さて、本日は過去何度か扱ったことのある、韓国に誤った判断をさせている人々の問題について扱っていきます。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています
・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
現在日韓関係は冷え切った状態にあるが、そんななか韓国側からは1998年の日韓共同宣言を継承し、新たな関係を構築していこうという話があり、実際にその前提での交流会なども行われるようになっている。
しかしこうした韓国との交流において「日本側が何を問題視していて、その原因は何なのか」という事を韓国側に伝える人々はおらず、一見「双方の譲歩」を謳いながらむしろただひたすら韓国側の意見に同調し、韓国に誤ったシグナルを送り続けている。
その最たるものが2019年からの韓国に対する輸出優遇解除の事例であり、未だこの問題では「韓国の側に立つ人々」が「日本の不当な規制に韓国が立ち向かい打ち勝った」と称賛しているため、韓国ではそれが既成事実化してしまい、一連の尿素不足問題にも影響を与えている。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
1:韓国の望む関係改善
まずはこちらの記事から
[お知らせ]新しい韓日関係、両国の専門家が頭を合わせる
韓国日報(韓国語) 2021.11.15
https://www.hankookilbo.com/News/Read/A2021110312010003255?
「新韓日関係:協力と尊重の未来」をテーマに
「2021コラシアフォーラム」を25日に開催
政治家、外交官、映画関係者、ジャーナリストなど多数出席
韓国日報
YouTubeが全セッションを生中継
韓国と日本は今、かなり遠い国になりました。河野談話に村山談話、金大中-小渕宣言、菅直人談話など、政治・外交的努力を通じて不幸だった歴史に決着をつけ、未来志向的な関係の構築に乗り出した両国は再び歴史問題に縛られ、国交正常化以降最悪の時を過ごしています。
韓日関係は改善しなければなりません。朝鮮半島の平和と北東アジアの安定のためにも、米中対立の構図の中で共同の政治・経済的利益の模索のためにも、両国関係は回復しなければなりません。全てを誤魔化すことはできないし、認識の違いを一気に縮めることもできませんが、それでも対話は再開されるべきなのです。それらを通じて、尊重と協力に基づいた新たな韓日関係を構築しなければなりません。意志さえあれば日本の岸田内閣の発足、来年には韓国の新政権発足など、両国の政治リーダーシップの変化を対話再開のチャンスに活用することができます。
そこで韓国日報は11月25日、ソウル中区(チュング)にあるウェスティン朝鮮ホテルのグランドボールで『新韓日関係:協力と尊重の未来に向かって』をテーマに『2021コラシアフォーラム(THE KOR-ASIA FORUM 2021)』を開催します。
フォーラムには両国の政治家と外交官、学者、経済人、文化芸能人、ジャーナリストが多数参加します。駐日大使と青瓦台(大統領府)国家安保補佐官を務めた漢陽大学校ラ・ヂョンイル(羅鍾一)碩座教授と、日本自民党の大物政治家である石破茂元幹事長が両国関係の未来について特別講演を行います。
駐日大使を務めたシン・ガクス(申ガク秀)元外交部次官と、杉山晋輔元駐米日本大使は『外交の復元』について、金大中-小渕宣言の作業に参加した共に民主党のキム・ハンヂョン(金漢正)議員と自民党の松川るい議員は、『和解の政治』をテーマに対話します。
最年少で芥川賞を受賞した平野啓一郎さんと韓国日報文学賞を受賞したチェ・ウンヨンさんの対談、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した日本映画界の巨匠、是枝裕和監督と、日本の公営放送NHKで韓国人で初めて主演を務めた女優シム・ウンギョンさんとの対話も行われます。太平洋戦争当時に外相を務めた韓国系日本人の東郷茂徳(韓国名=パク・ムドク)の孫で、韓国の事情に詳しい元日本外交官の東郷和彦静岡県立大学教授、韓国で嫌韓が主題の初の博士である高麗大学校・日本研究院のノ・ユンソン教授が講演を行います。他にも両国のジャーナリスト、経済人、学者が参加する様々な討論が行われます。
今回の2021コラシアフォーラムが、新たな韓日関係構築のための世論作りと解決策模索の転機になることを期待しています。
韓国日報は政府のコロナ防疫指針を徹底的に守り、全セッションをYouTubeの韓国日報チャンネルで生中継します。2021コラシアフォーラムに大いなる関心と参加を求めます。
<コラシアポロム2021概要>
・テーマ:新韓日関係「協力と尊重の未来に向かって」
・日時:2021年11月25日(木)午前9時
・場所:ソウル中区ウェスティン朝鮮ホテル・グランドホール
・視聴方法:YouTube韓国日報チャンネル
www.youtube.com/user/thehankookilbo
(YouTubeトップ画面で “韓国日報” で検索)
・お問い合わせ::韓国日報知識コンテンツ部(02)7*4-2664、フォーラム事務局(02)*22-4738
主催:韓国日報、THE KOREA TIMES
後援:企画財政部、大韓商工会議所
記事によると、今月25日に韓国で日韓関係改善を目指すフォーラムが行われると書かれており、日本からは政治家や学者、作家、芸能人、経済界などからの参加があるようです。
また記事では「河野談話に村山談話、金大中-小渕宣言、菅直人談話など、政治・外交的努力を通じて不幸だった歴史に決着をつけ、未来志向的な関係の構築に乗り出した両国は再び歴史問題に縛られ、国交正常化以降最悪の時を過ごしています」と書かれており、過去にあった関係改善の動きを再開させることが目標のようです。
また記事にもある「小渕・金大中宣言」は、現在特に韓国側で取りざたされることの多いフレーズで、日本でいう所の「日韓共同宣言」のことなのですが、こちらの記事でも
韓国野党候補 「大統領になれば直ちに韓日関係改善」
聯合ニュース 2021.11.11
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20211111001300882
【木浦
聯合ニュース】韓国の
保守系最大野党「国民の力」の大統領候補、尹錫悦(ユン・ソギョル)前
検事総長は11日、自身の
フェイスブックに「日本で
岸田文雄首相が第101代首相に選出されたニュースを見て、
金大中(キム・デジュン)大統領を思い出した」として、「大統領になれば就任後直ちに韓日関係の改善に乗り出す。『
金大中・小渕宣言』を改めて確認することから始まる」と書き込んだ。
尹氏は同日、南西部の全羅南道・木浦にある金大中ノーベル平和賞記念館を訪れた。
尹氏が言及した金大中・小渕宣言は1998年、当時の金大統領と小渕恵三首相が署名した「韓日共同宣言」。過去の植民地支配への謝罪と両国の未来志向の関係発展を表明した。
尹氏は「金大統領はさまざまな業績を残したが、その中で共同宣言は外交の側面で欠くことのできない業績」とし、「韓国の現代史でその時ほど韓日関係が良かった時期がなかった」と評価。「共同宣言には韓日関係を発展的な方向に導けるほぼすべての原則が盛り込まれている」として、「この精神と趣旨を継承し、韓日関係を発展させれば、両国の未来は明るいはずだ」と記した。
また、「残念ながら文在寅(ムン・ジェイン)政権の4年間の韓日関係は(これ以上)悪化できないところまで悪化した」とし、「日本という隣人を地球上の別の場所に移すことはできない。良くても悪くても共に生きる知恵が必要な理由」と指摘した。
その上で、「両国の政治指導者さえ決心すれば、金大中・小渕時代に戻れる」として、「懸案は容易ではないが、前向きにアプローチすればいくらでも解決できる」と強調した。
一方、与党「共に民主党」の大統領候補、李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事は10日の討論会で、日本が独島の領有権を主張していることに言及し、「(日本は)友好国なのか」と疑問を呈し、警戒心を示していた。
日韓共同宣言-21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ-
外務省 1998年10月8日
https://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/yojin/arc_98/k_sengen.html
1.
金大中大韓民国大統領夫妻は、日本国
国賓として1998年10月7日から10日まで 日本を公式訪問した。
金大中大統領は、滞在中、
小渕恵三日本国
内閣総理大臣との間で会談を行った。両首脳は、過去の両国の関係を総括し、現在の友好協力関係を再確認するとともに、未来のあるべき両国関係について意見を交換した。
この会談の結果、両首脳は、1965年の国交正常化以来築かれてきた両国間の緊密な友好協力関係をより高い次元に発展させ、21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップを構築するとの共通の決意を宣言した。
2.両首脳は、日韓両国が21世紀の確固たる善隣友好協力関係を構築していくためには、両国が過去を直視し相互理解と信頼に基づいた関係を発展させていくことが重要であることにつき意見の一致をみた。
小渕総理大臣は、今世紀の日韓両国関係を回顧し、我が国が過去の一時期韓国国民に対し植民地支配により多大の損害と苦痛を与えたという歴史的事実を謙虚に受けとめ、これに対し、痛切な反省と心からのお詫びを述べた。
金大中大統領は、かかる小渕総理大臣の歴史認識の表明を真摯に受けとめ、これを評価すると同時に、両国が過去の不幸な歴史を乗り越えて和解と善隣友好協力に基づいた未来志向的な関係を発展させるためにお互いに努力することが時代の要請である旨表明した。
また、両首脳は、両国国民、特に若い世代が歴史への認識を深めることが重要であることについて見解を共有し、そのために多くの関心と努力が払われる必要がある旨強調した。
3.両首脳は、過去の長い歴史を通じて交流と協力を維持してきた日韓両国が、1965年の国交正常化以来、各分野で緊密な友好協力関係を発展させてきており、このような協力関係が相互の発展に寄与したことにつき認識を共にした。小渕総理大臣は、韓国がその国民のたゆまざる努力により、飛躍的な発展と民主化を達成し、繁栄し成熟した民主主義国家に成長したことに敬意を表した。金大中大統領は、戦後の日本の平和憲法の下での専守防衛及び非核三原則を始めとする安全保障政策並びに世界経済及び開発途上国に対する経済支援等、国際社会の平和と繁栄に対し日本が果たしてきた役割を高く評価した。両首脳は、日韓両国が、自由・民主主義、市場経済という普遍的理念に立脚した協力関係を、両国国民間の広範な交流と相互理解に基づいて今後更に発展させていくとの決意を表明した。
4.両首脳は、両国間の関係を、政治、安全保障、経済及び人的・文化交流の幅広い分野において均衡のとれたより高次元の協力関係に発展させていく必要があることにつき意見の一致をみた。また、両首脳は、両国のパートナーシップを、単に二国間の次元にとどまらず、アジア太平洋地域更には国際社会全体の平和と繁栄のために、また、個人の人権が尊重される豊かな生活と住み良い地球環境を目指す様々な試みにおいて、前進させていくことが極めて重要であることにつき意見の一致をみた。
このため、両首脳は、20世紀の日韓関係を締めくくり、真の相互理解と協力に基づく21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップを共通の目標として構築し、発展させていくことにつき、以下のとおり意見の一致をみるとともに、このようなパートナーシップを具体的に実施していくためにこの共同宣言に附属する行動計画を作成した。
両首脳は、両国政府が、今後、両国の外務大臣を総覧者として、定期的に、この日韓パートナーシップに基づく協力の進捗状況を確認し、必要に応じこれを更に強化していくこととした。
5.両首脳は、現在の日韓関係をより高い次元に発展させていくために、両国間の協議と対話をより一層促進していくことにつき意見の一致をみた。
両首脳は、かかる観点から、首脳間のこれまでの緊密な相互訪問・協議を維持・強化し、定期化していくとともに、外務大臣を始めとする各分野の閣僚級協議を更に強化していくこととした。また、両首脳は、両国の閣僚による懇談会をできる限り早期に開催し、政策実施の責任を持つ関係閣僚による自由な意見交換の場を設けることとした。更に、両首脳は、これまでの日韓双方の議員間の交流実績を評価し、日韓・韓日議連における今後の活動拡充の方針を歓迎するとともに、21世紀を担う次世代の若手議員間の交流を慫慂していくこととした。
6.両首脳は、冷戦後の世界において、より平和で安全な国際社会秩序を構築するための国際的努力に対し、日韓両国が互いに協力しつつ積極的に参画していくことの重要性につき意見の一致をみた。両首脳は、21世紀の挑戦と課題により効果的に対処していくためには、国連の役割が強化されるべきであり、これは、安保理の機能強化、国連の事務局組織の効率化、安定的な財政基盤の確保、国連平和維持活動の強化、途上国の経済・社会開発への協力等を通じて実現できることにつき意見を共にした。
かかる点を念頭に置いて、金大中大統領は、国連を始め国際社会における日本の貢献と役割を評価し、今後、日本のこのような貢献と役割が増大されていくことに対する期待を表明した。
また、両首脳は、軍縮及び不拡散の重要性、とりわけ、いかなる種類の大量破壊兵器であれ、その拡散が国際社会の平和と安全に対する脅威であることを強調するとともに、この分野における両国間の協力を一層強化することとした。
両首脳は、両国間の安保対話及び種々のレベルにおける防衛交流を歓迎し、これを一層強化していくこととした。また、両首脳は、両国それぞれが米国との安全保障体制を堅持するとともに、アジア太平洋地域の平和と安定のための多国間の対話努力を一層強化していくことの重要性につき意見の一致をみた。
7.両首脳は、朝鮮半島の平和と安定のためには、北朝鮮が改革と開放を指向するとともに、対話を通じたより建設的な姿勢をとることが極めて重要であるとの認識を共有した。小渕総理大臣は、確固とした安保体制を敷きつつ和解・協力を積極的に進めるとの金大中大統領の対北朝鮮政策に対し支持を表明した。これに関連し、両首脳は、1992年2月に発効した南北間の和解と不可侵及び交流・協力に関する合意書の履行及び四者会合の順調な進展が望ましいことにつき意見の一致をみた。また、両首脳は、1994年10月に米国と北朝鮮との間で署名された「合意された枠組み」及び朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)を、北朝鮮の核計画の推進を阻むための最も現実的かつ効果的なメカニズムとして維持していくことの重要性を確認した。この関連で、両首脳は、北朝鮮による先般のミサイル発射に対して、国連安全保障理事会議長が安保理を代表して表明した懸念及び遺憾の意を共有するとともに、北朝鮮のミサイル開発が放置されれば、日本、韓国及び北東アジア地域全体の平和と安全に悪影響を及ぼすことにつき意見の一致をみた。
両首脳は、両国が北朝鮮に関する政策を進めていく上で相互に緊密に連携していくことの重要性を再確認し、種々のレベルにおける政策協議を強化することで意見の一致をみた。
8.両首脳は、自由で開かれた国際経済体制を維持・発展させ、また構造問題に直面するアジア経済の再生を実現していく上で、日韓両国が、各々抱える経済上の課題を克服しながら、経済分野における均衡のとれた相互協力関係をより一層強化していくことの重要性につき合意した。このため、両首脳は、二国間での経済政策協議をより強化するととともに、WTO、OECD、APEC等多国間の場での両国の政策協調を一層進めていくことにつき意見の一致をみた。
金大中大統領は、日本によるこれまでの金融、投資、技術移転等の多岐にわたる対韓国経済支援を評価するとともに、韓国の抱える経済的諸問題の解決に向けた努力を説明した。小渕総理大臣は、日本経済再生のための諸施策及びアジア経済の困難の克服のために日本が行っている経済支援につき説明を行うとともに、韓国による経済困難の克服に向けた努力を引き続き支持するとの意向を表明した。両首脳は、財政投融資を適切に活用した韓国に対する日本輸出入銀行による融資について基本的合意に達したことを歓迎した。
両首脳は、両国間の大きな懸案であった日韓漁業協定交渉が基本合意に達したことを心から歓迎するとともに、国連海洋法条約を基礎とした新たな漁業秩序の下で、漁業分野における両国の関係が円滑に進展することへの期待を表明した。
また、両首脳は、今般、新たな日韓租税条約が署名の運びとなったことを歓迎した。更に、両首脳は、貿易・投資、産業技術、科学技術、情報通信、政労使交流等の各分野での協力・交流を更に発展させていくことで意見の一致をみるとともに、日韓社会保障協定を視野に入れて、将来の適当な時期に、相互の社会保障制度についての情報・意見交換を行うこととした。
9.両首脳は、国際社会の安全と福祉に対する新たな脅威となりつつある国境を越える地球的規模の諸問題の解決に向けて、両国政府が緊密に協力していくことにつき意見の一致をみた。両首脳は、地球環境問題に関し、とりわけ温室効果ガス排出抑制、酸性雨対策を始めとする諸問題への対応における協力を強化するために、日韓環境政策対話を進めることとした。また、開発途上国への支援を強化するため、援助分野における両国間の協調を更に発展させていくことにつき意見の一致をみた。また、両首脳は、日韓逃亡犯罪人引渡条約の締結のための話し合いを開始するとともに、麻薬・覚せい剤対策を始めとする国際組織犯罪対策の分野での協力を一層強化することにつき意見の一致をみた。
10.両首脳は、以上の諸分野における両国間の協力を効果的に進めていく上での基礎は、政府間交流にとどまらない両国国民の深い相互理解と多様な交流にあるとの認識の下で、両国間の文化・人的交流を拡充していくことにつき意見の一致をみた。
両首脳は、2002年サッカー・ワールドカップの成功に向けた両国国民の協力を支援し、2002年サッカー・ワールドカップの開催を契機として、文化及びスポーツ交流を一層活発に進めていくこととした。
両首脳は、研究者、教員、ジャーナリスト、市民サークル等の多様な国民各層間及び地域間の交流の進展を促進することとした。
両首脳は、こうした交流・相互理解促進の土台を形作る措置として、従来より進めてきた査証制度の簡素化を引き続き進めることとした。
また、両首脳は、日韓間の交流の拡大と相互理解の増進に資するために、中高生の交流事業の新設を始め政府間の留学生や青少年の交流プログラムの充実を図るとともに、両国の青少年を対象としてワーキング・ホリデー制度を1999年4月から導入することにつき合意した。また、両首脳は、在日韓国人が、日韓両国国民の相互交流・相互理解のための架け橋としての役割を担い得るとの認識に立ち、その地位の向上のため、引き続き両国間の協議を継続していくことで意見の一致をみた。
両首脳は、日韓フォーラムや歴史共同研究の促進に関する日韓共同委員会等、関係者による日韓間の知的交流の意義を高く評価するとともに、こうした努力を引き続き支持していくことにつき意見の一致をみた。
金大中大統領は、韓国において日本文化を開放していくとの方針を伝達し、小渕総理大臣より、かかる方針を日韓両国の真の相互理解につながるものとして歓迎した。
11.小渕総理大臣と金大中大統領は、21世紀に向けた新たな日韓パートナーシ ップは、両国国民の幅広い参加と不断の努力により、更に高次元のものに発展させることができるとの共通の信念を表明するとともに、両国国民に対し、この共同宣言の精神を分かち合い、新たな日韓パートナーシップの構築・発展に向けた共同の作業に参加するよう呼びかけた。
日本国内閣総理大臣
小渕恵三 大韓民国大統領
金大中
1998年10月8日、東京
韓国の野党系大統領候補が、「大統領になれば就任後直ちに韓日関係の改善に乗り出す。『金大中・小渕宣言』を改めて確認することから始まる」と発言しており、宣言を前提とした関係改善を目指している事がわかります。
またこうした動きは以前からあり、次の記事では
日韓問題の解決に金大中-小渕宣言継承を 金大中元大統領10周忌
GLOBE+ 2019.08.24
https://globe.asahi.com/article/12647752
東亜日報より
与野党の幹部が金大中(DJ)元大統領10周忌の追悼式に集まり、「DJ精神」を振り返った。特に金元大統領が就任した年の1998年、小渕恵三首相(当時)と共に発表した「21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ共同宣言」(金大中―小渕宣言)を継承し、両国の未来志向的な関係を作っていかなければと、話し合った。
18日午前、ソウル市銅雀区の国立ソウル顕忠院で開かれた追悼式で、文喜相(ムン・ヒサン)国会議長は「金元大統領は金大中-小渕宣言を通して両国関係の解決法と未来のビジョンを示した。(これを土台に)我々国民は能動的に、堂々とこの難関を突破するだろう」と話した。李洛淵(イ・ナギョン)国務総理も追悼の辞で「(金元大統領は)対外的な政策として、韓米同盟を中心に据え、周辺国との友好と協力を進めるべきだと強調した。(金元大統領の)『調和』と『備礼(礼を備えること)』の知恵はますます重要になっている。我々もそういう努力をしている」と話した。
与野党の代表は、DJ式の日韓問題に対する解決法に共感しつつ、政治的には互いに違ったメッセージを発した。
民主党の李海瓚(イ・へチャン)代表は追悼の辞で「金元大統領は政治的な師匠だ。しっかりした足跡があるので、私も民主党もその後を歩んでいく」と話した。自由韓国党の黄教安(ファン・ギョアン)代表は「金元大統領の在任中、崔圭夏(チェ・ギュハ)、全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)、金泳三(キム・ヨンサム)ら元大統領たちと撮った一枚の写真が思い出される。(DJ任期中に)政治的報復はなかった。その場面は、我々国民が渇望する統合と和合の歴史的象徴」と語った。政治関係者の一部からは現政権下で拘束された李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)元大統領について間接的に言及しているのではとの意見も出た。
正しい未来党の孫鶴圭(ソン・ハッキュ)代表は「金元大統領の業績は卓越した政治的識見と能力に基づいていた。DJP連合(金大中と金鐘必)のような奇想天外な連合政治を通し、少数派の政権獲得を成し遂げた。与えるものは与え、受け取るものは受け取る、本物の政治の達人だった」と振り返った。
正義党の沈相奵(シム・サンジョン)代表は「金元大統領が提案した選挙制度改革を全力で成し遂げたい」と、選挙制度改革の意志を再確認した。民主平和党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)代表は「今後、後世は100年、1000年、金元大統領を巨大な山脈、大きな岩のように永遠に記憶するだろう」と評価した。
(2019年8月19日付東亜日報 キム・ジヒョン記者)
(翻訳・成川彩)
2019年に朝日新聞系のメディアが提携先の東亜日報の記事を掲載、日韓共同宣言の継承とこれに根差した関係改善を、韓国の与野党がいずれもこの宣言を継承し関係改善を目指していく事に同意しています。
このことから解るのは、韓国側はもう一度1998年の日韓共同宣言と同じ方式での関係改善を目指しており、韓国側の近年の日韓関係改善へ向けての動きはこれが主軸となっている事がわかります。
2:問題が無視される
しかしこの「共同宣言の継承」には実際のところ大きな問題があります。
それは何かといえば、そもそもこの宣言は1965年の日韓請求権協定で徴用工問題が解決済み、慰安婦問題についても1995年に設立された「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」で解決済みになるという前提が存在していました。
そして現在、そもそもこの前提自体が崩れています。
まず徴用工問題に関しては、過去記事でも言及していますが、
徴用工裁判問題まとめ - 日韓問題(初心者向け)
韓国側は証言の検証や強制動員の定義、つまり「朝鮮人は日本人の徴用とは異なる扱いを受けていた」という主張の検証等をあいまいにしたまま、「日韓併合が違法なのだから当時の徴用も違法」という判決を出しています。
しかし実際には、2001年にハーバード大学主催の国際学術会議において、国際法的にも学術的にも「当時としては(併合は)合法」という結論が出ており、韓国の司法は「違法性を証明できていないまま違法という前提で判決を出している」状態です。
関連動画
【ゆっくり解説】日韓併合はなぜ合法? part1/2 - ニコニコ動画
【ゆっくり解説】日韓併合はなぜ合法? part1/2 - YouTube
また慰安婦問題に関しても、アジア女性基金は次の記事にあるように
慰安婦被害女性ら、日本からの支援金受け取ると「裏切り者」の烙印
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.05.11 07:09
https://japanese.joins.com/JArticle/265771
慰安婦被害女性のAさんは10日、
中央日報を通じて公開した直筆の手紙を通じて「市場に向かう途中で日本の巡査に連れて行かれた」とし、
慰安婦として連行されていく当時の様子について伝えた。激しい暴行を受け、
慰安所生活は中国でしていたと手紙の中で語った。Aさんは自分の兄も日本の巡査に捕まって暴行を受けて亡くなったとも説明した。与党系「共に市民党」
比例代表で当選し、当時韓国挺身隊問題対策協議会(以下、挺対協)の代表だった尹美香(ユン・ミヒャン)氏から、日本が2015年
慰安婦合意によって和解・癒やし財団を通じて支援する1億ウォン(現レートで約874万円)を受け取らないように説得されたが、Aさんは「私は悔しいので受け取りたいと思う」と話した理由だ。
尹氏は被害者の意見を取りまとめないまま成立した同合意の源泉無効化を主張したため、支援金の受け取りも反対してきた。だが、尹氏自身が反対することと、受け取りを希望する被害者に対して受け取らないよう懐柔したり説得したりすることは別の問題だ。事実、受け取りを希望する被害者もいた。実際、生存被害者46人のうち34人が支援金を受け取った。和解・癒やし財団の事情に明るいある人物は「挺対協が密かに来たと言いながら、実は自分は支援金を受け取りたいと言って直接財団に来たおばあさんもいた」と話した。Aさんの主張に可能性があると考えられるのはこのためだ。
特に10億円に関連して尹氏は事前に知っていたというのが慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)さんの主張だ。尹氏も「一方的に通知を受け取った」とは話したものの、10億円のことを事前に知っていた点については認めた。だが、李さんの主張どおりなら尹氏はこのような事実を他の慰安婦被害女性には伝えなかったということになる。4年以上過ぎてから、李さんが7日に記者会見を通じて明らかにしたあとに説明し始めた。10億円と尹氏に対するAさんの証言をめぐり、1990年代「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」事態を思い出す人も少なくない。日本は95年、アジア女性基金を発足して韓国の慰安婦被害者に各500万円の金銭的償いを行うとした。だが、挺対協等は日本政府の法的責任を前提としたものではないとし反対した。韓国政府も慰安婦被害者に対し、アジア女性基金の代わりに各4300万ウォン支援することで尹氏に同調した。
それでも当時、アジア女性基金からのお金を受け取った被害者が7人いたが、そのうちの1人がAさんだった。7人はまるで裏切り者の烙印を押されたように大きな苦しみを味わったと伝えられている。
実際、趙世暎(チョ・セヨン)外交部1次官は2014年に著した『韓日関係50年、葛藤と協力の足跡』の中で「支援金を受け取った被害者と挺対協など関連団体の間に摩擦がもたらされるなど多くの問題点が現れた」と書いている。また、武藤正敏元駐韓日本大使は、2016年に韓国記者団と会い、「挺対協は基金を受け取った7人のおばあさんに政府支援金を与えず、悪意の批判を繰り返した。これが慰安婦おばあさんを心から助けたい人々がする行動か」と話したりもした。
Aさんは手紙で「日本の金を受け取ったので、韓国政府の金はあげられないと言われた。7人は悔しい思いをしている」と綴り、今からでも政府支援金を受け取ることができるようにしてほしいと訴えた。
関連記事
慰安婦被害者「私の血の代償なのに、韓国挺対協がなぜ日本のお金を受け取れないようにするのか」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.05.13 08:07
https://japanese.joins.com/JArticle/265868
当時挺対協(現正義記憶連帯)がアジア女性基金の活動を妨害、更には挺対協の要求に従わずお金を受け取った人々に対し「裏切者」の烙印を押し、徹底的に迫害を加えたようなのです。
こうした事例から解るように、1998年の日韓共同宣言の頃は存在した「問題解決のための共通認識」が、韓国側の行いによって反故にされた状態であるのですから、「当時の共同宣言に立ち返ろう」というのなら、まずこの問題を韓国側が解決しなければいけないわけです。
しかし韓国側はこうした問題を無視し続け日本に責任転嫁しているうえに
慰安婦判決、こじれる日韓 求められる想像力と冷静さ
朝日新聞 2021年1月29日
https://digital.asahi.com/articles/ASP1X2SPGP1MUPQJ016.html
韓国の裁判所が日本政府に元
慰安婦への賠償を命じた。韓国
最高裁が日本企業に元徴用工らへの賠償を命じたことに続き、日本政府は反発する。判決の背景や問題解決への道を考える。
慶応大名誉教授・
小此木政夫さん「積極主義は朝鮮の伝統」
まさか、ここまでの判決が出るとは思っていませんでした。
日韓両政府は1965年、国交正常化に際して結んだ条約や協定をめぐり、合意できない点については、互いに異なる解釈を認め合うことで妥協しました。しかし、2018年の韓国最高裁判所(大法院)の「徴用工」をめぐる判決や、今回のソウル中央地裁の「慰安婦」に関する判決は、それを覆してしまいました。
つまり韓国の裁判所は、政府間の外交による合意よりも、自らが掲げる正義の実現を優先させたわけです。この場合の正義とは、「日本が1910年、大韓帝国を併合した条約はそもそも無効であり、日本による植民地支配は不法。よって、戦争中の動員政策は反人道的な不法行為だ」として日本側の責任を問うことです。
今の韓国の三権分立は、三権の間の「抑制と均衡」ではなく、司法権が優位に立ち、行政権の分野に積極的に介入しているように見えます。こうした司法積極主義は、日本の消極的な司法のあり方とは対照的であり、朝鮮の伝統に根ざしたものです。
朝鮮王朝では王権は絶対的なものではなく、儒教政治の理念に縛られました。司諫(しかん)院や司憲府と呼ばれた、国王や官吏の行動を監視する機関の権限が強く、国政が儒教の教義から逸脱していないかが常に問われたのです。
これからの日韓関係はどうなるのか。国際社会の中で日本が求められることは―。記事後半では、戦後補償について取り組んできた弁護士と国際法の専門家
しかし、独立後の韓国では、米ソ冷戦下にあって保守反共の強権体制が長く続きました。裁判所や検察は本来の役割を果たせず、「権力の召使」と揶揄(やゆ)されました。
民主化を経て進歩派の盧武鉉(ノムヒョン)政権が誕生すると、裁判所が勇気づけられ、次第に独自の判断を下すようになります。2011年以降、憲法裁判所や最高裁判所などで慰安婦や徴用工をめぐる重要な決定や判決が出るようになりました。それが今日の事態の出発点です。
韓国では、日本の責任を厳しく問う一連の判決に喝采する人もいますが、隣国との関係がこのままでいい、とは思っていない人も少なくありません。文在寅(ムンジェイン)大統領も新年の記者会見で、今回の判決について「困惑している」と率直に語りました。
日本側には、慰安婦問題解決のため、15年に朴槿恵(パククネ)政権と合意ができたのに、保守から進歩へ政権が交代し簡単に覆されたという強い不信感があります。文政権との交渉はできないとして、保守政権の誕生に期待する声も聞かれます。
しかし、困難ではあっても進歩政権との合意は不可欠です。それが「いま一つの韓国」との初めての合意となり、日韓関係の将来を拘束するからです。そのことの重要性を忘れてはいけません。今はその「生みの苦しみ」の時期でしょう。(聞き手・桜井泉)
1945年生まれ。韓国と北朝鮮の政治外交や歴史、日韓関係を研究。著書に「朝鮮分断の起源」など。
弁護士・内田雅俊さん「安倍政権が傷つけた平和資源」
日本では、また韓国が「過去」を蒸し返したとの批判があるが、被害の実態があり、救済されていないことが問題の本質です。政治が問題を解決せず、被害者らは韓国の裁判に訴えるしかなかった。
だが歴史問題というのは判決で決着させるのではなく、和解で解決すべきです。私が取り組んできた中国人強制労働問題では、被害者と企業が和解しました。
いま振り返り、和解には①加害者が事実と責任を認めて謝罪し②その証しとして何らかの金銭補償をし③過ちを繰り返さぬため問題を後世に伝える、の3点がどれも欠かせないということを実感しています。特に③がないと、①②の合意を生かせません。
日本政府は、中国人強制労働被害者と企業の和解で口をはさまなかったのに、韓国の徴用工判決には国際法違反だと反発します。中国への贖罪(しょくざい)意識と異なり、朝鮮半島の植民地支配の認識が欠けているためでしょう。
だが、過去には韓国人の元徴用工も日本の裁判で日本企業と和解しました。今回も各企業の哲学に基づく判断に任せるべきです。
1965年の日韓国交正常化の際、協定には植民地支配への反省も謝罪もなかった。それを補完したのが98年の小渕恵三首相と金大中(キムデジュン)大統領による「日韓共同宣言」です。戦後50年の際に出された村山首相談話、今も慰安婦問題に対する政府の基軸となっている河野官房長官談話などと合わせ、共同宣言は日本と韓国の「平和資源」です。
しかし、せっかく積み上げてきたこれらの平和資源を、安倍晋三前政権はことごとく傷つけたと考えます。
たしかに2015年、日韓は慰安婦問題で政府間合意に至りました。だが謝ったから、あるいは金を払ったからすべて終わりだ、というような安倍氏の不遜な態度では和解できません。そもそも外相に代弁させただけで、安倍氏は自分の言葉で公に謝罪していません。
和解に必要な3点の③が決定的に欠けているのです。後世に伝えるため、口頭ではなく合意を文書化し、国を代表する者が自らの言葉で思いを伝える必要があります。
他方、文在寅政権の対応にも大きな問題がありました。朴槿恵前政権批判と合意の価値を冷静に区別できず、合意を骨抜きにしてしまった。
元慰安婦を支援する運動団体は、民族の尊厳などを強く主張しすぎます。そうではなく元慰安婦に最善なのは何かを考えるべきです。生存者はもうわずか。自分たちが望む完全な解決まで何もしないことなど許されません。
私たちは被害者らの痛みに想像力を働かせるべきです。解決すべき歴史問題が友好の妨げとなってはいけません。(聞き手 論説委員・箱田哲也)
1945年生まれ。長年にわたり戦後補償や靖国問題などに取り組む。著書に「元徴用工 和解への道」など。
南山大学教授・山田哲也さん「人権問題への取り組み、アピールを」
一般的に、外国政府を相手取って裁判を起こすこと自体は認められます。だが国際法上は、すべての主権国家は平等だという考えのもと、訴えられた国は裁判権からの免除を主張できる「主権免除」の原則があります。
日本政府に賠償を命じた今回の判決は、当時の日本が結んでいた条約などを根拠として、個人が裁判を受ける権利を認めました。さらに慰安婦問題を、基本的価値の侵害などいかなる逸脱も許されない「強行規範」ととらえて主権免除を適用しませんでした。
だが、これらの条約が個人に直接の請求権を認めているのか、あるいは第2次世界大戦当時に強行規範の概念が成立していたか、などを詳細に検討した形跡はありません。
そもそも強行規範に違反する場合でも、主権免除は認められます。何が強行規範にあたるのかは、条約法条約でも規定できていません。裁判権が韓国にあると結論づけた論理も不十分で、政治的な判断だと言わざるをえません。
日本政府は慰安婦訴訟の裁判には出ませんでした。主権免除を主張する日本としては当然で、国際法違反だと主張することも妥当です。
他方、主権免除をめぐる認識に、人権重視の傾向があるなど変化があることも事実です。国際社会ではさまざまな判例や学説が存在しており、日本政府として「慣習国際法上の主権免除」と反論するだけで理解が得られるのかどうか。判断が難しいでしょう。
植民地支配や奴隷制などの「過去の問題」を、現在の人権規範を基準に再検討するという動きもみられます。ただ、どのような問題をどのような人権と結びつけるかについての見解が確立していません。日本としては慰安婦問題も含め、「女性の人権問題に真剣に取り組んでいる」という姿勢もアピールしないと、国際社会で不利な立場になる可能性があります。
今回の判決は、日本政府の財産の差し押さえも認めたが、外国の国有財産を強制的にとりあげることは不可能です。大使館や領事館の敷地、建物は国際法上、不可侵とされ、韓国側がそこに手を付けるようなことがあれば、二国間関係は破綻(はたん)してしまう。
今回の判決後、韓国外交省は判決を尊重するとしつつ、2015年の日韓政府間の慰安婦合意を「公式合意」と認め、その後、文在寅大統領も同じ言及をしました。日本企業に賠償を命じた徴用工問題の判決後、司法判断の尊重だけに言及した対応とは異なり、注目されます。
日本政府としては、まずは韓国側の出方を見守るしかありません。いずれにしても、国交正常化の交渉過程を踏まえたうえで、日韓双方で冷静な議論を積み重ねる必要があると思います。(聞き手・箱田哲也)
この記事にもあるように、上記で取り上げた諸問題の全てを「無かったこと」にして「日本では、また韓国が「過去」を蒸し返したとの批判があるが、被害の実態があり、救済されていないことが問題の本質です。政治が問題を解決せず、被害者らは韓国の裁判に訴えるしかなかった」と書いています。
更には「主権免除をめぐる認識に、人権重視の傾向があるなど変化があることも事実です。国際社会ではさまざまな判例や学説が存在しており、日本政府として「慣習国際法上の主権免除」と反論するだけで理解が得られるのかどうか。判断が難しいでしょう」と書いています。
しかしこの前提は先ほど挙げた徴用工問題と慰安婦問題での「韓国側の起こした問題」が存在しないという前提となっており、その意見が通る通らない以前の問題なのです。
また「たしかに2015年、日韓は慰安婦問題で政府間合意に至りました。だが謝ったから、あるいは金を払ったからすべて終わりだ、というような安倍氏の不遜な態度では和解できません。そもそも外相に代弁させただけで、安倍氏は自分の言葉で公に謝罪していません。」と書いていますが、
「慰安婦支援金1憶ウォンを受け取ろうとすると、慰安婦団体前代表が受け取らないように勧めた」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.05.11 07:03
https://japanese.joins.com/JArticle/265770
共に市民党の
比例代表当選者である尹美香(ユン・ミヒャン)氏が韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)の代表時代に日本が拠出した支援金の受け取りを希望する
慰安婦被害者に受け取らないように勧めたという証言が出た。
中央日報が入手した親筆書信で慰安婦被害者Aさんは「(政府が)日本からお金10億円を受けてきて挺身隊のおばあさんに1億ウォン(約990万円)ずつ与えた時、尹美香氏から電話がかかってきて『おばあさん、日本の金を受け取らないでください。挺対協にお金ができれば、私たちが与えますから』と言いながら絶対に受け取らせなかった」と主張した。また「だが、私は悔しいので受け取りたいと思う」と話した。
行こう!平和人権党のチェ・ヨンサン代表が伝えた手紙は計2枚で、Aさんが3月文喜相(ムン・ヒサン)国会議長に書いたものだ。手紙はまだ実際に渡されなかった。2015年12・28慰安婦合意により日本は2016年政府予算で10億円を拠出し、韓国政府は和解・癒やし財団を発足して被害者の支援に出た。Aさんの主張通りなら慰安婦合意が被害者中心主義に反するとして批判してきた尹氏がむしろ一部の被害者の自発的な意思と選択権を無視したことになる。中央日報は、これについて数回にわたり尹氏の立場を求めたが、連絡が届かなかった。
過去記事
慰安婦団体「正義記憶連帯」の実態 - 日韓問題(初心者向け)
上記記事や過去記事でも言及したように、正義記憶連帯が2015年の慰安婦合意により設立された「和解・癒し財団」の活動を妨害し、問題解決を妨げたという事実が無視されて、「安倍が悪い」という事になっています。
更には、そもそも当時の安倍政権が「更なるお詫びや謝罪の手紙」を拒否したのは、次の記事にもあるように
慰安婦問題で日本記者に反論 韓国「強制性の証拠は無数」
聯合ニュース 2014.09.02
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20140902002800882
【ソウル
聯合ニュース】
朝日新聞が
慰安婦報道の一部を取り消したことを受け、日本の右翼勢力などが旧日本軍の強制性を否定する動きを強めるなか、韓国外交部の2日の定例会見で一部日本メディアが強制動員の証拠を求めた。日本メディアの質問に対し、魯光鎰(ノ・グァンイル)報道官は韓国政府の立場を強く主張し、論争が起きた。
読売新聞の記者は「朝日新聞が済州島で女性を慰安婦として強制連行したという吉田清治氏の証言を虚偽と認め、記事を取り消した」として、「慰安婦が強制連行されたという説を裏付ける主な根拠がなくなったわけだが、韓国政府は日本軍が組織的に強制連行したと主張するのか」と質問。これに対し、魯報道官は「軍の強制性を立証しているものは無数にある」と強調し、「最も明白なのは被害者の肉声による証言」と述べた。
また、毎日新聞の記者が「読売の記者は強制連行、狩りのように連れ去られたこと(があったかどうか)について質問したもの」として、再び韓国政府の見解を聞いた。魯報道官は「強制性という言葉の意味は皆さんが常識的に知っているもの」と答えた。その上で、「そういう明白な証言を聞いたのに、なぜ顔をそむけようとするのか。証言もあり、証拠もあり、世界中が知っている。万人が知っていることは証明する必要がない」と反論した。
「証拠」を求める質問が再度出ると、「最近、中国で戦犯の供述書を公開している。その内容にも詳細に記録されている」と話した。
一方、韓国旅客船セウォル号沈没事故当日の朴槿恵(パク・クネ)大統領の動静に関する疑惑を報じ、朴大統領の名誉を毀損(きそん)したとして市民団体から告発された産経新聞の加藤達也ソウル支局長を検察当局が事情聴取したことについては、「司法当局が捜査を進めているので、結果を見守る必要がある」と述べた。
国連総会に合わせた尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官と李洙ヨン(リ・スヨン)北朝鮮外相の会談を検討しているとの報道に関しては、「事実無根」とした。
韓国外交部「ゴールポスト動かしたのは日本」 茂木外相の発言に反論
聯合ニュース 2021.06.01
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20210601004400882
【ソウル
聯合ニュース】韓国外交部の当局者は1日、日本の
茂木敏充外相が5月31日の
参院決算委員会で、旧日本軍の
慰安婦問題を巡る韓日の合意などを巡る
文在寅(
ムン・ジェイン)政権の対応について「
ゴールポストが動かされる」などと指摘したことについて、「これまで
ゴールポストを動かしてきたのは2015年の
慰安婦合意や1993年の
河野談話などで自ら表明した責任の痛感や謝罪・反省の精神に逆行する行動をした日本側」と反論した。
また「日本側は正しい歴史認識なしには慰安婦被害者問題が決して解決されないことを認め、慰安婦問題の歴史的事実を謙虚に認めて反省を続けなければならない」と指摘した。
さらに「慰安婦の動員・募集・移送の強制性は否定できない歴史的事実」とし、「被害者の生の証言こそ旧日本軍による慰安婦動員の強制性を立証するどのような文書よりも強力で明らかな証拠であり、日本自らも認めたことがあり、国際社会もすでに明確に判定を下した事案」と強調した。
外交部はこの日午後、日本大使館の相馬弘尚総括公使を呼び、茂木外相の発言や東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の公式ホームページの日本地図に独島が表示されている問題について抗議した。
韓国側が慰安婦の定義を「軍や国の命令で軍人や官憲が行った拉致」と定義しており、その法的責任を求めたからです。
慰安婦裁判もその前提で行われており、だからこそ問題化しているわけですが、先ほどの朝日の記事では「元慰安婦を支援する運動団体は、民族の尊厳などを強く主張しすぎます。そうではなく元慰安婦に最善なのは何かを考えるべきです。」と、何もかもがはぐらかされています。
つまり、最初の日韓交流イベントというのは、こうした諸問題を完全に無視し、韓国側の意見に同調する人々が、「1998年の日韓共宣言を再度行い関係を改善しよう」と主張するという、明らかに韓国側に「誤ったシグナル」を送るイベントなのです。
そして現在、韓国との関係改善を訴える人々は私の知る限り、程度の差こそあれこうしたタイプの人々のみです。
3:誤ったシグナルのツケ
そしてさらに、こうした日本側からの「誤ったシグナル」は、現在韓国で起きている「尿素不足問題」にも大きな影を落としています。
どういうことかというと、たとえば以下の一連の記事を見てもらうとわかりやすいですが
韓国経済副首相「日本の輸出規制が韓国に『ワクチン』の役割」
ⓒ 中央日報日本語版2021.11.02 11:17
https://japanese.joins.com/JArticle/284420
韓国の洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官が1日(現地時間)、海外投資家に対し、グロー
バルサプライチェーン(GVC)の混乱の中でも韓国経済がふらつくことがないよう努力すると述べた。
洪副首相はこの日、英ロンドンのコリンシアホテルで、グローバル投資銀行と資産運用会社の役員21人を招請し「韓国経済:パンデミックを克服したKドラマ」をテーマに韓国経済説明会を開催した。
洪副首相はグローバルサプライチェーンの支障が韓国経済に及ぼした影響と韓国の対策に関する投資家の質問に対し、「一定部分の影響はあったが、全般的に結果だけを言うと制限的だった」とし「韓国政府はこの混乱を十分に克服することができる」と自信を表した。
洪副首相は2年前の日本の輸出規制事例を例に挙げながら「当時、日本の輸出規制で大きな打撃を受け、政府は素材・部品・装備の競争力強化対策に取り組んだ」とし「その結果、もう国内で満たすことができるようになり、輸出規制が『ワクチン』の役割をした」と述べた。
また、車載用半導体の供給に支障が生じて一部の国内自動車工場が稼働を停止したのをきっかけに、輸入への依存度が高い車載用半導体を国内で一定部分供給するために企業と共に対策を講じている、と説明した。
【社説】尿素水不足事態にも不安を抱くなと言う韓国大統領府
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.11.10 10:59
https://japanese.joins.com/JArticle/284674
(一部抜粋)
2019年に日本が
半導体素材などの輸出を規制した当時の政府の対応とは雲泥の差だ。日本に強く抗議し、代替品の確保と国産素材開発を強調した。今回は国民が苦痛を受けた後に動き出した。マスク不足やワクチン需給問題の再現だ。いったい何を学んだのだろうか。
青瓦台では「大統領の任期末なので公務員が動かないのが目に見える」という声も出ているが、恥知らずな言葉だ。成果を強調するときは
青瓦台が率先するが、非難を浴びるときは公務員の後ろに隠れる。
[ニュース分析]グローバル・サプライチェーン時代、尿素水問題の根本的解決策は?
ハンギョレ新聞 2021-11-11
http://japan.hani.co.kr/arti/international/41663.html
中国の
レアアース、日本の輸出規制など
今回の「
尿素水問題」は初めてのことではない
グローバル・
サプライチェーンの調整は極めて難しく
数千の品目すべてに対する対応は不可能
関係各国との友好的な関係を維持する以外には
適切な解決策はなかなか見出せない
(一部抜粋)
2年前の2019年7月には、日本が加害者になった。強制動員被害者への賠償を命じた韓国
最高裁の判決に対する報復として、
半導体生産に必須な
フッ化水素など3つの物質に対する輸出規制を強化したのだ。韓国政府は「誰も揺さぶることのできない国」を作るというスローガンのもと、積極的な対応に乗りだしたが、“半分の成功”に留まっている。国立外交院外交安全保障研究所のキム・ヤンヒ経済通商開発研究部長は、7月に出した報告書で、「輸出規制を受け、3品目だけでなく韓国による素材・部品・装置全体の日本からの輸入が減少したが、2020年にはふたたび増加し、対日輸入の強い経路依存性を示している」と指摘した。韓国政府が定めた100大素材・部品・装置の重要品目の今年1~5月の対日輸入依存度は、2年前の31.4%から24.9%に下がったが、フォトレジストの対日依存度は今もなお90%を超える。長期間にわたり自然に形成されたグローバル・
サプライチェーンを人為的に調整することは容易ではないことを示す例だ。重要戦略物資の輸入先
多角化は重要だが、特定国への依存度が高い品目(80%以上が3941個)のすべてに対応するのはそもそも不可能だ。
反対に、一国が政治的な理由でグローバル・サプライチェーンに打撃を与えた場合、深刻なブーメランとなって戻ってくることもありうる。これを知った中国は、2018年に米中貿易戦争が始まった際、2010年のようにレアアース制限のカードをほのめかしながらも、実際には使わなかった。日本も言葉だけは勇ましかったものの、半導体のサプライチェーンに手を出すことへの負担のため、3つの物質の対韓輸出を禁じなかった。
どうやら韓国側は、「日本の輸出規制に打ち勝った」という話を既成事実化してしまい、「今度も対抗できる」と過信したことが、一連の「尿素不足での後手対応」に影響しているようなのです。
しかしこれも過去何度も指摘していますが、そもそも日本側は「規制」などしていません。
そもそも日本が今回行ったのは「優遇の解除」です。
元々兵器転用可能な戦略物資は「輸出の都度許可が必要」で、「輸出国の基準を満たした国」は「一括許可で輸出できる」という優遇措置が取られるわけですが、韓国側は日本の要求する管理基準を満たせなくなり、その件で定期対話にすら応じなくなったため、優遇措置を解除されただけです。
ですので、次の記事にあるように
韓国産業部長官「日本主張の輸出規制の理由すべて解消…原状回復すべき」
ⓒ 中央日報日本語版2020.03.06 10:11
https://japanese.joins.com/JArticle/263373
成允模(ソン・ユンモ)韓国産業通商資源部長官は、日本が韓国の輸出規制の理由として提起した内容をすべて解消したとし、日本は規制措置を原状回復すべきだと促した。
成長官は6日、対外経済長官会議兼日本輸出規制関連関係長官会議の冒頭発言で「政府は日本の輸出規制の理由を取り除くことで速やかな問題解決のための条件を整えることに多くの努力を傾けてきた」と述べた。
日本は昨年7月1日に半導体・ディスプレイの核心素材3品目の対韓国輸出規制を断行し、▼3年間の両国政策対話の未開催に伴う信頼毀損▼通常兵器キャッチオール規制の法的根拠不十分▼韓国輸出規制人材・組織の脆弱性の問題を指摘した。
成長官は「過去5カ月間、両国の輸出管理当局は課長級会議や局長級政策対話などを通じて韓国の輸出管理に関する法律の規定、組織、人材、制度などについて十分に説明し、両国の輸出管理についての理解を促進して十分な信頼関係を構築した」と説明した。
また、「韓国のキャッチオール規制は正常に動作しているが、これに対する法的根拠をより明確にし、輸出規制の実効性を高めるための対外貿易法の改正案が、きょう国会本会議通過を控えている」と述べた。
韓国側は「日本が韓国の輸出規制の理由として提起した内容をすべて解消したとし、日本は規制措置を原状回復すべきだ」と言っています。
つまり、優遇措置に必要な条件を満たせていなかったことを認めているのです。
そしてこうした背景があるため、
日本の輸出規制2年 3品目の対日輸入額ほぼ変わらず=韓国経済団体
聯合ニュース 2021.10.05
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20211005002600882
【ソウル
聯合ニュース】韓国経済団体の
全国経済人連合会(全経連)は5日、日本政府が2019年7月に
半導体などの製造に必要な
フッ化水素、フッ化
ポリイミド、レジスト(感光材、フォトレジスト)の3品目の対韓輸出規制を強化して以降の2年間における規制品目の輸入動向、韓日間の貿易額の変化などを分析した資料を公表した。両国間の貿易額は輸出規制以前に比べ減少した一方、韓国の同3品目の対日輸入総額には大きな変化がなかった。
全経連によると、これら3品目の日本からの輸入総額は19年下半期~21年上半期が7億2460万ドル(約800億円)と、輸出規制以前の17年下半期~19年上半期に比べ0.67%の減少にとどまった。
また、同3品目の対日輸入依存度は規制前の75.9%から規制後には74.6%と1.3ポイント低下した。全経連は、政府と企業が日本の規制措置に迅速に対応し、日本政府も19年8月にレジストの輸出を2回許可するなど規制を緩和したことで、対日輸入構造に大きな変化が生じなかったと分析している。
輸出規制以降の2年間の韓日間の貿易額は、新型コロナウイルスの流行も重なり9.8%減少した。同期間、世界からの部品・素材の輸入額は0.23%増加したが、このうち日本からの輸入額は4.1%減となった。
日本企業の対韓直接投資は19年下半期~21年上半期が15億7000万ドルで、輸出規制以前の17年下半期~19年上半期に比べ28.5%減少した。
一方、韓国企業の対日直接投資は同期間に24.4%増となった。SKハイニックスをはじめとする韓米日連合による東芝の半導体メモリー子会社の買収が17年11月に決定して以降、これに関連した投資が続いた。
全経連は「米中の覇権争いの中で韓日が未来志向の経済関係を構築していけるよう、人的交流を再開し、ESG(環境・社会・企業統治)分野の協力を強めていく必要がある」とし、「日本の新政権発足を機に、実効性を失った輸出規制を正式な交渉により終了させるべきだ」と指摘した。
「日本の輸出規制に打ち勝った」「もう国内で満たすことができるようになり、輸出規制が『ワクチン』の役割をした」と主張していた韓国は、実のところ日本からの輸入量がほとんど変わっていないという事が判明しているのです。
これは当たり前の事です。
日本側は韓国が「ルールを守らない」ので優遇措置を解除しただけであり、輸出を規制したわけではないのですから、取引量が変わるわけがないのです。
このことから解るのは、一連の騒動において韓国側は「何もしていない」という事です。
にも関わらず、「輸出規制に打ち勝った」という話が独り歩きし、その結果が最近の中国からの「尿素の輸出規制」で、「日本の規制には対抗できたのに、なぜ今回はできないのか」という世論が出来上がったのです。
ついでに韓国政府自体がこの架空の出来事を信じ込み「過信」した兆候すらあります。
そして韓国側のこの「勘違い」にも次の記事のように
(社説余滴)3年目の「愚策の極み」 箱田哲也
朝日新聞 2021年7月4日
https://www.asahi.com/articles/DA3S14961375.html
この世上、わかっちゃいるけどやめられないことは多い。が、誤りはたださねばならぬ。過ちては改むるにはばかることなかれ。
日本政府が2年前、半導体素材の韓国への輸出規制を強めたのは、問題だらけの悪手だった。
日本企業に賠償を命じた韓国の徴用工判決に、何ら是正措置をとらない韓国政府への報復である。
いまだに真顔で、歴史問題とは無関係の貿易管理の問題、などと日本政府の主張を代弁する人がいるが、実際はそうではない。
日本企業への影響を最小限に抑え、国際的な批判をかわしつつ、韓国に強い痛みを感じさせる措置はないか――。当時の安倍官邸からの無理難題に各省庁とも頭を悩ませた。
「採用」されたのは韓国の心臓部にあたる半導体素材に手を突っ込む荒療治。だが外務省や経済産業省からは慎重論が出た。
実務者らが最も心配したのは、日本の関係企業にかなりの損害が出る恐れに加え、当該企業から訴えられかねないことだった。
それでも安倍官邸の指示は「いいからやれ」だったという。少なくとも現時点で官僚らの懸念は半分は的中し、輸出量は激減した。
当該企業の関係者たちに話を聞くと、好調の事業が暗転した2年間の労苦とともに、今後の底知れぬ不安の声が漏れた。「いろんな世論があると聞くが、私たちが何をしたというのか。世界的な半導体不足の中、本当にこれでいいのか」との切実な声もあった。
他方、日本との取引が止まった韓国側企業の担当者は「韓国政府の支援策で国産化も進み、実害はない。日本の友人らが本当に気の毒だ」と同情し、痛みを感じている風ではない。
解決済みの過去の問題で日本企業に損害を負わせるわけにはいかないというのが日本政府の立場である。だからといって、裁判で確定した賠償金とは比較にならない巨額の損失を、まったく無関係の日本企業に出させてよいわけがない。
安倍政権が終わったからか、成果がさっぱりだからか、ある日本政府関係者は「結果として愚策の極み」とまで言い切る。
しかし、何も変わる気配はない。「愚策の極み」はきょうから3年目に入る。
(はこだてつや 国際社説担当)
残り半年の文在寅政権 日韓間のトゲ抜く努力を
毎日新聞 2021/11/12
https://mainichi.jp/articles/20211112/ddm/005/070/089000c
日韓関係に改善の兆しが見られない中、韓国の
文在寅(ムンジェイン)大統領の任期が残り半年となった。
対日政策に重きを置かない文政権下で関係は冷え込んだ。文氏は問題を先送りせず、日韓の間に刺さっているトゲを抜く努力を最後まで尽くすべきだ。
影響は安全保障面にまで及んでいる。北朝鮮が先月、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射した際には両国の発表が食い違った。日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が有効に機能しているのか疑わしい。
経済への打撃も広がっている。先日オンラインで開かれた日韓経済人会議では、企業活動への悪影響を指摘し、関係悪化に危機感を募らせる参加者が目立った。
懸念されるのは、元徴用工の訴訟で差し押さえられた日本企業の資産が売却によって現金化されることだ。文氏は1月の記者会見で「望ましくない」と語ったが、問題解決へ向けた具体的な動きは取っていない。
売却のための司法手続きは進んでおり、文氏の任期内に実行される可能性もある。そうなれば日本側は対抗措置を取らざるを得なくなる。関係のさらなる悪化は避けられない。
日本側にはもともと、文氏に対する強い不信感があった。慰安婦問題の「最終的解決」を確認した2015年の政府間合意を骨抜きにしたからだ。
本来、米中対立や北朝鮮情勢への対処で協力すべき隣国同士である。ともに高度なデジタル関連技術を持つ産業国であり、経済安保上も重要な供給網(サプライチェーン)の構築で連携することが欠かせない。
にもかかわらず日本は、戦略物資である半導体素材の韓国への輸出規制を強化した。徴用工問題での事実上の対抗措置だが、韓国側の強い反発を招いただけでなく、日本企業にも実害が出た。
文政権は輸出規制の撤回を求めてきたが、安倍・菅両政権は取り合わなかった。岸田文雄首相にも対韓政策に積極的に取り組もうとする姿勢は見えない。
それでは何も動かないだろう。文氏に行動を促すためには、むしろ日本側から対話の姿勢を示す方が賢明なのではないか。
「日本政府が2年前、半導体素材の韓国への輸出規制を強めたのは、問題だらけの悪手だった」「日本は、戦略物資である半導体素材の韓国への輸出規制を強化した。徴用工問題での事実上の対抗措置だが、韓国側の強い反発を招いただけでなく、日本企業にも実害が出た」と、実態を無視して韓国を煽っているのです。
こうした事例からもわかるように、本来であれば「何が問題なのか」を韓国側に正確に伝え、判断を誤った場合は窘めなければいけない状況で、韓国にとって耳に聞こえの良い、実態とかけ離れた言葉を連呼し、結果的に余計に韓国側の判断を誤らせるという事を続けているのです。
これが現在の「韓国の側に立つ人々」の姿です。
その結果韓国側にどんな問題が起きようと、結果日本との関係がさらに悪化しようと、お構いなしに韓国を煽り、判断を誤らせ続けているのです。
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