さて、本日は前回に引き続き群馬の森の追悼碑撤去問題について扱っていきます。
本日の投稿動画
www.nicovideo.jp
元記事
群馬県による強制連行碑撤去を巡る問題記事 後編
http://ooguchib.blog.fc2.com/blog-entry-484.html
「動員」と「徴用」を混同させるマスコミ
http://ooguchib.blog.fc2.com/blog-entry-486.html
お品書き
・マスコミ報道
・「守る会」の主張
・「動員」とは?
・現員徴用
注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています・「マスコミ問題」であり右派・左派等の陣営論争は本題ではありません
・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
・リクエストは原則受け付けていません
・引用ソースへのリンクが同時掲載のブログにあります
・毎週土曜日更新
※以下は動画のテキスト版です
レイム マリサ
ゆっくりしていってね。
マリサ
さて、今回は前回に引き続き群馬県の追悼碑撤去の件について扱っていくぜ。
レイム
前回は撤去の経緯をちゃんと伝えないマスコミがあるって事を紹介していたけど、今回は何を扱うの?
マリサ
今回はなぜ「政治活動」と定義されたかの詳細と、それが問題視される原因について扱うぜ。
レイム
それって「強制連行」という単語を使ったからでは?
マリサ
それなんだが、なぜ「強制連行」という単語を使ったことがそこまで問題視されたかって事が重要なんだぜ。
レイム
他に何か問題があるって事?
マリサ
そうだぜ。
あと、今回紹介する資料がかなり多くなってしまうので、一部は動画内で言及するのみにして、原文などは同時掲載のブログのテキスト版の方に貼っておくぜ。
レイム
その点だけご了承お願いします。
マリサ
それじゃあそろそろ本編へ行くぜ。
マスコミ報道
レイム
で、今回はどんなマスコミ報道が問題なの?
マリサ
この件、追悼碑撤去に批判的な論調のメディア全体で起きている問題ではあるのだけど、今回は「最もわかりやすかった」TBSの事例を紹介していくぜ。
まずはこちらから
「反日的だ」「でたらめだ」と抗議も…“負の歴史”記す碑・説明板が次々撤去 “2つの正義”の板挟みになる自治体の苦悩【報道特集】
TBS 2024年2月10日
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/993065?display=1(一部抜粋)
朝鮮人労働者の追悼碑を撤去…「反日的だ」「でたらめだ」県に寄せられた抗議
多くの反対がある中、群馬の県立公園に建つ追悼碑が撤去されました。戦争による労働力不足を補うため、植民地だった朝鮮半島から多くの人々が労務動員されました。日本の戦争遂行のために駆り出されたのです。国の統計(1945年 厚生省)では、その数、少なくとも66万人だとされています。
追悼碑をめぐっては「反日的だ」「でたらめだ」などの抗議が群馬県に寄せられていました。
同じような抗議を受けて、自治体が撤去を決めるケースが相次いでいます。
マリサ
一連の騒動に関連した、2024年2月10日のTBS「報道特集」の内容なんだが、その中で「戦争による労働力不足を補うため、植民地だった朝鮮半島から多くの人々が労務動員されました。日本の戦争遂行のために駆り出されたのです。国の統計(1945年 厚生省)では、その数、少なくとも66万人だとされています」と言及されているぜ。
レイム
「動員」の数が「66万」なのは、厚労省の発表通りだし、問題ないのでは?
マリサ
まあその辺りは後でな。
次はこちら
「群馬の森」朝鮮人追悼碑が撤去に 「記憶 反省 友好」の思いはどこへ【報道特集】
TBS 2024年2月17日
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1004347?display=1(一部抜粋)
戦争による労働力不足を補うため、植民地だった朝鮮半島から多くの人々が労務動員されました。日本の戦争遂行のためにかり出されたのです。
その数は、旧厚生省調べによると66万7684人。群馬県も例外ではありませんでした。
(中略)
「過ちを繰り返さない決意を表明する」碑文に刻まれた思い市民団体は、収集した古い文書や証言を冊子にまとめた。
群馬県内では少なくとも18か所、約4600人の朝鮮の人々が強制的に動員されたとしている。
「家族との別れも交わせずに連れてこられました」
「警察がついて回り、逃げることはできません」長年、放置されていた朝鮮人の労務動員の実態。史実を掘り起こすうち、市民団体は追悼碑の建立を目指すようになった。
動員が国の政策として行われた以上、碑は公有地に設置することが重要だと考え、群馬県に場所の提供を求めたのだ。
マリサ
同じく「報道特集」の内容なんだが、さっきの66万という数字を説明したうえで、「群馬県内では少なくとも18か所、約4600人の朝鮮の人々が強制的に動員されたとしている」と言及しているぜ。
レイム
ああ、これ66万人が「強制的に動員された」と読めるわね。
マリサ
で、これは尺の関係でブログの方にリンクと原文を貼っておくが、この主張は韓国でも行われていて、「強制連行された数は66万人」と言及されることが多いぜ。
参考記事
日本政府、強制徴用も縮小・歪曲か
中央日報 2005.05.16
https://japanese.joins.com/jarticle/63579(一部抜粋)
日本厚生労働省の集計では、1939~45年に66万7684人の朝鮮人が日本企業に徴用されたという。日本政府の「徴用朝鮮人遺骨調査」構想…実施は一部に限定か
東亜日報 May. 16, 2005
https://www.donga.com/jp/article/all/20050516/287089/1(一部抜粋)
洪祥進(ホン・サンジン)真相調査団事務局長は、「日本政府が公式的に明らかにした徴用者は66万7684人だが、学界では100万人が超えるというのが通説だ」とし朝鮮人強制動員 Q&A
強制動員真相究明ネットワーク
https://ksyc.jp/sinsou-net/201210renko-QandA.pdf(一部抜粋)
動員数の具体的な数字がありますか。
日本への労務動員数の数値には、大蔵省管理局『日本人の海外活動に関する歴史的調査』
(通巻 10 朝鮮編 9)での 72 万 4787 人、厚生省勤労局「朝鮮人集団移入状況調」(1945 年9 月)での 66 万 7684 人などがあります。
レイム
ああ、重要なのは「強制連行の数」という事ね。
あとは「強制連行」の定義そのものも問題がありそうね。
「守る会」の主張
マリサ
で、次は追悼碑設置をした団体の主張なんだが、これが「政治活動」と定義されて問題になった原因でな、次を読むと
寄稿 群馬の森「記憶 反省そして友好の追悼碑」建立の経緯(上)
かけはし 2022年2月2日
https://www.jrcl.jp/okinawa/27015-1/(一部抜粋)
市民作成の碑文の原案
群馬県との交渉にあたって提出した碑文の原案は、次の通りである。
「20世紀の初頭、我が国は朝鮮を植民地として36年間支配してきた。この間、土地を奪い、言葉を奪い、名前も日本名に変えさせ、神社参拝を強制するなどの苦痛を強要した。
アジア太平洋戦争の拡大に伴い、労働力不足を補うために多くの朝鮮人が徴用されていた。戦争の長期化と敗色を深める中で、さらに労働力の補充のため、我が国は朝鮮から強制的に連行する政策を採用した。
こうして日本に強制連行された人々は百万人をはるかに超えた。朝鮮人労働者は満足な食事も、衣服も与えられず、昼夜を分かたぬ過酷な労働と悲惨な生活環境による病気あるいは事故、空襲などにより、無念にも異郷の地に命を落とした。群馬県内にも軍需工場・地下工場・飛行場・発電所・諸鉱山などに数千人の強制連行労働者が投入され多数の犠牲者を生むに至った。
21世紀を迎えた今、私たちは我が国が朝鮮人に対し、このような図り知れない損害を与えた事実を深く記憶にとどめ、心から反省し、二度と繰り返さない決意を表明する。
私たちは過ちを忘れることなく、新しい相互の理解と友好を深めていきたいと考える。ここに強制連行による犠牲者を心より追悼するためにこの碑を建立する。この碑に込められた私たちの願いを若い世代に引き継ぎ、さらに理解を深め、アジアの平和をと友好の発展を願うものである」。「強制連行」使用県は頑強に拒否
これに対して、10月28日に群馬県は回答を寄せ、申請団体は申請団体名を「朝鮮人・中国人強制連行犠牲者追悼碑を建てる会」から「労務動員朝鮮人犠牲者追悼碑を建てる会」と変えてほしい。「強制連行」という言葉は外務省とも相談したが、募集、官斡旋、徴用とあって、どこからどこまでを強制連行というのか線引きが困難だ。記録もなく、入国の時期、人数、規模、入国の経緯も明確でない。政府としては、強制連行としての把握をしていないという見解だ。
碑文の原案については、「強制連行」という用語は外務省とも相談したが政府が認知しないので認められない。村山・小渕談話の範囲で表現してほしい。そして、碑文原案の前半の歴史経過を全文カットした文案を例示した。これらに対して碑文についての心残りはあるが、これは今後の運動で克服する課題として、完成後の追悼碑の維持管理団体として、「記憶、反省そして友好の追悼碑を守る会」を設立して、会則を整備することとし、碑文も細部の表現も含めて合意し、追悼碑は「記憶 反省 そして友好の碑」として2004年4月に完成し、4月24日、追悼碑前で盛大な除幕式が行われた。
完成した「記憶 反省 そして友好」の追悼碑には、碑文が刻まれた。
マリサ
彼らの当初の主張は「日本に強制連行された人々は百万人をはるかに超えた」「群馬県内にも軍需工場・地下工場・飛行場・発電所・諸鉱山などに数千人の強制連行労働者が投入され多数の犠牲者を生むに至った」というものだったんだぜ。
マリサ
で、公共の県立公園に、こういった内容の設置物を置くのは問題であるので、県側が「「強制連行」という用語は外務省とも相談したが政府が認知しないので認められない。村山・小渕談話の範囲で表現してほしい」「朝鮮人・中国人強制連行犠牲者追悼碑を建てる会」から「労務動員朝鮮人犠牲者追悼碑を建てる会」へと変えてほしいという要求があり、それを飲む形で設置が認められたという経緯のようなんだぜ。
レイム
ああ、彼らの「強制連行」という主張は、元々100万人以上が強制的に連れてこられた」というもので、それが事実に反すると問題となって県側と話し合いの場が持たれ、表現を変えるという形で決着したという事ね。
マリサ
この経緯は北朝鮮の主張を代弁している総連の機関紙「朝鮮新報」にも掲載されていて
〈“歴史歪曲”の現場から〉群馬県高崎市・「記憶 反省 そして友好」の追悼碑
朝鮮新報 2015.10.08
https://web.archive.org/web/20220616191053/https://chosonsinbo.com/jp/2015/10/sk108-2/(一部抜粋)
追悼碑をめぐる経過/全国初、県有地に建立1995年3月に戦後50年を迎え結成された「戦後50年を問う群馬市民行動委員会」を母体にし、1998年9月に「朝鮮人・韓国人強制連行犠牲者追悼碑を建てる会」が発足。「建てる会」が群馬県内の朝鮮人強制連行・強制労働の調査とともに群馬県に対し碑の建設用地の提供を求めた結果、2003年11月14日に県立公園「群馬の森」を提供するという県知事の決済が降りる。その後、「建てる会」、群馬県、外務省の三者による数回の協議が行われ、県は「建てる会」が提出した碑文の原案から朝鮮人強制連行犠牲者の歴史的経緯をカットした文案を提示し、「強制連行」「反省」などの言葉を外すよう求めた。「建てる会」は、全国で初となる県有地への建立の意義を重要視し、碑文の大幅縮小、「強制労働」という文言を「労務動員」(当時、日本政府が使用した用語)に変更することで合意にこぎつけた。県民や日本各地の賛同者500個人、60団体から集まった1000万円の募金をもとに碑が04年4月に建立され、以後毎年4月に「群馬の森」で追悼会が開催されてきたが、2013年に在特会による街宣活動や追悼碑撤去を求める県議会への陳情書などの妨害活動が行われ、県側から許可が下りなかったため、他の会場で追悼集会が行われるようになった。そして、2014年7月22日、県は追悼碑の設置期間更新を不許可とする決定を報道各社へ一方的に発表・通知。「建てる会」は同月28日に声明を発表し、11月13日には不当な決定の取り消しと設置期間の更新を求めて前橋地方裁判所に提訴した。第4回口頭弁論は10月21日に行われる予定。
マリサ
経緯としては、設置に際して群馬県、外務省の三者による数回の協議が行われ、県側が碑文の原案から朝鮮人強制連行犠牲者の歴史的経緯をカットした文案を提示、「強制連行」「反省」とい単語を使わない事、「強制連行」という単語を「労務動員」に変えることなどを約束し、設置許可が下りたという経緯があるようだぜ。
レイム
元々「強制連行」やそれに類する単語を使わないという約束がされていたわけね。
マリサ
そうだぜ。
で、朝日とか毎日とか、今回のTBSとかでは、こういう背景を全て無視してあたかも「強制連行という単語を使っていたら右派団体から抗議され、県がその主張に忖度して撤去された」という話にすり替えられていたわけだ。
レイム
でも、なんで今回「動員」という単語を問題視しているの?
これを読む限りだと、政府の公式見解に即した用語では?
「動員」とは?
マリサ
そこが問題なんだぜ。
経緯を見ればわかる通り、そもそも「強制連行」という単語が問題になったのは、「100万人が強制連行された」とか、史実に反する主張をしていたからで、単語を変えたからと「強制的に動員された」とか言っていたら問題は同じなんだぜ。
レイム
なるほど。
で、実際のところ「動員」って何なの?「強制連行」との違いは?
マリサ
それは次を見てもらうとわかるぜ。
一般請求権徴用者関係等専門委員会第3回会合
北東アジア課 昭和37年2月23日
日韓市民でつくる日韓会談文書・全面公開を求める会
http://www.f8.wx301.smilestart.ne.jp/nihonkokai/zaimusyo/zaimusyo-2/9.pdf自由募集 1939年9月-1942年2月 148549
官斡旋 1942年2月-1944年8月 約32万
国民徴用 1944年9月-1945年4月頃 約20万
マリサ
財務省(旧大蔵省)の日韓会談関係公文書のなかに、「一般請求権徴用者関係等専門委員会第3回会合」というものがあって、そこに朝鮮半島における「動員」の詳細が書かれているぜ。
マリサ
内訳は「自由募集」が148549人、「官斡旋が約32万人、「国民徴用令」が約20万人となっていて、これを読むと「本人の意思と関係なく動員された」という事例は、徴用の約20万人だという事が分かるぜ。
レイム
ああ「守る会」やTBSは、この3つの内訳全てを「強制」としているわけね。
そもそも、強制といっても法によって定められた制度としての「徴用」だから、仕組みとしては現在の韓国の「徴兵」と同じだし、その辺りもおかしいわね。
マリサ
で、この「動員」の仕組みは以下を読むと
朝鮮人「強制連行」問題とは何か(上)
日本政策研究センター 2002/12/28
http://www.seisaku-center.net/node/260(一部抜粋)
実は、戦前の日本政府は、朝鮮人の内地渡航に対しては治安や労務面で社会問題があるため就職や生活の見通しを持たない朝鮮人の渡航を制限する行政措置を講じていた。日本への渡航には証明書を必要とするとか、釜山など出発港において就職先や滞在費を持たない渡航者の渡航を認めない渡航諭止制度を設けるなどしていたのに対して、この「募集」制度は、戦時動員の一環としての「募集」手続きに従った内地渡航に限っては渡航制限の例外としたのである。従って、戦時動員とはいうものの、平時の渡航とほとんど変わらないものであった。ところが、この「募集」方式では、当然のことながら、動員計画はほとんど達成されなかった。昭和十六年までの三年間は動員計画数二十五万五千に対して、「募集」で送り出された朝鮮人労務者は十四万七千人に過ぎず、達成率は六六%に留まった。また、応募者の大半は農民であり、炭坑鉱山などの坑内作業を嫌い、職場を離脱するものも多かった。
そこでこの「募集」に替わって、昭和十七年から採られたのが「斡旋」という方式である。これは、企業主が朝鮮総督府に必要とする人員を許可申請を出し、総督府が道(日本の県に当たる)を割り当て、道は郡、面に人員の割り当てを行う、つまり行政の責任において労務者を募集するというシステムであった。
さらに、この「斡旋」が昭和十九年九月から「徴用」に切り替わる。道知事の徴用令書によって出頭し、指定された職場で働く義務を伴う、いわば兵士の「応召」に準じるものであった。「国家から命じられた職場で働く義務があり、その工場なり事業場の事業主とは使用関係に立ちますが、直接雇用関係に立たず、(被徴用者は)あくまで国家との公的関係にある」(朝鮮総督府『国民徴用の解説』)わけであるから、徴用先も労務管理の充実した職場に限られ、給与も法定され、留守家族援護から収入減の場合の補償に至るまでの援護策が講じられた。また、同様の措置が「斡旋」で既に稼働している者にも現員徴用として適用された。
むろん、「徴用」の場合は忌避すれば罰則があり、国家総動員法によって一年未満の懲役又は千円以下の罰金に処せられた。これに対して、「募集」「斡旋」に対しては、当然のことながら応じなくても罰則はなかった。
また、「募集」「斡旋」の場合は、配属された職場から離脱しても罰則はなく、離脱したり契約期間(多くの場合は一年~二年)を終えて内地に残留しても、日本国民としての公権(参政権など)が保証された。これに対して「徴用」の場合は、指定された職場から離脱すれば徴用拒否と同じ罰則があった(ただし、「特高月報」などをみると実際は職場離脱によって検挙されても、ほとんどは元の職場に復帰させられるか朝鮮へ送還されている)。
マリサ
「自由募集」に関しては、元々朝鮮から内地への渡航には、以前も何度か紹介した事例からもわかるように、犯罪等の増加で問題があったので、「渡航制限」を敷いていたが、日中戦争の戦況悪化で内地の人員不足が起き、それを補うために「「募集」手続きに従った内地渡航に限っては渡航制限の例外とした」というものだぜ。
マリサ
ただ、それだけでは予定していた定員を満たせなかったので、1942年からこれを「企業主が朝鮮総督府に必要とする人員の許可申請を出し、総督府が道(日本の県に当たる)を割り当て、道は郡、面に人員の割り当てを行う」という仕組みに変えたのが「官斡旋」だぜ。
レイム
ああ、要するに渡航制限に「募集」手付きをすれば例外で制限なしで内地に来れるよとしたのが「自由募集」で、それを強化して企業が総督府に「これだけの人数が必要です」と申請し、それに基づいて自治体が「これだけ募集を行います」と定員を集めたのが官斡旋という事ね。
マリサ
で、「自由募集」と「官斡旋」に関しては、あくまで民間企業の募集の延長なので、配属された職場から離脱しても罰則はなく、契約期間内に途中で離脱しても、また契約後に日本に残っても罰則などは無かったそうだぜ。
マリサ
ただし、徴用に関しては「義務」なので離脱には罰則があったが、その代わり「徴用先も労務管理の充実した職場に限られ、給与も法定され、留守家族援護から収入減の場合の補償に至るまでの援護策が講じられた」そうだぜ。
レイム
戦況の悪化で末期には賃金未払いなどが、朝鮮半島出身者以外でも徴用者の間で頻発していたけど、「元々無賃金で働かせる」ような制度ではなかったというわけね。
あと、この時の未払い賃金を日本の各企業は戦後日韓国交樹立後に支払うためにプールしていたそうだけど、この資金を当時総連と組んでいた日本共産党が恫喝で奪い取って活動資金にしていたという疑惑があるわ。
徴用工問題で日本共産党が韓国側に寄り添う背景
東スポ 2018年11月15日
https://web.archive.org/web/20181115005943/https://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/1188946/「徴用工」の賃金は共産党に流れていた
デイリー新潮 2018年12月01日
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/12010731/?all=1戦後、徴用工の未払い賃金を回収した「朝連」 労働者に返還されず政治資金に転用?
デイリー新潮 2022年05月17日
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/05170559/?all=1
「日韓誤解の深淵」
西岡力著 亜紀書房 1992年
https://www.amazon.co.jp/dp/4750592129
西岡力「日韓誤解の深淵」(研究紹介--韓国) | NDLサーチ | 国立国会図書館(一部抜粋)
また、いわゆる「強制連行」の実態に関しても、一般で認識されているのとはかなり違う実態があったことが少しずつ明らかになってきている。たとえば朝鮮総督府が行なった土建労働者の「官斡旋」による道外募集(いわゆる強制連行の一部とされている)では、使用者に対して賃金、待遇などで労働者を厚遇するようにかなり細かく指示している。たとえば飯場料は賃金の二分の一以下とするとされており、借金づけによるタコ部屋化を禁じている(くわしくは広瀬貞三「『官斡旋』と土建労働者」、『朝鮮史研究会論文集』第29集参照)。
マリサ
官斡旋に関して、「使用者に対して賃金、待遇などで労働者を厚遇するようにかなり細かく指示している。たとえば飯場料は賃金の二分の一以下とするとされており、借金づけによるタコ部屋化を禁じている」と言及されていて、これも「守る会」やマスコミ報道と資料に違いがあるぜ。
マリサ
ただし、次にあるように
8.復命書及意見集/1 復命書及意見集の1
内務省 昭和19年7月31日
https://www.jacar.archives.go.jp/das/meta/B02031286700
https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B02031286700(一部抜粋)
六、内地移住労務者送出家庭の実情従来朝鮮における労務資源は一般に豊富低廉と言われてきたが支那事変が始って以来、朝鮮の大陸前進兵站基地としての重要性が非常に高まり各種の重要産業が急激に勃興し朝鮮自体に対する労務事情も急激に変り、従って内地向の労務供出の需給調整に相当困難を生じて来たのである。
更に朝鮮労務者の内地移住は単に労力問題にとどまらず内鮮一体という見地からして大きな政治問題とも見られるのである。
しかし戦争に勝つ為には斯くの如き多少困難な事情にあっても国家の至上命令によって無理にでも内地へ送り出さなければならない今日である。
然らば無理を押して内地へ送出された朝鮮人労務者の残留家庭の実情は果たして如何であろうか。
一言を以てこれを言うならば、実に惨憺目に余るものがあると言っても過言ではない。
蓋し朝鮮人労務者の内地送出の実情に当っての人質的略奪的拉致等が朝鮮民情に及ぼす悪影響もさることながら、送出即ち彼等の家計収入の停止を意味する場合が極めて多い様である。その詳細なる統計は明かではないが最近の一例を挙げてその間の実情を考察するに次の様である。大邱府の斡旋に係る山口県下冲宇部炭鉱労務者967人について調査して見ると、一人平均月76円26銭の内、稼働先の諸支出月平均62円58銭を控除し残額13円68銭が毎月一人当りの純収入にして、言わばこれが家族の生活費用に充てらるべきものである。
斯くの如く一人当りの月収入は極めて僅少にして何人も現下の如き物価高の時に、これにて残留家族が生活出来るとは考えられない事実であり、更に次の様なことに依って一層激化されるのである。(イ)右の純収入の中から若干労務者自身の私的支出があること
(ロ)内地に於ける稼先地元の貯蓄目標達成と逃亡防止策としての貯金の半強制的実施及び払出の事実上の禁止等があって到底右金額の送金は不可能であること
(ハ)平均額が右の通りであって個別的には多少の凹凸があり中には病気等の為、赤字収入の者もあること、しかも収入の多い者といえどもそれは問題にならない程の極めて僅少な送金額であること以上の如くにして彼等としては、この労務送出は家計収入の停止となるのであり、いわんや作業中不具廃疾となりて帰還せる場合においては、その家庭にとっては更に一家の破滅ともなるのである。
マリサ
内務省の調査記録として「蓋し朝鮮人労務者の内地送出の実情に当っての人質的略奪的拉致等が朝鮮民情に及ぼす悪影響もさることながら、送出即ち彼等の家計収入の停止を意味する場合が極めて多い様である。その詳細なる統計は明かではないが最近の一例を挙げてその間の実情を考察する」と書かれているものがあるぜ。
レイム
これを「官斡旋が強制連行だった証拠」としている論文等もあるけど、それだと矛盾があるのよね。
マリサ
そうだぜ。
まず、もしこれが「政府主導」で行われていた事であるなら、内務省がマル秘と判の押された「部外秘の内部文書」で「人質的略奪的拉致等」なんて表現を使うわけがないし、さっきの日本政策研究センターに書かれている事として、この問題の対応策が「徴用先も労務管理の充実した職場に限られ、給与も法定され、留守家族援護から収入減の場合の補償に至るまでの援護策が講じられた」だしな。
レイム
では「人質的略奪的拉致等」とは何なのかという疑問が出て来るわね。
マリサ
それに関しては次を読むとわかるぜ。
朝鮮新話 (1950年) - – 古書, 1950/11/1
鎌田 沢一郎 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B000JBW95E
朝鮮新話 | NDLサーチ | 国立国会図書館(一部抜粋)
もつともひどいのは労務の徴用である。戦争が次第に苛烈になるにしたがつて、朝鮮にも志願兵制度しかれる一方、労務徴用者の割り当てが相当厳しくなつて来た。納得の上で応募させてゐたのでは、その予定数に仲々達しない。そこで郡とか面(村)とかの労務係が深夜や早暁、突如男手のある家の寝込みを襲ひ、或ひは田畑で働いてゐる最中に、トラックを廻して何げなくそれに乗せ、かくてそれらで集団を編成して、北海道や九州の炭鉱へ送り込み、その責を果たすといふ乱暴なことをした。但(ただ)総督がそれまで強行せよと命じたわけではないが、上司の鼻息を窺ふ朝鮮出身の末端の官吏や公吏がやつてのけたのである。
マリサ
かつて朝鮮総督府で政策顧問をしていた鎌田沢一郎 という人物の著書「朝鮮新話」で言及されているんだが、「そこで郡とか面(村)とかの労務係が深夜や早暁、突如男手のある家の寝込みを襲ひ、或ひは田畑で働いてゐる最中に、トラックを廻して何げなくそれに乗せ、かくてそれらで集団を編成して」なんてことが起きていたと書かれているぜ。
マリサ
でな、悪質なのは「強制連行」で日本を批判する人達は、この部分までした引用や言及をしないんだが、この文章には続きがあって、「但(ただ)総督がそれまで強行せよと命じたわけではないが、上司の鼻息を窺ふ朝鮮出身の末端の官吏や公吏がやつてのけたのである」と書かれているんだぜ。
レイム
つまり、制度上「そうなっていた」わけではなく、「朝鮮出身の末端の官吏や公吏」が、言われてもいないのに勝手にやっていたって事ね。
マリサ
でな、これを指摘すると、彼らは慰安婦問題と同じく「日本政府や総督府がそうし向けていたのだ」と主張するけど、これには大前提として「同胞にそんなことをするわけがない」という条件が必要になるぜ。
マリサ
これも尺の関係でブログの方にソースを貼っておくだけにするが、併合以前にはもっとひどい人権侵害が日常的に起きていたうえに、現在の韓国最大野党「共に民主党」の代表(1964年生まれ)の回顧録には、13歳で働きに出て低賃金と職場での暴力に耐えたなんて書かれているぜ。
朝鮮亡滅 上: 古き朝鮮の終幕 ペーパーバック – 1973/1/1
ホーマー ハルバート (著), 岡田 丈夫 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4803127077
朝鮮亡滅 : 古き朝鮮の終幕 上 | NDLサーチ | 国立国会図書館(一部抜粋)
裁判は金次第でどうにでもなり、多額の金を提供するか、裁判官を畏怖させるほどの有力者を、後ろ盾にもっていることを見せつけるかしたほうが、必ず有利な判決にありつけることが世間一般の常識になっている。この国では、富と官職とは、事実上は同義語である。
「裁判は金の力で正義の秤が上下する。文明国ならたちまち民衆の反乱を呼び起こすに相違ないような不正かつ野蛮な事件を見聞きしないで済む日はないに等しい。民衆がよくもこれを我慢しているものだ。」
「反逆者の処刑後は取り壊しがあり、全財産は没収され、息子や男系親族は皆殺しにされ、女はみんな奴隷にされた。死刑囚は笞刑を受け、罪を告白してから殺される。中には最後まで自分の無実を主張しながら死刑になる者もある。」
「朝鮮では証人は囚人同様留置される。証人席は時々、最も知っていると思われると拷問場に変わる。イギリス人殺しで呼ばれた証人は地面であぐらをかいた格好で太い杭につながれた。彼は足首と膝頭を結えられ、それから両側のふくらはぎめがけて棒が二度にわたり振り下ろされた。丁度テコの原理である。すると下肢の骨は折れはしないが、ゆっくりと曲がる。証人は失神したが事件については知らぬと言い続けた。」
韓国新小説に描かれた日本観--李人稙の『血の涙』を中心に
金 成俸 国立国会図書館サーチ
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I5424073(一部抜粋)
両班たちが国を潰した。賤民は両班に鞭打たれて、殺される。
殺されても、殴られても、不平をいえない。少しでも値打ちのある物を持っていれば、両班が奪っていく。
妻が美しくて両班に奪われても、文句を言うのは禁物だ。
両班の前では、まったく無力な賤民は、自分の財産、妻だけでなく生命すらその気ままに委ねられている。
口ひとつ間違えればぶっ叩かれるか、遠い島へ流される。
両班の刃にかけられて、生命すら保つことはできない。
朝鮮事情 ペーパーバック – 1979/12/5
クロード・シャルル・ダレ (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4256183353
朝鮮事情 : 朝鮮教会史序論 : その歴史,制度,言語,風俗および習慣について (東洋文庫 : 367) | NDLサーチ | 国立国会図書館(一部抜粋)
両班は、自分たちのすべての特権については非常にうるさく、少しでも敬意を失するものがあれば、残忍な報復を下す。その一つの実話を次に引用しよう。
みじめで、みすぼらしい風態をした一人の両班が、郡衙の近くを通っていた。
そこへ、泥棒を捜していた四人の捕卒が行き会い、その外見にやや疑念を抱き、もしかするとこれが自分たちの捜している者ではないかと思って、ぶしつけな尋問をした。すると、両班は答えた。
「はい、そうです。私の家までついて来て下されば、共犯者も教えますし、盗んだ品物を隠している場所も教えます」。
捕卒たちがついて行ったところ、この両班は、家に帰り着くやいなや、召使いたちと数人の友人を呼んで捕卒たちを捕らえさせ、さんざん殴りつけた。
そのあと、そのうちの三人からは両眼をえぐり取り、残る一人からは片方の目だけをえぐって、次のようにどなりつけて彼らを送り帰した。
「この野郎ども。わかったか。これからはよーく見て歩けっ。
お前らが郡衙に帰れるように、目の玉一つだけ残してやったんだ」。
この野蛮極まりない行為が罰を受けないことは、言うまでもない。これに似た例はいくらでもある。
だから一般の人びと、とくに農村の人びとは、両班を火のように恐れている。
貧農の息子で13歳から工場労働…「辺境の弁護士」から与党大統領候補になった李在明氏
朝鮮日報 2021/10/11
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/10/11/2021101180005.html(一部抜粋)
李在明氏は1964年12月22日、慶尚北道安東市で5男4女の7番目として生まれた。山間の村から5キロメートルを一人で歩いて初等学校(小学校)に通い、山菜を掘って空腹を紛らわせたという。生計が苦しかった両親は息子が生まれた日すら分からなくなり、李在明氏は学校入学のために易者を訪ねて生年月日を決めなければならなかった。一家は李在明氏が初等学校を卒業した76年に城南市上大院市場の裏路地にある半地下の狭い家に引っ越した。李在明氏は家庭の事情で中学校には進学できず、13歳から城南工業団地付近の工場で日当400ウォンで働いた。5番目の就職先として働いた野球グローブ工場でプレス機械で左手首を負傷し、手首が曲がった姿になった。この事故で6級障害者となり、兵役を免除された。
工場で味わった暴力、貧困から逃れるため、李在明氏は大学入学資格検定に相当する検定考試を80年4月に受験して合格。その後は工場労働と並行し、82年に中央大法学部に入学した。李在明氏は「眠さに勝つために机に画びょうをまいて勉強した」と話した。
レイム
現代でのブラック企業の事例でもわかるけど、日常的にそういう環境に置かれると「それが普通」と思い込んでしまい、それがどんなに問題がある事なのかという認識が持てなくなるから、国も問題を把握しにくくなるのよね。
マリサ
そうだぜ。
だから当時内務省はそれを問題視していたわけだから、政府の方針で強引に強制連行なんていうのはおかしいんだぜ。そもそもそれでも彼らの主張を成り立たせるためには、人権
意識の無かった人々が日韓併合後に突然現代の先進国レベルの人権意識を持ち、独立すると以前の「序列が高ければ何をしても許される」とるんだぜ。
現員徴用
マリサ
でな、この件にはまだ別の問題もあるんだぜ。
レイム
というと?
マリサ
戦中に「現員徴用」という制度があってな。
これはどんなものかというと
遺族援護法に関する質疑回答について
厚生労働省 昭和三二年九月一〇日
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta1963&dataType=1&pageNo=1(一部抜粋)
問二 現員徴用者とは何か。
答 軍需会社徴用規則(昭和十八年十二月十七日厚生省令第五十二号)第二条の規定により厚生大臣が指定した軍需会社において、当該軍需会社の営む軍需事業に従事していた者であつて、特定の者を除き徴用せられた者とみなされた者のことである。
現員徴用(読み)げんいんちょうよう
コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E7%8F%BE%E5%93%A1%E5%BE%B4%E7%94%A8-1310866世界大百科事典(旧版)内の現員徴用の言及
【徴用】より
…とくに1942年の企業整備令で,多くの中小企業は軍需産業への転換が不可能だとして強引な統廃合の対象となり,徴用すべき転・廃業労働者群が出現した。徴用制の拡張は43年の国民職業能力申告令と国民徴用令の第3次改正で頂点に達し,国家が必要と認める場合には,いかなる職種の技能,技術者でも指定の職場に徴用でき(新規徴用),また特定企業・業務の従業者を事業主もろとも徴用(現員徴用)することが可能となった。44年3月には一般労働力に占める徴用労働者は2割にも達したのである。
マリサ
こちらの厚労省の記録とコトバンクの説明を総合すると、民間企業を企業ごと「徴用」する制度で、徴用された企業の社員は業務内容は変わらないが、制度上は「徴用者」とみなされるんだぜ。
レイム
つまり、本人の意思で民間の鉱山や軍需工場に就職していても、会社が「徴用」されれば書類上は「徴用者」となるわけね。
マリサ
そうだぜ。
で、現員徴用がどれくらい行われていたかなんだが
日本労働年鑑 特集版 太平洋戦争下の労働者状態
法政大学
http://oisr-org.ws.hosei.ac.jp/images/research/dglb/rn/rn_list/rnsenji1-026.pdf(一部抜粋)
民間工場においてもその所要労務を確保するため、一九四一年八月第一回の徴用を実施し、その後一九四四年三月末までに二〇回にわたり一九七万三千人にのぼる徴用を実施した。以上を合わせて一九四四年三月末における徴用総人員は二八八万一千人の多きに達したのである。なお、
終戦時における被徴用者数は新規徴用一六〇万九五五八人、現員徴用四五五万四五九八人計六一六万四一五六人であった。
マリサ
こちらの法政大学の資料によると、日本内地、台湾、朝鮮での徴用者の総数が1609558人なのに対し、現員徴用は4554598人で、徴用といっても現員徴用の方が圧倒的に多いんだぜ。
マリサ
でな、徴用の制度そのものは、地域によって実施されたかどうかに差はあるが、どこでも同じ制度として施行されているので、この内訳は当然朝鮮にも当てはまるぜ。
レイム
それは何で?
マリサ
次を読むと
「在日朝鮮人の渡来および引揚げに関する経緯、とくに戦時中の徴用労務者について」という外務省資料
高市早苗 2010年04月02日
https://www.sanae.gr.jp/column_detail415.html(一部抜粋)
1939年末現在日本内地に居住していた朝鮮人の総数は約100万人であつたが、1945年終戦直前にはその数は約200万人に達していた。そして、この間に増加した約100万人のうち、約70万人は自から内地に職を求めてきた個別渡航と出生による自然増加によるのであり、残りの30万人の大部分は工鉱業、土木事業等による募集に応じて自由契約にもとづき内地に渡来したものであり、国民徴用令により導入されたいわゆる徴用労務者の数はごく少部分である。
『外務省発表集』昭和35年2月第10号および公表資料集第8号,外務省情報文化局
国立国国会図書館デジタルコレクションhttps://dl.ndl.go.jp/pid/3432332/1/35
https://dl.ndl.go.jp/pid/3432332/1/36
https://dl.ndl.go.jp/pid/3432332/1/37
マリサ
ネット上でも有名な朝日新聞の「日本に残った徴用者は245人」の元ネタの外務省発表なんだが、それによると内地に居住していた朝鮮人は1939年時点で約100万人だったが、終戦直前には約200万人に増えていて、その内訳は「自から内地に職を求めてきた個別渡航と出生による自然増加」が70万人、「工鉱業、土木事業等による募集に応じて自由契約にもとづき内地に渡来」が30万人で、「国民徴用令により導入されたいわゆる徴用労務者の数はごく少部分」と書かれているぜ。
レイム
という事は、「動員66万人」といっても実際には単なる就職目的の人と官斡旋の人が「現員徴用」で「みなし徴用者」とされた事例が殆どってことかしら。
マリサ
実数はわからないが、これら情報を総合するかぎりだとそうなるな。
マスコミ業界の「ファクトチェック」というものがどんなものかがよく分かるよな。
レイム
そういえば、マスコミ業界では「テレビや新聞はネットと違ってファクトチェックができている」という事になっているのよね。
マリサ
あと、今回ついでなので小ネタを紹介するが、徴用工問題で韓国の主張に同調する人達の論調って、単純化するとこういう循環論法になっている場合がかなり多いぜ。
レイム
まず証言を事実として提示して、証言の根拠を求められると散々レッテル貼りと罵倒を繰り返した上で二次資料を提示してきて、なぜその資料が証言の根拠なのかを聞くと、また罵倒とレッテル貼りを繰り返した後で渋々一次資料を提示してきて、その資料がなぜその解釈になるかを聞くと、また罵倒とレッテル貼りを繰り返した後で別の二次資料を提示してきて、その資料の解釈の根拠を聞くと、罵倒とレッテル貼りを繰り返した後で証言を提示するというループになっているのよね。
マリサ
今回紹介したニュース記事とかも基本はこの構造で、「証言は正しい」という前提が成り立たないと論そのものが崩壊する構造になっているぜ、論文なども間に罵倒とレッテル貼りがないだけで基礎部分がこれの場合が多いぜ。
レイム
間に入る二次資料の数が違ったり、罵倒とレッテル貼りではなくて、事実と仮定の混同や仮定の多段重ね、相手の資料を根拠なく否定して過剰に資料を要求するとか色々あるけど、基本はこの構造ね。
マリサ
なので、今回紹介したような事例に出くわしたら、この基本構造を覚えておくと対処がしやすいぜ。
今回のまとめ
・動員を強制連行と同じ意味で報道
・撤去の原因は県との話し合いでした約束を破ったから
・動員とは自由募集、官斡旋、徴用の3種類あり、それぞれ違う
・「現員徴用」が無視されている
マリサ
あとな、徴用工問題では慰安婦問題と同じ詭弁論法も使われているぜ。
レイム
それは何?
マリサ
慰安婦問題で、韓国での慰安婦の定義である「軍や国の命令で軍人や官憲が直接的に行った拉致や動員」を否定すると、「右翼が慰安婦を否定した」と論点をすり替える、いわゆる「ストローマン」の手法を使う事例が頻繁に起きるだろ。
レイム
ああ、要するに相手の主張を持論に都合よく歪めて、その歪めた主張に反論して見せることで、まるで相手を論破したかのように見せる詭弁テクニックね。
マリサ
徴用工問題の場合には、今回紹介したように「動員」の詳細や韓国などが主張する「強制連行」の矛盾点などを指摘すると、彼らは「右翼が強制連行を否定した」と、強制連行と動員を混同させたうえで、あたかも国民徴用令自体を否定しているかのように印象操作してくるぜ。
レイム
で、今回取り上げた徴用関連の一時資料を持ち出して、「強制連行の資料はこんなにあるのに、右翼が過去を美化して歴史を否定している」とやるわけね。
マリサ
そうだぜ。
定義がおかしいから問題点を指摘しているのに、動員と徴用と強制連行を混同したり状況に応じて定義を使い分けたりしながら、あたかも前提となっている「動員」そのものを否定しているかのようにすり替えるわけだ。
レイム
ああ、状況に応じて動員の定義を厚労省と同じものにしたり、韓国や「守る会」と同じものにしたりと、「使い分ける」わけね。
マリサ
そういう事だぜ
そんなわけで今回の本編はここで終わるぜ
レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました
大口
おつかれ~。
今回は3部構成の中編なのでおまけは無いよ。
レイム マリサ 大口
またらいしゅ~
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