さて、本日は「なぜ韓国との話し合いは拗れるのか」について扱っていきます。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブログ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
現在韓国では、大学の医学部定員を増やそうとする政府と、それに反対する医師協会や研修医との間で対立が起きているが、お互い言いたいことを言うだけで妥協点を探る気もなく、一般の患者のみが大きな被害を受けるという状態になっている。
これには、韓国で一時期流行った「幽体離脱話法」というものが関わっており、自身が関わる、或いは自身に責任のある事柄を、あたかも他人ごとのように話す事で、韓国では度々問題化している。
これは、「自分は常に正しい」という思考を出発点としているため、問題が起きると常に他者のせいにしてしまうからなのだが、この考え方の影響で彼らは自身が負うべき責任を簡単に相手に転嫁できてしまうため、問題を「他人事のように話せる」という背景がある。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
以下から本文
1:対立が激化しやすい
まずはこちらの記事から
医学部教授も一斉辞表か 韓国政府「患者のもとを去れば国民を失う」
聯合ニュース 2024.03.13
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20240313001600882
以前も紹介した、韓国政府による大学の医学部の入学定員増に関連した問題、定員増加に反対しストを起こしている研修医と医大生に続き、今度は医学部教授までボイコット運動に参加しそうだというところまで来ており、問題が沈静化どころかさらに悪化してきています。
背景に関しては、色々と複雑なので詳しくは説明しませんが、根本的に研修医制度に問題がある事や、患者が「ソウル圏の大病院」ばかりを好むため、地方とソウルで設備等にかなりの格差がある事、序列社会であるため増員となると自身が地方の病院に勤務する可能性が高くなり、「低くみられる」事を研修医側が嫌っている事など、様々な要素が関わっているようです。
また次の記事によると
あす医学生留年のヤマ場、対話チャンネルもなくお手上げの政府
東亜日報 March. 13, 2024
https://www.donga.com/jp/List/article/all/20240313/4810393/1
どうも政府の対応がかなり場当たり的らしく、強硬対応を宣言しながら決定を先延ばしにした挙句、そのたびに「最後通牒」を乱発しているようで、こうした態度が研修医側に「いずれ政府が折れる」と思わせ、状況を悪化させているという背景もあるようです。
またこちらを読むと
ソウル大学医学部教授「18日に全員辞職」…患者ら「集団行動やめよ」=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.03.12 08:36
https://japanese.joins.com/JArticle/316064
ソウル大学医学部の教授達が研修医や医大生の動きに同調し「(政府の決定には)科学的根拠がない」として、「もし科学的・合理的・客観的根拠を基に医学部の定員増加規模が決定されるならば医学部定員増加に対する議論は可能だということに同意した」という声明を発表しています。
しかし傍から見れば、「ならなぜこんなことになる前にその話し合いを政府に呼びかけなかったのか」という疑問が出てきます。
韓国では「唯一の絶対的正しさ」が存在するという前提の考え方が一般化した社会であるため、同調圧力が非常に強く、「同じ考えである事」を他者に強要する場合の多い社会なのですが、今回の件でもそれに関連した問題が起きており。
実名晒して「真の医師」と当てこすり…病院に残った研修医を仲間外れにする医師たち 韓国医学部定員増問題
朝鮮日報 2024/03/09
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/03/08/2024030880114.html
どうもボイコットを行っている研修医たちが、参加しなかった研修医のリストを作り、個人を特定できる情報をメッセンジャーアプリで共有を行っているようで、さらに「復帰」を希望している研修医を見つけ出す「魔女狩り」や、反対意見への脅迫まで行われているようで、ボイコットが本人の意思に関係なく強要されるような事態にまでなっているようです。
これらを見る限り、政府側も研修医側も妥協点を見出す意思すらなく状況が悪化し続けている事がわかります。
2:幽体離脱話法
こうなっている背景には、何度か説明している彼ら独特の正しさの概念が関わっています。
※独特の正しさの概念
彼らの正しさの概念は独特であり、根拠を必要としない。
また「この世には最初から一つの正しさが存在する」と考えられており、自分はその正しさを常に選択していると考える傾向にある。そして正しさ同士がぶつかった場合には、(曲解でも捏造でもその件と全く関係なくともなんでもいいので)相手の劣等性を指摘する事でそれを自己の正しさの担保とする。
また相手の劣等性を指摘した時点で自身が指摘された問題は相手の問題にすり替わる。
【日韓問題】日韓で異なる「正しさ」の概念 前編 - ニコニコ動画
【日韓問題】日韓で異なる「正しさ」の概念 前編 - YouTube
この正しさの概念では、「自分がなぜ正しいのか」ではなく、「自分は正しい」という前提を基に思考するため、「自分が間違っているかもしれない」という発想自体が存在しないか、或いは「自身に問題があってもそれは相手の問題に比べたら些細な事」と考えるという傾向がみられます。
そのためどんなに問題が起きても、「原因は他者にある」と思考し、自身の負うべき責任という発想自体が存在しません。
彼らは問題が起きても基本的に「相手が問題を解決すべき」と考え、先ほどの事例の場合でも、政府と研修医、双方が「問題を解決するのは相手」と考え問題が延々と悪化し続けていくわけです。
また、こうした経緯から彼らは問題に向き合うどころか、問題が起きるとあたかもそれが他人事のようにふるまう事があり、それを韓国では「幽体離脱話法」と呼んでいます。
この単語が大きく取り上げられるようになったのは朴槿恵政権の頃で
当事者感なき朴槿恵氏の「幽体離脱話法」
産経新聞 2016/11/5
https://www.sankei.com/article/20161105-MN3OUJAZYNMMBNCQAKCQ4GHBII/
朴槿恵大統領が、「日本は歴史を直視しなければならない」「日本は問題を解決しなければならない」「解決策は元慰安婦のおばあさんたちと韓国国民を納得させるものでなくてはならない」等、問題を解決すべきは日本であると訴え、国のトップであるとは思えない程問題解決を他人事のように語っていた事が書かれています。
また、一連の国政壟断事件でも、釈明の節々に「自分は騙されただけ、悪いのは相手」という態度が現れていたという事が書かれています。
他にも次の2015年の事例では
【コラム】韓国・日本、それぞれ異なる創造経済
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.08.28 16:06
https://japanese.joins.com/JArticle/205003
「大学構造改革のために真っ先に改革されるべき教育部が改革者であるかのように幽体離脱を繰り返しているのだから、これほどのコメディもない」と書かれているように、「改革の対象」があたかも「改革する側」であるかのような態度をとっている事が批判されています。
また最近の事例でも
文前大統領「経済成長率が日本を下回るのはIMF以降初めて、衝撃的」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.10.28 11:01
https://japanese.joins.com/JArticle/310704
現在の韓国の経済低迷には少なからず文政権時代の政策の影響もあるにも関わらず、「1%台の成長率は危機の時期の例外を除いて史上初めて」「現韓国経済の足かせとなっているのは政治と外交戦略だ」などと、文元大統領は自分には関係のない事のように尹政権批判をしています。
興味深いのは、朴槿恵政権の頃に文在寅氏も朴槿恵大統領のまるで問題に対して他人事のような態度を「幽体離脱話法だ」と批判していたにも関わらず、自身が全く同じことをしており、それに気付いていないのです。
これは朴槿恵氏と文在寅氏だけではなく、韓国全体で言えることで、韓国人達はその独特の正しさの概念から「問題の責任は他者にある」と考えるため、誰もが少なからず「幽体離脱話法」をしていますが、皆が他者の「幽体離脱話法」を批判しながら、「自分もそうかもしれない」とは気づけないという状態にあります。
結果、最初の事例のように研修医側に足元を見られ序列だけでは解決できない事例では、お互いがお互いのせいにする状態が続き問題が悪化し続けるという状態になるわけです。
3:対話が成り立たない
当然これは日本に対しても同じであり、韓国との間で対話が成り立たない原因の一つでもあります。
徴用解決策 日本企業不参加も「進展すれば日本も呼応」=韓国政府
聯合ニュース 2024.03.05
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20240305003000882
以前も紹介したこちらの事例に関しても、「解決策が進展すれば日本もそれに呼応すると考える」と、韓国の報道官が見込みもないのにこんなことをためらいなく言い出せるのも、問題を解決するのは日本であると考え、自分達には責任が無いと考えているからです。
これも一種の幽体離脱話法です。
またこちらの事例でも
徴用被害者が日本企業の資金を受け取り 韓国政府「法令にのっとり手続き」
聯合ニュース 2024.02.20
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20240220003700882
韓国政府が、日立の供託金が賠償金として流用された件に関して「関連法令にのっとり手続きが行われた」とか「日帝強制動員被害者支援財団が日本企業に代わって徴用被害者らに賠償金と遅延利息を支払う第三者弁済を引き続き推進する方針」等、まるで当事者意識がないのも、「悪いのは遺族と裁判所で自分達ではない」という認識の「幽体離脱話法」であることが分かります。
結局のところ、これがあるため韓国とは対話が成り立たないわけです。
彼らの思考では「自分は正解を選択しているのだから間違うわけがない」という思考が前提として存在しており、そのため必然的に問題の責任は他者となります。
しかも客観的視点を欠く思考をしているため、他者の幽体離脱話法には気付けても、自身が同じことをしている事には殆ど気付けないうえに、「正しい事をしている」という発想があるので、仮に気付けても決してそれを認める事はありません。
彼らにとっては、序列の上位者から命令されて「我慢して相手の意見を受け入れる」以外に、他者の意見を受け入れる選択肢はないのです。
このため、韓国内でも「序列のルール」が通じなければ問題は延々と悪化していきますし、日本との間でも延々と問題が起き続けるわけです。
元々価値観的に「対話」と相性が悪いともいえます。
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