日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

【ゆっくり解説】マスコミの言う「輸出規制」の顛末

さて、本日は2019年7月に始まった日本による韓国への「輸出優遇解除」騒動で、マスコミが引き起こしたことの顛末について扱っていきます。


本日の投稿動画
www.nicovideo.jp
youtu.be


関連動画

【日韓問題】輸出優遇解除問題と韓国 - ニコニコ動画
【日韓問題】輸出優遇解除問題と韓国 - YouTube

【マスコミ問題】朝日・毎日新聞のプロパガンダ - ニコニコ動画
【マスコミ問題】朝日・毎日新聞のプロパガンダ - YouTube

【ゆっくり解説】韓国社会と外華内貧 - ニコニコ動画
【ゆっくり解説】韓国社会と外華内貧 - YouTube



以下は動画のテキスト版です

お品書き

・日本が「損」?

・外華内貧

・マスコミの引き起こしたこと

注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています

・「マスコミ問題」であり右派・左派等の陣営論争は本題ではありません

・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブロマガにあります

・毎週土曜日更新


レイム マリサ
ゆっくりしていってね


マリサ
さて、今回はマスコミ問題なので私が解説していくぜ。


レイム
とはいっても、今回は一連の韓国に対する「輸出優遇解除」に関連した内容よね。


マリサ
そうだぜ。
この件、日本でもかなりの数のメディアが「歴史問題を理由とした輸出規制」とかデマ報道をしていたよな。


レイム
実態は「韓国の輸出入管理が杜撰だったから優遇措置を解除された」というだけなのにね。


マリサ
まあ、その辺りの詳細は動画説明欄に過去動画のリンクを貼っておくので、そっちを見てほしいんだが、最近になってこの件で少し韓国側に動きがあってな。


レイム
そうなのよ。
その「動き」というのが、これまで「輸出規制」とか「日本が損」とか言っていた論調を全否定する内容だったのよね。


マリサ
そうだぜ。
なので今回はその件について扱っていくわけだ。


日本が「損」?


レイム
で、まずは何からやるの?


マリサ
最初はいくつかのマスコミが過去に記事にした内容からだな。
まずは最近徐々に全盛期の力をとり戻してきている毎日新聞からだぜ。

対韓輸出規制の勝者はだれか 韓国が国産化で構造転換、安倍首相に「感謝」する実態
毎日新聞 2020年7月1日
https://mainichi.jp/articles/20200701/k00/00m/030/236000c

 日本政府が、韓国に対し、半導体製造などに使われる化学製品3品目の輸出規制強化を発表してから1日で1年を迎えた。撤回に応じなかった日本、対日依存からの脱却を目指した韓国。徴用工問題を巡る出口の見えない対立を抱えて、関係が冷え込む日韓両国の今は。

 「早く許可を出してほしい」。規制強化の対象品目の一つ「高純度フッ化水素」を生産する森田化学工業大阪市)の幹部は昨年7月以降、政府の輸出許可手続きの長期化にいらだつ状態が続いている。
(後略)


マリサ
記事によると、韓国はフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの国産化に成功し、日本の輸出規制は元々韓国へ輸出していた日本企業にのみダメージを与え、むしろ韓国は国産化できたことを「安倍に感謝している」と書いているな。


マリサ
そして次の事例では

輸出規制が促した韓国の半導体素材「国産化」 日本企業シェア低下、韓国への企業誘致進む
東洋経済 2020/07/30
https://toyokeizai.net/articles/-/365754

日本政府が韓国に対し、輸出管理で優遇措置を与えていた「ホワイト国」(グループA)指定から除外し、さらに半導体関連部材を包括輸出許可から個別の許可に切り替えてから1年が経った。これに対し韓国は強く反発し、国民の間では強力な「日本製品不買運動」も起きた。日本政府はこのような措置をとった理由として、1)輸出管理制度を運営するうえで、前提となる日韓間の信頼が喪失したこと、2)韓国の輸出管理で不適切な事案が発生したことを挙げたが、韓国側は元徴用工への賠償を命じた韓国大法院(最高裁)判決をはじめとする徴用工問題への報復と捉えている。この1年間、日韓の貿易はどう変わったのか。韓国経済に詳しい日本総合研究所調査部の向山英彦・上席主任研究員にその変化の軌跡を聞いた。
韓国の「脱日本」の動きがはっきりと

――2019年の輸出管理措置の変更で、日韓では経済問題が外交問題となり、また国民の間で感情的な対立も生じてしまいました。その中で、日本では「輸出管理強化は韓国企業にダメージを与える」とする見方が多く、これに対抗して韓国政府は「国産化を進めて脱日本を図る」と主張してきました。

日本では韓国企業がダメージを受けるという見方が多くあった。輸出管理強化後の動きを、まずはデータで確認してみたい。日本側が包括許可から個別許可に切り替えた品目のうち、フォトレジストとフッ化水素の韓国の対日輸入額を見てみる。

フォトレジストの中で個別許可の対象になったのは微細化に必要なEUV(極端紫外線)向けだが、統計上は区別されない。19年前半のフォトレジストの輸入額は3000万ドル前後で推移していたが、7月の輸出管理強化の直前に駆け込み需要が発生して5000万ドルまで増加した。その後、いったんは2000万ドル超にまで減少したが、同年8月に最初の輸出許可が下り、12月に日韓の特定企業同士の取引に限り、最長3年間の許可を一括して得られるようになったため、現在では措置前の3000万ドル水準に戻ってきている。

https://toyokeizai.net/articles/-/365754?page=2

――フォトレジストは日本企業が世界市場の約9割を占めている品目ですね。

そのとおりだ。フォトレジストに関しては、日本企業への依存が依然として続いていると言えるが、注意したいのは「脱日本」の動きが見られることだ。

1つは、サムスン電子が、日本企業であるJSRとベルギー企業との合弁会社からの調達を増やしたことが挙げられる。もう1つは、アメリカからの輸入先だったデュポンが2020年1月、韓国でEUV向けフォトレジストを生産する計画を発表した点が注目される。

顧客の近くで生産することでシェアを増やす狙いがあると思う。こうした状況下、シェアを奪われないために、東京応化工業が最近、仁川工場でEUV向けフォトレジストの量産を開始した。
戻らないフッ化水素の輸入額、韓国の国産化が進む

――フッ化水素も、日本が世界で高シェアを占めている品目です。またその品質や純度については、日本側から「韓国は絶対に超高純度品をつくれない」という声も聞かれました。

韓国にとってフッ化水素の輸入先は、中国が1位、日本が2位だ。半導体製造には500以上もの工程があり、その中でフッ化水素を使用する工程は10%程度を占める。工程ごとに使用する純度が違っており、超高純度のものの多くは日本から輸入していた。日本ではステラケミファと森田化学工業が主要メーカーだ。

データを見てみたい。韓国の輸入額は、輸出管理強化前は月600万~750万ドル規模で推移していたが、規制が本格化した8月以降は100万ドルを切り、現在でも100万ドル前後で推移している。日本企業には輸出許可が19年末に下りたにもかかわらず、フォトレジストとは対照的に、元の水準には到底及ばないレベルだ。

https://toyokeizai.net/articles/-/365754?page=3

――韓国が言う「国産化」の影響でしょうか。

その影響がある。輸出管理強化後、韓国は国産化と輸入先の多角化を急ピッチで進め、昨年秋口あたりから国産品への代替が始まった。ディスプレイでは半導体ほど高純度のものを必要としないため、まずLGディスプレイが国産のフッ化水素に切り替えた。サムスン電子も19年9月、半導体製造工程の一部に国産品を投入し始めたと発表した。日本からの調達が難しくなったため、国内企業と協力して国産化に取り組んだ。

従来、日本から輸入していた高純度の液体フッ化水素を用いてエッチング剤を精製していたソルブレインなどの企業が、中国や台湾から液体フッ化水素を輸入し、生産に乗り出した。確かに、純度は日本製よりは低いと思われるが、半導体の生産に支障が出ていないことを考えれば、かなり高純度のものになっていると言える。
官民一体の取り組みで予想以上の成果

――韓国政府は、国産化支援や輸入先多角化、海外企業の誘致などの策を相次いで打ち出しました。その効果はどうでしょうか。

日本で予想していた以上の成果を上げていると思う。注目したいのは、半導体産業の強化に向けて、官民一体の取り組み体制ができつつあることだ。

市況の波が激しいとはいえ、半導体が将来の成長産業の1つであることは間違いない。中国の急速なキャッチアップに対抗するため、サムスン電子は近年、微細化水準の高いメモリ開発を進める一方、プロセッサやイメージセンサー、システム半導体などの非メモリ事業に力を入れ始めた。また今年6月には、ソウルから南へ1時間ほどの場所にある平澤(ピョンテク)工場にNAND型フラッシュメモリの生産ラインを建設すると発表した。アメリカの経済制裁中国企業の生産が思うように進まない間に、圧倒的に優位な立場に立つ狙いがあると考えられる。

韓国政府も「システム半導体ビジョンと戦略」を打ち出し、自動車やバイオ・医療、IoTなどの分野で需要創出を図るほか、ファブレス企業の育成や人材育成、研究開発などを支援する計画だ。半導体産業の強化に向けて官民一体の体制が整備されつつある。

https://toyokeizai.net/articles/-/365754?page=4

――韓国の経済構造は財閥をはじめ大企業中心です。日本のような中小企業への裾野拡大が半導体産業で進むのでしょうか。

その可能性はある。大企業主導の経済は韓国経済を確かに成長させたが、その弊害も多く生まれた。韓国の歴代政権は中小企業の育成を公約として掲げてきたが、構造問題を解消できず、大企業主導のままだ。ところが、輸出管理強化を契機に国産化が急務となり、大企業と中小企業が協力して開発を進める動きが始まった。この動きが本格化するかどうかは注視すべきことだが、韓国産業界でこれまであまり見られなかった関係が創出されている。この動きを軽視してはいけないと思う。

半導体産業の一段の成長が見込まれる中で、海外企業の韓国での生産も活発になっている。シリコンウエハでは台湾系企業が韓国で増産し、前述したデュポンの動きもある。日本企業でも、東京応化工業や関東電化工業などが現地生産を進めているほか、東京エレクトロンも技術支援センターを設立している。
日韓経済の分業体制は崩れるのか

な関係を構築・維持し、国際分業ではウィンウィンの関係にあると評価されてきました。そのような関係が崩れるのでしょうか。

日韓の経済関係を見ると、企業活動を通じて緊密なサプライチェーンが築かれ、ウィンウィンの関係が構築されてきていた。それが今回の輸出管理強化で揺らいだ。こうした状況下、日本企業は日本からの輸出に加えて、第三国からの韓国への輸出、韓国での現地生産拡大など、サプライチェーンの再編成を進めているのが現状だと言える。

韓国の半導体産業が発展していくのに伴い、今後、日韓だけでなく台湾や中国企業との協業が進む可能性もある。こうした環境変化の中で、日韓の企業は国家間の対立を乗り越えて、より高いレベルでの分業体制へと進んでいくことが予想される。


マリサ
2020年の東洋経済に掲載された内容なんだが、記事によると「輸出管理強化後、韓国は国産化と輸入先の多角化を急ピッチで進め、昨年秋口あたりから国産品への代替が始まった」「日本で予想していた以上の成果を上げていると思う。注目したいのは、半導体産業の強化に向けて、官民一体の取り組み体制ができつつあることだ」と書かれているな。


レイム
要するに「日本の輸出規制を韓国は乗り越え多角化国産化に成功し、日本のシェアが下がる結果になった」と書いているわけね。


マリサ
そういう事だぜ。
そして次はみんな大好き朝日さんの記事だが

(社説余滴)3年目の愚策の極み
朝日新聞 2021年7月4日
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14961375.html

 この世上、わかっちゃいるけどやめられないことは多い。が、誤りはたださねばならぬ。過ちては改むるにはばかることなかれ。

 日本政府が2年前、半導体素材の韓国への輸出規制を強めたのは、問題だらけの悪手だった。

 日本企業に賠償を命じた韓国の徴用工判決に、何ら是正措置をとらない韓国政府への報復である。

いまだに真顔で、歴史問題とは無関係の貿易管理の問題、などと日本政府の主張を代弁する人がいるが、実際はそうではない。

 日本企業への影響を最小限に抑え、国際的な批判をかわしつつ、韓国に強い痛みを感じさせる措置はないか――。当時の安倍官邸からの無理難題に各省庁とも頭を悩ませた。

 「採用」されたのは韓国の心臓部にあたる半導体素材に手を突っ込む荒療治。だが外務省や経済産業省からは慎重論が出た。

 実務者らが最も心配したのは、日本の関係企業にかなりの損害が出る恐れに加え、当該企業から訴えられかねないことだった。

 それでも安倍官邸の指示は「いいからやれ」だったという。少なくとも現時点で官僚らの懸念は半分は的中し、輸出量は激減した。

 当該企業の関係者たちに話を聞くと、好調の事業が暗転した2年間の労苦とともに、今後の底知れぬ不安の声が漏れた。「いろんな世論があると聞くが、私たちが何をしたというのか。世界的な半導体不足の中、本当にこれでいいのか」との切実な声もあった。

 他方、日本との取引が止まった韓国側企業の担当者は「韓国政府の支援策で国産化も進み、実害はない。日本の友人らが本当に気の毒だ」と同情し、痛みを感じている風ではない。

 解決済みの過去の問題で日本企業に損害を負わせるわけにはいかないというのが日本政府の立場である。だからといって、裁判で確定した賠償金とは比較にならない巨額の損失を、まったく無関係の日本企業に出させてよいわけがない。

 安倍政権が終わったからか、成果がさっぱりだからか、ある日本政府関係者は「結果として愚策の極み」とまで言い切る。

 しかし、何も変わる気配はない。「愚策の極み」はきょうから3年目に入る。

 (はこだてつや 国際社説担当)


マリサ
こちらの2021年7月の社説によると、『無理な輸出規制』の結果、日本のシェアが減り「日本との取引が止まった韓国側企業の担当者は「韓国政府の支援策で国産化も進み、実害はない。日本の友人らが本当に気の毒だ」と、日本の輸出規制は失敗したと書かれていて、記事ではこれを「愚策の極み」と書いているな。


レイム
まあ要するに、こうした記事では「日本は歴史問題を理由に韓国に痛みを与えようと「輸出規制」をしたが、韓国側は国産化と取引先の多様化でうまく危機を乗り越え、日本企業だけが損失を出し、むしろ韓国は国産化の件で日本に感謝している」という内容ね。


マリサ
そうなるな。



外華内貧


レイム
でも実態は大きく違ったのよね。


マリサ
まあそうだな。
以前の動画でも指摘しているが、そもそも韓国は20年近く前から「日本依存の脱却」を訴えて、その都度失敗してきたという経緯があり、その理由として「技術」「コスト」「知的財産」という三つのハードルがあり、これをクリアしなければ不可能なので、関係者からは「金にならなくても40年投資する準備できているか」と言われていたんだぜ。


レイム
要するに、日本も常に技術革新を続けているから、仮に数年かけて「今の技術で作れるようになった」としても、その間に日本はその先にいるから、1年や2年ではどうすることもできないと言われていたのよね。


マリサ
そう、だから韓国は「20年失敗し続けた」のに、ここ1、2年で「どうにかなる」わけがないんだぜ。
そのうえで次の記事を見てくれ

日本の輸出規制2年 3品目の対日輸入額ほぼ変わらず=韓国経済団体
聯合ニュース 2021.10.05
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20211005002600882

【ソウル聯合ニュース】韓国経済団体の全国経済人連合会(全経連)は5日、日本政府が2019年7月に半導体などの製造に必要なフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジスト(感光材、フォトレジスト)の3品目の対韓輸出規制を強化して以降の2年間における規制品目の輸入動向、韓日間の貿易額の変化などを分析した資料を公表した。両国間の貿易額は輸出規制以前に比べ減少した一方、韓国の同3品目の対日輸入総額には大きな変化がなかった。

全経連によると、これら3品目の日本からの輸入総額は19年下半期~21年上半期が7億2460万ドル(約800億円)と、輸出規制以前の17年下半期~19年上半期に比べ0.67%の減少にとどまった。

 また、同3品目の対日輸入依存度は規制前の75.9%から規制後には74.6%と1.3ポイント低下した。全経連は、政府と企業が日本の規制措置に迅速に対応し、日本政府も19年8月にレジストの輸出を2回許可するなど規制を緩和したことで、対日輸入構造に大きな変化が生じなかったと分析している。

 輸出規制以降の2年間の韓日間の貿易額は、新型コロナウイルスの流行も重なり9.8%減少した。同期間、世界からの部品・素材の輸入額は0.23%増加したが、このうち日本からの輸入額は4.1%減となった。

 日本企業の対韓直接投資は19年下半期~21年上半期が15億7000万ドルで、輸出規制以前の17年下半期~19年上半期に比べ28.5%減少した。

 一方、韓国企業の対日直接投資は同期間に24.4%増となった。SKハイニックスをはじめとする韓米日連合による東芝半導体モリー子会社の買収が17年11月に決定して以降、これに関連した投資が続いた。

 全経連は「米中の覇権争いの中で韓日が未来志向の経済関係を構築していけるよう、人的交流を再開し、ESG(環境・社会・企業統治)分野の協力を強めていく必要がある」とし、「日本の新政権発足を機に、実効性を失った輸出規制を正式な交渉により終了させるべきだ」と指摘した。

マリサ
2021年10月の韓国聯合ニュースの記事なんだが、フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの3品目について、「韓国の同3品目の対日輸入総額には大きな変化がなかった」「対日輸入構造に大きな変化が生じなかった」と書かれているぜ。


レイム
まあ要するに、実態としては朝日や毎日や東洋経済の言うような「日本企業の損失」は出ていなかったわけね。
でも記事では「同期間、世界からの部品・素材の輸入額は0.23%増加したが、このうち日本からの輸入額は4.1%減となった」と書かれているわよ。


マリサ
それについてはこちらを見てくれ

素材・部品・装置の「独立宣言」から2年、韓国の対日依存度は深まっていた
朝鮮日報 2022/02/13
https://web.archive.org/web/20220213083653/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/02/11/2022021180053.html

日本が半導体・ディスプレーの重要材料3種類の韓国への輸出規制を強化する経済報復を下したのは2019年7月。当時韓国政府は「素材・部品・装置」分野での日本からの「自立」を宣言し、大規模な技術開発支援、関連企業育成策を発表した。それから2年が経過した昨年7月、文在寅ムン・ジェイン)大統領は素材・部品・装置分野の自立に関する成果報告大会を開き、「日本の奇襲攻撃に対抗し、素材・部品・装置の自立を達成した」と宣言した。

 しかし、本紙が最近4年間の韓国政府の貿易統計を分析した結果、昨年日本から輸入した素材・部品・装置は貿易紛争以前の18年よりもむしろ増加したことが分かった。18年の日本からの素材・部品・装置の輸入額は381億ドルで、19年には日本による経済報復措置で329億ドルに落ち込んだが、20年には340億ドルに増加。昨年は395億ドルに達した。

 素材・部品・装置の輸入全体に日本が占める割合は18年の18.3%から昨年の15.9%へとやや低下した。しかし、それは昨年の半導体景気が異例の好調で、素材・部品・装置の輸入全体が前年に比べ20%も増えた影響が大きい。韓国の素材・装置業界からも「日本のメーカーが韓国や第三国に設けた工場を通じ、韓国に輸出を行うう回ルートを選び、見かけ上対日輸入統計から漏れた」と指摘した。実際に19年に日本が経済制裁を発動した半導体重要素材3種の対日依存度は依然として絶対的だ。

 韓国半導体ディスプレー技術学会長を務める朴在勤(パク・チェグン)漢陽大教授は「韓国国内の素材・部品・装置技術と企業を育成しなければならないという前提は正しいが、技術大国を相手に短期間で成果を上げることは事実上不可能な話だ。特定国を排除する方式ではなく、合弁会社、投資誘致など現実的な代案を模索すべきだ」と指摘した。

イム・ギョンオプ記者

マリサ
まずこちらの朝鮮日報の2022年2月の記事を読むと、「最近4年間の韓国政府の貿易統計を分析した結果、昨年日本から輸入した素材・部品・装置は貿易紛争以前の18年よりもむしろ増加したことが分かった」と書かれているぜ。


マリサ
そして更に「素材・部品・装置の輸入全体に日本が占める割合は18年の18.3%から昨年の15.9%へとやや低下した。しかし、それは昨年の半導体景気が異例の好調で、素材・部品・装置の輸入全体が前年に比べ20%も増えた影響が大きい」と、下落は単に景気の問題でしかなかったことが書かれているな。
そして「技術大国を相手に短期間で成果を上げることは事実上不可能な話だ」と〆られているな。


レイム
まあ要するに、「当初言われていた国産化が不可能な理由通りになった」というわけね。


マリサ
そして次の記事を読むと

サムスン半導体もLGバッテリーも…日本製の素材・装置がなければ生産ストップ
朝鮮日報 2022/02/13
https://web.archive.org/web/20220213005644/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/02/11/2022021180054.html

韓国最大手の電池メーカーであるLGエナジーソリューションは、液体化学物質である電池を安定的に包む重要素材である「アルミニウムパウチフィルム」を日本の大日本印刷昭和電工から輸入している。2019年に日本が半導体・ディスプレーの重要素材3種類について、韓国に対する輸出規制を実施すると、LGも速やかに代替供給元の確保に乗り出した。同社関係者は「国内と中国メーカーに接触し、製品テストを実施し、納品を受けるために各方面に問い合わせた」と話した。

 しかし、LGは現在も世界市場の70%を掌握する日本企業2社の製品を使用している。複数のパウチフィルムをテストしたが、価格と性能のいずれも基準を満たさず、量産は到底不可能との判断を下したからだ。それ以外にも二次電池の電極を安定させる正極・負極バインダー、電解液添加剤、銅箔製造設備など日本に絶対的に依存する製品が依然として多い。韓国自動車研究院のイ・ハング研究委員は「国内企業が国産化に取り組んでいるが、ノーベル化学賞の受賞者を何度も輩出した日本が重要な技術の特許を相当数掌握している状況だ」と話した。日本の技術特許を避けながら、素材・部品・装置の国産化を進めるのは口で言うほど容易ではないのだ。

■韓国政府「海外の代替サプライチェーン発掘」…調べてみると日系

 19年の日本の輸出規制品目の一つである「フォトレジスト」は、対日輸入依存度が18年の93.2%から昨年には79.5%に低下した。代替供給元として確保したベルギーからの輸入額を10倍以上増やしたからだ。昨年ベルギーからの輸入は15.8%を占めた。韓国政府は「日本への依存度を抑えた成果だ」と発表した。しかし、これについて、日本経済新聞は韓国がベルギーから輸入したフォトレジストは日本のJSRのベルギー工場で製造されたものであり、欺瞞的な数値発表だと報じた。製造国が変わっただけで、依然として日本企業の製品だからだ。

 同様に規制対象だった高純度フッ化水素はソウルブレーン、ENFテクノロジーなど一部韓国企業が国産化に成功した。技術力を確保して量産に入ったが、それでも日本の影から逃れることはできない。高純度フッ化水素を生産するための原料需給から製造に至るまで全ての関連企業が日本の化学メーカーとの合弁だからだ。ソウルブレーンは日本のステラケミファ、丸善油化商事と合弁で設立したフェクトから原料供給を受け、ENFテクノロジーの高純度フッ化水素生産系列会社であるフェムテクノロジーは日本の森田化学工業(32%出資)などとの合弁だ。

■素材のみならず半導体設備も対日依存

 半導体世界最大手のサムスン電子も日本の設備がなければ工程に大きな支障が出る。例えば、超微細製造プロセスであるナノ(1ナノメートルは頭髪の太さの10万分の1)単位の半導体工程に必須の極端紫外線(EUV)検査設備は日本のレーザーテックが世界で唯一生産している。レーザーテックの最大の輸出先も韓国だ。このほか、東京エレクトロン荏原製作所など半導体特殊工程に必要な設備を専門的に生産する日本企業が多い。半導体業界関係者は「サムスン電子の担当者と半導体設備サプライチェーンのリスクについて話したが、『日本の設備メーカーからの100%独立は現時点で不可能だ』との答えが返ってきた」と語る。

 対外経済政策研究院の調査によると、半導体用レーザー切断機は最近2年連続で全量を日本から輸入。フォトレジスト塗布・現像機、半導体ウエハーエッチングなどのための噴射機、ウエハーを個別のチップに切断する機器などは日本からの輸入割合が90%を超える。同院のチョン・ヒョンゴン上級研究委員は「2020年に半導体製造設備の輸入品目を全数調査した結果、22品目で対日輸入依存度が70%を超えた。日本が設備分野でも輸出規制を実施すれば、大打撃は避けられない」と指摘した。

イム・ギョンオプ記者

マリサ
日本依存が変わっていない理由として、たとえば大手LGエナジーソリューションの場合、代用品を探そうとしたが「価格と性能のいずれも基準を満たさず、量産は到底不可能との判断を下した」と書かれているな。


マリサ
そしてそもそも「一部国産化」というのも「高純度フッ化水素を生産するための原料需給から製造に至るまで全ての関連企業が日本の化学メーカーとの合弁」という事で、要するに技術と特許の問題解決のために、「日本企業に助けてもらった」というだけなんだぜ。


レイム
つまり、毎日や東洋経済や朝日のいう「韓国は国産化成功した」というのは、「ガワだけ韓国で中身は日本製」という事ね。
でも、日本企業の誘致を成功させたなら、ある意味この3社の主張もそこまで間違いではないのでは?


マリサ
それに関してもな、2012年に韓国のヒューブグローバルという会社の化学工場でフッ化水素の流出事故があり、5人が死亡し18人が重傷を負い、付近の住民4195人が不調を訴え診察を受け、家畜への被害2738頭、腐食した自動車516台、農地被害135ヘクタールという大惨事が起きたんだぜ。


レイム
ああ、そういえばそんなことあったわね。


マリサ
結果、李明博政権が行っていた日本の化学工場誘致も頓挫、今回の事例での日韓合弁会社というのは、この時中断した事業が再開されたというだけで、「日本が規制をしたから工場が移った」わけではなく、単に元々あった事業が再開されたというだけなんだぜ。


レイム
つまり、別に2019年に日本が輸出優遇措置の解除をしなくとも、「元々そういう話があった」というわけね。


マリサ
そういう背景があるのに、文政権が自分達のミスを誤魔化すために「日本の輸出規制で国産化が進んだ、安倍に感謝する」とか言いだし、しかもちょっと調べればそんなのは単なる外華内貧でしかないのに、複数の日本のメディアがこのプロパガンダに無批判に同調したというわけだ。


レイム
外華内貧に関しては、動画説明欄に関連動画を貼っておくので、そちらを見てね。
まあ、漢字から意味はなんとなくわかるだろうけど。


マスコミの引き起こしたこと


マリサ
それでな、問題は単にこれだけでは済まされないんだぜ。
次にこれを見てくれ

「日本製を排除しようとして対中依存度上昇…サプライチェーン多角化せよ」
朝鮮日報 2022/02/13
https://web.archive.org/web/20220213082648/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/02/11/2022021180056.html

専門家は反日感情に便乗した素材・部品・装置の国産化が逆に世界の原材料市場を掌握している中国に対する依存度を高めかねないと懸念している。専門家は「特定国を排除するのではなく、世界のサプライチェーン多角化する方向でアプローチすべきだ」とアドバイスする。特に半導体・バッテリー素材の場合、既に中国への依存度が高く、米中貿易紛争による不確実性にも格別の備えが求められる。

 韓国半導体産業協会のアン・ギヒョン専務は「素材分野の国産化とは結局、日本に向かっていた中国製原材料を韓国が直接輸入して生産することだ。中国への依存度が高まるのは避けられないため、グローバルサプライチェーンの多角化を同時に推進すべきだ」と指摘した。韓国関税庁によると、半導体製造プロセスで不純物を除去するために必須のフッ化水素は日本からの輸入割合が2018年時点の41.9%から昨年(1-11月)は13.6%に低下した。しかし、中国からの輸入割合が同じ期間に17.7ポイント上昇した。工程で使われる高純度フッ化水素酸を日本から購入する代わりに、中間財であるフッ化水素を中国から輸入し、韓国国内で加工する割合が高まったためだ。

 対外経済政策研究院のチョン・ヒョンゴン上級研究委員も「半導体が国家安全保障と技術覇権のための国家資産になっている状況だ。米国の友好国中心のサプライチェーン再編政策に積極的に対応しながら、中長期的には対中依存度を下げていくべきだ」と主張した。

 特定国を排除する素材・部品・装置の国産化は得られるものよりも失うものの方が多いとの指摘もある。韓国が日米から素材、装置を輸入し、半導体・ディスプレーなど重要部品を作り、中国やベトナムでテレビなどの完成品を生産する国際分業体制に下手に手を付ければ、大きな損害を受けかねないからだ。

チャン・ヒョンテ記者

マリサ
韓国で「素材分野の国産化とは結局、日本に向かっていた中国製原材料を韓国が直接輸入して生産することだ。中国への依存度が高まるのは避けられないため、グローバルサプライチェーンの多角化を同時に推進すべきだ」「フッ化水素は日本からの輸入割合が2018年時点の41.9%から昨年(1-11月)は13.6%に低下した。しかし、中国からの輸入割合が同じ期間に17.7ポイント上昇した」という声が出ているんだぜ。


マリサ
要するに韓国は、技術水準の高い製品の代替は不可能だから、水準の低い製品を中国にシフトさせて、それで「数字の上での対日輸出依存度を減らす」という誤魔化しをしたわけだ。


レイム
結果、実際にTHAADミサイル(戦域高高度防衛ミサイル)配備を理由に、「韓国への経済制裁」を行い、ロッテや現代やサムスンに大被害を与えた中国への依存度を深めてしまったと。


マリサ
要するに、「ルールを守れないから優遇措置を解除します」としただけの日本に「不当な輸出規制だ」と反発し、実際に軍事的な動機で「経済制裁」をしてきた中国には何も言わず、それどころか表向き「日本に勝った」かのように見せかけるためだけに依存度を増やしたと。


レイム
そして毎日や東洋経済や朝日は、韓国のこの動きを「煽った」というわけね。


マリサ
次に、この件に関してだけの事じゃないが、こういう態度に対してよく「読者がそういう論調を望んでいるから書いている」と、実質容認するような擁護を見かけるよな。


レイム
つまり、「そういう需要があるからデマも容認される」という態度よね。


マリサ
そのうえで次の記事を見てくれ

「ワクチンは危険」陰謀論を唱えて稼ぐまとめサイト運営者の不埒な言い分
NEWSポストセブン 2022.01.30
https://www.news-postseven.com/archives/20220130_1722972.html?DETAIL

アフィリエイトブログは言われるほど儲からない。情報商材ビジネスを喧伝する人たちに誘われて副収入を得ようとしたものの、教材代金で赤字となるのがかつては普通だった。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大によって世の中に広がる不安を利して稼ぐ不埒な輩がいる。ライターの森鷹久氏が、ブログをマイナーチェンジしたことで安定した高収益を確保できていると嘯く、まとめサイト運営者に話を聞いた。

 * * *
 ネット上に拡散された新型コロナウイルスに関するデマや偽情報、いわゆる「陰謀論」と呼ばれる類の情報は極めて限定された数アカウントがその「発信源」となっている。そんな報告が、日米の研究者や識者の分析から明らかになっているが、こうした実情を逆手に取り、金儲けに勤しむ人々が存在する。

 筆者は以前、とある「右派系まとめサイト」の匿名管理人を割り出し、電話取材して記事にしたことがある。管理人は北関東在住の30代男性・武田雄二さん。農家兼コンビニ経営という立場だったが、将来への不安などからネット上で販売されていた「情報商材」を購入し、その商材通りに「まとめサイト」を運営していたのだった。

 取材や執筆の経験もない武田さんは「金稼ぎ」を目的に、適当な知見で集めたネット上の真偽不明の情報や書き込みをまとめて記事にし、ある程度の利益を上げている、とのことだった。そして、一番儲かるのが「右派向け」のまとめサイトであり、他に「左派向け」のまとめサイトも運営している実態を明かしていた。

 取材に対し、一貫して悪びれたり、謝罪することはなく「あくまで金儲けのため」と言い張っていた武田さんだが、実は今「陰謀論」に特化したまとめサイトを運営している。

陰謀論まとめが一番コスパがいいですね。右派左派向けのように、政治的な整合性を気にする必要もないし、感染者が増えれば増えるほどPV(ページビュー)が上がる。一昨年の秋頃から初めて、過去最高の利益が出ている」(武田さん)

 コスパがよいという意味であれば、右派左派向けのまとめサイト運営においても、似たようなことを言っていた。それを上回るというのか。

https://www.news-postseven.com/archives/20220130_1722972.html/2

今は安倍より反ワクチンがPVを稼ぐ

 そもそも、右派向け、そして左派向けといったまとめサイト運営について、記事を公開しているだけで賛成の人も反対の人も、どちらもがまとめサイトを訪れる、と話していた武田さん。たとえば、左派向けの論調とされる「朝日新聞」を、右派を自認する人がわざわざ買ってまで読むことはないし、逆に右派向けとされる「産経新聞」を、左派を自認する人が買うことも極めて稀であろう。ところが、これが有料の紙面ではなく、無料で読めるネット記事であれば話が違ってくる。

 無料で読めるのだから「敵状視察」も簡単、とばかりに、右派の人が朝日新聞のウェブサイトを、そして左派の人が産経新聞のウェブサイトを訪れることも多くなる。まとめサイトも同様で、記事内容に賛成の人も反対の人も、結局はサイトを訪れるから、アクセス数は増え、収入も増えるという格好なのだ。そして陰謀論についても同様のことが言える、と武田さんは断言する。

「コロナは風邪、ワクチンは危ないと言った論調の記事は、記事内容に反対の人も賛成の人も見に来る。うちのサイトをデタラメのサイトだ、と指摘してくる人もいますが、そうした指摘によって炎上すれば、さらに見に来る人が増える。コロナ関連は政治ネタよりも身近に感じる人が多く、収益は右肩あがり。罪悪感? ないですよ。結局、誰かの意見をまとめているだけ。マスコミだってそうじゃないですか」(武田さん)

 実際に武田さんがどうやって記事を書いているのかといえば、政治ネタを扱っていた時と同様、他人がSNSやブログに上げた記事や書き込みをコピぺし、それらに対する肯定的なSNSの反応をいくつか転載してきてサイトに貼り付けるだけ。冒頭で紹介した通り、陰謀論の根源になり得る日本語圏向けのアカウントは少なく、転載元をあれこれ調べる手間もない。さらに左派向けと右派向けを分けてつくる必要もないので、随分と手間がかからずにコスパが良いというわけだ。

 コロナ情報まとめサイト向けにウォッチしているのは、コロナは単なる風邪だと主張する政治団体の代表や、ワクチンに否定的な医師などの医療従事者の投稿で、定期的な観測先は限られているそうだ。そして、燃えそう(炎上しそう)な書き込みがあればすぐさま記事作成に取り掛かる。

まとめサイトへの投稿は2~3日に一本程度と多くありませんが、PV数は増えています。政治ネタのまとめサイトは、安倍(晋三・元首相)が辞任して以降、アクセスは減りました。当時は『安倍』と書いていれば、右派の人も左派の人も見にきてくれました。今は安倍よりコロナは風邪、反ワクチンがPVを稼ぎます」(武田さん)

 武田さんの書いた記事をいくつか確認したが、いずれも根拠が薄い内容のものばかり。識者や専門家とされる人々の見解もちらほら散見されるが、やはり「コロナは風邪」そして「ワクチンは危険」というものばかり。そして、右派左派まとめブログが盛況だったときは論争が絶えなかったものだが、陰謀論まとめブログをめぐっても全く同様のことが起きている実態は、特に興味深い現象だ。

https://www.news-postseven.com/archives/20220130_1722972.html/3

たとえば、医学的な知識がゼロのユーザーが自身のSNS上で「ワクチンは危険」とSNS上で主張し、著書なども執筆している実在する医者のコメントを紹介する。このコメント文をよく読むと、危険であるという言葉には根拠がなく、さらに自著を販売したり、有料イベント、有料サロンなどの会員を獲得するための「宣伝行為」に他ならないと容易に類推できる。ところが、ハナから「ワクチンは危険なものだ」という前提で閲覧する人々にとっては、自身のぼんやりとした不安を補強する形で「やっぱり危険なんだ」と感じる衝撃は大きく、SNS上でも反響のリプライが多数、つけられる。

 厄介なのはこの先だ。危険であることにばかり注目する人によるSNSへの投稿は、同調した人たちによって形成された一連のリプライ、また元コメントを発信した医者によって「こんなに賛同を得ている」などと紹介されさらに拡散される。すると「このように多くの人に肯定されている」ことがクローズアップされ、真偽の程を確認することよりも、賛同者が多い(ように見えることによって)、真実らしいと受け止める人が増える。Twitterでは、一つのツイートに対して返信ができるアカウントを制限する機能を、近年になって実装した。これは、特に有名人ユーザーなどに罵詈雑言が寄せられるなどのケースが相次いだり、多くのユーザーが不快と感じるシーンが増えたことに対する処置ではあろうが「肯定」しかない空間が生み出されるようなことになれば、どうなるのだろうか。

「嘘も100回いえば真実になる」とはナチス・ドイツプロパガンダを担当したゲッベルスの言葉だと言われているが、それを目の前で見せられているようなものだ。嘘や真偽不明の情報であっても、その内容を肯定する人々達の間でのみ「ワクチンは危険」という答えありきの議論(のようなもの)が展開され、いつしか「事実」として認定される。
無責任な人が増えるほど、陰謀論は伸びる

「フィルターバブル」とか「エコーチェンバー現象」とメディアでも盛んに言われるようになったが、それは知りたいものしか知りたくない、自分の願望に沿った見解だけが欲しい、そんな人々が増えているという時代の背景に他ならない。それが陰謀論であっても望みの内容であれば積極的に受け取る行動をとるため、テーマにした「まとめサイト」を多くのネットユーザーが訪れている、ということなのだ。だから、武田さんの懐も温まる一方だ。

陰謀論系の本もかなり売れているみたいで、ネット通販サイトのリンクを貼っていれば、それだけで幾らかアフィリエイト収入も入ってくる。あの手の本は書店にはあまり置かれていないですからね」(武田さん)

 コロナ禍の初期に「陰謀論」系の書籍が書店に平積みされているところを筆者は何度も確認をしている。多くの国民がコロナに対する危機感を抱いていて、書店員もそれなりの売れ行きがあることを認めていたが、最近は書店側もさすがに看過できないのか、陰謀論系の書籍を扱わないか、置いていても書棚の隅にコッソリ、というパターンもあるという。なにより、陰謀論系の書籍は読者にとっても実在の書店で買い求めるのは抵抗があるのか、ネットで購入されるのが常、と話していたことを思い出す。

そういえば、収入はどうなっているのか。

「以前よりは収益が出ていますよ。似たような傾向のサイトをいくつか持っていればいいだけなので。一定の期間分析して、ある程度の傾向がわかったところでサイトをオープンさせて、また分析しての繰り返しです」(武田さん)

 武田さんは、以前取材した時よりも落ち着いているようにも感じられた。当時は、決して悪びれる様子は見せなかったが、正体を暴こうとする筆者に対して攻撃的だった。今の武田さんにはそれがない。淡々と「仕事」をこなしている、そんな雰囲気さえある。農家兼コンビニ経営という立場だったが、今ではコンビニ経営は家族に任せ「陰謀論まとめサイト」運営が事業として成立してしまっているのかもしれない。

 武田さんは、政治向け、そして陰謀論まとめサイトの運営を通して、次のようなことを感じていると話す。

「政治ネタでもコロナネタでも、政治家やマスコミ、公務員や先生など、責任があるゆえになかなか物事を決められない人たちを、無責任な人々が攻撃する、というパターンがは変わらないどころか、エスカレートしていってます。そうした人たちによる争いをみた人たちが、心の中でどう思ってるか、どう思いたいかということを考えれば、人が注目するポイントがわかる気がしている。無責任な人、言説が増えるほど、陰謀論ネタが伸びているんですから」(武田さん)

https://www.news-postseven.com/archives/20220130_1722972.html/4

有責任者に対する無責任者の執拗な攻撃、思い込みに端を発するエビデンスなき反論、こうした醜悪な実態を拡大している勢力の一端に、武田さんの陰謀論まとめブログはある。コスパがよい副業としてよい思いをさせてもらっていると言いながら、金を儲けさせてもらっているはずのネットユーザーに対しての武田さんの見方は冷酷だ。

「世の中が分断されているって言いますけど、自分の頭で物事を考えるか、そうでないかの差だと思いますよ。私がやっていることは犯罪でもないし、世の中で起きていることをただまとめているだけ。何度も言いますけど、オタクらマスコミだって同じことをやって金を儲けているわけで、僕らだけが悪者にされちゃたまんないですよ。そういえば、あなた(筆者)もどこからか金をもらって書いてることないんですか? テレビも新聞も絶対やってる、そっちを書かないって卑怯ですよ」(武田さん)

 公正な報道などどこにもなく、どの記事も一部の利害関係者から報酬をもらって偏ったものを報じているのではないかという、あまりにも極端な言い分だ。その勝手な言い分はいったん置いておいておくが、陰謀論まとめブログというのは火事場泥棒が火をつけ回って大騒ぎしているようなものではないか、そう筆者が指摘すると、武田さんはそれ以上喋ることはなかった。

「オミクロン株」を巡って、単なる風邪だとか依然として危険であるとか、世論はまた二分化されつつある。しばらくは、武田さんのような人々にとって「濡れ手で粟」の状態が続くのか。

マリサ
ワクチン陰謀論系のまとめブログの管理人に週刊ポストがインタビューをした記事なんだが、この人は「情報商材」を購入してその通りに「右派向け」「左派向け」のアフィリエイトブログを運営していて、最近はワクチン陰謀論系の内容が「どちらにもウケがいい」から扱っているそうだぜ。


マリサ
そして陰謀論系のデマを流し続けているそうだが、「「世の中が分断されているって言いますけど、自分の頭で物事を考えるか、そうでないかの差だと思いますよ。私がやっていることは犯罪でもないし、世の中で起きていることをただまとめているだけ。何度も言いますけど、オタクらマスコミだって同じことをやって金を儲けているわけで、僕らだけが悪者にされちゃたまんないですよ。」と、需要があるからやっているんだ、マスコミもやっているだろと居直っているぜ。


レイム
まあ、この人の言い分はただの居直りだとしても、今回の事例を見る限り、「動機に違いなんてない」わよね。
実際問題業界が「そういう需要があるからデマを報じる」という状況を容認した結果が今回の事例なのだし。


マリサ
そういう事になるぜ。

今回のまとめ

・日本のいくつかのメディアは「日本の輸出規制で日本企業にダ
メージ」とデマ報道
・実態は「日本依存はまるで変わっていなかった」
・マスコミのやっている事は悪質まとめブログと動機において同質


レイム
まあ要するに、日本のいくつかのマスコミは、いわゆる「悪質アフィブログ」と同様の動機でデマ報道を行い、韓国政府の小手先の誤魔化しで対中依存度を上げる行為を助長したって事ね。


マリサ
もっといえば、日本の輸出優遇解除措置を「歴史問題を理由とした輸出規制だ」と煽ったメディアはどこも同類だぜ。
ロイターとかニューヨークタイムスとか、ブルームバーグとかワシントンポストとかCNNとかも同様の報道をしていたよな。


マリサ
こういう所も含め、中国の外交カード強化の手助けをしたも同じって事だぜ。
悪質アフィブログと同レベルの行いでな。


レイム
たしかに、この一連の事例で「輸出規制」の要素なんて本来どこにもないしね。


マリサ
そのうえ、こういう行為に一切批判をしなかった他のマスコミも問題からは逃れられないぜ。


レイム
そうね、「悪質アフィブログモドキ」を放置して黙認していたって事だし。


マリサ
というかな、韓国はただでさえ対中依存度が高くて中国に逆らえなかったから、本来ならば依存度を減らさないといけなかったのに、この件でむしろ「増やした」わけだからな。
こんなことが積み重なっていったら、20年後、30年後に韓国が第二のウクライナになることだって十分にあり得るんだぜ。


レイム
まあマスコミの体質じゃ無理だろうけど、せめて「自分達がしたことが何をもたらしたか」を少しは自覚してほしいわよね。


マリサ
これまでの事例から見ても、それはまず無理だろうな。
そういう人たちの集まりがあの業界なのだし。
そんなわけで今回の本編はここで終わるぜ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~


大口
さて、今回は尺もあまりないので短めなのを。


マリサ
いきなりなんだ?


大口
2人とも「擬態」とか保護色って知ってるよね。


レイム



マリサ
あとは蜂とかの危険な生物に擬態したり、わざとド派手な色にしていかにも「毒を持ってるぞ」とアピールするのもいるよな。


大口
そうそう。
それでね、実はそういう「派手な体で毒を持っている生物」に擬態する魚がいるんですよ。


レイム
魚で?虫とかではなくて?


大口
日本でも沖縄とかでよく見かけるマンジュウダイ科のアカククリっていう魚なんだけど、見ての通り大人はまあいかにも熱帯にいそうな普通の魚なのね。


f:id:oogchib:20220226233907j:plain


大口
でも幼魚はこんななんだよ。


f:id:oogchib:20220226233920j:plain
f:id:oogchib:20220226233930j:plain


マリサ
なんだこりゃ。


レイム
でもかなりきれいな魚じゃない?


大口
まあ人間から見た見た目はそうだね。
でもこの形って、どうも猛毒のテトロドトキシンをもつ「ヒラムシ」っていう無脊椎動物に擬態しているようなんだよ。


f:id:oogchib:20220226233953j:plain


マリサ
これはこれでなんかかっこいいな。


レイム
見た目的に人を選びそうだけどね。


大口
ちなみに、このアカククリと同科のツバメウオの仲間の幼魚は、こんな感じの保護色なんだよ。


f:id:oogchib:20220226234008j:plain
f:id:oogchib:20220226234020j:plain


マリサ
要するにアカククリだけヒラムシに擬態しているってことか。


レイム
同じ科なのにここまで違うのはなかなか面白いわね。


マリサ
そんなわけで今回はここで終わるぜ。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~



お知らせ。
転載について
・個人の利用であれば、一般的に「引用」とされる範囲での転載は自由にしてもらってかまいません、報告も必要ありません。
・企業・団体等が「転載」する場合は私の方へ事前連絡いただき、許可を取ってから行ってください。
イデオロギー色の強い団体等に関しては、理由の如何に関わらず「転載は原則禁止」とさせていただきます。

もしよかったらクリックをお願いします。
blog.with2.net

以下は当ブロマガのお勧め記事です、もしよかったらこちらもどうぞ。

oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp
oogchib.hateblo.jp


動画版マイリスト



番外編マイリスト