さて、本日は韓国で大ヒットした映画「破墓」に関連した内容を扱っていきます。
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韓国関連でよく見かける「民族精気」という単語 - 日韓問題（初心者向け）
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お品書き
・破墓は抗日映画
・日帝の鉄杭
・民族精気と政治
注意
・この動画は「日韓の価値観の違い」を扱っています・うｐ主のスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからとこちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たら
どう思うか」という客観性を常に持ちましょう。・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
・リクエストは原則受け付けていません
・引用ソースへのリンクが同時掲載のブログにあります
・毎週日曜日更新
※以下は動画のテキスト版です
レイム マリサ
ゆっくりしていってね。
レイム
さて、今回は2024年に韓国で大ヒットしたホラー映画「破墓」に関連して、韓国政治で度々出て来るフレーズ「民族精気」について扱っていくわ。
マリサ
なあレイム、その「民族精気」ってのは日韓問題に関係するのか？
レイム
かなり関係するわね。
韓国では度々政治家や学者が大真面目に「日本が韓国の民族精気を棄損した」と、度々語っているから。
マリサ
意味がよく分からんが、その民族精気というものは、日本が棄損させたりできるようなものなのか？
レイム
韓国人達の間ではできるという事になっているわね。
過去にはこれが実際の政策に反映されたこともあるし、今でも「生きた言葉」であるからこそ、破墓でもテーマになっているのよ。
マリサ
破墓がオカルト映画という事実から、なんかもう色々と嫌な予感がするんだぜ…。
レイム
そんなわけでそろそろ本編へいくわね。
破墓は抗日映画
マリサ
というか、「抗日映画」ってなんだ？
レイム
まあ、日本人にわかりやすい単語に置き換えれば「反日映画」という事なのだけど、韓国では近年反日の事を「抗日」と呼ぶことが多いのよ。
マリサ
ああ、つまり「反日映画」だと印象が悪いから、「抗日」と呼び変えているわけか。
レイム
そういう事。
で、次を見てもらうと
「破墓」、オカルト映画初の観客１０００万人
東亜日報 March. 25, 2024
https://www.donga.com/jp/List/article/all/20240325/4835977/1映画「破墓」が今年公開された映画としては初めて２４日、１０００万の観客を突破した。超自然的現象を扱うオカルト映画としては初の１０００万観客動員映画だ。平日にも１日６万人以上が着実に観客が入っており、最終的な観客動員数に期待が集まっている。
２４日、配給会社のショーボックスによると、同日午前「破墓」の累計観客数が１０００万人を突破した。先月２２日の公開から３１日目で達成した快挙だ。韓国映画では２３作目で、歴代公開作では３２作目の１０００万映画だ。
（中略）
風水とシャーマニズムを題材にした「破墓」は、「Ｋオカルト」物の新しい地平を開いたという評価を受けた。生計のために働く普通の人々がそれぞれの能力を使って力を合わせて悪を退けるという物語は「庶民ヒーロー映画」に近く、後半には日帝時代の「鉄杭説」を採用した抗日映画へと流れ、観客の底辺を大きく広げたという分析だ。
レイム
この映画は韓国で年齢性別を問わない大ヒットとなったわけだけど、その要員として「後半には日帝時代の「鉄杭説」を採用した抗日映画へと流れ、観客の底辺を大きく広げたという分析だ」と書かれていて、これが多くの世代で人気となった理由と説明されているわ。
マリサ
日本では「韓国の若者はもう反日ではない」とか「韓国にはもう反日の空気は無い」みたいな紹介のされ方をしているが、実際には「抗日」という名前で反日映画がヒットする土壌があるわけか。
レイム
そして次にこちらを見ると
観客動員1000万人突破 映画『破墓』監督「反日・左派の映画？ 同意できない…韓国人なら感じることのできる普遍的な感情」
朝鮮日報 2024/03/31
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/03/27/2024032780145.htmlチャン・ジェヒョン監督インタビュー
幼い頃に近所の裏山で見た破墓（墓を移すために墓を掘り起こすこと）に着想を得たというチャン・ジェヒョン監督（43）の映画『破墓』が、韓国で観客動員数1000万人を突破した。さまざまな話題が次から次へと出て口コミで広がった上に、「反日映画」「左派の映画」などの論争が続き、人々の好奇心を刺激した。今月21日、観客1000万人突破を前に会ったチャン・ジェヒョン監督（43）は、『破墓』をめぐる論争について口を開いた。
墓から出てきた「不気味なもの」の正体を推理していく序盤部分の完成度には疑問の声はなかったが、日本の大名の精霊が登場する後半部分からは、評価が真っ二つに分かれた。チャン監督は「シナリオの段階から予想していたこと」としながらも「前半部分は大衆的で気軽な感じに作り、後半部分はマニア向けに作ったのですが、反応が異なるので少し意外でした」と話した。
「一か所を掘り進めていくうちに徐々に深く入っていくストーリーであって、全く異なるジャンルに変わるとは思っていません。異質な感じがするかもしれませんが、精霊も超自然的な現象ですから」
日本の精霊に立ち向かい、韓日の霊と巫女（みこ）が戦いを繰り広げることに加え、独立運動を思わせる内容を至る所に忍ばせ、「反日映画」というレッテルも付いた。チャン監督は「韓国人であれば、程度の差はあるものの、誰もがこの地の悲しみと痛みに対するもどかしい気持ちを抱いていますよね。韓国人なら感じることのできる普遍的な感情を盛り込んだと考えています」映画『建国戦争』を手掛けたキム・ドクヨン監督が「反日をあおる映画に左派の人々が殺到している」と主張し、これがかえってノイズマーケティング（炎上商法）効果をもたらした。チャン監督は「人それぞれの見方があるため、正しいとか間違っているとか言うことはできません。私が意図したことではないため、そんなに気にしませんでした。関心を持っていただけてありがたく思っています」と話した。
チャン監督は「主題意識を表に出さないのが監督としての目標」と述べた。「観客は映画館に勉強しに来るわけではないですよね。観客が抱く感情をまず考えてきました。映画『プリースト 悪魔を葬る者』では希望を与えたかったし、映画『サバハ（THE SIXTH FINGER）』は返事のない神の前に立った人間の悲しみを描きました。今回の映画は晴れ晴れとした気分やスカッとした気分、そして最後には若干ジーンとするような感覚を与えたかったし、観客もそのような感情を抱いて気分よく映画館を出たのではないかと思っています」
（後略）
レイム
この映画の監督が、韓国三大紙トップの朝鮮日報のインタビューを受けている記事なのだけど、「韓日の霊と巫女が戦いを繰り広げることに加え、独立運動を思わせる内容を至る所に忍ばせ「反日映画」というレッテルも付いた」という評価があるとして、その件を監督がどう考えているか聞いているのね。
レイム
で、監督の答えは「韓国人であれば、程度の差はあるものの、誰もがこの地の悲しみと痛みに対するもどかしい気持ちを抱いていますよね。韓国人なら感じることのできる普遍的な感情を盛り込んだと考えています」とも答えており、これが韓国人にとって強い共感を得る事の出来る内容であると答えているわ。
マリサ
監督自身が、反日映画であることを否定せず、むしろ「だからこそ共感された」という評価をしているわけか。
レイム
また次を読むと
[仁川の朝]「パミョ」の歴史意識
京畿日報（韓国語） 2024-04-08
https://www.kyeonggi.com/article/20240407580318（一部抜粋）
『パミョ』は、巨大な富を蓄積した家門の長孫の家庭が患う病を解決するために、有名な巫女と風水師、そして葬儀師が力を合わせて行った奇怪な墓と関連した心霊事件を暴くことが作品の大筋だ。『パミョ』は韓国人の伝統思想である墓場および風水地理を主要な素材としている。そこに韓国式巫俗シャーマニズムと日本神道のアニミズム(精霊信仰)が互いに対決を繰り広げ、日帝強占期時代に行われた侵略の歴史と高位親日派たちによる売国の歴史を想起させる。
特に、日帝が我が民族の血脈と気運を抑えるために名山に鉄杭を刺したという、いわゆる「風水侵略」が言及されているが、風水侵略と鉄杭は、この映画で叙事と雰囲気を反転する重要な転換点でもある。この過程で、日本の呪術師が太白山脈に鉄の杭として「オニ」(妖怪とされる日本の伝説上の存在)を植えておいたという設定と、登場人物の名が実際に存在した独立運動家たちを連想させ、映画前半部の依頼人の親日行跡などがこの映画の抗日テーマを強調している。
そして、『パミョ』は日帝強占期の歴史で過ったことを正し、この地の傷を治癒するというメッセージを大衆的に簡単に解いている。物語自体の興味、大衆的な面白さも一役買っているが、私たちの時代が欲する話を新たに発掘したという側面から、より新鮮だ。
レイム
韓国の大学教授がこの映画について、「韓国式巫俗シャーマニズムと日本神道のアニミズム(精霊信仰)が互いに対決を繰り広げ、日帝強占期時代に行われた侵略の歴史と高位親日派たちによる売国の歴史を想起させる」としているのね。
レイム
そのうえで、「特に、日帝が我が民族の血脈と気運を抑えるために名山に鉄杭を刺したという、いわゆる「風水侵略」が言及されているが、風水侵略と鉄杭は、この映画で叙事と雰囲気を反転する重要な転換点でもある。この過程で、日本の呪術師が太白山脈に鉄の杭として「オニ」(妖怪とされる日本の伝説上の存在)を植えておいたという設定と、登場人物の名が実際に存在した独立運動家たちを連想させ、映画前半部の依頼人の親日行跡などがこの映画の抗日テーマを強調している」と評価しているわ。
マリサ
というか、日帝の風水侵略ってなんだ？
「日帝が我が民族の血脈と気運を抑えるために名山に鉄杭を刺した」というオカルトを韓国政府が扇動していたという話は、以前も説明していたが。
日帝の鉄杭
レイム
これなのだけど、1990年代に韓国の金泳三政権が、「光復50周年」の一環として「歴史立て直し事業」という政策を行っていて、その政策の中に日本統治時代に日本が残したものが総じて「日帝残滓」であり、排除されるべきだと訴える排除運動があるのね。
レイム
その流れで出てきたのが「日本が朝鮮半島の地脈や民族の精気を絶つために風水侵略を行った」というオカルトで、これは1990年代当時に徐吉洙（ソ・ギルス）西江大学教授が出版した「日帝の風水侵略史」という論文が発端らしいのね。
レイム
で、これを根拠に1990年代から2000年代にかけて、韓国政府が「民族精気を立て直すため、日帝が各地に打ち込んだ呪いの鉄杭を引き抜く」という運動を行い、かなりの税金が投入されたのよ。
マリサ
「民族精気」ってなんだ？
レイム
日本人にはあまりなじみのない言葉だけど、要するに風水における山を起点とした龍脈を流れる「気」の事で、これの流れが阻害されると家や一族や国や民族など、その土地と縁の深い固有集団が廃れるという発想ね。
マリサ
日本じゃほぼ縁の無い概念だな。
レイム
日本でこの手の道教を由来とする概念が組み込まれた陰陽道が政治の世界で流行ったのは平安時代だしね。
特に明治以降の日本人にはなじみが薄いけど、その理由は「天社禁止令」について調べてみるといいわ。
レイム
まあ前置きはさておき、その結果どうなったかというと
白頭山天池に鉄杭打ち込む日帝の写真が発見
朝鮮日報 2004/02/17
https://web.archive.org/web/20040228174902/http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/02/17/20040217000076.html“韓民族の精気を断つために”高い山の頂上に鉄杭を打ち込んだという植民地時代の話が、写真を通じてその端緒が開かれようとしている。
太平洋戦争が最高潮に達した１９４３年、日本軍が白頭（ペクドゥ）山頂上の天池に鉄杭を立て、天皇の始祖神であり、日本人の先祖として知られる「天照大御神」に祭祀を執り行う写真が発見された。
この写真は朝鮮総督府が発刊した「白頭山登頂（１９４３）」に掲載されたもので、龍山（ヨンサン）駐屯の１８連隊員と日本人植物学者からなる白頭山探求の練成隊が、頂上の池で身を洗い、戦争での勝利を祈願する姿などを盛り込んでいる。
この本は資料収集家のチョン・ソンギル（啓明（ケミョン）大学のコンサン医療院名誉博物館長）さんと洪思光（ホン・サグァン／韓国社会文化研究院）さんが購入したもの。
週刊朝鮮（１７９２号）は、この写真以外にもチョンさんと洪さんが発掘した植民地時代の残酷な統治を物語った写真を公開する。
イ・ボムジン記者
レイム
2004年の朝鮮日報の記事なのだけど、「韓民族の精気を断つために”高い山の頂上に鉄杭を打ち込んだという植民地時代の話が、写真を通じてその端緒が開かれようとしている」という記事で、「日本軍が白頭（ペクドゥ）山頂上の天池に鉄杭を立て、天皇の始祖神であり、日本人の先祖として知られる「天照大御神」に祭祀を執り行う写真が発見された」と書かれているわ。
レイム
で、その後に「この写真は朝鮮総督府が発刊した「白頭山登頂（１９４３）」に掲載されたもので、龍山（ヨンサン）駐屯の１８連隊員と日本人植物学者からなる白頭山探求の練成隊が、頂上の池で身を洗い、戦争での勝利を祈願する姿などを盛り込んでいる」とも書かれているわ。
マリサ
なんで太平洋戦争の必勝祈願で、「韓民族の精気を断つための鉄杭」を打っている事になっているんだ？
レイム
さあ？
そして次はこれ
風水で朝鮮の「気」断とうとした？
朝鮮日報 2013/12/29
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/29/2013122900113.html日本の鉄杭、もう一つの真実
日本人は実際に鉄杭を打ち込んだのだろうか？ 筆者が長年をかけて全国の「鉄杭」現場を実地調査したところ、「明国の武将・李如松が全国の地脈を断ち切らせた」という話と「日本人が鉄杭を打ち込んだ」という話が多く聞かれた。では、なぜ鉄杭を打ったのだろうか。それは「山の破壊は人間の悲劇（山破人悲）」という風水説と関係がある。
「日本人鉄杭説」はどうだろうか。各地でこうした説が伝えられている。部分的に見れば蓋然（がいぜん）性がある場所もある。しかし、鉄杭を打ち込む位置や類型が違いすぎるため、日本が全国規模で組織的に行ったと見るのは難しい。その理由には次の2つがある。
まず、19世紀後半に朝鮮を侵略するため、周辺列強国が真っ先にしたのは測量だった。1875年の雲揚号事件（江華島事件）も日本の朝鮮沿岸測量に端を発する。1895年には日本は200人以上の測量士を送り込み、全国を測量した。これに反発した多くの朝鮮人が犠牲になった。1912年に日本が三角測量を実施するにあたり通達した注意事項には「『三角点の標石の下に魔物が埋められたので災厄がやって来る』という流言飛語にだまされないように」という内容の文章がある。
だが、それ以降も測量事業は植民地建設（道路・鉄道・新都市など）でさらに進められたため、国を奪われた人々は「魔物が埋め込まれた」と考え違いをするようになった。特に、先祖が眠る墓地のある裏山に三角点が設置されると「鉄杭」だと受け取られ、怒りを招くことになった。
第二に、韓中日は3カ国とも山を信仰する思想が強く、名山大河を壊すような行為は禁忌とされてきた。山では官職者が祭祀を行った。八百万（やおよろず）の神がいるという日本も同じだ。「神が座し、神が降り立ち、魂がよみがえる」場所が山だ。明国が高麗を属国にした時に高麗の山河の祭祀を行ったように、日本も既に自国領土になっている朝鮮の山河に対しやたらなことはしなかった。それどころか霊山として知られている場所には神社を建て、神聖視した。
つまり、「鉄杭」のうわさは国を奪われた人々の「主人意識の欠如と被害意識の産物」なのだ。では、現在はどうだろうか。全国の霊山の頂上にはどこにも高さ数十メートルという送受信塔が無数に建っている。これこそ大きな鉄杭ではないか。掘削機を使って山を平地にするなどということは全く話にもならない。地脈を完全に断ち切ることになるからだ。流れる川をふさぎ、山並みを壊して生態系を乱す行為だ。「李如松や日本人の鉄杭」に激怒する人々の中で、こうしたむやみな開発を懸念する人は少ない。これもまた、自分たちの土地を大切にしない「主人意識の欠如」ではないだろうか。
キム・ドゥギュ教授＝又石大学教養学部
レイム
流石に2013年になると、朝鮮日報でも「日帝の鉄杭説は間違い」という記事がいくつか出てきたのだけど、この記事では「「日本人鉄杭説」はどうだろうか。各地でこうした説が伝えられている。部分的に見れば蓋然（がいぜん）性がある場所もある。しかし、鉄杭を打ち込む位置や類型が違いすぎるため、日本が全国規模で組織的に行ったと見るのは難しい」と書いていて、完全には否定していないのよ。
マリサ
何がどう「蓋然性」なんだ？
レイム
さあ？
ただ、彼らがなぜこういう事を信じやすいのかはわかるわ。
レイム
韓国ではこの風水思想が儒教の祖霊崇拝と結びついていて、山から下りてくる龍脈の阻害の延長で、祖先の墓もこの気の流れの上にあるとされているから、これを汚せばその一族の気が乱れ廃れるという思想があるのね。
マリサ
「龍脈を絶つ呪いの鉄杭」と似たような発想だな。
レイム
そのうえで次を見てほしいのだけど
【萬物相】政治家への「風水テロ」
朝鮮日報 2021/05/22
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/05/22/2021052280024.html（一部抜粋）
日本による植民地支配時代に、日本が我が民族の精気を抹殺しようと、全国の名山大川に鉄杭を打ったという説が流れた。民間団体だけでなく、政府まで出てきて、大々的な「杭抜き」に乗りだした。だが、そのほとんどは土地測量や工事用の杭であることが分かった。しかし、「風水吉地」として有名だった独立運動家・李相竜（イ・サンリョン）の慶尚北道安東にある本家・臨清閣は、日本が敷いた鉄道により真っ二つになった。我々の先祖は、山川に流れる風水の血脈が人生の禍福興亡につながっていると考えた。栄えている家は先祖の墓や家の風水のおかげだと考え、それが断ち切られると不吉なことの前兆が起こると考えた。相手の家に恨みを抱くと墓に穴を掘ったり、杭を打ったりしたという。朝鮮時代にはこうしたことがよくあったのか、尻を棒でたたく刑・流刑・打ち首などで厳しく取り締まった。
金大中（キム・デジュン）元大統領の墓は放火により芝生などが燃えた。盧武鉉（ノ・ムヒョン）元大統領の墓には汚物がまかれた。李会昌（イ・フェチャン）元ハンナラ党総裁の祖先の墓には鉄杭が打たれた。李舜臣（イ・スンシン）将軍、儒学者の李滉（イ・ファン）、同じく儒学者の丁若鏞（チョン・ヤギョン）の墓からも包丁と杭が発見された。李会昌元総裁と李舜臣将軍の墓の杭は呪術（じゅじゅつ）師の仕業だと判明した。このような人々が目標とするところは、ほとんどが特定の人物の墓である場合が多い。
このほど、尹錫悦（ユン・ソクヨル）前検察総長（日本の検事総長に相当）の祖父の墓が荒らされ、人糞（じんぷん）・包丁・護符（ごふ、おふだ）・髪の毛などが発見されたという。何者かが尹前総長にのろいをかけようと、「風水テロ」をした可能性がある。インターネット上には一時、尹前総長をのろうための人形や護符があちこちに掲載されていた。韓国社会には間違った風水思想やシャーマニズム的信仰がまだ根強く残っている。墓に杭を打ち、人糞をまいたからといって何かが変わるわけではないだろうが、大統領選挙が近づけば近づくほど確執が深まり、こうしたのろいも増えるだろう。風水テロはそれでもましな方かもしれない。「金大業（キム・デオプ）事件」のような操作や詐欺が行われないとも限らない。どこかで既に準備しているのかもしれない。
レイム
2021年の記事なのだけど、さっきのそ祖霊崇拝と墓を汚す行為の説明について書いたうえで、韓国歴代大統領の金大中や廬武鉉の墓がその被害に会い、「元ハンナラ党総裁の祖先の墓には鉄杭が打たれた」と書かれているわ。
レイム
そのうえで、「このほど、尹錫悦（ユン・ソクヨル）前検察総長（日本の検事総長に相当）の祖父の墓が荒らされ、人糞（じんぷん）・包丁・護符（ごふ、おふだ）・髪の毛などが発見されたという」という事があったらしく、記事では「風水テロ」と表現しているわね。
マリサ
なんか記事では「韓国社会には間違った風水思想やシャーマニズム的信仰がまだ根強く残っている。墓に杭を打ち、人糞をまいたからといって何かが変わるわけではないだろうが、大統領選挙が近づけば近づくほど確執が深まり、こうしたのろいも増えるだろう」とか書かれているし、韓国では今でもこういうのが日常的に行われているのか。
レイム
そうなのよ。
韓国ではこうした呪術的な行いが現代においても社会と密接に繋がっているからこそ、「日帝が民族精気を絶ちわが民族を衰退させるために鉄杭を打った」という話が受け入れられやすい土壌があるわけ。
マリサ
だからこそ、映画「破墓」でも「抗日」と呪術的な鉄杭の話とかが一緒に語られ、それが韓国社会で年齢性別にかかわらず広く共感されたから、大ヒットになったというわけか。
民族精気と政治
レイム
それでここからが問題で、この「民族精気」という考え方は、韓国で民族主義や小中華思想と深く結びついているのね。
マリサ
それがどう問題なんだ？
レイム
その結果韓国人達は、「我々にはもっと発展できる潜在力があるのに、日本が発展を邪魔するために民族精気を弱体化させた、日本が韓国よりも発展しているのはそのせいだ」という考え方が根強いのよ。
マリサ
酷いとばっちりだ…。
レイム
そしてこれが政治と結びついて
「朝鮮総督官邸」青瓦台旧本館の復元に…韓国野党「何を考えているのか理解できない」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.07.22 07:01
https://japanese.joins.com/JArticle/293452（一部抜粋）
共に民主党のチョン・ジェス議員は２１日、政府が１９９３年撤去された青瓦台（チョンワデ）の旧本館（朝鮮総督官邸）を復元して模型設立を推進すると明らかにしたことに対して「何を考えて復元を推進するのか理解できない」と批判した。チョン議員はこの日、フェイスブックを通じて「文化体育観光部が青瓦台旧本館の模型復元を推進するそうだ」として「誰が何を考えて復元を推進するのか対政府質問を通じて確認してみたい」と明らかにした。
また、「青瓦台旧本館は朝鮮総督官邸として建設された建物」とし「１９９３年民族の精気を正し、国民の自負心を回復するために撤去された」と話した。
レイム
2022年の記事なのだけど、旧朝鮮総督府官邸を復元するという話が韓国で持ち上がった際に、韓国最大野党「共に民主党」の議員がこれに反対、その理由の一つとして「１９９３年民族の精気を正し、国民の自負心を回復するために撤去された」としているのね。
マリサ
というか、朝鮮総督府の官邸って歴史的建造物のはずだが、それが取り壊された理由が「民族の精気を正す」とか、これは現代の話なのか？
レイム
それが韓国なのよ、そろそろ察してね。
そして次はこれ
新年は壬寅年!国立生物資源観で虎気勢受けます
東洋経済（韓国語） 2021-12-25
https://web.archive.org/web/20220524153158/http://www.sateconomy.co.kr/news/articleView.html?idxno=3003153仁川西区に所在する環境部所属の国立生物資源館が壬寅年の虎海を迎え、24日から館内展示館である「生鮮満ち」で絶滅危惧野生生物Ⅰ級哺乳動物である虎 をテーマに特別展示会を運営している。
鮮やかな入場料と駐車料金は無料で、観覧時間は午前9時30分から午後5時30分までで、毎週月曜日と1月1日、正月日は休館です。
今回の展示会は、韓国民族と共にしてきた虎を観客が簡単に知ることができるように、ぬいぐるみサンプルと骨格サンプル、親しみやすい姿で製作された虎人形を展示する。
（中略）
20世紀始め、日帝強占期に朝鮮総督府は山林資源を容赦なく収奪し、韓民族の精気を弱化させる目的で虎、ヒョウ、熊などを有害動物に指定し乱獲した。1924年全南（チョンナム）地域で捕獲された虎が韓国地域最後の生存記録として知られている。北朝鮮地域に棲息する野生の虎の数は10匹以下と報告されており、現在の白頭山地域、慈江道臥碣峰一帯などが虎の棲息地として管理されているが、各地域に住む正確な個体数は分かっていない。
レイム
朝鮮半島にはアムールトラが生息しているのだけど、現在は絶滅危惧種で、その原因を記事では「20世紀始め、日帝強占期に朝鮮総督府は山林資源を容赦なく収奪し、韓民族の精気を弱化させる目的で虎、ヒョウ、熊などを有害動物に指定し乱獲した」と書かれているわ。
マリサ
一応聞いておくが、これは事実なのか？
レイム
人的被害が出て、「当時の常識で」駆除されただけなのだけど、過去動画「韓国独特の「ウリ」と「ナム」の概念」でも説明したように、彼らの価値観では「ウリ」の範囲は過去にも無制限で遡るので、当時の人達も現代の韓国人と「同じ感情」を共有していたはずだから、「民族を象徴する虎を殺すはずがない」という発想になるのね。
※動画説明欄に関連リンクがあります
マリサ
こういう事を韓国では子供のころから教えられて育つわけか。
レイム
そうなのよ。
なので、いくら「韓国の若い世代は反日ではない」と韓国人達が主張しても、「日本が韓国人の民族精気を弱体化させた」という感情は持っている場合が極めて高く、政治家もそれを人気取りに利用するので、日本人への敵愾心は消えないわけ。
レイム
しかもさらに厄介な事があるのよ。
マリサ
まだなんかあるのか？
レイム
日帝の鉄杭云々という話、大本は日本統治時代に彼らが測量や送電線、鉄道の敷設、ダムや道路の建設を見て、それを彼らが呪いの類だと思い込んだことが発端なのね。
マリサ
ああ、そういえば併合以前の朝鮮の文明レベルは日本の平安時代レベルだったんだっけ。
レイム
それと総督府は、公衆衛生や治安に関わる場合、民間医療や伝統などを禁止したり、それに付随する民俗信仰などを制限したりしたのだけど、これがかなりの反発を産んで、民族の精気を絶つ行為と批判されたのね。
レイム
それで、現在韓国では流石に鉄杭云々を否定する人も増えてきたのだけど、それに比例してこの反発を「日帝が文化抹殺政策をしたせいだ」と考える人が増え始めているようなのよ。
マリサ
それ、日帝の鉄杭云々と発想が大して変わらないんだぜ。
レイム
元々文化抹殺政策説自体、過去動画の「韓国の歴史観の謎」で説明したように、それはそれで現在の韓国でいろんな弊害を引き起こしているわけだけど、この文化抹殺政策云々って、その発想の根元には「日帝が民族の精気を弱体化させるため伝統文化を禁止した」という思想があるのよ。
※動画説明欄に関連リンクがあります
マリサ
おい、振出しに戻ってるんだが？
レイム
日韓問題の根深さはここにあるのよ。
何をしても何が起きても、決して前に進むことは無いの。
政権が代わったからと何かが好転するような「浅い」ものではないのよ。
今回のまとめ
・韓国で大ヒットした「破墓」は抗日映画
・韓国では「日本が民族の精気を絶つために風水侵略を行った」と信じられている
・呪術的要素が政治と密接に繋がっている
レイム
それでね、今回の件って韓国人達や日韓友好を訴える人たちが見落としている大きな矛盾があるのよ。
マリサ
それはなんだ？
レイム
もし、本当に日本が李朝伝統の風水に基く「呪術」をおこなったのであれば、それは日本政府が李朝伝統の風水を信仰していたという事になってしまうのよ。
マリサ
ああそうか、呪術を行うのは、「その宗教への信心があるから」だしな。
そうすると、日本は彼らの文化を抹殺しながら彼らの伝統文化に根差した信仰心があったという矛盾が起きるわけか。
レイム
そう。
だからいっそ「総督府が丑の刻参りをやった」とかのほうが、まだ鉄杭云々より説得力があるわけ。
これがどれだけばかばかしい話かは説明するまでもないわよね。
マリサ
でも現在の韓国では、この「政治と結びついたオカルト」をベースにした映画が年齢性別を問わず大ヒットしたと。
レイム
そんなわけで今回の本編はここで終わるわ。
レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました
大口
おつかれ～。
今回は長くなりすぎたのでおまけは無いよ。
レイム マリサ 大口
またらいしゅ～
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