日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

【ゆっくり解説】産経新聞の問題報道

さて、本日は一連の韓国に対する輸出優遇解除の件に関連し、産経から出てきた問題報道について扱っていきます。


本日の投稿動画
www.nicovideo.jp
youtu.be


関連動画
【ゆっくり解説】「事実」と「意見」 補足回 - ニコニコ動画
【ゆっくり解説】「事実」と「意見」 補足回 - YouTube

注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています

・「マスコミ問題」であり右派・左派等の陣営論争は本題ではありません

・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブログにあります

・毎週土曜日更新

お品書き

・問題の記事

・デマと判明

・以前の報道


※以下は動画のテキスト版です




レイム マリサ
ゆっくりしていってね


マリサ
さて、今回はマスコミ問題なので私が扱っていくぜ。


レイム
ところで、今回は珍しく産経新聞メインなのね。


マリサ
目立たないけどな、産経だって一応五人の四天王の一角なんだぜ。
「とばし最速」という異名もあるしな。


レイム
で、今回はその「とばし最速」さんが何かやらかしたって事でいいの?


マリサ
そうだぜ。
レイムもよく知っている、韓国に対する輸出優遇解除に関係して、今更「徴用工問題への対抗措置」とか書いていたんだぜ。


レイム
ああ、あれね。


マリサ
意図的なのかそう思い込んでいるだけなのかは知らんが、書き方が露骨に誤解を招く表現になっているのも問題というかなりひどい記事だったぜ。


レイム
まあ、あの業界ではよくある事よね。


マリサ
そんなわけでそろそろ本編へ行くぜ。


問題の記事


マリサ
じゃあ、さっそくだが問題になった産経の記事を見てほしいぜ。

<独自>韓国の「ホワイト国」復帰検討、徴用工見極め判断
産経新聞 2023/1/28
https://www.sankei.com/article/20230128-NS3E6LDMY5M63NJS4NSAB54N3I/

政府は、韓国を輸出管理で優遇する「ホワイト国(優遇対象国)」に再指定し、対韓輸出管理を緩和する方向で検討していることが分かった。日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が関係改善を模索していることを踏まえた。いわゆる徴用工訴訟問題を巡る韓国の解決策も見極めた上で、再指定の可否を慎重に判断する。複数の政府関係者が27日、明らかにした。

対韓輸出管理を巡っては、当時の安倍晋三政権が令和元年8月、徴用工問題をめぐり文在寅ムン・ジェイン)政権が具体的な対応を示さないことへの事実上の対抗措置として韓国をホワイト国から除外。半導体材料3品目の輸出管理も厳格化した。韓国は輸出管理措置の解除を求めてきたが、日本は韓国の輸出管理体制の不備などを理由に応じてこなかった。

しかし、昨年5月に発足した尹政権は、徴用工問題解決に向けた具体的な検討に着手するなど日本との関係改善に取り組んできた。韓国側がホワイト国への復帰を日本に求めてきた経緯もあり、政府は輸出管理緩和に向けた検討を始めた。

一方、徴用工問題の解決策を巡っては、韓国外務省が今月12日の公開討論会で、日本企業の賠償支払いを韓国の財団が肩代わりする案を公表。原告側が要求してきた日本企業による謝罪や財団への資金拠出などは条件として明示しなかった。この解決案には原告側が反発の声を強め、16日の日韓局長協議で韓国側は国内の情勢を伝えた上で、日本の「誠意ある呼応」が必要との考えを示した。

日本側に韓国世論への理解を求める形だが、日本は昭和40(1965)年の日韓請求権協定で徴用工問題は解決済みとの立場だ。30日にはソウルで日韓局長協議が開かれる予定で、日本側は改めてこうした考えを伝える見通しだ。

ホワイト国 日本企業が軍事転用可能な先端材料や電子部品を輸出する際、手続きの簡略化など安全保障上の輸出管理において日本政府が優遇措置を取っている国。現在は輸出管理上の国別カテゴリーをA~Dの4グループに分類し、ホワイト国にあたるグループAは米国や英国など26カ国。韓国は南アフリカバルト三国が含まれるグループBに分類されている。

マリサ
記事では「政府は、韓国を輸出管理で優遇する「ホワイト国(優遇対象国)」に再指定し、対韓輸出管理を緩和する方向で検討していることが分かった」「いわゆる徴用工訴訟問題を巡る韓国の解決策も見極めた上で、再指定の可否を慎重に判断する」と書かれているぜ。


マリサ
そして次に「徴用工問題をめぐり文在寅ムン・ジェイン)政権が具体的な対応を示さないことへの事実上の対抗措置として韓国をホワイト国から除外」「半導体材料3品目の輸出管理も厳格化した。韓国は輸出管理措置の解除を求めてきたが、日本は韓国の輸出管理体制の不備などを理由に応じてこなかった」と書かれているな。


レイム
この記事って、日本は徴用工問題対抗措置として韓国の優遇対象国を解除して、「輸出管理体制の不備」を口実にしたが、尹政権が前向きな態度を取ったので優遇措置の再認定を検討しだしたと読めるわね。


マリサ
記事だとそう読めるんだよな。
で、そうなると問題なのが、兵器転用可能な物資がテロリストやテロ支援国家に渡らないようにするための国際的取り決め「ワッセナー・アレンジメント」、この取り決めに法的根拠を持たせた「キャッチオール規制」と、政府の見解が矛盾することになる事なんだよな。


レイム
そうなのよね。
元々このキャッチオール規制というのは、兵器転用可能な物資を輸出する場合、原則的に「個別許可」が必要だが、『日本政府が提示した安全基準』を順守できた国のみ、特例として「数年ごとの包括許可」で輸出を許可するという制度なのよね。


マリサ
で、韓国はこの『日本政府が提示した安全基準』が満たせなくなっていて、2018年6月の定期対話で「安全基準が満たせているか」を確認しようとしたところ、韓国側が定期対話に出てこなくなって、1年後の2019年6月末で「優遇措置の期限が切れた」というのが実態なんだぜ。


レイム
そうなのよね。
なので、この産経の記事にあるように「徴用工問題への対抗措置」として優遇措置の解除を行い「(韓国側の要求に)輸出管理体制の不備などを理由に応じてこなかった」となると、「日本はキャッチオール規制を政治の道具としか見ていない」という事だから、ワッセナー・アレンジメントの合意に反することになってしまうのよね。


マリサ
そうなんだぜ。
しかもだ、韓国側は「日本側の提示している安全基準を満たせていなかった」事を認めていたのだから、余計に矛盾するんだぜ。


※同時掲載のブログに関連記事があります。

通常兵器及び関連汎用品・技術の輸出管理に関するワッセナー・アレンジメント
外務省 令和2年11月26日
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/arms/wa/index.html

補完的輸出規制(キャッチオール規制)
経済産業省 
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/anpo03.html

なぜ韓国は「ホワイト国」から外されるのか(時系列まとめ)
ITmedia 2019年07月16日
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1907/16/news102.html


韓国閣僚「日本が挙げた理由を全て解消」 輸出規制強化の撤回促す
聯合ニュース 2020.03.06
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200306001400882

【ソウル聯合ニュース】韓国の成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源部長官は6日、日本が韓国に対する輸出規制強化の理由として挙げた事項を全て解消したとし、日本に規制強化措置を撤回するよう促した。対外経済閣僚会議を兼ねた日本の輸出規制に関する関係閣僚会議の冒頭で発言した。

 日本政府は昨年7月に半導体・ディスプレー材料であるフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジスト(感光材)の3品目の韓国への輸出規制を強化し、同8月には輸出管理の優遇対象国「グループA(旧ホワイト国)」から韓国を除外した。日本側はその理由として▼両国間の政策対話が約3年間開かれておらず、信頼関係が損なわれたこと▼通常兵器に転用される可能性がある物資の輸出を管理するキャッチオール規制の法的根拠の不備▼輸出管理体制、人員の脆弱(ぜいじゃく)性――を挙げた。

 成氏は「この5カ月間、両国の輸出管理当局は課長級会議や局長級の政策対話などを通じて韓国の輸出管理に関する法規定、組織、人員、制度などについて十分に説明し、両国の輸出管理に対する理解を深めて十分な信頼を構築した」と説明した。

 また「韓国のキャッチオール規制は正常に作動しているが、これに対する法的根拠をより明確にし、輸出管理の実効性を高めるための対外貿易法改正案がきょう、国会本会議で成立する予定だ」と述べた。

 輸出管理体制、人員に関しては、昨年に産業通商資源部傘下の専門機関・戦略物資管理院の人員を14人(25%)増員した。同部の貿易安全保障に関する組織も「貿易安保課」から「局」単位の正規組織に拡大再編し、人員を拡充する計画だ。

 成氏は「日本政府に対し(対韓輸出規制強化を発表した)昨年7月1日以前の水準に戻すための措置を取ることを改めて促す」と述べ、「今後の輸出管理政策対話で実質的な進展と成果が導き出されるよう期待する」と強調した。


マリサ
で、産経からこんな矛盾した記事がでたものだから、「政府がこれまでの方針と矛盾する見解を発表した」と勘違いする人が続出したわけだ。


マリサ
しかも厄介なのが、この記事が出る数日前から

韓国外交部高官「徴用賠償の解決策が出れば韓国への輸出規制も解除されるだろう」
韓国外交部高官が明らかに
朝鮮日報 2023/01/17
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/01/17/2023011780018.html
https://web.archive.org/web/20230117010246/https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/01/17/2023011780018.html

韓国外交部(省に相当)の徐旻廷(ソ・ミンジョン)アジア太平洋局長は16日、東京で話し合われた日帝強占期強制動員被害者賠償問題の解決策と関連して、日本外務省の船越健裕アジア大洋州局長に「問題解決には日本政府による『誠意ある対応』が絶対に必要だ」と求めた。徐局長は船越局長に韓国政府が提示した「第三者代位弁済案」について説明した席でこのように述べた。徴用被害者に第三者である日帝強制動員被害者支援財団が日本の被告企業に代わって判決金をまず弁済すれば、それに応じた日本の対応が必要になるという意味だ。

 これについて韓国外交部のある幹部は会談後のブリーフィングで「日本側に韓国国内の世論がいかに厳しいものかを伝え、日本側による『誠意ある対応』がなければ簡単ではないことを強調した」と明らかにした。さらに「現時点で両国には認識の差がある。日本側の誠意ある対応が保証された後に韓国が最終的な解決策を発表するので、現時点では(政府による公式的な解決策の)発表時期を予測することはできない」「徴用問題の解決が発表されれば、日本による韓国への輸出規制も解除されるだろう」などと述べた。

 日本は2019年から韓国に対して半導体素材などの輸出を規制しているが、これが徴用被害者賠償判決への報復だったため、順番として解除も進められると初めて明らかにしたのだ。日本は2019年7月の参議院選挙を前に、当時の安倍首相の指示で韓国に対する半導体素材などの輸出が突然規制された。韓日両国は最近もさまざまなレベルの対話を通じ、両国間の問題解決を包括的に進めることで一致しているという。

 日本側は韓国政府が進める解決策について、被告の企業が賠償する形ではなく徴用被害者と韓国社会への寄付の形で資金を拠出する方策を検討しているという。ある消息筋は「日本側は尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が文在寅ムン・ジェイン)前大統領とは違って反日感情を利用せず、韓日関係改善に向け努力していることを高く評価している」「日本政府と自民党、被告企業の一部からは未来の世代のため奨学金の形で寄付する方策も検討しているようだ」と伝えた。また日本政府レベルで歴史について謝罪した村山談話などを継承する水位の意見表明も内部で検討されているという。しかし自民党強硬派の間からは今なお「いかなる形であれ謝罪や金銭的な関与はあってはならない」という主張が大勢を占めており、最終的に結論が出るまでなお駆け引きは続きそうだ。

東京=成好哲(ソン・ホチョル)特派員

マリサ
韓国政府の外交部高官が「徴用問題の解決が発表されれば、日本による韓国への輸出規制も解除されるだろう」とか言っていたものだから、「日本政府が韓国政府の言い分に沿った対応をした」かのように見えたわけだ。


レイム
まあ、タイミング的に産経の記事は「日本政府がそう言った」ように読めるしね。


デマと判明


マリサ
でもな、さっきの産経の記事を読むと、実は「政府見解」として書かれた部分と、「産経の感想」として書かれた部分、2つに分ける事が出来るんだぜ。

<独自>韓国の「ホワイト国」復帰検討、徴用工見極め判断
産経新聞 2023/1/28
https://www.sankei.com/article/20230128-NS3E6LDMY5M63NJS4NSAB54N3I/

政府は、韓国を輸出管理で優遇する「ホワイト国(優遇対象国)」に再指定し、対韓輸出管理を緩和する方向で検討していることが分かった。日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が関係改善を模索していることを踏まえた。いわゆる徴用工訴訟問題を巡る韓国の解決策も見極めた上で、再指定の可否を慎重に判断する。複数の政府関係者が27日、明らかにした。

対韓輸出管理を巡っては、当時の安倍晋三政権が令和元年8月、徴用工問題をめぐり文在寅ムン・ジェイン)政権が具体的な対応を示さないことへの事実上の対抗措置として韓国をホワイト国から除外。半導体材料3品目の輸出管理も厳格化した。韓国は輸出管理措置の解除を求めてきたが、日本は韓国の輸出管理体制の不備などを理由に応じてこなかった。

しかし、昨年5月に発足した尹政権は、徴用工問題解決に向けた具体的な検討に着手するなど日本との関係改善に取り組んできた。韓国側がホワイト国への復帰を日本に求めてきた経緯もあり、政府は輸出管理緩和に向けた検討を始めた。

一方、徴用工問題の解決策を巡っては、韓国外務省が今月12日の公開討論会で、日本企業の賠償支払いを韓国の財団が肩代わりする案を公表。原告側が要求してきた日本企業による謝罪や財団への資金拠出などは条件として明示しなかった。この解決案には原告側が反発の声を強め、16日の日韓局長協議で韓国側は国内の情勢を伝えた上で、日本の「誠意ある呼応」が必要との考えを示した。

日本側に韓国世論への理解を求める形だが、日本は昭和40(1965)年の日韓請求権協定で徴用工問題は解決済みとの立場だ。30日にはソウルで日韓局長協議が開かれる予定で、日本側は改めてこうした考えを伝える見通しだ。

ホワイト国 日本企業が軍事転用可能な先端材料や電子部品を輸出する際、手続きの簡略化など安全保障上の輸出管理において日本政府が優遇措置を取っている国。現在は輸出管理上の国別カテゴリーをA~Dの4グループに分類し、ホワイト国にあたるグループAは米国や英国など26カ国。韓国は南アフリカバルト三国が含まれるグループBに分類されている。

マリサ
記事をよく読んでみると、前半部分「韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が関係改善を模索していることを踏まえた。いわゆる徴用工訴訟問題を巡る韓国の解決策も見極めた上で、再指定の可否を慎重に判断する。」という部分までがこの記事での政府見解で、「事実上の対抗措置として韓国をホワイト国から除外」というのは、産経の意見でしかないんだぜ。


レイム
どういうこと?


マリサ
次に産経の記事から3日後の時事の記事を読んでほしいんだが

談話継承、対韓規制の緩和検討 政府、徴用工解決に合わせ
時事通信 2023年01月31日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023013000885&g=pol

日韓関係で最大の懸案になっている元徴用工問題に関し、韓国政府が日本側の受け入れ可能な解決策を最終的に決めた場合、政府が植民地支配に対する「反省とおわび」に触れた過去の政府談話を継承する立場を表明する案が出ていることが分かった。対韓輸出規制の緩和も検討する。政府関係者が30日、明らかにした。

原告以外の被害者の声聴取へ 徴用問題、「多様な意見」強調―韓国

 徴用工訴訟の原告側は被告の日本企業による「謝罪」や「資金拠出」を要求。韓国政府はこれを踏まえて日本側の「前向きな呼応」を促すとともに、韓国の財団が日本企業の賠償金を肩代わりする案を公表し、正式決定へ詰めの調整に入っている。
 日本政府は一貫して1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場。国が主導して謝罪や資金拠出に応じるのは困難だと伝えている。
 ただ、韓国側に一定の配慮を示す必要はあると判断。「痛切な反省」と「心からのおわび」を明記した95年の村山富市首相談話や、2015年に安倍晋三首相が発表した戦後70年談話を引き継ぐ姿勢を示す案が浮上した。
 反省やおわびに重ねて言及することには自民党内の反対論も予想されるため、慎重に進める。
 政府は併せて、輸出に当たって優遇措置を適用する対象国に韓国を再指定することを検討している。19年8月に安倍政権は貿易管理手続きを簡素化する「ホワイト国」から韓国を除外。発動時から日本側は「徴用工問題とは関連しない」と説明しているが、「報復」とみなす韓国側は解除を求めてきた。
 こうした対応を検討するのは、中国や北朝鮮の動きをにらんで韓国との安全保障協力を推進する必要があるとみるためだ。尹錫悦大統領は対日関係の早急な立て直しに意欲を示しており、日本政府関係者は「改善の大きな流れができれば、いろいろなことを模索する」と語った。

マリサ
この記事を読むと、「輸出に当たって優遇措置を適用する対象国に韓国を再指定することを検討している。19年8月に安倍政権は貿易管理手続きを簡素化する「ホワイト国」から韓国を除外。発動時から日本側は「徴用工問題とは関連しない」と説明しているが、「報復」とみなす韓国側は解除を求めてきた」と書かれているぜ。


マリサ
そしてその動機として、対北朝鮮や対中国での安保協力の必然性が高まったことを挙げているな。


レイム
これを読むと、徴用工問題と優遇措置の解除は別問題だけど、安保問題もあるので早急に解決しないといけないし、折衝案として徴用工問題に進展があるなら「検討する」と解釈できるわね。


マリサ
まあ、これはこれで問題があるにはあるが、少なくとも産経の記事にあるように「日本政府が徴用工問題の報復と認めた」というのとは全く事情が異なるのは確かなんだよな。


レイム
これって、政府見解である「国家間で正式に取り交わされた協定を一方的に反故にする国とは信頼関係を築けない」、つまり主語が「徴用工問題」ではなくて「日韓請求権協定」という「国家間の協定」にある事に変わりがないって事にもなるわね。


マリサ
そうなんだぜ。
しかもこの件、産経の報道後数日間色々と他のメディアの報道を追っていたが

元徴用工、争点で認識差 日韓外務局長、協議継続
共同通信 2023/01/30
https://nordot.app/992765486375747584

 【ソウル共同】日韓両政府は30日、ソウルで外務省局長協議を開き、元徴用工訴訟問題の解決に向けた詰めの話し合いを進めた。韓国外務省当局者は協議後、敗訴した日本企業の資金拠出が「最大の争点」とした上で「核心の争点では認識差があり、さらに議論しなければいけない」と述べた。

 日韓の外務省は「外交当局間の意思疎通を継続していく」と発表した。韓国は日本の謝罪も求めており、双方の妥協点を探る協議が続く。韓国当局者は「局長級で決められることもあり、より重い課題もある」と話し、より高官レベルの協議も必要との認識を示した。


マリサ
この共同の2023年1月30日の記事では、徴用工問題の争点として日本の謝罪や拠出金に関して認識に違いがあるとしか書かれていないぜ。


マリサ
そして次に朝日の記事では

歴代内閣の「反省とおわび」の継承 徴用工問題で日本政府が表明検討
朝日新聞 2023年1月30日
https://www.asahi.com/articles/ASR1Z6KFGR1ZUTFK010.html

 日韓の最大の懸案になっている徴用工問題をめぐり、日本政府は、歴代内閣が示してきた植民地支配と侵略に対する「反省とおわび」について、現在も継承していると表明する方向で検討に入った。複数の日本政府関係者が明らかにした。韓国側が求める「誠意ある呼応」の一環で、解決案を見極め、表明する内容や形式、時期を判断する。

 外務省の船越健裕アジア大洋州局長と韓国外交省の徐旻廷(ソミンジョン)アジア太平洋局長は30日、ソウルで協議した。日本外務省によると、徴用工問題を含め、率直に意見交換し、外交当局間の意思疎通を継続していくことで改めて一致した。

 徴用工問題をめぐっては韓国政府は12日、韓国の財団が企業からの寄付をもとに原告への賠償分を肩代わりする仕組みを「解決策」の有力案として公表した。韓国で差し押さえられている日本企業の資産を売却して、元徴用工らへの賠償にあてる「現金化」を避けるためだ。

 だが、原告側は日本側の謝罪や賠償が明確に盛り込まれていないとして、「日本政府や日本の被告企業を免責する内容だ」「屈辱的だ」などと強く反発している。複数の韓国メディアが「解決策」公表後に実施した世論調査でも否定的な意見が6割ほどを占め、国内での支持は広がっていない。
(後略)

マリサ
日本による「反省とおわび」の継承の件と、韓国側の「誠意ある対応」という要求の件、そして原告側が日韓両政府の「解決案」に対して、「屈辱的だ」と反応し、韓国世論もそれに同調している事は書いているけど、どちらの記事も産経のように「徴用工問題と輸出優遇解除の件を関連付ける」報道はしていないんだぜ。


レイム
ああ、何日たっても同様の記事が出てこず、本当に「産経だけ」なわけね。


マリサ
というより、この「優遇措置の復活」に具体的に触れた記事自体、実のところ産経と産経の記事を実質的に否定している時事しかなくて、強いて言うならこの件で自民党の杉田議員がツイッターで反応した件をデイリースポーツが取り上げたくらいで、明らかに産経の記事だけ「浮いている」んだぜ。


レイム
産経の記事通りなら、相当大きな動きがあった事になるはずなのに、明らかに不自然よね。


マリサ
産経だけが他と異なる内容を書いているうえに、この件の一切の続報もないなんておかしいんだぜ。


以前の報道


マリサ
そして他にも、「産経のやらかし」と判断できる痕跡があるんだぜ。


マリサ
実のところ産経って「最近こうなった」わけじゃなくて、実は産経含め以前はどのメディアもスタンスの違いはあっただろうけど、「基本的にこうだった」んだぜ。


レイム
どういうこと?


マリサ
たとえば次の事例

半導体材料の対韓輸出を規制 政府 徴用工問題に対抗 来月4日から
産経新聞 2019/6/30
https://www.sankei.com/article/20190630-ZGVQX4JAMVLIHBIPYAQ2KIMELA/

 政府は、韓国への輸出管理の運用を見直し、テレビやスマートフォン有機ELディスプレー部分に使われるフッ化ポリイミドや、半導体の製造過程で不可欠なレジストとエッチングガス(高純度フッ化水素)の計3品目の輸出規制を7月4日から強化する。いわゆる徴用工訴訟をめぐり、韓国側が関係改善に向けた具体的な対応を示さないことへの事実上の対抗措置。発動されれば、韓国経済に悪影響が生じる可能性がある。7月1日に発表する。

 政府は同時に、先端材料などの輸出について、輸出許可の申請が免除されている外為法の優遇制度「ホワイト国」から韓国を除外する。7月1日から約1カ月間、パブリックコメントを実施し、8月1日をめどに運用を始める。除外後は個別の出荷ごとに国の輸出許可の取得を義務づける。ホワイト国は安全保障上日本が友好国と認める米国や英国など計27カ国あり、韓国は平成16年に指定された。

 輸出を規制する3品目は、いずれも軍事転用が容易だが、これまで韓国には手続きの簡略化など優遇措置を取っていた。日本政府はこれを7月4日から契約ごとに輸出許可に切り替える。許可の申請や審査には90日間程度を要することになるという。

 フッ化ポリイミドとレジストは世界の全生産量の約9割、エッチングガスは約7割を日本が占める。世界の半導体企業は日本からの輸入が多く、急に代替先を確保するのは困難とされる。規制が厳しくなれば、半導体大手のサムスン電子や薄型で高精細なテレビで先行するLGエレクトロニクスなど韓国を代表する企業にも波及するとみられる。

 いわゆる徴用工訴訟に関する韓国最高裁判決をめぐり、日本側は日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の設置を求めたが、韓国は問題解決に向けた対応策を示さないため、日本政府が事実上の対抗措置に踏み切った。経済産業省は一連の輸出規制について「日韓関係が著しく損なわれたと言わざるを得ない状況で、信頼関係の下に輸出管理に取り組むことが困難になっている」と説明している。

マリサ
2019年6月30日の産経の記事なんだが、一連の優遇措置解除の方針を決めた政府発表に関して「いわゆる徴用工訴訟をめぐり、韓国側が関係改善に向けた具体的な対応を示さないことへの事実上の対抗措置」とか書いているんだぜ。


レイム
ああ、スタンスこそ違え、産経もこんな事を言っていたのね。


マリサ
しかもだ、これは産経だけではなくて、次の事例のように

韓国への「禁輸」4日から、半導体産業に痛手
読売新聞 2019/07/01
https://web.archive.org/web/20190703140957/https://www.yomiuri.co.jp/economy/20190701-OYT1T50101/

経済産業省は1日、韓国に対して半導体製造などに必要な化学製品の輸出管理を強化すると正式に発表した。スマートフォンのディスプレーなどに使われるフッ化ポリイミドなど3品目が対象で、4日から実質的に禁輸となる。半導体を主要産業とする韓国経済に大きな打撃となりそうだ。

 韓国人元徴用工訴訟を巡る問題で、解決に向けた対応を見せない韓国への事実上の対抗措置となる。フッ化ポリイミドのほか、半導体の基板に塗る感光剤のレジスト、半導体の洗浄に使うフッ化水素も対象。いずれも世界シェア(市場占有率)が高く、軍用品に使われる可能性があるため政府が輸出量を管理している。

 韓国半導体大手のサムスン電子やSKハイニックスなどの調達先は、ほぼ日本とみられる。一方、「韓国製半導体を使う日本企業に影響が出る可能性もある」(化学品メーカー)との見方もあり、日本企業も影響を注視している。

 経産省は、3品目以外についても、輸出管理制度で米国など27か国に与えていた優遇措置の対象から韓国を除外する政令改正の手続きに入った。1日から意見公募を始め、8月中に改正する方針だ。集積回路など安全保障にかかわる製品の輸出について、韓国は個別申請が必要になる。


マリサ
2019年7月1日の読売新聞の記事でも、「韓国人元徴用工訴訟を巡る問題で、解決に向けた対応を見せない韓国への事実上の対抗措置となる」とか書いていて、実のところ一部のメディア以外ほとんどがこんな論調だったんだぜ。


レイム
というか、これ朝日とかとは違って「対抗措置」に関して好意的
な表現になってはいるから、スタンスとしては違いがあるのだろ
うけど、事実誤認も甚だしいわね。


マリサ
というかな、過去動画の「「事実」と「意見」 補足回」でも少し触れ
たが、

実のところほとんどのメディアが徴用工裁判を巡る問題の論点
が以前からおかしかったんだぜ。


※動画説明欄に関連リンクがあります。


レイム
というと?


マリサ
あの問題で政府が「報復」を示唆したのは、「差し押さえられた資産を現金化した場合」についてなのに、韓国の裁判所が2019年1月に「資産差し押さえ」をしてからその後ずっと、ほとんどのメディアが「徴用工裁判への報復をする」という論調だったんだぜ。


レイム
ああ、本来は「現金化された場合の対抗措置」という話なのに、それが「裁判をしたことそのものへの対抗措置」に話がすり替わっていたのね。


マリサ
そうだぜ。
それでな、これまでマスコミ業界を観察していてわかったこととして、あの業界って「同業から指摘される」場合以外では、ほとんどの事例で一切記事を訂正しないし、それどころか「間違った情報」をそのままごり押すことが多いんだぜ。


レイム
つまり、ミスを認めないどころか居直って間違った情報を報じ続けるって事?


マリサ
そうだぜ。
この韓国に対する輸出優遇措置解除の件なんてその典型例だぜ。
同業がどこも問題視していないから、間違っているという事を一切認めず「徴用工問題への対抗措置」でごり押して既成事実化しているわけだ。


レイム
既存マスコミが情報寡占をしていた時代の認識そのままなのね。


マリサ
外部から何を言われてもそれが問題という意識自体が無いみたいなんだぜ。


レイム
その結果が今回の産経の記事と。


マリサ
そういうことだぜ。

今回のまとめ

産経新聞が「韓国への輸出優遇解除は徴用工裁判への対抗措置」と報道
・時事の報道などでデマと発覚
・マスコミ業界は誤報をしてもごり押しが基本

マリサ
結局さ、イデオロギー的な違いがあるにせよ、「マスコミはマスコミ」という事なんだぜ。


レイム
まあ、どんなスタンスであれ、「情報寡占の内側にいた」事には変わりがないし、「そういう慣習」は多かれ少なかれどのメディアも持っているんでしょうね。



レイム
それをしてしまうと、「自分達が誤報をした」事を認める事になってしまうから、意地でも「間違っていない」という事にしておくために、その辺りを曖昧にするか、或いは今回の産経のように居直るかをしているんじゃないかって事ね。


マリサ
そういうことだぜ。
そんなわけで今回の本編はここで終わるぜ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。



大口
おつかれ~



大口
ところで、最大種の話題繋がりなんだけど、2011年にスペインで、発見されている中では最大種の「ウサギの化石」が発見されているんですよ。


マリサ
なんだ?
牛サイズのウサギとかでもいたのか?


レイム
そのサイズだと人間が襲われそうで怖いんだけど。


大口
流石にそこまで大きくないけど、300万~500万年前に生息していたウサギの一種で、ヌララグス・レックスという種がそれね。




マリサ
どれくらい大きいんだ?


大口
現在一般的にペットとして飼育されているアナウサギの約6倍、体重12キロくらいと推定されているのね。


大口
ただし、品種改良によって人工交配された「フレミッシュジャイアント」という種がいて、これがヌララグス・レックスと同サイズなんだけど、こっちはあくまで人為的な交配で生まれた種で野生化の生き物ではないから、自然界の種ではこっちが最大種になるね。


大口
ちなみに、フレミッシュジャイアントはこれね。



レイム
これもそうと大きいわね。

大口
ただし、フレミッシュジャイアントは元がアナウサギなので一応「跳ねる」事がかろうじてできるのに対して、ヌララグス・レックスはそもそも跳ねる事が出来なかったそうなんだよ。


マリサ
見た目からして、タヌキとかそんな感じの歩き方だったって事か?


大口
それがね、なんか「水から上がったビーバー」のようにヨタヨタ歩いていたんじゃないかって言われているんだよ。


レイム
それじゃ天敵に襲われたら逃げられないし、何か武器があったって事?


大口
それがそうではなくて、発見されたのがメノルカ島という地中海にある離島で、恐らく飛べないオウムの「カカポ」みたいに、天敵のいない環境に適応して進化したんじゃないかな。



レイム
なるほどね。


マリサ
そんなわけで今回はここで終わるぜ。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~



お知らせ。
転載について
・個人の利用であれば、一般的に「引用」とされる範囲での転載は自由にしてもらってかまいません、報告も必要ありません。
・企業・団体等が「転載」する場合は私の方へ事前連絡いただき、許可を取ってから行ってください。
イデオロギー色の強い団体等に関しては、理由の如何に関わらず「転載は原則禁止」とさいただきます。

もしよかったらクリックをお願いします。
blog.with2.net

以下は当ブログのお勧め記事です、もしよかったらこちらもどうぞ。

韓国人が日本人から嫌われる根本的原因 - 日韓問題(初心者向け)

【韓国起源説】日本人の反論は韓国人に通じない - 日韓問題(初心者向け)

日本人と韓国人とでは「約束・契約」の概念が全く違う - 日韓問題(初心者向け)

日韓問題(初心者向け)の方針について色々 - 日韓問題(初心者向け)

【河野談話】韓国政府が自爆しました - 日韓問題(初心者向け)

フランスのJapan Expoから韓国がいなくならない原因 - 日韓問題(初心者向け)

「Japan Expoに寄生しないで独自のコリアエキスポやればいいのに」→過去にやった事があります - 日韓問題(初心者向け)

韓国人の差別意識の特徴とタイの嫌韓 - 日韓問題(初心者向け)

嫌韓の出発点、2002年日韓共催ワールドカップで何が起きたのか - 日韓問題(初心者向け)

嫌韓を「排外主義者=ネトウヨ」と考える人達に対する考察をしてみた - 日韓問題(初心者向け)

「韓国に対して謝罪すれば解決する」は大きな間違い - 日韓問題(初心者向け)

韓国視点から見たヘイトスピーチ - 日韓問題(初心者向け)

メアリー・スーとネトウヨ論 - 日韓問題(初心者向け)

日韓問題とイデオロギー論争 - 日韓問題(初心者向け)

韓国では異論が徹底的に排除される - 日韓問題(初心者向け)

日韓問題基礎知識簡易版まとめ 前編 - 日韓問題(初心者向け)

日韓問題基礎知識簡易版まとめ 後編 - 日韓問題(初心者向け)

初心者でも解る韓国対策 - 日韓問題(初心者向け)

韓国社会では「記憶の改変」が起きているわけではない? - 日韓問題(初心者向け)

【再現】2002年日韓ワールドカップ Public Viewing in 国立競技場 - 日韓問題(初心者向け)

徴用工裁判問題まとめ - 日韓問題(初心者向け)

慰安婦問題で重要な事 - 日韓問題(初心者向け)



動画版マイリスト



番外編マイリスト