日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

だんだんと見えてきた尹錫悦政権の方針

さて、本日はタイトルにもあるように韓国の次期政権である尹錫悦政権の方針が見え始めてきたので、その件について扱っていきます。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)

注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

現在韓国の尹錫悦次期大統領は、日本との関係改善を訴え、日本に対して政策協議団を送り、また日本との信頼回復を訴えるなど、一見するとかなり前向きな対応をしているように見える。


しかし最近の言動を観察していると、彼らは言葉では関係改善を訴えてはいるが、慰安婦問題にしても徴用工問題にしても、また輸出優遇解除の件に関しても、根本的な部分は文政権とほぼ変わりなく、関係改善とは「日本が譲歩すべき」というスタンスであることに違いが無い。


また、韓国内では現状の尹政権の方針すら「親日的」と批判する世論が存在している事から、尹政権が突発的に歴史問題で強硬な態度に出る事もあり、よりいっそう韓国に対しては毅然とした態度を取る事が重要になってくる。


※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:関係改善を訴えている



まずはこちらの2つの記事から

韓国次期外相候補 対日関係巡り「信頼回復」強調
聯合ニュース 2022.04.19
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220419001700882


韓国の次の外相は「日本語できる米国通」 ベテラン議員の朴氏に内定
朝日新聞 2022年4月13日
https://www.asahi.com/articles/ASQ4F5QWHQ4FUHBI01K.html


記事では、尹政権が日本に対して政策協議団を送り、「さまざまな問題を含め、信頼を回復する対話をする」とコメントしているという事が書かれています。


また次の朝日新聞の記事によると、尹政権は外相に東大への留学経験があり日本語が堪能で、また李明博政権にも参加していた人物を内定したとしており、未来志向な日韓関係を目指していくと書かれています。


またさらに次の記事によると

日本派遣の韓国代表団長 「関係復元」目指す
聯合ニュース 2022.04.17
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220417001100882


日本へ派遣予定の政策協議団の団長は「歴史を直視しながら金大中・小渕宣言水準の未来志向の韓日関係を構築しなければならない」「尹氏が目標としているのは韓日関係が最も良好だった金大中・小渕宣言当時の水準の未来志向の韓日関係を構築すること」とコメントしています。


また、対北朝鮮での日本との協調路線も提示しており、文政権との違いを強調しているようです。


そして日本政府側も、こうした尹氏側の態度に対し

「日本政府、尹氏の政策協議団派遣に歓迎の声」
中央日報/中央日報日本語版2022.04.19 14:30
https://japanese.joins.com/JArticle/290120


「尹錫悦次期大統領のリーダーシップに期待している」「訪日の機会を捉え新政権と緊密に意思疎通する」という反応をしていると書かれています。


そのうえで、「1965年の国交正常化以来築いてきた日韓友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を発展させていく必要がある」「国と国の約束を守ることは国家間の関係の基本」というスタンスをとっており、いわゆる「請求権協定」の順守を訴えていく方針であるようです。


ここまでですと、細かな部分の調整は必要としても、尹政権側も関係改善に前向きであり、また対北、対中に関しても、尹政権は文政権のような方針をとらないとアメリカに対して明言している事から、関係改善の糸口がありそうに見えます。


2:見え始めた本音



しかし、特にここ数日の尹氏側の言動を見ていると、実際には関係改善に繋がるような兆候が無いどころか、スタンスとしては文政権とほとんど変わっていないという事が見え始めています。


先ほど紹介した記事においても、尹氏が派遣を決めている政策協議団の団長が「歴史を直視しながら金大中・小渕宣言水準の未来志向の韓日関係を構築しなければならない」とコメントしていますが、この「歴史を直視」が何なのかが重要です。


次の記事を読むと

韓国外相候補 慰安婦被害者の名誉回復へ「韓日が共に努力を」
聯合ニュース 2022.04.20
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220420001600882


本日の記事なのですが、先ほども出てきた「日本通」とされる外相候補が慰安婦問題について、「最も重要なのは被害者の名誉と尊厳を回復するため、韓日が共に努力することだ」とコメントしています。


この「被害者の名誉回復」とは何かといえば、要するに韓国側の慰安婦の定義である「軍や国の命令で軍人や官憲が直接的に行った動員(or拉致)」の法的責任を日本政府が認めるという件です。


この態度は、文政権が去年あたりから「慰安婦合意は有効」としながらも、「被害者の名誉回復が必要」と主張し、合意の履行を事実上拒否する口実にしていた内容と全く同じなのです。


更に世論に関しても、次の記事を読むと

韓国企業の10社に4社が「新政権発足後に韓日関係良くなる」
中央日報/中央日報日本語版2022.04.20 16:39
https://japanese.joins.com/JArticle/290175


韓国企業は尹政権になれば日韓関係が好転すると考える企業が多いとはしていますが、その中で最も期待されているのが「輸出規制など両国間の貿易摩擦解消」と書かれています。


しかし、以前から指摘しているように、元々これは韓国による兵器転用可能な戦略物資の輸出入管理が杜撰であり、その件について日本政府が2018年6月の定期対話で話をしようとしたところ、韓国側が定期対話を拒否するようになったことが原因です。


その結果、輸出国側の要求する基準を満たした国にのみ特例として認められていた「(輸出の)包括許可」の有効起源切れになったのが2019年7月1日であったわけですから、政権が変わったからとそれで優遇措置が復活するわけではないにも関わらず、韓国企業の多くは「それ」を期待しているのです。


またこの件で重要なのは、こういった状況にある以上、本来であれば尹政権が「何が本質的原因なのかの説明」をしなければいけないわけですが、尹政権はそうした説明をする兆候すらなく、この件でも文政権と態度にほとんど違いがありません。


これはつまり、文政権と同じく「問題の原因を把握しながら日本に原因を転嫁する」という態度を取る確率が極めて高いという事です。


そしてこの状態で、韓国メディアからは次の記事にあるように

韓国「尹錫悦時代」、韓日関係でまずやるべきこと(1)
中央日報/中央日報日本語版2022.04.16 14:00
https://japanese.joins.com/JArticle/290018

日本との関係改善を訴えながら「もちろん誰が原因を提供し始めたのかを問いただせば、非難されるべき側は日本だ。不当な経済報復措置を取り、過去の問題に誠意ある態度も見せなかった」と原因を日本に完全に転嫁してしまっているのです。


更には「日本は過去に対する反省もまともにせず「韓国が解決策を出すべき」という高圧的な姿勢で一貫した韓国たたきをやめなければいけない。それで十分だというのではなく、新たな始まりのための基本の中の基本だ」とも書かれており、問題が「韓国が国と国との間で正式に取り決められた協定や合意を一方的に破ったこと」にあるという認識自体が存在していないのです。


しかもこの状態で

韓国文化体育観光部長官候補「天皇祝宴への出席、歴史歪曲の現場取材だった」
中央日報/中央日報日本語版2022.04.19 06:40
https://japanese.joins.com/JArticle/290085


こちらの記事では尹政権の文化体育観光部長官候補が、「8年前に天皇誕生日の祝賀行事に参加した」という事を問題視されたという記事なのですが、その釈明で「日本人がどのように天皇誕生日を扱うのか、日本の軍国主義の痕跡が作動し続けているのかを確認するために現場に行った」と主張しているのです。


こんな釈明をしなければいけないような状況では、当然ですが真っ当な関係改善など見込めるわけもなく、言葉では「関係改善」を訴えながら、実態は文政権の方針とほとんど変わっていないも同然なのです。


結局のところ、韓国側では問題の原因と向き合える人材が存在していないという事です。


3:毅然とした態度が必要



予想通りといえば予想通りな展開ですが、今回紹介したように尹政権になったところで、問題が継続されることがほぼ確定したというのが現在の状況です。


ここで重要になるのが、李明博政権末期に起きた出来事です。


どういうことかというと、李明博大統領は末期に竹島上陸を行い、その結果日韓関係が致命的に悪化したわけですが、李明博大統領が「そういう行動を取った原因」の一つとして、日本と韓国の間でGSOMIA(軍事情報保護協定)を締結しようとし、それが世論からの反発を受け支持率が急落、撤回せざるを得なくなったという背景があります。


関連記事
japanese.joins.com


これはどういうことかというと、韓国では「日本との協力は日本が”正しい歴史”を受け入れることが条件」という世論が圧倒的な多数派であるため、それをせずに日本との協調路線を取る事は政権の致命傷になりかねないのです。


そのため、李明博大統領はGSOMIAの撤回をしたうえで、竹島上陸というパフォーマンスを行い「禊」をしたわけです。


これは、以前紹介した韓国の侮辱文化が関係しています。


oogchib.hateblo.jp


どういうことかというと、正しさに根拠の必要ない序列社会の韓国では、「自身がなぜ正しいのか」を直接的に説明する手立てがないため、その代わりとして「相手に対して侮辱的な態度を取る」事で、「相手にこんなに侮辱的な態度を取れるのは自身の方が序列が高いからだ」とアピールするわけです。


つまり、李明博大統領は「親日的」「日本の手下」と批判されたことで、「日本より自分の方が上だ」とアピールするためにあのような態度を取ったというわけです。


このことから、日本との融和を訴えながら一切妥協できない尹政権も「同じ状況になる」確率が非常に高く、そうなった場合李明博大統領と同じく「日本を挑発するような態度」を取りかねないという事です。


万が一そうなった場合、日本は毅然とした態度で韓国のそうした態度を批判しないといけません。
韓国側は「メンツだけは保たせてほしい」という態度を取るでしょうが、断固とした態度が必要です。


そしてこうした件なのですが、ある意味「お手本」となるアメリカの事例があります。


以前も紹介した次の事例

韓国外相、北朝鮮の核実験再開の可能性に「そのような動向ある」
ハンギョレ新聞 2022-03-29
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/42978.html

文政権は今年3月末、北朝鮮の核実験再開の可能性について問われると、突然「ハノイ会談決裂はアメリカのせい」と言いだしたという事がありました。


そして今月になると

金正恩委員長「文大統領の過度な関心は不都合」 トランプ氏に直接対話を要請していた
朝鮮日報 2022/04/09
https://web.archive.org/web/20220408232017/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/04/09/2022040980006.html


記事では、韓国メディアが「金正恩委員長と米国のドナルド・トランプ大統領(当時)との間でやりとりされた27通の親書を入手」として次のように書かれています。


親書の中で金正恩は「今後、朝鮮半島の非核化問題は南朝鮮文在寅大統領が同席するものではない、閣下と自分が直接話し合うことを希望する」「現在われわれの諸問題に文大統領が示している『過度の関心』は不都合」「もし閣下がこちらの意見に同意するのであれば、ポンペオ(当時の国務長官)を再度、速やかに平壌へ派遣してほしい」と、徹底して文大統領を邪魔者扱いしていたと書かれていたそうなのです。


これを韓国メディアに「リーク」したのは明らかにアメリカ政府です。
そしてタイミング的に、その動機は「文政権がハノイ会談の決裂をアメリカに責任転嫁したこと」が原因です。


つまり、アメリカは文政権による責任転嫁に対して、徹底して文政権のメンツをつぶすことで答えたというわけです。


これが非常に重要で、特に日本に抜けている態度です。


なぜ重要なのかというと、韓国社会は約束やルールというものに無頓着であり、だからこそこういった場当たり的な責任転嫁が安易にできてしまうわけですが、これに対処できる方法が一つだけあります。


それは、約束やルールの重要性そのものは理解できないが、「約束やルールを破る事で発生するリスク」に関しては、経験則として彼らでも理解できるという事です。


平たく書けば、「約束を破る事自体の問題点」は理解できないが、「約束を破ることで受けた被害」なら理解できるため、「〇〇との約束やルールを破るとリスクがある」という事はわかるのです。


なのでアメリカは、責任転嫁に対して「即座に文政権のメンツを潰す」という方針に出たわけです。


日本は何かと「相手のメンツを立てる」という態度を取りがちで、韓国に対しても「メンツだけは保てるように配慮する」という方針をとる場合が多いですが、それを繰り返してきた結果が現状です。


日本側は「お互い様」を期待してそうした方針をとるのでしょうが、韓国側にはそれが通じないからメンツを守ってあげればあげるほど事態が悪化していったわけです。


そしてアメリカはそれとは逆に、文政権のメンツを徹底的につぶすことで、「そういう事をすればリスクがあるのだ」と解らせたというわけです。
実際、文政権はその後同様の事を一切言っていないどころか、アメリカに対しても何一つ不満の声を挙げていません。


日本の場合には、これまでがこれまでである上に、「韓国の側に立つ人々」が多数いるため、なかなかアメリカのようにうまくはいかないでしょうが、韓国のメンツを無駄に保とうとせず、欠礼にははっきりとメンツをつぶすような態度を取り続ければ、いずれ彼らは「欠礼がリスクにしかならない」と学習するようになるというわけです。


もちろん、その場合にも感情的にならず「淡々と無味乾燥に、事務的に」行う必要がありますが。


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