日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

【ゆっくり解説】テレビの影響力低下

さて、本日は2022年6月のマスコミ不信について扱っていきます。


元記事
テレビの影響力が低下している事がわかる事例
http://ooguchib.blog.fc2.com/blog-entry-407.html


本日の投稿動画
www.nicovideo.jp
youtu.be


※以下は動画のテキスト版です


お品書き

情報の隠蔽

過去にも問題化

論点のすり替え

注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています

・「マスコミ問題」であり右派・左派等の陣営論争は本題ではありません

・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブログにあります

・毎週土曜日更新

レイム マリサ
ゆっくりしていってね


マリサ
さて、今回はマスコミ問題なので私が扱っていくぜ。


レイム
ところで、今回って随分ストレートなお題なのね。


マリサ
今回は2022年6月に起きた節電関連の事例についてなんだが、この件ではテレビ朝日を中心にこれまでのテレビ局による不祥事への対応と全く異なる対応をしていてな、それがマスコミの影響力低下を表しているように見えるんだぜ。


レイム
ああ、そういえばあの時期猛暑が予報されていて夏の電力事情が切迫とか話が出ていたわね。


マリサ
そうだぜ。
それに関連して、テレビ局がよくやる「グラフっぽいもの」を使った印象操作をやって批判されたんだが、今回はそれを中心に扱っていくんだぜ。


レイム
要するに、テレビ局が「いつも通りの事をした」けど、今回は批判に対して「違う反応」をしたって事ね。


マリサ
そういう事だぜ。
それじゃあ早速本編へ行くぜ。


情報の隠蔽


レイム
で、最初は何からやるの?


マリサ
まずは問題のテレビ朝日の事例からだぜ。

テレビ朝日、家庭の電力使用量グラフから「テレビ」削除で物議 「丁寧さに欠けていた」
「テレビ」の電力使用量は全体の8.2%
ITmedia 2022年06月30日
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2206/30/news102.html

 猛暑が続き、電力需給がひっ迫しているとして政府が企業や各家庭に節電を呼びかける中、テレビ朝日が家庭の電力使用量に関するグラフを加工して番組で紹介したとして物議を呼んでいる。Twitterで拡散されている画像によると、番組ではグラフから「テレビ・DVD」の使用分(8.2%)をカットして放送していた。Twitterでは「捏造だ」「悪質すぎる」などの声が挙がっている。Twitterでの指摘に対し、同社は事実関係を認めた上で「丁寧さに欠けていた」と釈明した。

 テレ朝が番組で紹介したのは、資源エネルギー庁経済産業省)が作成した「家庭における電気の使用割合」(夏季の午後7時ごろ点灯帯)という資料。元の資料を見ると、家庭の午後7時ごろの電気使用最多は「エアコン」(38.3%)で、「照明」(14.9%)、「冷蔵庫」(12%)がそれぞれ続いた。「その他」(8.8%)を除いた場合、「テレビ・DVD」(8.2%)は家庭内で電気の使用割合が4番目に多い家電製品だ。

 経産省は資料内で、テレビについて「省エネモードに設定して、画面の輝度を下げましょう。見ていない時は消しましょう」と呼び掛けている。これにより、2%の節電につながるという。

 だが、テレ朝は「テレビ・DVD」を「その他」(8.8%)に組み入れ、4番目に電気使用が多いものを「炊事」(7.8%)として放送していた。このため、Twitterではテレ朝の対応を批判する声が相次いでいる。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2206/30/news102_2.html

「テレビ」削除理由は「全体の文字数減らすため」

 テレ朝は取材に対し「ご指摘の円グラフは6月27日(月)の『スーパーJチャンネル』で放送したものと同じ」と回答。Twitterで拡散された画像を放送に使用したことを認めた。経産省の資料を引用してグラフを作成したという。

 円グラフからテレビを削除した理由を問うと「エアコンの電気の使用割合をお伝えするのが主眼だったため」とした上で「エアコン、冷蔵庫、照明、給湯、炊事まではグラフ上に記したが、見やすいように全体の文字数を減らすため、洗濯機・乾燥機以降の項目についてはその他としてまとめた」と説明した。

 その他の中に「テレビ・DVD」(8.2%)が含まれていたものの「円グラフ作成の過程で丁寧さに欠けていたが、『テレビ・DVD』(8.2%)を隠す意図は全くなかった」とし、意図的な削除との見方は明確に否定した。

 ただ、視聴者に誤解を与えたのは事実だ。このため、同社は6月30日付けの同番組で、「テレビ・DVD」を含んだ円グラフを放送し、改善に取り組んだという。
「テレビ消せばエアコンの1.7倍の節電効果」レポートが話題に

 家庭での電力消費量を巡っては、野村総合研究所野村総研)が2011年に発表したレポートで「テレビ消せばエアコンの1.7倍の節電効果」とも受け取れるデータを盛り込んでいたことが話題になった。野村総研は「当時と今では家電の性能が異なる。参考程度にとどめてほしい」と注意を呼び掛けているものの、記事への反応をみると、テレビの電源を消すことで一定の節電効果があると受け止める読者が多い。

 これに加え、テレビ局は国民の財産でもある公共の電波を活用して、事業を運営している。放送法第4条でも「報道は事実をまげないですること」と明記している。テレビへの不信感を避けるためにも、今後は正確な報道が求められそうだ。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2206/30/news102_3.html

ITmediaビジネスオンラインの質問

Twitterで拡散されている画像はテレビ朝日のニュース番組で報道されたものという認識で合っているか
経産省の元資料には「テレビ・DVD」(8.2%)との記載がある。Twitterでの指摘が事実なら、なぜ「テレビ・DVD」をカットし、「その他」に組み入れて放送してしまったのか。その理由・狙いをお答えください
Twitterでの指摘が事実なら、今後、どう改善していくか。今後の対応方針をお聞かせください。

テレビ朝日の回答全文

 ご指摘の円グラフは6月27日(月)の「スーパーJチャンネル」で放送したものと同じです。

 この円グラフは経済産業省がホームページ上で公開している「夏季の省エネ節電メニュー(東北・東京・中部・北陸・関西・中国・四国・九州)」の中にある「家庭における電気の使用割合(夏季の点灯帯・19時頃)」の円グラフを引用する形で作成しました。

 エアコンの電気の使用割合をお伝えするのが主眼だったため、エアコン、冷蔵庫、照明、給湯、炊事まではグラフ上に記しましたが、見やすいように全体の文字数を減らすため、洗濯機・乾燥機以降の項目についてはその他としてまとめました。その中に「テレビ・DVD」(8.2%)が含まれていました。

 円グラフ作成の過程で丁寧さに欠けていましたが、「テレビ・DVD」(8.2%)を隠す意図は全くありませんでした。

マリサ
2022年6月の事なんだが、当時世界的に猛暑が続いていた影響で、電力事情の切迫が問題視され、「テレビの消費電力」も問題視されていたんだが、そんな中テレビ朝日が「家庭の電力使用量に関するグラフ」を番組で紹介、これが「元情報から加工されている」と問題視された事例だぜ。


マリサ
番組では経産省が作成した「家庭における電気の使用割合」という資料のグラフを紹介していたんだが、元のグラフでは使用量を1位エアコン、2位照明、3位冷蔵庫としていて、4位にテレビ・DVDとなっていたんだが、テレビ朝日のグラフでは「テレビ・DVD」が「その他」に組み込まれていてわからなくされていたんだぜ。


マリサ
そしてツイッターなどでその件を批判されると、テレビ朝日は「エアコン、冷蔵庫、照明、給湯、炊事まではグラフ上に記したが、見やすいように全体の文字数を減らすため、洗濯機・乾燥機以降の項目についてはその他としてまとめた」「隠す意図はなかった」と釈明したんだぜ。


マリサ
で、実際の経産省のグラフがこれで、テレビ朝日のグラフがこれだぜ。

夏季の省エネ・節電メニュー
経済産業省 令和4年6月
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/shoene_setsuden/pdf/setsudenmenu_katei02.pdf

家庭における電気の使用割合(夏季の点灯帯(19時頃))

経産省グラフ
テレビ朝日グラフ

レイム
まず、エアコンと冷蔵庫と照明は「生活に必要なもの」なのに対して、テレビは「絶対に必要なモノ」ではないから、本来節電の優先順位は高いはずよね。


マリサ
それどころか、テレビ朝日の言い分では「見やすいように全体の文字数を減らすため」らしいが、それなら何で経産省のグラフでは「テレビ・DVD」より消費電力の小さい「炊事」と「給湯」が入っているんだって事だぜ。


レイム
しかも、炊事も給湯も明らかにテレビよりも「生活上の優先度」は高いわよねぇ。


※ちなみに、経産省のグラフ自体もテレビ・DVDの位置が数字の順番的におかしいです。


マリサ
この時点でテレビ朝日の言い分は言い訳にすらなっていないんだが、ここで興味深い事があってな。


レイム
この印象操作以外にも何かあるの?


マリサ
マスコミってこの手の数字やグラフっぽいものを利用した印象操作は元から日常的に行っているんだぜ。


マリサ
たとえば2010年のNHKのニュース番組の事例では、内閣支持率の変化を、5月から6月と6月から7月の期間でこんな風に変化させて支持率が急落していないように見せたという事例を過去に紹介したよな。


マリサ
他にも、2020年にアベマTVで放送された「72時間ホンネテレビ」に関して、KBC九州朝日放送がこんな印象操作をしているな。


マリサ
それ以外にも、テレビ朝日報道ステーションが、2020年に一連の日本学術会議の問題に関して、こんなのを番組で表示しているな。


レイム
ちょっとまって、これぱっと見だとグラフっぽく見えるけどただの背景色よね。
ちゃんと注目しないと「見直すべきだとは思わない」
と答えた人の方が多いように見えるグラフ」という印象を受けるようになっていると。


マリサ
そういう事だぜ。
そしてこういう事をテレビ局はずっとやって来たけれど、これまではどんなに批判されても釈明なんてしなかったんだぜ。


レイム
なるほど。
釈明自体が何の釈明にもなっていないけど、これまでならその釈明すらしなかったから、そこが大きく違うわけね。


マリサ
そう、言い訳が言い訳にすらなっていないが、「反応した」という事自体が重要なんだぜ。


過去にも問題化


マリサ
でな、今回の節電の件自体、問題化したのはこれが初めてじゃなくてな、2011年の東日本大震災の節電の際にも「テレビ局の節電」問題が発生しているぜ。
次の記事を読んでもらうと

いっそテレビ放送を一時休止したら? 大胆な節電提言、ネットで相次ぐ
J-CAST 2011年07月23日
https://www.j-cast.com/2011/07/23101824.html?p=all

「テレビは、番組で毎日節電を呼びかけてくるが、放送を日中一時休止すればいい節電になるのではないか」――こんな指摘がインターネットの個人ブログや「Q&A」サイトなどで今も続いている。

2011年3月の東日本大震災直後の「放送自粛」があっというまに終わり、いつのまにかクイズやバラエティ番組だらけの日常に戻ったことに対する、視聴者の苛立ちもあるようだ。
大口需要者としての節電責任は果たしているとテレビ局

NHKや民放在京キー局は、前年夏比15%減の節電が義務付けられている大口需要者にあたる。当然ながら各局で、スタジオ内の照明や冷房対策などに取り組んでおり、番組制作を比較的電力に余裕がある土日に移すところもあるようだ。

キー局などが加盟する日本民間放送連盟(民放連)の広瀬道貞会長は、5月下旬の会見で、在京キー局の節電対策について「15%削減はほぼ実現できる見込みだ」と胸を張っていた。

真夏の電力ピーク時に大きな影響を与えるのではないかといわれていたのが、NHKなどで放送される夏の全国高校野球選手権大会甲子園球場)。これについては、いち早く関係者の間で決勝戦が夏の大会では初となる午前開始とすることが決まり、電力需要がピークを迎える午後の早い時間帯の試合を避けた。

テレビ局側はこのように、すでにいろいろな手立てを尽くしているというが、ネットでは「日中の放送の一時休止」「他局との輪番制放送」などの過激な意見が後を絶たない。テレビ局そのものの節電や放送上の工夫だけでなく、放送される番組の数が減れば、その分テレビをみる人も少なくなり節電効果が上がるのではというわけだ。

こうした指摘に対しては、「特定の番組が放送されなくなっても、同じ時間帯の別番組をみれば家庭の節電にはならない」との反論もあるが、「くだらない番組など放映する電気があるのならその間だけでも停止すればよさそうなもの」「年がら年中通販番組ばかり放送している民放BSも停波していい」といった賛成論も根強く、7月に入ってもネット上で書き込みが相次いでいる。
政府「テレビは必要な時以外、消しましょう」

中には、輪番制でなく、NHKを含めた全局が一定時間一斉に放送を休止する案を提起する人もいる。また、政府の節電呼びかけには「テレビは必要な時以外、消しましょう」とあるが、テレビが「消しましょう」と呼びかけたのは聞いたことがない、と不満をもらす意見も少なくない。

こうした指摘に対し、テレビ業界では、「テレビを家庭で消すことと放送を続けるということは別」(テレビ東京の島田昌幸社長)といった見方が支配的のようだ。島田社長は5月下旬の会見で、「こういう不安定な時こそ、私は放送を続けることが大事だと思っています」と語っている。

テレビ局は番組を放映しないと広告収入が入ってこない。そうした経営面からも「一時休止」「輪番放映」などは、簡単ではないのも事実だ。

もっとも異論もある。フジテレビ系の情報番組「とくダネ!」で司会を務める小倉智昭さんは、4月14日の放送で、「テレビ局(の節電対策)はどうなんだという話が絶対出てきます」と指摘。民放各局が輪番制で午後の時間帯に放送休止する対策もあり得るとの考えを披露していた。

政府の節減呼びかけサイト「節電.go.jp」によると、テレビ利用時間の3分の1程度あるとされる「ながら見」をなくしてその間テレビを消し、省エネモード設定と「画面輝度を下げる」の3点を実行すると、家庭で「2%」の節電効果があるとしている。ちなみにエアコンの設定温度を2度上げた場合は、「10%の効果」なのだそうだ。

マリサ
2011年7月のJ-CASTの記事なんだが、当時 「テレビは、番組で毎日節電を呼びかけてくるが、放送を日中一時休止すればいい節電になるのではないか」という批判がネットを中心に起きていたんだぜ。


マリサ
で、記事によると輪番制や完全停波までいろいろな主張があったようで、テレビ業界からは「こういう不安定な時こそ、私は放送を続けることが大事だと思っています」という意見や、「テレビ局(の節電対策)はどうなんだという話が絶対出てきます」という意見も出てきていたようだが、結局何もしなかったという背景があるんだぜ。


レイム
まあ、さっきも言ったけどテレビって生活するうえでの優先度は低いからね。


マリサ
そして次の記事では

黙殺された野村総研の“TV消せばエアコンの1.7倍節電”報告
NEWSポストセブン 2011.08.10
https://www.news-postseven.com/archives/20110810_28053.html?DETAIL

「こまめに電灯を消そう」「エアコンの設定温度を28度に」――テレビのワイドショーでは、様々な節電方法が連日紹介されている。その一方で、黙殺され続けている一番効果的な節電方法がある。

 それはズバリ「テレビを消すこと」だ。

 興味深いデータがある。野村総合研究所が4月15日に発表した『家庭における節電対策の推進』なるレポート。注目したいのは「主な節電対策を講じた場合の1軒あたりの期待節電量」という試算だ。

 これによれば、エアコン1台を止めることで期待できる節電効果(1時間あたりの消費電力)は130ワット。一方、液晶テレビを1台消すと220ワットとなる。

 単純に比較しても、テレビを消す節電効果は、エアコンの約1.7倍にもなるということだ。

 この夏、エアコンを使わずに熱中症で亡くなる人が続出している。にもかかわらず「テレビを消す」という選択肢を国民に知らせないテレビ局は社会の公器といえるのか。

 自分たちにとって「不都合な真実」を隠しつつ、今日もテレビはつまらない番組を垂れ流し続けている。

マリサ
2011年8月の週刊ポストの記事なんだが、野村総研が同年4月、『家庭における節電対策の推進』というレポートを出していて、そのなかで「テレビを消す節電効果は、エアコンの約1.7倍にもなる」と報告していたが、テレビ局はそれを黙殺したと書かれているんだぜ。


レイム
ああ、要するによそには節電を呼びかけながら、自分達の利権だけはがっちり守っていたから、当時それで批判されていたわけね。


マリサ
で、実際の野村総研の調査結果がこれだぜ。

震災復興に向けた緊急対策の推進について
野村総研 2011 年 4 月15日
https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/act311/201104_fukkou6.pdf?la=ja-JP&hash=648EDD73329ECE0880D5B0CFE122CFFDCAD5A6DA

1)主な節電対策の効果の差
家庭で実施可能な主な節電対策を行うとして、いくつかの前提条件をおいて 1 軒あたりの期待節電量を試算すると、その合計値は 696W となる(図表 2)。

図表 2 主な節電対策を講じた場合の1軒あたりの期待節電量
一方、震災後に実施された主な節電対策の実施率は、「照明をこまめに消灯する」が 86%、「テレビをこまめに消す」が 65%、「使用していない家電製品のコンセントを抜く」が 59%と、電気のオンオフをこまめに行う節電が上位の回答となった(図表 3)。

図表 3 主な節電対策の実施率
上記で挙げた主な節電対策の期待節電量に、それぞれの実施率を乗じて、実績ベースの想定節電量を試算したところ、1 軒あたり 371W となった。つまり、震災後の実績をベースにすると期待節電量の約半分しか節電されないことになる(図表 4)。
主な節電対策 節電効果 前提条件
照明をこまめに消灯する 162W 白熱電球3つを消す
テレビをこまめに消す 220W 液晶テレビを消す
使用していない家電製品のコンセントを抜く 6W テレビ・DVDレコーダー・パソコンのコンセントを抜く
エアコンの温度設定を上げる 52W エアコン2台の温度設定を2°C上げる
使用するエアコンの数を減らす 130W エアコン1台を止める
白熱電球を省エネ型照明に交換する 126W 白熱電球3つを蛍光灯に交換する
合計 696W
主な節電施策 実施率
照明をこまめに消灯する
テレビをこまめに消す
使用していない家電製品の
コンセントを抜く
エアコンの温度設定を上げる
使用するエアコンの数を減らす
白熱電球を省エネ型照明に交換する
86%
59%
52%
34%
65%
13%
出所)各種資料より野村総合研究所作成


マリサ
見てのように、テレビをこまめに消すと相当な節電効果があるという事が解っていたんだぜ。


レイム
それで2022年6月の事例では、テレビ朝日の印象操作グラフが批判されたって背景があるのね。


マリサ
ただ、この数字はあくまで「2011年時点」って事が重要だぜ。


論点のすり替え


レイム
という事は、今は違うって事?


マリサ
テレビの節電技術が進歩して、大幅な消費電力カットが実現しているから、今のテレビは当時ほど消費電力が大きくないぜ。


マリサ
ただな、今回テレビ朝日が批判された原因は、「グラフの数字を隠した」からであって、2011年の野村総研のデータは「切っ掛けの一つに過ぎない」って事だぜ。


レイム
そういえばそうね。
これまでマスコミ業界は統計グラフを都合の良いように弄って印象操作をしてきたからこそ、今回の事例のテレビ朝日は批判されたわけだしね。


マリサ
そういうことだぜ。
そのうえで、テレビ朝日が批判された後に出てきた次の記事を見てくれ

「テレビ消せばエアコンの1.7倍節電」は誤り。2021年時点ではどちらも「大きさや種類による」
篠原修司ITジャーナリスト/yafoo 2022/6/28

https://news.yahoo.co.jp/byline/shinoharashuji/20220628-00303057

 2011年8月に書かれたNEWSポストセブンの「テレビを消すとエアコンの1.7倍もの節電効果がある」との記事が拡散していますが、これは2022年現在では誤りです。
ソースは野村総研の2011年のレポート

 この記事の元となっているのは、野村総合研究所が震災復興に向けて2011年4月に発表したレポート(※PDF)です。

 このレポートによると家庭でできる節電対策として「液晶テレビを消す」と220Wなのに対し、「エアコンを1台止める」と130Wの効果があるとされています。

 そしてレポートでは各家庭(3,000サンプル)にアンケートを取った結果、「テレビをこまめに消す」の実施率は65%と高いものの、「エアコン台数削減」の実施率は34%に留まるため、期待節電量が大きい割に実施率の低い「エアコンを1台止める」のプロモーション活動を実施すれば、大きな追加の節電効果を期待できるとまとめられています。

 そしておそらく突っ込まれると思いますので書いておきますが、この誤りを世間に拡散したのは2011年当時の筆者です。

 「液晶テレビを消す(220W)」と「エアコンを1台止める(130W)」の数字を見て、「節電にはエアコンを切るよりテレビを切った方が1.69倍効果的」との記事を2011年7月にブログに掲載しました(記事は数年前に削除したため現在は閲覧できません)。

 NEWSポストセブンの記事は翌8月に書かれており、野村総研のレポートが4月であることを考えると推測ではありますが筆者の記事か、それに言及した記事を見て書かれたものだと思われます。つまり火元は私です。申し訳ありません。

 いまになって確認し直してみれば、この「節電にはエアコンを切るよりテレビを切った方が1.69倍効果的」という情報には大きな誤りというかミスリードが含まれています。それは液晶テレビの消費電力が220Wもあるという点です。
液晶テレビの消費電力が220Wを超えるのは40V型以上

 野村総研のレポートでは、液晶テレビの消費電力が220Wとされています。

 このデータの出典がどこなのかは書かれていませんが、エアコンの消費電力の132W(レポートでは丸めて130Wと表示されている)は資源エネルギー庁の『省エネ性能カタログ2010夏版(※PDF)』から算出したとあるため、この資料の液晶テレビの数字を参考にします。

 そうすると、2010年時点で消費電力220Wを超える液晶テレビは大型のものに絞られます。

 例えば当時、各メーカーが販売していた32V型液晶テレビの消費電力は最大値で162W、平均値は98Wです。37V型でも最大値は187W、平均値は152Wです。

 220Wを超える数字は40V型の東芝REGZA 40A8000』の225Wが初出となりますが、その40V型でも最大値が225Wなだけであり、平均値は158Wとなります。

 平均値が220Wを超えるのは47V型からで、ここで初めて平均値が246Wとレポートにあった220Wを超えます。文字では伝えづらいため、表にまとめると次のようになります。

 近年はやや微増傾向にありますが、2010年と比べてれば大きく下がっていることに変わりはなく、このグラフを見れば2022年現在に2010年時点の消費電力を持ち出してきて比較するのは誤りだと言えます。
テレビとエアコン、現在はどちらが節電に効果的なのか?

 それではテレビとエアコン、2022年現在はどちらが節電に効果的なのでしょうか?

 結論から言うと「それぞれの大きさによる」のですが、資源エネルギー庁の『省エネ性能カタログ2021版』から消費電力を算出してみました。

 消費電力の算出方法は、資料に従って次のようにしています。

エアコン:冷房期間消費電力量(kWh)÷冷房期間3.6ヶ月(6月2日~9月21日の112日)÷1日あたりの運転時間(6:00~24:00の18時間)
テレビ:年間消費電力量(kWh/年)÷1年(365日)÷1日あたりの使用時間(5.1時間)

 その結果、出てきた数字は次のとおりです。
エアコンの消費電力(数字は四捨五入。平均値から算出)

冷房能力2.2kW(6~9畳):91W
冷房能力2.5kW(7~10畳):100W
冷房能力2.8kW(8~12畳):114W
冷房能力3.6kW(10~15畳):168W
冷房能力4.0kW(11~17畳):182W
冷房能力5.6kW(15~23畳):268W

液晶テレビの消費電力(数字は四捨五入。平均値から算出)

液晶テレビ 2K未満・30インチ以上:37W
液晶テレビ 2K・50インチ未満:38W
液晶テレビ 4K・50インチ未満:76W
液晶テレビ 4K・50インチ以上:110W
液晶テレビ 8K:246W
有機ELテレビ 4K:125W

 数値はあくまでも平均値ですが、テレビは50インチ(50型)未満であればエアコンよりも消費電力は小さいです。

 また、50インチを超える場合でもエアコンの冷房能力が最低10畳以上になってくるとエアコンと同等くらいになります。

 ちなみに「液晶テレビ 8K」と「有機ELテレビ 4K」の平均消費電力が高いものの、この項目は資料に掲載されているメーカーがシャープのみであり、種類もそれぞれ「液晶テレビ 8K」が7機種、「有機ELテレビ 4K」が5機種と少ないため、他メーカーの数字が入ってくると平均消費電力は大きく上下する可能性があるため注意してください。

 いずれにせよ、10畳以上用の大型エアコンを使っているご家庭では、テレビよりもエアコンを消した方が節電には効果的だと言えそうです(『省エネ性能カタログ』のため掲載されていないのだと思われますが、プラズマテレビだけは消費電力がかなり大きいためエアコンを消すより節電になりそうです)。

熱中症対策にエアコンはつけて。テレビを消そう

 とは言え、この数字をもって「エアコンを消しましょう」と言うわけありません。

 節電が呼びかけられているとは言え、熱中症のことを考えればエアコンよりもテレビを消すべきなのは間違いないからです。

マリサ
記事では、さっきのポストの記事はあくまで40インチ以上のテレビの場合であり、また2011年の時点よりテレビの消費電力は大きく下がっており、「テレビは50インチ(50型)未満であればエアコンよりも消費電力は小さい」「50インチを超える場合でもエアコンの冷房能力が最低10畳以上になってくるとエアコンと同等くらい」と書かれているぜ。


レイム
つまり、50インチ以下であれば一般的にエアコンよりもテレビの消費電力は低いし、エアコン自体も10畳を超える広さになると消費電力が50インチテレビと同等かそれ以上って事ね。


マリサ
そして次の記事では


野村総研、「テレビ消せばエアコンの1.7倍の節電効果」レポートに注意喚起 「11年前とは家電の性能が異なる」
ITmedia 2022年06月28日
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2206/28/news197.html

 「テレビ消せばエアコンの1.7倍の節電効果」──政府が企業などに節電を呼びかける中、野村総合研究所野村総研)が11年前にまとめた、節電に関するレポート内容がTwitterで注目を集めている。これに対し野村総研は「当時と今では家電の性能が異なる。参考程度にとどめてほしい」と注意を呼び掛けている。

 話題になっているのは野村総研が2011年4月にまとめた「家庭における節電対策の推進」という調査レポート。11年3月の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所での事故を受け、政府(当時は民主党政権)が節電対策を検討する中、同社は家庭で実践できる節電対策を独自調査を基にまとめた。

 レポートでは「主な節電対策を講じた場合の1軒あたりの期待節電量」を696Wと設定。このうち「使用するエアコン台数を減らす」では130Wの節電効果があると明記した。これに加え、「テレビをこまめに消す」ことで220Wの節電効果があるとも記載していた。エアコン削減の1.7倍の節電効果がある計算になる。

当時の週刊誌報道が原因か

 ここまでTwitterで話題になった要因の一つが、当時の週刊誌の報道だ。小学館が運営する「NEWSポストセブン」は11年8月10日付けの記事で「黙殺された野村総研の“TV消せばエアコンの1.7倍節電”報告」との見出しとともに、野村総研のレポート内容を報道した。

 記事では「エアコンを使わずに熱中症で亡くなる人が続出している。にもかかわらず『テレビを消す』という選択肢を国民に知らせないテレビ局は社会の公器といえるのか」と当時のマスコミ報道を批判していた。こうした記事が何者かによって“発掘”され、拡散されたことで大きな話題になったとみられる。

 野村総研は取材に対し「話題になっているのは11年前のレポート。レポートを手掛けた担当者は既に辞めている上、当時と今では家電の性能が大きく異なる。電力の使用状況も当時のものなので参考程度にとどめてほしい」と注意を呼び掛けている。


マリサ
野村総研が「当時と今では家電の性能が大きく異なる」としたうえで、騒動の原因をポストの記事と名指しし「こうした記事が何者かによって“発掘”され、拡散されたことで大きな話題になったとみられる」と書いているぜ。


レイム
あれ?
さっきの記事でも違和感があったのだけど、問題の本質は2011年の野村総研のレポートではないし、それどころか2011年時点のポストの記事は「何も間違っていない」わよね?


マリサ
この2つの記事って火消しだぜ。
問題の本質はテレビ朝日が「グラフで印象操作をした」ことで、そういった行為がマスコミ業界で日常化していたという背景があったからこその批判だからな。


レイム
そもそも、消費電力がエアコンより少ないという事を釈明に使って火消しをするなら、なおさらなんで経産省のグラフのテレビの消費電力をその他に組み込んで消したのか、記事でもその辺りを説明しないとだめよね。


マリサ
あと、なんでテレビ朝日の釈明に消費電力の件が入っていないかとか、色々矛盾が出るんだぜ。
結局さ、テレビ朝日は「節電の話とテレビの消費電力を関連付けたくない」から、あんな印象操作をしたというだけの事と自白してるも同じだぜ。


レイム
で、2011年の時のような節電の話に発展しないように、一生懸命整合性の取れない話で論点をすり替えつつ火消しが行われたと。

今回のまとめ

テレビ朝日経産省のグラフを印象操作
・2011年にもテレビと節電の話が話題に
論点のすり替えでの火消しが行われた

マリサ
今回の件を2011年の時点での節電の話と比較するとわかりやすいが、2011年の時点ではテレビ局は節電の話をされてもほぼ無視していられたってことだぜ。


レイム
ああ、でも2022年のテレビ朝日の事例では、いつも通り印象操作でグラフをいじって誤魔化そうとしたら批判され、言い訳になっていない言い訳で釈明した挙句、論点のすり替えによる火消しまで発生していたって事ね。


マリサ
そうだぜ。
で、2011年との違いは何かといえば、それだけテレビ局の影響力が下がって、視聴率も右肩下がりだからこそ、以前は殿様商売で無視できていた批判すら無視できなくなって、今回紹介したようなちぐはぐな言い訳までする状況になっているって事だぜ。


レイム
というか、こんな有様なら結果論としてだけど今まで通り無視していたほうがまだマシだったかもね。


マリサ
それを無視できなくなるほどテレビ局の影響力が落ちているって事だぜ。
ネットという強力な双方向メディアが登場したというのも当然あるが、それと同時にこうやってテレビ・新聞業界が自ら信用を失う行為を続けて自滅していったという経緯もあるんだぜ。


レイム
まあ、本来はテレビにしても新聞にしても、インターネットとそれほど相性が悪いってこともないしね。
インターネットとは「場所」でしかないのだし。


マリサ
マスコミ業界が旧態依然とした情報寡占から抜け出せず、批判と向き合えなかったことが今回のテレビ朝日の騒動のような結果を生み出したともいえるぜ。


レイム
なるほどね。


マリサ
そんなわけで今回の本編はここで終わるぜ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~


大口
ところで、動画投稿時間についてお知らせがあります。


マリサ
ん?いきなりなんだ?


大口
今まで毎週”どようび”投稿としていましたが。
次回より日曜日の「概ね午後」の投稿に変更します。


レイム
ちょっとまって、今までも殆ど日曜日の投稿だったじゃない。


マリサ
というか「概ね午後」ってなんだよ。


大口
まずレイム、「どようび」ね。
あと「概ね」の理由は、日曜日の午前中は用事があることが結構あるので、帰ってきてから投稿することが多くなるけど、時間があれば午前中投稿も可能だからです。


レイム
というかいまさらっと流したけど、「どようび」ってなによ。


大口
「どようび」は「どようび」だよ。
今回、「どようび時間」の改定により「どようび」が日曜日に編入されることが決定されたことも影響しています。


マリサ
意味が解らないんだぜ。


レイム
まあ要するに、来週からは日曜日の午後に動画を投稿するって事ね。


大口
そういうことなので、次回からは日曜日の午後、たまに午前に投稿されると覚えておいてください。


マリサ
そんなわけで今回はここで終わるぜ。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~





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