さて、本日はいくつかのメディアで「韓国は変わった」等の論調があるため、実際には何も変わっておらず、それどころか当事者意識すら希薄であるという件について扱っていきます。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブログ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています
・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
現在、いくつかのメディアで「政権交代により韓国は変わった」として、交流の再開を呼びかける論調が出てきており、問題が政治にあったという前提で関係改善へ向けての記事が多くなってきている。
しかし実際には、韓国は何も変わっておらず、政権交代によって「ウリとナム」の範囲が変わっただけであり、急速に日本へ接近したのは貿易赤字の増加や安保問題等で、「そうせざるを得なかった」というだけに過ぎない。
また、日本には韓国に対して「誤ったシグナル」を送り続ける人々が多数おり、そうした人々の影響で彼らには「日本側が何を問題にしているのか」自体を理解していない人々が多数おり、その結果彼らには「自分達が問題の当事者である」という認識自体がほとんどない状態にある。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
以下から本文
1:韓国は変わった?
まずはこちらから
門前払いを喰らった韓国野党「“アポなし”訪日団」に母国で大バッシング…!韓国の「“反日”福島汚染水問題」のあきれた現実
マネー現代 2023.04.11
https://gendai.media/articles/-/108732
福島原発処理水の放出を阻止しようと日本を訪問した韓国最大野党・共に
民主党(以下、
民主党)の「
福島原発汚染水対策団」(以下、「対策団」)。
アポなし訪日だったため東京電力や日韓議連でことごとく門前払いされてしまった。まるで成果の上がらない訪日に、韓国国内でも批判が起こっているが、彼らはなぜ政治パフォーマンスに明け暮れるのか。
前編『韓国国民もあきれ顔…!最大野党の「汚染水対策団」が日本で突き付けられた“アポなし訪日”の悲しき末路』に続いて、詳しく分析してみよう。
崩れさる「共に民主党」の主張
IAEAは4月5日、「日本の福島第一原発の処理水放出とモニタリング(監視)計画は信頼できる」という中間報告を発表し、報告書をホームページに公開した。
IAEAの専門家(韓国原子力安全技術院キム・ホンソク博士をはじめ米国、中国の専門家ら11人)が処理水の海上運搬トンネルや放出装置などを調べ、周辺の海岸で海水や魚を採取してまとめた内容をもとに作成した4回目の報告書である。
IAEAはこの報告書で「東京電力が汚染水放出後の環境モニタリングのために設けたシステムは十分に保守的であり、現実的だ」と評価した。
https://gendai.media/articles/-/108732?page=2
この報告書に関し、韓国科学技術院(KAIST)のチョン・ヨンフン教授は「日本のモニタリングと管理システムは十分だという結論だ」「IAEAは日本の放出計画の適切さを改めて認めた」と述べた。
ただ、IAEAは、処理水放出に伴う影響を扱う放射線環境影響評価に関しては放射性物質の濃度測定などに使う方法論などに関する追加的説明が必要だという意見書を出している。来月、日本を訪問して追加調査を行った後、総合報告書を年内に発刊する予定だ。
韓国の国務調整室は、この報告書発表に合わせ報道資料を出し、「われわれの海と水産物の安全を守るための隙間のない管理統制システムを持続して運営していく」と述べた。あわせて、「2011年以降の韓国の遠近海放射能モニタリング結果を見ると、韓国の海域の海洋環境と水産物の放射能濃度は福島発電所事故以前と類似の水準」と明らかにした。
民主党の主張とは歴然とした開きがある。
https://gendai.media/articles/-/108732?page=3
韓国で示される「放射能問題」の真相
朝鮮日報は、海洋放射能問題に最も精通している、韓国海洋科学技術院と韓国原子力研究所が共同で行ったシミュレーションの結果を報道している。
それによれば、福島原発の処理水を放出した場合、太平洋を1周回って韓国の近海に本格的に到達するのは4-5年後であり、その間に希釈され、韓国の海域にある三重水素(トリチウム)は約10万分の1増えると予想され、それは数値のチェックそのものに意味がないレベルである。
この海域の水流は米国のアラスカ、カリフォルニア、ハワイを循環して韓国に来るが米国がこれを問題視したという話は全くないそうである。米国の研究機関は福島原発の爆発後に西海岸の海水を採取し、放射能に汚染されているか調べたが、人体に害を及ぼすレベルではなかった。
地球全体の面積の3分の1を占める太平洋である。福島原発事故当時、何の対策もない状態で放射能汚染物質が海に流れ出したが、広大な太平洋で完全に希釈され、放射能による問題は一切起きなかった。
民主党の主張はこうした客観的事実を全く無視したものである。
https://gendai.media/articles/-/108732?page=4
それは過去に狂牛病、FTA(自由貿易協定)、THAAD(高高度防衛ミサイル)セウォル号などで行ってきた感情に訴えるデマによる扇動政治である。いつまでも韓国の2大政党の一角がデマによる扇動政治を行うのか。
民主党の無責任政治は厳しく追及されるべきである。
いまだ解けない「福島産水産物」の禁輸
福島原発処理水の放出問題については、IAEAが最終的な見解を発表する予定であり、韓国の専門家も参加して検証過程を共にしている。こうした状況を反映し、主要紙中央日報は、韓国政府もIAEAに意見を伝えているので、出された結論に従えばよいとコメントしている。
しかし、福島産水産物の輸入問題はより厄介である。
福島原発処理水の放出への理解と福島産水産物の禁輸撤廃は、額賀日韓議連会長が尹錫悦大統領に直接要求したことが発端であり、これを契機に民主党の尹錫悦大統領批判が先鋭化したものである。
https://gendai.media/articles/-/108732?page=5
先月の尹大統領の訪日では韓国側が一方的に譲歩したとの見方が韓国内の主流となっており、福島産水産物に対する警戒心が晴れない中で禁輸を解くのは困難であろう。
大統領室は韓国の国内世論に配慮せざるを得ず、日本にさらに譲歩した姿勢を取ることができない。そのため、福島産水産物については「国内に入ってくることは決してない」「国民の健康と安全が最優先という政府の立場に変わりはない」と国内の懸念への火消しに努めざるを得ない状況となっている。
現在韓国政府は福島周辺8県のすべての水産物を輸入禁止にしており15県・27件の農産物も輸入禁止にしている状態だ。韓国近海の水域で生産される水産物の放射能検査も、処理水放出に伴って拡大していくことになろう。
https://gendai.media/articles/-/108732?page=6
「扇動政治」を終わらせよ
福島原発の処理水放出問題と福島産水産物の輸入問題は、日韓の外交問題であると同時に、韓国の国内問題となっている。もはや韓国では客観的な科学的論拠だけでは測れない敏感な問題である。
日韓の問題は、外交以上に国内の説得が難しい事例が珍しくない。それは韓国ばかりでなく日本においても同様である。そこには反日感情、嫌韓感情が色濃く反映されている。
しかし、日韓両国は北朝鮮の核開発、ミサイル発射、中国の軍備拡張、海洋支配の動きに共同で対処しなければならない国である。日韓の安全保障という共通の利益のために、政治的対立を如何に解消していくか。それは過去のしがらみに固執するのではなく、未来に向けた日韓関係のビジョンを構築していくことが重要である。
https://gendai.media/articles/-/108732?page=7
そのためにも韓国民主党のデマ・扇動政治を終わらせることが出発点となろう。
その一方で日本側においても、民主党と新政治民主連合などの前身の左派政党が行ってきたちゃぶ台返しによって植え付けられた対韓不信感を払しょくすることが必要だろう。
日韓関係を国民感情に縛られない通常の外国同士の関係に持っていくことが外交問題解決、日韓関係改善の最重要課題である。
武藤正敏元駐韓国特命全権大使が寄稿した記事なのですが、そのなかで福島原発の処理水問題を悪化させているのはあくまで韓国最大野党「共に民主党」であり、尹政権や与党はあくまで「世論に配慮しているだけ」であると書かれています。
そのうえで、問題を起こしているのは「共に民主党」であり、韓国への不信も原因がそこにある事から、これからは韓国への不信感を払しょくしていくべきと書かれています。
つまり、問題の原因はあくまで「政治」にあり、問題をこじらせていた「共に民主党」が野党になったことで実質問題は解消されており、後は両国の「感情の問題」としているわけです。
そして次の記事では
韓国で「反日勢力」が、ついに“大ピンチ”へ…! 「在日3世」の私が驚く“韓国の驚くべき異変”と、これから「竹島問題」「大統領支持率」に“大注目”すべきワケ
マネー現代 2023.04.17
https://gendai.media/articles/-/108566
韓国の「
反日感情」に変化アリ!
いま、韓国が確実に変化し始めている。
文在寅政権下で「反日」が大手を振るっていて、「反日」でなければ人にあらずといった空気が蔓延していたが、いま尹大統領がその空気を大きく変え始めている。
韓国政府が元徴用工問題に本気で解決に動き出したことがなにより大きく、日本が好きな韓国人も、当時は大声で言えなかったが、いまは日本への旅行が大人気。日本食も韓国でブームになっていて、まるで国がまるっきり変わってしまったような実感がある。
一方で、いまだにそうした現実を認めたくない人たちが“抵抗”を続けている事実は見逃せない。
私は在日3世として日本で生まれて、朝鮮総連に活動にも参加していた。そうした中で衝撃的だったのは、2002年小泉元首相の訪朝時のことだ。北朝鮮が日本人拉致の関与を認めると、それまで私の様に抜け出したくてコミュニティーのしがらみで抜け出せないでいた在日同胞が少なからず離脱していった。
当時、離脱者がこの「日本人拉致を認めた」ことを理由にしていたのを強烈に覚えている。私の周りの先輩、友人もじつは以前から離脱の機を見計らっていたが、この時ばかりは大義名分ができたことで「大手をふるって離脱できた」といまは笑って話しているが、当時は深刻なものだった。
https://gendai.media/articles/-/108566?page=2
左派の恐れ
いま、韓国でも政府が何か「一つ」国が認めてしまえば、左派思想からの離脱者が出るという恐怖に怯えている人たちがいる。
一応の「慰安婦合意」がなされ、尹大統領がいま「元徴用工問題」の解決をすすめる中で、後に残るは「竹島(独島)問題」だろう。
これをもしも韓国政府が、違法占拠、実効支配の不法制を認めて、日本と歩み寄って解決策を見出しそうになれば、韓国に巣食う左派思想社たちの行き場がなくなるーーそう恐れている人たちが一定数いるわけだ。
こういった左派を見ていて一つ気づいたのは、きちんと事実をみつめようとせず、漫然と反日を唱えている人たちが少なくないということだ。最近のデモを見ていても、左派はしがらみで集まっているのに対して、むしろ保守は「国を正そう」という義務感で集まっている者たちが多いような気がする。
「弱者の盾」の金メッキが剥がれ出している左派勢力にとって、じつは尹大統領の親日的な感覚よりも、そうした正義感のほうが驚異のはずだ。
そんな尹政権は、メディアの唱える支持率をどこまで無視できるかが今後の課題になるだろう。
https://gendai.media/articles/-/108566?page=3
思う壺、逆戻り…
今後3年は日韓関係が良好の様に進むだろう。が、尹大統領も次期大統領のために党の支持率の具合によっては、今までの大統領の様に蛮行な行動に出るやも知れない。
それを警戒しておいて損はないが、私の期待は韓国人がその行為を目の当たりにした時にどう思うか、だ。
今までのように左派議員、市民団体には踊らされないと思いたいが、また口を閉ざしてしまえば、左派勢力の思う壺に逆戻りする。
いま訪日している韓国人は日本で多くの物、者に触れながら今から国の未来を考えておかないと、永遠に「反日呪縛」から解放はされないだろう。
こちらの記事では、最近よく目にする在日韓国人の記事なのですが、こちらでも問題を悪化させてきたのは、韓国の「(いわゆる便宜上の)左派」であり、韓国世論を扇動してきたのもこの人たちであったが、最近は世論が変わってきているとしています。
そして「最近のデモを見ていても、左派はしがらみで集まっているのに対して、むしろ保守は「国を正そう」という義務感で集まっている者たちが多いような気がする」と書かれており、世論の変化で徐々にこの扇動が通用しなくなってきていると書かれています。
この2つの記事の共通点は、あくまで問題を悪化させてきたのは韓国の「親北系民族派(=いわゆる便宜上の左派)」であり、ここが力を失い、また現在世論がそうした扇動にあまり乗らなくなり、現在の尹政権も以前の政権とは違い聞く耳があるため、関係改善の余地があるとしている事です。
また、今回は紹介していませんが、最近の日本のメディア全体の論調としても「問題は政治」であり、「政権が代わった」事で韓国の態度も変わったとする内容が増えてきています。
また最近の武藤氏の記事では、「韓国の尹政権の支持基盤である保守層が揺らいでおり、対日関係改善が期待できる尹政権を日本が支えるべき」といった内容もあります。
これも「原因は政治」という前提で書かれています。
参考記事
尹錫悦の日韓関係改善路線に吹く逆風、もう日本と韓国はうまくやれないのか
JBpress 2023.4.13
https://web.archive.org/web/20230413094056/https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/74786
2:「ウリ」の範囲が変わっただけ
では実際のところどうかというと、韓国の態度変化は「ウリの範囲」が変化しただけであり、韓国で何か大きなパラダイムシフトあったとか、そうした現象は観察できません。
例えば次の記事を読むと
【寄稿】古臭い反日主義、無責任な扇動は歴史の退行に過ぎない(上)
朝鮮日報 2023/04/09
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/04/07/2023040780109.html
日本アニメ『
SLAM DUNK』と否定を肯定へ昇華させるやり方
少年はバスケが好きだった。兄と一緒だともっと楽しかった。地域を越えて全国単位の有望株として注目される兄は、弟のアイドルにして手本だった。そうなることは避けられなかった。兄弟は早くに父親と死別し、母親、妹と共に暮らしていたのだ。兄は自らを励ましつつ、弟に約束させた。「僕が一家の主将になるから。お前は副主将になれよ」
まだ中学生にもならない年齢で、弟は一家の主将の座を渡された。友人たちと船に乗って釣りに行った兄は、戻ってこなかった。まだ小さな息子と娘だけが残る一家を見て、母親は引っ越しを断行した。日本の最南端・沖縄から、東京に隣接する首都圏の神奈川へと生活拠点を移したのだ。そこで少年は湘北、韓国人にとっては「プクサン」という名でおなじみの高校へ進学し、全国大会優勝に向けた挑戦を始める。400万人を超える観客を動員したアニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』のストーリーだ。
宮城リョータ、ソン・テソプの物語をもう少し細かく見てみよう。「これまでの月日、誕生日が来るたび、生き残ったのが兄じゃなくて自分だというのが母に申し訳なかった」 テソプが母親に向けて書いたものの、消してしまった手紙の内容だ。3歳違いの兄弟は、誕生日が一緒だった。兄ジュンソプ(ソータ)が生きていたころは楽しかったのに、死後は毎年、誕生日が苦痛だった。それでもテソプは決意した。全国最強チームの山王高校に勝つという夢、兄が果たせなかった夢をかなえようと。
人の心は、時として一晩で変わる。テソプもそうだった。死んだ兄を恋しがる悲しみが、健全な勝負欲に変わった。このように、ある感情が別の感情へ、否定的な内面の要素が肯定的な何かへと変化する心理的動きを「昇華(sublimation)」と呼ぶ。個体が液体の段階を経ることなく気体に変わる現象を指す物理学と化学の用語を、人間の心に当てはめた表現だ。
こんにちわれわれは「否定的な感情を肯定的に昇華させる」という言葉を、とても慣れ親しんだものとして使っている。だが、厳然として原作者がいる。ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェが、まさにその主人公だ。『人間的な、あまりにも人間的な』で彼が投げかけた問い、「どうして理性的なものが理性的でないものから、感覚のあるものが死んだものから、論理が非論理から、無関心な直観が情熱に満ちた意志から、利他的な生き方が利己主義から、真理が誤謬(ごびゅう)から生じ得るのだろうか」
19世紀の時点でも欧州を支配していたキリスト教的観点から見ると、われわれが持つ良きものは全て神の恩寵(おんちょう)かつ贈り物であって当然だった。反抗児ニーチェは、異なる見方をした。これは全て「昇華された行為に過ぎず」、「最も美しい色が、浅薄かつ取るに足らない材料から得られるという結論」に到達するのだ。思惟(しい)のバトンを受け継いだのは精神分析学の父、ジクムント・フロイト。彼はニーチェの洞察を自分の理論に接ぎ木した。
人間は誰しも性的衝動、リビドーを持って生きている。だがそれを生のままあらわにすることはできない。さまざまな問題を引き起こし、社会から追放されるだろうからだ。だから、原初的欲望を洗練された形で、文明的な要素を通して表出させ、解消しなければならない。仮に、女の子に性的欲求を感じる少年が、こっそり忍び寄ってスカートをめくったら、大人から大変な目に遭わされるだろう。だがギターを練習してすてきな音楽を演奏したら、女の子の関心と歓呼を集めることができる。リビドーを芸術へ昇華させる、典型的な事例だ。
ノ・ジョンテ経済社会研究院専門委員(哲学)
【寄稿】古臭い反日主義、無責任な扇動は歴史の退行に過ぎない(下)
朝鮮日報 2023/04/09
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/04/07/2023040780110.html
ニーチェは、当代の人々に理解されないまま寂しく世を去った。フロイトは長生きして名声を享受したが、全てを性欲で説明しようとしているという非難から逃れられなかった。だがこんにちわれわれは、彼らが提示した内面の動力学を自然なものとして受け入れている。悪い考えや否定的感情、つらく苦しい記憶を原動力として、明るく健康で未来志向的な何かに変える精神的昇華の概念を、今のわれわれは常識と見なしている。人間はそうして自己を実現していくのだ。
否定を昇華させて肯定に至る道。これは韓国が経験してきた歴史的軌跡でもある。漢江の奇跡は、植民支配者だった日本に対する怨恨、北朝鮮と金日成(キム・イルソン)に対する憤怒、また戦争が起きるかもしれないという恐怖といった否定的感情が肯定的に昇華した結果物なのだ。
韓国だけでなく、ほとんど全ての開発途上国は、先進国を追って「ファストフォロワー」の道を歩もうとした。だが、韓国のように成功した国はない。「日本にはじゃんけんでも負けられない」という気持ちで歯を食いしばり、食い付いていったからだ。かつらを作っていたのが戦闘機を作るようになった植民地上がりの国は韓国だけだ。北朝鮮の侵略に備えようと軽工業から重工業へ産業構造の改編を断行し、成功したからだ。反日と反共は、単純な善悪の構図で語るべきことではない。韓国が生まれて成長してきた精神の歴史そのものだ。
20世紀の反共主義は、時として罪なき人々に苦痛をもたらした。21世紀の今は、むしろ反日主義が悪用されている様子が目に留まる。国際秩序が揺らぎ、新たな冷戦の黒雲が押し寄せている今、韓国には他の選択肢がない。古い親日フレームは昇華ではなく退化へと至るだけだ。民主党と李在明(イ・ジェミョン)代表は無責任な反日扇動をやめて、痛ましい過去の肯定的昇華のために力添えをすべきだ。
『SLAM DUNK』に戻ろう。ソン・テソプが持っている否定的感情は、悲しみだけではない。背が低いテソプは、劣等感といら立ちを感じていた。そんな心理的弱点をつかんだ相手チーム、山王は、テソプを集中マークする。「ゾーンプレス」で押していき、挫折させる戦略だ。どうやって克服すべきだろうか? 背が低いという短所ではなく、代わりに素早いという長所に集中することで、仲間たちにパスを出して味方がもっと点を取れるようにサポートするのだ。「抜け、ソン・テソプ!」 チームマネージャーのハンナ(彩子)の応援で力を得たテソプは、短所を長所に昇華させることに成功し、その活躍に力を得てプクサンは勝機を取り戻す。
一部では、『SLAM DUNK』のヒットをあざける。「ノー・ジャパン」と言っていてどうして日本のアニメーションに熱狂するのか、というわけだ。もちろん、一部の人々は恥じ入って当然だ。だが日本の漫画を見て育った私たち韓国人が、日本にドラマや音楽を輸出する国で生きていることもまた事実だ。韓国は既に否定を肯定に昇華させたのだ。後は、あしき扇動にふける退行的政治さえ克服すればよい。
ノ・ジョンテ経済社会研究院専門委員(哲学)
韓国のいわゆる「克日」によって今の成功を手に入れており、「古い親日フレームは昇華ではなく退化へと至るだけだ。民主党と李在明(イ・ジェミョン)代表は無責任な反日扇動をやめて、痛ましい過去の肯定的昇華のために力添えをすべきだ」と書かれています。
そして、いわゆる「ノージャパン運動」に関しても「日本の漫画を見て育った私たち韓国人が、日本にドラマや音楽を輸出する国で生きていることもまた事実だ。韓国は既に否定を肯定に昇華させたのだ。後は、あしき扇動にふける退行的政治さえ克服すればよい」と、運動そのものを否定しています。
そして次の記事でも
不買運動の勢いどこへ? 訪日韓国人が急増=「政治と文化は別」認識定着
聯合ニュース 2023.02.27
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20230227001500882
【ソウル
聯合ニュース】日本による植民地時代の徴用問題など、歴史・安全保障を巡って韓国と日本の間で対立の火種がくすぶる中、日本に旅行する韓国人の数が急増している。
日本の一方的な対韓輸出規制により反日感情が高まり、日本製品の不買運動が起きた2019年とは対照的な雰囲気だ。
日本政府が新型コロナウイルスの感染拡大以降、約2年7カ月ぶりに水際対策を緩和した昨年10月には、約12万3000人の韓国人が日本を訪れた。
その後も11月に31万5000人、12月に45万6000人と着実に増加し、先月は56万5000人を上回って訪日外国人客の37.7%を占めた。
観光業界は、今後日本に旅行する韓国人観光客の数はさらに増えると見込んでいる。
1919年に起きた独立運動の記念日「三・一節」で祝日の3月1日も、日本行きの航空便はほぼ満席となっている。
格安航空会社(LCC)のティーウェイ航空によると、2月最後の週末である25日から3月1日までの5日間は、韓日路線の航空券の平均予約率が93%を記録した。ジンエアー、チェジュ航空も同期間の平均予約率は90%以上で、夏休みシーズンに迫る勢いだ。
旅行大手、ハナツアーの関係者は「最近売れたパッケージツアーと航空券の3分の1が日本行きの旅行商品だ」として、三・一節の前後も同様の水準だと説明した。
ソウル郊外の京畿道・華城に住む20代の会社員は、3月5日まで4泊5日で東京を訪れる予定だが、航空券とホテルを予約してから出発日が三・一節だということに気付いたという。この会社員は「そのようなこと(韓日問題)のせいで日本に行かない人がいるだろうか」としながら、「周りでも近ごろ海外旅行をした10人中7人は日本に行った」と話した。
日本政府が北朝鮮の脅威を口実に反撃能力の保有を宣言し、先週には「竹島の日」の記念式典を開催するなど、韓国国民の反日感情をあおるような行動を強行しているにもかかわらず日本に旅行する韓国人が増えているのは、過去とは異なる状況だ。
大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「上の世代になるほど歴史・政治問題をより敏感に受け止める傾向があるが、世代交代によってそのような面がかなり薄れた」として「過去の歴史と文化の消費を切り離して考えることが一般化した」と分析した。
入国規制が解除されてから日本を2回訪れたという20代は、「政治問題のために日本旅行をためらったり、雰囲気を気にする人はほとんどいない」として、日本が「竹島の日」の式典を開いた日に旅行の写真をSNS(交流サイト)に投稿する人も見たと話す。
アクセスの良さや円安、韓国と変わらない物価など、気軽に旅行できる点も人気の要因とみられる。
今月初めに福岡旅行に出掛けたという男性は「韓国から2時間もかからず、物価も済州島より安いので悩む必要がなかった」としながら、日本の政治家が歴史に関する妄言を言えば腹が立つが、だからといって日本旅行や日本製品の購入を制限するようなムードを作るのは行き過ぎだと指摘した。
仁川大のイ・ヨンエ教授(消費者学)は「同じ旅行費用で得られる効果は他の選択肢より日本の方が大きい」として、韓日問題が気になったとしても日本旅行のメリットがそれより大きければ「この程度なら大丈夫ではないか」と許容することになると説明した。
記事では「日本政府が北朝鮮の脅威を口実に反撃能力の保有を宣言し、先週には「竹島の日」の記念式典を開催するなど、韓国国民の反日感情をあおるような行動を強行しているにもかかわらず日本に旅行する韓国人が増えているのは、過去とは異なる状況だ」と書かれています。
そして「日本の政治家が歴史に関する妄言を言えば腹が立つが、だからといって日本旅行や日本製品の購入を制限するようなムードを作るのは行き過ぎだ」という一般人の声を掲載し、ここでもノージャパン運動を否定しています。
またこちらの記事でも
【コラム】「ノージャパン」という名の亡霊
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.03.01 09:19
https://japanese.joins.com/JArticle/301523
先月16日、東京代官山のバレ
エスタジオ「
チャコット」。授業が終わった後、日本人女性が近づいてきて「韓国からいらっしゃったなんて嬉しいです」と俳優パク・ソジュンの写真を見せてくれた。バレエの先生も「最近また、韓国の方々がかなりいらっしゃって嬉しい」と話した。実際、東京ではどこへ行っても韓国語が聞こえてきた。前政権が起こした「ノージャパン」の波に用日(日本を利用すること)を主張し、「
親日土着
倭寇の〇〇を引き裂いてやれ」という悪質な書き込み・悪質なメールの洗礼を受けてから3年足らずで、隔世の感だ。
数字も「ノージャパン」の終焉を示している。昨年出国した658万145人のうち109万260人が日本に向かった。日本政府観光局(JNTO)の関係者は、「昨年12月の1カ月だけで45万6100人の韓国人が日本を訪問した」と話した。訪日韓国人は静かだが確実に増えている。パンデミックの末に旅行需要が爆発したし、円安効果のおかげだと?しかし、「ノージャパン」当時のことを考えてみてほしい。
反日感情で国民を操った政治勢力は休火山に過ぎない。特定の政治勢力を批判したくはない。私たちはこれまで理解よりも断罪にエネルギーを注いできた。お互いの判断基準だけが正しいとし、2つも持っている耳は塞ぎ、1つしかない口ばかり開いてきた。今重要なのは「ノージャパン」の引き潮が残した残骸を点検することだ。「ノージャパン」の満ち潮に見舞われた人はどれだけ多いのか。日本旅行に行ったとか、日本のビールを飲んだとか、日本車を運転したとかで叱られた人たちのことだ。
政治的に扇動・悪用された「ノージャパン」「竹槍歌」は英語表現で「部屋の中の象」だ。扱いにくいが見て見ぬふりをする存在を意味する。部屋の5年ごとに変わる大家によって使い道が変わるだけ。おざなりに、それとなく、曖昧になかったことにしてやり過ごしては象を部屋の外に出すことはできない。誤解することなかれ。親日になろうという話では決してない。日本に問い詰めることは冷静な頭で最後まで問い詰めなければならない。しかし、国は引っ越すことができない。他の誰でもない韓国の国益のために、日本は警戒はするものの、時には手を取り合わなければならない相手だ。
チャコットでは「韓国に行っておいしいものが食べたい」「BTSはいつ入隊するのか」という質問が殺到した。近くの恵比寿のダンススタジオではK-POPクラスが大盛況だ。政治家が消耗戦を続けても民間交流の流れは防げない。だからこそ今、「ノージャパン」という名前の象を直視する時だ。そうでなければ「ノージャパン政治」の振り子は戻ってくるだろうし、韓国は再び反日という消耗的議論に屈して後退するだろう。ここまで成長した素晴らしい大韓民国にとって、隣国の日本はうまく利用すべき戦略的パートナーだ。
チョン・スジン/トゥデイ・ピープルチーム長
ノージャパン運動に関して、「政治的に扇動・悪用された」と書かれており、「親日になろうという話では決してない。日本に問い詰めることは冷静な頭で最後まで問い詰めなければならない。しかし、国は引っ越すことができない。他の誰でもない韓国の国益のために、日本は警戒はするものの、時には手を取り合わなければならない相手だ」としています。
ここでも、問題の原因は文在寅政権と「共に民主党」にあり、わだかまりがあったとしても日本と協力していこうという論調になっています。
こうした記事内容を見ると、最初の2つの記事の論調は正しいようにみえますが、よくよく記事の論調を観察してみるとある特徴が見えてきます。
それはなにかというと、今回取り上げた朝鮮日報、聯合ニュース、中央日報の3社は、日本による輸出管理強化が発表された2019年当時、「日本による不当な報復措置だ」として、状況を煽っていた当事者という事です。
それが、あたかも問題を起こしていたのは文政権と共に民主党であり、自分達には何も問題が無かったかのように書いているのです。
これはどういう事かというと、「ウリとナム」の範囲が変わったという事です。
※ウリとナム
ウリ(自分達)ナム(それ以外)
自他の境界が非常に曖昧な概念であり、彼らはウリである場合自身と全く同じ正しさと感情を共有しており、「ナム」はそれ以外、或いは正しさを理解しない劣等な相手と認識される。
また、このウリの範囲はその時の都合で自身を中心に拡大縮小する。
韓国人独特の「ウリ」と「ナム」という概念 - 日韓問題(初心者向け)
【日韓問題】韓国独特の「ウリ」と「ナム」の概念 前編 - ニコニコ動画
【日韓問題】韓国独特の「ウリ」と「ナム」の概念 前編 - YouTube
政権が代わって韓国人達の日本に対する認識と、「(いわゆる便宜上の)左派」による扇動に対する認識が変わったのではなく、日本が一切折れなかったことでどうにもならなくなり、またアメリカもこの件で一切韓国の肩を持ってくれず、状況が不利になったところで政権が代わったことで、共に民主党を「ナム」にすることで、自分達がしてきたことの責任を全て押し付けただけなのです。
つまり、韓国でパラダイムシフトが起きたわけではなく、韓国人が韓国的価値観に沿って「いつも通りの行動をした」というだけなわけです。
一見すると何か大きな変化があったように見えますが、実は何も変わってなどいないのです。
3:問題の当事者という意識がない
当然ですが、この状態であるため彼らに「自分達の反応が日韓関係を悪化させた」という当事者意識はありません。
「ウリ」は常に正しく、問題を起こしたのは常に「ナム」であるはずであるので、彼らには全ての物事が常に他人事なのです。
だからこその、先ほどの朝鮮日報、聯合ニュース、中央日報の記事なのです。
そしてさらに問題なのが、こうした当事者意識の欠如に拍車をかけている日本人の存在です。
たとえば次の記事のように
鳩山元首相、平和のために活動した人に授けられる韓国の「友堂特別賞」受賞
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.01.12 06:28
https://japanese.joins.com/JArticle/299819
鳩山由紀夫元首相は11日、友堂(ユダン)李会栄(イ・フェヨン)先生教育
文化財団〔理事長・李鍾賛(イ・ジョンチャン)〕が授与する友堂特別賞を受賞した。友堂賞は新興武官学校の設立者であり独立活動家だった友堂・李会栄(イ・フェヨン)先生を記念するために2019年制定された。
独立運動精神と平和思想の実現のために活動した功労者に授けている。
鳩山氏はこの日、ソウル中区(チュング)のウェスティン朝鮮ホテルで開かれた授賞式で「李会栄先生は独立運動をしながら『抵抗の対象は日本帝国主義の暴力的権力それ自体であり、日本国民全体を敵対視するのは間違っている』と主張した」とし「韓日両国の間に横たわる厳然たる歴史的事実に立脚して、これを認めて無限責任下に謝罪する心を忘れず、同時に未来指向的な立場で両国の友好発展と東アジア平和構築のために努めていきたい」と述べた。
鳩山氏は日本の代表的な知韓派政治家で、2015年8月西大門(ソデムン)刑務所歴史館を訪問して柳寛順(ユ・グァンスン)烈士が収監された監房に献花し、広場に用意された追悼碑の前でひざまずいて謝罪の意を表明した。
この日の授賞式には朴敏植(パク・ミンシク)国家報勲処長のほかに李祥敏(イ・サンミン)共に民主党議員、尹柱卿(ユン・ジュギョン)国民の力議員、文喜相(ムン・ヒサン)元国会議長、李洪九(イ・ホング)元首相らが同席した。
韓国にとって都合のいい発言を繰り返し、「日本人は韓国人がもういいというまで謝罪すべき」と無責任に言い放ち、韓国大法院の国際法違反の判決を肯定した鳩山由紀夫氏が、韓国で表彰されたという記事です。
また次の事例では
【コラム】「スラムダンク」旋風、韓国のファンも現実的な成長ストーリーに共感(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2023.02.18 12:52
https://japanese.joins.com/JArticle/301151
韓国でも
スラムダンクのファンが多いということは聞いていたが、これほどとは思っていなかった。映画『THE FIRST SLAM DUNK』は11日基準で観客数273万人と、韓国で公開された日本映画で歴代2位になった。1位は
新海誠監督の『
君の名は。』(2016)で379万人だ。日本で観客数1000万人を突破した新海監督の最新作『すずめの戸締まり』も3月に韓国で公開される予定であり、また記録的なヒット作になるか期待される。
私は昨年12月に日本に帰国した際、『THE FIRST SLAM DUNK』と『すずめの戸締まり』の2つの映画を同じ日に友人、その友人の息子と一緒に見た。私の中学時代の友人で、彼女の息子は現在中学生だ。スラムダンクは1982年生まれの私たちの世代が中学時代に大ヒットした漫画だが、友人の息子も知っているのを不思議に思って尋ねたところ、「放送アニメも見て、友達もみんな知っている」という話を聞いた。
◆学生時代の「部活動」は青春の代名詞
日本で『THE FIRST SLAM DUNK』は昨年12月3日に公開され、今月7日に興行収入100億円を超え、観客数687万人となった。中学校の友人と見たせいか、映画を見ながら中学時代の思い出がよみがえった。漫画『スラムダンク』は1990-96年に『週刊少年ジャンプ』に連載された。私も友人も当時、漫画の雑誌をよく楽しんだが、振り返ってみると当時がジャンプの全盛期だった。歴代最高部数を記録したのは1994年12月20日号で、653万部売れた。
漫画『スラムダンク』の発行部数は累計1億2000万部を超える。ほかの漫画の場合、読者層が男女に分かれる場合が多いが、スラムダンクは性別に関係なく人気があった。当時、誰かが漫画を買えばそれを友達と回し読みするが、授業時間に読む生徒が多かった。見つかれば先生に没収されるが、学期末に親が学校に来て「三者面談」をする時に数冊の漫画が返され、家で叱られたりする。
中学時代はスラムダンクの影響でバスケットが流行した。バスケットをしていなくてもバスケットシューズを履き、特にナイキのエアマックスが人気があったが、高い靴を盗まれないよう教室の机の横に置く生徒も多かった。バスケット部の先輩たちは特にかっこよく見え、男女ともにバスケット部に入部する生徒が多かった。
このような話を韓国ですれば不思議に思う人が多い。日本では中学・高校生の多くが「部活動」をする。私は中学校で陸上部だったが、周囲の友達もバスケット部のほか、女子はテニス部、バレーボール部、男子はサッカー部、野球部などに入っていった。ほとんど毎日、放課後に部活動をするが、授業が始める前に朝から活動する部も少なくなかった。
部活動をしない生徒は「帰宅部」と呼ばれた。韓国では塾に通っていなければ友達と付き合うのが難しいと聞いたが、日本では部活動をしなければ友達と付き合うのが容易でない。2016年基準で運動部に所属する中学生の比率は男子が75.1%、女子が56.4%だった。女子は吹奏楽部など文化部に所属する生徒も多い。ほとんどの生徒が運動部や文化部で部活動に参加した。これほど多くの生徒が参加すれば趣味のような軽い活動と思われがちだが、かなり本格的にするケースが多い。活動時間は平日が約2時間で、週末も活動するところが少なくない。それで中学・高校時代の思い出の多くは部活動が占める。部活動は日本では青春の代名詞だ。
例えば「甲子園」と呼ばれる高校野球全国大会の地方予選には計4000余りの学校が参加する。韓国は高校野球チームが100チームにもならないと聞いた。日本では特に野球部だけが多いのではなく、サッカー部やバスケット部もほとんどの学校にある。
それでスラムダンクの部活動を通した成長ストーリーは自分たちの話でもあった。汗を流しながら練習して大会に出る緊張感、勝って負けて泣いた経験だけでなく、部活動によって友達と付き合い、戦い、恋愛した感情が漫画の世界と重なる。
もともとスラムダンクの主人公は桜木花道(カン・ベクホ)だが、映画『THE FIRST SLAM DUNK』の主人公は宮城リョータ(ソン・テソプ)だ。映画を見た後、家で夫に映画の内容を話したところ、夫は「自分は宮城リョータを見て高校の時にバスケット部に入った」と告白した。バスケット部だったことは知っていたが、スラムダンクの影響だったというのは初めて聞いた。宮城リョータはバスケット選手としては身長が低い。夫も低い方だが、「むしろ小柄な体を生かしてスピードで勝負する宮城リョータを見て自分もできるという自信をもらった」という。
韓国のスラムダンクファンにも話を聞いてみたが「現実的な成長漫画」なので好きだったという人がいた。「カン・ベクホという初心者の選手が4カ月間で大きな成長を遂げる」ということだ。ほぼ同じ時期に流行した『ドラゴンボール』や『幽☆遊☆白書』のような非現実的なバトル漫画との違いだ。「バスケットを知らなかったカン・ベクホがバスケットの魅力を知っていく過程がおもしろかった」という人もいた。部活動を経験したかどうかに関係なくおもしろさを感じるところは似ているようだ。ある友人は「日本のように中学・高校で部活動ができなかったため、スラムダンクを見て代理満足をした」と話した。今回の映画をきっかけにまた漫画やアニメでスラムダンクを見たという人も多い。私は初めて韓国語版アニメを見たが、キャラクターの名前がすべて韓国の名前になっていて驚いた。私には少し変な感じだったが、「現地化されたキャラクター名がキャラクターとぴったり一致する点が記憶に残った」という評価を聞くと、韓国ファンは日本の漫画ということを知りながらも韓国の話のように受け止めたようだ。
【コラム】「スラムダンク」旋風、韓国のファンも現実的な成長ストーリーに共感(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2023.02.18 12:58
https://japanese.joins.com/JArticle/301152
◆映画『パラサイト』 日本で演劇に
ところで、なぜ今またスラムダンクが人気を集めたのだろうか。似た年齢の韓国の友人は「1990年代には国際通貨基金(IMF)通貨危機もあり、最近もいろいろな面で生活が厳しいから、当時に元気を受けたコンテンツがまた復活するようだ」と分析した。最近『タイタニック』が韓国で25年ぶりに上映されて話題になっている点も似ている。昨年の大ヒットドラマ『財閥家の末息子』にも、昨年ネットフリックスで公開された日本ドラマ『First Love 初恋』にも90年代に大流行した『タイタニック』が登場するのを見て、久しぶりに劇場で見たいという気になった。日韓両国が同時に90年代の懐かしさを感じているようだ。特に両国の若い世代は共通の作品に接してきただけに感性も近いようだ。
この数年間は映画もドラマも韓国の作品が日本でヒットすることが多かった。ところが今年に入って『今夜、世界からこの恋が消えても』が韓国で観客数100万人を超えたのに続き、『THE FIRST SLAM DUNK』のヒットまでが重なり、日本ではこうした現象に注目している。最近は日本を訪問する韓国人観光客も増え、日本では「2019年の日本製品不買運動は遠い昔の話のようだ」と報道している。政治的には感じられなかった雰囲気の変化が文化を通じて伝わっている。
韓国原作の日本ドラマが制作されたり、韓国のスタッフが日本のドラマ制作に参加するという話も最近はよく聞く。6、7月にポン・ジュノ監督の映画『パラサイト』が日本で演劇で公演されるというのも話題だ。『焼肉ドラゴン』で知られる在日コリアンの鄭義信氏が脚本と演出を引き受け、日本の俳優が出演する。日韓間にこれほど多くの原作と人材、作品が行き来するのは最近になって初めてのようだ。個人的には今年も記事に書く作品や通訳・翻訳に参加する作品が増えそうでうれしく思う。
成川彩/元朝日新聞記者
元朝日新聞記者が中央日報に寄稿し、映画「スラムダンク」の韓国でのヒットを取り上げながら、「日本では「2019年の日本製品不買運動は遠い昔の話のようだ」と報道している。政治的には感じられなかった雰囲気の変化が文化を通じて伝わっている」と書いています。
実際には世論調査で「日韓の関係は変わらない」という回答をした人が過半数を超えている、つまり韓国の態度変化を期待していない人が過半数を超えているという状況で、「雰囲気の変化が文化を通じて伝わっている」というのはあくまで世間と乖離したマスコミの論調でしかないにも関わらず、それが日本の世論であるかのように紹介しています。
参考記事
日韓首脳会談「評価する」65%、両国の関係「良くなる」32%…読売世論調査
読売新聞 2023/03/19
https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20230319-OYT1T50112/
読売新聞社は17~19日、全国世論調査を実施し、岸田首相と韓国の 尹錫悦 大統領との首脳会談を「評価する」は65%に上り、「評価しない」は24%だった。
元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)の訴訟問題を巡り、韓国の財団が被告の日本企業の賠償金相当額を支払うとする韓国政府の解決策を「評価する」は58%となり、「評価しない」31%を上回った。今後の日韓関係は「良くなる」32%、「悪くなる」4%、「変わらない」61%だった。
他にも、韓国に対して「誤ったシグナル」を送り続ける日本人が多数おり、実際には「韓国は約束(日韓請求権協定)を守れない国」「(輸出管理の)ルールを守らず暴走(ノージャパン運動を)する国である」という認識が、韓国への不信につながっているという認識があるという事をひたすら隠すのです。
結果、韓国人達はなおさら「何が問題だったのか」の自覚どころか、「日本が何を問題としていたのか」にすら気付かず、それがより「当事者意識の欠如」をまねいているという悪循環につながっているわけです。
つまり、ただでさえ価値観の違いから問題意識の共有がしにくいにも関わらず、こうした人たちの存在が問題をより悪い方向へと、そして「問題の将来的な再発」の火種となっているというわけです。
政権が代わっても、日韓関係は一歩も進んでいないのが実態なのです。
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