(画像は韓国人の抗議で掲載中止となった映画「ゴジラ(2014)のポスター)
さて、最近メディアなどで「韓国人は言うほど反日ではない、韓国人は日本人との友好を望んでいる」という記事が増えてきました。
そこで、ではそもそも「反日ではない」というのは本当なのか、という問題について書いていく事となります。
まずはメディアなどでどう報じられているのかを見てみましょう。
朝日新聞
韓国人9割「日韓助け合うべきだ」 「嫌韓」解くカギに
http://www.asahi.com/articles/ASG575G1HG57UHBI025.html?iref=comtop_6_01
歴史認識問題などをめぐって日韓関係が悪化するなか、日本では「嫌韓」が、韓国では「反日」が高まっているように見える。
だが、韓国では歴史認識問題や領土問題を除いては、日本に対する認識、イメージは決して悪くないことが、「コリアリサーチ」が実施した世論調査結果から浮き彫りになった。
この調査を提起した東アジア文化交流協会の厳鎬烈(オム・ホヨル)顧問(68)は、日韓の国民が、政治外交的な対立と経済・文化・民間の交流を分けて考え、さらなる協力を模索するべきだと訴える。
世論調査は、長年にわたり日本語学院や日本語教材出版の事業に携わってきた厳さんが、経営判断をするにあたり、コリアリサーチに依頼した。
だが、動機はそれだけではない。
3月に日本を訪れた際に書店に「嫌韓」の本が並び、有力週刊誌までが「嫌韓特集」をしている状況を目の当たりにした。
また、嫌韓を主張する日本人たちは「韓国が反日国家だから、自分たちも嫌韓でなければならない」と確信しているというような印象を受けた。こうした状況を変えていくためには、今の韓国人が日本に対してどんな認識を持っているのかを知る必要があると考えたという。
3月15日に実施した世論調査では、「韓日両国が互いに助け合い、協力し合う関係に発展していくべきだと思うか」という質問で、88・3%が「そう思う」と答え、「そう思わない」は11・2%だった。「日本が韓国にとって重要な国だと思うか」では、「重要」が76・2%に対し、「重要でない」が23・1%。「韓日の政治外交的な対立と、経済・文化・民間交流は分けて考えるべきだと思うか」との問いには、78%が「そう思う」と答え、「そう思わない」は21・1%だった。「日韓首脳会談が行われるのが適切か」では、「適切」が66・4%、「適切でない」31・8%だった。
ここ最近こういった論調のメディアの記事が多いですが、実はこれ日本人と韓国人の「反日」に対する定義付けの違いを利用した印象操作なんです。
日本人が韓国の反日と定義付けしているものを並べると、思いつく限りこの辺りではないでしょうか。
・従軍慰安婦問題
・竹島問題
・教科書問題
・日本海呼称問題
・戦後補償問題
・旭日旗問題
・韓国の教育全般
これ等なのですが、実は韓国人は反日と定義していません。
では何なのかというと、韓国人にそれを聞くと大抵「間違いを正しているだけ」「正しい事をしているだけ」という答えが返ってくるでしょう。
以前も書きましたが、韓国では一般的にこの世の中に絶対普遍の価値観や絶対普遍の歴史“観”があると考えらています。
そしてそれらは全ての国、人、時代を通じて普遍であり、その普遍に沿わないものは「道徳的に間違っている」ので、自分達が正していかなければならないと考えています。
要するに韓国人は、韓国人の価値観で「正しい行い」をしているだけだから、これは反日行為ではないというわけです。
韓国人が「韓国では反日教育などしていない」と答えるのも、この認識が原因です。
だから彼らはこの件に関して言えば、そもそも嘘をついているというわけではなく、自分達の認識をそのまま言っているだけという事になります。
だから、韓国人が世界中で行っている従軍慰安婦問題や日本海呼称問題、竹島問題、旭日旗問題のロビー活動にしても、韓国人以外から見れば反日行為以外の何物でもないですが、韓国人からして見たら「間違いを正している」だけなので反日行為ではないというわけです。
これは屁理屈やその場しのぎの言い訳ではなく、多くの韓国人が本気でそう考えています。
なので、朝日の記事にあるアンケートでも、そもそも韓国人は上で挙げたリストは「当然の要求」なので、友好の障害となる物とは認識していないわけです。
まあ、だから余計に厄介なのですが…
なので、このニュースも
映画「ゴジラ」のポスターに「旭日旗」? 配給会社が謝罪・・・「今後使用しない」で全面削除=韓国
サーチナ
http://news.searchina.net/id/1531941
5月に米国や韓国で公開されるハリウッド映画「Godzilla」のプロモーション用ポスターが、
韓国国内で旭日旗のデザインを使用したとして非難を浴び、削除されていたことが分かった。
ワーナー・ブラザーズ・コリアは4月23日、「今回のポスターについて韓国ファンに深くお詫びする」と謝罪。
デザインは「意図したものではない」とした上で、「今後ポスターは韓国だけでなく、ほかの国でも使用しない」と説明した。
韓国で問題となったポスターは、中央に配置されたゴジラの背景に赤い線が放射線状に延びているもので、「キングが帰ってきた」とのキャッチフレーズが縦書きで記されている。米国のワーナー・ブラザーズ本社が、米国で4月18から20日まで開催されたアニメのイベント「WonderCon」用に制作した。
旭日旗は韓国で「日本軍国主義の象徴」と呼ばれ、批判の対象になることが多い。
同ポスターについても「旭日旗を連想する」などとして韓国の映画ファンらが問題視し、波紋を広げていた。
現在ポスターは、映画紹介サイトや公式フェイスブックなどから全て削除されている。
以前「『旭日旗問題』に見る韓国人独特の考え方」で書いたように、傍から見たら難癖の反日行為以外の何物でもないですが、韓国人から見たら「ハーケンクロイツと同じだ、道徳的に間違っているから正しているだけで反日をしているわけではない」となるわけです。
そして、韓国人の認識はこうなのですが、それより問題なのは日本のメディアです。
韓国を観察していれば、はっきり言ってこの認識の違いはすぐに解ります、つまり日本のメディアはこの認識の違いを理解したうえで、韓国人の反日に対する認識を「日本人の認識に摩り替えて」、実は韓国人は反日ではないんですよと印象操作をしているというわけです。
そしてもう一つ。
朝日の記事では韓国人が友好を望んでいるように書かれていますが、これも実態はかなり違います。
【社説】政府、「用日」の世論に耳を傾けるべき
中央日報
http://japanese.joins.com/article/359/180359.html?servcode=100§code=110
(前略)
今回の調査が、安倍首相の靖国参拝直後に行われた点を勘案すれば、安保協力や大統領の積極 的な役割を注文した比率はさらに目を引く。国民の相当数が、「用日」の観点で対日関係改善を望んでいると見られる。ちょうど日本の経団連・日本商工会議 所・経済同友会会長も7日の会見で安倍首相に韓日関係の改善を促した。ここには日本経済界の底辺の声が反映されているのだろう。
(中略)
私たちの対日外交のやり方も、より緩やかになるべきだと見る。名分と実利を調和させてい く「実事求是(事実に基づいて真理を探究すること)」の姿勢が望ましい。日本の正しい歴史認識を促していくものの、それが韓日関係全体を左右しないように するバランスの取れたアプローチが要求される。安倍首相が靖国参拝で世界の公憤を買っている今、日本に手を差し出せる逆発想の知恵が必要なこともある。原 則よりも、国家の利益がさらに重要だ。
要するに何の事はない、韓国人の認識では友好とは日本人の考える友好と違い、日本を都合よく利用してやろうというだけの事なのです。
しかも、最初に日本人が考える反日行為として挙げた「歴史問題」はそのまま要求していくというのだから、これはつまり「自分達は何も変えるつもりがない、日本人が無条件に変わり(こちらの要求を)受け入れろ」と言っているに等しいわけです。
当たり前の事ですが、日本人の認識では相手の要求を一方的に受け入れ、こちらの要求は一切受け入れないという態度は、そもそも友好と呼びませんよね。
この認識の違いも、日本のメディアは一切伝えず、さも韓国には何の問題もないかのように印象操作をしているというわけです。
ほんとろくでもないですね。
まあそもそも、子供の頃から政府の方針で異文化や異民族・異人種を蔑視する自民族中心主義教育を受けた人達と、日本が仲良くやっていけるかどうかと言えば、それは「ありえない」わけですが。
反日ですらこれだけ厄介な事になっているのに、仮に反日でなくなったとしてもこの問題はまだ残るわけですから、日韓友好というのはそれだけ無駄にリスクもハードルも高いわけです。