。
北朝鮮が繰り返す弾道ミサイル発射や、中国の台湾に対する圧力などを挙げ、「日韓とも置かれた立場を考えれば、今以上に日米韓の安全保障の連携が必要な時はない」として、元徴用工問題を「解決すること自体は、日本の国益だ」と強調した。
その上で、松川氏は、保守派の「尹政権の間でないと絶対、解決できない」と述べた。
そして、日本政府が「新しい謝罪はできないし、日本の被告企業の謝罪もないと思う」としつつ、「制約の中でギリギリどういった工夫ができるのか。向こう(尹政権)がもつようにしてあげることは考えるべきだ」と語った。
自民党の松川るい議員がフジテレビの番組に出演し、日韓問題について語っているのですが、記事では「尹政権ならば日韓の懸案を解決し、関係改善ができる」といった発言が書かれています。
また、コメントで教えていただきましたが、松川議員はツイッター上でも同様の内容を展開しており、
松川るい =自民党=
@Matsukawa_Rui 2023年2月6日
https://twitter.com/Matsukawa_Rui/status/1622609992175206401
問題は文政権であり、尹政権であれば状況を改善でき、問題を自ら解決に向かわせることができるといったことが書かれています。
これと似た主張は、現代で武藤氏なども書いています。
ついに文在寅の「呪縛」が一掃されるのか…。北朝鮮のミサイル乱射で、ようやく韓国が変わりはじめた皮肉すぎる事情
マネー現代 2023.01.11
https://gendai.media/articles/-/104439
また次の記事のように
「思ってたより親日」本田圭佑が“韓国遠征”を終えて感じたのは?「親がとにかく子供に良い教育をさせたい」
サッカーダイジェスト 2023年02月03日
https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=126010
本田圭佑が2月3日、自身の
ツイッターを更新。韓国の印象を綴った。
本田は韓国を訪れていたようで、「韓国遠征終了」と報告し、その感想を次のように発信した。
「個々の能力が高い。親がとにかく子供に良い教育をさせたい。教育格差。グローバルマインド持ってる人が多い。会った人全員が英語が流暢。K-pop の存在が大きい。思ってたより親日。(表向き)ローカルの韓国料理がめちゃ美味しい」
1月30日には自身のインスタグラムで、俳優やタレントとして活躍する韓国のビッグスター、チェ・シウォンさんとの2ショットを公開していた本田。今回の投稿では「今年もう一回いくことになった」と締めくくられており、どうやら韓国という国やそこに住む人々から、多くの学びを得たようだ。
サッカーの元日本代表の本田圭佑氏が韓国を訪れ、「思ってたより親日」であるとしており、好印象であったと書かれています。
またこれと似たような記事として、次の2022年の記事のように
【あの国はなぜ親日国なのか?】意外に親日な人が多い「韓国」
TABIZINE Sep 12th, 2022.
https://tabizine.jp/article/494693/
世界には「
親日」といわれる国がたくさんあります。海外旅行をするときも、
親日国を訪れると、なんとなく過ごしやすかったり、現地の人とのコミュニケーションがスムーズだったり、なんてことがないでしょうか? そこで、比較政治や国際政治経済を専門とする
政治学者が、なぜその国が
親日国なのか、政治や歴史の背景から解説します。
日本との関係重視を訴えるユン大統領の支持率が低下
日韓関係、これはネットでは最も議論が活発になるトピックで、政治や歴史の問題もあり日本人にとって難しい問題です。
2022年5月、日本との関係重視を訴えるユン・ソンニョル大統領が就任しましたが、8月12日に韓国ギャラップが明らかにした最新の支持率によると、ユン大統領の支持率が25%、不支持率が66%となりました。就任時の支持率52%から大幅に低下しています。
もちろん支持率低下の背景にはさまざまな理由が考えられますが、この数字をみると、多くの韓国人が日本との関係改善を望んでいないようにも映ります。
世代によって異なる韓国人の対日認識
しかし、国際会議や出張で何回も訪韓し、韓国人の親友が3人ほどいる筆者からすれば、これは普段道を歩いている韓国人の心情を反映していないのです。
まず、世代によって韓国人の対日認識は異なります。日本による植民地時代もあり、年配層では日本をよく思わない人が多いのは当然の結果ですが、戦争を経験していない若年層は、日本のアニメやポップカルチャーなどに生まれたときから馴染んできた世代で、むしろ親日、複雑な関係だが日本には悪い印象はないと考える人が多いのです。
今日、国民の平均年収で韓国は日本を上回るほど経済成長を遂げ(もちろん格差も社会問題となっているものの)、ソウルのミョンドンやカンナム、プサンのナンポドンなどでは買い物を楽しむ若者の姿が毎日絶えません。
韓国は5Gなど通信環境が日本より発達しており、スターバックスやマクドナルドでは、スマートフォンから目を離さない高校生があちらこちらで見られます。それらの姿は東京の渋谷や原宿と何ら変わりません。そういった若者たちは簡単に日本の情報をチェックでき、SNSを使って日本人とのやり取りを無料でできるのです。
日本のメディア報道との乖離
上述のように、そういった若者たちは学校で歴史教育を学ぶものの、日本の文化に生まれながら触れてきた世代でもあり、日本に興味を持つ世代でもあります。近年は新型コロナウイルスの影響で日韓の人々の往来は大きく制限されていますが、日本へ旅行に来る韓国人は若い世代を中心に増加しているのです。
普段、日本国内で生活をしていると、韓国の悪いところを意図的に抽出した報道が目立つように感じられます。それが韓国市民の意見だと無意識のうちに認識し、日韓関係の冷え込みに繋がってしまうことが残念でなりません。韓国の若年層の対日認識と日本のメディア報道には大きな乖離があるのです。
記事では「日本による植民地時代もあり、年配層では日本をよく思わない人が多いのは当然の結果ですが、戦争を経験していない若年層は、日本のアニメやポップカルチャーなどに生まれたときから馴染んできた世代で、むしろ親日、複雑な関係だが日本には悪い印象はないと考える人が多い」と書いており、イメージを悪くしているのはむしろ日本のメディア報道によるステレオタイプであると書かれています。
こうした記事を読む限り、韓国の反日はもう過去の事であり、尹政権になって「反日政策」のようなものはなくなり、懸案が解決しようとしている事、また若い世代はむしろ日本に好意的であり、それぞれの方面から「今までとは違う」という論調が展開されています。
2:実態との乖離
では実際どうなのかといえば、私は過去何度も上記記事のようなフレーズを聞いたことがあります。
具体的には、最初に聞いたのは2002年の日韓共催W杯頃です。
また次の記事にあるように
韓国における新世代の台頭と「ニュー・ライト」(補論)
安全保障論ノススメ/慶應義塾大学 2005年05月07日
http://web.sfc.keio.ac.jp/~kenj/security/archives/2005/05/post_6.html
前回の韓国政治に関する投稿記事を少しフォローアップします。今月号の『
中央公論』所収の小針進「ポスト『386世代』の意外な保守回帰現象」が大変面白かったので、このブログでも紹介したいと思います。(cf. 小針進「ポスト『386世代』の意外な保守回帰現象」『
中央公論』(2005年5月号))
小針さんは、昨年9月に同僚らと18歳~60歳のソウル市民を対象とした質問票調査に基づき、韓国人の年齢別の政治態度を分析しています。ここでは従来よく見えてこなかった、「386世代以降」の20代が実は意外な「保守回帰」を起こしていることを指摘しています。
例えば「次の国に対して好感が持てますか?」と言う質問に、18~29歳までの日本に対する好感度はきわめて高い(20~29歳代は63%、18~19歳に関しては他国を抑えてトップの71.2%)んです。韓国の若年層は親日的であるという姿が浮かび上がってきます。ところが、30~39歳になるとこの数字が激減し日本への好感度は44.4%、米国には40%という数字に落ち込みます。これが40~49歳台になると回復(日:51.4%、米:64.2%)、50~60歳代では米国の数字が急増する(日:50.3%、米:84.4%)という興味深い数字が示されています。(⇒標本の有効性について問う必要はあると思いますが)
ここから浮かび上がるのは、30~39歳代の386世代の「特異性」です。
対日好感度は、30代を中心に見事な「逆ベルカーブ」を描き、対北朝鮮好感度は「ベルカーブ」となっています。つまり、「386世代」というのは、韓国の世代全体のなかからみても特殊な世代だということが伺えます。そして、20代と10代後半の意識が、いわば40代以降のサンプルと似た「保守回帰」現象を起こしていることも指摘できます。つまり、「韓国の若年層が反日的」という見方は、この調査からは当てはまらないことになるわけですね。もしかすると、盧武鉉政権の「急進性」も意外に短期間で終了する一過性のものなのかもしれませんね。
ところで、「生まれ変わってもわが国で生まれたいか」「今の生活に満足しているか」という質問にたいしても、18~19歳のYESという回答率は高い数値を示しています。ここでも386世代のYESは他世代に比べて低いんですね。(ちなみに私は別のブログでJ-WAVEのオンエアにおける邦楽の占有率の増加について述べた際に、「東京回帰のナショナリズム」として、日本国内での豊かな生活にプライドを持つ層が増えたことを指摘しました) 実は韓国国内でも同様の傾向があって、経済発展と民主化を謳歌する世代が、「ソウルって楽しいしカッコいい」と感じて満足している層の増加を意味しているのだと思います。(⇒たしかに、中国の反日デモが学生中心だったのに比べ、韓国では日章旗を燃やす等の抗議行動は比較的中年層が多いですよね)
ただ、こうした「保守回帰現象」は比較的無自覚なもののように思えます。というのも小針さんも指摘するように、20代の若者は政治的無関心層が多く、投票率も低く、政治離れが進んでいるからです。そこには、20歳年上の世代への「意識的回帰」や、386世代への「意識的抵抗」があるというよりは、むしろ「豊かな生活をもたらしている相互依存関係への認識が現れている」といったほうが正確ではないか、と思います(もっとも20代の北朝鮮への好感度は高く、これを上手く説明することはできないのですが・・・)。
「386世代」への批判は、むしろ「386世代」の中からでているようです。これが、一昨日紹介した「ニュー・ライト」の台頭です。「ニュー・ライト」運動が、20代以降の新しい世代を巻き込む勢力となっていくのか、これが今後の韓国政治をみるひとつの座標軸と考えるというのは、いかがでしょうか。私はけっこう面白い視点だと思っています。
2005年の時点で、慶應の保守系ブログのなかでも韓国の18歳から29歳ころまでは日本に好意的な人が多く、それ以後の世代とは大きな差ががあると書かれており、保守回帰のようなことが起きていると書かれています。
また当時の朝日新聞でも
タブーに挑む:歴史証言 新たな模索
朝日新聞 2006年1月9日
https://www.asahi.com/international/aan/hatsu/hatsu060109.html
(前略)
二元論脱し、悪口で笑いあう
日帝協力者への厳しい対応をみせる盧武鉉政権の韓国も、同様だ。02年秋に大ヒットしたドラマ「野人時代」は、日本官憲の内面や背景にもふれ、目をひいた。文化研究でも、日本統治時代の風俗を漫画で読み解く「モダンボーイ、京城を闊歩す」などの出版が続き、「統治」対「抵抗」の二元論をこえた検証が始まっている。
劇作家の平田オリザさん(43)は、02年に韓国の人たちと共同執筆・演出した「その河をこえて、五月」を昨年、日韓で再演した。
二人三脚で書き上げた台本には、日本人が韓国人の悪口をぽんぽん言う場面が出てくる。初演では軋轢も聞こえてきた。韓国側が腹を立てていたとか、ソウルの客席に緊張が走ったとか。でも3年たった昨年は、客席は爆笑の渦に包まれた。「加害者」対「被害者」にとらわれず、笑い合える時代がようやく来た――。韓国とつきあって20年を越す平田さんの口ぶりは、感慨深げだ。
とはいえ、常に韓国の演劇人らの立場に心を砕く。特に竹島問題があった昨年。ラスト近くで、韓国人の母親が日帝時代に覚えた日本語の歌を口ずさむシーンは、日本人のために歌って、と促すせりふを補うことで「親日的」との批判をかわした。
平田さんの芸術家としての倫理ははっきりしている。「日帝時代に家族を拷問で殺された人が、僕の隣の席に座っている。そこで見せられる芝居かどうか、です」
過ちの理由問い、現代に重ね
安彦 良和「王道の狗」(白泉社刊)より
「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」で知られる漫画家の安彦良和さん(58)は90年代前半から、30年代の満州建国大学を主舞台とした長編「虹色のトロツキー」に取り組んだ。罪滅ぼしの告発ものでも、武勇伝でもない物語。戦後教育の中で聞かされた「戦前の日本人はダメ」とは言い切りたくない気持ちをこめた。「一途な心と情熱をもった人々でも、侵略という過ちを犯した。それが歴史なんです」
その複雑さを描く上で、自戒した。日本人を「いい人」ばかりに描かない。植民地経営で良いこともしたといった「開き直り」に転落してもならない。過ちの理由を考え続け、たどり着いたのが昨年、単行本に完結した「王道の狗」だ。自由民権運動から日清戦争へ。朝鮮の近代化の失敗に便乗した日本の変身に、覇権主義の端緒を見いだした。
「先生は野蛮な後進国が文明国に滅ぼされ、(中略)他国に支配されるようになっても仕方ないというお考えなのですか?」。アイヌ集落に身をおいた主人公が、福沢諭吉にただす場面がある。
安彦さんには、道義より列強にくみすることを重んじた思想家が、いまイラク問題などでひたすら米国追随を続ける小泉首相と重なってみえて仕方がない。
勇ましい戦争漫画が売れる時代。自作が中韓で翻訳される日を、ひそかに期待している。
インタビュー:四方田 犬彦さん
紋切り型・感傷排し向き合う
53年生まれ。韓国・建国大客員教授などを歴任。著書に『アジア映画の大衆的想像力』など。
中国や韓国で歴史認識をめぐる文化表現が変わってきた背景には、三世代の意識の違いをとらえる必要がある。
まず、日本の侵略と植民地統治の直接体験をもつ第一世代が減った。反日の一方で個人的な交流も持った両義的で複雑な記憶が、風化しつつある。その下の第二世代は反日教育の影響で対日観は厳しいが、体験がないため観念的になりがちだった。
日本との交流が進んだ時代に育った第三世代は、第二世代への反発もあり、歴史認識の断絶が生じている。中国の「愛国教育」は90年代に盛んになったので状況は違うものの、両国とも新世代の登場が決定的変化をもたらした。
では日本人はどんな姿勢で臨むのか。私が最も危険だと考えるのは感傷性だ。侵略と植民地の犠牲者を聖人化し、永遠化する態度である。
戦後、そういう風潮を担ったのが、えてしてリベラル派だった。在日朝鮮人なら道徳的に正しい犠牲者、中国人ならコミックな料理人といったステレオタイプが作られ続けた。映画でいえば、変化は崔洋一の「月はどっちに出ている」から。だらしないスケベな在日朝鮮人。あれは日本人の作り手にはできなかった。
この感傷性の根は、京城という名を消しソウルと置き換える日本の一部メディアと同じだ。韓国へのヒューマニスティックな配慮のようで、歴史の隠蔽でしかない。日本人は京城と改名させた歴史を、痛みと恥をもって記憶しなければならない。
感傷性はまた、ノスタルジーや異国趣味とも結びつく。「台湾映画には日本がなくした心がある」というような。それが植民者のまなざしである点を自覚すべきだろう。
従軍慰安婦を作品に描く日本人の試みは、90年代に問題化する前からあった。映画では黒澤明。だが連合国軍総司令部(GHQ)に禁止され、日の目をみなかった。ようやく鈴木清順が「春婦伝」で志を継いだ。作家の田村泰次郎や漫画家の水木しげるも慰安婦から眼をそらしていない。
彼らにあったのは戦中派の複雑な思念だ。紋切り型を離れ、それに直に向き合うことが、東アジアの歴史認識にいま、必要なのだ。(談)
先ほどの記事の内容と同じように「日本との交流が進んだ時代に育った第三世代は、第二世代への反発もあり、歴史認識の断絶が生じている」と書かれており、同じく「若い世代は変わったのだ、これまでとは違うのだ」と書いていました。
では実際にはこの記事が書かれて以降どうなったかといえば、
2022年 韓国の40代
KBS 2022-06-08
https://world.kbs.co.kr/service/contents_view.htm?lang=j&menu_cate=lifestyle&board_seq=424158
韓国政治を語る時に革新勢力の中心と言われるのが586世代と言われる人々でした。50代で、1980年代に大学に通った、1960年代生まれの人々のことです。しかし今、
民主党系の野党を支持しているのは40代の人々だと言います。2022年韓国の40代とはどんな世代なのでしょうか。韓国経済新聞の「2022
大韓民国40代リポート」を中心にご紹介します。
2022年の人口基準で809万人、人口の15.7%を占めるのが1973年から1982年の間に生まれた40代の人々です。韓国社会で今、最も進歩的な政治カラーをもった世代だと評価されています。2002年の第16代大統領選挙から、先日の統一地方選挙まで20年間にわたってひたすら現在の野党、民主党系列の党を支持してきた人々です。
民主党の最強の支持層だと言われる今の40代は、20代の時にノ・ムヒョン大統領に、30代ではムン・ジェイン大統領に投票しました。先日の統一地方選挙でも40代の61.4%が民主党系の候補に投票しています。年齢が上がるにつれて保守傾向が強くなるという俗説を初めて破る世代だという予測が学界から出ているほどです。
現在の40代は1990年代にはⅩ世代(脱権威、脱理念、脱政治)の新人類だと言われ、韓国の歴史に登場した初の個人主義世代だと言われました。経済成長と外貨危機という明暗の時代を同時に経験した世代、アナログとデジタル文化の両方に通じる唯一の世代だという特徴もあります。そんな40代が政治カラーにおいてはひたすら民主党系列を支持しているのはなぜなのでしょう。
先日の大統領選挙、そして統一地方選挙でも40代の民主党支持率は60%を超え、すべての年代で最高値を記録しています。特に大統領選挙では放送3社の出口調査の結果、40代の有権者の60.5%がイ・ジェミョン候補を支持していました。586世代と呼ばれる50代の52.4%を上回る支持率でした。過去にも今の40代は、20年前の2002年の大統領選挙ではノ・ムヒョン候補に59%の投票率で、10年前の2012年にはムン・ジェイン候補に66.5%の投票率で圧倒的な支持を表明しています。
このような40代の政治カラーはどのようにして作られてきたのでしょう。社会政治学者が分析した最初の原因は40代のもつ個人主義の特性です。
Ⅹ世代と呼ばれた今の40代が10-20代の学生時代を過ごした1990年代は3低時代(原油価格のダウン、低金利、ウォン安)の効果で韓国経済が好景気をおう歌していた時期でした。豊かな青春時代を送った彼らは自然と集団よりは個人、理念よりは実用、理性よりは感性を重視する特性を帯びるようになったという分析です。社会学科の教授は「現在の40代は韓国初の個人主義世代で、他人を意識するよりも自分自身により忠実であろうという最初の世代です。そして個人主義の価値は、政治的には進歩を支持する形態で表出するのが一般的」だと説明しています。
二番目の原因は外貨危機の克服過程で強く、そして深く根付いた保守政権と既得権に対する反感です。成長期に直面した国家的な危機が、保守政権の政治の失敗のためだという認識を生み、強烈な抵抗感を抱かせるようになり、社会化の過程で進歩的な傾向を帯びるようになったというものです。
三番目の原因は、青春時代に経験した政治的な達成感です。政治外交学科の教授は「多くの40代が、20代だった2002年の大統領選挙で全面的な支持をしたノ・ムヒョン元大統領に対して郷愁を抱いている。そして20代30代の時に参加したロウソク集会の経験が世の中を変えることができるという政治的な達成感を抱かせ、それが進歩的な傾向を維持するのにも影響を与えている」と分析しています。
そして社会・政治学者たちの関心はこの40代が果たして年をとったら保守化するのか、それとも60代になっても進歩勢力の中心であり続けるのかということです。
韓国の公共放送KBSの記事にあるように、文在寅政権を強力に支持していたのがまさにこの世代なのです。
文政権が何をしたかは今更書くまでもないでしょうが、日本への敵愾心と先鋭的な民族主義を政権の人気取りに利用し、まさに上記2つの記事で「以前とは違う世代(当時の20代)」と書かれていた年齢層の人々が、その行いを強力に支持していたわけです。
若い世代が「表面的に日本に好意的」だからと、それが関係改善をもたらすわけではないという事がよく分かります。
しかし、「過去はそうだったかもしれないが、これからの世代は違う」という反応もあるかもしれません。
そのうえで次の記事を見ると
韓国の高校生 78%が「日本製品の不買運動に賛同」
聯合ニュース 2019.08.12
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20190812001000882
【ソウル
聯合ニュース】韓国の高校生の8割近くが
日本製品の
不買運動に賛同しているという調査結果が12日までに公表された。
入試情報企業の進学社が2~6日に自社ホームページ上で高校生の会員372人を対象に調査したところ、全員が
日本製品の
不買運動が行われていることを知っており、うち78.2%が運動に賛同していると答えた。
賛同の理由は「日本政府の輸出規制が経済報復だと考えているため」(50.2%)が最も多く、「日本が過去の歴史をきちんと謝罪していないため」(39.5%)が続いた。
賛同する生徒のうち46.4%は、日本製品に代わる製品がなかったり差し迫ったりした場合でも日本製品を購入しないと答えた。30.2%は「周りの視線が気になるため、日本製品をそっと購入して使う」とした。
周りの人が日本製品を使うことに対しては、「特に関係ない」が20.7%、「裏切られた気がする」が18.0%、「商品性と価格が合理的ならうなずける」が14.5%だった。
いつまで不買運動が続くか尋ねると、37.6%が「半年以上」、23.9%が「1年以上」と予想した。一方で、「じきに終わる」との見方も17.5%あった。
実のところNO JAPAN運動はまさに最初の方で「政治的なわだかまりがなく、日本に好意的」と書かれていた世代の8割以上が積極的に賛同していたという背景があります。
また政治の世界においても、以前から説明しているように李明博政権や朴槿恵政権は、いわゆる徴用工問題や慰安婦問題を先送りしただけであり、無理に強行した慰安婦合意は文政権で実質的に反故にされてしまっています。
また徴用工問題にしても
元徴用工問題で韓国政府の「賠償肩代わり」案、賛成は3割止まり
読売新聞 2023/01/23
https://www.yomiuri.co.jp/world/20230123-OYT1T50146/
【ソウル=溝田拓士】日韓間の最大の懸案となっている元徴用工(旧
朝鮮半島出身労働者)の訴訟問題で、韓国公共放送のKBSは22日、解決に向けて韓国の財団が被告の日本企業の賠償を肩代わりするという韓国政府案への賛成が3割強にとどまるとの
世論調査結果を報じた。韓国政府案が韓国内で支持を得ていない実態が浮き彫りになった。
KBSが18~20日に行った調査結果によると、「被害者の意見反映が不十分」との回答は59・6%で、「韓日両国の関係回復のために同意する」(33・3%)を大きく上回った。
韓国政府は12日に公開討論会を開催し、外交省高官が解決策の案を説明したが、日本企業の賠償や謝罪を求める原告側は反発していた。韓国政府は近く、最終的な解決策を正式に日本側へ提示するとみられている。
韓国人の3割程度しか「代位弁済」に賛同しておらず、松川議員の考え通りに話が進む可能性は極めて低い事がわかります。
またこちらの記事でも
韓国首相 韓日関係は「過去に執着せず未来へ進むべき」
聯合ニュース 2023.02.06
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20230206005300882
【ソウル
聯合ニュース】韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)首相は6日、国会で行われた政治・外交・統一・安全保障分野の対政府質疑に出席し、日本による植民地時代の徴用訴訟問題の解決に向けた政府の方向性について、「韓日関係は現在われわれが置かれている外交・安保状況や経済的状況からみて、過去に執着しすぎるよりは未来に向かって進むべきだと信じている」と述べた。
また、「国内でさまざまな痛みを体験された方々と十分な意思疎通をする中で韓日関係が正常化されなければならないと信じている」と強調した。最大野党「共に民主党」の洪起元(ホン・ギウォン)国会議員の質問に答えた。
洪氏が、被害者が求めているのは日本が責任を認めて謝罪することであり、日本企業の参加と被害者の同意がなければ解決策になり得ないと述べたのに対し、韓氏は「被害者の考えは十分に理解しており、その方々との意志疎通によって良い解決策が出るよう努力しなければならないと考える」と答弁した。
また、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は徴用問題の解決には積極的だが、日本の輸出規制に対しては一度も問題提起をしていないとの指摘には、世界貿易機関(WTO)に提訴したと反論。韓日間の関係が包括的に解決されれば、このような問題も一緒に解決されると期待していると述べた。
韓国の韓悳洙首相が「日本企業の参加と被害者の同意がなければ解決策になり得ない」とコメントしており、日本側とは去年の交渉当初から一切溝が埋まっていない事がわかります。
更に、尹政権に期待をしている人達は大きな見落としもしています。
徴用工問題以外にも、たとえば次の事例のように
汚染水の海洋放出 日本に「責任ある対応要求」=韓国
聯合ニュース 2023.01.27
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20230127002000882
【ソウル
聯合ニュース】日本政府が
東京電力福島第1
原子力発電所の処理済み汚染水の海洋放出を今年の春から夏ごろに始めるとの見通しを示したことを巡り、韓国の外交部当局者は27日、韓国政府の対応について記者団に「日本と緊密な協議を続けて韓国側の憂慮を伝え、日本が安全性検討のための情報を適時に透明性をもって提供し、責任ある対応をするよう求めてきた」と述べた。
また、「国際法的な対応に関連し、国際法による日本政府の義務、国際法上活用可能な紛争解決手続きなどを深く検討してきた」として、「国内外の国際法専門家や科学者の意見を含めさまざまな見解を聞きながら、関連する法律や事実関係の把握などのための努力も続けてきた」と述べた。
韓国政府が来月発表する予定の汚染水の国内流入シミュ―レーション結果を巡り、日本側と議論するかどうかに関しては、「日本側と意思疎通を続けており、韓国側の憂慮を伝え続けている」と答えた。
韓国の日本産水産物輸入規制 2国間協議で溝埋まらず
聯合ニュース 2015.06.26
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20150626000200882
【ソウル
聯合ニュース】
東京電力福島第1
原発事故を受けた韓国の日本産
水産物の
輸入禁止措置をめぐり、韓日両政府は24~25日(現地時間)、スイス・
ジュネーブの
世界貿易機関(
WTO)事務局で2カ国間協議を行ったが、成果を出すことができなかった。
韓国は2013年9月から福島など8県の全ての水産物について輸入を禁じている。これに対し日本政府は先月、規制が不当だとして、WTOの紛争解決手続きに基づく2国間協議を韓国に要請した。
韓国産業通商資源部によると、両国は溝を埋められないまま2日間の協議を終えた。
日本は韓国による水産物輸入規制がWTOの衛生植物検疫措置の適用に関する協定(SPS)の透明性と科学的根拠に関する条項に合致しないとしながら、早期に規制を解除するべきだと繰り返し主張した。輸入規制の科学的な証拠と法的な根拠についても質問を重ねた。
一方の韓国は、日本のWTO紛争解決手続きの利用に遺憾の意を表明した後、水産物の輸入規制はWTOのSPSの条項に根拠を置くものだと説明した。日本の原発管理状況やリスクについても質問した。
産業通商資源部は26日、今後設置が予想される紛争処理小委員会(パネル)などWTOの紛争処理手続きに備え、万全の準備を進める方針を明らかにした。
WTOの規定に基づき、日本は2国間協議を要請した日から60日後となる7月20日以降にパネル設置を要求できる。日本は今回の2国間協議の結果を検討した上で、今後の日程を決めるようだ。
いわゆる福島原発の処理水問題は元々が朴槿恵政権による「政治的意図」で始まったものの延長であり、韓国内で「影響がない」という結論が出ていようと、IAEAが「問題ない」という結論を出していようと、尹政権がそれでもこのように問題化させており、解決の糸口すらありません。
参考記事
韓国紙「IAEAが福島原発汚染水の放流施設は安全と説明」 韓国国会では太平洋諸国と討論会開催へ
KOREA ECONOMICS 2023年1月22日
https://korea-economics.jp/posts/23012202/
汚染水の海洋放出 「科学的に問題ない」=韓国政府報告書
聯合ニュース 2021.04.15
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20210415001200882
韓国学会”処理水”「影響は微々たるもの」
日本テレビ 2021年4月27日
https://news.ntv.co.jp/category/international/863366
実際には好転する要素などほとんどなく、火種は「ずっと存在し続けている」のです。
つまり、20年前から「以前の韓国とは違う」と「同じ主張」が繰り返されてきたが何も変わらなかったのと同じように、今回も「同じ過ちが繰り返されているだけ」という事がわかります。
3:問題の原因
ではなぜこんなことになっているのかといえば、よくネット上では確信犯的な意図や「韓国の側だから」といった論調が見て取れますが、中にはそういう人もいるかもしませんが、私は大多数は違うと考えています。
どういうことかというと、たとえば過去にも紹介したことのある古田博司教授の「朝鮮民族を読み解く」で前半に書かれているように、彼らは「他人に迷惑をかけられるほど信用されているのだ」と考え、「信頼」に対する考え方に大きな隔たりがあると書かれています。
また「義理を通す」という考え方もなく、自己に対する直接的な利益にならなければ友好関係を築けないとも書かれています。
そして「韓国人は人情の民族」と考える人がいるが、実際にはその人情とは「相手が自己に直接的な利益を与えてくれる」という前提が無ければすぐさま疎遠になる、「疎遠」と「緊密」の両極端しかない文化であるとしています。
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これは現状にも当てはまります。
徴用工問題にしても他の歴史問題にしても、韓国側が少しでも譲歩をするのであれば、日本側は韓国人の満足のいくような「返礼」をしないといけないのです。
それが徴用工問題における「日本企業の参加と被害者の同意がなければ解決策になり得ない」という内容であったり、あるいは他の「譲歩」であったりします。
過去の政権でどんな約束をしていようと、現在の政権にとって利益が無ければ協定違反をしてもなんとも思わないですし、私たちから見れば「韓国側が一方的に協定を破ったのだから責任を持って原状復帰させるべき」と考えても、彼らは「そうして欲しいのであれば見返りをよこせ」としか考えないのです。
そして大多数の日本人はこの彼らの考え方の違いを知ろうとしないため、何度も何度も「今回は以前と違うはず」と考えてしまうのです。
また他にも、一連の対馬の仏像盗難事件に関して、日韓関係の好転の兆しと考える人がいるのも、この「認識の違い」を理解していない事からくる錯覚が影響しています。
たとえば次の記事のように
【時視各角】高麗金銅仏像は永遠だ=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.02.06 10:27
https://japanese.joins.com/JArticle/300650
横56センチ、縦45.5センチ、高さ50.5センチ、重さ38.6キロの仏像1点がある。高麗末の金銅
観音菩薩坐像だ。専門家らは高麗時代の仏像の典型と評価する。温和で平たい顔、首飾り、頭の宝冠、膝を覆う瓔珞など豊かで開放的な高麗の雰囲気がある。
この仏像が最近イシューになっている。いや、過去10年間ほどずっとイシューになっていた。所有権をめぐり韓国と日本が対立してきた。これまで2度の訴訟があったが、1審では韓国に、2審では日本に軍配が上がった。大法院(最高裁)の判決までは相当な時間が残っているが、両国の自尊心、外交力と国際法までがかかわる事案であり、論争は続くとみられる。
最も大きな問題は、この仏像が韓国人が日本から盗んできた文化財というところにある。2012年10月、韓国人4人が対馬の観音寺(クァンウムサ)に所蔵されていた仏像を窃取し、釜山(プサン)で持ち込もうとして摘発された。一言でいえば贓物に該当する。その後、様相が複雑になった。忠清南道瑞山(ソサン)の浮石寺(ブソクサ)側が元来の所有権を主張し、2016年に韓国政府を相手に訴訟を起こした。1951年に日本の寺側が仏像腹蔵遺物から発見した「1330年に高麗瑞州(瑞山)浮石寺でこの仏像がつくられた」という結縁文を根拠に挙げた。倭寇が略奪したと主張し、1審裁判所もこれを認めた。
1日の2審の判断は違った。700年前の高麗の浮石寺と現在の浮石寺を同じ寺と見ることはできず、倭寇が盗んでいった状況はみられるが、観音寺が両国の民法、国際法基準である20年以上占有してきた点を挙げて日本側の所有権を認めた。
2審に対する反応も比較される。韓国曹渓宗は「略奪文化財に対する免罪符を与えた、(文化財返還の)最も悪い先例を提供した没歴史的判決」とし、直ちに反発した。半面、日本メディアは「韓日関係改善の流れを後押しする」「両国関係改善の雰囲気に冷や水を浴びせる事態は避けた」という形で報じた。
ところが共に「ファクト」でない。韓国としては残念だが、倭寇が仏像を奪っていったという史料をまだ探せていない。日本メディアの解釈も我田引水だ。高麗仏像と強制徴用の間にはいかなるつながりもない。2審裁判所も「民事訴訟は所有権の帰属を判断するだけであり、韓国政府は国際法の理念・協約などを考慮して仏像返還問題を扱う必要がある」と指摘した。
特に日本の反応が適切でない。2015年の軍艦島ユネスコ世界遺産登録、最近の佐渡金山世界遺産登録再推進決定過程で消した朝鮮人強制労役にいかなる措置も取っていない状況ではないのか。また新年の外交演説で独島(ドクト、日本名・竹島)が日本の領土という主張を10年連続で繰り返した。今回の判決は「『反日無罪』の流れが変化したことをうかがわせる」(読売)という評価はむしろ事態を歪曲するだけだ。
我々も毅然と対応する必要がある。文化財の返還は複雑で微妙なイシューだ。今回の仏像は「盗んで行ったもの(推定)をまた盗んできた」という未曾有のことであり、緻密な接近が必要だ。文化財の返還では不法・不当搬出を立証する資料の確保が核心であるからだ。決して感情で進める事案ではない。略奪の事実を先に立証し、国際法手続きに基づいて所有権を返してもらうのが文化国家の品格でありグローバルスタンダードだ。
今後の大法院の判決は予断できない。ただ、「もともと我々のもの」という渇望の論理だけを出せば名分と実利を共に失いかねない。たとえ仏像を日本に返すことになっても高麗仏像が日本仏像に化けることはない。判決に一喜一憂する事件でないということだ。学問的考証と外交的対応、国際的共感という宿題が我々の前にある。それはまさにKカルチャーの自尊心を守る道だ。「現世では厄難をなくして幸福を受け、後世では共に極楽に生まれることを願う」という仏像の発願文を反すうしてみる。仏法と不法は全く違う。
パク・ジョンホ/首席論説委員
この仏像の件を「両国の自尊心、外交力と国際法までがかかわる事案」と感情論と国際法を同列視したうえで、「どっちもどっち論」にしてしまっているうえに、軍艦島や佐渡金山、竹島問題まで持ち出して、問題を相対化させ「日本の態度が悪い」と書いています。
このことから解るのは、何か一つ問題を解決しようとすれば、韓国側は必ず「見返り」を要求してくるため、むしろ日韓問題全体としては状況が悪化する事態も十分にあり得るという事です。
日本側からしてみれば、「韓国側が問題を引き起こしたのだから、韓国側が責任を持って解決させるのが当然」と考えても、彼らは「解決の見返り」を求め、また「日本が悪い理由」を次々と作り出し、「自分は正しい」という証明に使うため、私たちの想定する「解決」にはたどり着かないわけです。
こうしたことも「日本と韓国は同じ常識を共有している」という認識を持っていたり、違いを指摘しても「そんなおかしな価値観なわけがない、偏見だ」という「偏見」をもっていると、最初の記事のように違いを認識できず、まるで事態が好転しているかのように錯覚し、同じ過ちを何度も繰り返すことになるというわけです。
重要なのは、「日本と韓国は同じ常識を共有していない」という前提を理解したうえで、現在の安保問題やその他諸々との間でのバランスを考えていく事なのです。
韓国が親日か反日かなどという、そんな些末な事は日韓問題において全く重要ではないということです。
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