さて、本日は色々と賛否があるNATO首脳会談での日韓首脳会談の是非について書いていきます。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています
・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
今月末に開催されるNATO首脳会談に日本や韓国が招待されているが、そのなかで日本、オーストラリア、ニュージーランドと韓国による4か国首脳会談がほぼ確定、日米韓首脳会談が開かれるかどうかという話が出てきており、多国間とはいえ韓国との会談に否定的な意見もネット上で度々見かける。
この件に関して、豪・NZを加えた場合や、米を加えた会談という形ならば、実のところ問題はない。なぜならばこの形ならば議題は中国や北朝鮮、或いはロシアについてとなり、日韓の問題が扱われる事はありえないので、日本にとってデメリットはない。
むしろ韓国側は日本側が韓国との首脳会談に応じない件で、「手を差し出した韓国を日本が拒否している」「日本が対北や中国の問題で足並みを乱している」といった主張をしてくる可能性が高いため、他国を混ぜることでそうした印象操作を防ぎつつ国際協調をアピールできるというメリットがある。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
まずはこちらの記事から
政府 NATO首脳会議にあわせ 日米韓首脳会談など調整
NHK 2022年6月21日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220621/k10013681461000.html
政府は、今月下旬にスペインで開かれる
NATO=
北大西洋条約機構の首脳会議に岸田総理大臣が出席するのにあわせて、日米韓の3か国や、日韓両国にオーストラリアと
ニュージーランドを加えた4か国による首脳会談を行えないか、調整を進めています。
今月下旬にスペインのマドリードで開かれるNATOの首脳会議には、アメリカやイギリスなどの加盟国が出席するほか、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの首脳もパートナーとして招かれています。
これにあわせて岸田総理大臣は、各国の首脳と会談を行いたい考えで、日米韓3か国や、日韓両国にオーストラリアとニュージーランドを加えた4か国による首脳会談を行えないか、調整を進めています。
岸田総理大臣としては、会談が実現した場合には、インド太平洋地域の安全保障環境について意見を交わし、中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発への対応で連携を確認したい考えです。
また、先にシンガポールで開かれた「アジア安全保障会議」で表明した、インド太平洋地域の平和秩序の維持・強化に向けた構想などについても説明するものとみられます。
さらに、日米韓3か国にオーストラリアとニュージーランドを加えた5か国での首脳会談になることも含め、政府は、日程や議題などを引き続き各国と調整しています。
記事では、今月末に開催されるNATO首脳会議に日本やオーストラリア、ニュージーランド、韓国なども招待されている件に関連し、日、豪、NZ、韓での首脳会談が開催される可能性が高いとしています。
そしてその目的として、日本側は「会談が実現した場合には、インド太平洋地域の安全保障環境について意見を交わし、中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発への対応で連携を確認したい考えです」と書かれており、これは少なくともオーストラリアやニュージーランドも同じです。
また記事では「調整を進めている」となっていますが、少なくとも22日夜の時点ではほぼ開催が確定している状態です。
また次の記事では
韓豪NZ 4か国首脳会談を検討 日韓は調整難航 “元徴用工”問題の解決急ぐ尹政権
日テレ 2022/6/20
https://news.ntv.co.jp/category/international/e187afdfb2a74e21a69bb11d4c7b8108
6月末にスペインで開かれる
北大西洋条約機構(
NATO)の首脳会議に合わせ、日本、韓国、オーストラリア、
ニュージーランドによる4か国の首脳会談の開催が検討されていることがわかりました。
韓国大統領府の関係者は20日、NATO首脳会議に合わせ、日本の岸田首相、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、オーストラリアのアルバニージー首相、ニュージーランドのアーダーン首相による4か国の首脳会談の開催を検討中だと明らかにしました。会談は「日本側からの提案」だと説明しています。
実現すれば、岸田首相と尹大統領が初めて対面で会談する場になります。ただ、日本と韓国2か国での首脳会談については調整が難航しています。
尹大統領はNATO首脳会議への出席にあたり、日本との歴史問題を念頭に「未来への協力という観点で、韓日の問題は円満に解決されるだろう」と述べ、日韓首脳会談に期待感を示していました。
ただ、いわゆる元徴用工問題をはじめ、具体的な懸案での事前調整が難航し、6月中に検討されていた韓国の朴振外相の日本訪問も7月の参議院選挙以降にずれ込む見通しです。
こうした中、20日、韓国メディア「ソウル新聞」は、元徴用工問題の解決に向け韓国政府と専門家らによる「官民協力機構」が今月中にも発足する見通しだと報じました。
韓国外務省は「合理的な解決方法の模索のため努力している」としながらも、具体的な言及は避けています。
元徴用工問題をめぐっては、三菱重工業や日本製鉄など日本企業の韓国国内資産の「現金化」が迫っています。
尹政権内の関係者からも「現金化された場合、今後、10年以上、日韓関係の修復は不可能になる」との強い危機感も出ていて、今後、解決策の具体化を急ぐものとみられます。
この4か国会談は日本の提案と書かれており、また韓国側はいわゆる「歴史問題」なども含め二国間会談を行いたいようですが、そちらは「難航している」と書かれています。
つまり現状開催見込みはないという事です。
また次の記事では
尹大統領・岸田首相、豪・NZ首相との4カ国首脳会談が有力
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.06.21 08:16
https://japanese.joins.com/JArticle/292342
韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が
岸田文雄首相と
NATO(
北大西洋条約機構)首脳会議が開催されるスペイン・
マドリードで会う。ただ、韓日2国間会談ではなく、オーストラリアと
ニュージーランドを含む4カ国首脳会談になることが有力視される。
大統領室の関係者は20日、記者らに対し「日本側から4カ国首脳会談の提案があり、現在、国家安保室で検討している」と明らかにした。これに先立ち読売新聞はこの日、「29、30日にスペインで開かれるNATO首脳会議で韓国・日本・オーストラリア・ニュージーランド4カ国首脳会談を開催する検討に入った」とし「NATO首脳会議に招待された『アジア太平洋パートナー』である4か国の首脳が連携を確認し、対中国を念頭に『自由で開かれたインド太平洋』を推進する狙いがある」と報じた。
「自由で開かれたインド太平洋」は米国と日本が中国の海洋進出を牽制するために推進する構想。また同紙は「ウクライナ情勢の対応に注力するNATO各国に対し、アジアへの関心を高める狙いもありそうだ」と伝えた。今年のNATO首脳会議には加盟国の30カ国の首脳をはじめ、尹大統領、岸田首相、アンソニー・アルバニージー豪首相、ジャシンダ・アーダーンNZ首相が出席する。
その間、NATO首脳会議をきっかけに韓日の首脳が会うという見方が出ていた。そのたびに「決まったことはない」という立場を表してきた大統領室が、多国間外交形式とはいえ両国の首脳が会う可能性に公式言及したのは今回が初めてだ。大統領室の関係者は中央日報に「日本側から4カ国会談関連の提案があり、前向きに検討している」とし「韓日また韓日米首脳会談が行われるかどうかは流動的」と伝えた。
尹大統領と岸田首相と会うことに関連し、いかなる形態であれ韓国政府が先に日本側に公式提案したことはないという。これは来月の参議院選挙を控えた日本側の事情を考慮したものと分析される。日帝強占期の強制動員に対する韓国大法院(最高裁)の被害補償判決や慰安婦問題など両国の葛藤の出発点になった過去の問題が相変わらず残っている状態で韓日会談が行われる場合、日本国内の政治力学構図上、自民党の得票にプラスにならないという分析が優勢だ。
このため、う回路として選択したのが韓日豪NZの4カ国会談だった。4カ国は今回のNATO首脳会議の加盟国でなく招待国であり、米国の同盟だ。緩い連帯の枠組みの中で顔を合わせるものの、敏感な話は避ける姿が演出されるということだ。
こうした議論とは別に、こじれた韓日関係を解くべきだという両国の意志が感知される。核実験など北朝鮮の脅威が高度化する中、韓米同盟、日米同盟に基づく韓日米の連携が欠かせないという判断からだ。
代表的なのが現在条件付き延長状態で形骸化された韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の正常化だ。朴振(パク・ジン)外交部長官は今月13日、ブリンケン米国務長官との会談後の記者会見で「GSOMIAをできるだけ早期に正常化することを望む」と述べた。これに対し松野博一官房長官は「地域の平和と安定に寄与するものだ」と強調した。
韓国の大統領府がこの4か国会談を「NATO首脳会議に招待された『アジア太平洋パートナー』である4か国の首脳が連携を確認し、対中国を念頭に『自由で開かれたインド太平洋』を推進する狙いがある」という趣旨であると公式見解を発表しているという記事です。
こうしたことから解ることとして、このNATO首脳会議は「G7会議後」に開催されることもあり、全体の趣旨として対ロシアと対中国、北朝鮮を主題にしているという事です。
当然4か国会議も「その趣旨」で会議が行われるわけですし、仮に韓国側がしきりに報じている「日米韓首脳会談」が開かれたとしても、趣旨は同じです。
2:4か国会議であれば問題がない
この件に関して、ネット上では「話し合う事自体が悪手」とする意見を度々見かけるわけですが、私は4か国会談であれば問題はなく、むしろ開催すべきと考えています。
なぜかというと、以前から書いているように「対中」「対北朝鮮」での日米韓の連携は必須であり、「その趣旨」での会議であれば韓国による「コウモリ的な態度」を牽制できるうえに、「足並みをそろえた」という既成事実を作れるからです。
また、オーストラリアやニュージーランドと共にロシアや中国の問題を話し合う場で、韓国側が突然日韓の歴史問題を持ち出しても執り合ってもらえるわけがないからです。
二国間問題を話し合う場ではないからです。
韓国側もそのことをわかっているので、次の記事にあるように
NATO会議で韓米日会談開催の可能性 韓国が尹氏出席を正式発表
聯合ニュース 2022.06.22
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220622003500882
【ソウル
聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が、スペイン・
マドリードで29、30両日(現地時間)に開かれる
北大西洋条約機構(
NATO)首脳会議に韓国の首脳として初めて出席する。金聖翰(キム・ソンハン)国家安保室長が22日、記者会見で発表した。
尹大統領の出席は、NATOが韓国と日本、オーストラリア、ニュージーランドのアジア太平洋パートナー国4カ国の首脳を招待したことによるもの。他の3カ国の首脳も出席を表明している。首脳会議に合わせ、韓米日3カ国の首脳会談が開かれる可能性がある。
金氏は、韓国首脳のNATO首脳会議への出席の意味を▼自由民主主義に立脚した価値の連帯強化▼包括的な安全保障基盤の構築▼新興安保に対する効果的な対応模索――の三つに分けて説明した。
「価値の連帯強化」に関しては、「NATOに加盟する30カ国は自由民主主義、法治、人権といった普遍的な価値と規範を共有する韓国の伝統的な友好国。首脳会議への出席を機に、北(朝鮮)の核問題や北の問題に関する韓国政府の立場を詳しく説明し、出席国の広範囲な支持を得られるだろう」と述べた。
「包括的な安保基盤構築」については、「尹大統領はウクライナ問題など予測不可能な国際情勢の中でNATO加盟国と共に包括的な安保ネットワークを構築する」とし、「集団安保ではなく包括協力をNATOと図っていくことに意味がある」と説明した。
また、「新興安保への対応」に関しては「新興技術、海洋安保、サイバー安保といった新興安保分野で長年研究を重ねてきたNATOと情報共有、共同訓練、共同研究を行うための議論を進めている」と伝えた。
政府はこうした活動を後押しするため、NATO本部があるベルギー・ブリュッセルにNATO韓国政府代表部を新設する計画だ。
一方、尹大統領はNATO首脳会議に合わせて約10カ国と2国間会談を開く。原子力発電、半導体、再生可能エネルギー、防衛産業など相手国との経済懸案を協議し、2030年国際博覧会(万博)の釜山誘致、北朝鮮核問題などで各国の協力を引き出す考えだ。
最も注目を集めていた日本の岸田文雄首相との初の首脳会談開催は、現在のところ不確実な状況だ。ただ、両首脳が略式会談などの形で対話する可能性はある。大統領室の関係者は韓日首脳会談の開催について、「今は全く予測がつかない」と話す。
両首脳は、NATO首脳会議に合わせた韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランド4カ国の首脳会談で対面の機会を得ると予想される。
また、韓米日3カ国の首脳会談が開かれる可能性もある。大統領室の関係者は韓米日の会談に関し、「安保協力に焦点を当てざるを得ない」と説明。「韓米日安保協力の唯一のターゲットは北、北の核問題だ。安保協力の焦点がそこに合わせられるのではないか」と述べた。
一応4か国首脳会談には応じましたが、同時に日米韓による首脳会談を韓国側が要望しているといった趣旨の事が書かれています。
これはどういうことかというと、先ほども書いたように4か国首脳会談では、中国や或いは北朝鮮の事が話し合われても、日韓の間の外交問題が話し合われることはまずないので、日米韓の首脳会談を行う事でアメリカを巻き込もうとしているわけです。
このことは次の記事からもわかります。
GSOMIAの早期正常化に触れた朴振外交長官、日本の輸出管理厳格化の解除も同時に進められるべきだ
東亜日報 June. 15, 2022
https://www.donga.com/jp/List/article/all/20220615/3448378/1
米国を訪れた朴振(パク・ジン)外交部長官が13日、日本との
軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について、「韓日関係の改善とともに一刻も早く正常化させたい」と述べた。
北朝鮮の脅威に対応するために日本、さらには米国と共に政策を調整し、情報を共有する必要があるということだ。日本政府も14日、「地域の平和と安定に寄与するものだ」と歓迎した。
GSOMIAは、効力をいつでも終了できるという前提の「条件付延長」の状態であり、こじれた韓日関係をうかがわせる。発端は2019年7月、韓国に対する一方的な日本の輸出管理厳格化だった。半導体・ディスプレー材料3品目の輸出を個別許可制に変更し、輸出管理を簡略化する優遇対象国から韓国を除外した。日本メディアは、事実上の禁輸措置だと報じた。一年前、韓国大法院(最高裁)が元徴用工に対する日本企業の賠償判決を下したことに対する報復だった。
日本経済産業省は輸出管理厳格化の発表の際、信頼が損なわれたとし、「(韓国が)徴用工問題に対して満足できる解決策を提示しないことも影響を及ぼした」と明らかにした。世界の主要メディアが政治的事案で貿易制裁を加えることに対して批判すると、安全保障上の理由だとした。しかし、その根拠について明確な説明はなかった。米外交専門誌「フォーリン・ポリシー」は、「このような類の発表をする時は、最低限の証拠と一貫した路線がなければならないが、私たちが見ているのは日本の役人たちの相反する声明と皮肉だ」と指摘した。
輸出管理の厳格化は、日本経済にブーメランとなって戻って来た。日本所在の企業は、第3国を迂回して輸出したり、韓国に工場を増設したりした。韓国政府と企業は、材料の国産化に拍車をかけた。日本政府が実際の運用を緩和したものの、日本メディアは「愚かな計略の極致」、「日本通商政策の黒歴史」と批判した。
米国の中国牽制とグローバルサプライチェーン(供給網)の再編で、東アジアの「現象変更」が早く進行している。新冷戦に乗じた北朝鮮の核とミサイルの脅威も依然として続いている。韓日の協力の必要性が大きくなっているが、わだかまりは残っている。今夏にも強制徴用に関与した日本企業の国内資産の現金化の手続きが本格化する可能性がある。両国政府が対立を避ける解決策を見出すには、友好的なムードづくりが何よりも重要だ。韓国のGSOMIA正常化と並行して日本政府も自由貿易秩序に反する輸出管理の厳格化を撤回する誠意を見せる時だ。
以前の記事で、韓国側が未だGSOMIAと一連の輸出優遇解除の件を結び付けているかもしれないと書きましたが、上記記事を読むとどうやら韓国側が「結び付けている」のはほぼ確定で、アメリカ側に「日本の輸出規制が障害になっている」と訴えているという記事です。
つまり、日、豪、NZ、韓の4か国会談では東アジア安保とのかかわりも薄く日韓の問題に触れられないので、日米韓の首脳会談で安保問題ともかかわりの深いアメリカを引き込み、日本に譲歩させたいという意図が見えてきます。
しかし、そもそもこの件はとっくにアメリカ側から拒否されていますし、他の歴史問題と安保問題を結び付けるような論調も、先月のバイデン大統領訪韓の際に
日米会談舞台裏 首相、日韓問題でバイデン氏を説得
産経新聞 2022/5/25
https://www.sankei.com/article/20220525-HTGVOMKEINLYNIZ5LPU3KUOK5U/
岸田文雄首相とバイデン
米大統領が23日に行った首脳会談は、軍事や経済面で日米の脅威となっている中国への対応に多くの時間を割いた。さらに、首相はいわゆる徴用工訴訟や
慰安婦問題を抱える韓国について、国家間の合意を無視してきた過去の経緯を挙げながら、日韓の関係改善に前のめりになるバイデン氏を説得した。
両首脳は東京・元赤坂の迎賓館でワーキングランチも含めて2時間以上会談した後、共同記者会見に臨んだ。日米のプレスや政府高官が見守る中、バイデン氏は中国が台湾に侵攻した場合に軍事的に関与するか記者に問われ、断言した。
(後略)
韓国側はなんとかバイデン大統領を説得して日本の譲歩を引き出そうとしましたが、それが失敗しており、恐らく今回の日米韓3か国会談の打診も意図を読まれてアメリカ側から断られているようなのです。
なぜそれがわかるかというと
NATO会議出席の韓日首脳 略式会談開催か
聯合ニュース 2022.06.22
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220622004800882
【ソウル
聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領がスペイン・
マドリードで29、30両日(現地時間)に開かれる
北大西洋条約機構(
NATO)首脳会議に出席する中、同会議に出席する日本の
岸田文雄首相との略式会談が行われる可能性が高まっている。
大統領室関係者は22日の記者会見で、形式にこだわらない略式会談が行われる可能性があるとしながらも「現在としてはまったく予測できない」と述べた。略式会談は短く、気軽に会う形式のため、「首脳会談」とはみなし難いとの指摘もある。
正式な韓日首脳会談が開かれる可能性は低いとみられる。韓日首脳会談は2019年12月に文在寅(ムン・ジェイン)大統領と安倍晋三首相(いずれも当時)が中国で開催したのが最後となっている。
大統領室の関係者は、日本で参院選が7月10日に控えていることに触れた上で、選挙前は外交問題が国内政治に利用される危険があるとし、「韓日関係が何らかの政治日程によって損なわれないように双方が非常に気をつけている面がある」と説明した。
別の関係者は、「日本の政治日程もあり、われわれも多国間会談に参加した後に、韓日間でさらに具体的な懸案をやりとりすることができる『モメンタム(勢い)』が明確に訪れると確信している」と話した。
外交面で日本にすがりついているとの指摘については、「どちらか一方が相手にすがりつくという関係ではない」とし、「(尹大統領の)就任式以降、山積した問題を共に解決していくことに力を合わせようとの意識は両国でいくつか形成された」と話した。
大統領室は韓米日首脳会談が開催される可能性については、「まだ公式に(協議が)やりとりされていないが、開催の可能性はある」と伝えた。韓米日首脳会談が開催されれば、17年9月に国連総会に合わせて開かれて以来となる。大統領室関係者は「(会談が開かれれば)韓米日の安保協力が焦点になる」とし、「安保協力の主なターゲットは北や北の核問題しかない。特に7回目の核実験の可能性が懸念されているため」と話した。
一方、北朝鮮が7回目の核実験を実施せずにいる理由については、個人的見解とした上で、中国の今後の動きや、新型コロナウイルスの影響が複合的に作用しているとの見方を示した。
上記記事にあるように、韓国側は22日夜になって「日本との間での略式会談もあり得る」と言いだしています。
要するに、なりふり構わずなんとかして日本と首脳会談を行い、何らかの形で歴史問題等で日本の譲歩を引き出そうという意図が見て取れます。
そしてなぜ韓国側がここまで「日本との会談」に拘るかといえば、理由は主に2つあります。
一つは序列社会の韓国では序列の上位者の決定が絶対であるので、日本の首相さえ説得できればすべてがうまくいくと考えているという事と、もう一つはとにかく会談をすることで「日本が譲歩した」という発表をして既成事実化してしまおうという意図です。
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ですので、こうした構図にならない4か国首脳会談であれば、むしろ対中問題の役に立つので問題がないというわけです。
3:韓国の意図を封殺する
そしてもう一つ、4か国会談が重要な理由があります。
それはなにかというと、韓国側が「日本のせいで対中、対北連携が妨害されている」というアピールを国際社会にさせないというものです。
どういうことかというと、次の記事にあるように
韓国が手を差し伸べたのに…日本は国内政治に埋没し高姿勢
朝鮮日報 2022/06/16
https://web.archive.org/web/20220616013335/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/06/16/2022061680010.html
首脳会談が実現しない可能性
関係改善のチャンスを失う恐れも
今月末にスペインのマドリードで開催されるNATO(北大西洋条約機構)首脳会議の際に行われると予想されていた韓日首脳会談が実現しない可能性が高まっている。韓国政府は首脳会談に積極的で、また米国政府もこれを支持しているが、日本側は韓日首脳会談が来月の参議院選挙の悪材料として作用する可能性を懸念し、あいまいな態度を示していることが15日までに分かった。外交関係者の間では「日本が国内の政治的な理由でせっかくの韓日関係改善の機会を失う愚を犯している」との指摘が相次いでいる。
韓国と日本はNATO加盟国ではないが、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と日本の岸田文雄・首相は特別に招待を受けているため、マドリードで何らかの形で顔を合わせる可能性が高い。そのため韓国大統領室は尹大統領のNATO首脳会議出席が確定する前から日本側と首脳会談に向け調整を続けてきた。会談の形式も略式ではなく正式会談を目指したという。今月初めまで大統領室と韓国外交部(省に相当)では韓日首脳会談実現を楽観視する雰囲気だった。このような雰囲気の中で首脳会談の準備とも言える韓日外相会談も調整されてきた。
ところが日本側の雰囲気は全く違っているという。東京のある外交筋は「文在寅(ムン・ジェイン)前政権は反日扇動に没頭していたが、尹錫悦政権はこれとは違うと期待していた。しかし今はそのような期待もほぼなくなった」と語る。林芳正・外務大臣が先月10日に尹大統領就任式に出席し、朴振(パク・チン)外交部(省に相当)長官候補者(当時)らと会った結果、尹錫悦政権は両国関係悪化の最大の原因である徴用賠償問題や慰安婦問題の解決を準備していないとの印象を受けたというのだ。
この消息筋は「日本も7月の選挙を前に歴史問題で柔軟な態度を示すのは難しいため、高官同士の会談は大きな負担だ」「しかも先月には韓国が独島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)で海洋調査を行い、日本国内の世論が急速に悪化している。これが会談の実現しない決定的な要因として作用した」とも説明した。日本の産経新聞は15日、複数の日本政府関係者の話として「岸田政権はNATO首脳会談の期間中に韓日首脳会談を行わない方針」と報じた。
尹大統領はこの日、出勤の際に上記の産経新聞の報道について「さあ、外交問題が決まる前に何かを確認するのは少し難しい。決まったことはない」と述べた。国家安保室の関係者も「NATO首脳会議の際に必ず韓日首脳会談をすべきというわけではない」とコメントした。首脳会談に対する日本の消極的な態度を確認した尹錫悦政権もこれ以上は会談実現にこだわらないようだ。当初は今月中旬か下旬に東京で開催予定だった韓日外相会談も日本の参議院選挙後に先送りされる見通しだ。
韓国のある外交官幹部OBは「両国の国民感情に大きく左右される韓日関係はできるだけ任期の初めに改善のきっかけをつかんだ方がいい」「岸田内閣が国内の政治問題に没頭し関係改善のチャンスを逃した場合、両国政府にとって今後も外交的な負担になるだろう」と指摘した。韓日関係改善は韓米日三角協力復元に力を入れる米国のバイデン政権の意向でもある。韓日首脳会談は2019年12月、当時の文在寅大統領と安倍晋三首相が出席した韓中日首脳会議の際に中国青島で行われたのを最後に開催されていない。
李竜洙(イ・ヨンス)記者
今月16日の記事なのですが、韓国の外交関係者が「日本が国内の政治的な理由でせっかくの韓日関係改善の機会を失う愚を犯している」という発言をしており、先ほども書いたようにNATO首脳会議は対露、対中などを議題とする会議であるので、韓国側の意図は「各国が連携を強めようとしているのに日本が国内事情で足並みを乱している」という趣旨であることがわかります。
実際には、韓国側が国際問題そっちのけで日韓の歴史問題で日本の譲歩を引き出そうとしているため、日本側がその意図に応じないというだけなのですが、韓国側はこうした論点のすり替えをしているわけです。
次の記事でも
また韓国のせいにする日本…産経新聞「NATO会議で日韓首脳会談見送り調整」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.06.15 13:33
https://japanese.joins.com/JArticle/292176
日本政府が今月末に開催される
北大西洋条約機構(
NATO)首脳会議で韓日首脳会談を行わない方向で調整に入ったと、
産経新聞が15日報じた。
同紙は複数の日本政府関係者を引用し、岸田文雄政権がNATO首脳会議の日程で韓日首脳会談を行わない方向で調整に入った、と伝えた。
関係者らによると、日本政府は韓国側が強制徴用賠償判決など両国の懸案に解決策を提示しておらず、独島(ドクト、日本名・竹島)周辺で海洋調査を行うなど日本を刺激する行為を続けていて、両国首脳会談を開催する環境が整っていないと判断した。
これに関連し岸田首相の周辺は同紙に「韓国はこれまでも約束を守らなかった歴史があり、日本が前のめりになることはない」と話した。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は29、30日にスペインで開催されるNATO首脳会議に韓国大統領では初めて出席する。岸田首相も出席する可能性が高く、これをきっかけに韓日首脳会談が行われるという見方があった。
同紙は、NATO首脳会議で尹大統領と岸田首相が短時間の面会やあいさつをする可能性はあるが、韓国側が徴用工問題などで解決策を示さない限り、時間を取った正式な首脳会談は設定しない方針だ、と伝えた。
日本政府の公式立場はまだ出ていない。松野博一官房長官は10日、韓日首脳会談に関する質問に「何も決まっていない」とし「日韓関係を健全な関係に戻すべく、日本としては、これまでの一貫した立場に基づいて新政権と意思疎通を図っていく」とだけ答えた。
同じように、「(国際連携のために)手を差し伸べたにも関わらず、日本側が一方的に『連携できないのは韓国のせい』と言ってきている」という趣旨の記事が掲載されています。
このことから解るように、韓国は「NATO首脳会議の本来の趣旨」をまるで無視して、会議を「日本に歴史問題で譲歩させる場」にしようとしているわけですが、それを「日本が歴史問題を理由に連携の足を引っ張っている」という話にすり替えようとしているのです。
ここで問題なのが、一連の輸出優遇解除の件のように、日本には韓国政府の意図を汲んでデマ報道を行うメディアが多数あることと、そうした日本のメディアの報道を大して検証もせずに報じる外国のメディアがいくつも存在しているという事です。
こうした「前科」がある以上、今回も「同じ事」が起きないという確証はなく、何らかの予防措置が必要となります。
またこの件で重要なのは、「言葉通りに受け取られること」よりも、「対中連携がうまくいっていない」という印象を国際社会に与えてしまう事です。
そこで重要となるのが、日、豪、NZ、韓による4か国首脳会談なのです。
この構図であれば、日韓の歴史問題が議題に入り込む余地はないうえに、対露、対中、対北での連携アピールにもなりますから、それを「日本側からの提案で行った」となれば、韓国側の意図を完全に封じることができます。
しかも、韓国側がこの提案を断れば「韓国の問題」が浮き彫りになるので、韓国側は断ることができませんし、一応「首脳会談による顔合わせもできた」という事になりますから、国際社会に「足並みの乱れ」をアピールしてしまう事にもなりません。
ですので、少なくとも「この方式の会談」であれば、日本にとってメリットこそあれデメリットはないのです。
書き方を変えれば、「日韓のみでの会談をしないならば問題がない」という事です。
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