日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

メアリー・スーとネトウヨ論


初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由


注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


さて、本日は以前よりあった既視感の答えが見つかったのでそれについて書いていきます。


メアリー・スーとは、SFドラマのスタートレックの二次創作活動において見られた作者達の特定の傾向に対し、ある作家がその傾向を皮肉るために創作した二次創作の登場人物に由来し、以後その傾向のある創作物内の登場人物に対する呼称として使われるようになった呼び名。


このメアリー・スーの特徴として、作者の願望をそのまま投影したかのような類稀なる才能、周囲の登場人物からの手放しの賞賛、他の人物と異なる特殊な出生、最後は登場人物全員から惜しまれつつ死亡するなどがあるが、もう一つの特徴として実際には大した才能が無い(作者の技量不足)が、周囲が主人公に合わせて劣化する事で大活躍するというものがある。


そして日韓問題やマスコミ問題において、相手の主張を一切考慮せず、自身の空想内にある「理想の敵」を相手に当てはめ、それを攻撃する傾向の人々が度々見受けられ、この特徴がメアリー・スーの特徴と非常に良く似ているという興味深い傾向にある。


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:メアリー・スーとは


まずメアリー・スーについて少し詳しく書くと、1970年代にアメリカの人気ドラマ「スタートレック」の二次創作が十代の少年少女の間で密かなブームとなり、多数の二次創作が登場したが、そのなかで物語の設定を超越した、作者の願望をそのまま投影、場合によっては作者の分身的な人物が登場し収拾が付かなくなるような状況が発生しました。


これに対して、こうした二次創作が投稿されていたファンジン※『Menagerie』の編集者の一人であったポーラ・スミスという人物が、これがいかにばかげた事であるかを客観視してもらうために創作したパロディー小説「A Trekkie's Tale」のヒロインがメアリー・スーです。


※ファンジン
(主にSF作品などの)ファンが集まって、評論・創作などを載せる雑誌



このメアリー・スーは作中で、惑星連邦に所属する連邦艦隊に最年少(15歳)、最優秀の成績で仕官、そのままスタートレックの主人公たちが搭乗するエンタープライズ号に着任、登場人物を差し置いて大活躍をします。


一例として、他のクルー達が知りえない様々な情報を知っておりクルーに助言を与える、常に上から目線だがなせか周囲から非常に好感を持たれている、特殊能力持ち、隠された出生の秘密、最後は悲劇的な死を迎え、全ての登場人物が悲嘆に暮れ惜しまれつつこの世を去るなどです。
(ちなみにこの小説、半ページの読み切りという短さで、それも皮肉になっているそうです)


ここから転じて、二次創作において作者のお気に入りの登場人物を原作設定以上に強力にする場合や、原作であっても作者の投影として願望が強く出たキャラクターがメアリー・スー認定を受ける場合もあるようです。


ただこのあたりはあくまで観測者の主観によるものが大きいので私は一概にこれをメアリー・スー認定する気にはなりませんし、とにかく自身の気に入らない設定を片っ端からメアリー・スー認定する人達もいるため、独善にならないよう使用には細心の注意が必要となります。


まあそれはそれとして、私は日韓問題やマスコミ問題に長年触れてきて、時々妙な既視感を覚える事があり、それが何なのかずっと解らずにいましたが、それが先月頃にふと「ああそうか、メアリー・スーに似ているのか」と気付きました。


どういう事かというと、メアリー・スーの特徴の一つ(常にこれがメアリー・スーの必要条件では無い事に注意)として、作者の技量やリサーチ不足などで実際にはそこまで強くない、或いは知性があるわけでもないにも関わらず、周囲の全ての人々が主人公の能力未満になる事で大活躍するという現象があります。


要するに、ドラえもんの「ハンディキャップ(周囲の人々を自分と同レベルに調整することができる道具)」の効果と同じで、ある意味でこの道具は使用者をメアリー・スー化する道具ともいえます。


これが既視感の正体で、その問題について殆ど知識が無いにも関わらず、「相手はきっと偏見で物を見ているはずだ」と思い込んで批判をしてきたり、相手の主張を自身に都合の良い内容に歪め、その歪められた主張を「論破」する詭弁、ストローマンなどが、この問題では頻発しているのです。


つまりこうした人々は「相手は自分以下の情報と知性しかない」という『設定』をまず最初に作成し、その設定通りに話を進めようとする、結果話がまるで噛み合わずレッテル貼りや詭弁に終始するしかなくなる、まさに「メアリー・スーが現実ではどうなるか」という状況そのものなのです。


2:実例


例えばマスコミ批判や韓国への否定的な意見などに対して、「ネットの偏った情報を鵜呑みにしている」という言葉をよく見かけます。
つまり、逆説的にネットで偏った情報得ているのはマスコミと韓国に否定的な人物であるという主張です。


しかし、そうした傾向のある人達がそちらの方面にしかいないかといえばそうでもなく、またネット以外で情報を得ている人達がそうでは無いかといえば明らかに違います。


ネトウヨの多くは「バブル末期世代」 不遇が「愛国」に走らせたのか? キャリコネ 2014-07-28


例えば上記の事例は、過去記事(親韓・反嫌韓の意見がネットで支持されない4つの理由)で指摘しましたが、そもそもチャンネル桜の会員の年齢層と嫌韓等の年齢層に一切の相関関係がない事が内閣府の統計から解るにも関わらず、それに関係があるかのように書いています。


また他にも以下の事例では

今週の筆者は社会学者・上野千鶴子さん 「ネトウヨ」とは何者か?
毎日新聞 2015年12月15日
http://mainichi.jp/articles/20151215/dde/012/070/010000c
(一部抜粋)
反マスコミの空気は2002年の日韓サッカー・ワールドカップを契機に「反日メディア」朝日新聞批判にも結びついたが、同時に韓流ドラマを過剰に放映する(と彼らには思えた)2011年のフジテレビへの抗議デモにも結びついた。その頃までは、ネット界の住民は自分たちがリアルの世界では報われない少数派だという自意識を持っていたようだ。


そもそもこの記事では2002年のワールドカップをマスコミ批判の契機としており、それが「反日メディア」への批判になっていったとしていますが、過去記事でも指摘したようにあの時は韓国の「民族主義の発露」の結果起きた現象に多くの人達が不快感を覚えただけです。


そして、その民族主義を先鋭化させていく韓国を強引に肯定していく日本のマスコミに多くの人達が反感を持ったのであって、そもそもイデオロギーの問題でもなければ「リアルの世界では報われない少数派」が主な動機でもありません。


参考記事
嫌韓の出発点、2002年日韓共催ワールドカップで何が起きたのか


勿論、韓国のそうした行為を上野さんのように不快に感じない人もいるのでしょうが、日本社会の一般的な価値観として、相手選手に意図的に暴力を振るう行為や、サポーターが集団で運営まで関与して相手選手に嫌がらせをするような行為は批判の対象です。


こういった「原因としての2002年ワールドカップ」をイデオロギー問題や「自身の不幸の転嫁」であると指摘する人々はマスコミ業界に多数いますが、明らかにこの人達は「相手が何を感じ何を不満に思ったのか」を理解していません。


つまり、「マスコミや韓国を批判するのは自身の不幸を他者に転嫁しているだけの人々」という先入観が先にあり、実際の相手の主張を調べる事なく、或いは無視して「偏った情報のみ」で結論を出した結果です。


ある意味で「民族主義の先鋭化を不快に感じる」という日本人の一般的な価値観を理解していない人達とも表現できます。


こうした事例を見ても解るように、「偏った情報で判断を曇らせる」のは何もネット特有でもましてやマスコミや韓国に否定的な意見を持っている人特有の問題でもなく、大手メディアに登場するいわゆる「知識人」の中ですら日常的に起きている事なのです。


しかし彼らの中では、こうした現象はネット上でマスコミ批判や韓国を批判をする人々特有の現象という事になっています。
実際に起きている出来事を見ておらず、自身の偏った知識のみで判断し周囲を見ないために起きる現象そのものです。


※以下で言及する「その事例を論じるのに必要な知識を有していない」というのは、何も何かしら専門的な知識を必要とするといった仰々しいものではなく、例えばモビルスーツの事を知らずにガンダムを語るとか、願いをかなえる7つの玉の事を知らずにドラゴンボールを語るとか、そういったレベルのお話です。


また他にも、私が近年直接対話した相手の中には、関東大震災における朝鮮人殺害事件の事を論じているのに、上海臨時政府や「韓国独立運動之血史」、朴殷植、高麗共産党についての知識がまるでなく、にもかかわらず私の記事を「偏見で過去を美化しようとしている」と批判してきた人物がいます。


ちなみにこの人物は私が「実際にあったテロや火事場泥棒、暴動などをなぜ隠すのか」という問いに対して、「ネトウヨが虐殺を美化して肯定しようとしている」と、典型的なストローマンをしてきていました。


他にも、慰安婦問題で朴裕河教授がなぜ韓国内で問題になったのか、韓国側が慰安婦合意の何を問題にしているのか、それを一切知らずに私の記事を「捏造だ」と言って来た人物は、ネットで検索すればウィキペディアにすら書いてある情報(朴裕河教授の訴訟内容)すら知らずに慰安婦問題を論じていました。


そしてこれと同じような論調で私の記事を批判してきた人物は、こちらがソースとして聨合ニュース、中央日報東亜日報ハンギョレ新聞、京郷新聞を提示し、韓国側が「軍や国の命令により軍人や警官が行った奴隷狩り」の事に拘っているのだと説明すると、「産経新聞のようなネトウヨ御用達のニュースばかり見ているからそんな意見になるのだ」と返してきました。


私が結論に至るために用意したソースには、産経どころか日本のメディアのソースが一切無いにも関わらずです。


また他にも、いわゆるNHK番組改変問題で対話をした人物は、番組内で取り上げた民衆法廷北朝鮮の政府高官やNHKの制作会社の職員が参加者として直接関わっているにも関わらず、なぜその事を番組内で伝えないのか、これは報道の中立性が保たれているのか、といった趣旨の質問をした事例があります。


この事例では、この問いに対して「NHKの職員の中にも自民党員がいるが、その事をいちいち番組で表示していない」と返してきたため、私は「憲法で定められた公的な団体と、私的な団体や国交の無い国の政府高官を同列に扱うのか」と指摘しました。


するとその人物は、「与党議員以外はテレビに出演する資格が無いという事か」という趣旨の反論してきました。
私の質問趣旨と明らかにずれており、これも典型的なストローマンです。


2018年5月17日22時14分追記
このやり取りにおいて重要なのは、こちら側は「NHKの番組に北朝鮮の政府高官(のちの2006年に国連決議により工作員認定された人物)」が参加していたにも関わらず、北朝鮮の政府高官が参加していた事をなぜ「番組内で伝えなかったのか」という質問の答えを聞きたかったことです。

しかしこの人物は、終始一貫して私を「親安倍の人物で自分達の主張を貶めるためにこんな事をしている」と思い込み、「その設定」から一切離れようとしないため、質問に対して上記のような回答(=結果的にストローマンになっている)をしたのではないかと推察します。


上記の事例全てに共通する事として、「相手の主張」や「事例の詳細」についての知識が殆どなく、調べる意思すら無いというものがあります。
こうした人々は、往々にしてそれを論じるうえで必要となる知識自体を持っておらず、自身が元から持っている限られた知識のみで全てを語ろうとする傾向にあります。


相手を自身の思考の中に存在する理想の敵として設定し、その理想の敵を「こらしめる」、だから相手がどんな主張をしているか、その問題にはどんな情報が含まれているか、そうしたものを調べる必然性が彼らの中には無いのです。


要するに、彼らは現実世界で自身がメアリー・スー化しており、自身の「敵」が常に自身の能力(知識)以下のはずなのです。
結果、現実に返される反論との間に矛盾が発生し、最終的にストローマンに頼らないと『自身の設定』を維持できなくなるわけです。


非常に興味深い現象です。


3:注意しないといけない事


この件からは私達も教訓を得られます。
それは想像で安易なレッテル貼りをしないという事です。


たとえば最近の事例として、九州国際大学学長が「同じビルに中国、韓国のテレビ局が入っている。完全に乗っ取られているんですね。(改憲は)この人たちとの戦い」と発言して問題になりました。


元自民議員の学長「テレビ局を中韓の局が乗っ取り」 朝日新聞 2018年5月3日


これの何が問題かといえば、そもそも全国放送のテレビ局は各国のテレビ局と提携関係にあり、例えばテレビ朝日はCNNとも提携していますし、フジテレビはABCと提携関係にあり、どちらも局内に支局を持っています。
これは各全国紙も同じであり、中韓のみが支局を持っているわけではありません。


つまり、乗っ取られているかどうか以前の問題として「同じビルに中国、韓国のテレビ局が入っている。」という事を根拠にしている時点でただの言いがかりなのです。


これも結局は安易な想像でレッテル貼りをしているだけであり、本質的には今回紹介した事例と同じです。


また、こうした結果になる要因として安易にレッテル貼りに頼る事も原因の一つとして挙げられます。


安易にレッテル貼りをしてしまうと、そこで固定観念が生まれてしまうため、その対象についてそれ以上考える必要が無くなり、結果として「自身に都合のいい敵」を頭の中に作り出してしまい、自分自身がメアリー・スー化してしまうのです。


例えば今回紹介した事例もほほ全てがそれに該当します。
彼らは相手の事を「何の知識も無いただのネトウヨ」と設定し、その結果自身の中にある「想像上のネトウヨ論」を相手に当てはめた結果、最終的にストローマンに頼るしか方法がなくなったわけです。


実際、彼らは私が自民党産経新聞の支持者と思い込んでいました。
私が自民党だろうが産経新聞だろうが、問題があれば批判している事は少し調べれば解るにも関わらず、自身の頭の中の設定を私に当てはめたため実際の私を見ることなく「対話」しようとしていたわけです。


そしてこうした事はどんなに注意していても「起こりうる」事であり、それはこの記事を書いている私自身も例外ではありません、だからこそ自身がメアリー・スー化しないためにも、安易なレッテル貼りに頼らず、可能な限り「中身を調べる」「裏取りをする」という事を心がけないといけないわけです。


「相手の属性」を「想像」するようになったら自分がメアリー・スーになっていると見て間違いないでしょう。
常に「その根拠は何か」を真っ先に考える習慣をつけないといけません。


ちなみに余談となりますが、スタートレック繋がりで私自身が良く調べずに適当な事を語ってしまい、痛い思いをした事例がありあす。


新スタートレックのエピソードに「Conspiracy(恐るべき陰謀)」というものがあるのですが、これを私はうろ覚えの知識でジョン・カーペンター監督作品と思い込み、長々と「ジョン・カーペンターらしさ」を語ってしまった事があります。
後で事実と異なると知り非常に恥ずかしい思いをしました。
裏取りは可能な限り複数のソースに当たろうという教訓になりました。

ジョン・カーペンター
アメリカの有名なB級映画監督



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