さて、本日はよく韓国擁護者の使うフレーズである「一部の例」「政府がおかしいだけ」という内容への一種の「回答」を扱っていきます。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています
・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
韓国において、たとえば「対日」などで最も過激化しやすいのは、政府でも「一部の人々」でもなく、多数派の世論であり、たとえば福島原発の処理水問題では、元々は政府が煽った側面が強いが、今はむしろ世論に引っ張られているケースが多い。
この傾向は、日本とは直接関係のない新型コロナ問題などにおいても、当初は政府やメディアが特定方向に煽る場合が多いが、最終的には政府やメディアが世論に引っ張られるというパターンになっている。
またこうした韓国における世論の過激化には、日本のメディアも深く関わっており、一連の佐渡金山世界遺産登録の件では、毎日新聞の記事が韓国側の大義名分として韓国内で宣伝され、世論の先鋭化に一役買っている。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
1:暴走する処理水問題
まずはこちらの記事から
韓国与党のイ・ジェミョン候補「放射能に汚染された日本の水産物の輸入は禁止する」
ハンギョレ新聞 2022-01-17
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/42297.html
四七判目の「小さくも確実な幸せ」公約を発表
共に民主党の大統領候補イ・ジェミョン氏は、放射能に汚染された日本の水産物の輸入を禁止するなど、水産食品の安全に責任を負うと表明した。
イ候補は16日、47番目の小確幸(小さくも確実な幸せ)公約を発表し、国内産水産物に対する放射能検査の強化と国際基準の安全管理制度である「ポジティブリスト制度」の導入を公約しつつ、このように述べた。イ候補は「残留許容基準のない物質もキログラム当たり0.01ミリグラム以下のケースのみ輸入を認めるよう、強力な措置を取る」と強調した。また放射能検査に必要な機器や人材などの安全管理インフラを大幅に拡大すると述べた。イ候補は「老朽化した委託販売所の現代化に合わせて放射能検査機器、実験室などに対する投資を増やしていく」と述べた。
イ候補は、国民の力の大統領候補ユン・ソクヨル氏の昨年8月の地域メディアとのインタビューにおける「日本の福島第一原発は崩壊しなかったので、放射能の流出はなかった」との発言に言及し、批判した。イ候補は「真実は明らかだ。2011年3月の地震と津波が福島第一原発を襲い、建物が損傷し、原発の機能がマヒして大規模に放射性物質が流出した」とし「国際原子力機関は国際原子力事象評価尺度(INES)の最高等級であるレベル7を与えた」と指摘した。続いて「外交的低姿勢で福島第一原発の放射能汚染水の危険性を無視することは、国民の命と安全に目をつぶることにほかならない」とし「国民の安全を守ることについては、過剰対応と評価されるほど強力に対処する」と述べた。
ソ・ヨンジ記者
日本の原発汚染水放出に「強力対応」 韓国大統領選与党候補が公約
聯合ニュース 2022.01.16
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220116000500882
【ソウル
聯合ニュース】韓国の与党「共に
民主党」の大統領選候補、李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事は16日、自身の
フェイスブックで
東京電力福島第1
原子力発電所の処理済み汚染水の海洋放出問題に強力に対応すると明言した。
李氏は日本がさまざまな憂慮と反対にもかかわらず、汚染水の放出計画を強行しているとして、「情報公開と検証がない放出計画は歴史、領土問題に続き、韓日両国の未来志向的な関係構築にも大きな障害となる」と指摘。「水産物の安全と国民の生命を守る」とし、「一方的な放出に対する強力な外交的対応とともに、経済的な被害と水産物の安全に積極的に備える」との公約を掲げた。
また、「放射能調査を強化し、安全管理制度である『許容物質目録管理制度』を導入し、日本の放射能汚染水産物の輸入を徹底的に防ぐ」との公約も表明した。
保守系最大野党「国民の力」の大統領選候補である尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長がメディアとのインタビューで、原発自体が崩壊したわけではなく、放射能流出はなかったと発言したことを取り上げ、「弱腰の外交で福島原発の放射能汚染水の危険から目をそらすことは国民の生命と安全に目をつぶることと同じ」と非難した。
その上で、「国民の安全を守ることについては過剰対応と評価されるほど強力に対処する」と強調した。
記事では、与党系次期大統領候補の李在明氏が、「(当選したら)放射能に汚染された日本の水産物の輸入を禁止する」と宣言し、その理由として、野党系候補の尹錫悦氏の「日本の福島第一原発は崩壊しなかったので、放射能の流出はなかった」という発言に対する批判のためであったとしています。
ではなぜこんなことになったかというと、
尹錫悦前検事総長「日本原発汚染水、政治的問題じゃない」発言…韓国環境団体「謝罪せよ」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.07.08 17:01
https://japanese.joins.com/JArticle/280575
野党の有力な次期大統領候補である尹錫悦(ユン・ソクヨル)前
検事総長が日本の
福島原発汚染水の海洋放流について「過去には問題視しなかった」と発言したことを受け、環境団体が強く批判した。
環境運動連合は8日、報道資料を通じて尹前総長について「日本政府の福島放射性汚染水放流に関する正当化発言を謝罪せよ」と要求した。連盟は「尹前総長の発言は、福島放射性汚染水の危険性とこれによる環境汚染を懸念する市民の憂慮を無視するもの」とし「韓国政府も福島汚染水放流に対する明確な反対の立場を表明しており、国会でも日本政府の汚染水の海洋放流決定に関する糾弾決議案を採択した」とした。
環境運動連合は「放射性汚染水約126万トンの汚染水72%には毒性の高い放射性物質が最大基準値の2万倍以上存在している」とし「日本政府は、放射性汚染水を水で希釈し、基準値以下にして捨てると言うが、結局は放射性物質の総量は変わらないため、人類最悪の海洋汚染をもたらさざるを得ない」と指摘した。
また、団体側は「日本政府が実行しようとしている放射性汚染水の海洋放流は、人類の生命の源である海に対する核テロ」とし「国民の生命と安全を無視した状態で脱原発反対を政治的利益に活用する尹錫悦前検事総長の無分別な歩みを糾弾する」と述べた。
先立って6日、尹元総長は大田市儒城区(テジョン市・ユソング)のビヤホールで開かれた討論会に出席した後、記者団に会って福島の放流に対する韓国政府の対応に関する質問に「その時その時で、政治的次元で判断するような問題ではない」とし「事実、過去には大きく問題視しなかった」と述べた。
これについて、李在明(イ・ジェミョン)京畿道(キョンギド)知事は7日、「日本の極右勢力の主張、これを代弁する日本政府の論理と変わらない」と批判した。李洛淵(イ・ナギョン)前共に民主党代表も「日本自民党総裁に挑戦したのか、大韓民国大統領候補に挑戦したのか区別し難い」と述べた。
去年の7月の事なのですが、尹錫悦氏が記者団とのインタビューで、政府の処理水問題への対応を聞かれ、「その時その時で、政治的次元で判断するような問題ではない」「事実、過去には大きく問題視しなかった」と答えたのが発端となり、その後も類似の発言をし続けたからです。
またしばらくすると
韓国前検察総長の支持率が下落傾向に…福島失言・国民の党代表との葛藤のせいか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.08.10 07:37
https://japanese.joins.com/JArticle/281712
韓国野党・国民の力の大統領候補である尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検察総長と崔在亨(チェ・ジェヒョン)前監査院長は
脱原発政策に反対して現政権に対抗したことを政治参加のきっかけだと説明する。二人は政治参加宣言後、
脱原発の主張も続けた。
だが、脱原発政策に対する過激な反対は経済的・論理的に正しい方向だといっても選挙技術的には必ずしも得になる戦略ではないという声も政界の一部から出る。国民のほとんどは原発に対して効率性というメリットと危険性というデメリットを同時に感じる二重的な感情を持っているためだ。
2019年5月韓国原子力学会がまとめた「原発に対する認識調査(第4回)報告書」によると、調査対象の72.3%が原発に賛成し、反対は25.2%に過ぎなかった。反面「国民の生命と財産に大きな危険を及ぼす重大事故が起こり得る」という原発のデメリットに対する回答も72.9%に達した。
政界では尹前総長の「福島原発発言」が論議を呼んだのもこのような国民感情と関係があるとみている。尹前総長は4日、釜山(プサン)日報とのインタビューで「福島原発は爆発したのではない。そのため、放射能流出は基本的になかった」と言って大きな論議を呼んだ。
実際、最近尹前総長の支持率が下落傾向だ。TBSの依頼で6~7日調査を実施して韓国社会世論研究所(KSOI)が9日発表した次期大統領候補適合度調査で、先週に比べて4%ポイント下落した28.3%となった。先月30日、国民の力入党後に発表された2日調査で5.4%ポイント上昇して享受した「入党効果」をほぼ返上したわけだ。韓国ギャラップが3~5日調査して6日に発表した調査でも、1カ月前の調査に比べて6%ポイント落ちた19%だった。
尹前総長の支持率下落に対して、政界では福島失言が大きな影響を及ぼしたうえに、不正食品、フェミニズムなど相次いだ不適切な発言と李俊錫(イ・ジュンソク)代表との葛藤などの様々な要因が働いたとみている。
尹錫悦氏の発言が韓国内で「失言」と認識され、他の件も含めてこの時期の彼の支持率低下につながったという事です。
そしてさらに興味深いのが、李在明氏と尹錫悦氏の支持率は現在までずっと一進一退を続けており、例年通りならばこの時期には大統領選の情勢がほぼ固まっているにも関わらず、現在も支持率が拮抗し、その原因が20代から30代の層の支持が候補の言動次第で移動しているからだと韓国内で指摘されています。
このことから解るのは、まず韓国内では日本の処理水放出の件が大統領選挙の争点になるほど関心が高く、更に日本に少しでも有利な発言があればすぐさま支持率に影響を与える事、また特に影響を与えているのが20代から30代という比較的若い層であるという事です。
元々この件は、2012年に日本が五輪招致に立候補した際、当時の李明博政権が嫌がらせ目的で「放射能汚染」云々を言いだしたことに端を発し、文在寅政権が以下のように
【コラム】文在寅大統領のでたらめな「脱原発」演説
朝鮮日報 2017/06/29
https://web.archive.org/web/20170703025104/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/06/29/2017062901100.html
記憶をたどってみると、
文在寅(
ムン・ジェイン)大統領が
脱原発に初めて本格的に言及したのは2012年のことだった。当時は大統領選挙を前で、
福島原発事故発生後の日本を訪れた時だ。数日間はニュースになったが、それだけでその話題は出なくなり、文大統領は同年の大統領選挙で落選、
脱原発の話もなくなった。それから文大統領が再び
脱原発について語るのを聞いたのは昨年冬、
韓国映画『パンドラ』の試写会場だった。この映画は、
地震で
原発が爆発して深刻な被害が出たのに、政府は無能だったというストーリーだ。文大統領はこの映画を見て、「たくさん泣いた」と言った。しかし、
原子力専門家らはこの映画を「とんでもない内容だ」と酷評した。映画は観客動員のため極端な状況を設定し、大きく誇張することが多い。それにもかかわらず泣くとは、フィクションを事実のように感じて受け止めてしまっているようだ。一般人ならよくあることだろうが、大統領がこの映画を見て感じた心情のままに国家政策を左右しようというなら尋常なことではない。
事実、文大統領は就任して1カ月余りで脱原発政策を発表した。この脱原発政策は、政策そのものが与える衝撃よりも、そのプロセスの方が衝撃的だ。文大統領自身の原子力知識が『パンドラ』以上とは言いがたいだろう。文在寅陣営の環境・エネルギーチームにも原子力専門家とされる人はいない。責任者は李明博(イ・ミョンバク)政権の「4大河川整備事業」に反対した河川環境専門家だった。エネルギー関連公約では、環境活動家1人と微生物学専攻の医学部教授が関与していたという。このとんでもない政策を発表しておきながら、どんな人々がどのような根拠で決定したのかについては、まだ明確な説明がない。このため、環境に対して偏見を持つ何人かが集まって「なにか一発やってやろう」という調子で決定したのが「脱原発」なのではないかという懸念が頭の中から消えない。
https://web.archive.org/web/20170703024809/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/06/29/2017062901100_2.html
文大統領の脱原発は福島第一原発事故で頭に浮かび、昨年の慶州地震でしっかりと固まった。ところが、これは完全に間違った認識であることが最近になって明らかになった。ソウル大学のチュ・ハンギュ教授が新聞への寄稿で一つ一つ指摘している。文大統領は脱原発宣言式で慶州地震を例にあげ、「韓国は地震安全地帯ではない」と言った。そして、「地震による原発事故はあまりにも致命的だ」として、福島を例に挙げた。福島原発事故は地震ではなく、地震後の津波で発電機が浸水したために起こった事故だ。津波のない一般的な地震だったら福島の事故はなかった。つまり、慶州地震問題と関連付けることはできないのだ。英国の原子力専門メディアは「韓国政府は福島原発事故の原因が地震ではなく津波であることを知らないようだ」と報じた。世界的に見ても地震だけで発生した原発事故は1件もない。
文大統領はまた、「福島原発事故で1368人が死亡した」と言った。これではまるで放射能が原因で死亡したように聞こえる。福島で放射能による死者はまだ1人もいない。日本のメディアは「日本政府は1368という数字がどこから出てきたのか分からず困惑している」と報道した。福島での死者と言えば、主に被災者が避難先などで生活して、別の理由で死亡したケースを指す。そして、その3分の2が80代以上の高齢者だ。文大統領は「放射能の影響による死者やがん患者発生数は把握することさえ不可能だ」と言った。しかし、福島で調査活動を続けている世界保健機関(WHO)が調べた結果、小児甲状腺がんなど特記すべき病気の増加は観測されていない。
https://web.archive.org/web/20170703163528/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/06/29/2017062901100_3.html
文大統領は「設計寿命に達した原発の稼働を延長することは、船舶運航可能な船齢を引き延ばしたセウォル号のと同じ」とも言った。米国の原子力発電所99基のうち88基は20年の追加稼働承認を受けたものだ。原発の稼働延長を沈没事故を起こした貨客船セウォル号に例えるのは、原発に対する基本的な理解もないということだ。今回停止した古里1号機と同じ原発が米国で延長稼働されている。韓国は米国より金持ちなので、まだ使える原子炉を停止したのだろうか。
文大統領が「欧米の複数の先進国が原発を減らし、脱原子力を宣言している」と述べたのも一方的な主張だ。英国は原発増設を推進しており、福島事故があった日本は原発再稼働を開始した。脱原子力を宣言した台湾も先日、原発再稼働を発表した。今、世界では新規の原発60基が建設中だ。このほど行われた世界原子力業界会議は大盛況のうちに終わったという。
文大統領は「再生可能エネルギーで原発は代替できる」と言った。夢のような話だ。韓国は風の質が悪く、太陽光が強い晴れの日も少ない。これは根本的な弱点だ。結局、石油とガスで発電しなければならないが、電気料金をどのように賄うのだろうか。文大統領はこのことについては話していない。原発事故が起きた日本でなく韓国で、地震が日常的に発生する日本でなく韓国で、原発稼働における最優良模範国である韓国で、唐突に脱原発だなんて、一体何の話をしているのか。1950年代から血の汗を流して築かれてきた原子力技術は、今や世界で引く手あまただというのに、これを誰が捨てられようか。任期5年の大統領が狂牛病(牛海綿状脳症〈BSE〉)騒動時のような漠然とした被害意識をあおってエネルギー「百年の計」を勝手に変えようというのか。5年間だけの大統領にできることとできないことがある。
楊相勲(ヤン・サンフン)主筆
公約である脱原発政策に日本を利用し、そこからさらにGSOMIA問題や慰安婦問題などが思うように外交カードにならない事や、対北朝鮮政策、不動産対策、雇用政策などの失政を誤魔化すために利用して今に至るという背景があります。
つまり、発端は明らかに政府による扇動で、現状はこの流れを世論が主導し先鋭化しているという事です。
そもそも、韓国側の主張は既にIAEAから全く相手にされておらず、いくら韓国政府でもこれ以上騒ぐのは得策ではないと気付いている兆候が見えますが、世論がこの有様なので引くことができなくなっているのです。
参考記事
汚染水の海洋放出 「科学的に問題ない」=韓国政府報告書 聯合ニュース 2021.04.15
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20210415001200882
「福島の汚染水、韓国への影響微々」報告書を作成した博士研究員に懲戒処分=韓国原子力研究院 朝鮮日報 2021/06/16
https://web.archive.org/web/20210615231802/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/06/16/2021061680003.html
IAEA「汚染水放流」日本に肩入れ? 「放出計画、国際慣行に符合」 ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.07.09 06:59
https://japanese.joins.com/JArticle/280579
【独自】日本の汚染水放出に「強い遺憾」なのに…研究予算は前政権の5分の1 朝鮮日報 2021/09/07
https://web.archive.org/web/20210909110701/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/09/07/2021090780204.html
韓国で放射能検査された日本産水産物、11年間65,474件のうち5件のみ微量検出 KOREA ECONOMICS 2022年1月12日
https://korea-economics.jp/posts/22011203/
2:世論に逆らえない
また、過去にも何度か指摘していますが、韓国ではメディアは世論に反することは書けません。
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以前も紹介したこの本で元東亜日報の記者が、韓国メディアでは「国民感情を傷つける記事」「国民大多数の意見に対しての反論や反対記事」は許されないという不文律が存在していると書かれています。
その結果、「対日本では全く根拠のない嘘でも許される」「国民の感情を煽るような記事を書く」「愛国心と自尊心の為なら嘘は許される」という状況になっており、このことから韓国においてはメディアは世論の意に反することを書けないという事がわかります。
そのため、現在も韓国で宣伝されている「K防疫」と呼ばれるものの実態は、以下の記事にもあるように
【コラム】監視を勧める韓国社会
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.09.16 10:32
https://japanese.joins.com/JArticle/270272
今夏最高の納涼の瞬間は地下鉄に乗っているときにやってきた。「マスクを着用していなない乗客を見かけたら取り締まりに向かうのでOOOアプリで申告してほしい」という要旨の案内放送が流れてきたからだ。マスク着用はもちろん必須だが、隣の人を監視しろと堂々と案内放送まで流すほうがもっと怖かった。近代小説家の玄鎮健(ヒョン・ジンゴン)がこれを聞いていたなら、さしずめ『監視を勧める社会』なる作品を書いていたにちがいない。
「マスク」を検索エンジンに入力すると、オートコンプリート機能で「マスク未着用申告」が選択肢の一つとして出てくる。15日現在、あるポータルサイトには「チョティン6」というユーザーが「マスクをつけていない人を撮影して通報すれば3万ウォン(約2674円)もらえるって本当ですか」というコメントを載せた。ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)2.5段階が真っ最中だった先週、常連飲食店の社長は「商店街の店舗オーナー同士、互いに監視しようとして大変」とため息をついた。ソウルのある区庁に勤める知人は「申告報奨金をもらうためには写真をどこに送ればいいのか」という電話が殺到して本来の業務ができない状況だという。そういえば、それ以前にも「スパラッチ〔報奨金狙いでゴミ(韓国語でスレギ)の分別収集を監視する人〕など、「何とかパパラッチ」が勢力を伸ばした。監視が一つの経済活動として定着し、韓国は相互監視が金儲けの手段として認識される社会へと進化中だ。
個人情報の敏感性に対する感受性が低下しているのも問題だ。居住地と携帯電話番号を名簿に記入しなければコーヒー一杯すら買えなかった先週まで、その名簿が他人に丸見えになっている状況には当惑した。個人情報はお金だ。海外で宅配住所用紙を細かく裁断するシュレッダーが人気商品なのはすべて理由がある。フィッシング詐欺師は個人情報の豊年に歓呼しただろう。ジェンダー認知感受性だけを論じるのではない。個人情報感受性の不在は監視社会のもう一つの影だ。
監視経済(surveillance economy)は、たいてい情報機関および政府が不当な方法で誤った目的達成のために市民を監視する脈絡で使われる。進歩指向のシンクタンク「ニュー・アメリカン財団」が2013年に出した報告書の核心キーワードも「監視経済」だった。9・11テロ以降に設立された米国家安全保障局(NSA)が企業および個人を盗・監聴したことが実質的経済損失につながったと分析した。監視というものは一見すると効用があるように見えるかもしれないが、終局には共同体の効率を低下させるということだ。
2020年大韓民国では、政府があからさまに報奨金を出して市民型監視経済を助長している。これに飼い慣らされている私たちは、互いを信じることができず、互いを嫌い、互いを通報する。お金では買えない社会的資本である「信頼」がこのようにして崩れていく。ここに鈍感な現実がさらに悲しい2020年の時間を刻んでいる。
チョン・スジン/経済政策部次長
政府の定めた防疫違反をした場合は逮捕され、ここまでならば他国でも同様の事例がありますが、更に韓国では2021年前半まで、記事にもあるように政府が「防疫違反者の密告制度」を推奨し、有益な通報者に報奨金を支払うという制度を行っていました。
(※密告制度はまだありますが、通報者が多すぎて政府や自治体の予算が続かなくなり、2021年1月に新型コロナ関連への報奨金が廃止されました)
また、個人情報を徹底して管理し、いわゆる「濃厚接触者」の個人情報を本人の了解なく追跡していたという事も解っています。
つまり、いわゆるK防疫の根幹とは、韓国政府が宣伝するようなものではなく、中国の行っている方式に近い形の防疫であるわけです。
中国との大きな違いは徹底した都市封鎖を行っていない事でしょう。
これがK防疫の実態であるわけですが、韓国ではそれをはっきりと口に出す人はいません。
それどころか
「K防疫」の伝道師だった李在明候補、連日コロナ対策批判
朝鮮日報 2021/12/16
https://web.archive.org/web/20211216032153/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/12/16/2021121680056.html
韓国与党共に
民主党から大統領選に出馬する李在明(イ・ジェミョン)候補は15日、コロナ患者を治療する公立病院であるボラメ病院(ソウル市銅雀区)を訪れ、「検査件数が増えれば患者が増え、患者が増えるほど、病室も重症者も問題だ。結局はコロナ対策強化に向かうほかない」と述べた。李候補は前日、「コロナ非常対応緊急声明」を出し、「ソーシャルディスタンス規制を直ちに強化してもらいたい」と政府に要求したのに続き、2日連続で対策強化を求めた格好だ。李候補は京畿道知事在任中、「K防疫(韓国流のコロナ対策)の成果をおとしめないでもらいたい」として、政府のコロナ対策を広報していたが、最近は
文在寅(
ムン・ジェイン)政権によるコロナ対策を一部批判し、政府と対立姿勢を見せている。コロナ再拡大が深刻化し、「K防疫審判論」まで登場したことから、危機感を感じたとみられる。
李候補は15日、中小企業経営者、自営業者の被害について、「支援先行、後日精算」の措置を取るよう政府に働き掛けた。李候補はボラメ病院を訪問後、記者団に対し、「状況が改善するかに見えて、再び対策が強化されれば、国民、とりわけ中小企業経営者、自営業者の苦痛はあまりに大きい」と述べた。政府が対策強化を準備する中、先手を打つ形で「李在明流」の対策を打ち出した格好だ。李候補は前日、感染者と動線が重なり、コロナ検査を受けた自身の経験に言及しながら、「平日朝から検査を受けたが、驚くほど長い列だった。それも問題だ」と語った。
李候補は京畿道知事在任中の今年初めまでは「自分も防疫責任者の一人だ」として、政府によるコロナ対策の成果を広報してきた。李候補は今年1月25日、フェイスブックに「一部にK防疫の成果をおとしめ、京畿道のコロナ感染者数が多いという主張がある」とし、「中央防疫当局が立派な能力、優れた指導力、京畿道を含む広域・基礎自治体の積極的協力と努力で世界が認める防疫成果を上げていることは否定できない事実だ」と投稿した。最近ブレークスルー感染が多数発生したアストラゼネカ(AZ)製ワクチンについても、3月23日に「AZ製ワクチンが安全で効果的だという点は既に科学的に立証された事実だ。きょうも防疫責任者の一人として揺らぐことなく政府の防疫と共にしている」と発言した。
しかし、大統領候補になって以降は「K防疫は政府よりは国民の犠牲でつくられた成果だ」と発言している。李候補は今月10日、大邱市、慶尚北道を訪れ、「国がマスク1枚買い与えたか。消毒薬、体温計を支給したか」と批判した上で、「我が国は全世界からコロナ対策をうまくやっていると称賛されているが、対策は実際には誰がやったのか。皆さんがやったものだ。他国ならばマスクを支給せずにマスクをしろと言えば暴動が起きる」と発言した。13日には青少年への防疫パス適用論争に関連し、「発表過程で『なぜ青少年の接種が必要なのか』科学的な説明を通じて理解を求め、学生と保護者の不安を解消するプロセスが不足している」と批判した。李候補はコロナワクチンを接種した小児・青少年に副反応が生じた場合、国家が責任を負う「ワクチン副反応国家完全責任制」も主張した。
李候補の立場が変化したのは、最近「K防疫審判論」が浮上している世論と無関係ではないとみられる。韓国ギャラップが今月7-9日に18歳以上の有権者1002人を対象に実施した調査の結果、政府のコロナ対策への評価は前月と比較して、プラス評価が57%から44%に減少する一方、マイナス評価が32%から47%に急増した。選対関係者は「K防疫に対する支持が揺らいでいる状況で李候補なりの対策に悩んで打ち出しているものだ」と話した。
イ・スルビ記者
こちらの記事で与党系大統領候補の李在明氏が「K防疫は政府よりは国民の犠牲でつくられた成果だ」と語ったと書かれていますが、こうした論調は彼だけではなく野党系候補の尹錫悦氏や、或いは朝鮮日報などでも見られます。
一見すると違和感ないように見えますが、よく考えるとこれはかなり奇妙な論調です。
なぜかというと、先ほども書いたように「K防疫」と呼ばれる「韓国独自の防疫」は実際には存在していません。
行っているのは中国と「似た」形式の防疫方針というだけです。
つまり、突き詰めると文在寅政権が宣伝したK防疫には実態が存在しないわけですが、韓国人の多くはK防疫の存在を固く信じ、それを誇っているため、もしK防疫の虚構性を指摘すれば世論から大バッシングを受けることになります。
そのため、単に中国と同じ方式の防疫方針で一般人が苦しんでいるというだけの事を、「国民の犠牲」=国民の努力と忍耐こそK防疫だと論点のすり替えをして、世論に迎合しているわけです。
書き方を変えると、韓国人が誇っているK防疫を否定してしまうと、それは「ウリの否定」になってしまうので、政府を「ナム」として批判したとしても、政府が作り出した虚構であるK防疫自体を否定することができず、こうした奇妙な論調になっているというわけです。
※ウリとナム
ウリ(自分達)ナム(それ以外)
自他の境界が非常に曖昧な概念であり、彼らはウリである場合自身と全く同じ正しさと感情を共有しており、「ナム」はそれ以外、或いは正しさを理解しない劣等な相手と認識される。
また、このウリの範囲はその時の都合で自身を中心に拡大縮小する。
韓国人独特の「ウリ」と「ナム」という概念 - 日韓問題(初心者向け)
【日韓問題】韓国独特の「ウリ」と「ナム」の概念 前編 - ニコニコ動画
【日韓問題】韓国独特の「ウリ」と「ナム」の概念 前編 - YouTube
3:韓国人を煽る日本人
そしてさらに問題なのが、こうした先鋭的な韓国世論の形成に深く関わる日本人の存在がある事です。
例えばこちらの事例
世界遺産と佐渡金山 文化の政治利用を危ぶむ
毎日新聞 2022/2/1
https://mainichi.jp/articles/20220201/ddm/005/070/104000c
新潟県にある「
佐渡島(さど)の金山」の
世界文化遺産登録を目指し、政府が推薦を決めた。
17世紀に世界最大級の金の産出量を誇った二つの鉱山遺跡で構成される。金の採取から精錬まで手作業で行われていた時代の遺跡は世界的にも珍しい。
政府は当初、今年の推薦を見送る方針だった。「多くの朝鮮人労働者が働かされた事実をないがしろにしている」という韓国の反発を踏まえた判断だ。
しかし安倍晋三元首相ら自民党保守派から「弱腰」との批判を受けると、岸田文雄首相が方針を転換した。7月の参院選を念頭に保守票を意識したのだろう。
韓国の反発の背景には、2015年に登録された「明治日本の産業革命遺産」を巡る経緯がある。
日本は登録に際し、戦時中に朝鮮人労働者が意に反して働かされたことを説明すると世界遺産委員会で約束していた。だが委員会は昨年、日本が約束を守っていないと「強い遺憾」を表明する決議を採択した。
こうした経緯を考えれば、今回の推薦に先立ち、韓国の理解を得るよう努力するのは当然だった。
しかも日本は近年、登録に当たっては関係国の理解が不可欠だと主張してきた。今回の推薦は、これに矛盾している。
「世界の記憶」(世界記憶遺産)を巡っては昨年、関係国から異議が申し立てられれば登録に向けた手続きを中断する制度が導入された。中国の「南京大虐殺の記録」登録に反発した日本が働きかけたものだ。
文化遺産についても、推薦書の提出前に当事者間で対話すべきだという作業指針が採択されている。そうした手順を踏まずに手続きを進め、結果として登録が危ぶまれる状況になれば、地元の思いを裏切ることにもなる。
世界遺産は人類が共有すべき普遍的価値のある文化財を保護する仕組みだ。安倍氏は「(韓国から)歴史戦を挑まれている」とフェイスブックに書き込んだが、歴史認識に関する摩擦を持ち込むべきではない。
近隣国との対決姿勢を演出する思惑で文化を政治利用するような振る舞いは、むしろ国益を損ねるものである。
毎日新聞「日本政府による佐渡金山の世界遺産推薦、国益を損なう」と批判
朝鮮日報 2022/02/01
https://web.archive.org/web/20220202075903/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/02/01/2022020180020.html
日本政府が、
日帝強占期に
朝鮮人を強制的に労働させていた
佐渡金山を
世界文化遺産の候補として国連教育科学文化機関(
ユネスコ)に推薦することを決めたことについて、日本の
毎日新聞が社説で批判した。
毎日新聞は1日「文化の政治利用を危ぶむ」と題する社説で「近隣国(韓国)との対決姿勢を演出する思惑で文化を政治利用するような振る舞いは、むしろ国益を損ねるものだ」と指摘した。
同紙は、日本政府が当初、韓国の反発を考慮して佐渡金山の推薦を見送る方針だったものの、安倍晋三元首相をはじめとする自民党保守派が「弱腰」と批判したため方針を変更したとして「7月の参議院選挙を念頭に保守票を意識したのだろう」と分析した。
また「中国が南京大虐殺に関する資料を世界記憶遺産に登録しようとした際、日本政府が全方位から圧力を加え、昨年には関係国から異議が申し立てられれば協議を中断するよう世界遺産の審査制度の変更を主導した」として「日本政府は最近、関係国(韓国)の理解が不可欠だと主張してきたため、今回の推薦は矛盾している」と批判した。
同紙は「世界遺産は人類が共有すべき普遍的価値のある文化財を保護する仕組み」だとして「安倍元首相は(韓国から)歴史戦争を挑まれている、とフェイスブックに書き込んだが、歴史認識に関する摩擦を持ち込むべきではない」とつづった。
一方、日本のほかの主要メディアは日本政府による佐渡金山の世界遺産推薦を支持する立場だ。読売新聞は先月29日の社説で「佐渡金山について、強制労働の被害現場だと主張して推薦の中止を求める韓国の主張は筋が通らない」として「日本は背水の陣を敷いて韓国の宣伝戦を跳ね返し、国際社会の理解を広げてもらいたい」と書いた。
同紙は「岸田内閣が一時、韓国の反発を考慮して推薦見送りに傾いていたのは理解に苦しむ」として「貴重な文化財の世界遺産登録を推進するのは当然のことなのに、なぜ国内で無用の論争を呼んでしまったのか」とも指摘した。
同日付の産経新聞も、社説で「日本政府は誇りを持って佐渡金山を推薦し、登録に全力を挙げなければならない」と主張した。同紙は「政府内では一時、推薦見送りが検討されていたが、推薦は当然だ」として「推薦を見送れば、朝鮮人が過酷な労働に従事したとして反発する韓国の批判に屈服することになる」と書いた。さらに「政府はユネスコ登録のために、韓国に対し、事実に基づき毅然と反論し、国際社会の理解を求めるべきだ」と主張した。
日本政府は1日、佐渡金山のユネスコ世界文化遺産への推薦を正式に決定したと発表した。日本政府は「文化遺産として(佐渡金山の)素晴らしい価値が評価されるよう、韓国を含む関係国との間で丁寧かつ冷静な議論を行っていく」と説明した。
佐渡金山の世界遺産登録の可否は、来年夏ごろに決まる見通しだ。ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)などが現地調査を実施し、2023年5月ごろに登録に適しているかどうかの勧告を出す予定だ。その後、6-7月ごろに21か国で構成されるユネスコ世界遺産委員会が登録についての最終審議を行うことになる。
ソ・ユグン記者
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一連の佐渡金山世界遺産登録の件に関し、毎日新聞が「戦時中に朝鮮人労働者が意に反して働かされた」「こうした経緯を考えれば、今回の推薦に先立ち、韓国の理解を得るよう努力するのは当然だった」と批判し、それを朝鮮日報が転載しているという事例です。
実はこうした事例は非常に多く、こうやって日本のメディアなどが実情を無視して韓国に都合の良い論調を書き、それを韓国メディアが転載することで、韓国人に大義名分を与え、韓国世論の先鋭化を招くという事例が以前から続いているのです。
そして今回の事例では特に何が問題かというと、「本人の意思に反して」という部分の定義が曖昧である事です。
どういうことかというと、たとえば現在韓国で行われている「徴兵制度」に関しても、これも当然「本人の意思とは関係ない義務」ですし、もっと書けば「徴税」にしても本人の意思とは無関係な義務です。
つまり、本来は「本人の意思に反して行われた」という事自体が問題となるのはおかしいのです。
そしてもう一つ注目すべきことは、朝鮮日報の記事では「強制労働」と書かれており、韓国では「日本は当時朝鮮人を強制収容所で働かせていた」つまり、現在中国がウイグルの綿花畑などで行っている行為と同様の事をしていたと定義されている事です。
そしてさらに、韓国では次の記事にあるように
「日本は佐渡鉱山の価値を認められたいのであれば歴史歪曲をやめよ」
朝鮮日報 2022/01/21
https://web.archive.org/web/20220121014342/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/01/21/2022012180001.html
「
佐渡鉱山」強制動員について証言した故イム・テホさんの娘イム・カンランさんとイム・
キョンスクさんへのインタビュー
「日本が佐渡鉱山についてユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産としてその価値を認めてほしいのなら、歴史の前に率直になるべきです。鉱山の最も深い坑道で悲惨に働いた朝鮮人がいた事実を明らかにすることを願います」
日本が朝鮮人労働者の強制動員現場である新潟県佐渡鉱山のユネスコ世界文化遺産登録を目指していることを受け、佐渡鉱山の強制動員被害者である故イム・テホさんの娘イム・カンランさん(82)とイム・キョンスクさん(77)が反対の声を上げた。今月17日に神奈川県川崎市で取材した二人は「佐渡鉱山の価値を無条件で否定するわけではなく、誇りたい歴史だけを主張し恥ずかしい内容を隠して歪曲(わいきょく)する日本の態度を問題視している」として声を上げた。
イム・テホさんは死亡する4カ月前の1997年5月に朝鮮人強制連行真相調査団の記録事業に参加し、強制動員被害の事実を証言した唯一の佐渡鉱山生存被害者だった。21歳だった1940年11月に忠清南道論山から日本の佐渡鉱山に渡り、解放直前に日本軍に召集され一人で佐渡島を脱出し、後に家族と再会した。イム・テホさんは佐渡島に到着した後に「強制動員」であることを悟ったという。炭鉱の最も深い坑道で危険な鉱石の採掘をしなければならず「地下の坑道に出勤するたびに、今日は生きて帰れるだろうかと考えた」との記録を残した。
イムさんの娘のカンランさんは1940年に論山で生まれ、父に従い佐渡島に渡った。カンランさんは「まだ幼かったが、佐渡島の宿所で座っていると『カンカン』と坑道が爆発する音がいつも鳴っていたことをはっきり覚えている」「けがをした父が病院にも行けず部屋でうめきながら横になっていた姿も思い出す」と語った。佐渡島・相川の山間部には主に忠清南道から連れてこられた朝鮮人たちが集まって住む社宅があった。朝鮮人たちの逃亡を防ぐため家族と共に団体で移住させられたという。
佐渡島で生まれた三女のキョンスクさんも「父は坑道内の足場から落ちて脚に大けがをしたが、その傷は死ぬ前まで消えなかった」「その時に坑道で吸い込んだ炭鉱のほこりのせいで父の肺の中には一生涯玉のような塊が残っていた」と語った。カンランさんは「金をたくさん稼げると言って朝鮮の若者たちを募集したが、全てがうそで、やめたくてもやめられなかった」「佐渡島を脱出した後は金がなくて川崎市の厩舎(きゅうしゃ)で両親と幼い娘3人が生活した」とも述べた。その後、イムさん夫妻は果物やマッコリの行商、古物商などできることは何でもやり、6人の子供を育て上げた。1980年代に母と共に佐渡島を再び訪れたが、50年過ぎても母の心の傷は相変わらずだった。「苦労した父の姿を思い出すとつらい。二度と来たくない」と口にした。
イムさんらは昨年末にテレビのニュースを見て佐渡島がユネスコの世界文化遺産登録を目指していることを知った。佐渡島での記憶が今も傷として残っているイムさんたちは日本が「江戸時代の佐渡鉱山」と時期を限定して世界文化遺産登録を目指していることに怒りをあらわにした。「無条件に反対しているのではない。佐渡鉱山の歴史的価値を世界に認めてほしいのなら、朝鮮人たちがあの時佐渡島になぜやって来て、どのように働き生活していたか、恥ずかしい歴史も認めて公開することから出発すべきではないですか」
東京=チェ・ウンギョン特派員
記事で「強制労働者の証言」とされている内容が書かれてますが、「1940年11月に忠清南道論山から日本の佐渡鉱山に渡り」「イム・テホさんは佐渡島に到着した後に「強制動員」であることを悟った」「イムさんの娘のカンランさんは1940年に論山で生まれ、父に従い佐渡島に渡った」と書かれている事です。
以前も説明していますが、1940年といえば1939年に「朝鮮人内地渡航制限」が緩和され、内地(日本本土)の民間企業が朝鮮半島で人材募集をする「民斡旋」が解禁された時期です。
朝鮮工場労務者内地移住斡旋に関する件
陸軍省-大日記甲輯-S15-4-31 昭和15年9月(1940/09 - 1940/09)
https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/image_C01001832500?IS_KIND=detail&IS_STYLE=default&IS_TAG_S1=d2&IS_KEY_S1=C01001832500&
第一 目的
本協定ハ内地工場ニ於ケル
労務需給ノ調整ト朝鮮ニ於ケル技術水準ノ向上ニ資スルコトヲ以テ目的トス
第二 方針
一、労務動員実施計画綱領ニ基ク朝鮮人工場労務者ノ内地移住ニ関シテハ昭和十四年七月ノ朝鮮人労務者内地移住ニ関スル協定ニ基ク募集ニ依ルモノノ内一部ハ朝鮮総督府に於テ之ヲ斡旋スルコトヲ得ルモノトス
斡旋ニ依ル朝鮮人工場労務者ノ内地移住ニ関シテハ本協定ニ依ルノ外昭和十四年七月ノ協定に依ルモノトス
二、斡旋ニ依ル工場労務者数ニ付テハ関係廰ニ於テ毎年之ヲ協定スルモノトス
三、本協定ニ基キ斡旋ニ依リ内地ニ移住セシムベキ工場労務者ニ付テハ左ニ依リ取扱フモノトス
(一)労務者ノ従事スベキ事業及作業ノ種類ハ概ネ別紙ニ依ルコトトシ帰鮮後就労セシムベキ工場ト同一資本系統ノ工場ヲ可成選定スルモノトス
(二)労務者ハ概ネ年齢十四歳以上二十歳未満ノ男子ニシテ修業年限六年ノ尋常小学校ヲ卒業シタル者又ハ之ト同等以上ノ学力ヲ有シ思想堅実、身元確実、身体強健ナル者タルコト
(三)労務者ノ採用ハ朝鮮総督府ニ於テ斡旋シタル者ニ付雇用主之ヲ行フコト
(四)雇用期間ハ之ヲ二年以上五年以内トシ其ノ満了シタル時ハ原則トシテ之を帰鮮セシムルコト
雇用期間満了ノ際必要ト認ムルトキハ労務者ノ一部ニ付其ノ雇用ヲ更新継続シ得ルコト
(五)雇用主ハ労務者ニ対シ其ノ徳性ヲ涵養シ中堅職工タルニ須要ナル智識及技能ヲ速ニ授クルモノナルコト
(六)労務者帰鮮ノ場合ニ於ケル国家総動員法ニ基ク従業者雇入制限令ノ適用ニ付テハ関係廰ニ於テ迅速ニ之ガ処理ヲ為スコト
(七)労務者ノ往路旅費及雇用期間満了迄就労シタル労務者又ハ雇用主ノ都合ニ依リ解雇シタル労務者ノ帰郷旅費ハ雇用主ニ於テ原則トシテ之ヲ負担スルコト但シ往路旅費ニ付テハ朝鮮総督府ニ於テ其ノ一部ヲ負担スルコトアルベキコト
本協定ニ依リ朝鮮内ノ工場ニ就労セシムル為帰郷スル者ノ帰郷旅費ハ新雇用主ニ於テ負担スルモノナルコト
その詳細は上記の内閣府直轄の企画院から陸軍省へ通達した「極秘」と書かれた文書にあるように、いわゆる「強制労働」とはかけ離れた内容となっていますし、何よりこの制度で「家族と一緒に『連行』される」など到底あり得ません。
つまり、「当時の一次資料」と「証言」に整合性がないわけですが、韓国政府や韓国人達はこれら証言を根拠に「強制労働があった」と主張しており、なんら証言の検証を行っていません。
そして毎日新聞などのメディアは、このような状況であるにも関わらず、全く検証されていない韓国側の主張を支持し、韓国人達を煽り続けているのです。
今回書いたように、日本と韓国の間に存在している諸問題とは、出発点は韓国政府やメディアや特定の団体の扇動ですが、その後はその扇動で先鋭化した世論が主導し扇動した政府やメディアも制御不能になり、更には日本のメディアや特定の政党がそれを煽って火に油を注ぐという構図になっているという事がわかります。
つまり、「一部の人々が騒いでいるだけ」とか「政府が問題なだけ」という主張は、実のところ実態と大幅にかけ離れており、それどころかそうした主張をしている人々が、実は韓国世論の先鋭化を助長している場合すらあるというのが実態なのです。
韓国の側に立つ人々にいかに問題が多いのかがよく分かります。
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