さて、本日は韓国でここ数か月「親日派」として度々話題に挙がる「ニューライト」という勢力について書いていきます。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブログ『日韓問題（初心者向け）』を始めた理由 - 日韓問題（初心者向け）
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています
・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

現在韓国で国が分裂している原因の一つとして、尹政権がニューライト運動に関わっているとする人物を国の機関等に迎え入れている件があり、野党が「親日派の売国奴だ」として批判しているという経緯がある。

このニューライトに関しては、日韓の歴史観に関係する問題で客観的な検証をしている等、韓国の既存の歴史観に否定的な視点を持っているという面があるが、同時に反北朝鮮の観点から李承晩の再評価を行っており、本質的に日本と相いれる存在ではない。

また、ニューライトの隆盛時期と韓国起源説の活発化の時期に強い関連性があるうえに、ソメイヨシノの韓国起源説活動と李承晩の再評価活動にも深い関連性がある事から、信用して良いような集団ではない。

※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓（別サイト）へのリンクです。

以下から本文

１：ニューライトは親日？

まずはこちらから

韓国解放記念日の式典　関連団体が政府と別に開催＝史上初の異例事態
聯合ニュース　2024.08.15
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20240815000900882

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（一部抜粋）
　独立運動関連団体は、独立運動に関する遺物や資料を保存・展示する独立記念館（忠清南道天安市）の館長人事を巡り、日本による植民地支配を美化する「ニューライト（新保守）」系とされる金亨錫（キム・ヒョンソク）氏が任命されたことに強く反発している。
　団体側によるこの日の式典は、光復会を含む３７団体からなる「独立運動団体連合」と２５の団体で構成された「抗日独立先烈宣揚団体連合」が共同で主管。最大野党「共に民主党」の朴贊大（パク・チャンデ）院内代表、野党「祖国革新党」の曺国（チョ・グク）代表ら野党関係者約１００人も出席した。
　光復会の李鍾贊（イ・ジョンチャン）会長は演説で「近ごろ真実に対する歪曲（わいきょく）と親日史観に染まった低劣な歴史認識が幅をきかせ、韓国社会を混乱に陥れている」と述べ、金氏の任命に抗議するために式典を別に開催したと説明した。また、「一国の歴史意識とアイデンティティーが揺らげば国の基調が揺らぐ」としながら「歪曲された歴史観が大手を振り、歴史をおろそかにする人々が歴史を扱って教育現場の前面に登場している」と批判した。
　韓国政府が樹立された１９４８年８月１５日を現在の「光復節」ではなく「建国節」に制定すべきだとするニューライト系の主張に対しては「日帝強占を合法化し、独立運動の歴史を根こそぎ否定することになる」と指摘した。

以前も少し紹介した事例ですが、韓国の複数の独立運動関連団体が、独立記念館の館長にニューライト系の人物が任命されたと反発している記事です。

その理由として、ニューライト運動が親日史観に染まって歴史の真実を歪曲していると批判しており、その一例として「韓国政府が樹立された１９４８年８月１５日を現在の「光復節」ではなく「建国節」に制定すべきだ」とするニューライト系の主張に対しては「日帝強占を合法化し、独立運動の歴史を根こそぎ否定することになる」としています。

この件に関しても過去記事で扱っていますが、要約すると韓国の野党系の人々は1919年の三・一独立運動における、民族代表33人による「独立宣言」を韓国建国年としており、与党系の人々は韓国独立の1948年8月15日を建国日（厳密には13日）としており、対立しています。

問題は、この1919年の独立宣言に関わった人物にはその後北朝鮮に渡った人々が多いうえに、李承晩は関わっていないため、「国家としての正統性は北朝鮮にある」という主張に繋がりやすく、また国際法的に認められた独立宣言であるという根拠がない事です。

また次を読むと

韓国独立記念館の新館長に「ニューライト系」キム・ヒョンソク氏任命
ハンギョレ新聞　2024-08-07
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/50772.html

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　国家報勲部は6日、新任の独立記念館長に「大韓民国歴史と未来」理事長でニューライト系のキム・ヒョンソク氏を任命したと明らかにした。
（中略）
　先に光復会のイ・ジョンチャン会長は、キム理事長を念頭に「独立記念館の役推委は『日帝強占期は韓国の近代化に役立った』と主張する人を含む3人の館長候補を選抜し、国家報勲部長官に報告した」と語っていた。そして「役推委は独立運動を象徴する独立運動家の子孫の候補を落とした」と反発した。これに対して報勲部は「公正で客観的な審査」だったとし、手続きには問題がないと述べている。
　キム理事長は2022年10月、メディアとのインタビューで「『国富論争』を終わらせ、李承晩（イ・スンマン）と金九（キム・グ）をいずれも『建国の父』とすべき」、「李承晩と金九の支持者を統合してはじめて国民統合が可能になる」と主張している。昨年5月にはある歴史学セミナーで、済州4・3事件の歴史学界による解釈について「南朝鮮労働党の5・10選挙妨害策動からはじまった暴動を薄めるために、政治的に解釈している」と述べ、物議を醸した。
シン・ヒョンチョル記者

独立館館長が決定する過程で、政府が選抜した独立館の館長候補として「日帝強占期は韓国の近代化に役立った」と主張しているニューライト系の人物がおり、「役推委は独立運動を象徴する独立運動家の子孫の候補を落とした」と、「光復会※の会長」が反発しているとしています。

※光復会：韓国の独立運動家の子孫とされる人々が組織する団体で、韓国内での政治的発言力が強い。

また記事では、新任の独立館館長は過去にメディアとのインタビューで「李承晩と金九をいずれも『建国の父』とすべき」と主張しているとも書かれています。

これにも少し解説が必要で、金九は南側単独での独立に反対し、李承晩と対立しており、韓国独立後の1949年に暗殺されているのですが、これが李承晩の指示であったという説があります。

また、その後李承晩は独裁政治を行ったため、特に韓国のいわゆる便宜上の左派系からの評判が悪く、彼らの中で相対的に金九の評価が高いこともあり、これも現在韓国でニューライト系が批判される原因になってることもあり、記事でも否定的な要素として書かれています。

そして次を読むと

韓国で尹錫悦政権の「親日政策」「親日歴史観」が猛批判を受け…とうとう最大の祝日「8.15独立記念日」式典が大分裂の「異常事態」
現代ビジネス　2024.08.18
https://gendai.media/articles/-/135819?page=2

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（一部抜粋）
対立の構図
ニューライト（new right）とは、2000年代半ばから新しい保守を標榜して登場したムーブメント勢力だ。
政界では主に左派から右派に転向した人々をニューライトと分類したが、学界では日帝植民近代化論を主張する学者たちをニューライトと呼ぶ。日帝の植民地支配時代、韓国の経済成長率や産業が大きく発展したという各種データを提示し、「日本の植民地時代が韓国の近代的経済成長の基点」と主張する学者たちのことだ。日本でも翻訳出版された「反日民族主義」の著者の李榮薰（イ・·ヨンフン）博士が主導する落星垈経済研究所が代表的なニューライト学者たちの団体だ。
「日帝時代には略奪と侵略しかなかった」という日帝収奪論が主流だった既存の歴史学界と左派陣営は、これらニューライト学者たちを「親日派極右」と規定し大々的な攻勢を繰り広げた。ちょうど朴槿恵保守政権が「左傾化した歴史教科書を正す」として国定教科書の執筆を推進すると、歴史学界は「ニューライトが主導する親日教科書」という波状攻勢を始めた。結局、韓国国民も主流歴史学界の主張に同調し、国定教科書の推進は挫折され、「ニューライト=親日派」というレッテルが成立した。

関連記事
『反日種族主義』著者、討論会で「慰安婦歴史は誤謬」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.05.27 07:42
https://japanese.joins.com/JArticle/266361

2000年代半ば、新しい保守を標榜して登場したムーブメント勢力であり、併合時代に韓国の経済発展に日本の貢献があったという主張をしており、「日帝時代には略奪と侵略しかなかった」とする既存の歴史観と対立していると書かれています。

つまり、韓国人の「正しい歴史観」に反する、日本寄りの歴史観を主張しているため、既存の説を支持する学者や政治家、親北系の人々などからの反発が強く、「親日売国奴」と呼ばれるというわけです。

２：ニューライトと李承晩

では、実際問題ニューライトとはどんな勢力なのかというと、日本では「反日種族主義」の執筆者の一人で、落星台経済研究所所長の李栄薫氏などが有名で、慰安婦問題や徴用工問題などで韓国の既存の歴史観に疑問を投げかける人々という印象が強いですが、以下の記事によると

韓国政界を揺さぶる「ニューライト」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.09.17 07:44
https://japanese.joins.com/JArticle/323791

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(前略)
ニューライトは１９９０年代後半に胎動した保守運動だ。ソ連崩壊と北朝鮮の実状に衝撃を受けたソウル大経済学科のアン・ビョンジク名誉教授、『鋼鉄書信』の著者・金栄煥（キム・ヨンファン）ら左派を擁護した人々の反省的運動から出発した。２０００年代以降、ソウル大の李栄薫（イ・ヨンフン）名誉教授ら落星垈（ナクソンデ）研究所を中心にする「植民地近代化論」グループが加わった。
彼らは２００４年総選挙でハンナラ党が大敗した後に急浮上した。「開かれたウリ党」に単独過半（１５２議席）を許し、危機に陥った保守政治圏は「反共」等の既存右派との差別化を図り、この過程でニューライトを掲げた。特に２００７年大統領選挙の時、ニューライト全国連合、時代精神、正しい社会市民会議などニューライトグループが李明博元大統領を支援して影響力が大きくなった。
だが、朴槿恵政府では「ニューライト＝親李系」という烙印のせいで力を発揮できなかった。延世（ヨンセ）大の金皓起（キム・ホギ）教授は「ニューライトは市場的保守政府という点で以前の保守政府と区分される」とし「李明博政府が市場的保守とするなら朴槿恵政府は安保的保守への回帰」と説明した。

1990年代に始まった保守運動を発端としており、2000年代に入りそこに落星台経済研究所のメンバーが加わり、2004年の総選挙でハンナラ党（現：国民の力）が大敗したことで、保守政治家（実際は、反北朝鮮の国粋系民族主義）が既存の保守との差別化を図るため合流、李明博政権で勢力を拡大したが、朴槿恵政権では冷遇されたと書かれています。

そして次を読むと

韓国政界を揺さぶる「ニューライト」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.09.17 07:44
https://japanese.joins.com/JArticle/323791

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(前略)
（２）尹錫悦政府で再照明
尹錫悦政府でニューライトが再び注目を集めたのは、金泰孝（キム・テヒョ）国家安全保障室第１次長、金暎浩（キム・ヨンホ）統一部長官、ハン・オソプ元政務首席ら、過去にニューライト運動に関与した人々が登用されながらだ。民主党は彼らの影響で尹錫悦政府が「親日政策を行っている」と主張する。民主研究院の李韓柱（イ・ハンジュ）院長は「ニューライトの代表的特徴は親日的態度」とし「強制徴用労働者に対する第三者弁済方式や独島造形物撤去問題など、親日を疑わざるをえない状況が多い」と話した。
与党要人は親日志向とは関係がないという立場だ。ニューライト運動を主導したある政界要人は「ニューライトの核心は保守陣営のイデオロギーを反共から自由主義に変えようというもの」としながら「植民地近代化論は本流ではないのに『ニューライト＝親日』と罵倒されている」と吐露した。
実際、尹錫悦政府の人々は植民地近代化論とは距離を置いたまま、李承晩（イ・スンマン）元大統領と単独政府樹立を再評価することに傍点を置いている。前回の総選挙を控えて韓東勲（ハン・ドンフン）当時「国民の力」非常対策委員長が映画『建国戦争』を観覧したのが代表的だ。
（３）過度な理念論争に「現代版礼訟論争、学界に任せるべき」
専門家は民主党の親日攻勢が「行き過ぎた面がある」という立場だが「政府が自ら招いた」という指摘もある。
ポリコムのパク・ドンウォン代表は「正直、独島放棄というものが可能だと思う国民がどれくらいいるだろうか」としつつも「尹大統領が洪範図（ホン・ボムド）銅像撤去論争のようなものを不必要に目立たせて口実を与えた側面がある」と指摘した。
別個でニューライト攻防が韓国社会を退行的理念戦に引き込んでいるという懸念も大きい。匿名を求めた政治学科の教授は「建国時点や臨時政府に対する評価は学界でも論争が激しい領域」としながら「政治家がこれを政派的利益のために過度に引き込んで消耗している」と話した。また別の政治学科教授は「意見が異なれば『ニューライト』と烙印を押す雰囲気が広がる。もう一つの『マッカーシズム』になりかねない」とし「学界でも李承晩関連の論文審査が理由なく保留される場合が多い」と話した。彼らは「論争に巻き込まれたくない」として匿名を希望した。
（後略）

現在のニューライトのスタンスとして、「ニューライトの核心は保守陣営のイデオロギーを反共から自由主義に変えようというもの」と説明しており、「現在は「植民地近代化論は本流ではない」と、落星台経済研究所などとは距離を置いている」としています。

また、「李承晩元大統領と単独政府樹立を再評価することに傍点を置いている」とも解説されており、ニューライト系とのつながりの強い与党でも、既存の韓国の歴史観を踏襲する言動が多い事から、現在のニューライトは併合時代の歴史考証よりも政治理念や李承晩の再評価などに重点が置かれているという事が分かります。

実際、ニューライトのここ10年程の動きを見ると

【社説】韓国現代史の立て直しは李承晩再評価から
朝鮮日報　2015/07/20
https://web.archive.org/web/20150722233532/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/07/20/2015072001341.html

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（一部抜粋）
　17日に国立ソウル顕忠院で李承晩大統領50周忌追悼式が開催された。本来なら命日の当日に行うべきだが、日曜日で出席者が少なくなる恐れがあったため、この日に前倒しされたという。主催も国家報勲処（庁に相当）など国の機関ではなく、民間団体「建国大統領・李承晩博士記念事業会」だった。また例年の李承晩大統領追悼式と同じく、今回も野党代表は出席せず、野党関係者の姿は少なかった。それでも今年は50回目の命日であると同時に生誕から140年となる節目の年でもあるため、李承晩氏の業績をたたえる学術会議くらいは開催するべきだが、そのような行事が開催されたというニュースは一向に聞こえてこない。それどころか国営放送のKBSは「李承晩政権、韓国戦争（朝鮮戦争）発生直後に日本へ亡命を打診」などととんでもないニュースを報じ、建国大統領を侮辱するような出来事ばかりが目についた。
　李承晩氏は生涯を独立運動にささげ、制憲国会の議長として大韓民国憲法の制定に大きく貢献した。異民族による支配から脱却して新しい国を建てると同時に、国民の自由と人権、平等が保障される民主共和国の礎を築き上げる「二重革命」の中心に李承晩氏はいた。第2次世界大戦の終戦以降に独立した世界140カ国のうち、産業化と民主化を同時に成功させ先進国となった国は大韓民国しかない。これは李承晩氏が自由民主主義と市場経済体制を選択し、韓国戦争という悲劇の中から国を立て直し、韓米同盟という洞察力によって安全保障を強固にした土台の上で実現したものだ。
（中略）
　李承晩氏は12年にわたる強権政治と独裁体制で、数々の失政を犯したのは事実だ。しかし人間なら誰もが功績もあれば過ちもあろう。歴史に名の残る人物であれば、その功績と過ちを一層公正かつバランスをもって評価しなければならない。中国の故・毛沢東主席は数多くの悪行に加え数千万人の国民を虐殺する大罪を犯したが、実際に迫害された経験のあるトウ小平氏は毛沢東主席について「功績の方が大きい」という理由から「建国の父」としてたたえるようにさせた。
　韓国社会には李承晩氏の評価を引き下げようとする勢力が常に存在するが、その目的は最終的に大韓民国の建国と発展の歴史を侮辱することに他ならない。つまり彼らは大韓民国を「生まれるべきでない国」としたいのだ。このような虚偽に満ちた扇動からわれわれの誇り高い現代史を守るには、何よりもまず建国大統領に本来の地位を取り戻させることから始めなければならない。

たとえばこちらの2015年の事例のように、独裁者として追放された李承晩の再評価を行っており、記事では「制憲国会の議長として大韓民国憲法の制定に大きく貢献した。異民族による支配から脱却して新しい国を建てると同時に、国民の自由と人権、平等が保障される民主共和国の礎を築き上げる『二重革命』の中心に李承晩氏はいた」と書かれています。

また、批判される独裁政治や追放の直接的原因となった不正選挙や汚職に関しても「李承晩氏は12年にわたる強権政治と独裁体制で、数々の失政を犯したのは事実だ。しかし人間なら誰もが功績もあれば過ちもあろう」と、かなり美化している事が分かります。

つまり、現在でも慰安婦合意や徴用工問題における代位弁済の件などで、既存の韓国の歴史観を批判するニューライト系の動きはあるにはありますが、朴槿恵政権以降の動きは李承晩の再評価に重点を置いている事が分かります。

そして李承晩は、対日では対馬の領有権主張、新潟日赤センター爆破未遂事件、李承晩ラインと竹島不法占拠などの問題を引き起こしているため、李承晩の再評価をしているという事は、本質的に日本とは相いれない火種を抱えているという事です。

関連記事
「対馬は韓国領」説に歴史的根拠あり（上）
朝鮮日報　2008/07/27
https://web.archive.org/web/20080904093104/https://www.chosunonline.com/article/20080727000010
元公安警察官は見た　日本を震撼させた韓国工作員による「新潟日赤センター爆破未遂事件」
デイリー新潮　2022年01月28日
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/01281100/

３：韓国起源説とのかかわり

そしてさらに問題なのが、ニューライトは韓国起源説と深いかかわりがある疑惑がある事です。

先ほどの中央日報の記事にもあったように、ニューライトが勢力を拡大したのは李明博政権であり、李明博政権では韓国起源説を国策規模で世界中に宣伝し始めた時期でもあります。

たとえば有名なところでは2009年から2012年まで続いたコリアンコネクションのように、韓国の政府機関のバックアップを受けて剣道や忍者、花札、柔術などの起源を主張し問題化しています。

過去記事
【ゆっくり解説】フランスの韓国文化イベント　1/3
https://oogchib.hateblo.jp/entry/2022/06/05/002902
【ゆっくり解説】フランスの韓国文化イベント 2/3
https://oogchib.hateblo.jp/entry/2022/06/12/005423
【ゆっくり解説】フランスの韓国文化イベント　3/3
https://oogchib.hateblo.jp/entry/2022/06/19/013447

また、朴槿恵政権になり弱体化すると、今度は以下にあるように

「花の戦争…桜の花原産地は‘韓国’」
KBS（韓国語）　2014.04.11
https://news.kbs.co.kr/news/pc/view/view.do?ncd=2838738
https://web.archive.org/web/20150316141004/http://news.kbs.co.kr/news/NewsView.do?SEARCH_NEWS_CODE=2838738&

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（一部抜粋）<質問>
日本はこの桜も外交的に利用していると思いますか？<回答>
はい、ご覧の画面が大規模な桜まつりが開催されるアメリカワシントンDCフォトマク川沿いです。
去る1912年日本東京市場が桜3千本をプレゼントしたことがきっかけとなりました。
二次世界大戦当時、日本が真珠湾を襲撃しながら、桜を切り出す動きが起きたが、
李承晩（イ・スンマン）元大統領が桜の原産地が韓国だという事実を知らせながら維持された。
日本はこの桜が日本産だと主張していますが、この花でさえ済州王桜と同じ種であることが確認されました。
このように私たちが無関心な間日本軍国主義の象徴でもある桜は、アメリカとヨーロッパに木が伝わったり、各種キャラクター商品化を通じて日本を知らせる外交的手段として着実に活用されている実情です。
国境を越えて誤った認識が根付いている状況ですが、今でも正すための努力が必ずなされなければならないものと見られます。

2014年に韓国の公共放送であるKBSが、日本の森林総合研究所の研究員を騙して取材し、起源主張の既成事実化を図ろうとした事例では、ワシントンDCのポトマック川沿いにある桜は韓国起源であり、それを訴えたのは李承晩であると主張し始めています。

また、こちらの韓国の通信社NEWSISの記事でも

「韓独立運動家ワシントン桜『韓国桜』指定要求」 NYT 1942年報道
NEWSIS（韓国語）　2014-04-17
https://www.newsis.com/ar_detail/view.html?ar_id=NISX20140417_0012861991&cID=10201&pID=10200

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1942年4月5日、ニューヨーク・タイムズは「ワシントン・チェリー、韓国のチェリーと呼んでください（Calls Cherry Trees at Capital Korean）」の下の記事で、「韓国の独立運動団体の韓米委員会（Korean American Council）が連邦首都のワシントンに植えられた桜は日本が盗んだもので韓国産という名前を付けなければならない」と要請した事実を報道した。
タイムズの記事はワシントン発AP記事を転載したもので、副題を「独立団体の新しい命名要求」と付けた。
タイムズは「数十年前、日本がプレゼントした桜に「日本産」とついたことに対する抗議が提起された。韓国独立のために努力する韓米委員会は連邦政府に専門を送り、これらの木たちは貪欲で野蛮な日本が韓国から盗んだ木々」と強調した事実を紹介した。
（中略）
これと関連して、ハワイで独立運動をしていた李承晩博士らが韓国桜で歌わなければならないと主張したりもしたが、米国メディアの記事を通じて連邦政府に公式的な要請をしたことは初めて確認された。本当だ。
当時、アメリカでは日本の真珠湾空襲で反日の雰囲気が広がり、ワシントンの桜を切ってしまおうという意見が出てきて、実際に4本を切ってしまう「イベント」も行った。しかし米州韓国人らは、これらの桜が日本産ではなく、韓国から盗んだ韓国の桜であることを知らせ、反対したそうだ。

1942年に「韓国の独立運動団体の韓米委員会（Korean American Council）が連邦首都のワシントンに植えられた桜は日本が盗んだもので韓国産という名前を付けなければならない」と要請したとしたうえで、「ハワイで独立運動をしていた李承晩博士らが韓国桜で歌わなければならないと主張したりもしたが、米国メディアの記事を通じて連邦政府に公式的な要請をしたことは初めて確認された」と書いています。

このように、ニューライト系が朴槿恵政権になり弱体化したあと、李承晩の再評価に舵を切り出した時期と、ソメイヨシノのアメリカでの起源主張に「李承晩の再評価」が組み込まれるようになった時期が重なるのです。

ちなみに、朴槿恵政権がニューライトを冷遇した背景には、朴正煕大統領が日韓基本条約を結ぶなど、日本に対し比較的融和的な政策をとったため、いわゆる左派系を中心に「親と同じで朴槿恵も親日派」とレッテルを貼られ、歴史の再検証を行うニューライトが負担になったという背景もあります。

そのため、ニューライト側も方向転換が必要になったこと、当時親北系勢力により「韓国独立は1919年」という声が大きくなり、韓国建国の正統性自体を揺るがす状況になっていたこともあり、対親北派への対抗として李承晩の再評価が始まったのではないでしょうか。

いずれにせよ、韓国内の政争に日本を巻き込み少なからず損害を与える形で李承晩の再評価が行われ続けてきたという経緯があることに変わりはありません。

このため、韓国内では「親日派」という評価となっているニューライトですが、実際には韓国内の問題に日本を利用する事ばかり考えていることになり、親日派という評価も実態としての評価というより、親北系によるレッテル貼りでしかないというわけです。

現在の東アジア情勢から考えて、日本と韓国は連携していく選択肢しかない事は確実ではあるのですが、韓国内で親日派と評価されているからと、ニューライト系が日本と手を取り合える相手ではないという事は確実です。

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