日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

【ゆっくり解説】詭弁問題の対処法


さて、本日は詭弁論法に関する注意点などについて扱っていきます。

本日の投稿動画

youtube
https://youtu.be/aUD1y2UFgSA

元記事
詭弁問題への対処法


関連記事
韓国の事例で学ぶ、詭弁のテクニックと対処法
マスコミから学ぶ詭弁と看破方法
マスコミの「印象操作」テクニック

関連動画

YouTube
https://youtu.be/KJQBQmvSAiY


以下は動画のテキスト版です。

注意
・この動画は「日韓問題とマスコミ問題」を扱っています

・「日韓問題」と「マスコミ問題」ですので、右派・左派等の陣営論争は本題ではありません

・うp主のスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・「特定の国との特別な関係」はマスコミ問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・キャラ崩壊あり

・動画の拙い部分は生暖かく見守ってください、そのうちなんとかします

レイム マリサ 大口
ゆっくりしていってね


大口
さて、今回はちょっと特殊で日韓問題、マスコミ問題双方に関わる問題を扱っていきます。


レイム
詭弁問題関連というと、過去に動画やブログの方で日韓問題とマスコミ問題両方を扱っているから、それを合わせた内容ってこと?


マリサ
まとめ動画的なやつか?


大口
そういう要素があるにはあるけど、、今までは「どんな詭弁が使われているか」が中心だったけど、今回は「詭弁を指摘する側が注意すべきこと」が中心かな。


マリサ
「指摘する側が注意すべきこと」ってどういう意味だ?


レイム
問題があるのは詭弁を「使う側」なのに、「指摘する側」にどんな注意すべきことがあるの?


大口
まあそれは本編の方で詳しく説明するけど、詭弁の指摘ってかなりの諸刃の剣でね、半端な事をするとブーメランになりかねないうえに、そうでなくとも対応を間違えると色々とややこしいことになり易いんだよ。


マリサ
でもうp主は結構指摘をやってるよな?


大口
完全ではないけど、注意点さえ守れば比較的問題を回避し易い方法があるから、これを知っているといないのとでは雲泥の差があって、一応私はその注意点を守って指摘を行っているから。


レイム
つまり、今回はそれについて説明するってわけね。


大口
そういう事。
それじゃあ本編へ行きます。


事前知識


マリサ
なんかだいぶ大雑把なタイトルだな。


大口
まあ、今回の件は最初に色々と雑多な事前説明が必要だから。


レイム
それ、ちゃんとわかりやすく簡潔に説明できるの?


大口
まあ何とかなるんじゃないかな。


マリサ
なんか最初から怪しいんだぜ。


大口
あじゃあ最初に知っておいてほしい事として、実は詭弁の指摘で最も注意しないといけないのは、「詭弁の指摘が詭弁になる事」でね、これネット上でも結構な頻度で起きているんだよ。


大口
更にややこしいのが、「詭弁の指摘の指摘が詭弁になる」なんてことまであるんだよ。


レイム
という事は、「詭弁の指摘が詭弁で、更にその詭弁の指摘も詭弁になっている」なんてことも起こりうるって事ね。


マリサ
ややこしすぎるんだぜ。


大口
そういう事。
でもそういう状況を100パーセントではないけど回避する方法があって、それは「説明に詭弁の指摘を入れなくとも問題点を具体的に説明済み」の場合にのみ、詭弁の指摘を行うと、問題を回避しやすいんだよ。


マリサ
それってつまり「詭弁の指摘自体がいらない」って事じゃないのか?


大口
それが違っていて、経験則になるけど、詭弁を使う人ってただ問題点を指摘しても延々と詭弁を繰り返して終わらなくなる場合が多くて、そういう無駄な時間を回避するために「これはこれこれこういう既知の詐術的論法なんだ」という事を具体的に指摘する事で、そういう無駄な時間を回避できる場合が多いんだよ。


レイム
それって、相手がそれでも引き下がらなければ無意味じゃないの?


大口
あくまで「そういう場合が多い」ってだけだから。
強いていうなら、こちらは「なぜ詭弁なのか」を具体的に説明しているのだから、相手に「なぜ詭弁ではないのか」を具体的に説明を求めるっていうのも手だね。


レイム
つまり、詭弁の指摘自体はあくまで補助的なもので、重要なのは詭弁を使った相手の問題点を具体的かつ客観的に説明することなのね。


大口
そういう事。
そしてそれができていないって事は、「何が問題なのか」を自身がちゃんと把握できていないって事だから、結果「詭弁の指摘が詭弁になっている」という事態になり易いって事なんだよ。


マリサ
なるほどな。


大口
じゃあ次に具体的で客観的な説明っていうのがどういうものなのかを、実際の事例を使って説明していくね。



チェリーピッキング


大口
まずはチェリーピッキングから。


大口
チェリーピッキングというのは、元々「つまみ食い」の事で、そこから転じて多数の要素の中から持論に都合の良い要素のみを抽出し、あたかもそれが全てであるかのように印象操作する手法で、詭弁論法の「起点」になっている場合が多いテクニックだね。


大口
たとえばこの2016年の事例

田原総一朗蓮舫氏への『二重国籍』批判について考察する」
AERAdot./週刊朝日 2016/9/21
https://dot.asahi.com/wa/2016092000242.html
https://dot.asahi.com/wa/2016092000242.html?page=2

台湾と日本の二重国籍問題が取りざたされた民進党代表の蓮舫氏。しかし、この問題で特に不都合なことが起きていないと、ジャーナリストの田原総一朗氏は指摘する。

*  *  *
 民進党蓮舫新代表の二重国籍問題が新聞やテレビに大きな波紋を広げている。

 蓮舫氏は1967年に、台湾出身の父親と日本人の母親との間に日本で生まれた。旧国籍法は父系主義だったので、自動的に台湾籍となったが、国籍取得要件が緩和された85年1月の改正国籍法施行からほどなくして日本国籍を取得した。

 このとき、蓮舫氏は「父と一緒に台湾籍を抜く作業をした」と説明してきた。ただし、父親は台湾側の係官と台湾語で話をしていて、台湾語がわからない蓮舫氏には、会話の内容は理解できなかったようだ。彼女は台湾籍を抜いたものだと判断して、そのことに疑問を抱かなかった。だが、実は台湾籍が抜けてはおらず、30年以上、二重国籍の状態が続いたことになる。

 国籍法では原則22歳までに、二重国籍者は日本国籍か外国籍のいずれかを選択しなければならないことになっている。そして、日本国籍を選ぶ場合は外国籍の離脱証明か、放棄宣言のいずれかの書類が必要とされる。さらに放棄宣言の後も、外国籍の離脱に努めなければならない、と努力義務が規定されているようだ。

 蓮舫氏は、85年に台湾籍を抜いたものと信じ切っていたため、いずれの手続きもしないで過ごしてきた。メディアのインタビューにも「生まれたときから日本人で、17歳のときに台湾籍は抜いている」と語っていたのだが、いくつかの厳しい疑問を受けて、念のために、台北駐日経済文化代表処、つまり17歳のときに父親に連れられて行った事務所に、9月6日に除籍の照会をした。すると12日に、実は除籍されていないという返事が来たのだという。蓮舫氏はあらためて台湾籍を放棄する書類を提出した。

 結果として、蓮舫氏は二重国籍のまま3期、参院議員を務め、民主党が政権の座にいた2010年には行政刷新担当相、つまり閣僚を務めていたことになる。読売新聞は9月14日の社説で、「国会議員が自らの国籍を正確に把握できていないとは、あまりにお粗末と言うほかない」「外交・安全保障などの国益を担う国会議員が、自身の国籍を曖昧にしておくことは論外である」と、厳しく批判した。

 繰り返しになるが、蓮舫氏は台湾籍を放棄したものと思い込んでいたのであって、曖昧にしていたのではない。参院議員になるとき、あるいは閣僚になるときに二重国籍がチェックできていなかったとすれば、むしろ国家のチェック機能そのものに問題があるのではないか。

 蓮舫氏が04年の参院選の出馬時に国籍放棄手続きの作業を怠ったのは、政治家としての認識が甘く、資質が問われるという批判を各紙が行っているが、蓮舫氏は作業を怠ったのではなく、台湾籍を放棄したと思い込んでいたのである。確かに容易ならぬ手抜かりではあるが、彼女が台湾籍を有していたことで、具体的に何か不都合な事態が生じたのであろうか。不都合な事態が生じていたとすればそのときに問題になっていたはずで、そういう事態は生じていなかったわけだ。

 民進党の代表選でも、他の候補者からこの件での蓮舫批判は生じなかった。民進党の議員たちは、彼女が混乱を招いたことを謝罪して、すぐに台湾籍放棄の手続きをしたことで、事実上、事態は終わったと考えているのであろう。


大口
蓮舫議員の二重国籍問題が話題になった2016年の事例なのだけど、この記事ではこの件への批判を「二重国籍は単なる勘違いから引き起こされた問題であり、既に解決済であるのだから、これ以上終わったことで騒ぐ必要はない」としているのね。


マリサ
あれ?これってそれだけの問題だったっけ?


大口
まあそれは後でね、そして次はこれ

「純血・排外主義」を憂える=与良正男
毎日新聞 2016年9月21日
http://mainichi.jp/articles/20160921/dde/012/070/004000c(リンク切れ)

 蓮舫民進党新代表の、いわゆる「二重国籍」問題を考えたい。

 結論を言えば、蓮舫氏を激しく批判するいくつかのネットや新聞の言説に正直、私はうんざりしている。彼らの多くは「政党の代表がきちんと台湾籍放棄の法的手続きをとっていなかったのが問題」と言うが、やはり根底には純血主義や排外主義、民族差別意識があると感じるからだ。

 代表的な極論はこうだ。

 蓮舫氏が首相になって、仮に日本と台湾との間で紛争が起きた場合、台湾人を父に持つ蓮舫氏が日本を守れるのか、と。でも、この論法で言えば蓮舫氏が台湾籍をちゃんと抜いたとしても、彼らは同じ疑念を言い続けるのではなかろうか。

 もちろん蓮舫氏の対応も説明もお粗末だったというほかない。蓮舫氏には「なぜ、今さら指摘されないといけないのか」と被害者意識の方が強かったように思われる。政治リーダーはそれでは済まない。
(後略)


大口
同じくこの問題に関して、蓮舫議員への批判を「やはり根底には純血主義や排外主義、民族差別意識があると感じるからだ。」としている内容だね。


レイム
なんで二重国籍という制度上の問題がそうなるわけ?


大口
まあそれも後でね。
そして次はこれ

「重国籍」欧米では普通 蓮舫叩きは排外主義
東京新聞 2016年9月21日
https://web.archive.org/web/20160921031131/http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2016092102000130.html

 民進党蓮舫代表(48)の二重国籍騒動。日本国籍があれば国会議員はもちろん、首相や閣僚を務めても問題ないが、党内外から強烈なバッシングを受けた。そこに見え隠れするのは、「単一民族神話」に基づく排外主義だ。グローバル化で人の国際移動や国際結婚が増える中、欧米では重国籍を認める国が主流である。日本にも、二つのルーツを持って生まれた人が多く暮らす。「国籍は一つ」の考え方を見直す必要はないか。
(後略)



大口
こちらの記事では、世界的に二重国籍を認めている国は多いとしたうえで、同じく批判に対して「そこに見え隠れするのは、「単一民族神話」に基づく排外主義だ。」としているね。


大口
この件、後で出てくる「ストローマン」という詭弁や、今回は紹介しないけど、毎日の記事では「誤った二分法」という詭弁も使われているけど、ややこしくなるから今回はそれについては扱わないよ。


マリサ
尺の関係だぜ。


大口
それで、では実際蓮舫議員は「なぜ二重国籍で批判されていたのか」といえば、もちろん二重国籍自体の件もあるけど、それ以上に次にあるように


メディアに報じられた蓮舫氏の過去の主な発言



媒体

朝日新聞1992年6月25日夕刊
「赤いパスポート=(日本旅券)になるのがいやで、寂しかった」

週刊現代1993年2月6日発行号
「父は台湾で、私は、二重国籍なんです」

朝日新聞1993年3月16日夕刊
(ニュース番組『ステーションEYE』のメインキャスターに起用され)
「在日の中国国籍のものとしてアジアからの視点にこだわりたい」

CREA1997年2月号
「私は中国人の父と日本人の母の間に生まれたんですが、父親が日本人として子どもを育てたので日本のことしか知らないし、日本語しか話せない。それが自分の中でコンプレックスになっていました。だから自分の国籍は台湾なんですが、父のいた大陸というものを一度この目で見てみたい、言葉を覚えたいと考えていました。」

週刊ポスト2000年10月27日発行号
「私は帰化しているので国籍は日本人だが、アイデンティティーは「台湾人」だ」

2004年政界入り時の選挙公報
「1985年、台湾籍から帰化


大口
実は蓮舫議員は議員になる以前に何度か新聞や雑誌のインタビューのなかで、二重国籍である事や台湾籍への言及、あるいは「中国籍」への言及があって、問題発覚後の「二重国籍であると知らなかった」という釈明と矛盾しているんだよね。


大口
しかも2004年の政界入りの際の選挙公報では「1985年、台湾籍から帰化」と二重国籍であることを否定する内容になっていて、こういうちぐはぐな態度に対しての釈明が無いから批判されていたわけ。


レイム
で、これがどう「チェリーピッキング」なの?


大口
まず最初の週刊朝日の事例はわかりやすいよね。
あの記事は批判が起きた「最初の問題提起」のみしか扱っていなくて、その後指摘された「過去の発言との矛盾」が無視されているから。


マリサ
じゃあ毎日新聞東京新聞の事例はどうなんだ?


大口
これの場合、そもそも「単一民族主義や排外主義の事例」が客観的に証明されていないから、場合によっては「ストローマン」もありえるけど、いずれにせよたとえそういう主張があったとしても、「批判の本題部分」である発言の矛盾をなかったことにしているから、チェリーピッキングって事。


大口
そしてこれらの場合、チェリーピッキングの指摘が無くても、「批判の本題部分を無視している」という具体的かつ客観的な問題点の指摘ができているでしょ。


ストローマン


大口
そして次は「ストローマン」の事例ね。
これは日本語で「藁人形論法」とも言われていて、相手の主張を持論に都合よくゆがめ、その歪められた主張に反論してみせることで、あたかも相手を論破したかのように見せかける詭弁論法ね。


レイム
これもよく見かけるけど、どの事例を例に出すの?


大口
この事例がわかりやすいね。

朝日新聞叩きを考える(上)――「嫌韓憎中」路線から「朝日」攻撃へ
WEBRONZA 2014年10月27日
https://web.archive.org/web/20141027085510/http://astand.asahi.com/magazine/wrculture/special/2014102300006.html?iref=com_rnavi

ため息が出るような一連の朝日叩き騒動のなかで唯一痛快だったのは、池上彰さんが駆使した「逆手に取る」手法だった。 

 『週刊文春』9月25日号のコラムで「罪なき者、石を投げよ」と題して、自社を棚にあげて朝日叩きを続ける他紙を諌めたうえで、末尾で朝日新聞を「売国奴」などと非難している週刊誌をも批判したのだ。 

産経新聞、月刊誌「正論」「WiLL」などが提携したオピニオンサイト「iRONNA」

拡大産経新聞、月刊誌「正論」「WiLL」などが提携したオピニオンサイト「iRONNA」
 朝日新聞を「売国奴」と攻撃している筆頭は『週刊文春』だったから、それが同誌をも批判したのは明らかだった。しかし、編集部としてはそれを掲載しないわけにはいかない。なぜならば、朝日新聞が池上さんのコラムを掲載拒否したことを同誌も激しく非難していたからだ。池上さんはそのことを逆手に取って、週刊誌の報道をこう批判したのだった。

 「『売国』とは、日中戦争から太平洋戦争にかけて、政府の方針に批判的な人物に対して使われた言葉。問答無用の言論封殺の一環です。少なくとも言論報道機関の一員として、こんな用語は使わないようにするのが、せめてもの矜持ではないでしょうか」

 いやあ、この手法は拍手ものだ。

 ということで、今回、WEBRONZAから原稿依頼を受けた時、私は一瞬、この手法をまねてみようかと思った。

 この間の朝日新聞の「迷走の果てに自爆」したというべき対応が、日本のリベラルな言論にいかに打撃を与えたかには胸を痛めている人も多いから、その朝日新聞社の問題点を同社の媒体で書くというのも悪くないなと思ったのだ。幸いなことに、原稿依頼のメールには「もちろん朝日新聞社批判も」行ってよいと書いてあった。

 だから本稿では朝日新聞に対する批判も書こうと思うが、しかし、その前に朝日叩きの側について言わなければならないことが山ほどある。例えば池上さんも批判したように、この間、週刊誌に「国賊」「売国奴」などという表現が毎号のように躍った問題だ。

 今回の一連の騒動は、もしかすると日本の言論の歴史の転換点になるのではないか。そう思えるほど、戦後の言論報道界が依拠してきた理念や矜持が、見るも無残に捨て去られた。

 例えば池上さんも批判していたが、『フラッシュ』9月30日・10月7日合併号は表紙に大きな文字で「木村伊量社長を国会招致せよ」とぶちあげているのだ。言論をめぐる問題に政治家や権力が介入することを、雑誌が表紙にまで掲げて要求するというのは、これはもう退廃としか言いようがないだろう。

 9月下旬に開催されたマスコミ倫理懇談会全国大会で、『フラッシュ』を発行する光文社の編集管理局長がこれについて意見を訊かれ、「天に唾する態度だと思う」と見解を述べたところ、それがよりによって朝日新聞で報じられて物議をかもしたそうだが、しかし「天に唾する態度」というのは正鵠を得た表現だろう。

 9・11謝罪会見以降、朝日新聞が誤りを認めた、という言い方で、あたかも慰安婦問題などなかったかのような言説が横行している。かつて河野談話を受けて政府に真相究明を促した宝塚市議会の意見書を、今回、事実上撤回する決議が可決されたと報じられた。同様の動きは組織的に呼び掛けられ、様々な地方議会に圧力がかけられているらしい。

 また週刊誌が慰安婦報道に関わった植村隆元朝日記者らを名指しで槍玉にあげ、平然と大学で教鞭をとっているなどと批判したのを受けて、その大学に「売国奴をやめさせろ」という抗議が殺到、脅迫状まで送られる騒動になっている。

 週刊誌が朝日新聞の現役あるいは元記者個人を名指しで攻撃するのは、慰安婦報道だけでなく、中国や北朝鮮についての報道にも拡大している。

 例えば『週刊文春』9月4日号の「朝日新聞売国のDNA』」では、本多勝一さんや松井やよりさんが攻撃され、同9月18日号の「中国共産党に国を売った朝日新聞7人の『戦犯』」では、元「報道ステーション」のコメンテイター加藤千洋さんなども槍玉にあげられている。こうした文脈で筑紫哲也さんまで非難した週刊誌もあった。どう考えても常軌を逸した攻撃と言わざるを得ない。

 さすがにそうした朝日叩きに対する批判も大きくなってきたからか、最近になって週刊誌はある種のバランスをとるような誌面に転じつつあるのだが、今度は1周遅れで『SAPIO』などの月刊誌が朝日叩きを全面開花させており、書店店頭の雑誌コーナーは異様な雰囲気に覆われている。

 深刻なのは、このように雑誌媒体が一斉に同じ方向に転じて行った背景に、明らかに出版不況が影を落としていると思われることだ。

 昨年後半あたりから週刊誌界では「嫌韓憎中」ものは売れるという話が出始め、従来から右派系と言われた『週刊文春』『週刊新潮』だけでなく、『週刊ポスト』『フラッシュ』などが次々とその路線に転じて行った。

 今回の騒動では『アサヒ芸能』も朝日叩きに参戦したのだが、後になって参戦する雑誌ほどセンセーショナリズムに拍車がかかっている。『アサヒ芸能』8月28日号の見出し「『国賊メディア』朝日新聞への弔辞」には、思わず目を疑ったものだ。

 総合週刊誌はいまや次々と赤字に転落しており、経営側からこのままでは休刊もやむなしと脅されているのが実情だ。そのなかで背に腹はかえられないとばかり「嫌韓憎中」路線への転換が一気に拡大していったのだ。
(後略)


大口
記事はタイトルにもあるように「朝日新聞叩き」への反論について扱っているのだけど、その中で「9・11謝罪会見以降、朝日新聞が誤りを認めた、という言い方で、あたかも慰安婦問題などなかったかのような言説が横行している。」「かつて河野談話を受けて政府に真相究明を促した宝塚市議会の意見書を、今回、事実上撤回する決議が可決されたと報じられた。同様の動きは組織的に呼び掛けられ、様々な地方議会に圧力がかけられているらしい。」と書かれている部分があるのね。


マリサ
ちょっとまて、これだと「慰安婦問題などなかったかのような言説」って慰安婦の存在自体の否定をしている意見があるような印象を受けるけど、そんな事言ってるやついたか?


大口
以前から慰安婦問題関連で指摘しているけど、問題は韓国側の慰安婦の定義が「軍や国の命令で、軍人や官憲が直接的に行った拉致」となっていて、それを証明する証拠が一切なくて、この記事にもあるように

慰安婦被害者はいない」韓国で出版された“慰安婦問題のタブーを破る本”『赤い水曜日』驚きの内容とは?
文春オンライン 2021/9/21
https://bunshun.jp/articles/-/48743?page=2

(一部抜粋)
本書は、日本軍慰安婦だったとして支援団体によって内外で日本糾弾の反日運動の先頭に立たされ、韓国政府から法的に生活支援を受けているいわゆる“慰安婦被害者”について、記録として残されている彼女たちの証言集を詳細に検証している。その結果、韓国の「慰安婦被害者法(日帝下日本軍慰安婦被害者に対する保護・支援及び記念事業等に関する法律)」で定義されている「日帝に強制動員され性的虐待を受け慰安婦としての生活を強要された被害者」という「日本軍慰安婦被害者にあてはまる者は一人もいない」と主張している。

大口
あるのは「(韓国の)慰安婦被害者法(日帝下日本軍慰安婦被害者に対する保護・支援及び記念事業等に関する法律)で定義されている、日帝に強制動員され性的虐待を受け慰安婦としての生活を強要された被害者、という日本軍慰安婦被害者にあてはまる者は一人もいない」という批判なんだよね。


レイム
つまり、「韓国政府などが定義する犠牲者としての慰安婦は存在しない」という主張を、「慰安婦問題そのものの否定」や「慰安婦の存在否定」という話にすり替えているってわけね。


大口
そう、これ慰安婦問題では昔から定番のすり替えで、韓国側の「軍や国の命令で、軍人や官憲が直接的に行った拉致」という定義を否定すると、メディアとか韓国の側に立つ人たちが「極右が慰安婦を否定した」とやって印象操作してきたって歴史があるんだよ。


マリサ
もしかして、だから日本のメディアとかは「韓国側の慰安婦の定義」を明確にされることを嫌がっているって事か?


大口
まあ状況証拠はそれを示しているよね。
だからこれはストローマンと定義できるわけ。


燻製ニシンの虚偽


大口
最後は「燻製ニシンの虚偽」について。
これはちょっと特殊で、燻製ニシンの虚偽自体はさっきチェリーピッキングやストローマンで紹介した事例も「広義の意味では」あてはまるのね。


大口
そもそも燻製ニシンの虚偽というのは、たとえば推理小説などで「あたかも無関係な登場人物が犯人であるかのようにミスリードさせる手法」について説明するのにも用いられる「相手の注意を別の事柄に反らす論法」の事なのね。


レイム
たしかに、これだと場合によってはチェリーピッキングもストローマンもあてはまるわね。


大口
そのうえで、日本のメディアなどでよく使われるのは「前提の全く異なる事例を強引に相対化し、あたかも同一の問題であったり、或いは問題のない側に問題があるかのような印象操作を行う事でミスリードを誘う手法」で、いわば「相対化の詭弁」とも呼べるテクニックなのね。


マリサ
つまり、燻製ニシンの虚偽には該当するけど、「相対化の詭弁」が燻製ニシンの虚偽の全てではないってことか。


大口
そういう事。
そもそもこの「相対化の詭弁」って私がそう勝手に名付けただけで、この論法自体に固有名詞はなくて、カテゴリーとしては燻製ニシンの虚偽に含まれるってだけだから。


レイム
ちょっとややこしいわね。


大口
まあしょうがないよ、固有名詞がないとはいえ、この論法って日本のメディアなどでかなり頻繁に見かけるから。
そして事例として紹介するのはこちら

領土問題 尖閣諸島 竹島
日本共産党 2012年9月11日
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-09-11/2012091105_01_1.html

Q 竹島の領有問題は?
A 日本領有に根拠 編入時に韓国併合重なる

 竹島日本海航海者の好目標であったため古くから日本人にも知られ、「松島」の名で日本の文献にも表れ、アワビやサザエなどの漁に利用されていました。しかし、この島の帰属は、文献的には必ずしも明確ではありませんでした。

 1905年、竹島でアシカ猟に従事していた隠岐島の中井養三郎氏から10年間の貸し下げが出されたのを受け、日本政府は同年1月の閣議決定で同島を日本領として島根県編入しました。

 竹島はこれ以来、日本領とされてきました。51年のサンフランシスコ平和条約第2条a項も、竹島を、朝鮮に対して放棄する島の中に含めていません。それは条約作成の過程からも明らかです。

 こうした経過から日本共産党は、竹島の日本の領有権の主張には歴史的にも国際法的にも明確な根拠があると考えています。現在の韓国の実効支配は、52年に竹島を囲い込む境界線を設定、54年に常駐守備隊を配備し、占拠するようになったのが始まりです。

 一方で、日本が竹島編入した時期と、日本が韓国を植民地にしていった時期とが重なっているという問題があります。1904年には第1次日韓協約が結ばれ、韓国は事実上、外交権を奪われ、異議申し立てができない状況でした。竹島はその翌年に日本に編入され、1910年には韓国併合条約が結ばれています。

 日本による植民地支配の歴史を無視したままでは、韓国との間で歴史的事実にもとづく議論はできません。


大口
赤旗共産党竹島問題に対する方針を説明している記事なのだけど、そのなかで竹島は日本領としたうえで、「日本が竹島編入した時期と、日本が韓国を植民地にしていった時期とが重なっているという問題があります。1904年には第1次日韓協約が結ばれ、韓国は事実上、外交権を奪われ、異議申し立てができない状況でした。竹島はその翌年に日本に編入され、1910年には韓国併合条約が結ばれています。」と書かれているのね。


レイム
ああ、これはわかりやすいわね。
過去動画の「竹島はなぜ日本領」で説明した通りよ。


大口
そう、「第一次日韓協約で実質的な外交権が剥奪され抗議できなかった」という主張は、過去動画で引用した次の記事にもあるように

「明治 39年の土地売買に対する大韓帝国の抗議」
第二期竹島問題研究会 第8回会合平成 23 年 9 月 11 日 山﨑佳子
https://www.pref.shimane.lg.jp/admin/pref/takeshima/web-takeshima/takeshima02/kenkyukaijokyo2.data/9-8-6.pdf?site=sp

はじめに明治三十八(1905)年の竹島島根県編入の有効性 について、いくつかの論点において韓国から疑義が提示されている。例えば 韓国外務部は、「日本は暴力と貪欲によって略取した」1とカイロ宣言(1943年)を根拠にその不法性を主張 している。しかし、いずれもその 正当性の 前提条件として、島根県編入以前に竹島が 韓国領でありかつ 実効的に占有していたことが証明されなければならない。

ところが1947年6月に韓国内で竹島の存在が認識され、領有権に関する調査が始まって以来すでに64年もの年月が経過しているが、韓国側からは推測 の域を超える有効な証明が今になってもなおなされているとは言えないのが現状である。 また、 例え そうした証拠が今後新たに 「発見」されるとしても、韓国側は更なる説明責任を負っている。当時1900年以前から活発になっていた鬱陵島 における日本人の伐木等の 行動 に対して頻繁に行われていた抗議などの行政 ・外交 上の対策を、竹島におけるそれ や海軍省による調査2に対しては、実態を 把握していなかったのであろう、 何ら 講じ ていた形跡はないのである 。

特に 明治三十九(1906)年三月、島根県官吏による竹島視察団により 、鬱陵島郡守を通じて竹島 編入の事実を知らされたにも関わらず、大韓帝国は状況を調べるよう指令を送ったきり 抗議 した形跡がない。それ ばかりか、直後の 同年 7月頃、統監府から鬱島 郡に所属する島嶼と郡庁設置年月を照会された際に「その郡の所管島は竹島石島で、東西が六十里で南北が四十里で、合わせて二百余里だという。」など(該郡所管島는竹島石島오東西가六十里오南北이四十里니合二百餘里라고하였다이다)と鬱陵島から90km程離れた竹島を鬱島郡の範囲から除外する形で公式回答 した。

それに対し、韓国政府は「外交権が奪われた状態だったため、外交的抗議の提起ができなかった」と主張する。4しかし、 日本側の外交文書には1905年10月、第二次日英同盟の条文中の韓国の地位について、外部大臣 朴斉純が 林権助駐韓日本 公使に口頭で、さらに 英国公使には書簡をもって抗議し たことが記録されているし、 1906年(明治39)年2月に統監府が設置され、翌3月13日から毎週火曜に開か れた 『韓国施政改善ニ関スル協議会』の場において、大韓帝国議政府各大臣が伊藤博文ら統監や日本人顧問と、司法制度 など実に様々な協議を直接行っている。

さらに、大韓帝国議政府内部(内務省)の史料でも 、日本人との間に起こったの種々の 案件 について、統監府 など に照会を行っていることなど が記録されている。そこで 本稿では、この史料の記録のうち、竹島 問題とよく似た特徴を持つある 案件について、詳しく 紹介することとす

2.大韓帝国日本海軍省の日本海軍省の日本人への土地 払下げに抗議する

『内部来去案』は、1906年(光武10)2月から1910年(隆煕4)8月まで各部と内部の間に往来された公文書を集めた 大韓帝国の公文書綴である。日本や清との間に起こった様々な事案の報告・照会などの文書が含まれている。4冊で構成されている。この第一冊に、鬱陵島の半島側対岸に近い江原道蔚珍郡近北面竹邊浦にあった 、日本海軍望楼の跡地を巡る日本人 同士 の土地取引を巡る一件が記録されている。跡地の購入者である日本人がその証明を求めて郡庁へやってきたことを春川郡守李明来が内部大臣李址鎔に報告し、彼はこれを違法であるとして、日本側と交渉して禁止させるべきとの旨議政府参政大臣朴齊純 に照会するのである。


『內部來去』第1冊、光武 10年2月262日條 (内部大臣の議政治参政大臣への報告)

江原道觀察署理春川郡守李明來から「第16号報告書」を受けた。その内容は次の通り。先月13日に蔚珍郡守尹宇榮の報告を受けた。それによれば、蔚珍郡近北面竹邊浦の望楼に駐留していた日本海軍が最近撤収したが、12月27日に日本商人高賀という者が蔚珍郡庁に来て、「竹邊浦所在の望楼とその土地を望楼長から買得したので、蔚珍郡庁からその認可する公文書を交付してほしい」ということである。

郡守としては、自分の一存で処理することが出来ないので、報告するということであった。そこで、高賀という人物の住所・姓名、ならびに何月何日にいくらで買得したのか、さらに望樓長の姓名・住所を速やかに詳しく調べて報告せよと指示したところ、蔚珍郡守から次の報告があった。指令を受けて、高賀を招致して詳しい事情を聞いたところ、「自分は、日本の佐賀県三養基郡鳥棲洞213番地の、佐賀亦次という。

望樓長は高橋淸重と言い、その居所は日本佐世保海兵団の詰所であるが、住所は知らない。去年十月、駐屯していた日本海軍が撤収する時に180円を出して望楼を買った。しかし、土地は買っていない。土地はその上に建っている建物の持ち主のものであるのが普通なので土地も併せて買いたいと思い、前所有者に申し入れた。」ということである。

この報告に基づき調査をしたが、蔚珍郡竹邊浦の望楼は、日本海軍が軍用に暫く駐屯していて既に撤収したのであるが、今、日本商人の高賀亦次が望樓長の高橋淸重から私的に買い取ったというのは法律に違反するものでいかにも理に合わないことなので、ここに報告するので内容確認のうえ速やかに交渉され、即刻禁止させてそれを明示されるよう願う。

1906年2月26日

內部大臣勳一等李址鎔より議政府參政大臣朴齊純閣下へ

この文書 を受け、朴齊純 は以下のように統監へ照会を行う。

『內部來去案』第1冊、光武 10年4月17日條 (議政府照會第56號)

貴第3号照会を受けて、蔚珍郡竹邊浦の望楼と土地の私的売買禁止の件について、統監に照会し回答を得た。回答は次のとおりである。先月14日、蔚珍郡竹邊浦の望楼売却について貴第13号照会を受け取ったが、その照会に基づき日本の佐世保海軍鎭守府に文書を送って事実を調査したところ、その報告によれば、その望楼用の建物と設備は、代金收納後に全て他人に譲渡することとし、佐賀県人である古賀亦次に売却した。

昨年12月27日に既に代金を受領したが、その敷地は売却していない。以上回答するので承知されたい。このような照会結果であったので、内容を確認されたい。1906年4月17日議政府參政大臣朴齊純より内部大臣李址鎔閣下へこのように、韓国政府から抗議を受けた統監府は、佐世保の海軍に文書を送り調査を行 った結果、望楼跡地の売却は阻止されている。この一件について、慎鏞廈は、次のように述べ日帝は露日戦争終決直後、江原道蔚珍郡・竹辺浦に設置した望樓を撤去する際、望樓長と日本商人が結託して望樓土地を侵奪しようと試み 6ヶ月間にわたる紛争と交渉があったが、韓国議政府の努力によって阻止された例もあった。

おわりに

最後に 大韓帝国が抗議しなかった理由 について考察してみる。考えられるのは、1) 1900年の大韓勅令第41号で郡に昇格した際、所属島として挙げられた島名(竹島石島)に独島が入っていなかったか疑義 が生じた、もしくは、そもそも実効支配の形跡がなく調査の結果領土外と結論づけられた。2) (韓国側が主張するように)外交権が奪われていたので照会を断念した。といったことであろうか。

1) については、勅令を制定するための内部大臣 李乾夏による請議書に「該島地方は縦が八十里ほど、橫は五十里 」12とある こと、また、大韓帝国政府学部編輯局発行の経緯度線入り『大韓全図』(1899年)・『大韓輿地図』( 1900年頃)に竹島 は記載 されていないことから、その可能性が高いといえよう 。韓国 ・朝鮮作製の地図に竹島 /独島 がほぼ正しい位置 に描かれるのは、1947年以降の事である。
そう であ るならば、統監府へ「その郡の所管島は竹島石島で、東西が六十里で南北が四十里で、合わせて二百余里」と、鬱島郡につい て竹島を含まない範囲で回答した事実とも整合性が見出せる。

2)については、本稿で検討したように、竹島の領土編入を通告された時と同時期・近接地域・類似案件において、大韓帝国議政府参政大臣の朴齋純 は現に 統監府へ照会を行っており、結果として日本人の土地取得を阻止した。もし1906年5月の指令第三号による調査で韓国領土と判明していた場合、少なくとも統監府への事実関係の照会は行っていたであろう。しかし そうした形跡はなく、ましてやそのような韓国側の動きを日本側が妨害・阻止したり、何らかの理由によって韓国側が照会を断念した、といった記録もない。

結論として、1900年の大韓帝国勅令第41号の石島が独島 /竹島であるかどうか にかかわらず、それを通知され た時点で 統監府に照会し得る立場にあった大韓帝国政府は、 行政府 として当然為すべき適切な抗議、照会さえ 怠ったことにより、事実上 竹島の領有権を黙認したといえるであろう。以上の理由から、「暴力と貪欲によって略取した」から明治三十八(1905)年の竹島島根県編入国際法上無効 であ る、とは言えまい。



「明治 39年の土地売買に対する大韓帝国の抗議」
第二期竹島問題研究会 第8回会合平成 23 年 9 月 11 日 山﨑佳子

韓国政府は「外交権が奪われた状態だったため、外交的抗議の提起ができなかった」と主張する。4しかし、 日本側の外交文書には1905年10月、第二次日英同盟の条文中の韓国の地位について、外部大臣 朴斉純が 林権助駐韓日本 公使に口頭で、さらに 英国公使には書簡をもって抗議し たことが記録されているし、 1906年(明治39)年2月に統監府が設置され、翌3月13日から毎週火曜に開か れた 『韓国施政改善ニ関スル協議会』の場において、大韓帝国議政府各大臣が伊藤博文ら統監や日本人顧問と、司法制度 など実に様々な協議を直接行っている。


『内部来去案』は、1906年(光武10)2月から1910年(隆煕4)8月まで各部と内部の間に往来された公文書を集めた 大韓帝国の公文書綴である。日本や清との間に起こった様々な事案の報告・照会などの文書が含まれている。4冊で構成されている。この第一冊に、鬱陵島の半島側対岸に近い江原道蔚珍郡近北面竹邊浦にあった 、日本海軍望楼の跡地を巡る日本人 同士 の土地取引を巡る一件が記録されている。跡地の購入者である日本人がその証明を求めて郡庁へやってきたことを春川郡守李明来が内部大臣李址鎔に報告し、彼はこれを違法であるとして、日本側と交渉して禁止させるべきとの旨議政府参政大臣朴齊純 に照会するのである。


大口
大韓帝国は1905年10月、第二次日英同盟の条文中の韓国の地位について日本に対して公式抗議しているし、1906年鬱陵島対岸にあった日本海軍の望楼跡地を土地ごと買い取りたいという日本人が現れたけど、大韓帝国が韓国統監府(総督府の前身)に抗議し、売却自体が白紙になっているという記録があるから、成り立たないんだよ。


マリサ
つまりこれの場合、「抗議できなかった」という共産党の主張は裏付けのない「主観的意見」なのに対して、「実際には抗議していた」という客観的記録があるから、本来「意見」と「事実」は同列に比較できないのに、あたかも「双方が同等の条件で主張を行っている」ように強引に相対化して印象操作しているって事か。


大口
そういう事。
だから「燻製ニシンの虚偽」に基づく相対化の詭弁と定義できるというわけ。


レイム
というか「1904年には第1次日韓協約が結ばれ、韓国は事実上、外交権を奪われ」の部分なんだけど、これ韓国が「1905年2月の日本による竹島領有」以前に「外交権を奪われていた」とするために、強引にこじつけただけでこれを証明する根拠なんてないのよね。


マリサ
ああ、要するに日本共産党は韓国政府が言っている事をそのまま主張しているだけって事か。
でもこれ、共産党が「抗議の事実を知らなかっただけ」ってことはないか。


大口
ああ、それはないよ。
なぜかというと、2006年に共産党志位和夫日本共産党委員長が韓国でインタビューに答えてこれと同じ回答をしていて、その時に同じように間違いを指摘されて散々批判されているんだよ。


西大門刑務所歴史館で志位委員長語る 赤旗 2006年9月6日


レイム
え?つまり「全部わかっていて」日本共産党はその6年後にこんな事を言っているの?


大口
そう、つまりこの事例での燻製ニシンの虚偽による相対化は、明らかに「故意」って事。


マリサ
なんだかなぁ。

今回のまとめ

・詭弁の指摘は「具体的かつ客観的」に行う
・情報の中から持論に都合の良い情報のみを抜き出す「チェリーピッキング
・相手の主張を持論に都合よく歪め反論してみせる「ストローマン」
・前提の異なる事柄を強引に相対化し論点を反らす「燻製ニシンの虚偽に基付く相対化」



大口
それでね、こうした詭弁論法が発生する原因として最も多いのが、結論ありきの思考なんだよ。


レイム
結論ありきの思考だとなんて詭弁を使いやすいの?


大口
結論ありきの思考って現実との間に矛盾が起きやすくて、この矛盾を解消したいけど持論を曲げたくない場合に、詭弁を使って「矛盾をなかったように見せかける」という方法が取られることが多いからかな。


マリサ
つまり、相手を騙そうとしているって事だな?


大口
それがそうでもなくて、今回最後に紹介した共産党の事例はその通りなんだけど、大抵の場合は矛盾を解消するために無意識に行っていたり、知識の空白を想像で埋めようとして結果的に詭弁になっていたりする場合もあるよ。


レイム
つまり、詭弁と意識せずに詭弁を使っている場合が多いって事ね。


大口
そういう事。
だから「私達」も常に注意していないといけなくて、そうした事態を減らすためにも常に具体的かつ客観的なスタンスが求められるって事。


マリサ
まあ、「故意」の事例以外ならそれで回避できそうではあるな。


大口
あと注意しないといけないのは、結論ありきの思考って「自分はそうならない」と思いこむほど陥りやすいから、常に「自分は結論ありきの状態に陥っているかも」と客観視することが重要になるね。


レイム
これ、かなり難しいけど「意識する」のが重要になるわね。


大口
そういう事。
そんなわけで今回の本編はここで終わります。


レイム マリサ 大口
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~


大口
今回も長くなりすぎたのでおまけはないよ。
そんなわけで今回はここで終わります。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~



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詭弁問題への対処法


さて、本日も少し特殊な内容となります。
過去にも何度か詭弁に関する問題を扱ったことがありますが、今回は「詭弁を指摘する側」が注意しないといけない問題まで含め、総合的に扱っていく事にします。


お知らせ
2021年10月からは以下のはてなブログへお引越しします。

日韓問題(初心者向け)
https://oogchib.hateblo.jp/

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由
はてなブロブ
https://oogchib.hateblo.jp/entry/ar892003


注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


目次

1:概要

2:チェリーピッキング

3:ストローマン

4:燻製ニシンの虚偽



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:概要


まず初めに詭弁論法を知る上で、「どんな意図で」「どのようなタイミングで」使われる場合が多いのかという事が重要になります。


なぜなのかというと、後程説明する事にも関係してくるのですが、「詭弁」といっても多数の種類があるうえに、相手が「これから詭弁を使います」と言ってくるわけでもなく、またこちら側も本題に注意が向いていて気付かず、詭弁で煙に巻かれ後ほどになって「そういえば」となる場合も多いからです。


ではどんな場面でどんな意図で使われることが多いのかというと、それは「結論ありき」の思考と実態が乖離した場合に、乖離部分から論点を反らさせる、或いは情報の上書きをすることで誤魔化すといった場合に使われることが多いです。


つまり、「持論に矛盾が発生した場合に矛盾を誤魔化す」目的で使われることが多いというわけです。
ですので、こうした状況に出会った場合に事前に詭弁を警戒するという事が早期発見の手掛かりとなります。


そしてここからが本題となるわけですが、実のところ「詭弁の指摘」というのは非常に難しい行為です。
なぜかといえば、詭弁の指摘自体が詭弁になっていたり、更には詭弁の指摘の指摘が詭弁になっていたりと、詭弁に関する知識があればあるほどこうした事態に陥りやすいという問題があるからです。


つまり、詭弁を知るという事は「自身が詭弁を使わないようにするためにはどうするか」もセットで考え注意しないといけないのです。


そしてこれは当然私にも当てはまるわけですが、この問題にどうやって対処しているかというと、「詭弁論法の説明をしなくとも具体的に問題点を指摘できる」場合にのみ、「この内容はこれこれこういう詭弁である」という説明を行うようにしています。


「ならば別に詭弁論法の説明などいらないのではないか」と考えるかもしれませんが、それも少し違います。


どういうことかというと、問題点を具体的に指摘したうえで「これは固有の名詞が存在し一般化できる詐術的手法なのだ」と説明することで、相手にそれ以上の言い訳の余地を与えず、それ以上その件で余計な論争の必要がなくなり、本題に集中しやすくなるからです。


そしてこうした一連の作業をスムーズに、かつレッテル貼りにならないように進めるために、「どんな時に」「どんな意図で」詭弁が使われやすいかを事前に知っておくことが非常に重要となるわけです。
「来る」とわかっていれば余裕ができますから。


また裏を返せば、具体的に問題点の指摘ができていない詭弁の指摘は、それ自体が詭弁やただのレッテル貼りになっている場合が多いという事でもあります。


では次に、「詭弁論法の説明をしなくとも具体的に問題点を指摘」したうえで「詭弁論法の説明をする」とはどんなやり方があるかについて、既存のメディアなどでよく使われる詭弁論法の実際の事例を挙げて説明していきます。

2:チェリーピッキング


まずはチェリーピッキングから。
チェリーピッキングとは、いわゆる「つまみ食い」のことであり、詭弁論法においては多数ある要素のなかから持論に都合の良い部分のみを抽出し、あたかもそれが全てであるかのように見せかける詭弁論法です。


まずはこちらの3つの記事を

田原総一朗蓮舫氏への『二重国籍』批判について考察する」
dot./朝日新聞 2016/9/21
https://dot.asahi.com/wa/2016092000242.html
https://dot.asahi.com/wa/2016092000242.html?page=2

台湾と日本の二重国籍問題が取りざたされた民進党代表の蓮舫氏。しかし、この問題で特に不都合なことが起きていないと、ジャーナリストの田原総一朗氏は指摘する。

*  *  *
 民進党蓮舫新代表の二重国籍問題が新聞やテレビに大きな波紋を広げている。

 蓮舫氏は1967年に、台湾出身の父親と日本人の母親との間に日本で生まれた。旧国籍法は父系主義だったので、自動的に台湾籍となったが、国籍取得要件が緩和された85年1月の改正国籍法施行からほどなくして日本国籍を取得した。

 このとき、蓮舫氏は「父と一緒に台湾籍を抜く作業をした」と説明してきた。ただし、父親は台湾側の係官と台湾語で話をしていて、台湾語がわからない蓮舫氏には、会話の内容は理解できなかったようだ。彼女は台湾籍を抜いたものだと判断して、そのことに疑問を抱かなかった。だが、実は台湾籍が抜けてはおらず、30年以上、二重国籍の状態が続いたことになる。

 国籍法では原則22歳までに、二重国籍者は日本国籍か外国籍のいずれかを選択しなければならないことになっている。そして、日本国籍を選ぶ場合は外国籍の離脱証明か、放棄宣言のいずれかの書類が必要とされる。さらに放棄宣言の後も、外国籍の離脱に努めなければならない、と努力義務が規定されているようだ。

 蓮舫氏は、85年に台湾籍を抜いたものと信じ切っていたため、いずれの手続きもしないで過ごしてきた。メディアのインタビューにも「生まれたときから日本人で、17歳のときに台湾籍は抜いている」と語っていたのだが、いくつかの厳しい疑問を受けて、念のために、台北駐日経済文化代表処、つまり17歳のときに父親に連れられて行った事務所に、9月6日に除籍の照会をした。すると12日に、実は除籍されていないという返事が来たのだという。蓮舫氏はあらためて台湾籍を放棄する書類を提出した。

 結果として、蓮舫氏は二重国籍のまま3期、参院議員を務め、民主党が政権の座にいた2010年には行政刷新担当相、つまり閣僚を務めていたことになる。読売新聞は9月14日の社説で、「国会議員が自らの国籍を正確に把握できていないとは、あまりにお粗末と言うほかない」「外交・安全保障などの国益を担う国会議員が、自身の国籍を曖昧にしておくことは論外である」と、厳しく批判した。

 繰り返しになるが、蓮舫氏は台湾籍を放棄したものと思い込んでいたのであって、曖昧にしていたのではない。参院議員になるとき、あるいは閣僚になるときに二重国籍がチェックできていなかったとすれば、むしろ国家のチェック機能そのものに問題があるのではないか。

 蓮舫氏が04年の参院選の出馬時に国籍放棄手続きの作業を怠ったのは、政治家としての認識が甘く、資質が問われるという批判を各紙が行っているが、蓮舫氏は作業を怠ったのではなく、台湾籍を放棄したと思い込んでいたのである。確かに容易ならぬ手抜かりではあるが、彼女が台湾籍を有していたことで、具体的に何か不都合な事態が生じたのであろうか。不都合な事態が生じていたとすればそのときに問題になっていたはずで、そういう事態は生じていなかったわけだ。

 民進党の代表選でも、他の候補者からこの件での蓮舫批判は生じなかった。民進党の議員たちは、彼女が混乱を招いたことを謝罪して、すぐに台湾籍放棄の手続きをしたことで、事実上、事態は終わったと考えているのであろう。



「純血・排外主義」を憂える=与良正男
毎日新聞 2016年9月21日
http://mainichi.jp/articles/20160921/dde/012/070/004000c

 蓮舫民進党新代表の、いわゆる「二重国籍」問題を考えたい。

 結論を言えば、蓮舫氏を激しく批判するいくつかのネットや新聞の言説に正直、私はうんざりしている。彼らの多くは「政党の代表がきちんと台湾籍放棄の法的手続きをとっていなかったのが問題」と言うが、やはり根底には純血主義や排外主義、民族差別意識があると感じるからだ。

 代表的な極論はこうだ。

 蓮舫氏が首相になって、仮に日本と台湾との間で紛争が起きた場合、台湾人を父に持つ蓮舫氏が日本を守れるのか、と。でも、この論法で言えば蓮舫氏が台湾籍をちゃんと抜いたとしても、彼らは同じ疑念を言い続けるのではなかろうか。

 もちろん蓮舫氏の対応も説明もお粗末だったというほかない。蓮舫氏には「なぜ、今さら指摘されないといけないのか」と被害者意識の方が強かったように思われる。政治リーダーはそれでは済まない。
(後略)



「重国籍」欧米では普通 蓮舫叩きは排外主義
東京新聞 2016年9月21日
https://web.archive.org/web/20160921031131/http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2016092102000130.html

 民進党蓮舫代表(48)の二重国籍騒動。日本国籍があれば国会議員はもちろん、首相や閣僚を務めても問題ないが、党内外から強烈なバッシングを受けた。そこに見え隠れするのは、「単一民族神話」に基づく排外主義だ。グローバル化で人の国際移動や国際結婚が増える中、欧米では重国籍を認める国が主流である。日本にも、二つのルーツを持って生まれた人が多く暮らす。「国籍は一つ」の考え方を見直す必要はないか。
(後略)


2016年に民進党(現:立憲民主党)の蓮舫議員の二重国籍疑惑が取りざたされた時の報道各社の記事です。


最初の記事では、蓮舫議員への批判を「二重国籍は単なる勘違いから引き起こされた問題であり、既に解決済であるのだから、これ以上終わったことで騒ぐ必要はない」としています。


また次の記事では、蓮舫議員への批判を「やはり根底には純血主義や排外主義、民族差別意識があると感じるからだ。」としており、根底にあるのはレイシズムであると断じています。


その次の記事では、世界的に二重国籍を認めている国は多いとしたうえで、同じく批判に対して「そこに見え隠れするのは、「単一民族神話」に基づく排外主義だ。」としています。


この3つの記事なのですが、ここには後ほど説明する詭弁の要素(ストローマン)も含まれているのですが、それは後で解説するとして、ここではなぜこれチェリーピッキングになっているのかを説明します。


まず重要なこととして、実際問題蓮舫議員への批判の中には、記事で指摘されているような非難があったかもしれませんし、なかったかもしれません、それは具体的に「そういう事例があった」事を記事で証明していないので判断がつきませんし、根拠になっていません。


では実際には蓮舫議員が当時なぜネットを中心に批判されていたかというと、次の事例を見てもらうとわかりやすいですが、





メディアに報じられた蓮舫氏の過去の主な発言

媒体

朝日新聞1992年6月25日夕刊
「赤いパスポート=(日本旅券)になるのがいやで、寂しかった」

週刊現代1993年2月6日発行号
「父は台湾で、私は、二重国籍なんです」

朝日新聞1993年3月16日夕刊
(ニュース番組『ステーションEYE』のメインキャスターに起用され)
「在日の中国国籍のものとしてアジアからの視点にこだわりたい」

CREA1997年2月号
「私は中国人の父と日本人の母の間に生まれたんですが、父親が日本人として子どもを育てたので日本のことしか知らないし、日本語しか話せない。それが自分の中でコンプレックスになっていました。だから自分の国籍は台湾なんですが、父のいた大陸というものを一度この目で見てみたい、言葉を覚えたいと考えていました。」

週刊ポスト2000年10月27日発行号
「私は帰化しているので国籍は日本人だが、アイデンティティーは「台湾人」だ」

2004年政界入り時の選挙公報
「1985年、台湾籍から帰化


上記のように、あきらかに自身が二重国籍であったことを知っていたとしか考えられない発言を繰り返しているにも関わらず、2004年に政界入りした際の選挙公報には「1985年、台湾籍から帰化」と書かれており、更に2016年に二重国籍を指摘されると「知らなかった」「台湾籍はなくなっているものと勘違いしていた」と、矛盾する発言をしていたからです。


つまり、多数あった蓮舫議員への批判のうち、あきらかに「例えあったとしても」少数派でしかない意見をさも「それが批判の全て」であるかのように印象操作し、「蓮舫議員の発言の矛盾」を一切取り上げていないため、これは詭弁論法のチェリーピッキングにあたるというわけです。


3:ストローマン


次はストローマンの事例です。
ストローマンとは、相手の主張を持論に都合よく歪め、その歪められた主張に反論して見せることで、あたかも相手を論破したかのように見せかける詭弁論法で、その手法を「ストローマン(藁人形)」に例えているわけです。


例えばこの事例

朝日新聞叩きを考える(上)――「嫌韓憎中」路線から「朝日」攻撃へ
WEBRONZA 2014年10月27日
https://web.archive.org/web/20141027085510/http://astand.asahi.com/magazine/wrculture/special/2014102300006.html?iref=com_rnavi

(一部抜粋)
 9・11謝罪会見以降、朝日新聞が誤りを認めた、という言い方で、あたかも慰安婦問題などなかったかのような言説が横行している。かつて河野談話を受けて政府に真相究明を促した宝塚市議会の意見書を、今回、事実上撤回する決議が可決されたと報じられた。同様の動きは組織的に呼び掛けられ、様々な地方議会に圧力がかけられているらしい。


この部分なのですが、元々慰安婦そのものを「無かったこと」としている人など私の知る限り存在しません。
慰安婦が存在したことを前提に、たとえば以下の記事で書かれているように


慰安婦被害者はいない」韓国で出版された“慰安婦問題のタブーを破る本”『赤い水曜日』驚きの内容とは?
文春オンライン 2021/9/21
https://bunshun.jp/articles/-/48743?page=2

(一部抜粋)
本書は、日本軍慰安婦だったとして支援団体によって内外で日本糾弾の反日運動の先頭に立たされ、韓国政府から法的に生活支援を受けているいわゆる“慰安婦被害者”について、記録として残されている彼女たちの証言集を詳細に検証している。その結果、韓国の「慰安婦被害者法(日帝下日本軍慰安婦被害者に対する保護・支援及び記念事業等に関する法律)」で定義されている「日帝に強制動員され性的虐待を受け慰安婦としての生活を強要された被害者」という「日本軍慰安婦被害者にあてはまる者は一人もいない」と主張している。


韓国側の慰安婦の定義である「軍や国の命令で、軍人や官憲の行った拉致」というものは存在しないという主張を「あたかも慰安婦問題などなかったかのような言説」と相手の主張を持論に都合よく改変し、それを「過去の罪をなかったことにしようとしている」と「批判してみせる」という「すり替え」が行われているわけです。


何を「存在しない」としているかの部分が改変されているというわけです。


この「慰安婦の強制性の否定」をすると、それをあたかも「慰安婦問題(の制度や存在そのもの)の否定」にすり替えて批判する手法は過去何度も使われており、この論座の記事もその典型例です。


だからこの記事は典型的なストローマンなのです。


4:燻製ニシンの虚偽


最後に燻製ニシンの虚偽についてですが、これはたとえば推理小説などで作者があたかも無関係な登場人物が犯人であるかのようにミスリードさせる手法などに使われる表現でもあり、相手の注意を別の事柄に反らす詭弁論法の事です。


そのうえで、日本においてよく使われる燻製ニシンの虚偽の形態は、前提の全く異なる事例を強引に相対化し、あたかも同一の問題であったり、或いは問題のない側に問題があるかのような印象操作を行う事でミスリードを誘う手法です。


例えばこの事例

領土問題 尖閣諸島 竹島
日本共産党はこう考えます 2012年9月11日
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-09-11/2012091105_01_1.html

Q 竹島の領有問題は?
A 日本領有に根拠 編入時に韓国併合重なる

 竹島日本海航海者の好目標であったため古くから日本人にも知られ、「松島」の名で日本の文献にも表れ、アワビやサザエなどの漁に利用されていました。しかし、この島の帰属は、文献的には必ずしも明確ではありませんでした。

 1905年、竹島でアシカ猟に従事していた隠岐島の中井養三郎氏から10年間の貸し下げが出されたのを受け、日本政府は同年1月の閣議決定で同島を日本領として島根県編入しました。

 竹島はこれ以来、日本領とされてきました。51年のサンフランシスコ平和条約第2条a項も、竹島を、朝鮮に対して放棄する島の中に含めていません。それは条約作成の過程からも明らかです。

 こうした経過から日本共産党は、竹島の日本の領有権の主張には歴史的にも国際法的にも明確な根拠があると考えています。現在の韓国の実効支配は、52年に竹島を囲い込む境界線を設定、54年に常駐守備隊を配備し、占拠するようになったのが始まりです。

 一方で、日本が竹島編入した時期と、日本が韓国を植民地にしていった時期とが重なっているという問題があります。1904年には第1次日韓協約が結ばれ、韓国は事実上、外交権を奪われ、異議申し立てができない状況でした。竹島はその翌年に日本に編入され、1910年には韓国併合条約が結ばれています。

 日本による植民地支配の歴史を無視したままでは、韓国との間で歴史的事実にもとづく議論はできません。


共産党竹島問題についてのQ&A形式の記事なのですが、そのなかで「こうした経過から日本共産党は、竹島の日本の領有権の主張には歴史的にも国際法的にも明確な根拠があると考えています」としたうえで、「一方で、日本が竹島編入した時期と、日本が韓国を植民地にしていった時期とが重なっているという問題があります。1904年には第1次日韓協約が結ばれ、韓国は事実上、外交権を奪われ、異議申し立てができない状況でした。竹島はその翌年に日本に編入され、1910年には韓国併合条約が結ばれています。」と書いています。


これなのですが、韓国側はそもそも「抗議できなかった」のだから、その部分で韓国の言い分にも一理あるような印象をを与え、日韓が「同等な立場での対立」をしているような印象を受けます。


しかし、過去動画や過去記事でも指摘していますが、そもそもこの前提自体が成り立っていません。



過去動画

YouTube
https://youtu.be/KJQBQmvSAiY

過去記事
竹島と尖閣諸島がなぜ日本領なのか、すごーーーーーーーーく簡単に説明してみる。
はてなブログ
https://oogchib.hateblo.jp/entry/ar453318


なぜかというと、動画でも引用している以下の研究報告で、


「明治 39年の土地売買に対する大韓帝国の抗議」 第二期竹島問題研究会 第8回会合平成 23 年 9 月 11 日 山﨑佳子



実のところ大韓帝国は「1905年10月、第二次日英同盟の条文中の韓国の地位について日本に対して公式抗議」を行っており、また「1906年鬱陵島にあった日本海軍の望楼跡地を土地ごと買い取りたいという日本人が現れたが、大韓帝国が韓国統監府(総督府の前身)に抗議し、売却自体が白紙になっている」という事例も存在しており、実のところ「外交権の剥奪」があった後も日本への抗議自体は行えています。


また本題と少しそれますが、赤旗に書かれている「1904年には第1次日韓協約が結ばれ、韓国は事実上、外交権を奪われ、異議申し立てができない状況でした。」は明らかに間違いです。


「外交権の剥奪」は1905年(明治38年)11月17日なのですが、韓国側は日本の竹島領有時期(1905年2月)と整合性をとるために「第一次日韓協約の時点で事実上外交権が剥奪されていた」と主張しており、共産党はその主張に忖度しているだけです。


動画や記事でも説明したように、日本側の領有根拠は「国際法」という客観的事実に基づいた内容となっていますが、この共産党の主張は「韓国側の単なる意見」であって客観性がありません。


つまり、「客観的事実」と「ただの意見」という前提の全く異なる2つの内容を、あたかも「同等の意見」であるかのように印象操作して、「対等の対立」であるかのように見せかけているというわけです。


これは典型的な「燻製ニシンの虚偽」の手法です。


最後に。
今回紹介した3つの事例を読んでもらえばわかるように、「詭弁論法」の説明がなくとも「問題点の具体的な指摘」自体はできる内容となっています。


そのうえで「どう問題なのか」をわかりやすくするために、「これは固有の名詞が存在し一般化できる詐術的手法なのだ」という意図で詭弁論法について一番最後に書いています。


こうすることで、「詭弁の指摘自体が詭弁になる」という状況を「起きにくくする」事ができるというわけです。



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転載について
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【ゆっくり解説】ネットを無視できなくなったマスコミ


さて、本日は久々に「マスコミ不信の歴史」について扱っていきます。

本日の投稿動画

YouTube
https://youtu.be/xG6rh1kNXFE

元記事
2012年、「メディア不信」の存在を無視できなくなったマスコミ

関連動画
【日韓問題】韓国の作戦

youtube
https://youtu.be/PPiaIb9z5kI


YouTube
https://youtu.be/628BYMiddxM


YouTube
https://youtu.be/VoghOI7tmgc


YouTube
https://youtu.be/s5jvkOjy0Mk


YouTube
https://youtu.be/xjL0h7QXfgc

お知らせ
2021年10月からは以下のはてなブログへお引越しします。
日韓問題(初心者向け)
https://oogchib.hateblo.jp/


以下は動画のテキスト版です。


注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています

・「マスコミ問題」であり右派・左派等の陣営論争は本題ではありません

・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブロマガにあります

・毎週土曜日更新



レイム マリサ
ゆっくりしていってね


マリサ
さて、今回はマスコミ問題なので私が扱っていくぜ。


レイム
ねえマリサ、今回ってまたかなり久々にこの動画のマスコミ問題のメインテーマの「なぜマスコミが信用を失っていったか」の歴史についてなのよね。


マリサ
そうだぜ。
色々あって最近やっていなかったが、今回は2011年から2012年にかけて起きた出来事についてがメインとなるぜ。


レイム
結構期間が長いのね。


マリサ
まあこの時期は色々あったからな。
それでな、今回この件を説明するにあたって、一見関係なさそうな2021年の記事を紹介するけど、後々取り上げた理由を説明するから、その点だけ事前に知っておいてほしいんだぜ。


レイム
まあ、今回も韓国にも関係した部分があるから、大体察しは付くけどね。


マリサ
そういうことだぜ。
それじゃあ本編へ行くぜ。


論点のすり替え


レイム
それで、まずは2021年の記事から紹介していくのよね。


マリサ
そうだな、まずは今回の本題と直接は全く関係ないこちらの記事からだぜ。


誰が、何のために「デマ」を拡散させるのか?
NHK 2021年9月14日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210914/k10013253901000.html
「デマの65%は12人から派生している」

記者会見でこう指摘したのは、ホワイトハウスのサキ報道官です。ことし3月までの1か月余りの間にSNS上に出回った新型コロナウイルスのワクチンに関するデマの65%は、わずか12人に派生するアカウントから発信されていたというのです。
いったいどういうことなのか?この12人はどういう人たちなのか?取材しました。
(ワシントン支局記者 辻浩平 ロサンゼルス支局記者 山田奈々)

サキ報道官
新型コロナウイルスのワクチンに関するディスインフォメーション(デマ)が広く出回っている。デマの65%は12人から派生している」
会見でサキ報道官が引用したのは、イギリスとアメリカに拠点を置くNGO団体、デジタルヘイト対策センター(CCDH)が今年3月に発表した報告書。

それによると、団体が今年2月から3月にかけてフェイスブックなどのSNSに投稿されたりシェアされたりしたデマ情報81万件余りを分析したところ、12人に関係するアカウントに行き着いたというのです。
12人の中にはフォロワーの数が、フェイスブック、ユーチューブ、インスタグラム、ツイッターを合わせて400万を超える人物もいます。
「新型コロナのワクチンによって不妊になるおそれがある」
「ワクチン接種によって死者が出ている」
それらのアカウントからデマが発信され、瞬く間に世界中に拡散されたのだといいます。
12人はどんな人たち?JFKの“おい”も
では、この12人はいったいどういう人たちなのでしょうか。報告書には、個人や彼らが運営する団体の名前が記されていました。

その中の1人に取材を試みることにしました。

その人物の名前はロバート・F・ケネディ・Jr氏。あのケネディ元大統領のおいで、言わずと知れた多くの政治家などを輩出する名門一家の1人です。


彼はSNSで新型コロナのワクチンに関して「ワクチンによって1万2000人以上が死亡している」「ワクチンを接種した女性が流産したとの報告がある」などと主張しています。

こうした主張について、ワクチンを承認するアメリカの政府機関FDA=食品医薬品局は「明確にしておくがこうした情報は事実ではない。ワクチンは命を救う」と、明確に否定しています。
ケネディ・Jr氏に取材を申し入れると、オンラインでなら応じると回答がありました。早速オンラインで取材を試みました。

記者
あなたは「新型コロナワクチンによって1万2000人以上が死亡している」などという情報を発信しているがその根拠は?

ケネディ・Jr氏
私の主張は公的機関などのデータに基づいている。

記者
具体的にはどの公的機関のどのデータですか?

ケネディ・Jr氏
HHS(アメリカ厚生省)が運営するウェブサイトに市民が情報を投稿できるようになっている。そのデータによると、ワクチン接種後に死亡した人は1万2000人だ。

彼が指摘したウェブサイトを見てみると、確かに市民が新型コロナに関連する情報を投稿できるようになっていました。

そこには、ワクチン接種後に死亡したとするデータもあり「1万2000人以上」という数字は見つかりませんでしたが、8月23日時点で6968人という数字がありました。
ただ、よく見ると、サイトの目立つところに「免責事項」として「検証不可能な情報が含まれている可能性がある」と記されていて、ワクチン接種と死亡の因果関係も定かではないものでした。

未確認の情報をそのまま引用することの是非について、後日、メールで取材を申し入れましたが、明確な回答はありませんでした。
(中略)
イムラム・アフマド代表
「彼らの目的はマネーにほかなりません。これをビジネスにしているのです。時には100人を超えるスタッフを雇い、洗練されたデマのコンテンツを大量に作って発信しています。彼らは情報操作のプロなのです。『ワクチンはこういうリスクがある』『安全性は確認されていない』などともっともらしい疑問を提示し、何が事実なのか分からなくなるようしむけているのです」
デマ批判はプラットフォーマーにも
新型コロナのワクチンに関するデマをめぐっては、プラットフォームを運営するフェイスブックなどのソーシャルメディア事業者への批判も高まっています。

アメリカでは8月2日には、18歳以上で少なくとも1回の接種を受けた人の割合が70%に達しましたが、当初の目標より1か月ほど遅れていて、アメリカ政府はその要因のひとつにSNSなどでのデマがあるとしています。

アメリカ政府はデマや誤った情報の投稿を特定して、ソーシャルメディア事業者に対して、削除するよう求めたり、アカウントの凍結などより強い措置をとったりするよう求めています。

ソーシャルメディア事業者も投稿の削除やファクトチェックを行ったうえで、情報が事実ではないと注意喚起を促しています。

ただ、SNS上には、依然としてワクチンなどに関するデマが大量に出回っていることから、バイデン政権はいらだちを強めていて、バイデン大統領はこうしたソーシャルメディア事業者について「彼らは人々を殺している」とまで発言しています。

バイデン政権から対応が十分でないと批判されていることについて、フェイスブックの担当者に取材しました。

フェイスブックは傘下のインスタグラムと合わせてこれまでに2000万もの投稿を削除し、そうした情報を投稿する利用者のアカウントを凍結・削除する対策を行っているとしたうえで、担当者は次のようにコメントしています。
フェイスブックの担当者
アメリカのフェイスブック利用者の85%がすでにワクチンを接種したか、接種したいと考えていると回答している。バイデン政権の接種率目標が達成されなかったのはフェイスブックのせいではない」
一方で、今回、CCDHが報告書で指摘した12人のアカウントが閉鎖されていないことについて尋ねると「個別の案件については回答を差し控える」としています。
(後略)


マリサ
まずはいわゆる「コロナデマ」に関する報道なんだが、このNHKの報道によると、ワクチンを巡るデマは調べて行くとその65パーセントが12人から発信されていて、その目的が明らかにビジネスにあるとしているんだぜ。


レイム
つまり、一見「危機を警告している」ように見えても、実際には「注目を集めやすいゴシップでお金稼ぎをしているだけ」というわけね。


マリサ
そうだぜ。
で、問題はここからで、じゃあ「ネット上にはコロナを巡るデマ情報しかない」かといえばそうではないし、逆にマスコミ報道は事実しか報じていないかといえば、それも違うよな。


レイム
そうね、詳しくは動画説明欄に関連動画を貼っておくので、そっちを見てほしいのだけど、「ワクチンを巡る問題報道」「自浄作用の無いマスコミ」などで大手メディアによる「コロナ関連デマ報道」を扱っているわ。


マリサ
つまりだ、だからといってネットでのデマ拡散の免罪になるわけではないし、当然それはそれで批判されないといけないが、マスコミが報じるように「デマはネットにしかない」かといえばそんな事はないし、「お金儲け目的にコロナゴシップ」は大手メディアでも起きているが、そこがまるで注目されていない事が問題なんだぜ。


レイム
そしてこれは新型コロナを巡る問題だけではなくて、いわゆるネット上の韓国やマスコミの問題を扱う動画や記事でも同じなのよね。


マリサ
それを踏まえたうえで次の記事を見てくれ

韓国と親密だった自民党が"嫌韓"に変質したのは「2012年のアキバ演説」からだ かつて
PRESIDENT Online 2021/06/30
https://president.jp/articles/-/47300?page=1

韓国は「反共の同志」だった

20世紀まで日本の保守政治家は韓国と親密なつながりを持っていた。たとえば安倍晋三元首相の義理の祖父である岸信介は、日韓協力委員会の日本側初代会長。さらに父である安倍晋太郎は下関で在日実業家の熱心な支援を受けていた。そうした関係はなぜ「嫌韓」に変質したのか――。(第1回/全3回)

自民党が決定的に変質した光景

安田浩一(ノンフィクションライター)】拉致問題以降、自民党が変質していった過程への青木さんの分析はとても興味深いものでした。僕は永田町にはくわしくないんだけど、ただ、僕が自民党を見ていて決定的に風景が変わったなと思ったのは二〇一二年。もちろんそれまでにも青木さんが話されたような紆余曲折はあって、二〇〇二年以降は安倍的な価値観に支配されていくのだけれど、僕にとって非常にわかりやすいかたちで自民党の変化を意識したのは、二〇一二年末の衆院選挙戦の最終日、いわゆるマイク納めの日だったんです。

マイク納めというのは、それまでは新宿とか渋谷とか池袋といった大ターミナルでやるのが慣例でした。ところが二〇一二年は秋葉原で行われました。僕はそれを見に行ったわけですね。これまで何度も、自民党の最後のお願いというマイクパフォーマンスを見てきたんだけど、それと秋葉原はまったく違う雰囲気なわけですよ。

まず聴衆に日の丸の小旗を配布しているんです。それをやっているのは、自民党のネットサポータークラブ、J‐NSCや若手党員。それで、夜七時くらいに自民党の大型バスが安倍を連れてくるんだけれど、その前に都議あたりが演説しているわけですよね。

その際にメディアがカメラの場所とかをキープするわけ。そこで、「カメラこっち」とか「マイクこっち」とか言って移動している報道陣に向けて、一斉に、罵声が飛ばされたんです。

マスゴミ帰れ」と。とくに槍玉に上がったのは朝日や毎日、TBSで、「出てけ、出てけ」という声が見事なまでに湧き上がる。だれかが指揮をとっているわけではなく、自然発生的に聞こえたんだけど、「毎日帰れ」「朝日帰れ」「TBS帰れ」と、延々とシュプレヒコールが繰り返される。これは、それまでなかった光景だったと思います。
秋葉原に集まった聴衆の熱狂

【安田】以降すべての国政選挙戦は最終日が秋葉原なんですよ。自民党本部には遊説局という部署があって、僕は取材したことがあります。「なぜ秋葉原なんですか」と聞いてみたんですね。

そもそものきっかけは、二〇一二年九月に自民党総裁選があって、そのときに立会演説会を秋葉原でやってみたら思いのほか反応が良く、「オレ達の太郎!」という看板ができたりして、めちゃくちゃ人が集まってきた。秋葉原にはオタクが多いとかネトウヨが多いという意味ではなく、ただ親和性が高いというか、そういう人が集まりやすい環境があったというわけです。

https://president.jp/articles/-/47300?page=2

【安田】それで、総裁選が秋葉原で盛り上がったから、二〇一二年の衆院選のマイク納めも秋葉原でやってみたらということになったらしい。するとやはり想像以上に人が集まって熱狂したから、これはいけると思ったそうです。

「まるで国威発揚の祭典」選挙戦にはなかった姿

【安田】排他的な「マスゴミ出てけ」というシュプレヒコール、それから集まった人に配られる日の丸の小旗、それが一斉に打ち振られる様子――まるで国威発揚の祭典ですが、これはそれまでの選挙戦にはなかった風景であり、二〇一二年以降、自民党のありようとして僕の中に刻印されているんです。自民党は、まったく別のものになってきたなという強烈な印象ですね。臆面もなく排外的な姿を見せつけるようになった。

気がついてみたら、青木さんが言われたとおり、戦後民主主義的な価値観を持つ政治家はほとんどいなくなっていた。野中広務であるとか古賀誠山崎拓など、癖のある、しかし戦後の価値観を身に宿した人が一線から退いて、戦争を知らない二世三世議員が自民党の中心となった。つまり、風景だけじゃなくて内実までも変わっていったわけです。

排他的なナショナリズムが行き渡っていくのは、自民党だけのことではない。日本の右派と呼ばれている人たちが、きわめて差別的な嫌韓の姿勢を強めるのは、やはり二一世紀に入ってからだと思います。

たとえば昔の右翼って、僕も取材しましたけど、台湾や韓国とは、反共産主義の防波堤、反共の同志として、連帯していたわけです。いまではすごく排他的な運動をしている瀬戸弘幸という日本版ネオナチのような人がいて、街頭でハーケンクロイツを掲げてあちこちでデモをやり、あいちトリエンナーレ糾弾を支援し、僕や青木さんの批判などをブログに書いている。ところが彼は、若いころには韓国の農村開発運動――セマウル運動に参加していて、韓国に実際に出向いて農村で作業をやっていたんですよ。
右翼にとって韓国は同志だった

【安田】また、一部の右翼団体は、韓国で軍事訓練のマネゴトなんかをしていたわけです。つまり、右翼にとっては反共の同志として韓国が存在していた。そしてまた、かつては右翼の構成員に在日コリアンがいたことも事実です。

僕はある右翼団体の幹部に聞いたことがあります。「なんでいま反韓嫌韓なんですか?」と。いまや右翼団体もそのへんのネトウヨと思想そのものが変わらなくなっているから、「昔は韓国とは、反共の同志だと言って、がっちり手を握っていたじゃないですか」と訊くと、「そのとおりだ。じつは韓国が文民政権になってからパイプがなくなった」という答えが返ってきました。

つまり日本の右翼が向き合ってきた相手は韓国の一般庶民ではなく、軍や情報機関の人間だったんです。日本の陸士上がりの軍人なんかが韓国のなかにけっこういたんですよね。
(後略)

マリサ
記事ではいわゆる「ネットの嫌韓」について扱っているんだが、タイトルにもあるように自民党がいわゆる「嫌韓」になったのは2012年からで、元々反共として友好関係だった自民党が「安倍色」に染まったのは、2012年の「秋葉原街頭演説」からだとしているぜ。


マリサ
この時に、いわゆる「ネトウヨ層」が票になると踏んで取り込んだ結果、「マスコミは出て行け」などと排他的な態度を取る集団により嫌韓化、戦後民主主義的な価値観が消えていったと書かれているな。


レイム
これ、本気で言ってるならあきらかに意図的どうこう以前にただの「無知」よね。


マリサ
そうだな、実際には自民党が韓国との関係を「改めて」態度が変わった時期は2つあって、一つは2006年頃、もう一つは2015年頃、実際には2012年頃は殆ど変化がないんだぜ。


マリサ
たとえば2006年に自民党の韓国への態度が大きく変化した切っ掛けとして、過去動画の「韓国の作戦」で紹介した、2005年に日本のEEZで違法操業していた韓国漁船を摘発しようとしたところ、韓国の海洋警察が妨害、十数時間にわたって対峙した挙句、韓国側が「こちらでちゃんと処罰する」と約束して手打ちにしたんだよな。


レイム
でも実際には、韓国に戻ると漁船は無罪放免、海保の摘発を妨害した韓国の海洋警察職員が「表彰される」という事態になって、この辺りから自民党の韓国を見る目が変わりだし、更に霞が関の官僚から親韓派がどんどん消えていったと言われているわ。


マリサ
更にこの時期、実はアメリカでもこんな動きがあったんだぜ

駐日米大使「韓国が独島関連で狂った行動をしないか心配」…ウィキリークス
中央日報日本語版2011.09.06 11:13
https://japanese.joins.com/JArticle/143537

日本の独島(ドクト、日本名・竹島)沖水域調査計画発表で韓日両国が対立した06年4月、当時のトーマス・シーファー駐日米国大使が独島問題と関連し、「(韓国が)狂った行動をしたり問題を起こしたりしないか懸念される」と韓国を侮蔑する発言をしていた事実が、ウィキリークスが2日に公開した公電で明らかになった。

日本の米国大使館が米国務省などに送った極秘(secret)公電によると、シーファー大使は06年4月20日、当時の谷内正太郎外務事務次官と面談した席で、独島問題について「日本は国際法の許容範囲内で権利行使をしている」と肩を持った。

半面、韓国に対しては「非合理的(irrational)に行動している」と述べた。特に「米国は韓国が狂った行動(do something crazy)をしたり重大な問題を引き起こしたりしないか憂慮している」と述べた。シーファー大使は「問題の平和的な解決のために双方が一歩ずつ譲歩する必要がある」と付け加えた。

シーファー大使の発言は、独島問題をめぐる韓国政府の対応方式を好ましく思っていない米国政府の意中が反映されたものとみられる。



マリサ
2006年に駐日大使が国務省などへ送った極秘文書から判明したんだが、当時アメリカは韓国が竹島問題で「非合理で重大な問題」を引き起こさないかと心配し、韓国の行いを警戒していたそうなんだぜ。


レイム
つまり、さっき紹介した2005年の事例もあり、日本だけではなくアメリカも韓国の態度を警戒していたって事よね。
こういう事があったから、自民党も態度が変わりだしたと。


マリサ
あと2015年にも自民党の韓国への態度が大きく変わった事例があってな。


レイム
ああ、軍艦島の事例ね。


マリサ
当時日本は軍艦島世界遺産登録を急いでいて、クレームを入れてきた韓国側の「問題を認めればこれ以上騒がない」という話を真に受けるという、慰安婦問題と同じ間違いを犯した結果、状況がさらに悪化したという事があって、これ以降あきらかに韓国への態度が変わったって背景があるぜ。


レイム
つまり、さっきのプレジデントの記事の「2012年の秋葉原演説から変わった」という話は、こういう背景を一切無視した内容で、あきらかに事情を知らずに根拠もなく仮定の話をしているだけって事ね。


マリサ
そうだぜ。
そして今回紹介したコロナの事例と韓国の事例、二つに共通した問題として、「原因を無視して自分達に都合の良い結論を作り上げている」という問題があるんだぜ。


ネットを無視できない


レイム
それで、それがどう今回の本題に関わってくるの?


マリサ
どういう事かというとな、実のところマスコミ業界って、2011年までは「ネットの声」を完全に無視していて、「ないもの」として扱っていたんだぜ。


レイム
ああ、それはわかるわ。
どんなに問題を指摘されても一切反応していなかったしね。
それが変わったって事?


マリサ
大きな変化があったのはいわゆる2011年のフジデモからで、予想以上にデモの規模が大きくなったことで、ネットからの抗議を無視できなくなっていったって背景があってな、この頃からこの記事みたいに

「面倒くさい」あの話に触れてみようと思う
日経ビジネス 2011年8月5日
http://web.archive.org/web/20160512140348/http://business.nikkeibp.co.jp:80/article/life/20110804/221884/

無視すべきだ。
 常識的に考えれば当然そうなる。
 論評してみたところで彼らが耳を傾ける道理は無いのだし、私が関わることでポジティブな変化が起こることも考えにくいからだ。獅子が全力を尽くすのはウサギまでだ。それ以下のサイズの生き物を追いかけることは、労力の無駄であるのみならず、百獣の王たる者の沽券に関わる。だから、獅子はネズミを追わない。君子もまたかくあるべきだ。その通り。賢い人間は炎上中の物件には近づかない。

 なのに、なぜだろう、私はそれを無視することができない。
 困った性分だ。
 ここまでのところで、半分ぐらいの読者は、ピンと来ているはずだ。
「ああ、オダジマはまた2ちゃんねるのネタをいじくりまわすハラなのだな」
 と。
「どっちにしても獅子ってガラじゃないし」

 その通り。今回はフジテレビの「韓流推し」に対して、主にネット上で展開されている反発の動きについて書いてみようと思っている。
 無視するのが一番賢いことはわかっている。
 でも、誰かが相手をしてさしあげないといけないのだ。

 君が代不起立問題を扱った原稿の中でも書いたことだが、ネット時代の言論弾圧は、「面倒くささ」として書き手の前に立ちはだかることになっている。別の見方をすると、メディアに関わっている人間が、面倒くさい話題や、触れるだけで自分のブログが炎上するタイプのタームを避けて通ることは、結果として、それらの問題を面倒くさくしている勢力に荷担することにつながるということだ。

 だから、私は、鼻をつまんで、この話題に手を突っ込まないとならない。
 担当の編集者さんには、先に謝っておく。きっと、うんざりするようなコメントが山ほど届くことになる。私は読まない。適宜処理してください。ごめんなさい。

 昨日まではスルーするつもりでいた。どうせ騒いでいるのはネットの連中のみで、大事件だと思っているのも、2ちゃんねる周辺の嫌韓の皆さんだけなのであろうと、タカをくくっていたからだ。
 事実、一般市民(という想定が、もはや空洞化しているのかもしれないが)の反応は、
「なんかまたネトウヨの連中が騒いでるのか?」
 といった、至極冷淡なものが大勢を占めていた。

 私自身も同じだ。騒ぎが起こっていることは承知していたが、特段に注意を払う気持ちには至らなかった。というのも、この種の紛争は、この5年ほど、規模の大小を問わず、毎日のように起こっている日常茶飯事だったからだ。やれ「笑っていいとも!」の中で紹介されたランキングで、「日本人の一番好きな鍋料理」が、「キムチ鍋」になっていたのは、いくらなんでもおかしいんじゃないかとか、スポーツニュースが韓国相手の国際試合に限って「韓日戦」という表記を使いたがるのは何らかの圧力がかかっているからではないのかといった調子で、韓国に関して、納得しにくい情報がメディアで紹介される度に、2ちゃんねるの幾つかの板では「祭り」が起こるのが常だった。だから、今回の騒ぎも、そうした過剰反応のひとつなのだろうと、私はかように考えて、それゆえ、横目で観察しながら、最終的には黙殺するつもりでいた。

 ところが、騒動は、日々拡大し、週が明けてからは、どうやら通常の「祭り」とは別のフェーズに突入している。

 なにより、規模がデカい。それに、発生後一週間を経て、いまだに沈静化する気配を見せていない。飽きっぽい2ちゃんねらーには稀有なことだ。伝えられるところでは、本件については、発生以来、既に500以上のスレッドが消化されたという。もとより「スレッド」数は、正確にカウントし難いものだし、スレッドの消費数だけで事件の重大性が計測できるというものでもない。が、それにしても500という数は、やはりとんでもない。私ははじめて見た。
(中略)
私は不必要な情報はあえて書かない。無駄なジョークもなるべくタイプしないし、下品過ぎる言葉は自粛する。

もちろん国際社会を舞台にした血で血を洗う陰謀などでは全然ないし、反日を旗印に国家の転覆をはかる売国蛆虫勢力が、隣国の工作部隊と裏で手を結んだ結果生じている背徳的な反文化運動だというわけでもない。
その意味では、「文化侵略」という言葉を使うことだって不可能ではない。
 彼らの言うとおりに、韓国の政府が、日本文化の韓流化および日本人の韓流洗脳を目的として、周到なスキームのもとに、日本メディアの制圧を企図し、韓国製エンターテインメント素材を日本のメディアで大量流通させるために、国家予算を費やしてまでそれを推進しているのだとすれば、それは確かに容易ならぬ事態であるのかもしれない。

それに、もし仮にだが、韓国制作の日本国民洗脳コンテンツが、われわれを洗脳するに足るほど秀逸であるのなら、私自身は、洗脳されてもかまわないと思っている。このことはぜひ言っておきたい。
「ああ、韓国はなんと素晴らしい国であることだろう。できればオレも韓国民として生まれたかった。日本人に生まれてしまったことは、悔やんでも悔やみ切れない大失敗だった。ああ」ものをつくる人間が、作品の質よりも、分け前の多寡を重視するようになったら、その作り手は、カネと引き換えに魂を失ってしまうからだ。
(後略)


マリサ
記事では「獅子が全力を尽くすのはウサギまでだ。それ以下のサイズの生き物を追いかけることは、労力の無駄であるのみならず、百獣の王たる者の沽券に関わる。だから、獅子はネズミを追わない。君子もまたかくあるべきだ。」と本来は無視するのがいいと長々と保険をかけているな。


マリサ
そのうえで、デモを「排外主義者のネトウヨの仕業」とレッテルを貼って批判したうえで、「もし仮にだが、韓国制作の日本国民洗脳コンテンツが、われわれを洗脳するに足るほど秀逸であるのなら、私自身は、洗脳されてもかまわないと思っている。」「ものをつくる人間が、作品の質よりも、分け前の多寡を重視するようになったら、その作り手は、カネと引き換えに魂を失ってしまうからだ」とか書いているぜ。


レイム
いや、あれ過去動画でも説明していたけど、切っ掛けは「浅田真央いじめ」と「キム・ヨナ称賛」が露骨だったって事と、2011年にモスクワで開かれたフィギュアスケート世界選手権で、日の丸を掲げて東日本大震災への黙とうを捧げるセレモニーをしたら、フジがそれを全カット、代わりにその時間を「キム・ヨナ特集」にしたことがそもそもの発端よね。


マリサ
で、そういう事から始まった批判を一切無視するマスコミへの不満が高まった件を一切無視して、「ネトウヨ(=差別主義者)がいっぱいいる」とレッテルを貼ったうえで作品の良し悪しに論点をすり替えているわけだ。


レイム
要するに、原因をちゃんと掘り下げるつもりはないけど、
無視できないからレッテル貼りで批判してみたって感じね。


マリサ
まさにその通りだぜ。

批判の声を無視できなくなったから、とりあえず「差別主義者
ネトウヨ」という「わかりやすい悪役」に印象操作したわけだ。

そしてつぎはこれだぜ





フジテレビめぐる騒ぎ 韓国びいき批判のヤな感じ
四国新聞紙面 2011年8月31日

(一部抜粋)
「韓流ドラマばかり放送している」「サッカー“韓日戦”と呼んだ」…フジテレビが“韓国びいき”だと批判を浴び、騒ぎになっている。お台場で大規模デモも行われた。

デモ団体は大きく二つに分けられたようだ。ひとつはフジテレビの姿勢に怒り、メディアの公正を求める人々、もうひとつは右翼団体である。

日の丸を振り「韓国人は国に帰れ!」などと叫んでいる右翼の人種差別的発言への批判は ネット上でも多く見られた。
「彼らと一緒にしてほしくない」という前者(姿勢に抗議する人々)の発言も目にした、いわゆる「ネトウヨ」は別として、大方の人々は、後者を批判する一方で、前者には好意的であるようだ。

どうせ批判するのなら、スポンサーの顔色を窺って言論を抑圧するテレビ局全体の批判をしたらどうなのか?福島原発に関しても、東電や政治家にまったく遠慮が働かなかったと言い切れるのか?韓国びいきより、そっちのほうが問題だと思わないのか?

万が一、日本人が全員洗脳されて韓国びいきになったところで、誰かの命にかかわるわけでもなかろう。だが、原発問題では、われわれの命は確実に危機にさらされる。

もちろん、ネットでは東電批判もばんばん書き込まれてたし、メディアの偏向を叩く論調も多かったし、反原発デモなども行われていた。が、最近のフジテレビ批判の盛り上がりを見ると「これは原発や東電への批判から目をそらすための陰謀ではないか」と勘繰ってしまいたくなるほどだ。みんな、目を醒ませ!「フジの韓国びいきなんかよりもっと重大なことを思い出せよ!

それにしてもなぜ、今このタイミングで、韓流ブームヘの嫌悪が一気に高まってきたのだろう?

ここで思い出すのは、関東大震災後の「朝鮮人虐殺事件」。震災後の不安が、異分子を排除する方向に向かっているとしたら…。うわ、似てる!何だかヤな感じがするぞ!


マリサ
作家の中村うさぎ氏が四国新聞に寄稿した記事で、フジデモは右翼の人種差別主義者と、「東電の原発問題批判から目を逸らさせるため」の騒動に乗せられた人々、という陰謀論じみた内容を書いたうえで「ここで思い出すのは、関東大震災後の「朝鮮人虐殺事件」。震災後の不安が、異分子を排除する方向に向かっているとしたら…。うわ、似てる!何だかヤな感じがするぞ!」とか印象操作しているぜ。


レイム
これも「無視はできないからとりあえずわかりやすい悪役にしてみた」という内容ね。
原因の一切を無視しているし。


マリサ
当時こういう記事がマスコミ発で次々と出てきていてな、論調は全て一緒。
「悪のネトウヨがフジテレビの韓流をバッシングして排外主義活動をしている」というものだったんだぜ。


レイム
これって見方を変えれば、テレビや新聞は「浅田真央いじめ」やフィギュア選手権での東日本大震災追悼全カットは「問題のない行為」と考えていたとも取れるわよね。


マリサ
そういうのもあるだろうが、本質は違うぜ。


レイム
というと?


マリサ
マスコミの反応を観察しているとわかるが、あの業界が最も不満なのは「自分達の問題意識と異なる問題意識を持った集団が無視できないほどいる」という事なんだぜ。


レイム
ああ、つまりマスコミ業界が提供する問題に同意しない、業界の意向に従わない人がいることが受け入れられないわけね。


マリサ
そう、2011年まではそういう「異なる意見」を無視し続けていたけど、それができなくなったものだから「あいつらは悪なのだ」とするための理由を作り出したってわけだぜ。


現実逃避


レイム
ちょっと、なんかすごいタイトルなんだけど、これまさか出オチじゃないでしょうね。


マリサ
違うぜ、その後2012年頃になるとな、文字通りネットに対する「怨嗟の声」が記事になりだしたんだぜ。
次にこれを見てくれ

天声人語
朝日新聞 2012年10月10日
https://web.archive.org/web/20121010044415/http://www.asahi.com/paper/column.html

 アラン・ドロン出世作太陽がいっぱい」は、裕福な友になりすまして財産を狙う話だった。別人を装う点は振り込め詐欺も同じだ。こうした「世俗の悪事」に比べ、ネット空間の闇は底が知れない▼「歩行者天国にトラックで突っ込む」「伊勢神宮を爆破」。この手の書き込みは、業務を妨害した罪に問われる。警察は発信元のパソコンを割り出し、大阪と三重の男性をそれぞれ逮捕した▼ところが、2人のパソコンは同じウイルスに感染していて、何者かに遠隔操作で乗っ取られた疑いが濃くなる。真犯人は持ち主になりすまし、犯罪予告に及んだらしい。否認で通した2人は慌ただしく釈放された▼個人情報の流出ばかりか、愛機を不正アクセスサイバー攻撃の踏み台にされ、濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)を着るなど御免だ。大阪の件は起訴され、裁判になるところだった。捜査側がよほど心しないと、不運な被害者は冤罪(えんざい)の責め苦まで負うことになる▼ネット上には日々20万種ものウイルスが放たれ、対策が追いつかないそうだ。生活感の乏しい部屋で、陰々と悪意を「培養」している輩(やから)に言いたい。人生は短い。他を陥れる暇と知恵があるなら、「自分の今」を楽しまないか▼ツイッターでは、時の人、山中伸弥教授の名をかたる者が「ノーベル賞キター」などとやっている。これはご愛敬としても、ネットに巣くう悪はドライなようで、じめっと嫌らしい。ホラー映画で人に取りつく悪霊やエイリアンのごとく、迷いなき狡知(こうち)にあふれている。

マリサ
2012年10月、朝日新聞天声人語なんだが、ここでネットでのウイルス感染による成りすまし被害の事例を例に出しながら、ツイッターでの成りすましの事例を出しつつ最後に「ネットに巣くう悪はドライなようで、じめっと嫌らしい。ホラー映画で人に取りつく悪霊やエイリアンのごとく、迷いなき狡知(こうち)にあふれている。」と、さも「ネットはそういう所」というイメージを作ろうとしているぜ。


レイム
こういう表現が成り立つなら、たとえば慰安婦問題で日韓の間で対立の原因となっている「慰安婦の定義の齟齬」の問題を、延々と隠して問題の解決を妨害している新聞社はどういう表現になるのかしらね。


マリサ
レイム、朝日さんは日本を代表するジャーナリズムだぞ?
朝日さんこそが日本のジャーナリズムを体現した存在なのだから、「言論界に君臨するエンペラー」こそが正しい表現だぜ。


レイム
ハイハイ。


マリサ
さらにな、この頃中国が尖閣諸島を所有する個人から買い取ろうとしていてな、当時の石原都知事がそうなる前に買い取ろうとして、最終的に国が買い上げるって形になったんだが、それに関しての社説で

尖閣買い上げ―石原発言は無責任だ
朝日新聞 2012年4月18日
https://web.archive.org/web/20120418024813/http://www.asahi.com/paper/editorial.html

 石原慎太郎東京都知事がきのう、米・ワシントンで、沖縄県尖閣諸島を都が購入する計画だと明らかにした。日本の領土なのに、中国が領有権を主張している島々だ。

 知事は「東京が尖閣諸島を守る」と語った。中国に四の五の文句など言わせるものか、という態度である。

 こんな知事発言に、インターネット上では拍手を送る書き込みがあふれている。

 確かに、知事の発言には本人をはじめ、中国の対応を不快に思ってきた人々の留飲を下げる効果はあるだろう。だが本来、政治家の仕事は複雑に絡み合った懸案を、一つひとつ丁寧に解決していくことだ。

 それに、そもそもこれは東京都の仕事ではないはずだ。

 知事は「島々を舞台にしてさまざまな施策を展開する」という。けれど、日本人が上陸しただけで反発してくる中国のことだ。問題はいっそうこじれるだろう。

 そうなった時、首都とはいえ自治体の長の石原氏に、領土が絡む問題を解決する手だてはない。政府の外交に悪影響を与えることを承知で大風呂敷を広げるのは、無責任としかいいようがない。

 尖閣諸島といえば、一昨年9月、中国の漁船が日本の巡視船に衝突してきた事件があった。

 この3月に、双方の政府が周辺海域の無人島に新たな名前をつけてからは、中国の監視船などが領海侵入といった挑発的な活動を続けている。

 さらに、石原発言を受けて、中国国内では、政府に強硬な対応を求めるネット世論が噴出している。

 私たちは、こうした中国側の対応にも自制を求める。日中両国民がお互いに批判しあって、何か得るものがあるのか。

 体制が変わったばかりの北朝鮮への対応でも、日本と中国との連携は欠かせない。国交正常化40年を迎える隣国同士でもある。こうした両国の関係を、石原氏はどう考えているのか。

 そもそも、都民の税金を使って島を買うことの説明がつくかも疑問だ。都議会に予算案を提出するというが、そう簡単に理解が得られるとは思えない。

 石原氏には、新党構想が取りざたされている。その折から、税金を使って選挙向けのパフォーマンスをしているようにも見える。

 藤村官房長官はきのうの記者会見で、国が購入する可能性を否定しなかった。東京都よりも外交を担当する政府が所有する方が、まだ理にかなっている。

マリサ
インターネットの声がそうした動きを支持しているとしたうえで、「そもそもこれは東京都の仕事ではないはずだ。」とか「日本人が上陸しただけで反発してくる中国のことだ。問題はいっそうこじれるだろう」「日中両国民がお互いに批判しあって、何か得るものがあるのか」と、「どっちもどっち論」を展開しているんだぜ。


レイム
これはわかりやすいわね、前回私が最後の方で説明した事例と同じよ。
過去動画の「尖閣諸島はなぜ日本領?」で説明していたけど、日本の領有根拠は国際法に基づく「平和的・継続的統治」なのに対し、中国側の主張は漠然とした「間接的推定」でしかないから、本来比較対象に無いのに、それをさも対等な意見であるかのように印象操作して、その前提で話を進めているからおかしいのよね。


マリサ
そうだぜ。
本来こういう両成敗的論調は「双方が対等の論拠を出している」からこそ成り立つのに、この記事は根本的に前提の異なる二つの主張同士を強引に相対化して印象操作し、いわゆる「燻製ニシンの虚偽」のテクニックを使って両成敗論を成り立たせているんだぜ。


※石原知事の対応の是非の問題ではなく、中国が領有を主張しようと島の売買は国内問題でしかなく、それをわざわざ新聞社が国際問題に話を持っていって騒ぐ必然性がないという事です。
中国に「騒ぐ切っ掛けを与えたい」なら別ですが。


レイム
なるほど、それに最初に「こんな知事発言に、インターネット上では拍手を送る書き込みがあふれている」なんてことを書いている事から見ても、相当ネットを意識しているのがわかるわね。
小手先の詭弁論法なんて使っても、余計に信用を失うだけなのに。


マリサ
そういう事だぜ。

今回のまとめ

・ネットでの問題は同様の事が既存メディアでも元々起きている
・既存メディアは「自分達と異なる意見」の存在を認められない
・ネットを無視できなくなりあからさまな印象操作を繰り返すようになる


マリサ
というか、今回は尺の関係で朝日さんの事例しか紹介できなかったが、2011年前半まで無視し続けてきたネットの意見をマスコミが無視できなくなり、でも「正面から意見に向かい合う」事もできなくて、ネットの意見を「悪」に仕立て上げる論調がどんどん増えていって今に至るんだぜ。


レイム
というか、曲りなりにも「リベラル」を名乗るなら、最初の方で紹介した記事みたいにマスコミへの批判を「ヘイト」認定したり、印象操作で「悪」認定してレッテル貼りをするんじゃなくて、「内容への批判」をしなきゃいけないのに、そういうのはないのね。



マリサ
一応あるぜ。


レイム
え?そうなの?


マリサ
最初に紹介した「ビジネスでデマを流している」ような人達の話を真に受けて、「ゴシップレベルの嫌韓の内容を信じている層」への反論ならしているぜ。
でも、今回取り上げたようなフジデモの発端となった出来事とか、尖閣国際法の話とか、そういうのは文字通り「無かったこと」にしているな。


レイム
それって、大手メディアが「そういう層と対等に争っている」って事になるのだけど…。


マリサ
他の有象無象はそうだろうが、朝日さんは日本のジャーナリズムとリベラルと言論界を代表するトップスターだからな、「そういう層」にも分け隔てなく「対等に接している」だけだぜ。
まさにリベラルの鑑だろ?


レイム
いや、朝日も「そういう層」しか相手にできないってだけにしか見えないけど。


マリサ
そんな事はないぜ。
朝日さんは誰にでも平等なだけだぜ!


マリサ
そんなわけで今回の本編はここで終わるぜ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。



大口
おつかれ~。
今回は長くなりすぎたのでおまけはないよ。


マリサ
そんなわけで今回はここで終わるぜ。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~



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徴用工裁判問題まとめ


さて、本日は少し特殊です。
以前より徴用工裁判問題等、現在日韓の間で問題となっている内容は扱っていますが、総合的に問題点を1つの記事にまとめたものがなく、問題全体を把握しようとするといくつも記事を読んだり引用したりしないといけないという問題がありました。

そこで今回は「徴用工裁判」の問題点を総合的に扱い、この記事を読めばおおよその問題と論点は理解できるという形式の内容を、可能な限り「わかりやすく・シンプル」にして扱います。


お知らせ
2021年10月からは以下のはてなブログへお引越しします。

日韓問題(初心者向け)
https://oogchib.hateblo.jp/

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由
はてなブロブ
https://oogchib.hateblo.jp/entry/ar892003

注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


目次

1:日韓請求権協定の問題

2:日韓併合に関する問題

3:証言の整合性の問題


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:日韓請求権協定の問題


まずは徴用工裁判と日韓請求権協定の問題について以下の記事を


日本の「国際法違反」主張 「一方的で恣意的」と反論=韓国外交部
聯合ニュース 2021.09.14
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20210914003100882

【ソウル聯合ニュース三菱重工業に韓国の元勤労挺身隊員らへの賠償を命じた判決を巡り、同社が韓国内資産の差し押さえ命令を不服とし再抗告したが韓国大法院(最高裁)が棄却したことに対し、日本政府が「国際法違反」と主張したことについて、韓国の外交部当局者は14日、記者団に「全く事実に合わない」と反論した。

 同当局者は「1965年の韓日請求権協定の適用範囲に関する法的解釈の争いがあった」として、「国際法違反というのは一方的かつ恣意(しい)的な主張」と述べた。日本は強制徴用被害者への賠償問題は請求権協定で解決済みとの立場だが、韓国は植民地時代の違法行為に関する個人の請求権は認められるとの立場だ。

 同当局者は「被害者の権利実現と両国関係を考慮し、日本側に対話を通じた問題解決の必要性を一貫して促している」とし、「韓国が解決策を提示するよう日本が言及していることは問題解決には何の役にも立たない」と指摘。その上で「われわれは合理的かつ現実的な問題解決のためのいかなる提案にも開かれた立場」とし、「何より被害者が同意できる根源的な解決策模索のため、日本側が誠実に対話に応じ、誠意ある姿勢を見せることを期待する」と述べた。


類似記事
韓国外交部「日本の『国際法違反』主張は一方的で恣意的」 ⓒ 中央日報日本語版2021.09.15 10:04



上記記事では、一連の徴用工裁判に関して、日本側が韓国に対し「国際法違反」と指摘した件に韓国政府が「全く事実に合わない」と反論したという内容です。


そしてその理由を「1965年の韓日請求権協定の適用範囲に関する法的解釈の争いがあった」「国際法違反というのは一方的かつ恣意(しい)的な主張」としています。


ではこれが正しいのか、まず実際の協定内容がどうなっているかというと、


第5次 韓・日会談 予備会談 一般請求権小委員会会議録 1-13次、1960-61


上記議事録の一般請求権小委員会第12次会議 会議録」では、徴用工に対する「補償」について話し合われており、これは1950年代から続いてきた日韓国交正常化交渉において、この1960年の予備会議で韓国側が初めて「韓国人個人への補償」を要求してきたという事が書かれています。


具体的な議事内容を見ると、日本側の「補償金とはどのような性格のものなのか。」という問いに対し、韓国側が「未収金はその当時の規定によって貰えるものを貰えないことをいい、補償金は生存者、負傷者、死亡者を含み被徴用者に対する補償、即ち精神的苦痛に対する補償をいうものだ。そしてこの被徴用者には軍人軍属を含む」と答えています。


そして日本側は「この項目は私的な請求がほとんどだと思い、従来このような請求は国交が正常化できなかったから解決をみられなかったもので、今後国交が回復し正常化すれば、日本の一般法律に沿って個別的に解決する方法もあると思うが、この点をどう思うか。」と解決方法について「個別補償」の提案を行います。


それに対して韓国側は「解決方法としては色々あるだろうが、われわれは国が代って解決しようというのであり、またここで提示した請求は国交回復に先行して解決されなければならないと思う。」と、「一括補償」つまり韓国側が補償金を一括で受け取り、韓国政府がそれを日本に代わり個人に支払うと要求しています。


また次の一般請求権小委員会第13次会議会議録でも同様の話があったことが書かれています。


そこではさらに具体的に日本側が「戦争に因る被徴用者の被害とはどういうものか。」と韓国側に質問をしています。


それに対して韓国側は「前にも話したが生存者、負傷者、死亡者、行方不明者、そして軍人軍属を含む被徴用者全般に対して補償を要求するものだ。」と答えています。


そして日本側が「補償とは国民徴用令第12条によって遺族扶助料、埋蔵料等を支払うことになっていて、工場においては工場法に軍人軍属においてもそのような援護規定があったが、当時のそのようなベースによる補償を意味するのか」と再質問しています。


これに対して韓国側は「それとは違う。われわれは新しい基礎の下に相当な補償を要求する。」と答え、日本側が「新しい基礎とはどういうものか。」と再質問をします。


すると韓国側は「他の国民を強制的に動員することで負わせた、被徴用者の精神的、肉体的苦痛に対する補償を意味する。」と答えています。


そして以下のやり取りはこうなっています

日本側 色々問題があるが、徴用される時には一旦日本人として徴用されたものなので、当時の援護のようなもの、即ち日本人に支給したものと同じ援護を要求するのか。

韓国側 われわれは新しい立場で要求している。その当時日本人として徴用されたと言うが、われわれはそのように考えない。日本人は日本のために働くだろうが、われわれは強制的に動員された。この点、思考方式を直して欲しい。

日本側 被害者個人に対して補償してくれというのか。

韓国側 われわれは国として請求する。個人に対しては国内で措置いたす。


つまり、韓国側は徴用工への「補償」を「精神的、肉体的苦痛に対する補償」と定義しており、また日本側の「個別補償を行う」という提案に対し、「われわれは国として請求する。個人に対しては国内で措置いたす。」と明確に答えています。


また次に以下のFNNの記者が韓国の古書店で1965年に発行された「大韓民国と日本国間の条約および協定解説」という解説書について書いており


韓国政府の「解説書」入手!やっぱりおかしい大法院判決 FNN 2019年2月4日


まず重要なこととして、請求権協定に関しこの解説書では「両国民の他方国内の財産と両国および両国民間の色々な未解決請求権をどのように処理するのかの問題が自然に発生することになった」と書かれており、明確に個人の請求権について言及しています。


そしてこの「個人の請求権」に関して「各種の請求権を細分して一つ一つ別途検討しないで一つにまとめて包括的に解決することを模索することになった」と書かれており、また請求権の内約には「被徴用韓国人の未収金」「被徴用者の被害に対する補償」と書かれており、


つまり、少なくとも1965年の日韓国交正常化の時点で、韓国側は一般請求権小委員会会議録の12次と13次で言及していた内容通りの見解であったことがわかります。


そして解説書では「被徴用者の未収金と補償金、恩給等に関する請求、韓国人の対日本政府と日本国民に対する各種請求等はすべて完全かつ最終的に消滅する事になる。」と問題が補償金によって解決したと書かれています。


しかし韓国側の裁判では、上記記事で書かれているように、「韓国政府は、元徴用工が賠償を受ける権利も放棄していたかもしれないが、日本は外交的保護権だけを放棄したのは明白だから、両国の意思は一致していない、つまり元徴用工の賠償請求権は日韓請求権協定では解決していないと判断した。」という意味不明な解釈をしています。


しかも韓国大法院は「さらに以後、大韓民国で請求権資金法など補償立法を通じて強制動員被害者に対して成り立った補償内訳が実際の被害に対比して極めて微小だった点に照らしてみても、大韓民国の意思が請求権協定を通じて個人請求権までも完全に放棄させるということだったと断定するのも難しい」という判決を出しています。


これは、「韓国政府が個人に支払った資金が少なかったのだから韓国政府が個人請求権を放棄したとは言えない」という、因果関係の逆転を行っているのです。


更に大法院判決では、上記以外にも

新日鉄住金徴用工事件再上告審判決(大法院2018年10月30 日判決)
http://justice.skr.jp/koreajudgements/12-5.pdf?fbclid=IwAR052r4iYHUgQAWcW0KM3amJrKH-QPEMrH5VihJP_NAJxTxWGw4PlQD01Jo

(一部抜粋)
しかし、上記のような発言内容は大韓民国や日本の公式見解でなく、具体的な交渉過程における交渉担当者の発言に過ぎず、13年にわたった交渉過程において一貫して主張された内容でもない。「被徴用者の精神的、肉体的苦痛」に言及したのは、交渉で有利な地位を占めようという目的による発言に過ぎないと考えられる余地が大きく、実際に当時日本側の反発で第5次韓日会談の交渉は妥結されることもなかった。また、上記のとおり交渉過程で総額12億2000万ドルを要求したにもかかわらず、実際の請求権協定では3億ドル(無償)で妥結した。このように要求額にはるかに及ばない3億ドルのみを受けとった状況で、強制動員慰謝料請求権も請求権協定の適用対象に含まれていたとはとうてい認めがたい。



個人補償云々は「交渉で有利な地位を占めようという目的による発言に過ぎない」と、「仮定」を当時の議事録に書かれた「事実」と同列に扱うという行為をしており、この判決自体が詭弁論法によって成り立っている事がわかります。


更に判決文では「韓国側の請求額より少ない金額しか受け取れなかった」として「強制動員慰謝料請求権も請求権協定の適用対象に含まれていたとはとうてい認めがたい」という判決を出しています。


しかしこれに関しても


「日帝被害者数103万人は適当に算出」 朝鮮日報 2005/01/21


当時実際の日韓交渉に参加した鄭一永元次官の証言として、韓国政府の請求額自体が「当時韓国側がまとめた数値は裁判所に持って行っても証拠能力のないもの」「被害者が何人なのか、その人たちの貯金がいくらなのか統計がなかった。韓国銀行に行って見ても、資料がなかった」と証言しているのです。


更にこちらの記事によると


[インタビュー]「強制動員の真相究明からしっかり行い、『被害者性』を回復せよ」 ハン ギョレ新聞 2019-12-11


韓国政府は日本から受け取った補償金を「1970年代に初めて補償したが、死亡者・行方不明者約8500人にだけ30万ウォン(1970年代初頭の相場で約23万円)ずつ与えた」としており、更に廬武鉉政権時代にこの件が問題化したと書かれています。


しかし韓国政府は「申請者が急増して財政負担が大きくなるのを懸念し、消極行政をしたのである。強制動員名簿は今も発掘されている。被害者が追加確認されているが、今は申請することもできない」という方針をとっているそうです。


つまり徴用工裁判とは、協定で解決したものを後付設定と詭弁で論点をすり替えた挙句、韓国政府が個人の支払いを怠った分を再度日本に請求しているというのが実態となるわけです。


更に問題なのが

大韓民国による日韓請求権協定に基づく仲裁に応じる義務の不履行について(外務大臣談話)
外務省 令和元年7月19日
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page4_005119.html

(一部抜粋)
第三条
1 この協定の解釈及び実施に関する両締約国間の紛争は,まず,外交上の経路を通じて解決するものとする。

2 1の規定により解決することができなかつた紛争は,いずれか一方の締約国の政府が他方の締約国の政府から紛争の仲裁を要請する公文を受領した日から三十日の期間内に各締約国政府が任命する各一人の仲裁委員と,こうして選定された二人の仲裁委員が当該期間の後の三十日の期間内に合意する第三の仲裁委員又は当該期間内にその二人の仲裁委員が合意する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員との三人の仲裁委員からなる仲裁委員会に決定のため付託するものとする。ただし,第三の仲裁委員は,両締約国のうちいずれかの国民であつてはならない。

3 いずれか一方の締約国の政府が当該期間内に仲裁委員を任命しなかつたとき,又は第三の仲裁委員若しくは第三国について当該期間内に合意されなかつたときは,仲裁委員会は,両締約国政府のそれぞれが三十日の期間内に選定する国の政府が指名する各一人の仲裁委員とそれらの政府が協議により決定する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員をもつて構成されるものとする。
4 両締約国政府は,この条の規定に基づく仲裁委員会の決定に服するものとする。


と書かれており、本来協定に異議があるのならば仲裁委員を立て「仲裁委員が合意する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員」を指名し話し合いの場を持つことを原則とすると合意しています。


しかし韓国側は、請求権協定に異議があるにも関わらず、「協定で個人補償はされていない」と強弁し、この第三者立ち合いでの仲裁委の設置すら拒否している状態なのです。


つまり、百歩譲って韓国側の主張に何らかの理があったとしても、意見対立があるにも関わらず協定を締結した相手国の意見を一切聞かず一方的に協定の解釈を捻じ曲げたわけですから、いずれにせよ「国際法違反」になるわけです。


2:日韓併合に関する問題


次に日韓併合に関する問題なのですが、これがどう関係してくるかは以下を読んでもらうとわかります。


新日鉄住金徴用工事件再上告審判決(大法院2018年10月30 日判決)
http://justice.skr.jp/koreajudgements/12-5.pdf?fbclid=IwAR052r4iYHUgQAWcW0KM3amJrKH-QPEMrH5VihJP_NAJxTxWGw4PlQD01Jo

2 上告理由第1 点について
差戻し後の原審は、その判示のような理由をあげ、亡訴外人と原告 2 が本件訴訟の前に日本において被告に対して訴訟を提起し、本件日本判決により敗訴・確定したとしても、本件日本判決が日本の韓半島と韓国人に対する植民支配が合法的であるという規範的認識を前提に日帝の「国家総動員法」と「国民徴用令」を韓半島と亡訴外人と原告 2 に適用することが有効であると評価した以上、このような判決理由が含まれる本件日本判決をそのまま承認することは大韓民国の善良な風俗やその他の社会秩序に違反するものであり、したがって我が国で本件日本判決を承認してその効力を認めることはできないと判断した。
このような差戻し後の原審の判断は、差戻判決の趣旨にしたがうものであって、 そこに上告理由が主張するような外国判決承認要件としての公序良俗違反に関する法理を誤解する等の違法はない。

大法院判決文に「(日韓併合を合法とする意見は)大韓民国の善良な風俗やその他の社会秩序に違反するものであり、したがって我が国で本件日本判決を承認してその効力を認めることはできないと判断した」と書かれています。


また次のハンギョレ新聞の記事でも


[ファクトチェック] 安倍首相「韓国が国際法違反」と強弁…強制徴用の賠償は別物だ ハンギョレ新聞 2019-08-07


「昨年10月韓国最高裁の判決の核心は、「日本の植民支配は違法」だったという明確な解釈だ。」と書かれており、根本的にこの裁判は「日韓併合が違法なのだからその間に行われた徴用も違法」という前提で行われたことがわかります。


これなのですが、過去動画でも説明しましたが、日韓併合は「当時としては合法」という事で法的にも学術的にも完全に結論が出ています。


過去動画のテキスト版リンク
【ゆっくり解説】日韓併合はなぜ合法? part1/2
はてなブログ
https://oogchib.hateblo.jp/entry/ar1953800

【ゆっくり解説】日韓併合はなぜ合法? part2/2
はてなブログ
https://oogchib.hateblo.jp/entry/ar1956248


具体的には


英の学者ら「日韓併合不法論」支持せず 韓国主張崩れる 産経新聞 2001.11.27

第3回韓国併合再検討国際会議 : 「合法・違法」を超えて 木村幹 神戸大学 2002-06


上記2つの記事で書かれているように、2001年に韓国政府が資金を出し、ハーバード大学主催で行われた日韓併合に関する国際学術会議の場において、国際法専門のJ・クロフォード英ケンブリッジ大教授らから「自分で生きていけない国について周辺の国が国際的秩序の観点からその国を 取り込むということは当時よくあったことで、日韓併合条約は国際法上は不法なものではなかった」と韓国側の違法論が否定されます。


また韓国側の「強制されたから」という主張も「強制されたか ら不法という議論は第一次世界大戦(一九一四-一八年)以降のもので当時としては問題 になるものではない」と否定されます。


これはどういうことかというと、「国際法とは何か」という事と関係しており、実際には「国際法という法」は存在しておらず、一般的に国際法と呼ばれているものは「二国間、或いは多国間で締結された条約や協定、或いは国際的に認知されている慣習法」の総称です。


つまり、国際法違反とは上記定義に違反する行為の事なのですが、韓国側の主張するような違法論が成り立つには、「該当する条約や協定・慣習法」が存在していなければいけないわけですが、これが成立したのが「第一次大戦以降(1919年)」であり、日韓併合は「それ以前(1910年)」であるため、「当時としては合法」というわけです。


つまり、1919年以前と以後で線引きがあり、このライン以前に行われた日韓併合は「違法性を定義できる方法が存在しない」ため「当時としては合法」というわけです。


そしてこの「線引き」を取り払い、1919年に締結された条約の定義を過去に無制限に遡ってしまうと

于山島は竹島ではない
https://www.knak.jp/munikai/FYI/takeshima-2.htm

(現代語訳)
13年(512年)夏6月、于山国が服属してきて、年ごとにその地の産物を貢ぎ物として献上した。于山国は溟州(現在の江原道)の真東の海上にある島国で、別名を鬱陵島という。この島は、百里四方ほどで、それまでは交通が困難であることをたのみとして服属しなかった。伊喰の異斯夫が何瑟羅の軍主となった。かれは、于山国の人たちは思慮が浅くて気性が荒々しく、武力だけでは降伏させられないが、計略をもってすれば、服属させることができると考えた。そこで多くの木製の獅子像を作り、戦船にわけてのせた。その国の海岸につくと、偽って次のように言った。「お前たちがもし服属しないならば、この猛獣を放って、踏み殺させるぞ。」


1145年に書かれた三国史記にあるエピソードから「于山国鬱陵島は不法に併合された土地であるため、韓国が領有することは違法」というおかしなことになってしまいます。


つまり韓国側が「日韓併合は違法」としたいのならば、まずこの1919年という国際法の線引きを1910年以前にまで引き下げられることを証明するか、或いは線引きを取り払い過去に無制限に適用するか、現在の国際法の基盤となっている「ヴェストファーレン条約」を否定し、新たに国際法を定義するか、或いはこれらとは全く異なる解決策を見出すか、そのどれかしかないわけです。


韓国大法院は、こうしたことをせずに「日韓併合は違法」としているため、その判決自体が「国際法違反」となってしまっているのです。


そしてこの件にはもう一つ問題があり、韓国側は「第二次日韓協約(1905年)の時点で強制的に外交権が奪われ異論を言えるような状況でなかったため、日韓併合(1910年)は違法」と主張し、これを国際会議で「当時としては問題ない」と否定されていますが



英の学者ら「日韓併合不法論」支持せず 韓国主張崩れる sakura4987 2006年 04月 20日

第二次日韓協約調印と大韓帝国皇帝高宗 国立国会図書館サーチ


実は韓国側の「強制されたから違法」という主張は別方面からも否定されており、先ほどの国際会議に出席した県立広島大学の原田環教授の「第二次日韓協約調印と大韓帝国皇帝高宗」という論文があるそうです。


そのなかで「第二次協約の調印のときに高宗という王と、その周りに5人の大臣たちがいたが、その5人の大臣たちが、すべて終わった後に王に上奏文を提出した。」「同協約の締結に関して韓国の高宗皇帝が、日本側の協約案を修正し調印する方向に、すなわち交渉妥結ということで一貫した行動をとったということを実証された。」と書かれているそうです。


このことから「第二次日韓協約は韓国の高宗皇帝の意図に沿って行なわれたものだった」と判明しているわけですから、そもそも「朝鮮の主権者の同意」の下で外交権の剥奪が行われており、「意思に反して国権が奪われ、その後併合された」という前提自体が成り立たないというわけです。


3:証言の整合性の問題


次に裁判で「証拠」とされた徴用者の証言に関してなのですが、これを知ってもらうためにまず基礎知識として知っておいてほしい事があります。


それは韓国側で「強制連行」と一緒くたにされているものには、実際にはいくつも区分けがあり

募集

個別渡航(1938-40) ※民斡旋や募集工とも呼ばれている
内地の事業者が朝鮮半島において人員を募集することを解禁、企業は個別に募集・選考を行い、採用者は個別に内地へ渡航

集団渡航(1939-42)
内地の事業者が朝鮮半島において「募集・選考・自社の事業所への移送」までを一括して行う

官斡旋(1942-45)

朝鮮総督府が半島内の地方自治体に人数を割り当て、募集・選考・動員先の内地事業所への移送までを一括担当して実施

徴用

軍関係労務への徴用;1941月より
一般徴用;1944年9月より


と別れており、徴用工裁判とは「軍関係労務への徴用」を除いたすべてを定義し「強制連行」としたものです。


そして次の法政大学大原社会問題研究所のページにあるように

長崎と朝鮮人強制連行―調査研究
大原社会問題研究所 2016.1
http://oisr-org.ws.hosei.ac.jp/images/oz/contents/687_01.pdf

(一部抜粋)
強制連行の実態
朝鮮人強制連行は1939年の閣議決定労務動員実施計画」のなかに織り込む形で「朝鮮人労務者内地移住に関する件」(同年7月,内務・厚生両次官通牒)によって開始され,「募集」,「官斡旋」(1942年2月以降),「徴用」(1944年9月以降)の3段階を踏んで強化されたことは周知の事実であるが,人権を守る会の実態調査によって明らかになったそれぞれの段階における主要な実例(証言)は次のとおりである。

「募集」という名の強制連行

「募集」の最大の特徴は甘言であり,押し並べて詐欺・誘拐罪が成立する不法なものであったが,ここでは,この名目による強制連行の迫真の証言として,佐賀県の北方炭砿に連行された櫛田優氏(1913年5月29日生)の証言をまず挙げ,次いで,「官斡旋」の時期にも続けられた「募集」で三菱長崎兵器製作所の住吉トンネル工事に夫とともに連行された石任順(ソク・イムスン)氏(1925年11月3日生)の証言を取り上げたい。なお,「募集による強制連行は,内務省警保局の統計資料(『原爆と朝鮮人』第1集,5頁)を基に約17,000人と推定される。
(中略)
「官斡旋」という名の強制連行
「官斡旋」が令状なしであったことを明らかにするために,香焼島(こうやぎじま)の川南(か
わなみ)造船所に強制連行された張瞬培(チャン・スンベ)氏(1923年6月28日生)の証言を挙げる。なお,「官斡旋」時期の強制連行数は約31,270人と推定される。
*徴用状が来たのではありません
父が船を手に入れたので,父と兄と私の三人で漁師の船仕事で暮らしていました。その時,日本に徴用に行きました。徴用状が来たのではありません。部落には区長がいます。イ・スノンという人が私たちに徴用令状が出ているという話をしにきました。その話を真に受けて,兄と私が鹿洞の役場に行くと錦山面(グムサンミョン),道陽面(ドヤンミョン)とみんな集め
られていました。兄は日本の北海道の労務者に,そして私も徴用に行くことが決まったのです。
(中略)大田で汽車を乗り換えて釜山に向かいました。その時から大隊長が一緒に乗ってきました。汽車は客車ではなく座る椅子もない貨車で,厳重に監視され一人も逃げられないようになっていました。(出典①,第7集168–169頁)


「募集」の段階では「最大の特徴は甘言であり,押し並べて詐欺・誘拐罪が成立する不法なものであった」としており、これが政府の主導で行われたとしており、また1942年の官斡旋からは徴用令上による強制だったとしています。


しかし韓国でよく「強制動員問題の研究家」と紹介されている竹内康人氏の著書によると


韓国徴用工裁判とは何か 竹内康人 2019 年 8 月 15 日
[インタビュー]「大法院判決で被害者になったという宣伝が最も大きな問題」 ハンギョレ新聞 2019-08-12


「指定された郡で面(行政区分)の職員や警察の協力により、企業による集団募集がなされたのです。それは強権的な朝鮮総督府の警察機構を利用した、国策による強制的な集団動員でした。」と書かれており、強制だったのか甘言だったのか、定義の混乱が見られます。


更に上記2つのどちらでもアジア歴史資料センター所蔵の「朝鮮工場労務者内地移住斡旋に関する件」が、「強制や甘言の物的証拠」として引用されています。


朝鮮工場労務者内地移住斡旋に関する件 アジア歴史資料センター 陸軍省大日記 大日記甲輯 昭和15年


しかしこの記録で書かれている内容は「本協定ハ内地工場ニ於ケル労務需給ノ調整ト朝鮮ニ於ケル技術水準ノ向上ニ資スルコトヲ以テ目的トス」というもので、強制性を示すような記録ではありません。


またその就業内容は「雇用主ハ労務者ニ対シ其ノ徳性ヲ涵養シ中堅職工タルニ須要ナル智識及技能ヲ速ニ授クルモノナルコト」と書かれており、目的が「職工の育成」にある事がわかります。


雇用形態に関しても「雇用期間ハ之ヲ二年以上五年以内トシ其ノ満了シタル時ハ原則トシテ之を帰鮮セシムルコト」「雇用期間満了ノ際必要ト認ムルトキハ労務者ノ一部ニ付其ノ雇用ヲ更新継続シ得ルコト」「本協定ニ依リ朝鮮内ノ工場ニ就労セシムル為帰郷スル者ノ帰郷旅費ハ新雇用主ニ於テ負担スルモノナルコト」と書かれており、強制とはかけ離れた待遇であることがわかります。


更に、この文書は内閣府直属の企画院から陸軍省に充てられた「極秘」という判の押された内部文書であることから、「外部向けのプロパガンダ」である事も否定できます。


そしてこの件では「現在の外国人実習制度と同じだ」という意見もありますが、まずそれは「仮定」の話であり、この文書という「客観的事実」と同列で語れるものではありません。


更に、外国人実習制度の問題点は「民間企業が制度を悪用し、政府の問題への対応も杜撰だった」というものですが、韓国側の強制連行の定義とは「政府主導で行われた甘言と拉致や脅迫を伴う動員」の事ですので、前提が根本から異なり、「外国人実習制度と同じだ」ではそもそも定義が異なるため同列に扱う事ができません。


当然のことですが、これは先ほどの大原社会問題研究所や竹内康人氏の主張にあるように、「甘言による拉致・誘拐」等の証明となる記録ではありません。
つまり、本来そうした定義を否定する記録を、内容を隠すことで「持論の証明」であるかのように印象操作しているという事になります。


そして次に「証言」自体も問題です。


元挺身隊員や韓日支援団体 三菱重本社付近で株主に賠償履行訴え 聯合ニュース 2019.06.27


こちらの記事によると、梁錦徳(ヤン・グムドク)さんという人は「(小学校)6年生の時に日本人の校長にカネをたくさん稼がせてやると言われ、名古屋の(三菱)重工業(の工場)で1年余り一生懸命働いた」と証言しています。


そして次にこちらの記事によると

「軍需工場で死んでいった友人たち…一言でいいから、日本に謝ってほしい」
ハンギョレ新聞 2021-01-20
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/38898.html

(一部抜粋)
 全羅南道羅州(ナジュ)出身のヤンさんは1944年5月、「中学校に進学させてあげる」という日本人校長の言葉に騙され、“日本行き”に志願した。勉強と運動が得意で学級委員を務めた彼女は、日本へ行って上級学校に進学したかった。しかし父親の猛反対に遭い、ヤンさんは翌日「行かない」と担任に話した。しかし「指名を受けたのに行かないなら、親を捕まえて拘置所に入れる」という担任教師の言葉を聞いて怖くなったヤンさんは「棚から父の印鑑をこっそり取り出して担任教師に渡した」と、自叙伝に記している。

上記のように「脅迫されて」と証言内容が変わっています。
更にこちらの記事では


「だれかのように忘れたりしない」強制徴用被害者、憤怒のユニクロパロディ ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.10.22 08:28


「ヤンさんは「(小学校)6年生の時である1944年5月に『学校に送ってやる』という日本人校長の懐柔と脅迫に勝てず下関行きの船に乗った。」と、上記2つが合わさった証言をしているのです。


しかも「強制連行された」とする時期が「1944年」となっており、この証言が正しいのならば「徴用」で「労務が義務化」された時期に「脅されて」あるいは「甘言で」連れていかれたという事になるわけですから、先ほどの法政大学大原社会問題研究所の記述と矛盾します。


またこちらの記事の証言でも


新日鉄住金の“徴用被害者”、控訴審中に他界 ハンギョレ新聞 2019-02-20


1942年、つまり法政大学大原社会問題研究所では「強制になった」としている時期に「「お前が行かないなら、兄を連れて行く」と言われ、ついて行かざるを得なかった。」と、脅迫による強制連行と証言しており、これも矛盾します。


またこちらの信濃毎日新聞の記事でも


あすへのとびら 日韓と強制動員 果たすべき責任はなお 信濃毎日新聞 2019年9月1日


「募集と官斡旋には日本の警官が随行した。断ると脅迫を受けた、無理に連行された、と証言録にある。いずれも強制力を伴ったことに変わりはない。」と書かれており、法政大学大原社会問題研究所の内容はもちろん、たとえば梁錦徳氏の「校長から言われた」とも食い違います。


更にはこちらの朝日系の論座の記事では


ある朝鮮人労働者が生きた歴史 web論座/朝日新聞 2019年09月20日


「1935(昭和10)年頃、父が25,6歳だったといいます。故郷の村の畑で農作業をしていると、そこに兵隊が来て本土に行かないかとの口車に乗せられて日本へ来たと聞きました。そして無理やりに車に乗せられたと言っていました。」と書かれており、当然これも他と食い違います。


こうしたことから解るのは、「背景も証言も一切検証されていない」という事で、つまりは徴用工裁判とは「客観的な検証が一切されない」まま、ただ『証言がある』というだけで事実認定し、「有罪判決を出した」という事になるわけです。


つまり韓国における徴用工裁判とは、国際法違反というだけではなく、根本的に「法治国家としてあり得ない判決」が出されたという事になるわけです。



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【ゆっくり解説】日韓友好を訴える人達の問題点


さて、本日はタイトルにもある通り、日韓友好を訴える人達の問題点について扱います。


本日の投稿動画

YouTube
https://youtu.be/cuhB5KR5GJo

元記事
日韓友好を訴える人々の問題点

関連動画

YouTube
https://youtu.be/WIR6Zs36Ks8


YouTube
https://youtu.be/KJQBQmvSAiY


YouTube
https://youtu.be/2r20-pm44NA


YouTube
https://youtu.be/v2mCg4mwtP8


YouTube
https://youtu.be/BECcLp2FtRY


YouTube
https://youtu.be/act1XK9Ak7w


YouTube
https://youtu.be/Uq93x1gIslI


以下は動画のテキスト版です

注意
・この動画は「日韓の価値観の違い」を扱っています

・うp主のスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからとこちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たら
どう思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブロマガにあります

・毎週土曜日更新


レイム マリサ
ゆっくりしていってね


レイム
さて、今回は日韓問題なので私が扱っていくわね。


マリサ
なあ、今回のタイトルについてなんだが、「友好する」ぶんにはいいんじゃないか?
よく「政治と文化は別、切り離して考えよう」って話も聞くし。


レイム
今回の問題はね、まさに「その部分」についてなのよ。


マリサ
「その部分」ってどういうことだ?
政治と文化を切り離して考えて割り切るなんて、別に難しい事でもないだろ。


レイム
まあ「一般的な日本人の感覚や常識」でならそうでしょうね。
ただし、そうしたことが「できている」と考えている人でも、実際には党派性の問題に陥ってできていない場合が多いのだけど、それは今回の本題とあまり関係ないわね。


マリサ
なら何が問題なんだ?余計に意味が解らんが。


レイム
まあそのあたりは本編でね。


政治と文化は別


マリサ
いきなり本題か。
で、何から扱うんだ?


レイム
まずはここ数年の日韓関係悪化に関連して出てきたこういった論調からね

「政治と文化は切り離して」「直接対話することでわかることもある」若い世代と考える、韓国との“付き合い方”は?
abema 2020.08.17
https://times.abema.tv/news-article/8620107

 竹島の領有権を巡る問題や元徴用工問題など、解決の糸口が見えないまま悪化する日韓関係は、“岐路の8月”とも言われている。実際、外交世論調査内閣府・2019年)の「韓国に対する親近感」を年代別に見ると、70歳以上では「親しみを感じない」が8割近くに達している。

 その一方、若者世代では半数近くが「親しみを感じる」と答えており、文化面に目を向けると『愛の不時着』『梨泰院クラス』などのドラマ、映画がヒット。K-POPやファッション・コスメ、グルメなど、韓国発のものに日々親しんでいる。

 韓国人の交際相手との日常を撮影した動画を投稿している日韓カップルYouTuberりんかさん(19)は、「お互いの国があまり仲良くないのは分かっているので、わざわざ政治の話をする必要はないかなって思っている。韓国を一種の“コンテンツ”として捉え、政治と切り離して触れてみることから初めるのが良いのかなと思う」と話す。

 韓国ありぽんさんは「“冬ソナ”にハマった母親が韓国のテレビ番組を一日中観ていた」ことがきっかけで興味を懐き、今や韓国ビジネスにも関わっているという。「韓国人とは政治の話もするけど、“韓国人だから”“日本人だから”といった対立は経験したことがない」としつつも、「韓国を一種の“コンテンツ”として捉えて、文化と政治は切り離して体験していただくことが重要ではないかと思う」とした。

 1988年のソウルオリンピックをきっかけに韓国に留学した経験を持つ韓国エンタメライターの桑畑優香氏は「私の頃は韓国で何が起きているのか分からなかったし、どんな人が住んでいるかも分からなかった。この30年でかなり変わってきたと思う。しかも、りんかさんは私生活を発信して、ありぽんさんはビジネス的な視点を発信している。そうしたものが見られるようになったという意味でも、日韓関係が普通になったと思う」と話す。

 一方、2012年ごろに“韓流ブーム”が下火になったことについては「李明博大統領が竹島に上陸したことをきっかけに、一気に日本のメディアからなくなってしまった。“ブームは終わった”みたいに取り上げられていたし、韓流マダムたちも“韓流好きだと言ってはいけないと家族に言われた”みたいな話まであった。ただ、テレビ局などを中心にした、“上から下へ”のブームだったのが、実は水面下ではじわじわ流行っていて、それがSNSで表面化したのが最近の第三次、第四次といわれるブームだ」と説明。

 その上で、「仲良くなった韓国の人が“日本のマスコミは偏向している”みたいなことを言い始めたので、私も“韓国のマスコミだって偏向している”と言い返し、焼肉屋さんで大げんかになったことがあった。でも、その友達は“オンニ(お姉さん)”って腕を組んできて、もっと仲良くなれた。飾らないで、思っていることをぶつけてみるのも一つの方法かもしれない」と話した。

生による国際討論・交流プログラム「日韓学生フォーラム」の実行委員長を務める。1986年に始まったこのプログラムは「非政治、非営利、非宗教」を掲げ、両国の学生が毎年8月に約2週間、寝食を共にしながら理解を深める活動を続けてきた。新型コロナウイルスの影響で今年は初のオンライン開催となったが、日本の大学生11人、韓国の大学生15人が「Beyond The Wall」を合言葉に13日から交流を続けている。

 「学術的な交流と文化的な交流があるが、前者は政治や歴史、文化や経済などに分かれてディスカッションを行っている。例えば輸出管理もテーマになっている。SNSを見ると、すぐ“断交しろ”など過激な意見を書き込む人もいるが、すごく視野が狭いと正直思うし、全ての情報が正しいというわけでもないと思う。やはり直接対話することでメディアだけでは分からないこともわかってくる。この活動に参加したOB・OGの中には公的機関や民間企業、個人的な活動の中で韓国と関わっている方もたくさんいる。地道な活動だし、政治を変えるのは難しいかもしれないが、こうした交流が広がっていけば、日韓関係に良い影響を与えられる力になると信じている」。

 國料さんの話に、桑畑さんも「直接会いに行けなくても、オンラインで会うこともできる。若い方々がどんどん発信していけば、次の世代、次の世代…と、徐々に変わっていくのではないかと希望を持っている」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

レイム
記事では、日韓カップルの「お互いの国があまり仲良くないのは分かっているので、わざわざ政治の話をする必要はないかなって思っている。韓国を一種の“コンテンツ”として捉え、政治と切り離して触れてみることから初めるのが良いのかなと思う」といった話を紹介しているのね。


レイム
そのうえで、「文化と政治は切り離して体験していただくことが重要ではないかと思う」として、また政治や歴史の問題なども「やはり直接対話することでメディアだけでは分からないこともわかってくる」としているわね。


マリサ
なあ、これのどこが問題なんだ?
当たり前のことを言っているだけに見えるが。


レイム
まあまだ続きがあるから、本題はそのあとでね。
つぎはこちら


日韓関係どう思う? 東京とソウルで若者たちに聞いた
朝日新聞 2019年10月27日
https://www.asahi.com/articles/ASMBS656BMBSUPQJ00S.html

日韓関係が冷え込んでいます。1年前に韓国の大法院(最高裁判所)が日本企業に対し、戦時中に動員された韓国人元徴用工らに慰謝料の支払いを命じる判決を出したことなどが背景にあります。韓国では日本製品不買運動が起き、来日客も急減しています。こうしたなか、「お隣さん」との交流をどう考えたらいいでしょうか。

日韓関係どう思いますか?

困難な時、これまでも

 互いの友好を深める「日韓交流おまつり」が9月28、29の両日、東京・日比谷公園で開かれ、最多だった昨年に次ぐ7万2千人が訪れました。日韓の太鼓共演で始まった開会式で、主催する日韓の実行委員会の3人の委員長があいさつ。佐々木幹夫・日韓経済協会会長(82)は「こういうときだからこそ、両国の相互理解の原点ともいえる草の根交流の継続が必要」とあいさつ。呉公太(オゴンテ)・前在日本大韓民国民団団長(73)も「関係が悪化したとき、困難を乗り越えたのを底辺で支えたのが民間交流。困難な時期ほど『おまつり』が輝きを発する」と述べました。

 「おまつり」は2005年にソウルで始まりました。1965年の日韓国交正常化から40周年の記念行事の一つとして日韓両国政府が主催し、翌06年から定例化。09年から東京でも催されています。

 「ソウル・ジャパン・クラブ」理事長時代から運営にかかわってきた高杉暢也さん(77)によると、当初から日本の歴史教科書問題など日韓間がぎくしゃくする問題はあったそうです。交流行事は「悪天候でも常に進むべき方向を照らしてくれる灯台の光のような友好のシンボル」だといいます。

 李明博(イミョンバク)大統領が竹島(韓国名・独島)に上陸した翌年の13年も開催が危ぶまれました。14~17年に実行委員会事務局長を務めた権鎔大(ゴンヨンデ)・韓国アシアナ航空の元常務(72)は「企業の協賛も減っていたが、『今こそやるべきだ』と声があがった。困難な時期を何度もくぐり抜けてきたのです」。(編集委員・北野隆一、太田成美、黒田壮吉)
会場で聞いてみました

(来場者は)

 友人と来た都内の大学生、田中梨花さん(19) 高校のとき、韓国人の友人ができて韓国に興味を持った。不買運動をするような国に日本人が行くのは危ないと、親には止められたけど、来年4月に韓国に留学予定です。メディアは韓国の印象を悪くする情報を繰り返し、流しすぎているように思う。個人同士は仲良くできるし、心配はない。

 埼玉県鴻巣市から訪れた会社員、加藤うしおさん(55) 来場は5回目。前の会社の同僚に勧められて韓流ドラマにはまり、4回訪韓しています。今日交流した韓国の学生は、歴史認識についてしっかり教育を受けていて、日本の教育制度と違いがあると思いました。日本政府は上から目線ではなく、韓国の人の立場に立って考えたらいいのではないかと思います。

 授業の一環で訪れた八王子市の帝京大学1年、隅田あきらさん(18) 他国では隣国の言葉を学ぶことがよくあるが、日本は島国なので学ばない傾向にある。なぜかなと思って韓国語の勉強を始めました。歴史認識の問題は、日本から見た歴史だけじゃなく、韓国から見た歴史も勉強して考えていきたい。違う国なので、いさかいが起こることは当たり前。日韓関係の悪化はしょうがないとも思う。今の状況も、理解し合うのに必要なことなのかなと思います。

(ボランティアは)

 パク・ダハンさん(23・高麗大) 日本政府の国際交流事業で来日しました。こんなに多くの人が集まっていて意外でした。今日のように日韓の人が普通の話をして友達になる、その過程が大切だと思います。今、韓国政府と日本政府は対話を全然していない。民間交流ではそのコミュニケーションが可能です。コミュニケーションをしていないと、誤解がどんどん大きくなるかもしれません。難しい問題もやさしい態度で接すれば、良い解決策が出るかもしれません。

 洪純央さん(19・桃山学院大) 在日3世です。両国の関係悪化のニュースをみて、日本に住む韓国人として胸を痛めてきた。近い存在の両国が仲良くできたらいいのに。過去はどうすることもできない。これからの関係をどうするかが大切だと思う。一人でも多くの人に両国に関心を持ってもらえる活動に関わっていきたい。

 金子卓生(たかお)さん(23・早稲田大) おまつりに関わるのは高校2年生のときからで、5回目の参加です。今年は開催されるのか不安でしたが、いつもと変わらない雰囲気で安心しました。輸出規制などで経済関係にもひびが入り、関係悪化が長引かないか心配です。ただ、政治には期待できない。日韓関係改善に特効薬はなく、市民間のパイプを太くしていくしかないと思います。
「必要なものは買う」けれど

 日本製品不買運動が7月から続く韓国。実際に街では何が起きているのか。週末に若者でにぎわうソウル・弘大(ホンデ)を記者が歩いた。

 日本からの観光客にも人気の弘大は、おしゃれなカフェやファッションビル、ブティックなどが立ち並び、流行に敏感な若者が集まる街。日本風の居酒屋やラーメン店が多いのも特徴だ。昼下がりに散歩中、大正昭和期の古びた日本家屋をイメージし、「ヤママル醬油味噌(しょうゆみそ)」「太田胃散」などの日本語の看板が際立つ居酒屋に目がとまった。

 「日本戦犯企業のビールは販売していません」。韓国語で表示した入り口前の垂れ幕には、韓国国旗の太極旗や不買運動を象徴するロゴも描かれる。

 従業員の男性(23)によると、不買運動で来店客が3割減り、7月末から掲示した。「日本のビールを置いていると、気にする客が多い。今は韓国のビールしか扱っていない」。「全ての食材は韓国産」とも周知するが、和食に必要な調味料などは「日本産を使っている」と小声で話した。

 この店の近くには、廃業した和食店も。「お肉のおいしい…」と書かれた木製の看板を掲げた店の前には、ペットボトルやたばこの吸い殻が散乱していた。

 不買運動前は行列ができ、メディアにも取り上げられるほどだった人気和食店も苦戦する。日本で修業を積み、約10年前に開店させた男性店主(44)は「7月から急に客が減り、売り上げは4割ダウン。影響は続いており、開店以来で最低の状況だ。この先どうなるかわからない」と嘆く。日韓関係の悪化は「韓日双方の政権が子供じみた自尊心のために争い、メディアが対立をあおっているためだ」と憤る。

 この店で好物の唐揚げ定食を食べた大学生の権五雲さん(19)は「不買運動には参加しない。周りの目も気にしない」と話す。日本のアニメが大好きという。ただ、「安倍政権の対応には私も不満だ。周りにも日本の製品を買わないようにしている人たちはいるが、理解はできる」と話した。

 次に、弘大の中心街にあるユニクロの店舗をのぞいた。客足はまばらだ。店内にいた男子大学生(29)によると、韓国ではユニクロ製品を人気ユーチューバーが紹介したこともあり、不買運動前は若者の支持を得ていたという。

 ユニクロで買い物を終えた会社員の女性(33)は「最近はあまり来たくないが、必要なものは買う。売れ残ったニットを安く買った」。ただ、夏休みの旅行先は日本からベトナムに変えた。理由は「嫌韓が広がっていると聞き、危険な目に遭うかもしれないと思った」。無理のない程度に不買運動に参加しているといい、以前はよく食べていた日本の菓子は控えているという。(ソウル=鈴木拓也)
激論・批判で感覚広がった

 絵本作家の浜田桂子さんは韓国、中国の有志と「日・中・韓 平和絵本」の制作を続けてきました。国をまたぐ取り組みについて聞きました。(聞き手・北野隆一)

       ◇

 日本の絵本作家4人が2005年に中国、翌年に韓国の作家4人ずつに「一緒に平和の絵本を作りませんか」と呼びかけました。小泉純一郎首相(当時)が靖国神社を参拝し、その後中国で不買運動中韓両国で反日デモが起きていた。田島征三さんが「アジアの作家と向き合おう。ぼくらは政治家じゃないから、気持ちを重ねられるよ」と発案しました。

 下描き本を互いに見せながら進め、最初の3冊が出たのは11年4月。日本からは私の本「へいわってどんなこと?」が刊行されました。下描き本では、戦争の場面の絵に「せんそうをするひこうきがとんでこない」「ばくだんがおちてこない」「いえやまちがはかいされない」と文を添えました。子どもが自分から戦争を起こすことはないと、受け身で書いたのです。

 でも韓国で、作家や絵本編集者から厳しく指摘されました。「日本人は『原爆を投下されたり空襲されたりしたくない』と戦争を受け身で考える。自分たちが加害者だったことを踏まえた、『二度と傷つけない』という考え方は希薄ですね」

 そこで、子どもの主体性を尊重した能動的な表現に改めました。「せんそうをしない」「ばくだんなんかおとさない」「いえやまちをはかいしない」と。激論を交わし、批判されたおかげで、私の感覚は広がり、信頼を深めることができました。

 17年までに3国で10冊を刊行。でも韓国の権倫徳(クォンユンドク)さんの本だけは日本で出せなかった。慰安婦問題が題材だったからです。

 権さんは元慰安婦・沈達蓮(シムダリョン)さんの証言をもとに「花ばぁば」という本を描きました。ご自身も幼いころ性的虐待を受けた経験から、被害の痛みを表現し、性暴力をなくしたいとの思いを込めました。

 当初は、長く封印していた負の感情がほとばしり、おどろおどろしい絵になった。権さんが韓国で子どもや母親たちに下描き本を見せると「こんな怖い絵は見たくない」と言われ、「日本嫌いの子をつくる絵本にしたくない」と悩んでいました。

 私たちは慰安婦問題に詳しい日本の専門家の助言を求め、議論を重ねました。権さんは何度も描き直し、表現が昇華されていきました。日本では18年、ようやく引き受けてくれる出版社があり、刊行されました。

 韓国では私の絵本をテーマにコンサートが企画されたり、中学教師が入学式で朗読したりしていると聞いています。絵本は国境を越えていくのだと実感しました。

相手の国を学ぶ余裕ないの?

 朝日新聞デジタルllのアンケートに寄せられた声の一部を紹介します。

 

●考えが違うのは当たり前

 国が違えば考え方も違うという当たり前のことが、韓国だとそう捉えない人が多いのはなぜか。それは顔かたちや文化が似ていることで「自分たちと同じはずだ」と思うからなのでしょう。相手の国との違いを冷静にしっかり学ぶことが解決への近道なのですが、今の日本にはそんな余裕がないのでしょうか? 少し悲しい気持ちになってしまいます。(東京都・50代男性)

 

政権交代で約束反故とは

 請求権協定も慰安婦合意も反故(ほご)にされた。国と国が約束をしても政権が代わればどうなるか分からないのであれば、今後手を握ることはありえないだろう。日本はこれから韓国との付き合いは相応の態度でやって行くべきだ。(埼玉県・60代女性)

 

●好き嫌いは学んだ後に

 韓国を敵としてみるようなメディアの報道は良くない。視聴者もメディアをうのみにするのではなく、自分自身でしっかり学習したりし、理解した上で好き、嫌いが言えるとおもう!(沖縄県・10代女性)

 

●挑発に乗らず冷静な外交を

 仕事で接する韓国人は皆インテリジェンスが高く、反日感情をあらわにする人はおらず、お互いの文化を尊重した付き合いができていた(ビジネスの関係だからであるだろうが)。個人レベルの付き合いに問題がないのに国家間で関係性がこじれるのは、政治家に原因がある。国内の不満から目をそらせるために反日スローガンを掲げて支持回復に利用しようとする韓国政府も、それにまんまと乗せられる韓国国民も、先進国の仲間入りした以上はそろそろ幼稚な内政外交から脱却していただきたい。日本はその安い挑発に乗ることなく、これまでのようにカネで解決して甘い汁を吸わせることもなく、冷静かつ断固たる外交で対処して欲しい。(京都府・30代男性)

 

●友人の日本語に歴史知る

 アメリカへの留学時たくさんの韓国からの留学生と友達になった。彼女たちはいつもたくさんの手料理を振る舞ってくれ、同じように母国を離れて生活する大変さを理解し励ましてくれた。私は一度も彼女たちに嫌な印象を抱いたことはないし、帰国した今でもとても大切な友人たちだ。ある時友人の1人がお箸の事を「ハシ」と呼んだことがあった。なぜ日本語が分かるのか聞いたところ祖母がそう呼んでいたらしい。なぜかと聞くと気まずそうに笑いながら昔は韓国は日本の領土だったからと言った。その時私はハッとさせられた。それまで帝国主義だったのは欧米の国だけだという認識を抱いていた。しかし日本も同じ他国を侵略する帝国主義だったのだ。(神奈川県・20代女性)



レイム
記事では日韓交流おまつりにやってきた人などの声を紹介していて、「歴史認識の問題は、日本から見た歴史だけじゃなく、韓国から見た歴史も勉強して考えていきたい」「理解し合う事が必要」とか、政治には期待できないので市民間のパイプを太くしていくべきとか、日韓の歴史対立は子供じみたいがみ合いでどっちもどっちといった意見が書かれているわね。


マリサ
まあ、これも間違ってはいないんじゃないか?
自分達の意見だけではなく、相手の意見を知るのも問題解決には重要なことだし。


レイム
そして次はこちら

韓国人は日本をどう見ている?フリーコーヒーを韓国で振る舞った男性が気づいたこと
huffingtonpost 2019年12月23日
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5dfdefe5e4b05b08bab62257

日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は条件付きで破棄を回避できたものの、いまだに元懲用工問題などにより揺れる日韓関係。

そんな中、1人の日本人男性が自転車とコーヒー道具一式と持って韓国に渡った。日本、そして世界を自転車で旅する自転車旅人の西川昌徳さんだ。

西川さんは、2006年大学卒業後から自転車で日本一周し、これまでに37カ国、9万キロ以上を旅してきた「旅人」。そこで得た経験や価値観を、全国で講演や学校授業を通じて伝えている。

2018年6月からは、約1年かけて自転車で日本一周しながらコーヒーを無料でふるまう「フリーコーヒー」の旅を敢行。「コーヒーはコミュニケーションを生み出す手段」と語る。

そんな彼が韓国に渡るきっかけとなったのが、授業を行なった小学校での差別発言だったという。

「韓国に対して、『怖い』『意地悪そう』『汚そう』...そういう言葉が普通に出てくるんです。実際行ってそのような体験をしたのならわかりますが、行ったこともないのに」

周りにいる大人やネットなどからの影響で、いとも簡単に偏った思考を持ってしまっている子供達の現状に危機感を感じた西川さんは、「彼らに真実を伝えるには、自分がまず韓国に行って、コーヒーを通じて会話して確かめてこよう」と思ったという。

そんな彼をさらにインスパイアしたのが、韓国の反日本政府デモでフリーハグを求めて話題になった桑原功一さんだった。西川さんと桑原さんは長年の知り合いだったそうで、彼のアクションを見て「今だから」行く意味がある場所に足が向かったという。

韓国人は日本をどう見ている?

そして2019年10月、韓国でフリーコーヒーを実施するため旅立った。釜山からソウルまで自転車で往復約3週間の滞在だ。「自分を日本人として認識してもらいたい」と、あえて服の袖に国旗をつけたという。

「今の日韓政府同士の関係とは関係なく、人と人の心は通じ合えると信じています。温かな想いを込めたコーヒー、一杯飲んで行かれてください」

韓国語でそう書かれたメッセージボードと「Free Coffee For Peace(平和への無料コーヒー)」という看板とともに、街角でコーヒーを淹れた。

行く前はただ「人が来てくれたらいいな」「コーヒーで笑顔になってくれたらいいな」と思っていたという西川さんだが、実際行くと、「あたたかさに自分が思ってた不安が全て吹き飛ばされた」と語る。

「実際多くの人が来てくれて、たくさんの差し入れや親切を受けました。入った食堂のおじさんに僕の活動を話すと、『飯代はいらない』と言ってくれたり...そんなことがよくありました」

「フリーコーヒーをしている僕のところにわざわざ来て悪いことをいう人は1人もいなかった。『日本人好きだよ』『カルチャー好きだよ』『来てくれてありがとう』と言ってくれる人が多かったです」

同時に、複雑な感情を持った人たちもいたという。

「フリーコーヒーを褒めながらも『私とあなたが話しているのを周りは快く思っていないと思う』と翻訳アプリを介して話してくれた人や、『昔はよく日本に行ってたけど今はね...』と言葉を濁していた人がいたのも事実です」

ソウルの街中でフリーコーヒー中に警官2人に「ここではできない」と注意されたこともあったという。しかし、活動の主旨を伝えてメッセージボードを見せると、頷きながら「分かった」と言って去って行ったという。

「感動しました。彼らには職務の責任があって注意したわけです。でも僕のメッセージを理解して、自分たちで判断して続けさせてくれた。すごくリスペクトします」

心温まる多くの経験の中でも、韓国の人たちが良い意味で「日本という『国』と『人』をしっかり区別している」と感じたという。

「日本という『国』が好きだとは言わない人もいました。国同士がいがみ合っていることと、人やカルチャーをちゃんと分けている。それは素晴らしいことだと思いました」

作られたイメージ、変わる瞬間

そんな西川さんの現地での経験は、韓国に嫌悪感を抱いていた日本の小学生たちにも届いたようだ。西川さんは現地から日本の小学校を結ぶスカイプ授業を実施。生の映像と声で、現地の様子を伝えた。

「韓国に対して汚いイメージっていう子がいたので、カメラで道路を見せたら『めっちゃ綺麗じゃん』って。意地悪そうっていう意見があったので韓国人の宿のオーナーと直接おしゃべりさせたら、食べ物や好きなK-POPアイドルの話題などで盛り上がった。最後は生徒から宿オーナーに『友達になってくれますか?』という言葉まで出てきて、クラス中が大喝采。彼らはもう韓国好きになってる。イメージって、こんなにシンプルなんです」

そんな経験を経て10月末に帰国した西川さんは、国内でその体験を講演や授業で伝えた後、また新たな旅に出た。

韓国に続き、「今だから行く意味がある場所」に惹かれた彼が向かったのは、デモで混乱が続く香港だ。

「デモで疲れた香港の人々を癒したい」という思いで、12月に約1週間のフリーコーヒーを実施した西川さんは現地メディアにも取り上げられ、日々行列ができるほどだったそうだ。人だかりが大きくなり警察官も来たが、活動の意図を理解すると、身元確認をし、「あなたのコーヒーを待っている人がいる。ぜひ続けてください」と話したという。

香港では「怒りや暴力より、自分の大好きな街の状況や大切な人が逮捕されたりした悲しみ。そして自分の今の行動が未来につながるはずだ、という、純粋な希望を感じた」と話す。

1杯のコーヒーが創り出す「心の余白」

「コーヒーは飲むのも淹れるのも好き」と話す西川さんが、日本から始めたフリーコーヒー旅。日本社会のコミュニケーション不足への懸念と、お金ではなく思いの「お返し」で生計を立てられるかを検証する旅だったという。

今や韓国、香港と国境を越えてフリーコーヒーをふるまう彼は、「僕のコーヒーでみんなの心に余白を創りたい。笑顔にしたい。その方法が僕にとってはコーヒー」と語る。

今回の旅でも、「あなたのコーヒーは1杯だったけど、私に大きな幸せを運んでくれた」など、心に響く暖かい言葉をもらったという。

2020年はどこでどんな人たちに「心の余白」を創るのだろうか気になるところだが、「自由に動きたいので、この先の予定は決めていない」と、なんとも旅人らしい答えが返ってきた。

もしかしたら、あなたの近くの街角でコーヒーをふるまっているかもしれない。

レイム
こちらの記事でも「韓国でフリーコーヒーをふるまう旅」をした人物の事が書かれており、周囲やメディアやネットなどからの影響で韓国に悪印象を持っている人達もいるが、実際に交流をすればそうした「政治的に作られたイメージ」は消え友好して行けると書かれているわ。


マリサ
これも別におかしなことを書いているようには見えないが、何が問題なんだよ。


レイム
その前に、今回紹介した記事には「政治と文化は別」という意見以外に、共通した二つのポイントがあったわね、一つは「政治対立はどっちもどっち」という意見と「相手をちゃんと知れば打ち解けられる」という意見ね。


マリサ
そろそろこれの問題点を教えてくれよ。


大きな問題点


レイム
じゃあ次にこちらの記事を見てほしいのだけど

韓流ファンの日本人大学生たち 「ただ文化消費せず歴史と向き合って」
聯合ニュース 2021.07.25
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20210725000500882

【東京聯合ニュース】韓流ファンという日本の大学生たちが、韓国と日本の歴史問題を正面から取り上げる本「『日韓』のモヤモヤと大学生のわたし」を出版した。

 一橋大の学部生と大学院生5人は同大社会学部の加藤圭木准教授のゼミ参加をきっかけに、日本の朝鮮半島植民地支配や旧日本軍の慰安婦、徴用など歴史問題を取り扱う本を出した。

 著者たちは自身の経験を交えた本で、歴史をただの過去ではなく、現在の人権問題として考えている。

 聯合ニュースは5人の著者のうち、熊野巧英さん(4年)と朝倉希実加さん(4年)、牛木未来さん(修士1年)、李相真さん(修士1年)と懇談会を開き、話を聞いた。以下は4人との一問一答。

――どのような趣旨で書いたのか。

「(熊野)韓国文化が好きな人に日本と朝鮮半島の歴史を伝えたいという趣旨で書いた。今K―POPが流行っているが、歴史のことはあまり話さない。K―POPファンや韓国ドラマが好きな人にこそ、歴史的事実を伝えたかった」

――この本を書いたきっかけは。

「(牛木)去年ゼミで自分たちも含めた歴史認識の問題を考えるようになった。植民地時代の日本人の朝鮮認識に関する本を読み、現代と同じだという話をした。文化のみを消費して自分の加害性に向き合わないことの問題性をどうやったら分かりやすく伝えられるかと話し合った結果が本の出版だった」

「(熊野)自分の場合はK―POPがきっかけで韓国、朝鮮半島に興味を持ち始めたが 、韓国文化が流行っているのに歴史のことを言わない事にモヤモヤした。それこそ『愛の不時着』が流行っているが(朝鮮半島の)分断の話をしない。その中で、大学生、若者視点で入門書を作るのもいいのではないかという話が出た」

――普段から日本と韓国の関係に疑問を持っていたか。

「(朝倉)高校の時日本史を選択していて、好きな科目だった。当時、テレビのニュースでは日韓関係の悪化ということが報道されていた時期だった。何で関係が悪化しているのか、ということについて日本史の授業だけではよく分からない状況にいた。加藤圭木先生の授業を受け、勉強してから報道を見ると偏っていると思うようになった。しかし、高校の授業だけを聞いていても分からない。最近、慰安婦や徴用工の裁判があったが、テレビのコメンテーターのコメントを見ていると植民地主義的だと感じる」

「(熊野)若い人たちが韓国文化を通して韓国に対する印象が良くなっていけば歴史の問題は解決するという話を聞く機会があったが、やはりそれは違うと思った。やはりみな歴史に向き合うべきではないかということがゼミに入るときや入門書を書くときの関心事だった」

――どういった人にこの本を読んでほしいか。

「(熊野)韓国の文化が好きな人、K―POPや韓国ドラマが好きな人に読んでほしい。文化だけでなく歴史をみてほしい」

「(李)韓国では日本は嫌韓だという認識が広がっていると思う。だがその一方で、こういうふうに悩んでいて、語ろうとしている人たちがいるということを韓国人に伝えたいという思いがある」

――予約開始からツイッターで大きな反響を呼んだ。それまでアマゾンの「朝鮮半島のエリアスタディ」部門では歴史修正主義者らの著作が上位を占めていたが、5月31日に1位となり、現在もトップ10に入っている。

「(牛木)びっくりした。ツイッターでBTS(防弾少年団)のファンが『これずっと疑問に思っていたけど、なかなか言い出せなかった』とツイートしているのを見て、言葉にすることは大事だと思った」

「(熊野)若い世代を意識して作ったのだが、想定していなかった世代からも反応が大きかった。そういう人たちも同じようにモヤモヤをずっと抱えて生きてきたのだと思う」

――現在、韓日関係は厳しい状況にある。慰安婦や徴用問題では歴史修正主義者らの主張が社会にまん延している。「平和の少女像」を展示する表現の不自由展にも執拗な妨害行為が行われている。

「(熊野)戦後最悪の日韓関係だと言われるが、根本的に日本人の歴史認識の悪化があると思う。戦後最悪なのは、日本人の歴史認識だ」

――その一方で、K―POPアーティストが人気を博し、報道される韓日関係とズレが生じているようにも思えるが、このような現象をどのように考えるか。

「(朝倉)K―POP好きな自分と日韓関係は関係なく、政治と文化は別だと考えてしまっている人が多いから、日韓関係は悪化しているけどK―POP好きは増えるという状況が起きてしまったと思う」

「(熊野)もちろんK―POPが悪いという話ではない。文化を楽しみながらもただ消費するだけでなく、歴史に向き合うということは両立できる。それを目指していきたい」

――韓国に向けて伝えたいメッセージはあるか。

「(李)個人的には韓国の歴史認識は『韓国史』に限られていると思っている。本書ではそれを超えて『朝鮮半島の歴史』を書いている。韓国社会の中でも韓国と日本だけでなく、朝鮮半島と日本という問題について考えてほしい。在日朝鮮人のことについて読んでみてほしい。韓国では在日朝鮮人について自分の問題、韓国の問題としてとらえていない」

レイム
記事では「若い人たちが韓国文化を通して韓国に対する印象が良くなっていけば歴史の問題は解決するという話を聞く機会があったが、やはりそれは違うと思った。やはりみな歴史に向き合うべきではないか」と考える日本の韓流ファンの大学生の事が書かれていて。


レイム
「韓国の文化が好きな人、K―POPや韓国ドラマが好きな人に読んでほしい。文化だけでなく歴史をみてほしい」「戦後最悪の日韓関係だと言われるが、根本的に日本人の歴史認識の悪化があると思う。戦後最悪なのは、日本人の歴史認識だ」という事が書かれているわね。


マリサ
あれ?ちょっと待て。
韓国の歴史観って、たとえば慰安婦なら「軍や国の命令で軍人や官憲が組織的に行った拉致」というもので、徴用工問題ならあの裁判は「日韓併合は違法」という前提になっていて、過去動画でも説明しているが、どっちも「ありえない前提」なんだよな。


レイム
詳しく知りたい人は動画説明欄に関連動画を貼っておくので、そっちを見てほしいのだけど、この慰安婦の定義が成り立たない事は中央大学の吉見教授や朝日新聞も認めているし、日韓併合に関しては2001年に学術的にも法的にも「当時としては合法」という結論が出ているわ。


マリサ
ちょっとまて、まさか日韓友好を訴える人たちの言う「韓国の言い分を知ろう」とか「どっちもどっち」って話って…。


レイム
そう、韓国側の主張は過去動画で指摘した問題点に一切答えられないのに、日本側の主張と韓国側の主張を「同等に扱って」いるのよ。
この辺りも後で詳しく話すけどね。
そして次の事例では

「韓国人は日本人が大嫌い」と信じる人の勘違い
東洋経済 2021/07/26
https://toyokeizai.net/articles/-/440500

東京在住38歳韓国人と話してわかった日韓の今

昨年知り合いになった韓国人のパク・チャンホ(仮名)さんと、先日、初めてゆっくりお話しをしました。

パクさんは38歳で、東京都に住んでいます。韓国で生まれ、国内の大学を卒業後、韓国の中堅メーカーに就職しました。退職して、6年前に来日し、現在は東京のエンジニアリング会社に勤務しています。韓国では良い転職先が見つからず、思い切って日本に来たということです。

パクさんとお話しして韓国の現状はどうなっているのか、韓国人が日本・日本人をどう見ているかなど、いろいろな気づきがありました。今回は、パクさんとの対話の中から印象に残ったことを紹介しましょう(あくまでパクさんという日本に住む日本びいきの韓国人の個人的な見解であることには留意してください)。
「サムソン」の存在はあまりにも大きい

まず、お互いの経歴を話しました。私が日本石油(現・ENEOS)を辞めてコンサルティング事務所を開業したと伝えると、パクさんから「日沖さんはもっと分別のある人だと思っていたので意外です」と言われました。

パクさんによると、韓国人にとってサムソンに就職できるかどうかがすべてで、サムソンに入社したら自ら辞めることはありません。サムソンの入社試験の倍率は数百倍で、サムソンに特化した就職予備校があるそうです。もちろんENEOSはサムソンほど優れた企業ではありませんが、大企業社員の座を自ら手放すのは、「アホなやっちゃ」となります。

私のことはともかく、いま東大生には大企業よりも外資コンサルティング会社のほうが人気あります。商社なども就職人気ランキングで上位を保っています。サムソン社員に非ずんば人に非ずで、サムソンに就職することが「唯一の正しい生き方」となっている韓国と比べて、日本のほうが働く人の価値観は多様性がありそうです。

韓国では、少子化がどんどん進行し、2020年の合計特殊出生率は0.84(日本は1.34)。この状況についてパクさんは「原因ははっきりしています。直接の原因は教育費と住宅費の高さ。さらにその原因は、やはりサムソンです」と明言しました。

パクさんによると、サムソンに入社するにはソウル大学延世大学に入学する必要があり、小学校の頃から塾通いをしなければなりません。ソウルでは小学生の7割以上が塾通いをし、中学生なら週6日通うのが普通です。サムソンなど主要企業もソウル大学延世大学もソウル市や近郊にあるので、ソウルの住宅価格は高騰し続けています。ソウルで住居を取得し、子供を産み、育てるのは至難の業になっています。

https://toyokeizai.net/articles/-/440500?page=2

日本でも東京一極集中が指摘されて久しいですが、京都大学京都府に、トヨタが愛知県にあるように、そこまで東京オンリーではありません。パクさんは、「私も3年間ソウル近郊に住んだことがありますが、いまの東京の暮らしのほうがいろいろな面ではるかに快適です。ソウルに戻るのはちょっとお断りですね」と言いました。

ただし、ジェンダーに関しては韓国のほうが進んでいて、「女性にとっては、韓国のほうが暮らしやすいかもしれませんね」とのことでした。儒教の影響で年長の男性が尊重されるというイメージが強い韓国ですが、いまどき男尊女卑の男性は絶対に結婚できません。深刻な結婚事情を反映して、韓国の家庭では女性の発言権がどんどん強まっています。

朴槿恵大統領が誕生したことを挙げて、私が「政治の世界でも、韓国のほうが女性の活躍が進んでいますね」というと、パクさんは「まあ日本との比較ではそうなるんでしょうけど、欧米諸国と比べると目くそ鼻くそ(パクさんは日本語が流暢)です」と答えました。
韓国人は日本人をどう見ているか?

続いて、「韓国人は日本人をどう見ているのか」というちょっと微妙なことをパクさんに聞いてみました。

まず、日本人と韓国人の似ているところ。「世間体や面子、他者からの評価を重んじるところは、かなり似ているのではないでしょうか」という見解でした。日本人が世間体や面子を気にするのはたしかにその通りですが、韓国人も負けず劣らずということのようです。

「韓国人は、進学でも就職でも、何を勉強したいか、どういう仕事をしたいかよりも、まわりの人にどう思われるかを気にします。韓国人は主要国で最も自殺者が多いわけですが、経済的な理由は少なく、友達から悪口を言われた、名誉・プライドを傷つけられた、といった理由であっさり自殺しますね」

逆に、日本人と韓国人で違っているところ。「韓国人は正しい・間違い、好き・嫌い、敵・見方と、ものごとを2つに割り切ろうとします。それに対し日本人は、どちらでもない、という曖昧な部分を常に残そうとする印象です」

その例としてパクさんは、大統領・首相への政権支持率を挙げました。「朴槿恵前大統領は、汚職によって国民の信任を失い、政権末期には支持率がなんと4%になりました。一方、安倍前首相や菅首相はあれだけスキャンダルや失政だらけでもかなりの支持率を維持しています。韓国だったら、一度ダメという評価になったら、再起不能になるまでとことん叩きのめされます」

https://toyokeizai.net/articles/-/440500?page=3


私が「韓国人は熱しやすく冷めやすいのでは?」と聞くと、パクさんは「そうかもしれませんね。でも、忘れっぽいっていうことだと、日本人も同じじゃないですか。戦前の韓国統治のこととか、すっかり忘れてますからね」と言ってかすかに笑いました。
「そんなに日本人が嫌いではないですよ」

それを受けて私が「やっぱり韓国人は、日本人のことを憎んでいるんですか?」と聞くと、「人によるし、世代によりますね。でも、中国人よりも日本人のほうが好きという人が多く、そんなに日本人が嫌いではないですよ」という答えでした。

「戦前の日本の統治や戦後の朝鮮動乱を経験している70代以上の世代は、日本人に強い敵愾心を持っています。彼らに育てられた今の40代から60代は、日本人のことを好きではありませんが、敵意までは持っていません。私のように30代より下の世代は、ほとんど気にしていないのですが、人から尋ねられたら『嫌い』と言わないとちょっとまずいかな、という雰囲気は残っています」

また、ビジネスの競争相手としても日本人を強く意識しているようです。

「大半の韓国人にとって、日本人は色んな点で最も気になる存在ですね。中国人よりもアメリカ人よりも。ビジネスでは日本を最大の競争相手と考えていますし、日本の文化には強く憧れています。日本・日本人への関心は高く、私も韓国に住む知人から日本での就職や日本人との結婚についてしょっちゅう人生相談を受けています」

最後に、今回パクさんとお話しした中で最も印象に残ったコメント。

「日本人はネトウヨみたいな韓国人ヘイトの人ばかりかと思って怖かったですが、来てみたら日常ではまったくそんなことはない。一方、韓国でも日本人に敵意剥き出しって人を探すのはたいへんなくらいです。外交のニュースやネット掲示板などを見ると、日本と韓国は今にも国交断絶しそうな勢いですが、あれってなんなんでしょうかね」

日本と韓国は、歴史的に深いつながりのある隣国で、自由主義陣営の同盟国です。好きでも嫌いでも、国際情勢が変わっても、今後も切っても切れない関係であり続けることでしょう。日韓には歴史問題などさまざまな難題があり、良い関係を築くのは容易ではありませんが、少なくとも国民のレベルではお互いを知り合い、仲良く付き合いたいものです。


レイム
過去動画でも紹介した事例だけど、日韓友好を訴える韓国人が「日本人も同じじゃないですか。戦前の韓国統治のこととか、すっかり忘れてますからね」と書いていて、これはさっきの事例以外でも過去動画の「韓国のタブー」とか「日韓問題は歴史問題ではない」の事例を話したとして、彼らがこれに「真っ当な返答」ができるかといえばまず無理よ。


レイム
まあそもそも、この記事の「韓国人は日本人を嫌っているのか?、実は違う」という前提自体がミスリードだけどね。
韓国側は「日本人の間違った歴史観を正している」という認識で、それが問題を引き起こしているのだし。


レイム
何より、五輪の選手団がこんなことをしていて、それが社会的に受け入れられている時点で、「話し合えばどうにかなる」なんて状況ではないしね。


マリサ
韓国側の歴史観はそもそも客観性が無いから受け入れようがないしな。


レイム
そういう事。
記事では「少なくとも国民のレベルではお互いを知り合い、仲良く付き合いたいものです」とか書いているけど、日本側が客観的事実の提示を行っても韓国側は一切受け入れられないから、そもそも「相手を知れば仲良くできる」という前提が成り立たないのよ。


マリサ
じゃあこういう人たちが言う、「お互いを知れば仲良くできる」って何なんだよ。


レイム
「一切疑問を持たず深く考えず、韓国側の言い分を無条件に受け入れれば仲良くできる」って事よ。


マリサ
うーむ、なんか日韓友好の前提がディストピアみたいだ。


レイム
たとえば他にも、一連の輸出優遇解除の件、韓国側では「不当な輸出規制」という事に名ているけど、実態は「韓国の輸出入管理が杜撰」だったことが原因と、過去動画で説明したわよね。


マリサ
たしか、韓国側はその後「問題点を改善するから戻せ」と言ってきたのに、それでも「歴史問題の報復だ」と強弁している状態なんだよな。


レイム
そう。
そしてその韓国側の主張に一切疑問を持たず、しかも次の事例みたいに

昨年の酒類輸入が10年ぶり減少 日本製品不買運動影響=韓国
聯合ニュース 2020.11.16
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20201116000500882

【ソウル聯合ニュース】韓国の昨年の酒類輸入が10年ぶりに減少したことが、16日分かった。韓国国税庁酒類業界によると、昨年の輸入酒類の出荷量は計46万6000キロリットルで前年比6.0%減少した。輸入酒類の出荷量が減少したのは、リーマン・ショック直後の2009年以来10年ぶり。

 輸入酒類市場はこれまで、最も大きな割合を占めるビールを中心に成長を続けてきた。

 輸入酒類の出荷量は、09年の11万4000キロリットルから18年には49万5000キロリットルへと336.6%増加。同期間の輸入ビールの出荷量は、4万1000キロリットルから39万キロリットルへと853.1%増加した。

 輸入ビールは種類が豊富で、原産国との自由貿易協定(FTA)締結により関税率が下がり、価格競争力が高まった。一部の輸入ビールはコンビニエンスストアなどで4~5缶が1万ウォン(約940円)で売られている。

 だが、昨年は輸入ビールの成長の勢いにブレーキがかかり、輸入酒類全体の出荷量も減少に転じた。昨年の輸入ビールの出荷量は35万6000キロリットルで、前年比8.7%減少した。

 日本が昨年7月に韓国に対する輸出規制に踏み切ったことで、韓国では日本製品不買運動が起こり、人気が高かった日本のビールもそっぽを向かれた。

 不買運動の前にはアサヒ、キリン、サッポロなど日本のビールが売り上げ上位に入っていたが、現在は青島、ハイネケン、ヒューガルテンなど中国や欧州のビールにその座を奪われた。

 酒類業界の関係者は「昨年にビール全体の輸入が減少したのは、日本ビールの不買運動の影響とみざるを得ない」とし、「売り上げ上位を占めていた日本のビールが圏外に押し出された」と説明した。

 輸入酒類のうちビールの次に割合が高いウイスキーは、昨年も減少傾向が続いた。昨年の輸入ウイスキーの出荷量は1万2000キロリットルで、前年比15.6%減少した。10年から9年連続の減少。

 16年の不正請託禁止法、18年の週52時間勤務制の施行などで遊興店(接待を伴う飲食店)での需要が減少し、夜の会食やアルコール度数の高い酒を控える雰囲気が広がったことでウイスキー業界は打撃を受けた。


レイム
全く関係ない日本のビールメーカーが不買運動の被害を受けても、その件への批判は「政治と文化は別」とか「どっちもどっち」といって韓国側の言い分を受け入れないといけないのよ。


マリサ
「いや、韓国側が分離できてなくね?」と突っ込みを入れちゃいけないのか?



レイム
そういう事を深く考えず、「一部の人達がやっている事」で思考を停止させるのが、日韓友好をするうえでの必須条件みたいね。


都合の悪い事は無視


レイム
でね、さっきの韓国人の「日本人も同じじゃないですか。戦前の韓国統治のこととか、すっかり忘れてますからね」という部分には、この韓国人の意図とは異なるけど一つ重要なことがあってね。


マリサ
なんだ?


レイム
日韓友好を訴える人たちが、「韓国側の言い分」にフィルターをかけて、都合の悪い部分を隠して日本人に伝えるから、韓国人が日本人と話をすると、双方の想定する話と齟齬が起きて噛み合わず、こういう事が起きるのよ。


マリサ
ああ、そういう事か。
慰安婦問題とかわかりやすいよな、韓国側の慰安婦の定義とか徹底的に伏せるし。


レイム
つまり、日韓友好というのは、「友好するうえで都合の悪い事は徹底的に隠蔽し、かつそのうえで深く考えず無条件に韓国側の意見に同意する」これが条件なのよ。


マリサ
それは友好と呼べるのか?


レイム
更に例えばこちらの記事みたいに

「どのように旭日旗が堂々と」...ネットフリックス'鬼滅の刃'メイン画面論議
トップスターニュース(韓国語) 2021.02.27
https://www.dispatch.co.kr/2131454

グローバル オンライン動画サービス、ネットフリックスは旭日旗が見えるイメージをメイン画面に露出して視聴者たちの非難をかっている。

27日、様々なオンライン コミュニティに「ネットフリックスのメインにどかんと登場した旭日旗」というタイトルの文が多数登場した。該当写真は日本の人気アニメ「鬼滅の刃」ページの代表イメージ。

文を載せたネチズンは「数多くのイメージの中で何故、旭日旗の入ったイヤリングをした場面をメイン イメージに使ったのか、理由が分からない」としながら「いったい我が国を何だと見ているのか?」等の反応を見せた。

さらに、このイヤリングは多くの国で問題が指摘され、本映像では一般的な日本国旗の形に修正された状態。それにもかかわらずネットフリックスのメイン画面に修正前のイメージが登場したことが不快だ、という意見だ。

これに接したネチズンは「ワッチャ、ウェーブみなあの写真ではなかったが、ネットフリックスだけがこんなだ」「あんな右翼マンガ消費するのも問題だ」「韓国で商いながら旭日旗だなんて..」「鳥肌が立つ」等の反応を見せた。

旭日旗は日本がアジア侵略戦争に使った日本軍の旗で、日本の侵略にあった韓国と中国、東南アジアなどの国家には歴史的傷と苦痛を想起させる象徴物と見なされる。そのため、世界の多くの国および国際サッカー連盟(FIFA)でも使用を禁止している。

一方「鬼滅の刃」は右翼論議に包まれて批判を買うこともある。


レイム
韓国で「鬼滅の刃」に「旭日旗の入ったイヤリングが出てきた」といってクレームが来て、ネットフリックスが映像を差し替えたって事例があって、その理由を「旭日旗は日本がアジア侵略戦争に使った日本軍の旗で、日本の侵略にあった韓国と中国、東南アジアなどの国家には歴史的傷と苦痛を想起させる象徴物と見なされる」としているのよね。


レイム
そのうえで、日本では「韓国の若い人には鬼滅の刃任天堂どうぶつの森のファンが多いから、そういう人は「政治対立と関係なく友好出来る」みたいな論調があるけど、実際は鬼滅の刃の韓国人ファンが過去動画の「韓国の旭日旗問題」で紹介したような矛盾を指摘されてちゃんと議論ができるかといえばまずできないのよ。


マリサ
ということは、「旭日旗は戦犯旗で韓国人には見せてはいけないもの」という、時系列上整合性の取れない話を無条件に受け入れるか、「見なかったこと」にしないと友好は不可能ってことか。


レイム
そういう事。
他にも

「揺るぎない日韓友好を」 雨森芳洲に学んだ外交理念
西日本新聞 2020/12/16
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/673741/

【ひと】駐福岡韓国総領事に就任した李熙燮(イ・ヒソプ)さん

 新型コロナウイルス対策のための着任後2週間の隔離が明けて間もない今月初め、長崎県壱岐を訪れた。総領事館が募集した福岡市民たち約20人と一緒に、朝鮮通信使の遺跡など韓国との歴史的なつながりを訪ね歩いた。

 旅を通じて心に刻んだのは、当時の対馬藩で朝鮮国との外交・貿易に尽力した雨森芳洲(あめのもりほうしゅう)が説いた「誠信交隣」の外交理念。「交流精神で偏見と誤解を解き、政治に左右されない交流を通じて成熟した市民意識をつくり出す。この心こそ、今の韓日関係にも重要だ」。総領事としての職責の重さを実感した。

 近年厳しい状況にある日韓関係。新型コロナの影響で両国間の往来もほぼ途絶する中での着任となった。しかし悲観はしていない。「55年前の国交正常化後も韓日関係は山あり谷ありだったが、飛躍的に発展した。1500年以上の交流の中で関係が悪いのは一時期のこと」と強調する。

 目指すのは「草の根民間交流に基づいた揺るぎない友好関係の構築」。そのためには「地方」「民間」が重要と考える。「九州は日本で最初に日韓親善協会が設立された地。日本のどの地域よりも韓国とのつながりが強い」。政治的な関係改善を促す民間の後押しに大きな期待を寄せる。

 30年を超す外交官人生で海外5カ国に勤務したが、うち計10年近くは日本。「妻は日本で暮らす中で、近所の人から日本語を学んだ。日常会話は私よりうまい」と笑う。趣味の旅行を兼ねて九州各地を訪問するつもりだ。子ども2人は社会人となりソウル在住。福岡市内で金信子(キム・シンジャ)夫人と暮らす。58歳。


レイム
駐福岡韓国領事が西日本新聞のインタビューに答えて「交流精神で偏見と誤解を解き、政治に左右されない交流を通じて成熟した市民意識をつくり出す。この心こそ、今の韓日関係にも重要だ」と答えているけど、結局は「都合の悪い事は見ないで韓国の言い分を受け入れるべき」と言っているだけなのよね。


マリサ
つまりあれか「「交流精神で偏見と誤解を解き、政治に左右されない交流」ってのは、日本側が引けば友好出来るってだけの事か。


レイム
そういう事。
そもそも韓国側って、これまでこの動画シリーズで紹介してきたような矛盾点にまともに反論できたことが一度もなくて、対等に議論しても敗北は確定なのよ。


レイム
だから、都合が悪くなると「政治と文化は別」とか言いだしたり、「どっちもどっち」とか言いだして強引に相対化してお茶を濁したりして、「都合の悪い部分」をなかったことにするしか手段がないわけ。


マリサ
なるほどな。

今回のまとめ

・「政治と文化は別」や「相手を知ろう」という意見が日韓友好を訴える人々の定番フレーズ。
・実態は「韓国側の歴史観や政治主張」を受け入れる事が要求される
・友好に都合の悪い部分は「見なかったこと」にすることが友好の秘訣



レイム
そしてこうした論調の最大の問題点は、日韓双方の主張を強引に相対化していることなのね。


マリサ
というと?


レイム
たとえば日韓併合は当時としては合法で、これは「日本側の意見」ではなく「客観的な国際法上の結論」でしょ?
では韓国側でこれに対応する主張ってどんなものがある?


マリサ
ああそうか、本来第三者視点での「国際法」で語っている事を、あたかも「日本側の意見」でしかないように印象操作することで、「韓国側の意見」と対等な関係にあるかのように見せかけていると。


レイム
今回の動画で紹介した「日本側だけでなく韓国側の意見も知るべき」という論調は、全てこの論点のすり替えによる印象操作、いわゆる「燻製ニシンの虚偽」と呼ばれる詭弁論法なのよ。


マリサ
つまり、単なる意見と客観的事実を混同し、あたかも双方が同等の意見で対立しているかのようにみせかけていると。


レイム
そういう事。
だからこそ、具体的な意見での対立になりそうになると、「どっちもどっち」とか「政治と文化は別」と言って論点をすり替えることで、自分達の意見が「客観的事実」で否定されるのを回避するわけ。


マリサ
なるほどな。
こう考えると、日韓の関係って日韓友好を訴える人が余計に悪化させているともいえないか?


レイム
その通りなのよ。
本来本気で問題を解決したいならちゃんと話さないといけない事を、日韓友好を訴える人ほど無視するから、余計に日韓の関係が歪んでいびつになって行くのよ。


マリサ
ある意味で、日韓の友好を訴える人が日韓関係悪化を煽っているって事か。


レイム
そういう事。
そんなわけで今回の本編はここで終わるわ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~


大口
ところで、この前マリサが言ってた「南極のニンゲン」について、詳しく知りたいって人が結構いたんだけど。


レイム
ああ、あれね。
単なるネット都市伝説でしょ?


マリサ
南極の「ニンゲン」、北極の「ヒトガタ」は有名なんだぜ。


大口
あれは元々2ちゃんねる発の都市伝説で、2002年頃に書かれた「日本の調査捕鯨船の乗組員が南極で奇妙な”クジラ”を発見した」というストーリーで、クジラのように見えるが上半身に人の頭と腕のようなものがついている、いわゆる未確認生物系の話ね。


レイム
たしか、そこから色々と設定が追加されて、「存在を認めると調査捕鯨に支障が出るので隠蔽されている」とか、北極にも類似の生き物が発見されていて、それは「ヒトガタ」と呼ばれているとか、どんどん話が膨らんでいったのよね。


マリサ
南極のニンゲンは間違いなくいるぜ!私が行って捕まえるんだぜ!


大口
マリサ、南極旅行って10日前後で75万から100万円、14日以上だと150から300万円くらいかかるそうだよ。


マリサ
カ、カリコテリウムのカリちゃんがばんえい競馬で優勝すればなんとか…。


レイム
まず出場自体が無理だから諦めなさい。


レイム
そんなわけで今回はここで終わるわ。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~



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韓国人の易地思之論法


さて、本日は過去何度か言及したことのある易地思之に関係した内容を扱っていきます。

関連記事
戦後70年談話と韓国人の易地思之という概念
はてなブログ
https://oogchib.hateblo.jp/entry/ar853198


お知らせ
2021年10月からは以下のはてなブログへお引越しします。
日韓問題(初心者向け)
https://oogchib.hateblo.jp/


初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由
はてなブロブ
https://oogchib.hateblo.jp/entry/ar892003


注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


韓国関連ではメディアなどで、韓国への譲歩を促す記事が見られ「法的な原則よりも韓国人の感情をまず考えるべき」といった論調で、日本の論理を韓国に押し付けるのをやめよという意見が度々出てくる。


この内容自体はいうまでもなく国際常識から逸脱した意見であり、当然受け入れることはできないが、こうした強引な譲歩論が出てくる背景には、韓国社会において日常的に理屈よりも感情が勝る主張が数多くされており、この慣習が根底にあり、それをそのまま伝えているだけであることがわかる。


そしてこの韓国側の慣習とは、どんなに自身に非があってもそれを認めず、「自分はこんなに〇〇なのだから受け入れてほしい」という、いわゆる「易地思之」論法で情に訴える手法であるうえに、受け入れてそれで解決するのではなく、受け入れると問題がよりエスカレートしていくという結果を招く場合が多い。


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。

1:韓国擁護者の定番論調


まずはこちらの記事から

韓国人と日本人は“こんなに違う”けど“こんなに似た者同士”だった
Business Jurnal 2020.02.10
https://biz-journal.jp/2020/02/post_140055.html

 昨年12月、安倍晋三首相と文在寅大統領による日韓首脳会談が1年3カ月ぶりに開かれたが、元徴用工や従軍慰安婦をめぐる問題は、いまだ解決の道筋が見えていない。一方で、民間では反日嫌韓を超えて活発な交流が行われており、昨年9月には11回目を数えた「日韓交流おまつり」が開催された。

 その日韓交流おまつり事務局長を務める権鎔大(ゴン・ヨンデ)氏は『あなたは本当に「韓国」を知ってる!?』(駿河台出版社)の著者で、日韓双方の事情に詳しい人物だ。長引く日韓対立や韓国社会の実情について、権氏に話を聞いた。

日本の「割る」文化と韓国の「混ぜる」文化

――『あなたは本当に「韓国」を知ってる!?』では、韓国人と日本人の違いが詳細に描かれています。

権鎔大氏(以下、権) 韓国人と日本人は一見すごく似ています。そのため、自分の感覚で相手に接しますが、期待する対応が返ってこないと不信感を抱き、失望してしまいます。まずは、双方の違う点について理解し合うことが重要です。

 たとえば、韓流ドラマは日本よりも情緒的で家族的です。そこが日本社会に受け入れられ、韓流ブームを生み出しました。しかし、言い換えれば韓国人は情に流されやすいという性質があるわけです。

 また、日本は湿気が多い国なので人々はより清潔に努め、それが「割る」ことにつながります。「割る」=「正確」に物事を対処する習慣ができたといえます。消費税を8%、10%に分け、本体価格と税を分けて表示するのも「割る」文化です。

 韓国の場合、消費税は10%一律で本体価格に含まれています。これは、韓国が「混ぜる」文化だからです。「ビビンバ」のように、混ぜると個々の味はわかりませんが、それぞれに混じり合い化学反応が起き、集中力が高まります。

 その例がスポーツに表れています。野球、マラソンフィギュアスケートにしても、その競技人口は日本が圧倒的です。高校野球部数は日本が韓国の約100倍、駅伝は韓国にはありません。それでも、オリンピックなどの国際大会で韓国が日本と互角に闘っているのは、割らずに「混ぜる」ことによる集中力があるからだと思われます。

――アシアナ航空では日本地域本部長・中国本部長を務め、日本人、韓国人、中国人の社員たちと一緒に働いた経験もありますね。

権 日本人は手堅く指示通りに働く一方で、韓国人は指示通りではないですが、いざというときに集中力を高めて実行する能力が高い。そのあたりでも、感覚のずれがあることは否めません。

 昨今の元徴用工や慰安婦問題に対して、日本人は「韓国は約束を守らない」と指摘し、韓国人は「日本はあまりにも情がなさすぎるのではないか」と、議論は平行線をたどっています。お互いの主張を押し付けあっているから、うまくいかないのかもしれません。お互いの違いを理解することから始めるのが肝要であり、今の対立は、日韓がより親しくなるチャンスになる可能性も秘めているのです。

https://biz-journal.jp/2020/02/post_140055_2.html

検事、記者、税務署員の誰が食事代を払ったか?

――日韓対立を鎮めるために、日本からはどのようなアプローチをすればいいのでしょうか。

権 安倍政権は「国際法では解決済み」の一本槍で、韓国人の心情をくんでいるとはいえません。元徴用工や慰安婦の問題を本気で解決するのであれば、それらの人々の気持ちをくんだ対応を取ることが大事です。そうすれば、韓国側も「我々の心情をわかってくれた」と軟化するかもしれません。

 私は、「韓国人の心情や立場は理解できるが、国際法上の約束を破るのは恥ずかしいことだから、韓国側で解決しなさい」と伝えています。いくら主張しても、日本とは論理が異なるわけですから。韓国人の研究者らが執筆した『反日種族主義 日韓危機の根源』は韓国でベストセラーになり、日本でも発売されています。一昔前の韓国では考えられない現象ですが、韓国も成熟した社会に変わりつつあるということです。

――昨年、韓国では曺国前法相のスキャンダルが文政権を揺るがしました。結局、曺法相は辞任し、文大統領の検察改革は失敗したとの見方が広がっています。

権 これは、韓国の権力構造が大きくかかわってくる話です。韓国で流行したなぞなぞがあります。検事、新聞記者、税務署員の3人がレストランで食事をした後、誰が食事代を払ったか? というものです。検事は法の番人で、新聞記者は権力の濫用を監視する役割で、税務署員は脱税に目を光らせている……日本であれば割り勘になるのでしょうが、実はレストランの主人が払ったというのが答えです。

 この3者に恩を売っておけば何かのときにお目こぼしがあるので、先行投資をしたというわけです。これは、3者がそれぞれ権力を持ち、プライドが高いことを皮肉った小話です。

 実際、韓国人はすごくしたたかな面があり、絶対的な権力者に対しては従う一方で、不義があればひっくり返すこともします。それは、曺前法相の件や朴槿恵前大統領の失脚を見れば明らかです。韓国では憲法の上に「国民情緒法」と「ゴネ得法」の2つの概念があるといわれます。前者は国民世論によって政治や司法の判断が揺れることで、後者は法的には無理でもゴネればなんとかなるという意味です。

――韓国人は日本人よりも政治への関心が高いですね。

権 韓国ではタクシー運転手が影のオピニオンリーダーといわれていて、実際に彼らを抱き込むような政党もあります。また、最近の韓国で流行している言葉に「うちの女房は政治評論家になったよ」というものがありますが、朴前大統領を失脚させた「ろうそく革命」も女性たちの怒りが出発点でした。保守もリベラルも、デモの先頭には乳母車を転がす女性たちがいることが多いです。韓国の女性たちは美容院で政治談義に花を咲かせていることも多く、時に政権を揺るがすほどの力を持っています。

https://biz-journal.jp/2020/02/post_140055_3.html

韓国女性が巻き起こす「スカートの風」とは

――日韓のカップルについてはいかがでしょうか。統計上は、日本人の男性と韓国人の女性で夫婦になるケースが多いようです。

権 その場合、主導権は妻側にあるでしょうね。朝鮮王朝時代に女性は7つの足かせをつけられたとされており、そのひとつが嫉妬です。それほど、韓国の女性は独占欲が強いのです。

 また、以前の韓国は激しいインフレで住宅価格が高騰していたのですが、お金を銀行に預けるより住宅投資に回す女性も多くいました。夫の給料をシードマネーにして、土地転がしならぬ家転がしで財産を生んでいたのです。そうした動きは「スカートの風」と呼ばれました。スカートを穿いた韓国の女性たち5人くらいがアパートの前で家転がしの相談をすれば、それが大きな旋風を生むという意味です。今はそれほどの影響力はありませんが、いまだスカートの風は韓国に内在しています。

類似記事
(社説)「慰安婦」30年 被害者の救済が原点だ 朝日新聞 2021年9月8日



少々長い記事ですが、書かれている事は至ってシンプルで、「韓国の心情を理解して接すれば、韓国人は「我々の心情をわかってくれた」と軟化し見返りを出してくれるかもしれない」というものです。


そしてこの「韓国の心情」とは何か、記事では、「韓国人の心情や立場は理解できるが、国際法上の約束を破るのは恥ずかしいことだから、韓国側で解決しなさい」と伝えればいいかのように書かれていますが、この心情の実態とは以前から書いている「理気二元論に基付く正しさ」の事で、以下の記事にあるように


【グローバルアイ】約束を守る国・日本、正義が重要な国・韓国 ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.01.04 06:59


「その時は合っていて、今は間違っていること」つまり「その場ではそれが正しいと感じて同意しても、あとから不満が見つかれば覆してもよい」という考え方であり、最初の記事にあるような方法で韓国に接しても、後にそれが不都合になれば彼らはそれすら覆してしまうため、結局意味がないのです。


そしてこちらの記事にあるように


(※1)
[注目!この人] 澤田克己毎日新聞ソウル支局長「日本は約束、韓国は正義を重視」 京郷新聞(韓国語) 2015.04.07


彼らは約束よりも「何が正義で道徳的に正しいか」を判断材料としていると書いていますが、結局それは「その時の感情的利益」で判断しているにすぎず、結果どんな対応をしてもその後彼らが「それは不都合だ」と感じれば覆されるリスクを伴うという事です。


つまり韓国との融和を訴える人の論調は「韓国を理解すれば解決する」と誘導しながら、単に「韓国人のその時の感情を満足させろ」と言っているに過ぎないというわけです。


2:韓国では日常


そして重要なのは、韓国ではこうした態度を成り立たせる手法として、「なんとなく理由っぽく見える手法」とでも呼ぶべき、よくよく読めば全く関係なかったり、あからさまにダブルスタンダードであったり、あるいは矛盾だらけであったりする「言い訳」を「こちらの気持ちもわかってほしい」という理屈でごり押しする手法、一種の「易地思之論法」とも呼ばれる手法が使われています。


例えばこの事例


韓国検察・警察は実態把握できず…故・朴元淳前ソウル市長の遺族「死者に対する名誉毀損で告訴する」 朝鮮日報 2021/08/05


秘書へのセクハラを告発され自殺した朴元淳前ソウル市長の事例の場合、なぜか警察が捜査を嫌疑なしとして中断してしまい、証拠となる携帯を遺族に返してしまったうえに、遺族や支持者達は「被害女性による一方的な主張を受け入れた」といってセクハラの事実自体を受け入れていません。


更には警察に替わり事実関係を調査した人権委に対して、「人権委は被害者女性の主張だけを一部受け入れ、朴元市長が性的な不正行為を行ったと断定し、遺族をはじめとする多くの人たちを驚愕(きょうがく)させた」といって逆に訴えるという事態になっています。


またこちらの事例では


「就業」とは何か…無報酬、非常勤、未登記のサムスン電子副会長が呼び起こす問い ハンギョレ新聞 2021-08-21
サムスン電子副会長「就業制限」ジレンマをどうするか ハンギョレ新聞 2021-08-28


最近仮釈放されたサムスンの李在鎔副会長に関して、韓国の法律では特定経済犯罪法で収監され仮釈放された人物は、犯罪にかかわった会社に5年間就業してはいけないとなっているわけですが、李在鎔副会長は「無報酬」という理屈で事実上サムスンの経営に関わっており、政府もそれを問題なしとしてしまっています。


さらにこちらの事例では


韓国国土研究院「ソウルの住宅価格上昇はメディアのため」報告書 ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.09.02 07:46


韓国政府の不動産政策が失敗し、ソウルの住宅価格が上昇しバブル状態になると、「ソウル江南(カンナム)のマンション価格が上がったのはメディアの報道の影響が大きい」と言いだし、その理由を「2017年以降のソウルでは最高価格更新とこれを扱ったメディアの報道が増え、価格上昇を予想する人の比率も増えた」としています。


実態は、政府が問題を解決しようと2戸以上住宅を持つ場合の税金を引き上げる等の規制を連発した結果、記事にもあるように「価値ある一戸」に資金が集中したからです。


このように韓国では、実際には「理由にすらなっていない理屈」で問題を解決したことにしたり、あるいは解決しようとする事例が多く、それを「こちらの気持ちを理解しろ」といってごり押す事例が非常に多い事がわかります。


日本に対して行っていることもこれと全く同じです。
「韓国に譲歩しろ」と言っている人々は、こうした韓国の社会的背景を意図的に無視しているのです。


彼らにとって「理由」などなんでもいいのです。
とにかくそれっぽい事を並べ立て、「こちらの気持ちを理解しろ」とごり押す、易地思之論法をしているだけなのです。

3:対日本でも同じ


そしてこうした論法は、何も日韓の政府間だけでなく民間でも頻繁に起きています。


例えばこの事例


日本が開発したが…韓国産シャインマスカットが中国・ベトナムで人気 ⓒ 中央日報日本語版2021.05.28 10:30


一連のシャインマスカットの無断栽培問題なのですが、韓国側は日本からの批判に対して「韓国で商標登録をしていなかった」と主張しています。
それはその通りではありますが、韓国は約束より「何が正義で道徳的に正しいか」を判断材料としている」と言っているにも関わらず、自分に都合の良いときはこれなのです。


しかもブドウの長期保存技術は独自だから「独自のものだ」とも書いており、これが無断栽培をしてもいい理由ともとれる書き方になっており「昨年のブドウ輸出額が3100万ドルで過去最高になった」と誇っています。


またこちらの事例では


【独自】日本の高級ブドウなぜ“韓国産”? 無断栽培か 直撃に「大目に見て」 FNN PRIME 2021年8月9日


同じブドウの無断栽培の事例で、高級品種のルビーロマンを韓国で栽培している業者にフジテレビが取材したところ、「手順を踏んで手に入れたものではない。日本側から見れば盗み出したと考えるが、先進国の立場で大目に見てほしい」と言いだした挙句、苗木を売った業者に取材すると「世界的に見れば小さい話だ。すべて中国から輸入している。文句を言うなら中国に言え」と責任転嫁しています。


どれも「易地思之論法」の事例です。


またこちらは少し古い事例ですが


偽EVISUジーンズ?韓国で大量販売 TBS 2008年11月25日


2008年当時日本で人気のあった大阪のEVISUジーンズに関して、韓国発のコピー品が出回っており、販売元にTBSが取材に行くと、コピー品の商標権を持つという人物が「カモメのデザインは山の形のようなデザインですよね。あれは韓国の山の形を見て、偶然似たものができてしまいました」と言いだしオリジナルを主張します。


更には「このえびす様の顔のデザインは、『ジンロ』という韓国の焼酎の瓶に以前描かれていたデザインととても良く似ているんですよ。だから私は日本のエヴィスがコピーしたんじゃないかと逆に聞きたいです」と責任転嫁しだしたという事例です。


これも典型的な易地思之論法です。


また他にも、これはつい最近の事例なのですが


韓国・丸亀製麺“コピー店”さらに店名変更 メニュー流用は是正も製法はコピー 撤退時の課題も 日テレNEWS24 2021年9月7日


丸亀製麺が韓国での事業を撤退すると、撤退した施設で丸亀製麺とは全く無関係の人物が「丸亀製麺とそっくりの店舗」をひらき、あたかも丸亀製麺から事業を引き継いだかのような経営を始めたという事例です。


この件、8月にも日テレが取材をしており、その後丸亀製麺からクレームも入り、店側は店名を修正しメニューや皿のデザインを変えたそうですが、丸亀製麺のスタッフだった人物が丸亀製麺のマニュアル通りに働き、調理器具等も丸亀製麺のままだったそうです。


更にその件をこの店のオーナーに問い合わせると、「この店は、丸亀製麺とはまったく違うものだ。私が日本に旅行したとき見てやったもので、同じだと言われて、私も今、相当に被害を受けている」と言い訳していました。


こうした事例からもわかるように、彼らは問題を批判されるととにかく何でもいいので「理由っぽいもの」を答え、「こちらの気持ちを理解すべき」という、「易地思之論法」を行ってきます。


そしてそれに断固とした態度を取らないと、最後の方で紹介したブドウや丸亀製麺の事例のように、それを既成事実化して問題をさらに悪化させるという事態になっています。


つまり、最初の記事にあるように「韓国側の言い分(易地思之論法)」を聞いて譲歩したり妥協したりしてしまうと、韓国側は一切譲歩も妥協もせず、問題が解決するどころか余計に悪化しこちらが損害を受け続けるという事態になるわけです。


だからこそ、韓国に対して日本人同士で行うような安易な妥協や「お互い様」など、「こちらが引けば相手も引いてくれる」という考えで接してはいけないわけです。


今回書いたように、日本で「韓国の気持ちを汲んで妥協すべき」と主張する人々は日本に結構な数がいますが、そういった人は韓国に限らず国や民族による「価値観の違い」という概念自体が理解できていないか、或いは「知っていて隠している」かのどちらかです。


ちなみに、「妥協論」を主張する人々の中で、韓国への長期滞在経験のある人物は高確率で後者の場合が多いです。



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動画版マイリスト



番外編マイリスト





(※1)
[注目!この人] 澤田克己毎日新聞ソウル支局長「日本は約束、韓国は正義を重視」
京郷新聞(韓国語) 2015.04.07
http://weekly.khan.co.kr/khnm.html?mode=view&artid=201503311358201&code=115

▲澤田克己、日本毎日新聞ソウル支局長は1999~2004年、2011~2015年など合計9年4カ月間ソウル特派員を務めた。大学時代、米国のバックパック旅行を計画しお金が足りずに韓国に来たのが縁になった。

「韓国の人々は心が暖かく素朴だが、論争では絶対退かない。個人の間でも政党でも同じだ。日本との問題でも違わない。‘関係者が問題解決’とか‘相手の立場で考えること’を自分ではなく相手方に向かって言うのを韓国で初めて見た。」

10年間のソウル特派員生活を終え4月、東京に帰る毎日新聞、澤田克己ソウル支局長(48)は韓国で感じた韓国の人々に対する印象をこのように話した。1999年から2004年までソウル特派員を経験し、2011年からソウル支局長になったので韓国通と見ることができる。

韓国人の感情に基づいて韓日問題を解説するコラムで有名な彼は最近<韓国「反日」の真相>という本を日本で出した。澤田支局長は「韓国人には正しさを追求しようとする感情がある。これを中心に韓国人と韓国について説明した本」といった。

‘正しさ’を説明する代表的事件が2012年の三菱重工業新日本製鉄に対する植民地期強制徴用被害賠償判決をした韓国大法院判決だ。これについて日本では1965年の韓日協定と消滅時効を無視した‘反日判決’という解説が相次いだ。中国よりも予測不可能な国という非難もあった。

慶応大学法学部出身の澤田特派員は翌年、韓国人の法意識に関し取材して連載した。‘韓国は1カ月に何件ずつ違憲だと宣告して法律をなくす国だ。日本は約束を守ることを大切にするが、韓国は何が正義で道徳的に正しいかを考える。’澤田支局長は「韓国と日本の葛藤の底辺には司法に対する認識の差がある。だからその問題を究明してみたかった。ソウルで書いた記事の中でも最も記憶に残っている」とした。

澤田特派員は1988年、大学生の時、韓国語を習おうと初めてソウルにきた。三回目のソウル生活を通じて感じたことは韓国は先進的であることを即座に受け入れるということ。「この頃、日本の教授たちが政府に新しい制度を要求する時、韓国を例にあげる。スウェーデンノルウェーをあげても別に効果はないが、韓国を例にあげれば官僚らが動くという。」

最近、日本で生じている韓国に対する多様な世論は存在感の証拠といった。「1960年代初期に日本新聞のソウル特派員が初めてきた。韓国の官僚の大部分が日本語をしゃべり、韓国語ができなくても問題なかった。第二世代ソウル特派員は韓国語を習って1980年代に来た人々だ。しかし、取材分野は戦後賠償のような日本の社会問題の延長だった。韓国をちゃんとした外国として取材したのが2000年に入ってからで、その頃私もきた。」

韓・日関係回復方法は両国が違いを認めるところから出発すべきだというのが彼の考えだ。「韓国と日本は夫婦ではない。だから死ぬほど戦う必要はない。近くの友人と考えよう。親しい友人として良い関係を維持しよう。そのように考えれば韓・日関係も解くことができる。」

澤田特派員は黒田勝弘産経新聞元ソウル支局長の次にソウルが長い日本のジャーナリストに属する。毎日でソウル特派員を3回した人はいないという。「先例が作れば良いのでないか。韓国の人々のように。(笑い)韓国にまた戻ってより良い記事を書きたい。」




【ゆっくり解説】前回の動画の補足説明


さて、本日は前回の動画で説明不足だった部分の補足回です。


本日の投稿動画

YouTube
https://youtu.be/sJb9ZwqoqkI

前回の動画

Youtube
https://youtu.be/sJb9ZwqoqkI

お知らせ
2021年10月からは以下のはてなブログへお引越しします。
日韓問題(初心者向け)
https://oogchib.hateblo.jp/


以下は動画のテキスト版です。

注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています

・「マスコミ問題」であり右派・左派等の陣営論争は本題ではありません

・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブロマガにあります

・毎週土曜日更新


レイム マリサ
ゆっくりしていってね


マリサ
さて、今回急遽前回の動画に関して補足説明をすることにしたぜ。


レイム
また何か「やらかし」があったの?


マリサ
今回は違うぜ。
色々と説明不足の部分などがあったので、細々としたことについて手短に補足をすることにしたんだぜ。


レイム
何かそんなことしないといけない部分あったっけ?


マリサ
いくつかあるぜ。
そんなわけでまず最初は京都新聞の記事の件から

甲子園4強の京都国際に差別的ネット投稿 ヤフコメやツイッター、市民団体が問題視
京都新聞 2021年8月27日
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/627091

 開催中の全国高校野球選手権大会でベスト4に進出した京都国際高(京都市東山区)に対し、インターネット上で民族差別とみられるコメントが多数投稿されている。事態を問題視した京都市内の市民団体が27日、京都府知事に宛てて、早急な対策を求める要望書を提出した。

 要望書を出した「京都府・市に有効なヘイトスピーチ対策の推進を求める会」によると、差別的な投稿は同高が初出場した3月の選抜高校野球大会で複数確認され、夏の甲子園出場を決めると再び増えた。同高の校歌が韓国語であることに対する中傷が多いという。

 要望書は「ネット上でヘイトスピーチが繰り返され、放置すればエスカレートする」と指摘し、啓発の強化や投稿への非難、通学路の安全確保などを求めている。同高にも要望書を提出したことを伝えたという。

 京都新聞社が、同高が夏の初戦に臨んだ8月19日以降、ヤフーニュースのコメント欄やツイッターを調べたところ、「出場停止にさせろ」「不快極まりない」など、差別意図を含んでいるとみられる投稿が百件以上見つかった。

 一方、「応援してます」「スポーツは、隔たりを乗り越えるのが重要」などの投稿も見られた。

 府の人権啓発推進室は、同高への差別的なコメントは既に把握しているとし、悪質な投稿があるサイト運営者に削除を要請するほか、京都地方法務局に対しても削除要請を行うよう求める予定という。

 同高は、韓国系民族学校の京都韓国学園が前身で、1999年に日本高野連に加盟。その後、学習指導要領に沿った教育を行う学校教育法上の「一条校」となり、2004年に現校名に変更した。

※記事と写真に、民族差別に該当する文言が複数登場します。京都新聞社は、差別の実態を共有するため文言をそのまま報道します。あらゆる憎悪犯罪や憎悪表現を許さない社会をつくる一助とする目的です。


マリサ
この件に関して、「ほとんどが実際に差別書き込みだった」等のコメントがあったんだが、うp主がそれを「チェリー・ピッキング」と判断した理由も京都新聞の該当記事にあるんだぜ。


レイム
何か具体的な証拠でもあるってこと?


マリサ
ありまくるぜ。
記事では「記事と写真に、民族差別に該当する文言が複数登場します。京都新聞社は、差別の実態を共有するため文言をそのまま報道します。」といった注意書きが文末に書かれていて、同時にこんな実際の書き込み内容のスクリーンショットが貼られているんだぜ。

・京都に住んでるけど全然ん応援したく無い!!韓国語の校歌で出場するなら、韓国
で出たらいいのに!高野連から脱退させたらいい!

・選手は悪くないのはわかってる

けど甲子園で勝てば勝つほどイメージが悪くなる学校も珍しい。

敦賀気比頑張れ。

・今度対戦する日本の高校頑張ってほしい!

・色々なルール違反だろ。出場辞退させろよ。選手かばう意見があるが、そんな学校
に入る時点で同罪じゃ。反日学校は永久追放が妥当。

・京都国際高の試合を伝えるヤフーニュースのコメント欄に書き込まれた差別的な投稿
(8月25日撮影)※画像の一部を加工しています


マリサ
貼られている画像に書かれているコメントを書き出したのがこれなんだが、これ本編動画の日本海呼称問題を考慮に入れたうえで読むと、それでも該当しそうなのは1番目と5番目だが、その二つにしても5番目は主語が無いからどっちともとれるし、1番目にしても「校歌に東海が含まれているから」という解釈もできない事もないんだぜ。


レイム
というか、「敦賀気比頑張れ」とか「今度対戦する日本の高校頑張ってほしい!」に至っては、そもそもこれがだめなら京都国際の対戦相手を応援する事自体が「差別」って事になってしまわない?


マリサ
そこが最大の問題でな。
彼らは何を以て「差別書き込みが多数」としていたのか、その判断基準自体に疑問を持たざるを得ないんだぜ。
実際、これらが京都新聞の該当記事で明確に「差別書き込み」としてピックアップされているわけだしな。


レイム
「娯楽感覚の韓国バッシング」が全くないとは言わないけど、これを持ってこられて「差別書き込みだ」と言われても、ちょっと同意できないわよね。


マリサ
そう、だから本編動画ではこうした経緯で「詭弁による論点のすり替えだ」としているんだぜ。そもそもの「差別」の定義付けがおかしいしな。


レイム
なるほど。


マリサ
そして次は日本海呼称問題の件で、「朝鮮海」や「東洋海」から「日本海」呼称に統一されていった経緯と、元々朝鮮海が「多かった時期がある」理由についてだぜ。
それについては海上保安庁のページに理由が書かれていてな。

日本海呼称について
海上保安庁
https://www1.kaiho.mlit.go.jp/nihonkai/index.html

1.日本海の呼称について

 日本海(Japan Sea)という呼称は、国際的に確立された唯一の呼称です。日本海(Japan Sea)の呼称は、日本が鎖国状態にあった19世紀前半から既に国際的に認知され、定着してきました (参考1:日本海の呼称の確立について)。

 英国、米国をはじめとする諸外国も海図を作成する際には、日本海(Japan Sea)の呼称を用いています。これは、「国際水路機関」(IHO)が刊行し、 世界の国々が海図を作成する際に参照する「大洋と海の境界」という海の呼称のガイドラインにおいて、日本海(Japan Sea)と定められているからです (参考2:「大洋と海の境界」が定める日本海の呼称)。

2.日本海の呼称に対する韓国の主張

 1992年、韓国は、「第6回国連地名標準化会議」において、「日本海の呼称が普及したのは日本の拡張主義や植民地支配の結果である」等と主張し、 日本海(Japan Sea)の呼称に異議を唱え始めました。また、韓国は、1997年から「国際水路機関」(IHO)の場でも、「大洋と海の境界」が定める日本海(Japan Sea)の呼称に 「東海(“East Sea”)」を併記すべきと主張し始めました (参考3:国際水路機関(IHO)での動き)。

 以後、韓国は、あらゆる機会を捉えて、日本海の表記を「東海(“East Sea”)」に改めるか、 日本海(Japan Sea)と「東海(“East Sea”)」を併記すべきと主張しています。

3.国際水路機関における動向

 「国際水路機関」(IHO)は、水路図誌(海図、灯台表など)の最大限の統一などを目的として活動する国際機関です。 IHOは「大洋と海の境界」の初版(1928年)から一貫して、「日本海(Japan Sea)」を日本海の呼称として定めてきました。

 海の呼称に関するガイドラインである「大洋と海の境界」で、日本海の呼称として日本海(Japan Sea)と「東海(“East Sea”)」を併記することは、 航海者に混乱を招くことになります。 これは、水路図誌を最大限統一するというIHOの目的に反する行為といえ、受け入れられません(参考4:多くの海域で見られる「東海」の呼称)。

 海上保安庁は外務省と連携し、日本海Japan Seaは国際的に確立された唯一の呼称であるという確固たる原則の下で、 根拠のない韓国の主張に対し、IHOの場等で正しい歴史的事実に基づき反論するとともに、我が国の立場に対する国際社会の理解と支持を求めていきます。


参考
参考1. 日本海の呼称の確立について

 日本海Japan Seaという呼称の初出は、マテオリッチによる「坤輿万国全図(World Atlas)」(1602年)であると言われます。

 18世紀の終わりまで、日本海は未知の海域であり、当時の西欧の地図に見られる日本海の形状は、現代の我々が知る形状とは程遠いものでした。

 しかしながら18世紀後半になると、正確な測量に不可欠な、高い精度での経度の測定を可能とするクロノメーター海上で正確な時刻を計測するための時計)が発明されるなど、 測量技術が大幅に向上しました。日本海でも、ラペルーズ(仏)、ブロートン(英)、クルーゼンシュテルン(露)等の探検家により、 最新の測量技術を用いた調査が行われました。こうして作成された正確な地図に基づいて、クルーゼンシュテルン日本海の呼称について、 「人はこの海を朝鮮海とも名付けたが、この海は朝鮮の海岸にはごくわずかな部分しか現れてこないので、この海は日本海と名付ける方が良いであろう。」 (「世界周航記」、1812年)と記しています。

 その後も西欧の地図学者、探検家及び航海者等による日本海の調査がさらに進み、19世紀の初めには、日本海(Japan Sea)が、 この海域を示す呼称として国際的に確立することになりました。

 英国(1863年から)、米国(1854年から)、ロシア、フランスの外地海図は、各国水路部が日本海海域の海図の刊行を始めて以来、全て日本海を単独で採用しています。

韓国は、日本海(Japan Sea)という呼称が一般的になったのは、「日本の拡張主義や植民地支配の結果」と主張しています。

 しかし、日本と韓国以外の国で作成された地図における日本海の呼称の歴史的な推移を調査した結果によると、「東海(East Sea)」の呼称は他の呼称に比べて非常に少数であったこと、 日本海(Japan Sea)の呼称は日本が鎖国状態にあった19世紀前半から既に国際的に認知され定着していたことがわかっており、韓国の主張は正しくありません。

参考2. 「大洋と海の境界」が定める日本海の呼称

 「大洋と海の境界」は、初版(1928年)から一貫して日本海の呼称を日本海(Japan Sea)と定めています。

 これは、「大洋と海の境界」が刊行された1928年、既に日本海(Japan Sea)の呼称が日本海を示す唯一の呼称として国際的に確立していたという事実があったからです。 この呼称が確立する過程への我が国の関与は、何らありません(参考1.日本海の名称の確立)。 また、「大洋と海の境界」の初版の作成にあたって、我が国が何らかの働きかけをしたという経緯もありません。 これは、「第1回臨時国際水路会議」(1929年4月)の議事録に残されている次の我が国発言からも明らかです。

 「日本代表は前回の1926年の会議で提出された提案(「大洋と海の境界」の作成)には反対した。 なぜならば、当該提案は国際水路機関の会議の目的を越え、政治的及び外交的問題であると考えているからだ。 しかし、日本代表としては、事務局が提示した基本的考え方に従い問題を研究した結果、海の境界を区切ることに賛成することとした。」

 もし当時、我が国が、「大洋と海の境界」を通して日本海(Japan Sea)の呼称を世界に広めようと企図していたのなら、 このように海の呼称及び境界を巡る政治的、外交的問題を懸念するはずがなく、 しかも、「大洋と海の境界」の作成に一時的にせよ反対することなどなかったでしょう。


 「大洋と海の境界」では1928年の初版の刊行から一貫して、「日本海(Japan Sea)」を単独で表記しています。 しかし韓国は、90年代に入るまでこの問題を「国連地名標準化会議」あるいは「国際水路機関」(IHO)において提起することはなく、 自国の公式海図にも日本海を記述し、使用していました。 すなわち、韓国自身が第二次世界大戦の日本の影響下を離れても「日本海」という名称に異議を唱えてこなかったという歴史的事実があります。 韓国が自国の海図に「東海(”East Sea”)」を記載したのは、1995年のことです。

参考4. 多くの海域で見られる「東海」の呼称

 「東海」という海域名は、日本海以外の海域でも複数見ることができます。

 東シナ海は、国際的には「Eastern China Sea」と呼ばれますが、中国は国内でトンハイ(Tonghai)と呼ばれ、漢字では「東海」と表記されます。 南シナ海の呼称は、国際的には「South China Sea」ですが、ベトナムでは「東海」を意味するビェンドン(Biendong)、その英語表記として「East Sea」を用いています。 「東海」はヨーロッパにも見られ、バルト海を、ドイツとスウェーデンではそれぞれ「東海」を意味するオストゼー(Ostsee)、ウステルヒョーン(Ostersjon)と呼んでいます。

 このように「東海」という呼称は、多くの海域で用いられている呼称です。 世界中、複数の海域について使われている地域的な呼称を、国際的に用いることは、世界の航海者に混乱を招きかねません。

 ちなみに韓国では、朝鮮半島を取り巻く海を、自国を中心にしてその方角に応じ、「西海(Sohae)」、「南海(Namhae)」、「東海(Donghae/Tonghae)」と呼んでいます (英語ではそれぞれ、West Sea、South Sea、East Seaに相当)。これらの呼称のうち、改称を主張しているのは日本海に関してだけです。 韓国は、黄海をWest Seaに、東シナ海をSouth Seaに変更すべきという主張は行っていません。


マリサ
測定技術が未熟だった時期には、東アジアの地理がかなりあやふやだったようでな、ご存じの通り日本は17から19世紀中盤まで西洋社会ではオランダとしか接点がなくて、他の国にとっては中国との接点が強い朝鮮の方が印象が強かったんだぜ。


レイム
だから欧米と接点のあった中国に近い朝鮮の名前がついていたと。


マリサ
だけど技術の向上で正確な地理が把握できるようになると、フランス、イギリス、ロシアなどの探検隊が日本海の地理を把握するようになり、その中でロシアの探検家であるクルーゼンシュテルンから、「人はこの海を朝鮮海とも名付けたが、この海は朝鮮の海岸にはごくわずかな部分しか現れてこないので、この海は日本海と名付ける方が良いであろう。」 (「世界周航記」、1812年)と記し、以後国際表記が日本海に統一されていったという経緯があるそうだぜ。


レイム
つまり、西洋によって東アジアの地理が把握されるようになった結果、日本海呼称が一般化したという背景があると。


マリサ
ついでにこれは韓国ウォッチャーの間では有名な話なんだが、外務省のページでな

日本海呼称問題
外務省 平成29年2月7日
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/page1w_000150.html

2. 根拠のない韓国の主張
(1) 近年になって突然、日本海の単独呼称にごく一部の国から異議が唱えられ始めました。

 韓国等が日本海の名称に異議を唱え始めたのは、1992年の第6回国連地名標準化会議が最初です。それまでは、二国間でも、国際会議の場でも、日本海の名称に異議が唱えられたことはありませんでしたが、突然、韓国等は日本海の表記を「東海(East Sea)」と単独に表記するか、あるいは日本海と「東海」を併記すべきであると主張してきたのです。
(2) この異議は根拠のない主張です。
ア. 韓国側の主張:「日本海の名称は日本の拡張主義や植民地支配の結果広められてきた。」

 日本政府の古地図調査の結果、既に19世紀初頭には日本海の呼称が他を圧倒して使われるようになった事実が確認されています。この時期の日本はいまだ鎖国政策をとっており、このような日本海の名称確立に何らかの影響力を行使したということはありません。したがって、19世紀後半の「日本の拡張主義や植民地支配」によって日本海の名称が広がった、との韓国側の主張は全く妥当性がありません。また、最近では、2. (3)で述べるとおり、韓国政府も、「日本海の名称が日本の拡張主義や植民地支配の結果広められたものではない」ことを認めたと評価できる調査結果を発表しています。
イ. 韓国側の主張:「朝鮮半島では過去2000年間、『東海』の呼称が使用されてきている。」

 韓国は過去2000年間「東海」が使用され続けているという主張の根拠を示していません。また、現在韓国国内では「東海」が用いられているとしても、「東海」はあくまで韓国国内の名称であって、当該海域について国際的に長くかつ広く用いられてきたのは日本海のみです。
ウ. 韓国側の主張:「日本海と『東海』の併記を勧告する国連及びIHOの決議がある。」

 韓国は、日本海と「東海」との併記を勧告する国連及びIHOの決議があると主張しています。

 しかし、国連地名標準化会議決議III/20及びIHO技術決議A.4.2.6は、湾や海峡など2つ以上の国の主権下にある地形を想定したものであり、日本海のような公海には適用がありません。このことは、「太平洋」や「大西洋」に接している国の一か国でも異議を唱えたら複数の名称が併記されることとなれば、収拾がつかなくなることを考えれば当然のことです。

 また、4.で述べるとおり、国連は、国連公式文書では標準的な地名として日本海が使用されなければならないとの方針をとっていることが公式に確認されており、IHOが出版している「大洋と海の境界」(S-23)でも、当該海域について日本海の単独表記が明示されていることからも、日本海と「東海」の併記を勧告する国連及びIHOの決議が存在しないことは明らかです。
エ. 信憑性の低い韓国側の古地図調査結果
(ア)「東洋海」や「朝鮮海」の呼称を「東海」の呼称と同一視

 韓国側が行った古地図調査の結果(2004年:東海協会)では、「東洋海(Oriental Sea)」、「朝鮮海(Korea Sea、Sea of Korea)」を「東海(East Sea)」と同一視し、これらの呼称が使われている地図の合計数と、日本海が使われている地図の合計数とを比較しています。

 「朝鮮海」と「東海」が異なることは言うに及びませんが、「東洋海(Oriental Sea)」は「西洋から見た東洋の海」であるのに対し、「東海(East Sea)」は「朝鮮半島の東側にある海」を意味するものであり、「東洋海」と「東海」も起源や意味が全く異なる名称です。また、同調査結果をよく見ると、「東海」は他の名称に比べて非常に少数であることが分かります。
(イ)同一の調査場所で日本の調査の方が韓国の調査より網羅的

 我が国がフランス国立博物館において古地図調査を行った際には1,495枚を調査しましたが、韓国側の同博物館での調査は、約3分の1の515枚を対象としており、その結果も我が国の調査とは全く異なるものでした。(→5.)少なくとも我が国の調査の方が網羅的であることは明らかです。
(3) 最近では韓国政府も自らの主張の一部を撤回したと評価できる調査結果を発表しました。

 韓国建設交通部(現:国土海洋部)国土地理情報院という政府機関が2007年11月に発表した古地図調査(日本の仮訳)(PDF)別ウィンドウで開くは、従来からの韓国側の調査と同様の問題点(2. (2)エ)はありますが、「19世紀(1830年~)以後、日本海表記が急増するようになった」との記述があり、注目されます。この調査結果は韓国政府が2. (2)アにあるとおり、少なくとも、「日本海の名称が日本の拡張主義や植民地政策」よりもずっと前から広まっていたことを認めたものと評価できます。



マリサ
「韓国建設交通部(現:国土海洋部)国土地理情報院という政府機関が2007年11月に発表した古地図調査で、「19世紀(1830年~)以後、日本海表記が急増するようになった」との記述があり、注目されます」と書かれていて、更に「「日本海の名称が日本の拡張主義や植民地政策」よりもずっと前から広まっていたことを認めたものと評価できます。」と書かれているんだぜ。


レイム
これは有名だから知っている人は知っている話よね。
要するに韓国側は「日韓併合で強引に東海が日本海に変えられた」と主張しながら、1830年頃には国際表記が日本海で統一されていた事を認めていたって事だし。


マリサ
そして最後に、「なぜ韓国は表記の多い『朝鮮海』を推さないのか」についてなんだが、これがちょっと複雑でな。
2004年に韓国が古地図調査で資料の改竄を行う少し前まで、韓国は「公海に特定の国の名称を付けるのは不適切」と主張して東海表記を主張していたんだぜ。


レイム
でも韓国側はそもそも矛盾なんて気にしないわよね。


マリサ
「韓国内で完結する事」ならな。
この事例の場合、「そういう主張の記録」が国連やIHOに山ほど残っているから、
韓国政府は引くに引けなくなって延々と東海表記を訴え続けているって背景があるんだぜ。


レイム
まあ要するに「ゴールポストを動かす」に失敗したって事よね。


マリサ
そういうことだぜ。
そんなわけで今回はここで終わるぜ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。



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