日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

【ゆっくり解説】詭弁問題の対処法


さて、本日は詭弁論法に関する注意点などについて扱っていきます。

本日の投稿動画

youtube
https://youtu.be/aUD1y2UFgSA

元記事
詭弁問題への対処法


関連記事
韓国の事例で学ぶ、詭弁のテクニックと対処法
マスコミから学ぶ詭弁と看破方法
マスコミの「印象操作」テクニック

関連動画

YouTube
https://youtu.be/KJQBQmvSAiY


以下は動画のテキスト版です。

注意
・この動画は「日韓問題とマスコミ問題」を扱っています

・「日韓問題」と「マスコミ問題」ですので、右派・左派等の陣営論争は本題ではありません

・うp主のスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・「特定の国との特別な関係」はマスコミ問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・キャラ崩壊あり

・動画の拙い部分は生暖かく見守ってください、そのうちなんとかします

レイム マリサ 大口
ゆっくりしていってね


大口
さて、今回はちょっと特殊で日韓問題、マスコミ問題双方に関わる問題を扱っていきます。


レイム
詭弁問題関連というと、過去に動画やブログの方で日韓問題とマスコミ問題両方を扱っているから、それを合わせた内容ってこと?


マリサ
まとめ動画的なやつか?


大口
そういう要素があるにはあるけど、、今までは「どんな詭弁が使われているか」が中心だったけど、今回は「詭弁を指摘する側が注意すべきこと」が中心かな。


マリサ
「指摘する側が注意すべきこと」ってどういう意味だ?


レイム
問題があるのは詭弁を「使う側」なのに、「指摘する側」にどんな注意すべきことがあるの?


大口
まあそれは本編の方で詳しく説明するけど、詭弁の指摘ってかなりの諸刃の剣でね、半端な事をするとブーメランになりかねないうえに、そうでなくとも対応を間違えると色々とややこしいことになり易いんだよ。


マリサ
でもうp主は結構指摘をやってるよな?


大口
完全ではないけど、注意点さえ守れば比較的問題を回避し易い方法があるから、これを知っているといないのとでは雲泥の差があって、一応私はその注意点を守って指摘を行っているから。


レイム
つまり、今回はそれについて説明するってわけね。


大口
そういう事。
それじゃあ本編へ行きます。


事前知識


マリサ
なんかだいぶ大雑把なタイトルだな。


大口
まあ、今回の件は最初に色々と雑多な事前説明が必要だから。


レイム
それ、ちゃんとわかりやすく簡潔に説明できるの?


大口
まあ何とかなるんじゃないかな。


マリサ
なんか最初から怪しいんだぜ。


大口
あじゃあ最初に知っておいてほしい事として、実は詭弁の指摘で最も注意しないといけないのは、「詭弁の指摘が詭弁になる事」でね、これネット上でも結構な頻度で起きているんだよ。


大口
更にややこしいのが、「詭弁の指摘の指摘が詭弁になる」なんてことまであるんだよ。


レイム
という事は、「詭弁の指摘が詭弁で、更にその詭弁の指摘も詭弁になっている」なんてことも起こりうるって事ね。


マリサ
ややこしすぎるんだぜ。


大口
そういう事。
でもそういう状況を100パーセントではないけど回避する方法があって、それは「説明に詭弁の指摘を入れなくとも問題点を具体的に説明済み」の場合にのみ、詭弁の指摘を行うと、問題を回避しやすいんだよ。


マリサ
それってつまり「詭弁の指摘自体がいらない」って事じゃないのか?


大口
それが違っていて、経験則になるけど、詭弁を使う人ってただ問題点を指摘しても延々と詭弁を繰り返して終わらなくなる場合が多くて、そういう無駄な時間を回避するために「これはこれこれこういう既知の詐術的論法なんだ」という事を具体的に指摘する事で、そういう無駄な時間を回避できる場合が多いんだよ。


レイム
それって、相手がそれでも引き下がらなければ無意味じゃないの?


大口
あくまで「そういう場合が多い」ってだけだから。
強いていうなら、こちらは「なぜ詭弁なのか」を具体的に説明しているのだから、相手に「なぜ詭弁ではないのか」を具体的に説明を求めるっていうのも手だね。


レイム
つまり、詭弁の指摘自体はあくまで補助的なもので、重要なのは詭弁を使った相手の問題点を具体的かつ客観的に説明することなのね。


大口
そういう事。
そしてそれができていないって事は、「何が問題なのか」を自身がちゃんと把握できていないって事だから、結果「詭弁の指摘が詭弁になっている」という事態になり易いって事なんだよ。


マリサ
なるほどな。


大口
じゃあ次に具体的で客観的な説明っていうのがどういうものなのかを、実際の事例を使って説明していくね。



チェリーピッキング


大口
まずはチェリーピッキングから。


大口
チェリーピッキングというのは、元々「つまみ食い」の事で、そこから転じて多数の要素の中から持論に都合の良い要素のみを抽出し、あたかもそれが全てであるかのように印象操作する手法で、詭弁論法の「起点」になっている場合が多いテクニックだね。


大口
たとえばこの2016年の事例

田原総一朗蓮舫氏への『二重国籍』批判について考察する」
AERAdot./週刊朝日 2016/9/21
https://dot.asahi.com/wa/2016092000242.html
https://dot.asahi.com/wa/2016092000242.html?page=2

台湾と日本の二重国籍問題が取りざたされた民進党代表の蓮舫氏。しかし、この問題で特に不都合なことが起きていないと、ジャーナリストの田原総一朗氏は指摘する。

*  *  *
 民進党蓮舫新代表の二重国籍問題が新聞やテレビに大きな波紋を広げている。

 蓮舫氏は1967年に、台湾出身の父親と日本人の母親との間に日本で生まれた。旧国籍法は父系主義だったので、自動的に台湾籍となったが、国籍取得要件が緩和された85年1月の改正国籍法施行からほどなくして日本国籍を取得した。

 このとき、蓮舫氏は「父と一緒に台湾籍を抜く作業をした」と説明してきた。ただし、父親は台湾側の係官と台湾語で話をしていて、台湾語がわからない蓮舫氏には、会話の内容は理解できなかったようだ。彼女は台湾籍を抜いたものだと判断して、そのことに疑問を抱かなかった。だが、実は台湾籍が抜けてはおらず、30年以上、二重国籍の状態が続いたことになる。

 国籍法では原則22歳までに、二重国籍者は日本国籍か外国籍のいずれかを選択しなければならないことになっている。そして、日本国籍を選ぶ場合は外国籍の離脱証明か、放棄宣言のいずれかの書類が必要とされる。さらに放棄宣言の後も、外国籍の離脱に努めなければならない、と努力義務が規定されているようだ。

 蓮舫氏は、85年に台湾籍を抜いたものと信じ切っていたため、いずれの手続きもしないで過ごしてきた。メディアのインタビューにも「生まれたときから日本人で、17歳のときに台湾籍は抜いている」と語っていたのだが、いくつかの厳しい疑問を受けて、念のために、台北駐日経済文化代表処、つまり17歳のときに父親に連れられて行った事務所に、9月6日に除籍の照会をした。すると12日に、実は除籍されていないという返事が来たのだという。蓮舫氏はあらためて台湾籍を放棄する書類を提出した。

 結果として、蓮舫氏は二重国籍のまま3期、参院議員を務め、民主党が政権の座にいた2010年には行政刷新担当相、つまり閣僚を務めていたことになる。読売新聞は9月14日の社説で、「国会議員が自らの国籍を正確に把握できていないとは、あまりにお粗末と言うほかない」「外交・安全保障などの国益を担う国会議員が、自身の国籍を曖昧にしておくことは論外である」と、厳しく批判した。

 繰り返しになるが、蓮舫氏は台湾籍を放棄したものと思い込んでいたのであって、曖昧にしていたのではない。参院議員になるとき、あるいは閣僚になるときに二重国籍がチェックできていなかったとすれば、むしろ国家のチェック機能そのものに問題があるのではないか。

 蓮舫氏が04年の参院選の出馬時に国籍放棄手続きの作業を怠ったのは、政治家としての認識が甘く、資質が問われるという批判を各紙が行っているが、蓮舫氏は作業を怠ったのではなく、台湾籍を放棄したと思い込んでいたのである。確かに容易ならぬ手抜かりではあるが、彼女が台湾籍を有していたことで、具体的に何か不都合な事態が生じたのであろうか。不都合な事態が生じていたとすればそのときに問題になっていたはずで、そういう事態は生じていなかったわけだ。

 民進党の代表選でも、他の候補者からこの件での蓮舫批判は生じなかった。民進党の議員たちは、彼女が混乱を招いたことを謝罪して、すぐに台湾籍放棄の手続きをしたことで、事実上、事態は終わったと考えているのであろう。


大口
蓮舫議員の二重国籍問題が話題になった2016年の事例なのだけど、この記事ではこの件への批判を「二重国籍は単なる勘違いから引き起こされた問題であり、既に解決済であるのだから、これ以上終わったことで騒ぐ必要はない」としているのね。


マリサ
あれ?これってそれだけの問題だったっけ?


大口
まあそれは後でね、そして次はこれ

「純血・排外主義」を憂える=与良正男
毎日新聞 2016年9月21日
http://mainichi.jp/articles/20160921/dde/012/070/004000c(リンク切れ)

 蓮舫民進党新代表の、いわゆる「二重国籍」問題を考えたい。

 結論を言えば、蓮舫氏を激しく批判するいくつかのネットや新聞の言説に正直、私はうんざりしている。彼らの多くは「政党の代表がきちんと台湾籍放棄の法的手続きをとっていなかったのが問題」と言うが、やはり根底には純血主義や排外主義、民族差別意識があると感じるからだ。

 代表的な極論はこうだ。

 蓮舫氏が首相になって、仮に日本と台湾との間で紛争が起きた場合、台湾人を父に持つ蓮舫氏が日本を守れるのか、と。でも、この論法で言えば蓮舫氏が台湾籍をちゃんと抜いたとしても、彼らは同じ疑念を言い続けるのではなかろうか。

 もちろん蓮舫氏の対応も説明もお粗末だったというほかない。蓮舫氏には「なぜ、今さら指摘されないといけないのか」と被害者意識の方が強かったように思われる。政治リーダーはそれでは済まない。
(後略)


大口
同じくこの問題に関して、蓮舫議員への批判を「やはり根底には純血主義や排外主義、民族差別意識があると感じるからだ。」としている内容だね。


レイム
なんで二重国籍という制度上の問題がそうなるわけ?


大口
まあそれも後でね。
そして次はこれ

「重国籍」欧米では普通 蓮舫叩きは排外主義
東京新聞 2016年9月21日
https://web.archive.org/web/20160921031131/http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2016092102000130.html

 民進党蓮舫代表(48)の二重国籍騒動。日本国籍があれば国会議員はもちろん、首相や閣僚を務めても問題ないが、党内外から強烈なバッシングを受けた。そこに見え隠れするのは、「単一民族神話」に基づく排外主義だ。グローバル化で人の国際移動や国際結婚が増える中、欧米では重国籍を認める国が主流である。日本にも、二つのルーツを持って生まれた人が多く暮らす。「国籍は一つ」の考え方を見直す必要はないか。
(後略)



大口
こちらの記事では、世界的に二重国籍を認めている国は多いとしたうえで、同じく批判に対して「そこに見え隠れするのは、「単一民族神話」に基づく排外主義だ。」としているね。


大口
この件、後で出てくる「ストローマン」という詭弁や、今回は紹介しないけど、毎日の記事では「誤った二分法」という詭弁も使われているけど、ややこしくなるから今回はそれについては扱わないよ。


マリサ
尺の関係だぜ。


大口
それで、では実際蓮舫議員は「なぜ二重国籍で批判されていたのか」といえば、もちろん二重国籍自体の件もあるけど、それ以上に次にあるように


メディアに報じられた蓮舫氏の過去の主な発言



媒体

朝日新聞1992年6月25日夕刊
「赤いパスポート=(日本旅券)になるのがいやで、寂しかった」

週刊現代1993年2月6日発行号
「父は台湾で、私は、二重国籍なんです」

朝日新聞1993年3月16日夕刊
(ニュース番組『ステーションEYE』のメインキャスターに起用され)
「在日の中国国籍のものとしてアジアからの視点にこだわりたい」

CREA1997年2月号
「私は中国人の父と日本人の母の間に生まれたんですが、父親が日本人として子どもを育てたので日本のことしか知らないし、日本語しか話せない。それが自分の中でコンプレックスになっていました。だから自分の国籍は台湾なんですが、父のいた大陸というものを一度この目で見てみたい、言葉を覚えたいと考えていました。」

週刊ポスト2000年10月27日発行号
「私は帰化しているので国籍は日本人だが、アイデンティティーは「台湾人」だ」

2004年政界入り時の選挙公報
「1985年、台湾籍から帰化


大口
実は蓮舫議員は議員になる以前に何度か新聞や雑誌のインタビューのなかで、二重国籍である事や台湾籍への言及、あるいは「中国籍」への言及があって、問題発覚後の「二重国籍であると知らなかった」という釈明と矛盾しているんだよね。


大口
しかも2004年の政界入りの際の選挙公報では「1985年、台湾籍から帰化」と二重国籍であることを否定する内容になっていて、こういうちぐはぐな態度に対しての釈明が無いから批判されていたわけ。


レイム
で、これがどう「チェリーピッキング」なの?


大口
まず最初の週刊朝日の事例はわかりやすいよね。
あの記事は批判が起きた「最初の問題提起」のみしか扱っていなくて、その後指摘された「過去の発言との矛盾」が無視されているから。


マリサ
じゃあ毎日新聞東京新聞の事例はどうなんだ?


大口
これの場合、そもそも「単一民族主義や排外主義の事例」が客観的に証明されていないから、場合によっては「ストローマン」もありえるけど、いずれにせよたとえそういう主張があったとしても、「批判の本題部分」である発言の矛盾をなかったことにしているから、チェリーピッキングって事。


大口
そしてこれらの場合、チェリーピッキングの指摘が無くても、「批判の本題部分を無視している」という具体的かつ客観的な問題点の指摘ができているでしょ。


ストローマン


大口
そして次は「ストローマン」の事例ね。
これは日本語で「藁人形論法」とも言われていて、相手の主張を持論に都合よくゆがめ、その歪められた主張に反論してみせることで、あたかも相手を論破したかのように見せかける詭弁論法ね。


レイム
これもよく見かけるけど、どの事例を例に出すの?


大口
この事例がわかりやすいね。

朝日新聞叩きを考える(上)――「嫌韓憎中」路線から「朝日」攻撃へ
WEBRONZA 2014年10月27日
https://web.archive.org/web/20141027085510/http://astand.asahi.com/magazine/wrculture/special/2014102300006.html?iref=com_rnavi

ため息が出るような一連の朝日叩き騒動のなかで唯一痛快だったのは、池上彰さんが駆使した「逆手に取る」手法だった。 

 『週刊文春』9月25日号のコラムで「罪なき者、石を投げよ」と題して、自社を棚にあげて朝日叩きを続ける他紙を諌めたうえで、末尾で朝日新聞を「売国奴」などと非難している週刊誌をも批判したのだ。 

産経新聞、月刊誌「正論」「WiLL」などが提携したオピニオンサイト「iRONNA」

拡大産経新聞、月刊誌「正論」「WiLL」などが提携したオピニオンサイト「iRONNA」
 朝日新聞を「売国奴」と攻撃している筆頭は『週刊文春』だったから、それが同誌をも批判したのは明らかだった。しかし、編集部としてはそれを掲載しないわけにはいかない。なぜならば、朝日新聞が池上さんのコラムを掲載拒否したことを同誌も激しく非難していたからだ。池上さんはそのことを逆手に取って、週刊誌の報道をこう批判したのだった。

 「『売国』とは、日中戦争から太平洋戦争にかけて、政府の方針に批判的な人物に対して使われた言葉。問答無用の言論封殺の一環です。少なくとも言論報道機関の一員として、こんな用語は使わないようにするのが、せめてもの矜持ではないでしょうか」

 いやあ、この手法は拍手ものだ。

 ということで、今回、WEBRONZAから原稿依頼を受けた時、私は一瞬、この手法をまねてみようかと思った。

 この間の朝日新聞の「迷走の果てに自爆」したというべき対応が、日本のリベラルな言論にいかに打撃を与えたかには胸を痛めている人も多いから、その朝日新聞社の問題点を同社の媒体で書くというのも悪くないなと思ったのだ。幸いなことに、原稿依頼のメールには「もちろん朝日新聞社批判も」行ってよいと書いてあった。

 だから本稿では朝日新聞に対する批判も書こうと思うが、しかし、その前に朝日叩きの側について言わなければならないことが山ほどある。例えば池上さんも批判したように、この間、週刊誌に「国賊」「売国奴」などという表現が毎号のように躍った問題だ。

 今回の一連の騒動は、もしかすると日本の言論の歴史の転換点になるのではないか。そう思えるほど、戦後の言論報道界が依拠してきた理念や矜持が、見るも無残に捨て去られた。

 例えば池上さんも批判していたが、『フラッシュ』9月30日・10月7日合併号は表紙に大きな文字で「木村伊量社長を国会招致せよ」とぶちあげているのだ。言論をめぐる問題に政治家や権力が介入することを、雑誌が表紙にまで掲げて要求するというのは、これはもう退廃としか言いようがないだろう。

 9月下旬に開催されたマスコミ倫理懇談会全国大会で、『フラッシュ』を発行する光文社の編集管理局長がこれについて意見を訊かれ、「天に唾する態度だと思う」と見解を述べたところ、それがよりによって朝日新聞で報じられて物議をかもしたそうだが、しかし「天に唾する態度」というのは正鵠を得た表現だろう。

 9・11謝罪会見以降、朝日新聞が誤りを認めた、という言い方で、あたかも慰安婦問題などなかったかのような言説が横行している。かつて河野談話を受けて政府に真相究明を促した宝塚市議会の意見書を、今回、事実上撤回する決議が可決されたと報じられた。同様の動きは組織的に呼び掛けられ、様々な地方議会に圧力がかけられているらしい。

 また週刊誌が慰安婦報道に関わった植村隆元朝日記者らを名指しで槍玉にあげ、平然と大学で教鞭をとっているなどと批判したのを受けて、その大学に「売国奴をやめさせろ」という抗議が殺到、脅迫状まで送られる騒動になっている。

 週刊誌が朝日新聞の現役あるいは元記者個人を名指しで攻撃するのは、慰安婦報道だけでなく、中国や北朝鮮についての報道にも拡大している。

 例えば『週刊文春』9月4日号の「朝日新聞売国のDNA』」では、本多勝一さんや松井やよりさんが攻撃され、同9月18日号の「中国共産党に国を売った朝日新聞7人の『戦犯』」では、元「報道ステーション」のコメンテイター加藤千洋さんなども槍玉にあげられている。こうした文脈で筑紫哲也さんまで非難した週刊誌もあった。どう考えても常軌を逸した攻撃と言わざるを得ない。

 さすがにそうした朝日叩きに対する批判も大きくなってきたからか、最近になって週刊誌はある種のバランスをとるような誌面に転じつつあるのだが、今度は1周遅れで『SAPIO』などの月刊誌が朝日叩きを全面開花させており、書店店頭の雑誌コーナーは異様な雰囲気に覆われている。

 深刻なのは、このように雑誌媒体が一斉に同じ方向に転じて行った背景に、明らかに出版不況が影を落としていると思われることだ。

 昨年後半あたりから週刊誌界では「嫌韓憎中」ものは売れるという話が出始め、従来から右派系と言われた『週刊文春』『週刊新潮』だけでなく、『週刊ポスト』『フラッシュ』などが次々とその路線に転じて行った。

 今回の騒動では『アサヒ芸能』も朝日叩きに参戦したのだが、後になって参戦する雑誌ほどセンセーショナリズムに拍車がかかっている。『アサヒ芸能』8月28日号の見出し「『国賊メディア』朝日新聞への弔辞」には、思わず目を疑ったものだ。

 総合週刊誌はいまや次々と赤字に転落しており、経営側からこのままでは休刊もやむなしと脅されているのが実情だ。そのなかで背に腹はかえられないとばかり「嫌韓憎中」路線への転換が一気に拡大していったのだ。
(後略)


大口
記事はタイトルにもあるように「朝日新聞叩き」への反論について扱っているのだけど、その中で「9・11謝罪会見以降、朝日新聞が誤りを認めた、という言い方で、あたかも慰安婦問題などなかったかのような言説が横行している。」「かつて河野談話を受けて政府に真相究明を促した宝塚市議会の意見書を、今回、事実上撤回する決議が可決されたと報じられた。同様の動きは組織的に呼び掛けられ、様々な地方議会に圧力がかけられているらしい。」と書かれている部分があるのね。


マリサ
ちょっとまて、これだと「慰安婦問題などなかったかのような言説」って慰安婦の存在自体の否定をしている意見があるような印象を受けるけど、そんな事言ってるやついたか?


大口
以前から慰安婦問題関連で指摘しているけど、問題は韓国側の慰安婦の定義が「軍や国の命令で、軍人や官憲が直接的に行った拉致」となっていて、それを証明する証拠が一切なくて、この記事にもあるように

慰安婦被害者はいない」韓国で出版された“慰安婦問題のタブーを破る本”『赤い水曜日』驚きの内容とは?
文春オンライン 2021/9/21
https://bunshun.jp/articles/-/48743?page=2

(一部抜粋)
本書は、日本軍慰安婦だったとして支援団体によって内外で日本糾弾の反日運動の先頭に立たされ、韓国政府から法的に生活支援を受けているいわゆる“慰安婦被害者”について、記録として残されている彼女たちの証言集を詳細に検証している。その結果、韓国の「慰安婦被害者法(日帝下日本軍慰安婦被害者に対する保護・支援及び記念事業等に関する法律)」で定義されている「日帝に強制動員され性的虐待を受け慰安婦としての生活を強要された被害者」という「日本軍慰安婦被害者にあてはまる者は一人もいない」と主張している。

大口
あるのは「(韓国の)慰安婦被害者法(日帝下日本軍慰安婦被害者に対する保護・支援及び記念事業等に関する法律)で定義されている、日帝に強制動員され性的虐待を受け慰安婦としての生活を強要された被害者、という日本軍慰安婦被害者にあてはまる者は一人もいない」という批判なんだよね。


レイム
つまり、「韓国政府などが定義する犠牲者としての慰安婦は存在しない」という主張を、「慰安婦問題そのものの否定」や「慰安婦の存在否定」という話にすり替えているってわけね。


大口
そう、これ慰安婦問題では昔から定番のすり替えで、韓国側の「軍や国の命令で、軍人や官憲が直接的に行った拉致」という定義を否定すると、メディアとか韓国の側に立つ人たちが「極右が慰安婦を否定した」とやって印象操作してきたって歴史があるんだよ。


マリサ
もしかして、だから日本のメディアとかは「韓国側の慰安婦の定義」を明確にされることを嫌がっているって事か?


大口
まあ状況証拠はそれを示しているよね。
だからこれはストローマンと定義できるわけ。


燻製ニシンの虚偽


大口
最後は「燻製ニシンの虚偽」について。
これはちょっと特殊で、燻製ニシンの虚偽自体はさっきチェリーピッキングやストローマンで紹介した事例も「広義の意味では」あてはまるのね。


大口
そもそも燻製ニシンの虚偽というのは、たとえば推理小説などで「あたかも無関係な登場人物が犯人であるかのようにミスリードさせる手法」について説明するのにも用いられる「相手の注意を別の事柄に反らす論法」の事なのね。


レイム
たしかに、これだと場合によってはチェリーピッキングもストローマンもあてはまるわね。


大口
そのうえで、日本のメディアなどでよく使われるのは「前提の全く異なる事例を強引に相対化し、あたかも同一の問題であったり、或いは問題のない側に問題があるかのような印象操作を行う事でミスリードを誘う手法」で、いわば「相対化の詭弁」とも呼べるテクニックなのね。


マリサ
つまり、燻製ニシンの虚偽には該当するけど、「相対化の詭弁」が燻製ニシンの虚偽の全てではないってことか。


大口
そういう事。
そもそもこの「相対化の詭弁」って私がそう勝手に名付けただけで、この論法自体に固有名詞はなくて、カテゴリーとしては燻製ニシンの虚偽に含まれるってだけだから。


レイム
ちょっとややこしいわね。


大口
まあしょうがないよ、固有名詞がないとはいえ、この論法って日本のメディアなどでかなり頻繁に見かけるから。
そして事例として紹介するのはこちら

領土問題 尖閣諸島 竹島
日本共産党 2012年9月11日
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-09-11/2012091105_01_1.html

Q 竹島の領有問題は?
A 日本領有に根拠 編入時に韓国併合重なる

 竹島日本海航海者の好目標であったため古くから日本人にも知られ、「松島」の名で日本の文献にも表れ、アワビやサザエなどの漁に利用されていました。しかし、この島の帰属は、文献的には必ずしも明確ではありませんでした。

 1905年、竹島でアシカ猟に従事していた隠岐島の中井養三郎氏から10年間の貸し下げが出されたのを受け、日本政府は同年1月の閣議決定で同島を日本領として島根県編入しました。

 竹島はこれ以来、日本領とされてきました。51年のサンフランシスコ平和条約第2条a項も、竹島を、朝鮮に対して放棄する島の中に含めていません。それは条約作成の過程からも明らかです。

 こうした経過から日本共産党は、竹島の日本の領有権の主張には歴史的にも国際法的にも明確な根拠があると考えています。現在の韓国の実効支配は、52年に竹島を囲い込む境界線を設定、54年に常駐守備隊を配備し、占拠するようになったのが始まりです。

 一方で、日本が竹島編入した時期と、日本が韓国を植民地にしていった時期とが重なっているという問題があります。1904年には第1次日韓協約が結ばれ、韓国は事実上、外交権を奪われ、異議申し立てができない状況でした。竹島はその翌年に日本に編入され、1910年には韓国併合条約が結ばれています。

 日本による植民地支配の歴史を無視したままでは、韓国との間で歴史的事実にもとづく議論はできません。


大口
赤旗共産党竹島問題に対する方針を説明している記事なのだけど、そのなかで竹島は日本領としたうえで、「日本が竹島編入した時期と、日本が韓国を植民地にしていった時期とが重なっているという問題があります。1904年には第1次日韓協約が結ばれ、韓国は事実上、外交権を奪われ、異議申し立てができない状況でした。竹島はその翌年に日本に編入され、1910年には韓国併合条約が結ばれています。」と書かれているのね。


レイム
ああ、これはわかりやすいわね。
過去動画の「竹島はなぜ日本領」で説明した通りよ。


大口
そう、「第一次日韓協約で実質的な外交権が剥奪され抗議できなかった」という主張は、過去動画で引用した次の記事にもあるように

「明治 39年の土地売買に対する大韓帝国の抗議」
第二期竹島問題研究会 第8回会合平成 23 年 9 月 11 日 山﨑佳子
https://www.pref.shimane.lg.jp/admin/pref/takeshima/web-takeshima/takeshima02/kenkyukaijokyo2.data/9-8-6.pdf?site=sp

はじめに明治三十八(1905)年の竹島島根県編入の有効性 について、いくつかの論点において韓国から疑義が提示されている。例えば 韓国外務部は、「日本は暴力と貪欲によって略取した」1とカイロ宣言(1943年)を根拠にその不法性を主張 している。しかし、いずれもその 正当性の 前提条件として、島根県編入以前に竹島が 韓国領でありかつ 実効的に占有していたことが証明されなければならない。

ところが1947年6月に韓国内で竹島の存在が認識され、領有権に関する調査が始まって以来すでに64年もの年月が経過しているが、韓国側からは推測 の域を超える有効な証明が今になってもなおなされているとは言えないのが現状である。 また、 例え そうした証拠が今後新たに 「発見」されるとしても、韓国側は更なる説明責任を負っている。当時1900年以前から活発になっていた鬱陵島 における日本人の伐木等の 行動 に対して頻繁に行われていた抗議などの行政 ・外交 上の対策を、竹島におけるそれ や海軍省による調査2に対しては、実態を 把握していなかったのであろう、 何ら 講じ ていた形跡はないのである 。

特に 明治三十九(1906)年三月、島根県官吏による竹島視察団により 、鬱陵島郡守を通じて竹島 編入の事実を知らされたにも関わらず、大韓帝国は状況を調べるよう指令を送ったきり 抗議 した形跡がない。それ ばかりか、直後の 同年 7月頃、統監府から鬱島 郡に所属する島嶼と郡庁設置年月を照会された際に「その郡の所管島は竹島石島で、東西が六十里で南北が四十里で、合わせて二百余里だという。」など(該郡所管島는竹島石島오東西가六十里오南北이四十里니合二百餘里라고하였다이다)と鬱陵島から90km程離れた竹島を鬱島郡の範囲から除外する形で公式回答 した。

それに対し、韓国政府は「外交権が奪われた状態だったため、外交的抗議の提起ができなかった」と主張する。4しかし、 日本側の外交文書には1905年10月、第二次日英同盟の条文中の韓国の地位について、外部大臣 朴斉純が 林権助駐韓日本 公使に口頭で、さらに 英国公使には書簡をもって抗議し たことが記録されているし、 1906年(明治39)年2月に統監府が設置され、翌3月13日から毎週火曜に開か れた 『韓国施政改善ニ関スル協議会』の場において、大韓帝国議政府各大臣が伊藤博文ら統監や日本人顧問と、司法制度 など実に様々な協議を直接行っている。

さらに、大韓帝国議政府内部(内務省)の史料でも 、日本人との間に起こったの種々の 案件 について、統監府 など に照会を行っていることなど が記録されている。そこで 本稿では、この史料の記録のうち、竹島 問題とよく似た特徴を持つある 案件について、詳しく 紹介することとす

2.大韓帝国日本海軍省の日本海軍省の日本人への土地 払下げに抗議する

『内部来去案』は、1906年(光武10)2月から1910年(隆煕4)8月まで各部と内部の間に往来された公文書を集めた 大韓帝国の公文書綴である。日本や清との間に起こった様々な事案の報告・照会などの文書が含まれている。4冊で構成されている。この第一冊に、鬱陵島の半島側対岸に近い江原道蔚珍郡近北面竹邊浦にあった 、日本海軍望楼の跡地を巡る日本人 同士 の土地取引を巡る一件が記録されている。跡地の購入者である日本人がその証明を求めて郡庁へやってきたことを春川郡守李明来が内部大臣李址鎔に報告し、彼はこれを違法であるとして、日本側と交渉して禁止させるべきとの旨議政府参政大臣朴齊純 に照会するのである。


『內部來去』第1冊、光武 10年2月262日條 (内部大臣の議政治参政大臣への報告)

江原道觀察署理春川郡守李明來から「第16号報告書」を受けた。その内容は次の通り。先月13日に蔚珍郡守尹宇榮の報告を受けた。それによれば、蔚珍郡近北面竹邊浦の望楼に駐留していた日本海軍が最近撤収したが、12月27日に日本商人高賀という者が蔚珍郡庁に来て、「竹邊浦所在の望楼とその土地を望楼長から買得したので、蔚珍郡庁からその認可する公文書を交付してほしい」ということである。

郡守としては、自分の一存で処理することが出来ないので、報告するということであった。そこで、高賀という人物の住所・姓名、ならびに何月何日にいくらで買得したのか、さらに望樓長の姓名・住所を速やかに詳しく調べて報告せよと指示したところ、蔚珍郡守から次の報告があった。指令を受けて、高賀を招致して詳しい事情を聞いたところ、「自分は、日本の佐賀県三養基郡鳥棲洞213番地の、佐賀亦次という。

望樓長は高橋淸重と言い、その居所は日本佐世保海兵団の詰所であるが、住所は知らない。去年十月、駐屯していた日本海軍が撤収する時に180円を出して望楼を買った。しかし、土地は買っていない。土地はその上に建っている建物の持ち主のものであるのが普通なので土地も併せて買いたいと思い、前所有者に申し入れた。」ということである。

この報告に基づき調査をしたが、蔚珍郡竹邊浦の望楼は、日本海軍が軍用に暫く駐屯していて既に撤収したのであるが、今、日本商人の高賀亦次が望樓長の高橋淸重から私的に買い取ったというのは法律に違反するものでいかにも理に合わないことなので、ここに報告するので内容確認のうえ速やかに交渉され、即刻禁止させてそれを明示されるよう願う。

1906年2月26日

內部大臣勳一等李址鎔より議政府參政大臣朴齊純閣下へ

この文書 を受け、朴齊純 は以下のように統監へ照会を行う。

『內部來去案』第1冊、光武 10年4月17日條 (議政府照會第56號)

貴第3号照会を受けて、蔚珍郡竹邊浦の望楼と土地の私的売買禁止の件について、統監に照会し回答を得た。回答は次のとおりである。先月14日、蔚珍郡竹邊浦の望楼売却について貴第13号照会を受け取ったが、その照会に基づき日本の佐世保海軍鎭守府に文書を送って事実を調査したところ、その報告によれば、その望楼用の建物と設備は、代金收納後に全て他人に譲渡することとし、佐賀県人である古賀亦次に売却した。

昨年12月27日に既に代金を受領したが、その敷地は売却していない。以上回答するので承知されたい。このような照会結果であったので、内容を確認されたい。1906年4月17日議政府參政大臣朴齊純より内部大臣李址鎔閣下へこのように、韓国政府から抗議を受けた統監府は、佐世保の海軍に文書を送り調査を行 った結果、望楼跡地の売却は阻止されている。この一件について、慎鏞廈は、次のように述べ日帝は露日戦争終決直後、江原道蔚珍郡・竹辺浦に設置した望樓を撤去する際、望樓長と日本商人が結託して望樓土地を侵奪しようと試み 6ヶ月間にわたる紛争と交渉があったが、韓国議政府の努力によって阻止された例もあった。

おわりに

最後に 大韓帝国が抗議しなかった理由 について考察してみる。考えられるのは、1) 1900年の大韓勅令第41号で郡に昇格した際、所属島として挙げられた島名(竹島石島)に独島が入っていなかったか疑義 が生じた、もしくは、そもそも実効支配の形跡がなく調査の結果領土外と結論づけられた。2) (韓国側が主張するように)外交権が奪われていたので照会を断念した。といったことであろうか。

1) については、勅令を制定するための内部大臣 李乾夏による請議書に「該島地方は縦が八十里ほど、橫は五十里 」12とある こと、また、大韓帝国政府学部編輯局発行の経緯度線入り『大韓全図』(1899年)・『大韓輿地図』( 1900年頃)に竹島 は記載 されていないことから、その可能性が高いといえよう 。韓国 ・朝鮮作製の地図に竹島 /独島 がほぼ正しい位置 に描かれるのは、1947年以降の事である。
そう であ るならば、統監府へ「その郡の所管島は竹島石島で、東西が六十里で南北が四十里で、合わせて二百余里」と、鬱島郡につい て竹島を含まない範囲で回答した事実とも整合性が見出せる。

2)については、本稿で検討したように、竹島の領土編入を通告された時と同時期・近接地域・類似案件において、大韓帝国議政府参政大臣の朴齋純 は現に 統監府へ照会を行っており、結果として日本人の土地取得を阻止した。もし1906年5月の指令第三号による調査で韓国領土と判明していた場合、少なくとも統監府への事実関係の照会は行っていたであろう。しかし そうした形跡はなく、ましてやそのような韓国側の動きを日本側が妨害・阻止したり、何らかの理由によって韓国側が照会を断念した、といった記録もない。

結論として、1900年の大韓帝国勅令第41号の石島が独島 /竹島であるかどうか にかかわらず、それを通知され た時点で 統監府に照会し得る立場にあった大韓帝国政府は、 行政府 として当然為すべき適切な抗議、照会さえ 怠ったことにより、事実上 竹島の領有権を黙認したといえるであろう。以上の理由から、「暴力と貪欲によって略取した」から明治三十八(1905)年の竹島島根県編入国際法上無効 であ る、とは言えまい。



「明治 39年の土地売買に対する大韓帝国の抗議」
第二期竹島問題研究会 第8回会合平成 23 年 9 月 11 日 山﨑佳子

韓国政府は「外交権が奪われた状態だったため、外交的抗議の提起ができなかった」と主張する。4しかし、 日本側の外交文書には1905年10月、第二次日英同盟の条文中の韓国の地位について、外部大臣 朴斉純が 林権助駐韓日本 公使に口頭で、さらに 英国公使には書簡をもって抗議し たことが記録されているし、 1906年(明治39)年2月に統監府が設置され、翌3月13日から毎週火曜に開か れた 『韓国施政改善ニ関スル協議会』の場において、大韓帝国議政府各大臣が伊藤博文ら統監や日本人顧問と、司法制度 など実に様々な協議を直接行っている。


『内部来去案』は、1906年(光武10)2月から1910年(隆煕4)8月まで各部と内部の間に往来された公文書を集めた 大韓帝国の公文書綴である。日本や清との間に起こった様々な事案の報告・照会などの文書が含まれている。4冊で構成されている。この第一冊に、鬱陵島の半島側対岸に近い江原道蔚珍郡近北面竹邊浦にあった 、日本海軍望楼の跡地を巡る日本人 同士 の土地取引を巡る一件が記録されている。跡地の購入者である日本人がその証明を求めて郡庁へやってきたことを春川郡守李明来が内部大臣李址鎔に報告し、彼はこれを違法であるとして、日本側と交渉して禁止させるべきとの旨議政府参政大臣朴齊純 に照会するのである。


大口
大韓帝国は1905年10月、第二次日英同盟の条文中の韓国の地位について日本に対して公式抗議しているし、1906年鬱陵島対岸にあった日本海軍の望楼跡地を土地ごと買い取りたいという日本人が現れたけど、大韓帝国が韓国統監府(総督府の前身)に抗議し、売却自体が白紙になっているという記録があるから、成り立たないんだよ。


マリサ
つまりこれの場合、「抗議できなかった」という共産党の主張は裏付けのない「主観的意見」なのに対して、「実際には抗議していた」という客観的記録があるから、本来「意見」と「事実」は同列に比較できないのに、あたかも「双方が同等の条件で主張を行っている」ように強引に相対化して印象操作しているって事か。


大口
そういう事。
だから「燻製ニシンの虚偽」に基づく相対化の詭弁と定義できるというわけ。


レイム
というか「1904年には第1次日韓協約が結ばれ、韓国は事実上、外交権を奪われ」の部分なんだけど、これ韓国が「1905年2月の日本による竹島領有」以前に「外交権を奪われていた」とするために、強引にこじつけただけでこれを証明する根拠なんてないのよね。


マリサ
ああ、要するに日本共産党は韓国政府が言っている事をそのまま主張しているだけって事か。
でもこれ、共産党が「抗議の事実を知らなかっただけ」ってことはないか。


大口
ああ、それはないよ。
なぜかというと、2006年に共産党志位和夫日本共産党委員長が韓国でインタビューに答えてこれと同じ回答をしていて、その時に同じように間違いを指摘されて散々批判されているんだよ。


西大門刑務所歴史館で志位委員長語る 赤旗 2006年9月6日


レイム
え?つまり「全部わかっていて」日本共産党はその6年後にこんな事を言っているの?


大口
そう、つまりこの事例での燻製ニシンの虚偽による相対化は、明らかに「故意」って事。


マリサ
なんだかなぁ。

今回のまとめ

・詭弁の指摘は「具体的かつ客観的」に行う
・情報の中から持論に都合の良い情報のみを抜き出す「チェリーピッキング
・相手の主張を持論に都合よく歪め反論してみせる「ストローマン」
・前提の異なる事柄を強引に相対化し論点を反らす「燻製ニシンの虚偽に基付く相対化」



大口
それでね、こうした詭弁論法が発生する原因として最も多いのが、結論ありきの思考なんだよ。


レイム
結論ありきの思考だとなんて詭弁を使いやすいの?


大口
結論ありきの思考って現実との間に矛盾が起きやすくて、この矛盾を解消したいけど持論を曲げたくない場合に、詭弁を使って「矛盾をなかったように見せかける」という方法が取られることが多いからかな。


マリサ
つまり、相手を騙そうとしているって事だな?


大口
それがそうでもなくて、今回最後に紹介した共産党の事例はその通りなんだけど、大抵の場合は矛盾を解消するために無意識に行っていたり、知識の空白を想像で埋めようとして結果的に詭弁になっていたりする場合もあるよ。


レイム
つまり、詭弁と意識せずに詭弁を使っている場合が多いって事ね。


大口
そういう事。
だから「私達」も常に注意していないといけなくて、そうした事態を減らすためにも常に具体的かつ客観的なスタンスが求められるって事。


マリサ
まあ、「故意」の事例以外ならそれで回避できそうではあるな。


大口
あと注意しないといけないのは、結論ありきの思考って「自分はそうならない」と思いこむほど陥りやすいから、常に「自分は結論ありきの状態に陥っているかも」と客観視することが重要になるね。


レイム
これ、かなり難しいけど「意識する」のが重要になるわね。


大口
そういう事。
そんなわけで今回の本編はここで終わります。


レイム マリサ 大口
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~


大口
今回も長くなりすぎたのでおまけはないよ。
そんなわけで今回はここで終わります。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~



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