日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

【ゆっくり解説】異論・反論を許容できないマスコミ

さて、本日は2013年の事例を中心に「異論や反論」を許容できないマスコミの問題について扱っていきます。


本日の投稿動画
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以下は動画のテキスト版です

注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています

・「マスコミ問題」であり右派・左派等の陣営論争は本題ではありません

・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブロマガにあります

・毎週土曜日更新


レイム マリサ
ゆっくりしていってね


マリサ
さて、今回は「マスコミ不信の歴史」について、2013年の事例を中心に扱っていくぜ。


レイム
ところでマリサ。
今回の異論・反論を許容できないマスコミってどういう意味?


マリサ
今回の件はな、厳密には「反論」と「異論の封殺」の区別のつかない人が、あの業界には多いって内容になるぜ。


レイム
反論で異論を封じてしまうような事例もあるし、一概にはっきり区別はできないのでは?


マリサ
「そういう事例もある」と「異論そのものを認めない」というのとは実際にはまるで違うんだぜ。
まあ、そのあたりは本編を見ればわかるぜ。


レイム
なるほど。


マリサ
そんなわけでさっそく本編へ行くぜ。


異論の封殺


レイム
なんかいきなり物々しいわね。
2013年に何があったの?


マリサ
まずはさっそくこちらを見てほしいぜ。

原発容認で出演中止 NHK番組 「意見変えて」要請
産経新聞 2013.4.1
https://web.archive.org/web/20130401074308/https://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/130401/ent13040108160002-n1.htm

 NHKのLNG(液化天然ガス)高騰問題に関する番組で、出演依頼を受けた研究者が取材過程で原発再稼働を容認する発言をしたため、出演取りやめになっていたことが31日、分かった。NHKは「原発ゼロを前提にしており趣旨にそぐわない」と説明したという。研究者は「ビジネス交渉のカードとして最初から原発ゼロを前提にするのはおかしい。公正・中立に疑問を感じる」としている。

 問題となった番組は昨年11月28日放送のクローズアップ現代「“ジャパンプレミアム”を解消せよ~密着LNG獲得交渉」。

 日本エネルギー経済研究所顧問の十(と)市(いち)勉(つとむ)氏によると、NHKは十市氏に出演を依頼、同21日にディレクターらと打ち合わせた。国内では関西電力大飯原発以外の原発は停止しておりNHKは、輸入が急増し高騰するLNG価格をどう下げるかコメントを求めた。

 これに対し、十市氏は(1)LNGの輸入源と調達方法の多様化(2)交渉力強化のため、共同購入やLNG火力の代替手段の確保が重要。そのためには安全が確認された原発は地元の同意を得たうえで再稼働させたり、石炭火力の活用が有効(3)電力制度改革で発電市場の競争の促進-を挙げた。

 だが取材翌日、ディレクターから「番組に出演するには意見を変えていただくことになる」と電話があり、理由として「原発ゼロを前提にどう価格を引き下げるかを趣旨にしており、再稼働に関する発言はそぐわない」と述べたという。

https://web.archive.org/web/20130401091305/http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/130401/ent13040108160002-n2.htm

 十市氏はNHKに説明を要求。チーフプロデューサーから連絡があり「原発ゼロを前提にしていない。総選挙前であり放送の公正・中立に配慮した」と釈明した。十市氏の発言のどの部分が、放送の中立に反するか説明はないまま、出演は取りやめになった。

 砂川浩慶・立教大准教授(メディア論)は「番組の中でいろんな意見をどう生かすのかも公共放送として問われる」と指摘する。

 NHK広報局は「番組は再稼働の見通しが立たないなか、日本のLNG調達の現実を伝えたもので、再稼働の是非を議論する内容でない。出演交渉の際に番組の趣旨が十分伝わらず誤解を招いたことは残念」とコメントした。(原子力取材班)


マリサ
2013年4月に発覚した事例なんだが、2012年に起きた発電用のLNG液化天然ガス)高騰問題に関連し、NHK日本エネルギー経済研究所顧問の人に「輸入が急増し高騰するLNG価格をどう下げるか」というインタビューをしたそうなんだぜ。


マリサ
そのなかで「安全が確認された原発は地元の同意を得たうえで再稼働させる」という選択肢に言及したら、NHKのプロデューサーから「番組に出演するには意見を変えていただくことになる」「原発ゼロを前提にどう価格を引き下げるかを趣旨にしており、再稼働に関する発言はそぐわない」といわれ、出演を一方的にキャンセルされたそうなんだぜ。


レイム
これだいぶひどくない?
それだって意見のうちの一つだし、それに反対なら反論意見も一緒に放映すればいいだけなのに、意見自体を封じるのはおかしすぎるでしょ。


マリサ
そうなんだぜ。
本来なら、そういう意見があるのは事実なのだし、それでも反対なら反論をすればいいだけなのに、原発ゼロへの異論がある事自体を「無かったこと」にしてしまっているわけだしな。


レイム
しかも普段「言論の自由」とか「表現の自由」を訴えているマスコミがそれをやるというのがなおさらひどいわね。


マリサ
そして次はこの事例だぜ。

『約束の日 安倍晋三試論』小川榮太郎
産経新聞 2012.9.9
https://web.archive.org/web/20120909053622/http://sankei.jp.msn.com/life/news/120909/bks12090907550009-n1.htm

安倍叩きは「朝日の社是」

 メディアと政治家との関係に関心がある人に、ぜひ読んでもらいたい。戦後体制からの脱却と公務員制度改革、教育改革、憲法改正への道筋作り…。文芸批評、音楽批評を専門とする著者が畑違いの政治分野で丹念に追跡し、拾い集めた安倍政権の足跡、実績と、スキャンダル暴露と印象操作に終始した朝日新聞の報道のあり方をたどると、あまりの乖離(かいり)に愕然(がくぜん)とするだろう。

 「安倍の葬式はうちで出す」。本書では、この安倍内閣当時の朝日幹部のグロテスクな言葉が繰り返し引用される。政治評論家の三宅久之は著者に、朝日の若宮啓文論説主幹(現主筆)とのこんなやりとりを明かしたという。

 三宅「朝日は安倍というといたずらに叩(たた)くけど、いいところはきちんと認めるような報道はできないものなのか」

 若宮「できません」

 三宅「何故(なぜ)だ」

 若宮「社是だからです」

 特定の政治家を叩き、おとしめることが社是である新聞社とはどんな存在だろうか。それは、むしろ政治的意図をあらわにしたプロパガンダ機関というべきだが、社論を決定する地位にある人物がこう述べたというから驚く。

 メディアが権力者を批判するのは当然だが、著者が指摘する「明白なウソ」「虚偽のストーリー」による安倍叩きに正当性はあるのか。本書は、安倍内閣首相補佐官を務めた世耕弘成が大学生に語った述懐を取り上げる。

https://web.archive.org/web/20120914042328/http://sankei.jp.msn.com/life/news/120909/bks12090907550009-n2.htm

 「今でもよく思うんだよね。安倍内閣とは一体何だったのだろうって。あの叩かれ方は何だったのだろう」

 また、本書は実証的なアプローチも欠かさない。それによると朝日は、安倍内閣松岡利勝農水相の政治資金問題の関連記事は125件も掲載した半面、民主党小沢一郎代表の政治資金問題は14件のみ。安倍が推進した教育基本法改正に関して反対運動の記事70件を掲載したが、賛成派の動きは3件だけだという。

 反安倍勢力に封印されたあの時代を、正確な記憶として取り戻す-。本書はそのために書かれ、安倍復活の「約束の日」への切望を表明して締めくくられている。(幻冬舎・1575円)

 評・阿比留瑠比(政治部)


マリサ
これは2012年の事例なんだが、政治評論家の三宅久之氏が当時の朝日新聞の主幹にインタビューをして「朝日は安倍というといたずらに叩(たた)くけど、いいところはきちんと認めるような報道はできないものなのか」と聞いたら、「できない」と答えたそうなんだぜ。


マリサ
それで「なぜできないのか」と聞いたら、「(朝日新聞の)社是だからです」と答えたという事例だな。


レイム
これもすごいわね。
本来なら個別の事例で良し悪しを決めて批評するのが筋なのに、最初から批判ありきで記事を書いているって事でしょ?


マリサ
そうなんだぜ。
相手がどんな意見や考え方を持っていようと関係なく、「バッシングありきで叩く」と言っているもおなじなわけだ。


マリサ
主幹というのはいわゆる論説部門総責任者と定義される役職の人物だから、間違いなく「朝日新聞の社としての意見を代表している」とみて間違いないぜ。


レイム
言論を扱う業種が、「相手の行いの良し悪しに関係なく叩きます」と堂々と宣言してしまうって、それもう「一般紙」ではなくて「機関紙」では?


マリサ
でもこれが現在のマスコミ業界の現実で、「異なる意見を一切認めない」という態度が常態化しているわけだ。


異論を印象操作


レイム
ねえ、次は何かと様子を見ていたら、さらにひどくなったのだけど?
流石に誇張でしょ?


マリサ
それに関しては、現物を見てから判断して欲しいぜ。
まずはこれからな

NHK沖縄県のニュース 沖縄放送局
NHK 2013年5月08日
https://megalodon.jp/2013-0509-1235-44/www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/5094425111.html?t=1368012824757

県調査で中国「よくない」印象
歴史的に関係が深い中国について沖縄県が去年初めて行った県民の意識調査で、中国に「よくない」印象を持っている人が9割にのぼっているほか、4割を超える人が東アジアで軍事紛争が「起きる」と思うと答えていることがわかりました。
この調査は、歴史的に関係が深い中国について県民の意識を調べようと沖縄県が初めて行ったもので、政府が尖閣諸島を国有化した後の去年11月、県民3000人を対象にアンケートを郵送し1187人から回答を得ました。
それによりますと、中国に対する印象を聞いたところ▼「良い」が1点4%、▼「どちらかといえば良い」が7点7%、▼「どちらかといえば良くない」が57点9%、▼「良くない」が31点1%と答えました。
「良くない」などと答えた理由には、▼「資源やエネルギーの確保で自己中心的に見える」、▼「国際的なルールと異なる行動をする」、▼「尖閣諸島をめぐり対立が続いている」などがあげられています。
また、東アジアで軍事紛争が起こると思うか尋ねたところ、▼「数年以内に起こる」、または、▼「将来的には起こる」と答えた人は43点6%となっています。
さらに、中国とアメリカでどちらに親近感を覚えるか聞いたところ、「中国」が4点2%、「アメリカ」が53点9%、「どちらにも感じる」が9点2%「どちらにも感じない」が25点8%となっています。
一方で、日中関係について「重要」、または「どちらかといえば重要」と答えた人はあわせて69%にのぼりました。
これについて、沖縄と中国の文化に詳しい琉球大学の上里賢一名誉教授は、「中国との歴史的な交流の面からだけでは論じられらない今日的な課題が大きく作用していることに驚いている。戦争への抵抗感が非常に大きい県民にとっていまの事態がこのまま進むと危ない状況になりかねないという県民の不安の表れだ」と指摘しています。


マリサ
2013年5月の事例なんだが、沖縄県が沖縄で中国に対する印象の調査を行ったところ、「良い」が4パーセント、「どちらかといえばよい」が7パーセント、「どちらかといえばよくない」が9パーセント、「良くない」が31パーセントとなったそうだぜ。


マリサ
この結果に対して、「良くない」と答えた人の理由として、「資源やエネルギーの確保で自己中心的に見える」「国際的なルールと異なる行動をする」「尖閣諸島をめぐり対立が続いている」などが挙げられているな。


マリサ
でな、ここまでなら普通の調査なんだが、その後にこの記事では琉球大学の教授の言葉として「中国との歴史的な交流の面からだけでは論じられない今日的な課題が大きく作用していることに驚いている。戦争への抵抗感が非常に大きい県民にとっていまの事態がこのまま進むと危ない状況になりかねないという県民の不安の表れだ」と書いているんだぜ。


レイム
ねえ、これ一見すると中立に見えるけど、読み方によっては「沖縄県民が戦争に巻き込まれる」と、まるで第三者であるかのような印象を受けない?


マリサ
これな、あとでもう少し詳しく説明するが、「どっちもどっち論」の一種なんだぜ。
そしてもっとわかりやすい事例がこれだぜ。

人民日報「琉球」論文:沖縄反応は複数
沖縄タイムス 2013年5月10日
https://web.archive.org/web/20130517143056/http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-05-10_49057

中国共産党機関紙、人民日報が8日、「琉球王国は独立国家で中国の属国」だったとして、日本の「強奪」を批判する論文を掲載した。政府は、中国に抗議したが、琉球処分で「武力を派遣して強制的に併呑(へいどん)」(同論文)したのは歴史的事実。沖縄の反応は複雑で、中国批判一辺倒ではない。

 考古学者の安里嗣淳さん(67)は、自分で考えた中国名「孫中路」を名刺に刷っている。「琉球の士族は皆、中国名を持っていた。日中両国とうまく付き合った沖縄の歴史と文化にこだわりがある」からだ。

 県による県民意識調査も同じ8日に発表され、中国への印象は89%が否定的だった。「県民は現在の中国には批判的だが、歴史的な親近感はある」とみる。「その沖縄だからこそ、冷静に日中友好の先導役を果たせる」と強調した。

 「琉球民族独立総合研究学会」設立準備委員会のメンバーで、龍谷大教授の松島泰勝さん(50)は、「日本が琉球を暴力的に組み込んだ点は正当化できない」と論文の一部に同調する。

 一方で、「中国と儀礼的な朝貢関係はあっても属国ではなかった。琉球は中国のものというニュアンスがあるが、日本、中国のどちらでもない」と反論。中国での報道を「琉球の問題を国際的な視点で捉える点で意義がある」と評価した。

 北京出身で、日中関係に詳しい沖縄大教授の劉剛さん(55)は「論文には、新しい資料や見方が全くない。古い話の繰り返し」と指摘。「尖閣問題で日本側が妥協しなければ琉球の問題を取り上げますよ、というけん制で、中国側の戦術だ」と分析した。

 その上で、「中国国内の研究者は琉球、沖縄の歴史的な変化や現状に詳しくない。もっと事情を理解して論文を書かなければ、国民同士の理解は生まれない」と話した。


マリサ
同じく2013年5月の沖縄タイムスの記事なんだが、まず人民日報の「琉球王国は独立国家で中国の属国」という記事を紹介して反発があるとしたうえで、さっきと同じ沖縄県による県民意識調査で、中国への印象の89パーセントが否定的だったとしているんだが、そのうえで「県民は現在の中国には批判的だが、歴史的な親近感はある」。「その沖縄だからこそ、冷静に日中友好の先導役を果たせる」と書いているぜ。


マリサ
そのうえで、「日本が琉球を暴力的に組み込んだ点は正当化できない」とか「琉球は中国のものというニュアンスがあるが、日本、中国のどちらでもない」と書いているぜ。


レイム
これなんかおかしくない?


マリサ
これな、NHK沖縄タイムスも詭弁論法の「偽りのバランス」というテクニックが使われているんだぜ。


レイム
どういう詭弁論法なの?


マリサ
至ってシンプルだぜ。
本来同列化できない事例を強引に同列化する手法だぜ。
以前レイムも日韓併合を扱ったときや竹島問題とかを扱ったときに言及していたが、国際法というのは一種の線引きって事を思い出してほしいぜ。


レイム
ああ、なるほど。


マリサ
軍事力を背景とした併合などを「過去に無制限に遡って適用」したら、この世の中は滅茶苦茶になってしまうよな。


レイム
そうね。
様々な紆余曲折の結果「新たに出てきた概念」を、現在の価値基準で過去に無制限に適用することなんて普通出来ないわね。


マリサ
つまりだ、現在の中国による侵略的意図と、150年も前の琉球処分は同列に語れないのに、NHK沖縄タイムスは、これがさも同等の問題であるかのように語っているわけだ。
こういう印象操作テクニックを「偽りのバランス」というんだぜ。


マリサ
そして問題は、一見すると一応中国の事も等しく批判しているようにみえるが、こういう印象操作を使う事で中国の問題点が「日本の問題点」と同等な扱いになって打ち消されるから、結果的に印象マイナスであっても相対的には中国にとってプラスになるわけだ。


レイム
つまり、現在の沖縄県民の危機感を、本来同列には扱えない「琉球処分」と等しく扱う事で、沖縄から見るとあたかも「日本と中国はどっちもどっち」と見えるように印象操作したって事ね。


マリサ
そうだぜ。
そもそも、現在中国は「国恥地図」とかいって、こんな地図で「本来の中国の領土はこれだが、19世紀に奪われたのだ」という教育を受けた人たちが社会を動かしているわけだから、本来相対化なんてできないのにな。


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マリサ
メディアはこうやって「都合の悪い異論を都合よく歪める」わけだ。



区別がつかない

レイム
こんどのこれはどういう事?


マリサ
これなんだが、次にこれを見てくれ。

NHKスペシャル「未解決事件 file.06『赤報隊事件』」ディレクター 新名洋介さん 「自由な社会とは」問う
毎日新聞 2018/1/17
https://mainichi.jp/articles/20180117/dde/012/200/009000c

 日本を震撼(しんかん)させた「未解決事件」を検証するシリーズの第6弾。1987年に朝日新聞阪神支局が襲われ記者2人が死傷した事件を追い、取材など番組の制作全般に関わった。

 同じ時期、「赤報隊」を名乗り、朝日新聞を狙った爆破未遂などが相次いだ。「反日分子」などと犯行声明で名指しした言論へのテロ事件だった。警察は右翼関係者らを捜査したが、犯人逮捕に至らぬまま2003年に全事件で時効を迎えた。事件から30年以上たった今、ネット上などでは「反日」という言葉があふれ、事件をたたえる動きもある。異論を認めない不寛容な空気が漂う。
(後略)


マリサ
こちらは2018年の記事なんだが、NHKドキュメントで1987年に朝日新聞が襲撃された「赤報隊事件」を特集したという内容で、それに関して「(朝日を)反日分子などと犯行声明で名指しした言論へのテロ事件だった」と紹介しているな。

マリサ
そのうえで、「今、ネット上などでは「反日」という言葉があふれ、事件をたたえる動きもある。異論を認めない不寛容な空気が漂う」と書かれているぜ。


レイム
これはどう問題なの?


マリサ
ちょっと考えてもらえばわかるが、赤報隊の主張と「現在のネット上で指摘される「反日」の定義は同じか?」って事だぜ。


レイム
ああ、そういえばそうね。
というより、反日の定義自体が人によって区々よね。
最初の原発の事例まで含め「反日」と定義する人もいるし、次の中国の事例のようなものに限定して「反日」と定義する人もいるし。


マリサ
そう、本来前提も時代背景も違いすぎて同等には扱えないような事例を、あたかも「同じ問題」であるかのように印象操作して、現在「反日」という単語を使う人を、あたかも「テロリスト予備軍」であるかのように印象操作しているわけだ。


レイム
ああ、これただの論点のすり替えって事ね。


マリサ
そしてこの手の手法は問題がそれだけじゃないんだぜ。
次の事例がわかりやすいが

激しい言葉に静かな抗議 産経コラムで考えた排他的空気の向き合い方
withnews 2017/11/07
https://withnews.jp/article/f0171107000qq000000000000000W04h10201qq000016188A

激しい言葉の見出し、人権より優先の風潮
人類学の観点では、押し付けに合理性はない
排斥される立場になるかもしれない想像力を

 産経新聞のウェブサイトに、「日本を貶める日本人をあぶりだせ」という見出しでコラムが配信され、批判が広がりました。フランスで在外研究中の文化人類学者、亀井伸孝・愛知県立大教授は、ネットを中心に広がる「異論を認めない空気」を憂え、ツイッターなどで発信を続けています。「人間とはどういう存在か」を研究しつづけた立場から、排他的な言説とどう向き合っていけばいいのか、聞きました。



ルワンダ虐殺を扇動したラジオは、身近な隣人たちの中の裏切り者を見つけよと叫んでいた。異なる者に対して攻撃をそそのかす言説をまき散らす団体に、ジャーナリズムを名乗る資格はない。静かに抗議します
産経抄】日本を貶める日本人をあぶりだせhttps://t.co/piBsCIaPVS
— KAMEI Nobutaka (@jinrui_nikki) 2017年10月19日



思い出したルワンダの虐殺

 配信されたコラムを読んで思い出したのは、1994年にルワンダで起きた虐殺においてメディアが果たした役割です。当時、フツとツチという二つの民族の分断が強調され、迫害が扇動されました。

 両者は同じ言語を話し、同じ村の隣人として暮らし、結婚する人たちも多かった。その人々の間にくさびを打ち込み、暴力を振るうよう仕向けたのは明らかに政治権力でした。

 そして、ツチへの迫害を扇動する具体的手段のひとつとなったのがラジオ。フツの政権に近い人たちによって設立、運営され、エリートが使うフランス語ではなく、ルワンダ語で語りかけるメディアとして民衆に親しまれていたラジオ局だったのです。

激しい言葉の見出し、人権より優先の風潮

 身近なところにいる見えない敵を探しだそうという発想。異なる意見を持つ人を議論の余地なく排斥しようという姿勢。それを命令形で人々に指示し、動員をかけるスタイル。今回の新聞社のコラムは、ルワンダのラジオ局の手法に共通していると感じます。

 今回の件は、コラムの本文ですら表現していないことを見出しにあげ、過度の単純化と激しい言葉で目立たせようとする、ある種の炎上商法。SNSでは、拡散されて話題になることが目的化され、その結果、一部の人々の人権が侵害されてもかまわないという風潮が散見されます。

人類学の観点では、押し付けに合理性はない

 人類学という観点で考えると、ホモ・サピエンスは極めて短期間のうちに世界に拡散した、遺伝的に均質な種です。

 国家や国民、民族、人種といったものは極めて新しい発明に過ぎず、文化や言語、アイデンティティー、歴史は常に変化し、伸び縮みするもの。それらを絶対視して振り回したり押し付けたりすることには合理性がありません。

 また、人間の立場はいつでも交換可能だというのが原則です。ある特定の人たちに対する排斥だから自分たちは関係ないと思っていたら、いつしか基準がずれてきて、自分自身も弾圧の対象になってしまったということがありえます。身近なところでいえば、学校でのいじめに参加し、黙認していたら、ほんの小さなきっかけで自分がいじめられる側におかれてしまうことがありえます。

排斥される立場になるかもしれない想像力を

 排他的な風潮を認めて、それに加担していたら、いつなんどき、自分自身が同じように排斥されるかもしれない。そういう想像力を常日頃からもっておくと、理不尽な言説を見逃さない、それに異議を唱える勇気をもつ人たちが増えるかもしれません。

 人間は弱い存在です。『蜘蛛の糸』のカンダタのように、他人を足蹴にしてでも自分だけは救われたい、と思ってしまうこともしばしばです。

 しかし、その他人を蹴り落とす力は、結局は自分自身をも奈落の底に落とす力に容易になりえます。そういうことを相互にしなくても済むような余裕のある社会の設計を考えることが、重要だろうと思います。

 私のような個人の研究者は非力な存在ですが、それでもリツイートや引用で大きな反響をいただくことがある。扇情的にならず、ひとりひとりが静かに抗議の意思を示すことは、言葉の暴力に抗する一つの手段だと信じています。


マリサ
2017年の愛知県立大学教授の寄稿記事なんだが、このなかで産経の「日本を貶める日本人をあぶりだせ」という記事に対して、「配信されたコラムを読んで思い出したのは、1994年にルワンダで起きた虐殺においてメディアが果たした役割です」と書いているんだぜ。


マリサ
そして「身近なところにいる見えない敵を探しだそうという発想。異なる意見を持つ人を議論の余地なく排斥しようという姿勢。それを命令形で人々に指示し、動員をかけるスタイル。今回の新聞社のコラムは、ルワンダのラジオ局の手法に共通していると感じます。」と書いているぜ。


レイム
これはどう問題なの?


マリサ
レイムは気付かんか?
この記事って、ルワンダの件は詳しく書いているが、肝心の産経の記事の内容には一切触れず、タイトルのみから「連想させている」って事に。


レイム
あ、そういえば。


マリサ
次が実際の産経の記事なんだが

日本を貶める日本人をあぶりだせ 10月19日
産経新聞 2017/10/19
https://www.sankei.com/article/20171019-GIEHNZD5VZLO5JYZZK3FFEV64M/

 日本の新聞記者でよかった、と思わずにはいられない。地中海の島国マルタで、地元の女性記者が殺害された。車に爆弾を仕掛けるという残虐な犯行である。彼女は「タックスヘイブン」(租税回避地)をめぐる「パナマ文書」の報道に携わり、政治家の不正資金疑惑を追及していた。マルタとはどれほど恐ろしい国か。

 ▼今年4月に発表された「報道の自由度ランキング」では47位、なんと72位の日本よりはるかに上位だった。ランキングを作ったのは、パリに本部を置く国際ジャーナリスト組織である。日本に対する強い偏見がうかがえる。一部の日本人による日本の評判を落とすための活動が、さらにそれを助長する。

 ▼米紙ニューヨーク・タイムズに先日、「日本でリベラリズムは死んだ」と題する記事が載っていた。日本の大学教授の寄稿である。安倍晋三首相の衆院解散から現在の選挙状況までを解説していた。といっても、随所に左派文化人らしい偏った主張がみられる。

 ▼憲法をないがしろにして軍事力の強化を図る首相の姿勢は、有権者の支持を得ていない。最大野党の分裂のおかげで自民党が勝利するものの、政治はますます民意から離れていく、というのだ。米国人の読者が抱く日本のイメージは、民主主義が後退する国であろう。

https://www.sankei.com/article/20171019-GIEHNZD5VZLO5JYZZK3FFEV64M/2/

 ▼特定の政治的主張だけを取り上げる、国連教育科学文化機関(ユネスコ)には、困ったものだ。いよいよ問題だらけの慰安婦関連資料の登録の可能性が強まっている。田北真樹子記者は昨日、登録されたら脱退して組織の抜本改革を突きつけろ、と書いていた。

 ▼そもそも国連を舞台に、実態からかけ離れた慰安婦像を世界にばらまいたのは、日本人活動家だった。何ということをしてくれたのか。


マリサ
この動画でも過去に取り上げたことのある「報道の自由度ランキング」の問題を「日本に対する強い偏見がうかがえる。一部の日本人による日本の評判を落とすための活動が、さらにそれを助長する」と書いていたり、安倍政権の誕生について日本の大学教授がニューヨークタイムスに寄稿した「日本でリベラリズムは死んだ」という記事を「随所に左派文化人らしい偏った主張がみられる」と書いているぜ。


マリサ
そして最後に「特定の政治的主張だけを取り上げる、国連教育科学文化機関(ユネスコ)には、困ったものだ。」として「そもそも国連を舞台に、実態からかけ離れた慰安婦像を世界にばらまいたのは、日本人活動家だった。」と書いているな。


レイム
最後のって、要するに慰安婦の定義が「軍や国の命令で軍人や官憲が直接的に行った拉致や動員」になっている件よね。


マリサ
そうだぜ。
そして問題は、記事内容には一切触れず、あたかも「ルワンダでの事件と同じ」という印象操作が行われている事だぜ。


マリサ
そして、毎日新聞愛知県立大学教授の記事には、「内容に言及せず印象操作している」という件以外にも共通点があるのはわかるか?


レイム
どんな共通点?


マリサ
それは文章に「一切反論がない」という事だぜ。


レイム
あー…そういえば反論ないわね。
どっちも単なるレッテル貼りだし。


マリサ
そしてさらに問題なのがな、毎日の記事では「今、ネット上などでは「反日」という言葉があふれ、事件をたたえる動きもある。異論を認めない不寛容な空気が漂う。」と、愛知県立大学教授の記事では「ネットを中心に広がる「異論を認めない空気」を憂え、ツイッターなどで発信を続けています」と書かれている事だぜ。


レイム
そう言えば、どっちの記事もそこが何かおかしいわね。
どういうこと?


マリサ
まず「赤報隊を肯定する動きがある」からと、それが反日云々の主流とはなり得ないという、当たり前の話は置いておくとしてもな、そもそもさ、記事で言及されている反日云々って、その多くが「反論の延長線上」にあるよな。


レイム
ああ、そういえばそうね。
日韓問題の事例でいえば、慰安婦問題における「慰安婦の定義」の件とかがわかりやすくて、そういう定義を広める人たちを「反日」と定義している場合もあるわね。


マリサ
そう、でも今回紹介した記事の事例ではそうした反論を「異論を認めない意見」と定義しているわけだ。


レイム
つまり、彼らは自身の主張に反論されると「異論を封殺された」と認識しているって事?


マリサ
しかもそのうえで、今回紹介した記事みたいに、相手の反論に具体的に反論せずに歪めて、あたかも「テロリストの考え方」であるかのように印象操作して封殺しようとしているわけだ。


レイム
それってつまり、「ネットには異論を許さない空気がある」と訴えている人達が、自分達への異論や反論を封殺して「異論を許さない」ってこと?


マリサ
そういう事だぜ。
というか、さっき紹介した2つの事例はまさに「そのもの」だろ?
反論に対して再反論するわけでもなく、印象操作でレッテル貼りをしているわけだし。


レイム
なるほどね。

今回のまとめ

・マスコミが異論を封殺する
・自分達と異なる意見を歪めて伝える
・「反論」と「異論の封殺」の区別がつかない


マリサ
今回紹介した事例から解ることとして、マスコミ業界やそこに連なる人たちというのは、反論を「する事」も「される事」にも慣れていなくて、自分達の意見が少しでも否定されることが一切許容できない人たちが結構な数いるって事だぜ。


レイム
確かに、相手の「意見」に対して、彼らは反論をするのではなくて「異論を黙らせる」方向に動いているのが見て取れるしね。


マリサ
本来だったら、「あなたの意見はそうだが、こちらの意見はこうだ」とやれば済むことを、それをせずにあの手この手を使ってなかったことにしたり、印象操作で「自分達に都合の良い内容に改変」したり、そんな事をしているわけだ。


レイム
まあ、こんなことをしていたら、「同じ考えの人達」以外からはそっぽを向かれても仕方がないわね。


マリサ
そういう事だぜ。
そして未だに、「ネット上で自分達へ向けられた反論」を「自分達の意見が封殺された」と思いこんで、ネットを敵視しているわけだ。


レイム
私たちから見ると「反論すればいいのに」と思うけど、そういう「当たり前の事」ができない人たちもいるって事ね。


マリサ
そういう事だぜ。
そんなわけで今回の本編はここで終わるぜ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~


大口
今回はおまけはないよ。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~


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