さて、本日は以前予告していた統一教会関連の問題を扱っていきます。
ただし、元々予定していた件以外の内容が増えているので、2回に分けて扱っていきます。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブログ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています
・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
一連の統一教会関連問題では、自民党への批判と擁護が繰り返されているが、この件での問題とは自民党が「無償の手伝い」として、選挙で統一教会関係者を利用していた事と、その見返りとして、イベント等に参加し実質的な信者獲得に加担していた事にある。
また一連の報道でほぼ語られていない問題として、統一教会は韓国内での政治的影響力が非常に強く、日本が韓国に対して異様に甘い、或いは特権的な扱いをしてきた背景には、日韓議員連盟などを通じた韓国側議員を介した統一教会の働きかけなども考えられる。
そしてここ数日、北朝鮮と統一教会の関係が取りざたされているが、元々統一教会は韓国の保守系議員との繋がりが深く、金泳三以降の保守系とも比較的良好だった時期にはつながりが深かったが、現状はほぼ関係が切れている事が観察できる。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
色々とニュースなどでも語られている統一教会問題ですが、私が調べる限りでは問題の本質は以下です。
自民の工藤衆院議員、旧統一教会から選挙応援 「電話作戦など」
毎日新聞 2022/7/26
https://mainichi.jp/articles/20220726/k00/00m/010/075000c
自民党の
工藤彰三衆院議員(愛知4区・4期)は26日、世界平和統一家庭連合(旧
統一教会)の関連団体から選挙応援を受けてきたことを明らかにした。
毎日新聞の取材に「以前から付き合いがあり、2期目の選挙から支援してもらっている。電話作戦などを丁寧にしてくれる」と話した。
工藤氏は2019年10月、愛知県内で開催された教団関連の大規模イベントに出席。来賓を代表して「韓鶴子総裁のご指導のもと、一貫して結婚と家庭の価値の重要性を訴えてこられた。神聖な式典を開催され、心から敬意を表する」などとあいさつしていた。
工藤氏は「集まった皆さんに喜んでもらえるようリップサービスした」と説明。15年や18年に開かれた教団関連のイベントでもあいさつしたという。教団の関連団体に年会費を払っていたことも認め「頼まれたので寄付行為に当たらない範囲で払った。賛助会員という認識はない」とした。
旧統一教会を巡っては、霊感商法や多額の献金が問題視されているが「(関連団体が掲げる)自主憲法の制定など政治的信条が自分と合う」とし、今後については「距離感は考えるが、いきなり関係を絶つことはできない」と話した。【酒井志帆】
旧統一教会、電話作戦やチラシ配布 議員30人に選挙支援 甘いリスク管理
毎日新聞 2022/8/14
https://mainichi.jp/articles/20220814/ddm/012/010/111000c
世界平和統一家庭連合(旧
統一教会)を巡る国会議員アンケートでは、教団側から選挙支援を受けたり、申し出があったりした議員が30人いた。短期間に多くの人手がかかる選挙活動への無償協力は、政治家にとって恩恵が大きい。「電話作戦を手伝う」などとするボランティアの申し出を安易に受け入れていた実態が浮かび、
リスク管理の甘さを指摘する声も上がる。
「初当選以降の衆院選で、電話かけを手伝ってもらった」。自民党の中村裕之衆院議員(北海道4区)は衆院選初当選の2012年以降、選挙支援を得ていたと認めた。教団関連団体の世界平和連合から案内を受けた会合にも複数回出席。「今回の報道まで、(教団を巡る)問題は過去の話という認識だった」と釈明した。
(後略)
【解説】「信者の士気が上がり献金増加」「信者は一心不乱に働く存在」旧統一教会と政治家とのリアルな関係..."選挙"をめぐる双方のメリットとは?弁護士が解説
MBS 22/08/01
https://www.mbs.jp/news/feature/kansai/article/2022/08/090246.shtml
安倍元総理の銃撃事件で問われている宗教と政治の問題。山上徹也容疑者の母親の多額
献金で浮かびあがった旧
統一教会関連の訴訟を長年手掛けてきた
紀藤正樹弁護士が「政治と宗教」の関係をリアルに解説。政治家にとっては旧
統一教会の信者は選挙活動において「24時間一心不乱で働いてくれる」「普通の宗教団体とは異質のもの」と表現。一方の旧
統一教会にとっては政治家とのつながりを示すことで、「信者の士気が上がる」→「
統一教会の
献金額が増える」→「韓国の本部に送金額が増える」という仕組みを解説。さらに安倍政権になってから政治家は旧
統一教会との関係を隠さなくなったということで、旧
統一教会との関係について
紀藤弁護士は「
自民党として調査すべき」と話します。
(2022年8月1日 MBSテレビ「よんチャンTV」より)
政治というものはお金がかかります、スタッフの給料などの人件費は特に選挙の際には議員にとってかなりの負担になるわけですが、それを正式な雇用契約もなく、ただやってきて無償で手伝ってくれる、これは政治家にとってかなり魅力的です。
この仕組みを、旧社会党や民主党などでは労組関係者が、公明党では創価学会の信者が、共産党では民青などが行ってきたわけですが、そうしたバックグラウンドの無い自民党ではその役割を統一教会の信者が行ってきたというわけです。
また「協力」の見返りとして、援助を受けた議員は統一教会関連のイベントに出席、そして統一教会はその写真などを宣伝につかい、「与党議員も関わっている権威ある団体」とアピールすることで、信者獲得に利用するという、一種の共生関係であったことがわかります。
そして信者になると、「悪魔」等超常的な恐怖心を植え付けるという方法のマインドコンロールにより、山上容疑者の母親のように私生活を破綻させるレベルの献金を強要、実際に家庭崩壊などを引き起こす事例が多発したというわけです。
つまり問題とは、一種の洗脳によって信者の財産を吸い上げる仕組みを持った教団と、自民党が「選挙協力」という形で共生関係にあったことに対する「道義的責任」となるわけです。
こうした事例の場合、洗脳された人々は自身が「自由意思で行っている」と思いこんでいるため、法的責任を追及するのは「新たに何らかの法を作らない限り」なかなか難しいですが、公人として、政治家としての道義的責任からは逃れられないわけです。
なぜかといえば、本来は法的に取り締まり問題を解決へ向かわせなければいけない立場にある国会議員が、関連法(生活を破綻させるほどの献金等の抑制などの対策)の提出どころか間接的とはいえ活動に加担していた事が問題なわけです。
にもかかわらず、次の記事あるように
「山上容疑者は家庭がしっかりしていれば」旧統一教会系の自民議連トップ 奥野議員が激白
AERA.dot/朝日新聞 2022/08/04
https://dot.asahi.com/dot/2022080300123.html?page=1
旧
統一教会と
自民党との関係についてさまざまな指摘があるなか、旧
統一教会の友好団体と
自民党の国会議員らでつくる「日本・世界平和議員連合懇談会(平和議連)」の会長代行、
奥野信亮衆院議員は「何が問題なのかわからない」と主張する。本当に問題はないのだろうか? 奥野議員がAERAdot.に詳細を語った。
平和議連は、元閣僚を含む自民党議員が役員を務め、会員数は80人を超える(総会資料から)。今年6月の総会では、平和議連の顧問で、旧統一教会の友好団体である世界平和連合の会長などを務める梶栗正義氏が講演。翌月に控えた参院選についても話し合った。
総会で配られた資料にはアンケート用紙も入っており、質問には「次期参議院選挙の地方区で、世界平和連合の応援を希望する議員がおられればお聞き下さい」と書かれていた(7月29日のAERAdot.で詳報https://dot.asahi.com/dot/2022072900086.html)。
選挙協力などが、結果的に旧統一教会の会員獲得につながりかねないとの批判の声は大きく、岸信夫防衛相など関係した議員からは「関係を見直す必要がある」などと声が出始めている。
それでも奥野議員はなぜ「問題ない」と強調するのだろうか。主な一問一答は下記の通り。
* * *
――この議連はどういう議連なのか?
日本・世界平和議員連合懇談会は、旧統一教会とは無関係です。我々は世界平和連合とお付き合いをしている。なぜ付き合っているかというと、世界の政治社会情勢を教えてくれるから。世界平和連合は、世界を平和にしたい、そのためには家庭が第一といっている。それはその通りだと思う。
付き合い始める前に、文鮮明氏とかかわりがあるのかと尋ねたら、世界平和連合側が「ない」といった。だから、なぜ世界平和連合との関係を問題視しているか、私にはわからない。
――わからない?
この議連は、議員が集まって、世界平和を追求していくということ。これは間違いのない取り組み。統一教会とは関係はない、と確認した。
https://dot.asahi.com/dot/2022080300123.html?page=2
世界平和連合を通じて、外国の国会議員との交流もある。世界平和連合から「海外からの議員に会ってくれ」と言われたら会っている。おかしい団体とは思っていない。
世界平和を実現するためには、家庭が第一。そこに共感した。家庭がしっかりすることが、世界平和につながると思っている。山上容疑者は家庭がしっかりとしていれば、こういうことは起こらなかったのではないかと個人的には思う。
――世間は旧統一教会と関係があると見ているが?
世界平和連合に尋ねたら、「関係がない」と言った。私と話すときは、文鮮明氏の話は一切出てきません。文鮮明氏の統一教会が問題を起こしたことは知っています。それ以来、私も良い感情を持っていません。だから、「かかわりがあるなら世界平和連合とはかかわりをもたない」と言った。
――具体的な活動は?
世界平和連合と付き合うなかで、世界の政治社会情勢について学ばせてもらえる。アメリカの国会議員やカナダの国会議員など、付き合うチャンスがあるからプラスだと思っている。
――選挙については?
世界平和連合が選挙応援をしてくれるというから、「この人を応援してくれ」と言ったことがある。「当落線上にいて、票が少し足りないから、応援してくれ」と。参議院議員が多いですね、選挙区が広いので。
――応援とは具体的に票? それとも運動員?
どういう形かはわからないが、結果として、良い結果をもたらすケースが多い。
――今回の参院選では、旧統一教会が井上義行氏を応援したと聞いたが?
統一教会じゃなくて、世界平和連合では?
――伊達忠一元参院議員が、北海道テレビの取材で安倍元首相に旧統一教会の票を頼んだと言っている。
そこは認識の違いがある。伊達氏の中では旧統一教会という認識なのかもしれない。世界平和連合が今回は井上氏を応援するという話は、事前に私も聞いていた。前回支援を受けた宮島善文氏は今回、降りると。それを聞いて、私は「大事にすればいいのに」と思った。この件について、安倍元首相からは何も聞いてない。
https://dot.asahi.com/dot/2022080300123.html?page=3
――会長代行、事実上のトップですよね?
そう。井上氏の支援は前の会長のときに決まった話だと思う。
――前の会長は誰?
それは言えない。
――いま会長がいないのはなぜ?
それは色々あって。私は短期間だけと言われている。3、4カ月で交代すると思う。
――票を差配しているとなると、自民党と組織的にかかわっているようにも見えるが?
自民党とのかかわりではない。あくまでも議員とのかかわり。私の場合は、うちのおやじからのかかわりで付き合っている。「国際勝共連合」だけど、秘書によると、おやじは支援してもらっていたようだ。世界平和連合から「おやじさんにはずいぶん協力してもらった」と言われことがある。おやじと勝共連合の関係は強かった。関わり始めたいきさつは、それぞれの議員で違うと思う。
議連の相手としては、世界平和連合としてしか付き合っていない。私は文鮮明氏が嫌いだと言っているから。私には、世界平和連合と統一教会の関係はまったく見えない、出てこない。「国際勝共連合」についてはたまに出てくるが。
――今年6月の総会の案内状には「80人を超える入会」とある。これは自民党だけ?
全員自民党の議員だ。皆、世界平和に焦点を当てて、家庭が第一ということに賛同して参加している。脇のメリットとして、選挙の応援もある。なかには、それが目当ての議員もいるかもしれないが。
私は衆議院の比例だから、個人名を書いてもらうことはない。だから、世界平和連合から一度も応援をしてもらったことはない。
――今年6月の議連の総会では、奥野議員が「この懇談会に入っていればしっかり(選挙で)応援してくれる」という趣旨の発言をしたと聞いたが。
もし少し票が足りない場合は言ってくれといったかもしれない。選挙の応援の話は普通に話している。世界平和連合は選挙応援で何も言ってこない。「票を持ってこい」とか「小選挙区は自民でいいけど、比例は~」とかはない。
https://dot.asahi.com/dot/2022080300123.html?page=4
自民党と関係を持つことが、プラスになると思っているのではないか。向こうから政策について強く押し付けてくることはないが、自分たちの考え方はこうだ、というのは言ってくる。それは共感できるところなので、受け入れている。
最後も奥野議員は、「世界平和連合と統一教会は関係のない団体と認識している。何が問題なのかわからないというのが率直な考えです」と改めて強調し、今後も議連を続けていく考えを示した。
(聞き手・吉崎洋夫)
「山上容疑者は家庭がしっかりとしていれば、こういうことは起こらなかったのではないかと個人的には思う」等と、恐怖を利用した洗脳によって操られている人々の事情をまるで無視した、責任の所在をずらす論点のすり替えをしていたり。
また「世界平和連合と統一教会は関係ない」と主張しており、その根拠を「世界平和連合側がそう言っていた」からとしています。
それが何の根拠にもならないことは当然として、実際はどうかといえば
統一教会が組織再編、全摂理機関と共に新包括組織『天の父母様聖会』の傘下に。政治家対策に影響も<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第28回>
ハーバー・ビジネス・オンライン 2020.06.27
https://web.archive.org/web/20200627024532/https://hbol.jp/222167
取りやめになった「教団名称変更」
統一教会が迷走している。4月上旬に「歴史的な一日」として信者へ通知済みだった『世界平和統一家庭連合』から『天の父母様教団』への教団名称変更を何の説明もなく取りやめ、すべての“摂理機関*” を包括する組織『天の父母様聖会』の新設を宣布した。
〈*”摂理機関”:統一教会の教えを広めるための「統一運動」を推進する団体・組織〉
宣布において教団最高権力者・韓鶴子総裁は、側近の尹鍈鎬(ユン・ヨンホ)事務総長を世界宣教本部のトップに任命。“国家復帰”への全権を与えた。
一方、韓鶴子が持つ日本への“怨讐”、つまり反日的な思想も鮮明となっており、各摂理機関の“組み入れ”が日本で政治家対策を行う信者に影響を及ぼす可能性も指摘されている。
なかったことにされた『天の父母様教団』
教団は当初、4月5 日に教団公式チャンネルから全国の信者へ配信した『真のお母様の特別メッセージ』(現在は非公開)の中で徳野英治日本会長が「歴史的な一日となりました」と前置きし、世界本部の正式な公文として韓鶴子総裁の御言(み言/みことば)を代読、教団名の変更を通知していた。
「これ以上統一教会でもなく家庭連合でもない “天の父母様教団”、英語では“Heavenly Parents Church”と名称を変更しようと思います」(韓鶴子による4月1日の御言宣布)
しかし、この教団名変更は封印され、5月8日、韓国の教団メディアPeaceTVが全世界194か国にインターネット中継した『「天の父母様聖会の出発」天地人真の父母様天宙聖婚60周年記念特別集会』(HJ天宙天寶修錬苑大聖殿)において韓鶴子は、すべての教団系NGO(=摂理機関)を新たに組織する『天の父母様聖会(Heavenly Parent Holy Community)』に集約させる御言を宣布した。
https://web.archive.org/web/20200929105330/https://hbol.jp/222167/2
『天の父母様聖会』に全摂理機関が集結
最高権力者の御言が僅か1か月余りで撤回される事態となった統一教会。『天の父母様教団』から『天の父母様聖会』への宣布変更によって組織の再編成は如何なるものとなるのか。
まずチェックしたのは、天の父母様聖会宣布を伝える教団系メディアの報道だ。
●世界平和統一家庭連合公式チャンネル『U-ONE NEWS』 2020年5月15日号
キャスター:「今後の摂理における重要な指針を示して下さったお母様に感謝して御言を観ていきましょう。真のお母様は、これからすべての人類が一つになり得る傘として『天の父母様聖会』という名称を発表されました」
韓鶴子「私は政界 宗教界 財界 思想界を問わず すべての人が一つとなり一つの旗のもとに集うことのできる「天の父母様聖会」を発表します 英語で言うと『Heavenly Parent Holy Community』です」
「天の父母様の大きな傘のもとにこれまで私たちが活動してきたNGO 天宙平和連合 家庭連合 女性連合など全てが入り天の父母様を120%証ししなければなりません」
●PeaceTV『HJグローバルニュース』 (2020年 5月 16日)
キャスター:「真のお母様は天の父母様のもとで人類が一つに集まることのできる組織を準備しなければならないと語られながら 世界平和統一家庭連合を始めとする全ての組織と団体の前に『天の父母様聖会』の名を祝福してくださいました」
韓鶴子:「私は政界、宗教界、財界、思想界、言うまでもなくすべての人たちが一つの旗のもとに集まることのできる『天の父母様聖会』として発表します 英語で言えば‘Heavenly Parent Holy Community’です」
「天の父母様の大きな傘の下 今まで私たちがして来たすべてのNGO、天宙平和連合、世界平和統一家庭連合、世界平和女性連合などすべてが入って120%を証さなければなりません」
全フロント組織を傘下機関として公表か?
両キャスター及び韓鶴子の発言からは、教団名『世界平和統一家庭連合』を『天の父母様聖会』と変更するのではなく、『天の父母様聖会』に○○連合などと称した摂理機関すべてを組み入れ、さらにそれを「証し」つまり公言すると解釈できる。
この“推測”を裏付けるように同月17日の日曜礼拝に際しての信者への限定配信映像『「天の父母様聖会と神統一世界安着」のための出征礼拝映像』の冒頭、徳野会長は「全国の天の父母様聖会・世界平和統一家庭連合の会員、食口ならびに祝福家庭の皆さま」と挨拶している。
徳野会長は同映像での御言ポイント解説で「Holy Communityの中に世界平和統一家庭連合、天宙平和連合、あるいは女性連合等々私たちの統一グループのあらゆる団体や機関が全部入って」と発言。
また同日、教団八王子家庭教会で行われた礼拝において鄭東洙多摩東京教区長はこう発言している。
「お母様は(中略)天の父母様聖会の傘の下ですべての摂理機関が根を下さなければならないと語られました」
〈参照:「天の父母様聖会と神統一世界安着」に向けた出征礼拝(陽暦2020年5月17日)|世界平和統一家庭連合八王子家庭教会〉
これまでの裁判等で「宗教法人とは別組織」と主張してきた国際勝共連合や世界平和連合などの摂理機関すべてが『天の父母様聖会』の傘下となりその関係性を自ら“証す”となると、これらの組織が統一教会・家庭連合と同一であると遡って裏付けられることになる。
今後、宗教部門が『天の父母様聖会・世界平和統一家庭連合(天の父母様聖会・家庭連合)』となれば、教団関連政治組織である国際勝共連合も『天の父母様聖会・国際勝共連合』になると思われる。その場合、他の代表的な摂理機関の名称は以下のようになることが想定される。
天の父母様聖会・天宙平和連合UPF/天の父母様聖会・世界平和青年学生連合/天の父母様聖会・世界平和連合/天の父母様聖会・世界平和女性連合/天の父母様聖会・平和大使協議会/天の父母様聖会・国際指導者会議ILC/天の父母様聖会・国際ハイウェイ財団 /天の父母様聖会・日韓トンネル研究会/天の父母様聖会・世界日報/天の父母様聖会・ワシントンタイムス/天の父母様聖会・真の家庭運動推進協議会APTF/天の父母様聖会・原理研究会CARP/天の父母様聖会・世界平和教授アカデミーPWPA/天の父母様聖会・科学の統一に関する国際会議ICUS/天の父母様聖会・ハッピーワールド/天の父母様聖会・グローバルビューティ/天の父母様聖会・一和/天の父母様聖会・男女美/天の父母様聖会・一心病院/天の父母様聖会・杉並ミッションセンターSMC
https://web.archive.org/web/20201025113900/https://hbol.jp/222167/3
地区協会には通知するも、教団「統一した見解は未決定」回答
5月17日夜、教団広報へ『天の父母様聖会』に関する質問書をFAX送信した。質問事項の要点は以下。
・宗教法人名を『世界平和統一家庭連合』から『天の父母様聖会』に変更し文化庁宗務課に名称変更の認可を申請するのか? (『世界平和統一家庭連合/家庭連合』→『天の父母様聖会』)
・宗教法人名は変わらず、通称・通名としての『天の父母様聖会』となるのか(『世界平和統一家庭連合/家庭連合』→『世界平和統一家庭連合/天の父母様聖会』)
・各摂理機関を傘下に置き統括する組織として『天の父母様聖会』を新設するのか
・『世界平和統一家庭連合』が『天の父母様聖会』になるのか、それとも『世界平和統一家庭連合』は『天の父母様聖会』傘下NGOの一機関となるのか(『天の父母様聖会 世界平和統一家庭連合』、『天の父母様聖会 国際勝共連合』)
・韓総裁が各摂理機関に120%証しすることを指示したということは、今後全ての摂理機関が教団内組織であると公表するということか
・『天の父母様教団』がボツになり『天の父母様聖会』となった理由
翌日、教団総務局広報部から回答があった。
「当法人名に関する今後の動向に於きましては、現在のところ、統一した見解が決定しておりません。付きましては、お応えできる段階になりましたら、公式ホームページ等でお知らせさせて頂きたく存じます」
5月8日の宣布から1週間余りでは統一した見解が決まらなかったということなのか。
但し、前述の17日の礼拝で鄭教区長は「家庭連合も天の父母様聖会家庭連合という名前にこれから出発するようになりました」と述べており、やはり『天の父母様聖会』の後に各摂理機関名を付加することが通達されているようだ。
文鮮明“カラー”を払拭か
各摂理機関の名称に「天の父母様聖会」を付けることにどのような意味があるのか。
全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の渡辺博弁護士(田村町総合法律事務所)は、韓鶴子の宣布をこう分析する。
「独生女宣言により自らの神格化を図る韓鶴子には『天の父母様聖会家庭連合』と団体名称の頭に『天の父母様聖会』を冠することで、文鮮明色を消してしまおうとの意図があるのではないか」
権力闘争も露呈、全権委任を受けたのは
今回の『天の父母様聖会』宣布で韓鶴子は「77億人類の3分1」を「侍(はべ)る」よう指令、宣教本部を強化するとして本部長に側近の尹鍈鎬(ユン・ヨンホ)を任命した。
「これからすべての指示を世界本部を通して行います 国家を相手にしてもそのようにします それで世界本部の本部長として尹鍈鎬を任命します」
“国家復帰”についても尹鍈鎬が前面に立つ体制となる。
内部情報によると、宣教本部の実質的な主導権は総裁秘書室が握っており、室長と副室長による権力闘争が起こっていたという。今回、首尾よく韓鶴子に取り入った尹鍈鎬事務総長兼秘書副室長が鄭元周(チョン・ウォンジュ)総裁秘書室長を追い落とした格好だ。
教団の実権を名実ともに握った尹鍈鎬新世界宣教本部長とは、どのような人物なのか。
1977年生まれの尹本部長は、教祖夫妻の4男・文國信が統一教財団理事長だった2009年~13年に教団幹部の不正蓄財などを調べる理事長直属のサイバー部隊の責任者で、その際に握った幹部の秘密を使い重要職に就いてきたと言われている。
https://web.archive.org/web/20201025113717/https://hbol.jp/222167/4
政界工作の足を引っ張る日本への”怨讐”
では、この組織再編によって日本の政治家との関係に変化はあるのか。鄭教区長の講話には以下の発言がある。
「天の父母様聖会の宣布で、天の父母様聖会の名前の下で、家庭連合、UPF、女性連合、青年連合、議員連合などなど全てがこの天の父母様聖会の傘の下に入るようになりました」
教団は2017年11月に参議院議員会館特別会議室で世界平和国会議員連合の日本創設大会を開催している。この大会に出席した閣僚を含む63人の国会議員及び秘書を代理出席させた残り約40人余りの国会議員も『天の父母様聖会・世界平和国会議員連合』のメンバーとしてカウントされることになる。
〈参照:統一教会創設の議員連合創設大会に国会議員63人が参加|HBOL〉
各摂理機関が天の父母様聖会に包括されることにより、これまで親密だった保守系の政治家が統一教会や系列の政治団体との“付き合い”を敬遠する可能性もある。これは教団が持つ“反日思想”の可視化が進んだことも大きい。文鮮明教祖は存命時から日本を「怨讐の国」としていた。教祖夫妻がこれまで一貫して日本を「怨讐の国」としてきたことは、教団の発行物などからも明らかだ。
〈参照:|天宙聖和3周年News VISION2020〉
近年も韓鶴子は「人間的に考えれば赦すことのできない民族」と御言で言及、さらには広島への原爆投下を引き合いに悔い改めを迫るなど日本に対する”怨讐”を繰り返し日本の信者や幹部に説き、韓国への贖罪意識を駆り立てている。
〈参照:「弁護士団体の要請を無視、“反社会的”教団の式典に来賓出席する閣僚たち」、「安倍政権と蜜月の関係を築く一方で、統一教会・韓鶴子総裁が日本の幹部に下していた仰天指令」|ともにHBOL本連載〉
昨年末と今年初頭に韓国での修練会に参加した千人以上の日本の大学生2世信者による元従軍慰安婦や元徴用工への”謝罪”イベントや西大門歴史館見学及び少女像前での会見が複数の韓国主要メディアで報じられた際も、韓鶴子は「この国の為政者たちに影響を及ぼした」と称賛している。
〈参照:「統一教会」のダブスタについて、教団と近い政治家や論客の見解を聞いてみた|HBOL〉
日本で政界工作を行う信者への影響を渡辺弁護士が解説する。
「韓鶴子の宣言によって日本の政治家及び著名人の対策をしていた信者は困っているのではないでしょうか。日韓の世界日報が『韓国では反日』『日本では嫌韓を含む右派の擁護』とダブルスタンダードで論陣を張っていたことは、これまでも統一教会内部で問題になっていました。勝共連合においても前会長の太田洪量は韓鶴子に倣って反日の韓国支持を頑固に貫き、他の勝共メンバーから『それでは日本の政治家に嫌われる』と反感を持たれていました」
韓国への贖罪意識を植え付けようとする韓鶴子の”圧力”の度が過ぎると、これまで蜜月状態だった自民党安倍政権との関係に変化が起こる可能性も否定できない。
現在、教団では韓鶴子の自叙伝を一家庭当たり43冊購入し伝道に活用するよう指示が出されているが、この自叙伝『人類の涙をぬぐう平和の母』の内容に関し、韓鶴子が持つ日本への“怨讐”に関連した記述について、ある疑惑が持たれている。
6月に入っても日本の教団本部ビル壁面に掲げれらた教団名は従前のものから変わっておらず、公式ホームページも「世界平和統一家庭連合」のまま、何の「お知らせ」もなされていない。文化庁へ教団名称の変更申請をしたとの情報も現在のところ入っていない。
韓鶴子の思い付きに振り回される日本の教団組織。幹部の嘆きの声が聴こえてきそうだ。(文中一部敬称略)
<取材・文/鈴木エイト(ジャーナリスト)>
鈴木エイト
すずきえいと●やや日刊カルト新聞主筆・Twitter ID:@cult_and_fraud。滋賀県生まれ。日本大学卒業 2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」で副代表~主筆を歴任。2011年よりジャーナリスト活動を始め「週刊朝日」「AERA」「東洋経済」「ダイヤモンド」に寄稿。宗教と政治というテーマのほかに宗教2世問題や反ワクチン問題を取材しトークイベントの主催も行う。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書)
2020年の記事なのですが、教団トップ自身がすべての教団系NGO(=摂理機関)を新たに組織する『天の父母様聖会(Heavenly Parent Holy Community)』に集約させる」と宣言しており、そのなかに世界平和連合も含まれているのです。
記事にもあるように、結局教団の名称は「世界平和統一家庭連合」に戻ったようなのですが、教団トップが「世界平和連合も傘下組織」と明言したことに変わりはありません。
奥野議員の「関係なし」という発言は明らかに事実と異なっています。
なぜこんなことになっているかといえば、選挙等の「協力」がなくなることが惜しいからでしょう。
一種の麻薬のようなものです。
自民党議員のなかには、奥野議員のように「関係は切らない」と明言していた人々がおり、その後自民党や内閣の支持率が落ちると発言を撤回した議員が多いですが、こうした背景がある以上、それが「口だけ」にならないよう監視は必須になります。
関係は必ず断ち切るべきだからです。
2:韓国との関係
そして次に、統一教会と韓国との関係なのですが、これも「自民党が関係を完全に断ち切らないといけない理由」に関係してきます。
どういうことかというと、統一教会は韓国の政界、特に韓国の「保守系(国粋系民族主義)議員」との関係が非常に深いからです。
ご存じの方も多いでしょうが、統一教会は日韓トンネルを推進の中核的存在であり、日本の議員も日韓議員連盟を通じた日韓トンネル研究会を設立し、関係が深いです。
そして次の記事を読むと
韓日海底トンネル建設問題、釜山で公論化の試み
ⓒ 中央日報日本語版2016.08.19 15:33
https://japanese.joins.com/JArticle/219632
韓日海底トンネル建設問題に対する体系的かつ深みのある公論化に向けた試みが釜山(
プサン)で始まる。
18日、釜山木曜学術会とグローバルフォーラムは、今月26日に釜山市議会会議室で第1回韓日トンネル・ラウンドテーブルを開催して韓日海底トンネル建設問題について話し合うと明らかにした。この日開かれるラウンドテーブルでは、韓日トンネル研究会のソ・ウィテク共同代表が「韓日海底トンネルの議論と課題」というテーマで発表を行い、出席者討論が開かれる予定だ。
韓日海底トンネルは韓国と日本をつなぐ海底トンネルを建設する計画だ。これまで日本側のトンネル研究会から提案された路線は3案ある。
1つ目は巨済市一運面(コジェシ・イルンミョン)付近から始まり対馬南部と壱岐島を経て東松浦半島をつなぐ209キロの路線だ。2つ目は巨済市南部面付近から始まり対馬下島と壱岐島を経て東松浦半島をつなぐ217キロの路線と、3つ目は釜山影島(プサン・ヨンド)から始まり対馬上島北端と南端を経て壱岐島を通り東松浦半島をつなぐ231キロ区間で、それぞれ長短所がある。
ソ代表は「今後、韓日海底トンネル問題は両国国民の情緒や歴史・領土問題、過度な工事費・分担金問題、最終路線の確定問題などの克服すべき課題が多い」とし「今回のラウンドテーブルが韓日海底トンネル建設問題を公論化する契機になればと思う」と伝えた。
2016年、釜山市で「韓日海底トンネルの議論と課題」というトンネル公論化に向けたフォーラムが開かれており、「これまで日本側のトンネル研究会から提案された路線は3案ある」と書かれていますが、日本で日韓トンネルについて研究しているところは統一教会系か統一教会から支援を受けたところしかありません。
また次の記事では
ウォン・ユチョル議員「北朝鮮を迂回するユーラシア・シルクロードを開拓しなければ」
SBS(韓国語) 2017.02.20
http://news.sbs.co.kr/news/endPage.do?news_id=N1004053879
自由韓国党大統領候補であるウォン・ユチョル議員は
20日、「
北朝鮮を迂回するユーラシア・
シルクロードを開拓する必要がある」と述べた。
シベリア横断鉄道(TSR)と中国横断鉄道(TCR)を接続してユーラシア大陸を一つの循環輪につなげる「ユーラシア大通り」を公約に掲げたウォン議員はこの日の午後、釜山市議会ブリーフィングルームで記者会見をして、このように明らかにした。
ウォン議員は「北朝鮮の核問題が解決しない場合、南北関係が一歩も出ることができず、南北鉄道が接続されるとしても変数が多く、北朝鮮を迂回する第2のシルクロードを進める必要がある」と主張した。
彼は京畿道平沢・唐津港を拠点と中国煙台港、江原道東海港とロシア・ウラジオストク港をそれぞれ列車フェリーで接続する構想を提示した。彼はまた、長期的に韓中海底トンネルと韓日海底トンネルを建設し、韓国を北東アジアの中心国家に発展させなければならないと明らかにした。
ウォン議員は記者会見でこれに先立ち、釜山市役所を訪問し、ソ・ビョンス釜山市長に会い、崔治国釜山発展研究院の先生から韓日海底トンネルと関連した懸案の報告を受けた。
フォーラム翌年の2017年、当時の韓国大統領選の際、自由韓国党(現「国民の力))の候補が、北朝鮮を迂回してユーラシア大陸と韓国をつなげる構想を提示しており、その流れで釜山市長と日韓トンネル構想について話をしています。
更に次の事例では
韓国野党幹部が言及した韓日海底トンネル…「飛行機に乗ったほうがいい」「日本は無関心」(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.02.08 15:26
https://japanese.joins.com/JArticle/275328
「10年ぶりの召還?」
韓国野党「国民の力」の金鍾仁(キム・ジョンイン)非常対策委員長が今月1日、釜山(プサン)を訪れて論争になっている加徳島(カドクド)新空港に対する支持を宣言し、「加徳島と日本・九州をつなぐ韓日海底トンネルも積極的に検討する」と明らかにした。4月に予定された釜山市長補欠選挙を念頭に置いた発言だ。
2011年李明博(イ・ミョンバク)政府当時、国土海洋部が韓日海底トンネルと韓中海底トンネルはともに経済性がないと発表したが、それから10年を経て中央政界から事実上初めて韓日海底トンネルに再言及した。
与党「共に民主党」では日本だけに有利な事業だと批判するなど親日論争まで広がっている。すると金委員長は「加徳島空港が長期的に経済性を維持するにはモノとヒトが集まる方法を探さなければならない」とし「そのために海底トンネルについて話した」と反論した。
このように政治的に尖鋭な状況で、単なる親日論争を越えて、韓日海底トンネルに対してより客観的かつ冷徹に経済成果の実効性などを十分に確認するべきだという指摘が出ている。
◆1917年、日本陸軍が初めて議論を開始
まず、韓日海底トンネル議論の歴史を振り返ってみると、日本で先に始まったのは間違いない。韓国交通研究院と釜山発展研究院(現・釜山研究院)などの資料を調べると、韓日海底トンネルは日帝強占期である1917年日本陸軍参謀本部の対馬トンネル建設議論まで遡る。
続いて1935年内務省土木国道路課で自動車が行き来する道路トンネル(工事期間25年)として計画し、38年には「朝鮮海峡鉄道トンネル計画」として具体化される。当時の議論は韓半島(朝鮮半島)を経て中国など大陸に進出するための政治・軍事的次元で進められた側面が大きい。
48年には鉄道省が東京~下関間の新幹線建設基準を作る際に、その付帯事項として韓日海底トンネルの建設が提案されたという。しかし、これらの計画はすべて日本の崩壊や韓日関係悪化などで水面下に沈んだ。
再び浮上したのは1980年代だ。匿名を要求した鉄道専門家は「当時統一教会(現・世界平和統一家庭連合)が積極的に韓日海底トンネルの必要性を主張して後援したと承知している」と話した。関連研究はほぼ日本の民間次元で行われた。「日韓トンネル研究会」のような組織が立ち上げられ、各種研究報告書が出始めた。
◆80年代には統一教会が後援、日本で研究活発
「日韓トンネル第1次基本構想」(1983年)、「日韓トンネルの交通需要予測」(1986年)、「日韓トンネル施工のための注入工法に関する研究」(1989年)、「日韓トンネルの経済評価」(1996年)などが代表的だ。
九州の佐賀県唐津市には長さ570メートルの調査トンネルを掘ったこともある。唐津市は過去に日本が唐(中国)と行き来する際の出港地や壬辰倭乱当時の出兵地があるところとして知られている。
反面、韓国内ではこれといった研究があまりない。2003年韓国交通研究院が初めて日韓トンネル研究会の報告書「日韓トンネルの経済評価」などで提示された3本のルートの経済性を調べ、経済性がないという結論を下したことがある。
2009年には釜山発展研究院が自主的な代案ルート〔福岡~対馬~加徳島~釜山・江西(カンソ)〕を提示する内容をまとめた「韓日トンネルと北東アジア統合交通網構築のための基礎研究」があった。
◆韓日政界では何度も必要性に言及
このような間に韓国と日本の政界では韓日海底トンネルに対する言及が何度も出てきた。国内の政治家では盧泰愚(ノ・テウ)前大統領が1990年韓日海底トンネルの必要性について初めて語り、金泳三(キム・ヨンサム)・金大中(キム・デジュン)前大統領も海底トンネルに言及したと伝えられる。2000年には日本の森喜朗首相が韓日海底トンネルを提案したことがあり、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領も必要性に言及した。
このように最高位層も必要性を明らかにした事業がなぜ第一歩すら踏み出すことができないまま現在に至ったのか。それは一重に莫大な費用がかかるのに期待効果はそれほど高くないという判断のためだった。一言で言えば経済性が低いということだ。
2003年交通研究院は日韓トンネル研究会が提示した3つのルートはどれも経済性(B/C)が0.4~0.6にとどまると評価した。B/Cは通常1.0を越えてこそ事業性があるとみなすことができる。
日韓トンネル研究会が提示したルートは▼Aルート〔唐津~壱岐~対馬(下島)~巨済(コジェ)〕▼Bルート〔唐津~壱岐~対馬(下島)~対馬(上島)~巨済〕▼Cルート〔唐津~壱岐~対馬(下島)~対馬(上島)~釜山〕で、全長は209~231キロメートル・海底区間は128~145キロメートルだった。最大水深は155~220メートルになると推定された。
https://japanese.joins.com/JArticle/275329
◆「工事費だけで100~200兆ウォン」 低い経済性
日韓トンネル研究会は3つのルートのうちBルートが最適だとした。当時提示されたトンネルは鉄道と自動車が同時に行き来できる道路・鉄道併用方式で、本線1本と避難用サービストンネルを作ると100兆ウォン(現レートで約9兆4300億円)、本線を2本にすると200兆ウォンが必要になると推算した。参考として、京釜(キョンブ)高速鉄道には21兆ウォン投じられた。
釜山発展研究院が2009年提示した代案ルートは福岡~壱岐~対馬~加徳島~釜山・江西区間で、全長223キロメートル・海底区間は147キロメートル、予想事業費は92兆ウォンだった。本線1本とサービストンネルを作るという条件だったが、本線を2本にする場合には184兆ウォンになる。現在の基準で換算すれば200兆ウォンを越える。また、道路と鉄道併用方式ではなく高速鉄道とカートレイン(乗用車を積載して運行する列車)だけを行き来させるという条件だ。
もちろん事業費を韓国側がすべて負担するわけではない。日本が70%、韓国が30%程度負担することを前提としている。ところで30%だけだとしも30兆ウォンないし60兆ウォンにもなる。専門家は鉄道トンネルが機能をするには本線トンネルを2本通さなくてはならないと指摘する。両方向に分けて運行してこそ効率的だからだ。
英国とフランスをつなぐユーロトンネル(チャネルトンネル)も本線トンネル2本と非難用トンネル1本を作った。少なくとも60兆ウォンは投じる計算をしなければならないという意味だ。そのうえユーロトンネルの事業費が当初の予想よりも大きく増加したことを考慮すると、韓日海底トンネルの工事費も非常に流動的だ。
◆航空より競争力低いため日本政府は無関心
たとえなんとか韓日海底トンネルの建設にこぎつけて運営できたとしても、収支勘定を合わせるのは難しいという指摘が多い。まず釜山と福岡の間に鉄道を利用する貨物が多くないうえ、ソウル~東京などを考慮すれば、あえて短時間で行き来できる航空機を脇においてまで、時間も長くかかり料金の高い列車を利用する乗客は多くないということだ。
ソウル市立大学のパク・ドンジュ教授は「海底トンネルの建設費を反映する場合、貨物鉄道の料金が高まり、単位重量あたりの輸送料金がどうしても高くなる。そのため海運より競争力があるとみることができない」とし「旅客もソウルから九州だけでも飛行機で1時間で行けるのに、誰が好んで3~4時間以上もかかる汽車に乗るだろうか」と指摘した。実際、ユーロトンネルも高い通行料や予想に反する少ない需要などにより赤字を免れなくなっている。
さらに大きな問題は日本政府が韓日海底トンネル建設に特に関心がないという点だ。韓国交通研究院のアン・ビョンミン上級研究委員は「日本は本州と北海道をつなぐ青函トンネルを建設しながら、莫大なメンテナンス費用に頭を悩ませているのが実情」としながら「日本政府と政界は、経済性や実効性がどちらも不透明な韓日海底トンネルにほとんど関心がない」と伝えた。
釜山発展研究院の報告書に関与した専門家も「九州地域の一部の政治家が関心を表明しているだけで、日本全体が韓日海底トンネルに関心を寄せているわけではないと承知している」と話した。
◆海底ルートだけで150キロメートル…「安全への懸念が非常に大きい」
トンネルの安全問題も解決が容易ではない課題に挙げられる。全長51キロメートル・海底区間が38キロメートルのユーロトンネルでさえ、トンネル内の火災で長くて数カ月間列車の運行が中断された事例があり、2009年には大雪によって列車5台がトンネル内に立ち往生して2000人の乗客が16時間にわたり閉じ込められたことがある。
匿名を求めた元高位級官僚は「海底区間だけで150キロメートル近いトンネルを列車で行き来する場合、発生する問題は非常に深刻な水準」としながら「経済成果効率性を離れて安全側面だけで見ても非常に懸念が多い」と話した。
このような状況を総合的に考慮すると、韓日海底トンネルが近い内に本格的に議論となるのは難しそうだ。幾重にもなる課題に対して解決方案を見つけることができないなら、ただのアイデアで終わる可能性も排除することはできない。
大陸鉄道の出発と終着駅になる釜山が、韓日海底トンネルの開通後は鉄道がただ通過する経由駅として、北東アジア鉄道網の中で重要度がさらに落ちかねないという懸念もある。
しかし一部の専門家は未来に備えて北東アジア国際交通網次元で韓日海底トンネル問題を深く扱うべきだと話す。亜洲(アジュ)大学のユ・ジョンフン教授は「北東アジア国際交通インフラの重要な議題である以上、専門家的な見解で落ち着いて議論してみるべきだ」とし「だが(選挙を前にして)とても良くない時点に言及したせいで、韓日感情問題としてのみ扱われるようで残念」と話した。
2021年にも韓国の「国民の力」の議員から日韓トンネル推進の話が出てきたと書かれているわけですが、記事では1980年代に統一教会がこの構想を立ち上げ主導してきた事、盧泰愚、金泳三、金大中、廬武鉉歴代韓国大統領も言及してきたが、当の日本では「航空より競争力低い」として関心が薄いと書かれています。
また次の記事では
国政介入:崔順実氏と統一教会系「世界日報」の奇妙な関係
朝鮮日報 2016/10/28
https://web.archive.org/web/20161029234112/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/10/28/2016102800773.html
ドイツに滞在中の崔順実(チェ・スンシル)氏が26日、
世界基督教統一神霊協会維持財団(
統一教会財団)系の新聞「
世界日報」の単独インタビューに応じ、崔氏と
統一教会の関係に関する指摘が相次いでいる。
世界日報は2014年11月にも崔氏の元夫、鄭允会(チョン・ユンフェ)氏が韓国大統領府で通称「十常侍」と呼ばれる秘書官らと秘密会合を持つなど国政に介入していたと単独で報じたことがある。崔氏の娘、チョン・ユラ氏は統一教会財団が運営するとされる景福初等学校、ソンファ音楽英才アカデミーに通った。
在米ジャーナリストのアン・チヨン氏は同日、ブログで消息筋の話として、「崔氏が朴槿恵(パク・クンヘ)政権発足後、統一教会の元欧州総責任者で、新聞社社長を務めたS氏を駐イタリア大使に推薦したが、当時の趙応天(チョ・ウンチョン)大統領府公職紀綱担当秘書官(現・共に民主党国会議員)の反対で実現しなかった」と指摘した。
アン氏はS氏について、「1975年から統一教会に心酔し、統一教会の創始者である文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁の最側近とされた人物。鄭允会氏とは同郷で、統一教会の欧州総責任者を長く務め、世界日報社長を歴任した人物で、ドイツに長く住んでいた。崔順実・鄭允会夫婦と親しい」と説明。「消息筋によれば、世界日報のインタビュー記事はS氏が仲介したものだった」と主張した。
これについて、趙議員はフェイスブックで「記者から電話が殺到しているが、それぞれ応対できず申し訳ない」とした上で、「わたしが質問に応じれば、内容は大統領府在任当時に経験した事柄に当たるため、(大統領府が)機密漏えい罪に当たると問題視するのは確実だ」と述べた。この記述をめぐっては、アン氏が指摘した疑惑を趙議員が事実上認めたのではないかとの見方が出ている。
しかし、統一教会財団は「S元社長は現在、妻の病気介護のため韓国におり、ドイツを離れてから10年以上たつ」と反論した。インタビュー記事を作成した世界日報のR記者も「ドイツで研修中に知り合った韓国人の紹介で崔氏のインタビューを行った」と説明した。
世界日報編集局も同日、「崔氏のインタビューは困難なチャレンジの末、緊迫した状況で実現した。報道されるまでの経緯とより詳細な状況について続報を準備している」とコメント。その上で、「世界日報編集局は2年前、大統領側近の『秘線』(影の実力者)による国政独占疑惑を最初に報じて以降、外部の圧力やさまざまな波紋を経験したが、言論と報道の本領を守る意志と苦労を放棄せずにいる。今回の崔氏のインタビューも重大な疑惑の中心人物の一方的な主張ではあるが、国民が当事者の考えを直接聞くことを望む状況でそれを伝えることがメディアの役割だという点で報じたものだ」とした。
李竜洙(イ・ヨンス)記者
朴槿恵元大統領が逮捕され、文在寅氏が大統領に当選するきかっかけとなったいわゆる「国政壟断事件」の中心人物「崔順実」氏と統一教会の関係について書かれており、娘のチョン・ユラ氏が統一教会系の景福初等学校、ソンファ音楽英才アカデミーに通っていたと書かれています。
また崔順実氏本人が、統一教会の元欧州総責任者で文鮮明の最側近であった人物を駐イタリア大使に推薦したという話や、この人物が「崔順実・鄭允会夫婦と親しい」という言及がされています。
日韓トンネルの事例も含め、こうしたことからもわかることとして、統一教会と韓国の政界、特に保守系(実態は国粋系民族主義)とのつながりが非常に強い事がわかります。
※次回の記事では李明博政権と統一教会のつながりにも言及します。
そのうえで問題なのは、統一教会が韓国の国会議員などを通じ、日韓議員連盟経由で日本の政界に「働きかけ」をしていたのではないかという事です。
どういうことかというと、廬武鉉政権などの親北系ではなく、李明博政権や朴槿恵政権で、韓国側が慰安婦問題や徴用工問題、竹島問題などで「超えてはいけないライン」を超えてしまっており※、日本とかなり疎遠になっていましたが、それ以前も以後も文政権になるまで明らかに韓国に対して「甘すぎる」態度が続いていました。
※李明博政権や朴槿恵政権でも、文政権ほどではないにせよ慰安婦問題や徴用工問題で1965年の日韓請求権協定を揺るがすような態度が続いていました。
これに関して、アメリカからの働き掛けも当然あったでしょうが、統一教会と韓国保守系議員とのつながり、また自民党と統一教会の共生関係を考えると、何らかの働きかけがあったことも十分にあり得るわけです。
何らかの正式契約があるわけでもないため、いきなり選挙協力を切られることもありえ、基盤の弱い議員は戦々恐々とするしかなくなるわけですから。
また他にも次のような事例があります。
「おばあちゃん」で、少女像を抱いてくれた日本の青年たち… 「間違って率直に認める」
news1(韓国語) 2020-01-02
http://news1.kr/articles/?3807521
韓国を訪問した日本の大学生たちが日本軍性
奴隷制被害者を象徴する少女像の前に菊の花束を置いて少女像を暖かく抱き締めた。
世界平和青年学生連合(YSP)所属の韓・日大学生100人余りはこの日午後、ソウル鍾路区の旧日本大使館前に集まって記者会見を開いて『韓・日青年ソウル平和宣言』を発表した。
韓国と日本の学生たちはそれぞれ『韓国青年学生ソウル平和宣言文』と『日本青年学生ソウル平和宣言文』を朗読した後に少女像を抱擁した。
彼らの当初の計画は日本軍性奴隷制被害ハルモニたちに直接謝罪した後に抱擁をするものだったが、ハルモニたちが現場に来ることができず、少女像を抱擁するパフォーマンスに変えられた。
日本の学生たちはこの日の宣言文を通じて「過去の歴史を直視して、日本の歴史的な過誤と過ちを率直に認めます」と謝罪した。続いて「今後2度と北東アジアでこのような悲劇が繰り返されないように平和な北東ア構築のための活動を展開します」と明らかにした。
コ・ユミYSP釜山支部長は「去年7月、日本政府の輸出規制に韓国はジーソミア終了宣言で相対して両国の葛藤は深化した」として「韓国は反日、日本は嫌韓の情緒が激しく逆巻いたことによって、政治的な葛藤が民間にまで拡散した」と批判した。
続いて「両国の葛藤を解決することができない韓日政府に代わって、韓日の青年大学生たちが先頭に立って平和を実践するためにこの場所に立った」と記者会見の趣旨を明らかにした。
テ・ジョンス『韓日国籍者たち』所属韓国青年代表は「日本の学生たちと一緒に慰安婦ハルモニたちに直接お会いしてきたが、その時にハルモニたちが『貴方たちに過ちは無い』という暖かい慰めを仰ってくださった」として「その姿を見て、韓日平和の可能性を感じた」と話した。
サクライ・モトカYSP日本青年代表は「韓国人のアボジと日本人のオモニの間で生まれて、国境を超える愛を直接見て感じて育った」として「韓日間の永遠の平和のために努力するつもりだ」と話した。
先立ってYSP所属の日本青年大学生会員1200人はこの日午前、白凡記念館で日帝強制徴用被害ハラボジ11人を始めとして、ユン・ジュギョン尹奉吉月進会理事に会った。去る12月31日には『ナヌムの家』を訪問して、日本代表団が手作りした『愛の手紙』を日本軍性奴隷制被害者ハルモニたちに伝達している。
2020年1月、世界平和青年学生連合という組織所属の大学生100人が、日本大使館前にある慰安婦像の前に集まり、「日本軍性奴隷制被害ハルモニたちに直接謝罪した後に抱擁をするものだったが、ハルモニたちが現場に来ることができず、少女像を抱擁するパフォーマンスに変えた」という記事です。
この世界平和青年学生連合という団体は統一教会系の組織です。
“活動報告書”が示す痕跡、旧統一教会関連団体が公共施設で「大会」~福岡
RKB毎日放送 2022-08-17
https://rkb.jp/news-rkb/202208172752/
(一部抜粋)
◆RKB
毎日放送からのご報告
去年3月、福岡県糸島市で「SDGsイノベーション」と題するイベントが行われ、RKB毎日放送も後援しました。主催者である「YSP福岡=世界平和青年学生連合・福岡支部」からの依頼を受けたものですが、この団体は、旧統一教会の関連団体だったことが外部からの指摘で判明しました。RKB毎日放送は、当時、旧統一教会の関連団体との認識はありませんでしたが、今後はより慎重に対応してまいります。番組では、旧統一教会の問題について、引き続き取材を進めていきます。
慰安婦関連問題の問題点は今更説明するまでもないですが、これも当然実害です。
明らかに韓国側の慰安婦の定義に沿った活動が、統一教会によって行われており、「日本人も罪を認めた」というパフォーマンスに利用されているからです。
参照
慰安婦問題で日本記者に反論 韓国「強制性の証拠は無数」 | 聯合ニュース
こうした事例がいくつもあるからこそ、余計に自民党は統一教会との関係を完全に清算しないといけないですし、下手に擁護する事自体に問題があるわけです。
最後に、次の記事にあるように
《北朝鮮と統一教会》「個人を『指導者』や『教祖』として奉って大衆洗脳の道具に」韓国情報当局者が告白する“親書の存在”と“莫大なカネの流れ”
文春オンライン 2022/07/24
https://bunshun.jp/articles/-/56024
列島を揺るがせた衝撃的な事件によって、ある宗教団体の存在がにわかにクローズアップされている。
安倍晋三元首相を
参議院選挙での遊説中に銃撃し、死亡させたとして殺人容疑で逮捕された山上徹也容疑者(41)が、凶行の動機として上げた
キリスト教系の宗教法人「
統一教会」(旧略称。現・世界平和統一家庭連合)である。
1954年に教団を設立した教祖、文鮮明(ムン・ソンミョン)氏は、安倍氏の祖父である岸信介元首相ら各国の要人に接近し、その関係性を喧伝することで組織を拡大していったとされる。
そして、半世紀以上にわたる活動で、日本の政界に浸透していった教団は、北朝鮮とも独自のパイプを築いていた。記録写真にも残る文氏と金日成(キム・イルソン)との“蜜月”のみならず、その関係は、3代にわたるロイヤルファミリーの世襲体制に引き継がれているという。
「金正日から統一教会の文鮮明総裁(享年92)に届けられた親書がある」
声を潜めてこう証言するのは、ある韓国の情報当局者だ。
この当局者が、その「事実」をはじめて耳にしたのは、20数年前。ある脱北者と接触した時のことだった。
「私が接触したのは、1990年代の後半に北韓(北朝鮮)から渡ってきた脱北者でした。当時、北は大飢饉や、核ミサイル開発への過剰投資の影響で疲弊し、金正日の政権基盤は揺らぎに揺らいでいた。一般大衆のみならず、朝鮮労働党の高官にも脱北が相次いでいた時期で、その男も政権中枢のそばにいた元高官、いわゆる『高位脱北者』と呼ばれる一人でした」
北の外交部門にも関わっていたという脱北者は2013年12月、金正恩(キム・ジョンウン)に粛清された張成沢(チャン・ソンテク)とも交流があり、「北の機密情報に触れる機会が多かったのは間違いない」(前出の情報当局者)人物だったという。
その人物の口からついて出たのが、世界規模で展開する新興宗教の教祖と、独裁国家の首領の名前だったというのだ。さらに証言を重ねた男は、「統一教会が展開する北の事業」についても詳細を明かした。知られざるその中身と、北朝鮮と統一教会の“本当の関係”とは――。
◇
金正日から統一教会総裁への《親書》
《統一教会総裁文鮮明先生に捧げます》
1996年のある日、こんな書き出しで始まる《親書》が文鮮明氏に手渡された。親書の差し出し人は、1994年に急死した父・金日成国家主席から権力を受け継ぎ、事実上の最高指導者となっていた金正日(キム・ジョンイル)氏。
当時、ヨーロッパ某国の北朝鮮の大使館に、北朝鮮本国から、ある「特別指令」が届いた。前出の当局者が当時の状況をこう説明する。
「文鮮明と面会し、親書を渡せ。それが、『特別指令』の内容でした。指令は、朝鮮労働党統一戦線部を通じて下されたのだといいます」
《親書》はさらにこう続いたという。
https://bunshun.jp/articles/-/56024?page=2
《偉大なる首領金日成主席様と私(金正日)は文鮮明総裁様との大事な縁を最後まで継承していきます。これから文鮮明総裁様に時間があった時、いつでも平壌を訪問されることを要請いたします。尊敬する統一教会文鮮明総裁様の万年長寿を祈願いたします》
北朝鮮と文鮮明氏との強固な結びつきをうかがわせる内容だったという。この《親書》は、北朝鮮からやってきた統一戦線部の幹部、さらに某国の北朝鮮大使らが文氏に届けたという。
「文氏は、親書を非常に喜んでいたそうです。すでに金日成との公式会談を実現させていましたが、後継者である金正日との関係継続が決定的になったからです。文氏は彼らに向かって、その場で金日成との親密さについて3時間にわたる大演説をぶったといいます」
託された金正日への《返礼》 関係は強固な結びつきへ
文氏は《親書》への《返礼》として、以下のような伝言を北からの密使に託したという。
《これからも金日成主席との大事な縁を忘れずに、金正日国防委員長と頻繁にお会いし、深く近しい関係を引き継いでいく》
総書記として全権掌握する前の金正日は当時、人民武力部、人民保安部、国家安全保衛部を統べる国防委員長の任にあった。
「それでも金日成の後継の地位を確立しており、この時にはすでに“ロイヤルファミリー”の独裁体制は2代目の時代に移行しつつありました。文氏はそのことをよく理解していた。だから『必ず国防委員長に私の意思をお伝え下さい』と念押しするのを忘れなかったのだと言います。『この時、私は統一教会と北朝鮮との強固な結びつきが続いていくことを確信した』。私に情報をもたらした脱北者が、そう断言していたことを覚えています」
情報当局者はこう振り返った。
彼は、最初の証言を得てからさらに数年後、韓国の諜報機関「国家情報院」の内通者からも同様の情報を得て、情報の確度について「さらに確信を深めた」という。
ただ、文氏は、1968年に設立した反共主義を掲げる政治団体「国際勝共連合」の活動を通じて、岸信介元首相ら日本の保守政治家との関係を深めたとされる。児玉誉士夫ら大物右翼との関係も取りざたされるなど、その「反共」の政治的主張は、共産主義国家である北朝鮮とは相容れないもので、両者は反目し合う間柄と思われていた。
ところが、文氏は1991年に金日成と突如会談し、世界に驚きを与えた。しかし実際は「北朝鮮はもっと以前から統一教会へのアプローチを試みていた」(前出の当局者)というのだ。
https://bunshun.jp/articles/-/56024?page=3
統一戦線部からの指令「文鮮明に接触しろ」
これまでさまざまなメディアが報じているように、文氏は北朝鮮北西部の平安北道(ピョンアンブクト)で生まれた。日本への留学などを経て1954年に「世界基督教統一神霊協会」いわゆる「統一教会」を設立した。
一方、冷戦下で「主体(チュチェ)思想」を根幹とする独裁体制を築きつつあった金日成は、1980年代中盤ごろから、新たな外交戦略を打ち出していた。前出の関係者がその中身をこう説明する。
「朝鮮同胞は国籍にかかわらず、全て『包摂』するという戦略です。世界中で北朝鮮への支持者や協賛者を広げ、抱き込もうという政策で、おもに北朝鮮の出身者が工作の標的となりました。工作を主導したのは、対韓工作を担当する統一戦線部。韓国有数の財閥『現代(ヒュンダイ)』グループの創始者らもターゲットでした。その最初期に狙われた中に、統一教会を急拡大させていた文鮮明もいたわけです」
「文鮮明に接触しろ」
統一戦線部を通じて発せられた指令は、すぐさま外務省や世界各国の大使館高官に伝達された。急成長する新興宗教の教祖と独裁者との会談が実現するのは、それから5年ほどが経った頃だったという。
「北朝鮮の一番の狙いは、統一教会の求心力を最大限利用することにありました。金日成は、自身が唱える『主体思想』と、文鮮明を崇拝の対象とする統一教会の教義には人間個人を『指導者』や『教祖』として奉る点に共通点があると考えていました。この2つを上手くつなげて大衆洗脳の道具にしようとしたのです。同時に、統一教会から莫大な資金を引き出すことも目論んでいた」
「教祖の故郷を聖地に」好都合だった北朝鮮からのアプローチ
一方、独裁政権からの秋波は、文鮮明にとっても好都合だった。
「文鮮明のほうには、自分の生まれ故郷、つまり北朝鮮の平安北道をエルサレムのような聖地にしたいという思惑があった。北朝鮮側は、教団側からの希望を受け入れ、その交換条件として莫大な資金の提供を求めました」
北朝鮮は、統一教会から引き出した資金を、イタリアのFIAT社と提携して設立した「平和自動車」の工場の設立資金に充てたという。
「生産管理は統一戦線部が行い、生産された車両は中国に販売しました。利益は、設立資金を用立てた統一教会と統一戦線部で分配することになっていました。工場では『フィパラム』、日本語で『口笛』という名の乗用車を製造しましたが、ほとんど売れず、当初の計画通りに事業化することはできませんでした」
平和自動車はその後、北朝鮮に譲渡されたというが、統一教会側が資金投下の見返りに企図していた「文鮮明氏の故郷の聖地化」は、その目的を果たしている。
https://bunshun.jp/articles/-/56024?page=4
北朝鮮国内に存在する「統一教会の布教拠点」
平安北道の文氏の生家近くには「世界平和公園」が造成され、「文鮮明総裁生家コース」なる教会信者向けの名所も整備されている。平壌市内には、礼拝堂を完備したビル「平壌世界平和センター」も建設しており、北朝鮮国内に布教拠点は複数存在している。
これほどまでに緊密な関係を築いた背景には、統一教会側からの巨額の資本流入があった。折しも北朝鮮では、1994年から1998年にかけて「苦難の行軍」と呼ばれる大飢饉に見舞われ、金正日政権は存亡の危機に瀕していた。政権が困窮の度を深める中で、統一教会の潤沢な資金への依存度はますます高まっていく。
「金正日はこの時期、統一戦線部を通じて、統一教会と“ある契約”を交わしているんです。北の代表的な高級ホテルである『普通江(ポトンガン)ホテル』の50年期限の賃貸契約権を統一教会に譲渡し、さらにホテルに併設された高級レストラン『安山館』の経営権も統一教会側に譲り渡している。これらのホテル施設は、その後長らく統一教会信者の定宿になった」(前出の関係者)
統一教会側が運営を担った「安山館」は、「金正日の料理人」として注目を浴びた藤本健二氏が料理人を務めていたことで知られる。外国からの要人もよく訪れたというこのレストランは、特殊な“接待所”としての機能も備えていたのだという。
「東南アジアや東ヨーロッパなどから拉致してきた女性をホステスとして働かせていました。内部では売春も横行しており、北はここを外貨獲得の重要拠点としていたのです。統一戦線部と統一教会側の共同運営の形を取り、得られた収益はそれぞれで分配していました」(同前)
強固な関係性を次世代が継続
その後、2011年12月に金正日が急死。さらに2012年9月には文鮮明氏が92歳の生涯を閉じた。
強固な関係性を次世代が継続
その後、2011年12月に金正日が急死。さらに2012年9月には文鮮明氏が92歳の生涯を閉じた。
絶対的な権力者が相次いで死去しても、北と統一教会との関係が途絶えることはなかった。文氏の死去に際して、父の後を継いだ金正恩は、2012年9月に文氏の死を悼む弔電を教会側に送っている。さらに、毎年の追悼行事のたびに教団本部に弔電と弔問のための代表団も送り込んでおり、両者の結びつきがいまだ強固なものであることを印象づけている。
安倍氏の銃撃事件で、霊感商法や過酷な献金システムなど“負の側面”に光が当てられている「教団」と、国際秩序に脅威を与える「ならず者国家」との深すぎる関係。共生しあっているようにも映る両者の歪な紐帯が意味するものとは、いったい何なのだろうか。
少々長い記事ですが、。最近取り沙汰されている事として、北朝鮮と統一教会の関係について詳しく書かれています。
ここで書かれている事は事実でしょうが、この件を持ち出す人々はとある韓国的価値観を考慮に入れていません。
それは「ウリとナム」の概念です。
※ウリとナム
ウリ(自分達)ナム(それ以外)
自他の境界が非常に曖昧な概念であり、彼らはウリである場合自身と全く同じ正しさと感情を共有しており、「ナム」はそれ以外、或いは正しさを理解しない劣等な相手と認識される。
また、このウリの範囲はその時の都合で自身を中心に拡大縮小する。
韓国人独特の「ウリ」と「ナム」という概念 - 日韓問題(初心者向け)
【日韓問題】韓国独特の「ウリ」と「ナム」の概念 前編 - ニコニコ動画
【日韓問題】韓国独特の「ウリ」と「ナム」の概念 前編 - YouTube
以前から説明しているように、韓国では自己を中心として、その時の感情的利益で拡大縮小する「ウリ」という概念があるわけですが、この概念では「一貫した考え方」とか「筋を通す」という発想が希薄です。
その時その時で自己の利益となる相手こそが「ウリ」であり、その時の感情的利益を得られる選択こそ「正しい」とされるのが朝鮮伝統の理気二元論の考え方です。
※独特の正しさの概念
彼らの正しさの概念は独特であり、根拠を必要としない。
また「この世には最初から一つの正しさが存在する」と考えられており、自分はその正しさを常に選択していると考える傾向にある。
そして正しさ同士がぶつかった場合には、(曲解でも捏造でもその件と全く関係なくともなんでもいいので)相手の劣等性を指摘する事でそれを自己の正しさの担保とする。
また相手の劣等性を指摘した時点で自身が指摘された問題は相手の問題にすり替わる。
【日韓問題】日韓で異なる「正しさ」の概念 前編 - ニコニコ動画
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である以上、統一教会と北朝鮮の接触は特に不思議な事ではありません。
文鮮明が韓国的正しさに沿って金日成を「ウリ」認定し、それを正しいとしたというだけの事です。
また先ほど紹介した記事
統一教会が組織再編、全摂理機関と共に新包括組織『天の父母様聖会』の傘下に。政治家対策に影響も<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第28回>
ハーバー・ビジネス・オンライン 2020.06.27
https://web.archive.org/web/20200627024532/https://hbol.jp/222167
のなかでも、教団トップが極端な民族主義的反日の態度を取り、にも関わらず日本に依存するという態度を取っています。
なので、言行不一致は韓国関連では特に不可解な動きでも何でもないのですが、それを知らないと文春の記事の最後にあるように「共生しあっているようにも映る両者の歪な紐帯が意味するものとは、いったい何なのだろうか」という無意味な深読みをすることになります。
この件で気になるのは、むしろ「双方の実際のメリットとは何か」という事です。
これがなぜ重要かというと、北朝鮮は金一族以外の権威を一切認めておらず、金一族を唯一絶対の権威として崇拝しない権威(=宗教)は決して容認していない事です。
そもそも文春の深読み自体が成り立っていないことになります。
では実際の双方の利益は何かといえば、間違いなく経済的利益です。
どういうことかというと、統一教会は韓国内で観光・レジャー事業を手広く展開しており、恐らく文鮮明と金日成は北朝鮮開発事業で意気投合したのではないでしょうか。
文春の記事でも最後の方でそれに関係したことが一部書かれています。
※観光事業関連は次回扱います。
宗教活動を北朝鮮で行うことは、唯一の権威である金日成にとって言語道断ですが、観光事業インフラが整備され新たな収入がもたらされることは、経済政策の失敗で貧困国となっていた北朝鮮にとっては渡りに船なのです。
実際、2000年代に入るとこの話は進み始め、開城工業地区が建設され金剛山観光地区などに次々と韓国系企業が参入しています。
しかし2008年に韓国人観光客が北朝鮮兵士によって銃撃され死亡した「金剛山観光客射殺事件」以降、こうした経済活動のほとんどが停止し、開城工業地区も2016年に閉鎖されています。
そして統一教会と北朝鮮の関係も、文鮮明の死で完全に終わっています。
この状況では北朝鮮に旨味が無いからです。
また金剛山の観光地に関しては、北朝鮮がどうやら投資相手を中国に変更したようで、
金正恩委員長「みすぼらしい韓国の施設を撤去しろ」…金剛山ホテル解体が最終段階
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.04.06 14:49
https://japanese.joins.com/JArticle/289645
北朝鮮が
金剛山(クムガンサン)観光地区にある韓国
現代峨山所有の宿泊施設「ホテル海金剛(ヘグムガン)」(
海上ホテル)の解体作業を進展させたとみられると、
ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が6日伝えた。先月6日に撤去する状況が
衛星写真で確認されてから1カ月後、ホテルの解体作業が最終段階に入ったという説明だ。
商業衛星写真サービス「プラネットラボ」が5日に撮影した写真によると、金剛山長箭(チャンジョン)港に設置されているホテル海金剛の真ん中の部分がくぼんでいて、これは低い階数まで撤去が進んだ状況だというのがVOAの分析だ。また、ホテルの前の埠頭には建物の資材と推定される黒い物体が積まれている。
VOAは先月6日以降、建物が階層別に解体されるように色が日々変わる状況が見られ、重装備が登場しては消える場面も確認されたと伝えた。
ホテル海金剛は金剛山観光地区に入った韓国側の最初の宿泊施設。1998年11月に海路を利用した金剛山観光が始まった当時、観光客は遊覧船を宿泊施設として利用していた。その後、現代峨山が2000年11月にベトナムにあった中古の海上ホテルを金剛山に移し、ホテル海金剛としてオープンした。したがってホテル海金剛は金剛山観光を象徴する施設だ。
しかし2008年に観光客パク・ワンジャさんが射殺された後、金剛山観光が中断し、管理が行われず施設が老朽化した。2019年10月に金剛山を現地指導した金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長はここで「見るだけで気分が悪くなるみすぼらしい南側の施設をすべて撤去すべき」という指示を出した。
北朝鮮側の最近のホテル海金剛解体作業について、韓国当局は金委員長の指示の後続措置と判断している。政府当局者は「金委員長の(撤去)指示以降、北側は韓国政府に金剛山観光地区内の施設撤去を要求した」とし「南北がこの問題を議論している途中(2020年1月)、新型コロナが発生し、南北の議論も中断した」と説明した。
しかし北朝鮮は韓国政府や所有主の現代峨山側と追加の協議なく施設の撤去に入ったとみられる。これに対し韓国政府は「関連動向を確認中」「関連部処で立場を整理している」「南北が協議せず韓国側所有の施設を撤去するのは問題」などと原則的な立場を見せている。
国民大の全賢俊(チョン・ヒョンジュン)兼任教授は「北は金剛山観光地区を独自に開発しようとする計画を持っている」とし「一方的な施設撤去は南北関係が冷え込んだことへの不満の表出であり、韓国の新政府と米国に向けた圧力の一環」と分析した。
2020年頃に宣言した金剛山の韓国関連施設撤去が、今年4月にほとんど終了、最早統一教会と北朝鮮の関係は終わったとみて良いでしょう。
そもそも、投資を再開するためには国連とアメリカの制裁解除が必要であり、そのためには北朝鮮が核放棄をしないといけないため、現実的に不可能なわけですから。
しかし、つい先日
統一教会創設者の遺族に弔電
共同通信 2022/8/13
https://nordot.app/931136757341421568
北朝鮮、90年代から関係
【北京共同】北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会は13日、統一教会(現世界平和統一家庭連合)の創設者、文鮮明氏の死去から10年を前にして、文氏の遺族に弔電を送った。北朝鮮の対南宣伝サイト「わが民族同士」が伝えた。
文氏は1991年11月末に訪朝し金日成主席と会談。離散家族捜索事業の推進や統一教会グループによる北朝鮮での経済事業支援展開などで合意した。グループ企業の韓国紙、世界日報によれば文氏は、金主席と「兄弟の契りを交わした」と生前口にしており、同グループと北朝鮮は良好な関係を維持している。
北朝鮮から統一教会に対し、文鮮明の死後10年を前にして遺族に弔電が贈られたというニュースがありました。
これはどういうことかというと、情報戦の一種でしょう。
実際、北朝鮮は次の事例のように
金正恩政権10年、北朝鮮が偉人伝を発行…核首脳会談を強調するも文大統領には一切触れず
朝鮮日報 2021/03/01
https://web.archive.org/web/20210301004407/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/03/01/2021030180007.html
ハノイ・ノーディール関連にも言及せず
「核には核で」の項目には
水素爆弾や
ICBM実験について詳しく説明
北朝鮮が金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の「偉人伝」を発刊した。同書は核兵器開発、南北首脳会談、シンガポール米朝首脳会談などを金正恩氏の代表的な治績として強調したが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領については一切言及しなかった。昨年の開城工業団地の連絡事務所爆破など、南北関係を事実上断絶した北朝鮮の基調が反映されたものとみられる。
■韓国が2021年世界軍事力ランキング6位、北朝鮮28位…日本は?
北朝鮮の対南宣伝メディア「わが民族同士」が28日に公開した書籍「偉人と強国時代」は620ページ以上からなり、七つのチャプターにわたり金正恩氏が権力の座にあった10年間の政治・経済・軍事・社会・文化・対南と対外分野における成果が記載されていた。韓国と北朝鮮との関係に関するチャプターには、2018年2月の平昌冬季オリンピックに北朝鮮が代表団を派遣したことや、同年4月に板門店で開催された南北首脳会談の内容が重点的に取り扱われていたが、「文在寅」という名前は登場しなかった。
同年9月に平壌で開催された南北首脳会談については「9月の平壌共同宣言」という表現でのみ紹介し、具体的な説明はなかった。2019年6月に板門店で開催された南北米首脳会合も紹介したが、金正恩氏と米国のトランプ大統領(当時)については言及したものの、文大統領の名前はなかった。これとは対照的に故・李姫鎬(イ・ヒホ)氏(故・金大中〈キム・デジュン〉元大統領夫人)、現代グループの玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)会長、統一教会の故・文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁などの名前には直接言及し、当時の逸話などが詳しく紹介された。
同書は2018年6月にシンガポールで行われた米朝首脳会談と19年6月の板門店会合については15ページを割き、これを対外関係における大きな業績として自画自賛した。しかし金正恩氏のイメージに打撃を与えた「ハノイ・ノーディール(米朝首脳会談決裂)」については一切言及しなかった。
同書は「核には核で」という項目で、2016年に行われた水素爆弾の実験と翌年の大陸間弾道ミサイル(ICBM)装着用の水素爆弾実験について詳しく説明した。さらにICBM「火星14型」と「火星15型」の発射実験も紹介した。同書は「敵対勢力にはただ力が、爆剤の核には正義の核抑止力だけが通用する」「強力な核武力で米国の一方的な核の脅威の歴史を終わらせねばならない」とした上で「これが金正恩氏の信条」と説明した。
キム・ミョンソン記者
去年文在寅前大統領への当てつけのような「偉人伝」を発行、文在寅氏を無視して現代グループ会長や文鮮明については言及しています。
現代グループなどが投資した観光施設はこの時点ですでに撤去が決定しており、名前を出して厚遇するメリットが北朝鮮にはほとんどありません。
その利権は既に中国に渡っているからです。
単に文在寅氏を侮辱するためのダシに利用しているのです。
これと同じ事です。
以前、動画「NHK番組改変問題と朝日新聞」で説明したように、安倍叩きには北朝鮮が深く関わっています。
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そして安倍氏が銃撃され死亡し、統一教会との関係が取りざたされるなかで、北朝鮮が文鮮明の家族に弔電を送りニュースになれば、それだけで「嫌がらせ」になります。
なので情報戦の一種でしかないわけです。
また最近以下のような動きがありました。
尹大統領 北朝鮮が核開発中断なら「米朝関係の正常化支援」
聯合ニュース 2022.08.17
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220817001700882
【ソウル
聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は就任から100日となる17日、ソウル・竜山の大統領室庁舎で初の公式記者会見を行った。
北朝鮮の非核化に関し、
北朝鮮が核開発を中断すれば
米朝関係の正常化を含む外交的支援と通常兵器の
軍縮議論を行うと表明した。
尹大統領は、15日の光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)記念式典で行った演説で北朝鮮が核開発を中断した場合の政治、経済、軍事支援といった「大胆な構想」を提案したと言及。「大胆な構想」について、「米朝関係の正常化に向けた外交的支援、通常兵器の軍縮議論、食糧、農業技術、医療、インフラの支援と金融・国際投資支援を含む包括的な構想」と説明した。
上記の記事は、韓国政府がアメリカと対北朝鮮政策で完全に足並みをそろえたことを意味しており、北朝鮮にとっては非常に都合の悪い情報です。
このことから、自民党への嫌がらせと同時に、「韓国の保守系議員と統一教会の間に亀裂でもできれば儲けもの」程度の考えでもあったのでしょう。
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