皆さま、あけましておめでとうございます。
さて、本日は現在の日韓の間で起きている問題について、問題の「なぜ」を無視する人々ほど無責任に解決を訴えている現状について書いていきます。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています
・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
現状の日韓問題を観察していると一つ共通点があり、「問題の解決」を訴えている人ほど主張に具体性がなく、「日本から歩み寄る事」と「対話をする事」自体が問題の解決になるかのような論調となっている。
しかし現在日韓の間で起きている問題は、韓国側が国家間の条約や約束を一方的に反故にし、日本に対して「要求を受け入れること」のみを主張し一歩も話が進まない事、また「何が問題でどうすれば解決なのか」を曖昧にし、日本に対して要求だけしている事が原因となっており、ただ歩み寄りや対話のみで解決できるものではない。
また、こうした人々は韓国の次期大統領選で新大統領が当選すれば問題が改善できると思いこんでいるが、実際には韓国の世論が「日本へ要求をする事」を望んでいるため、与党系と野党系、どちらが大統領になってもそれだけで問題が改善へ向かうことは無い。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
1:「対話が解決方法」という論調
まずはこちらの記事から
韓国の新政権発足を機に関係改善を
毎日新聞 2022年1月6日
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20220105/pol/00m/010/010000c
早期に対面会談を行うべきだ
韓国では3月に大統領選があり、5月に新政権が発足する。このタイミングが日韓関係改善のチャンスだ。
大統領選で現在有力な与野党の候補は、いずれもこのままの日韓関係で良いとは考えていないと思う。1998年の「日韓共同宣言」の精神に戻るべきだという点では韓国側も一致している。進歩系の政権が続いても、保守系に政権交代をしても、政権発足を契機に動き出すのではないか。
日本側は、徴用工問題で韓国側が解決策を示さない限り、意味のある会談にはならないとして首脳会談を行ってこなかった。韓国の新政権発足によって、悪化した日韓関係をリセットできるといい。現状を改善しようという思いで向き合う必要がある。
その頃には、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いていると期待しており、対面による外相や首脳の会談をなるべく早く行うべきだ。それが難しいようなら、両国の有識者による会議を設置して、関係改善に向けた話し合いをしておくという手もあるだろう。
大局的だった金大中大統領の国会演説
両国の関係悪化は長期化している。韓国では反日教育を受けた世代が政権中枢に多い一方、日本の戦後世代はいつまで謝罪をしなければならないのか、と考えている人がいることが背景にある。2015年の慰安婦合意で「最終的かつ不可逆的な解決」と盛り込んだのは、日本側の「これでおしまいにする」という思いが表に出たような格好だった。
当時首相だった安倍晋三氏は、歴代政権の歴史認識を引き継ぐことは表明したが、自分の口で「申し訳なかった」とは言わなかった。過去の歴史を直視しながらも、将来世代に謝罪を続ける宿命を背負わせてはならないと述べた。日本側としては譲れない文言であり成果だが、これが韓国側にしてみれば本当に謝罪する気があるのか、ととらえられた面がある。
私が若い議員たちに読むよう薦めているのは、金大中大統領(当時)が98年に来日した際に行った国会演説だ。演説では、「日本は明治維新以降、発展を遂げたが、帝国主義によって韓国を含むアジア諸国に大きな犠牲と苦痛を与えた」と述べたうえで、次に進もうと呼…
(後略)
こちらの記事では、自民党の河村建夫元官房長官が毎日新聞のインタビューに答え、「1998年の日韓共同宣言の精神に戻るべきだ」としており、そのうえで新政権での現状のリセットや、領国の有識者会議などを提案しています。
また慰安婦合意に関しては、安倍元首相が自分の口で「申し訳なかった」と言わなかったことが「韓国側にしてみれば本当に謝罪する気があるのか、ととらえられた面がある」として、原因が日本側にもあったとしています。
また次の記事では
北朝鮮が飛翔体発射 日米韓の連携立て直しを
毎日新聞 2022/1/6
https://mainichi.jp/articles/20220106/ddm/005/070/083000c
北朝鮮がきのう、
日本海へ向けてミサイルと見られる飛翔(ひしょう)体を発射した。落下地点は日本の
排他的経済水域(
EEZ)の外だったというが、決して容認できない。
発射は、昨年10月の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)以来だ。韓国政府は今回も弾道ミサイルだったと推定した。そうであるならば、国連安全保障理事会の決議に違反している。
決議の対象ではない巡航ミサイルの長射程化も進んでいる。日本への脅威は深刻化する一方だ。
昨年末の朝鮮労働党の会議で、金正恩(キムジョンウン)総書記は一年を振り返り、新型兵器の開発が順調に進んでいると強調した。相次いで発射した変則軌道や極超音速のミサイルが念頭にあるようだ。対外政策にも言及したが、内容は公表されなかった。当面は、外交より軍事力強化を優先する方針と見られる。
北朝鮮に路線転換を迫る上で重要なのが日米韓3カ国の連携だ。だが現状は、機能しているとは言いがたい。原因は、悪化したままの日韓関係にある。
岸田文雄首相は新年に出演したテレビ番組で、日韓関係について「安保においても大事だ」と語った。北朝鮮への対応が念頭にあるはずだ。
しかし、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領とは、就任直後に電話で30分あまり話しただけだ。外相会談すら開かれていない。発射について首脳や閣僚が電話で協議することもなかった。
日米韓の強固な連携を適切なタイミングで示すことが必要だ。北朝鮮に付け入る隙(すき)を与えてはならない。
岸信夫防衛相は今回の発射を受けて「敵基地攻撃能力」の必要性に改めて言及したが、優先順位を間違っているのではないか。韓国との情報共有なしには、北朝鮮の状況把握すらおぼつかないのが現実である。
最大の障害となっているのは元徴用工の問題だ。文政権に前向きな対応を求めるのは当然だが、両国のしこりが安保協力にまで悪影響を及ぼしては国益に反する。
首相は「新時代リアリズム外交」を掲げる。ならば、日米韓の連携を立て直すという現実的な課題を直視し、韓国との対話の糸口を探らなければならない。
先日の北朝鮮による弾道弾発射の例を出しながら、「日米韓の強固な連携を適切なタイミングで示すことが必要だ。北朝鮮に付け入る隙(すき)を与えてはならない」「首相は「新時代リアリズム外交」を掲げる。ならば、日米韓の連携を立て直すという現実的な課題を直視し、韓国との対話の糸口を探らなければならない」と主張しています。
そして次の記事でも
<社説>北朝鮮ミサイル 日米韓協調で自制促せ
東京新聞 2022年1月12日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/153688
北朝鮮が今年に入り、ミサイル発射を繰り返している。五日の実験に続き、十一日に発射されたミサイルは、韓国の防衛当局によると音速の十倍(マッハ10)前後の
極超音速で飛行したという。
北朝鮮のミサイル技術は近年、飛躍的に向上しており、従来の
ミサイル防衛網による対処には限界がある。日米韓三カ国が協調して
北朝鮮に自制を促し、対話に導く努力を続けなければならない。
北朝鮮は昨年一月、党大会で国防力強化五カ年計画を発表したことを受け、
巡航ミサイルなどの発射実験を繰り返してきた。
今年は二月に友好国・中国で冬季五輪が予定され、
北朝鮮が挑発を控えるとの見方もあったが、ミサイル発射を続けている。
今後、
北朝鮮にとって重要な記念日が続く。二月十六日は
金正恩(キムジョンウン)総書記の父、
金正日(キムジョンイル)氏の生誕八十年、四月十五日は祖父、
金日成(キムイルソン)氏の生誕百十年に当たる。三月には韓国大統領選も控えている。
北朝鮮は二年に及ぶ国境封鎖で経済的苦境に陥っている。記念日を機に挑発行動を繰り返すことで国内にたまる不満を抑える一方、対米関係改善の糸口をつかみ、国際社会による制裁の緩和につなげようとしているのだろう。
しかし、そうした手法は逆効果であり、孤立を深めるだけだ。
国連
安全保障理事会は十日、非公開の緊急会合を開いた。会合に先立ち、一部の国は
北朝鮮に対して、自制と対話に応じるよう求める非難声明を発表した。ミサイル発射が今後も続けば、
北朝鮮に理解を示す中国やロシアも、追加制裁の支持に回るかもしれない。
極超音速型ミサイルは変則軌道で低空を高速に飛行し、標的を攻撃するため、従来の
ミサイル防衛網では迎撃が困難とされる。
近年開発に力を入れる中ロに加え、
北朝鮮が配備に至れば、北東アジア情勢を一変させる可能性もある。日韓両国には深刻な事態だが、歴史問題を巡る対立で意思疎通や情報交換ができていない。
北朝鮮と向き合い、東アジア情勢を改善させるためにも、日韓両国の関係改善が急務である。
こちらでも北朝鮮の事例をだしたうえで「近年開発に力を入れる中ロに加え、北朝鮮が配備に至れば、北東アジア情勢を一変させる可能性もある。日韓両国には深刻な事態だが、歴史問題を巡る対立で意思疎通や情報交換ができていない。 」「北朝鮮と向き合い、東アジア情勢を改善させるためにも、日韓両国の関係改善が急務である。」と書いています。
こうした論調なのですが、今回挙げた最近の事例以外でも、日韓の関係改善を訴える人々の論調は「関係改善には対話をすべき」という内容で一貫していますが、根本的に「対話をするとどう変わるのか」が一切書かれていません。
2:問題を無視
そしてこうした論調の最大の問題は「日韓の間で何が問題となっているのか」を徹底的に無視している事です。
どういう事かといえば、最初の河村氏の発言がわかりやすいですが、以前も何度か指摘したように「1998年の日韓共同宣言」は、日韓請求権協定で諸問題が解決しており、また慰安婦問題では「アジア女性基金」で問題が解決したという前提での共同宣言です。
しかし現状は、アジア女性基金は挺対協(現正義記憶連帯)の妨害活動で空中分解しましたし、請求権協定は文政権と韓国の裁判所が反故にしてしまい、更には以前も何度か引用した次の記事にあるように
大韓民国による日韓請求権協定に基づく仲裁に応じる義務の不履行について(外務大臣談話)
外務省 令和元年7月19日
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page4_005119.html
(一部抜粋)
第三条
1 この協定の解釈及び実施に関する両締約国間の紛争は,まず,外交上の経路を通じて解決するものとする。
2 1の規定により解決することができなかつた紛争は,いずれか一方の締約国の政府が他方の締約国の政府から紛争の仲裁を要請する公文を受領した日から三十日の期間内に各締約国政府が任命する各一人の仲裁委員と,こうして選定された二人の仲裁委員が当該期間の後の三十日の期間内に合意する第三の仲裁委員又は当該期間内にその二人の仲裁委員が合意する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員との三人の仲裁委員からなる仲裁委員会に決定のため付託するものとする。ただし,第三の仲裁委員は,両締約国のうちいずれかの国民であつてはならない。
3 いずれか一方の締約国の政府が当該期間内に仲裁委員を任命しなかつたとき,又は第三の仲裁委員若しくは第三国について当該期間内に合意されなかつたときは,仲裁委員会は,両締約国政府のそれぞれが三十日の期間内に選定する国の政府が指名する各一人の仲裁委員とそれらの政府が協議により決定する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員をもつて構成されるものとする。
4 両締約国政府は,この条の規定に基づく仲裁委員会の決定に服するものとする。
韓国側は協定で定められた「仲裁委員会」の設置を、文政権が「司法不介入」を口実にして反故にしてしまっており、河村氏の主張した前提自体が成り立っていません。
また、慰安婦問題に関しても、河村氏は「安倍元首相がしっかりと謝罪しなかったこと」が原因としていますが、実際には韓国側はそれを理由としていません。
次の記事を読むとわかりますが
慰安婦巡る韓日合意から6年 市民団体「両政府は問題解決を」
聯合ニュース 2021.12.28
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20211228001600882
【ソウル
聯合ニュース】韓国と日本が2015年に旧日本軍の
慰安婦問題を巡る合意に至ってから6年となった28日、韓国の市民団体はこの韓日合意を「失敗」と見なした上で、両国に根本的な問題解決を求めた。
慰安婦被害者を支援する団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)はこの日発表した声明で、「韓日合意は真実に対する権利と再発防止確保の保障に失敗した。また別の足かせとなり、未来に進む足を引っ張っている」と批判した。
韓国政府については「真相究明の意志を失い、日本政府に何も要求しないという立場に方向転換したようだ」とし、合意当時大統領だった朴槿恵(パク・クネ)氏の特別赦免(恩赦)決定も問題視した。
また、日本政府を「慰安婦問題を消し去る道具として韓日合意を利用している」と非難し、被害者への賠償を命じた韓国裁判所の判決にも「最終的かつ不可逆的な解決」「国際法違反」と繰り返すことで問題提起そのものを封じているとした。
同団体は両国政府に対し、「今からでも遅くない。韓日合意という歴史的な妨げを取り除いて問題を根本的に解決せよ」と求めた。
また、親日勢力の清算を主張する革新系団体の「反日行動」は28日午後、ソウルの日本大使館前に設置されている慰安婦被害者を象徴する「平和の少女像」の周辺で、韓日合意の破棄を訴える行進を行う。99人が参加する集会なども予定している。
釜山の市民団体、韓国政府に「韓日日本軍『慰安婦』合意の破棄」を要求
ハンギョレ新聞 2021-12-29
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/42147.html
韓日両国が2015年12月28日に日本軍「
慰安婦」合意(12・28合意)を締結してから6年目になる今月28日、釜山(
プサン)の市民団体が政府に同合意の破棄を求めた。
「釜山キョレハナ(同胞は一つ)」などの23の市民社会団体はこの日、釜山東区草梁洞(トング・チョリャンドン)の日本総領事館前に立てられた平和の少女像の近くで記者会見を行い、「政府は12・28合意を破棄せよ。日本政府は戦争犯罪の被害者に対して謝罪・賠償せよ」と要求した。
これらの団体は「日本軍『慰安婦』問題の解決は被害者の名誉と人権の回復であり、我々の平和な未来を築く道だ。我々国民はいまだに戦争犯罪を謝罪せず、経済報復を行う日本政府を許したことはない。被害者の足を引っ張る『12・28合意』は必ず破棄されなければならない」と主張した。続いて「大統領候補たちも、こうした国民の気持ちを無視してはならない。『実用』という名のもとになまじ日本との関係改善に乗り出さないことを願う」と付け加えた。
これらの団体はまた「日本の岸田内閣は平和の少女像の撤去、警察庁長官の独島(ドクト)訪問への対応措置など、これまでの安倍内閣とさして変わらない態度を示している。日本が国家レベルで組織的に行った戦争犯罪は、数々の供述と資料から明白であるにもかかわらず、日本政府は無視している。歴史を繰り返さないために努力することこそ、より良い未来を作る道だということを知るべきだ」と指摘した。釜山大学生キョレハナのパク代表は「歴史は逆へとは進まず、偽りは真実には勝てない。私たちが日本の過ちを正す」と述べた。
2015年12月28日、韓国と日本の両国は日本軍「慰安婦」問題が「最終的および不可逆的に解決されたということに合意した」として12・28合意を締結した。日本政府のきちんとした謝罪もなく、戦争犯罪に対する法的責任も抜けているため、市民社会は強く反発した。政府は2018年1月に「日本に再交渉を要求しない」と宣言した。市民社会団体は、政府が事実上12・28合意を公式合意と認めたかたちになるとして批判している。
キム・ヨンドン記者
韓国の慰安婦団体が求めているのは「合意の破棄」です。
そしてこれを「ただの民間団体がしている事」と軽く見ることができないのは、そもそもこうした団体が合意に反対し妨害活動を行い、また所属慰安婦達をけしかけて合意の結果作られた「和解癒し財団」を解散に追い込んだことがきっかけだからです。
また、過去記事でも説明したように
oogchib.hateblo.jp
そもそも正義記憶連帯は問題の解決ではなく「団体の存続」を目的としている事が明白であり、しかも韓国政府が長年その手助けをしてきたことも解っています。
こうした事例から、そもそも対話をしても謝罪をしても、韓国側は「別の口実」を作って問題を起こし続ける事がはっきりしているわけです。
また対北朝鮮での連携の話にしても
最悪の韓日関係の中でも…韓国外交長官「ツートラック原則」ばかり反復
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.02.19 08:02
https://japanese.joins.com/JArticle/275714
「
文在寅(
ムン・ジェイン)大統領の就任以降、日本に対しては過去の問題は対話を通じて解決し、未来志向的な協力分野は合意をするというツートラック基調を一貫して維持した」。
鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は18日、国会外交統一委員会全体会議で、文在寅政権の対日政策基調が融和的に変わったのではという分析に対し、このように答えた。「文在寅政権が日本に対する立場をまともに確立できず揺れている」という鄭鎮碩(チョン・ジンソク)議員(国民の力)の質問に対する答弁だった。
鄭長官の答弁は対日政策で過去の問題と経済・安保協力を分離して扱うという「ツートラック原則」を強調した答弁だったが、同時に慰安婦・強制徴用などの問題に関しては今後も強い態度で臨むという意味とも解釈される。実際「最近は韓日関係の反転のきっかけを探そうとするようだ」(鄭鎮碩議員)という質問に対し、鄭長官は「我々の立場は過去の問題に断固対応するということ」と話した。
これに対し、バイデン政権の発足および北朝鮮核問題の突破口のため韓日関係の改善が必須という点を政府がよく知りながらも、過去の問題で前向きな措置を取るのは避けているのではという指摘も出ている。
鄭長官は文在寅政権の対日原則について一貫してツートラック原則だと主張したが、これも事実でない。文大統領は2019年の韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)延長中断決定の後、「日本が輸出統制の理由として韓国を安全保障上信頼できないと述べたが、こうした状況で軍事情報を交換しようというのは矛盾」と明らかにした。大法院(最高裁)の強制徴用賠償判決に輸出規制で応酬しながら先に政経分離原則を破ったのは日本だが、政府も過去の問題を安保事案と結びつけてツートラック原則を自ら破ったからだ。
この日の全体会議では、野党議員を中心に韓日関係に対する憂慮が続いた。国会外交統一委員会の野党幹事の金碩基(キム・ソッキ)議員は「日本に暮らす45万人の在日同胞が『韓日関係が最悪という状況は私たちには新型コロナより恐ろしい』とし、どうか助けてほしいと訴えている」と指摘した。朴振(パク・ジン)国民の力議員も「日本の政界では韓国を助けない、教えない、関わらないという『非韓3原則』が出ている」とし「韓日間で今のようにふさがった状況が続けば韓米関係にも否定的な影響が生じる」と述べた。こうした批判に対し、鄭議員は「韓日政府が対話を緊密にしながら十分に解消できると信じていて、日本側をこうした方向で説得している」という原則的な答弁を繰り返した。
鄭鎮碩(チョン・ジンソク)議員はこの日、全体会議に出席した鄭義溶外交部長官に対し、「(最近の韓国政府の姿は)チョ・グク元民情首席秘書官が竹槍歌を持ち出して反日感情を扇動した姿が妙にオーバーラップする」とし「眠らず日本と戦おうというような形の反日扇動政策が今後も必要なのか」と問いただした。これに対し鄭長官は「(反日扇動は)望ましくない」としながらも「しかし日本政府の高官らも韓日関係に対して非常に不適切な発言を数多くしてきたことを我々が看過してはいけない」と答えた。
鄭長官は韓日関係復元戦略に関連し、「韓日間の問題は両国間に必要なら米国の助けを受けることができる」とも語った。米国の仲裁・介入を活用して韓日関係を復元するという意志を表した発言だ。これは米国が韓国側から日本を説得することを望むという意中を表したと見る余地もあるが、先制的かつ前向きな対日措置なく米国の影響力に依存するだけでは韓日関係の解決に限界があるという指摘だ。
また、鄭長官は遅れている茂木敏充外相との電話会談についても「近いうちにあると期待する」とし「できるだけ早期に電話会談をする意思がある」と答えた。鄭長官は9日に公式任期が始まって以降、ブリンケン米国務長官をはじめ、ロシア、アラブ首長国連邦(UAE)、中国、カナダのカウンターパートと電話会談を終えた状態だ。しかし就任から1週間以上も日本とは電話会談をしていない。
この記事にもあるように、韓国側はGSOMIAを、「日本が輸出統制の理由として韓国を安全保障上信頼できないと述べたが、こうした状況で軍事情報を交換しようというのは矛盾」と主張し、外交カードとして使ったという背景があります。
しかもこれも以前から指摘しているように、あれは「輸出規制」ではありません。
兵器転用可能な物資は原則的に「個別許可」が必要だが、『輸出国側』が提示した基準をクリアした国のみ、包括許可を認めるという制度であり、韓国側はこの基準を満たせなかったうえに、定期対話すら拒否したため、優遇措置を解除されたというだけです。
参考記事
jp.yna.co.kr
にも拘わらず、韓国側はこれを「徴用工裁判と慰安婦裁判が原因」と主張し、GSOMIAを外交カードとして使用したという背景があります。
つまり、関係改善を訴える人々の主張するように、北朝鮮の件があるからこそ関係改善をしなければいけないとしても、根本的に関係を悪化させた原因は一方的に韓国側にあるわけです。
またそもそも、こうした経緯があるにも関わらず以下のように
慰安婦問題 「柔軟な立場で日本を説得」=韓国外相
聯合ニュース 2021.12.29
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20211229002500882
【ソウル
聯合ニュース】韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は29日の記者会見で、旧日本軍の
慰安婦問題について、韓国が2015年の日本との合意を履行していないことが「原罪」だとした野党国会議員の指摘に関し、「原罪がどこにあるかは皆さんがよく知っているのではないか」として、「
慰安婦問題は史上例のない戦時の女性の人権じゅうりんであり、女性の基本的な人権を侵害した事例」と強調した。
最大野党「国民の力」の趙太庸(チョ・テヨン)議員は10月の外交部に対する国会の国際監査で慰安婦合意問題について、「韓国政府だけの問題ではないが、結果的に(現政権が)やったことがない」として、文在寅(ムン・ジェイン)政権に「原罪」があると言及していた。
鄭氏は「現実的に柔軟な立場を持って日本を説得し続けている」と明らかにした。
慰安婦合意に基づき日本の拠出金で設立された「和解・癒やし財団」の残余金の扱いに関しては、「残った基金、わが政府が作った『両性平等基金』をどう韓日が合意して使うか協議している」と説明。「日本は合意をそのまま守るべきだという立場をかたくなに維持しており、まったく進展していない」とし、「日本がより前向きに、合理的に対応することを期待している」と促した。
また、「多くの被害者が心から望んでいることは日本の真摯(しんし)な謝罪であり、お金を求めているわけではない」と強調した。
日本は慰安婦合意に基づき和解・癒やし財団に10億円を拠出した。合意時点で生存していた47人中34人、死者199人中58人に計44億ウォン(約4億2600万円)が支給され、約56億ウォンが残っている。
文政権は18年に財団を解散し、政府の予算で両性平等基金に103億ウォンを拠出した。残余金の扱いなどを巡って日本と協議しているが、進展はしていない。
一方、日本による植民地時代に朝鮮半島出身者が強制労働させられた「佐渡島の金山」(新潟)を日本の文化審議会が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に推薦する候補に選定したことを巡っては、「日本は15年の近代産業施設(明治日本の産業革命遺産)の登録後、(強制徴用の事実を説明するとした)約束を履行していない」と指摘。「このような状況で強制労働があった施設を再び登録しようとすることを深く憂慮しており、深い遺憾の意を表す」と述べた。
東京電力福島第1原子力発電所の処理済み汚染水の海洋放出問題については、「国民が安心できる程度の科学的な根拠を提示するよう要求している」とし、「まだ日本がわれわれの要求に(十分に)応じていないとみている」と指摘した。その上で、国際原子力機関(IAEA)だけでなく2カ国間、そして周辺国との連携を通じ問題解決を図っていく方針を示した。
韓国側は日本側の一方的な譲歩を要求しているだけで、自ら問題を解決しようという意思が一切ありません。
つまり、自分達で「解決から遠ざかる行為」をして問題を作り出しておいて、その解決を日本側に丸投げしているというのが現状なのです。
また徴用工問題に関しても、
韓国政府「早期に韓日協議を」 日本製鉄の資産売却命令で
聯合ニュース 2021.12.30
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20211230003300882
【ソウル
聯合ニュース】韓国大法院(
最高裁)が日本製鉄(旧
新日鉄住金)に強制徴用被害者への賠償を命じた判決を巡り、裁判所が同社の韓国内に所有する資産の売却命令を出したことに関連し、外交部の当局者は30日、「政府としては被害者の権利実現および韓日関係などを考慮し、全ての当事者が同意できる解決策を講じるため、早期に韓日が協議を進めることを期待する」と話した。
また「今回の裁判所の決定については認識しており、今後は正確な事実関係を把握し、関連動向を鋭意注視していく」と説明した。
大邱地裁浦項支部はこの日、日本製鉄が所有する同社と韓国鉄鋼大手ポスコとの合弁会社「PNR」の株式の売却命令を出した。
大法院は2018年10月、徴用被害者4人に対し1人当たり1億ウォン(約968万円)の賠償を同社に命じる判決を確定させた。
日本製鉄が賠償に動かなかったことから、浦項支部は19年1月、原告側が申し立てた同社の韓国内資産であるPNR株の差し押さえを承認。日本製鉄は同資産を処分できなくなった。
ただ、日本製鉄が即時抗告すれば、効力が停止し、資産がすぐに現金化されることはない。
韓国側は、「政府としては被害者の権利実現および韓日関係などを考慮し、全ての当事者が同意できる解決策を講じるため、早期に韓日が協議を進めることを期待する」としています。
しかし、本来ならばそれは日韓請求権協定で定められた「仲裁委員会」の設置で処理しなければいけないにも関わらず、韓国側はそれを拒否して「被害者の権利実現」を日本側に要求しているという状況ですから、これも韓国側が問題を引き起こして解決を日本側に丸投げしているという事になります。
また更に重要なこととして、慰安婦問題においても徴用工問題においても、韓国側はその定義を「軍や国の命令で軍人や官憲の行った拉致や奴隷狩り」としている事です。
しかし実際には、これらを客観的に証明する根拠は一切ないどころか、韓国側が「証拠」としている「証言」はどれも様々な矛盾が存在しているうえに、韓国側が「虐待等があった」としている事例にしても、それが政府や企業の方針で一貫して行われたものであるという証拠も一切存在していないまま、「あった」という前提で話を進めています。
当たり前の事ですが、これら事例から解るのは日本側から歩み寄って「話し合い」をしたところで、問題解決の糸口などどこにもないという事です。
なぜなら、韓国側はここで挙げた問題点の一切を「問題とは頑なに認めない」どころか「問題とすら認識していない」状態で「日本側の大幅な譲歩」を要求しているからです。
3:政権が変わったところで同じ
そして更に問題なのが、多くの日本のメディアや政治家が「政権が変われば解決のきっかけになる」と勘違いしている事です。
それがなぜ間違いかといえば、次の記事を見てもらうとわかります。
韓国人が最も信頼する国は米国…最も不信に思う国は中国と日本
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.01.12 10:15
https://japanese.joins.com/JArticle/286633
韓国人が最も信頼する国は「米国」だということが分かった。中国と日本は最も不信に思う国に選ばれた。
ソウル大学アジア研究所は12日「アジアブリーフ」の最新号にのせられた「2021韓国人のアジア認識アンケート調査結果分析報告書」でこのような結果を公開した。
研究所は昨年12月、成人男女1031人を対象に米国、中国、日本、フランス、オーストラリア、ドイツ、タイ、ベトナムなど主要国20カ国に対する好感度を調査した。
その結果、回答者の71.6%(複数回答)が「信頼できる国」に米国を挙げた。反面、日本と中国はそれぞれ13.3%、6.8%と調査対象20カ国の中で最下位となり、韓国人が最も不信に思う国に選ばれた。
日本とはまだ解決されていない過去史問題、中国はTHAAD(高高度ミサイル防衛)配備に対応した「限韓令」などが反感を呼び起こしたと分析される。
「韓国が最も協力すべき国」を尋ねる質問にも最も多い回答者が米国を挙げて69.2%に達した。中国は6.9%、北朝鮮は6.5%となって最下位に留まった。日本は1.1%で、北朝鮮より低い数値を記録した。
「韓国と良い関係だと考える国」「韓国に肯定的な影響を及ぼす国」を尋ねる項目でも米国は1位を占めたが、中国と日本は最下位水準だった。
主要国20カ国に対する好感度を示す「感情温度」を0~100度の間で選ばせたところ、米国が65.9度で最も高かった。続いて、スウェーデン(59.5度)、ドイツ(58.1度)、フランス(57.3度)など欧州諸国やオーストラリア(59.2度)などが上位を占めた。
アジア諸国の中ではシンガポール(54.1度)が最も高く、続いて台湾(51.3度)、モンゴル(50.1度)、タイ(48.3度)、フィリピン(47.9度)、ベトナム(46.6度)の順だった。
反面、韓国の周辺国である中国(35.8度)は18位、北朝鮮(33.8度)は19位、日本(33.6度)は20位だった。14位は南アフリカ共和国(45.0度)、16位はガーナ(42.2度)などアフリカ国家よりも低い数値だ。
アジアブリーフのキム・ヨンホ編集委員長は「『東北工程』とTHAAD配備に対応した『限韓令』などで中国との葛藤が着実に続き、反感も大きくなったこと」とし「これによって中国に対する信頼度と協力関係などすべての指標が非常に否定的に現れた」と分析した。
また、「米中間競争が深化し、アジアが地政学的な要衝地として台頭している中で、このような結果は政策的な意味合いが大きいため、韓国の対外政策を立てるうえで参考にする必要があるだろう」と話した。
韓国で行われたアンケートなのですが、これによると日本を「信頼できる国」としている韓国人は13.3%と中国に次いで低く、好感度に至っては北朝鮮よりも低い20ヵ国中20位、「韓国と良い関係だと考える国」「韓国に肯定的な影響を及ぼす国」でも最下位圏となっています。
そして問題は、その原因を韓国人達は「まだ解決されていない過去史問題」としている事で、これは韓国人の多くが先ほど挙げた徴用工問題や慰安婦問題の原因を日本の側にあるとしており、また慰安婦と徴用工の定義も先ほど挙げた定義としているからです。
実際、次の事例のように
米教授がまた慰安婦否定の論文 韓国政府「対応する価値ない」
聯合ニュース 2022.01.06
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220106004000882
【ソウル
聯合ニュース】旧日本軍の
慰安婦を「売春婦」呼ばわりして波紋を呼んだ米
ハーバード大ロースクールの
ラムザイヤー教授が、
慰安婦の強制動員を立証する証拠はないという内容の論文を発表したことを巡り、韓国外交部の当局者は6日、記者団に「今更の主張に対し、政府が対応する価値自体がない」と述べた。
この当局者は続けて「慰安婦問題は世界に例のない戦時の女性の人権じゅうりんであり、普遍的人権侵害の問題だ」とし、「数多くの被害者の証言と国際機関の調査などによって立証された歴史的事実だ」とこれまでの立場を強調した。
ラムザイヤー氏は2020年、慰安婦の強制動員などを否定する論文を「インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス」誌に投稿し、国際的に非難を浴びた。論文の撤回を求める署名運動も起こり、世界から3500人以上が参加した。
一方、ラムザイヤー氏は5日にハーバード大ロースクールのホームページに掲載した論文で「慰安婦の強制動員の事実を立証する同時代の文書は存在しない」と主張し、再び論争を招いた。
japan.hani.co.kr
japanese.joins.com
ハーバード大学のラムザイヤー教授が先ほど挙げた慰安婦の定義を否定すると、韓国は官民そろってそれに抗議しています。
このことから解るのは、まずそもそも韓国人の多くが「日本が問題としている事」を一切重視していないうえに、次の大統領がどういった考えを個人的に持とうと、韓国の世論は上記「正しさ」から外れた内容を一切許容しないという事です。
これはつまり、与党系の李氏であれ、野党系の尹氏であれ、中道系の安氏であれ、誰が大統領になろうと、ただ日本が歩み寄って話し合ったところで問題は何一つ変わらないという事です。
そして問題は、こうした「現実」を日韓の関係改善を訴える人たちほど無視しているという事です。
それがいかに無責任で、問題のさらなる悪化を煽ることにしかならない事かが明白なのです。
そもそも、こんな有様で日本側から歩み寄るのは、国際社会に対して「日本は条約や合意を一方的に反故にされても、自ら歩み寄ってくる」という誤ったメッセージを伝えるだけにしかならず、それがどんな結果を生むかは、何があっても中国と北朝鮮に譲歩し歩み寄り続けた文政権が、中国と北朝鮮からどんな扱いを受けているかを見れば一目瞭然です。
参考記事
japanese.joins.com
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