日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

【ゆっくり解説】スマートテレビとマスコミ業界の自滅

さて、本日は2013年のマスコミ不信に関連した出来事を扱っていきます。

本日の投稿動画
www.nicovideo.jp
youtu.be

元記事
「業界の都合」しか考えなかったテレビ局 - 暇つぶしにどうぞ


以下は動画のテキスト版です

お品書き

・スマートビエラ騒動
・本当の動機は?
・現実無視

注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています

・「マスコミ問題」であり右派・左派等の陣営論争は本題ではありません

・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブロマガにあります

・毎週土曜日更新


レイム マリサ
ゆっくりしていってね


マリサ
さて、今回は久々に私の番なのでマスコミ問題を扱っていくぜ。


レイム
今回の件のスマートテレビって、ネットにつなげられるテレビの事よね?
あれって順調そうに見えるけど、何かあったの?


マリサ
ありまくるぜ。
というかな、今回の事例は不祥事というより業界の変なプライドによっておかしなことになった事例だな。


レイム
スマートテレビに関係した利権の問題とか?


マリサ
調べて行くとそういうのもあるんだが、今回紹介するのはそういうあれやこれやが重なって余計にテレビ離れが加速したって事例だぜ。


レイム
ああ、そういえばあの業界って、寡占体質なせいで実情よりも業界の事情や都合を優先するんだったわね。


マリサ
その結果、今になって慌てているんだぜ。
そんなわけで本編へ行くぜ。


スマートビエラ騒動


レイム
スマートビエラって、パナソニックが10年以上前から販売している、アマゾンとかディズニープラスとかYouTubeとかも見られるアプリが最初から入っているスマートテレビよね。
何か問題でもあったの?


マリサ
あれな、実はいわゆる「業界団体」が色々と規制をしていてな、メーカーが自由に製品を発売できるわけじゃなくて、2013年にこんなことが起きているんだぜ。


パナの新型テレビCM拒否 技術ルール違反と民放
共同通信 2013/07/06
https://web.archive.org/web/20130709054213/http://www.47news.jp/CN/201307/CN2013070601001715.html

 テレビの電源を入れると、放送番組とインターネットのサイトなどが画面に一緒に表示されるのは、関係業界で定めた技術ルールに違反するとして、民放各局がパナソニック新型テレビのCM放映を拒否していることが6日、分かった。大手広告主のCMを各局が流さないのは極めて異例。

 放送関係者らによると、問題のテレビは4月発売の「スマートビエラ」シリーズ。テレビをつけると、放送中の番組の下と右にサイトやネット動画などが並び、リモコン操作で簡単にアクセスできるようにする機能がある。


マリサ
2013年の記事なんだが、パナソニックがスマートビエラの新製品で、電源を付けると画面の下と右に小さくサイトやネットの動画を表示するという機能を付けたら、テレビ局が「関係業界で定めた技術ルールに違反する」といってCMを拒否したって記事だぜ。


レイム
なんか言っている事がよくわからないのだけど、これの何がいけなかったの?


マリサ
こちらの記事によるとな


パナソニック新型テレビ、民放各局がCM放送拒否

朝日新聞 2013年7月7日
https://web.archive.org/web/20130707104946/https://www.asahi.com/national/update/0706/TKY201307060257.html

 テレビ画面に放送番組とインターネットのサイトなどが一緒に表示されるのは問題だとして、民放キー局がパナソニック新型テレビのCM放送を拒否していることがわかった。大手広告主のCMを放送しないのは異例だ。

 民放関係者によると、問題にしているのは4月下旬に発売された新型の「スマートビエラ」。テレビ起動時に、放送中の番組の右側と下に、放送とは関係ないサイトや、ネット動画にアクセスできる画面が表示される。

 民放側はパナソニックに対し、視聴者が放送番組とネット情報を混同するおそれがあるとして、表示方法の変更を求めている。放送局が提供するデータ放送に不具合が生じるケースもあるとしており、パナソニックと協議を続けているという。

 一方、パナソニックはいまのところ、番組とネット情報を明確に区分しているとの立場だ。同社広報は、「スマートテレビは新しいサービス。放送局側と協議して放送と通信の新たなルール作りを進めているところなので、現時点ではコメントを控えたい」としている。


マリサ
テレビ局側は、電源を入れたときにテレビ放送とネット画面が同時に映し出されると「視聴者が放送番組とネット情報を混同するおそれがある」として反対しているようなんだぜ。
詳しくは同時掲載のテキスト版ブログに、地上放送事業者連絡会ってところが出した「放送番組及びコンテンツ一意性の確保に関するガイドライン」ってリンクを貼っておくから、そっちを見てほしいぜ。


放送番組及びコンテンツ一意性の確保に関するガイドライン
BS放送事業者連絡会 平成19 年8 月28 日
https://web.archive.org/web/20130120162404/http://www.dpa.or.jp/business/mfr/pdf/ichiisei070828.pdf



レイム
まだよくわからないのだけど、画面の端にSNSとか動画サイトとかの別窓があると、なんで「テレビ放送と混同する」なんてはなしになるの?


マリサ
さっきのガイドラインによると

放送番組及びコンテンツ一意性の確保に関するガイドライン
地上放送事業者連絡会 BS放送事業者連絡会 平成19 年8 月28 日
https://web.archive.org/web/20130120162404/http://www.dpa.or.jp/business/mfr/pdf/ichiisei070828.pdf

(一部抜粋)
・ 視聴者は、料理番組、台風情報の両方を、その放送局が放送しているものと理解して、同時に双方の情報を享受する。(放送局も、その意図で放送している)

例 A は災害報道を挙げたが、それに限った話ではない。例えば旅番組において宿の映像を流しながら地図や価格を同時に表示する演出も、放送する側は両方の情報を提供する意図があり、視聴形態や視聴者層によらず、視聴者に対してその意図を理解できるように放送しているものである。
このように放送局はさまざまな視聴者を想定しながら、さまざまな情報を的確に演出し、視聴者もその意図をきちんと汲んでくれることを期待して放送している。これを「番組の一意性の確保」と呼んでおり、放送局は責任を持って編集、編成を行っている。


マリサ
たとえば台風情報とかの場合、ドラマやバラエティーを放送しているときに、別窓で放送局がリアルタイム台風情報を表示していたり、旅行番組とかで本放送以外に宿までの地図や価格を別窓で表示したりしている場合があるから、それと混同するって話なんだそうな。


マリサ
で、テレビ局側が問題としているのは、テレビをつけた時点で「ネット情報」が同時に表示される場合で、後から視聴者が自分の意思でネット情報を別窓表示するなら問題ないとしているわけだ。


レイム
それにしたって、ネット情報と混同ってありえないんじゃない?
SNSや動画サイトとテレビ番組じゃレイアウトが全く違うわけだし。


マリサ
まあ普通はそう思うよな。


本当の動機は?


レイム
じゃあテレビ業界は何を根拠に「混同する」とかごねていたのよ。



マリサ
こちらの記事によるとな

スマートビエラはなぜ、CMを拒否されたのか?
AASIOMA 2013年07月07日
https://web.archive.org/web/20130707095213/http://www.assioma.jp/?p=6314

スマートビエラのCM放送拒否が大きな話題を呼んでいる。

スマートビエラパナソニックが四月に発売した、「スマートテレビ」であり、音声によるコンテンツ検索や、視聴者を認識してコンテンツをレコメンドする機能、さらにレコメンドするコンテンツはテレビ放送だけではなくyoutubeなどのネット動画も対象になるなど、「テレビの未来」を彷彿とさせる製品となっている。

この意欲的な製品のCMが却下されたことで、ネットを中心に「利権問題」「テレビの古い体質」「テレビ局は時代の流れを理解出来ていない」などの声が目立つ。しかし、一方でテレビ業界はテレビ放送とインターネット、スマートデバイスと連動させることを可能にする「ハイブリッドキャスト」等の取り組みにも力を入れており、「スマートビエラ」のコンセプトを否定しているとは考えにくいのも事実だ。ましてや4Kより更に解像度の高くなる8Kの規格では広大な解像度をテレビコンテンツだけで埋めることは現実的ではなく、データ放送とテレビ放送は一つの画面の中に同時表示される時代が訪れることは、テレビ局関係者も理解している、というのが私の認識だ。
スマートビエラARIB規約違反

私はこの報道を聞いた時に、てっきり「放送コンテンツの同一性保持の問題」か、あるいは「ハイブリッドキャスト」的なコンテンツ作りが可能なテレビを、独自規格でパナソニックが実現したのが問題なのかと思ったが、関係者に聞いた所、そうではなく「ARIB規約違反」という説が有効なようだ。

そして、実際には「CMを却下」しているという報道にはいささか御幣があり、このARIBの規約とスマートビエラの放送方法の違いについて現在協議中であり、その結果が出るまで「CMを自粛している」というのが実態のようだ。

ARIBとは、通信・放送分野における電波利用システムの研究開発や技術基準の国際統一化等を推進する団体であり、通信業界、放送業界、製造メーカらで構成されている。この業界がスマートテレビ等の放送設備に関わる技術標準を検討している。

このARIBが規定する「地上デジタルテレビジョン放送運用規定 ARIB TR-B14」にて、テレビに表示するテレビ放送以外のコンテンツについて以下の記載がある。

8.1.4 混在表示の禁止と同時表示

8.1.4.1 混在表示禁止の原則

受信機に混在表示機能を有することを禁止する。ここで「混在表示」とは、あるコンテンツ提供者が提供者の異なるコンテンツに対して、意図して、一方のコンテンツが他方のコンテンツの内容に自己のコンテンツ内容を関連付けて同時表示する場合、若しくは表示に影響を及ぼす等、異なる複数の提供者からのコンテンツをあたかも同一のごとく視聴者に誤解を招くように表示することを言い、その表示が可能となる機能を混在表示機能と言う。ただし、リンク状態のCプロファイルリンクコンテンツは、テレビと通信、二つのコンテンツが同一のコンテンツ提供者から提供されていると考えられるので混在表示ではない。

8.1.4.2 放送画面と放送以外の画面(通信ブラウザ、アプリケーション等)の同時表示

・放送コンテンツを提示しているときに放送事業者以外の提供するコンテンツを起動するときは混在表示となることを避けるため放送画面を消し、全画面に当該コンテンツを提示することが望ましい。

・放送画面と放送以外の画面を同時表示することは推奨しないが、商品企画で同時表示を行う場合は8.1.8.1項に示すようにデータ放送ブラウザを残し、かつ最低限下記の表示を行うこと。なお、ユーザ操作等により、データ放送ブラウザに代わり字幕表示を行う場合も同様の扱いとする。このような対応を行った場合でも、同時表示を行う場合は混在表示となってしまう可能性があることに留意し、商品企画上の配慮を行うこと。

(1) テレビ提示中に放送以外のコンテンツを起動するときは、原則として放送と関係ないコンテンツが表示されることを、ダイアログ等により視聴者に明示する。

(2) テレビ提示中に放送以外のコンテンツを起動するときに、同時表示するか切り替えるかの動作は、API(X_DPA_startResidentApp())で指定した場合を除き、選択肢を視聴者に提示して選択できるようにすることが望ましい。

(3)同時表示中は放送と関係ないコンテンツを表示していることが誰にでも一目でわかる表示を常時行うこと。

9.3 放送番組及びコンテンツ一意性の確保

放送番組及びコンテンツの全体としての一意性確保の為、受信機は以下の事項を守る事が望ましい。また受信機が蓄積機能を持つ場合、また外部の記録機をコントロールする機能を持つ場合も、以下の事項を守る事が望ましい。

・ 放送信号若しくは、放送信号等に含まれる記述子やデータなどを使い、例えば告知や広告部分のカット、スキップを自動的に行う様な機能の実装、及び蓄積機能、外部記録機の自動制御を行わないこと。なお、ユーザーの操作による早送り、一時停止などはこれにあたらない。

・ 放送番組及びコンテンツの提示中に、それと全く関係がないコンテンツ等を意図的に混合、または混在提示しないこと。例えば、提示中の放送番組の表示にその番組と全く関係が無いコンテンツや告知、広告を混合提示し、意図的にそのコンテンツや告知、広告が放送番組と一体であるかの様な誤解を視聴者に与える提示を行う機能がこれにあたり、テレビ放送画面とインターネットのブラウザ画面が一体であるかのように視聴者に誤解させるような機能を装備することなどを指す。なお、受信機の機能として、上記の様な誤解を与える事を目的とせず、ユーザーの操作により複数のコンテンツを一画面に同時提示する事、例えば 2画面表示、小画面表示機能はこれにあたらない。

出典:ARIB TR-B14 5.1版

ARIBとしては、テレビ放送と、テレビ以外のコンテンツを画面に同時表示することを禁止しているのではない。

しかし、テレビ放送とは公共性が高く、テレビに映し出されたものは「テレビ放送」と誤解してしまう視聴者の数はまだまだ多い。従って「テレビ受像機」として販売するならば、まず電源が投入されて表示れる画面は「テレビ放送」が好ましく、その後ユーザが「明示的な操作」によってyoutube等の外部コンテンツを表示するのは視聴者自身が「テレビ以外のコンテンツ」であると認識しているわけなので、それは問題無い(ニ画面表示等)ということなのである。

現在のスマートビエラの表示方式では、テレビ放送とyoutube等のテレビ外コンテンツがユーザ操作に関係なく同時表示されてしまうので、視聴者に誤解を与えてしまう恐れがあるというのが、CM放送出来ない理由である。

テレビ業界の考えが古いという意見には確かに私も賛同する部分が多いが、テレビの視聴者の大半は「シニア」であることを考えると、今回のような措置は仕方ない部分があるとは考える。例えば、スマートビエラに映し出されたニコニコ動画をフジテレビの放送と勘違いしてフジテレビにクレームを入れるという可能性も「無い」とは言えないのだから。

リテラシーの高いネット放送と、必ずしもリテラシーが高くない国民全体を対象としたテレビ放送という立場の違いが、今回のCM放送却下の本当の原因なのである。一見すると「テレビ放送の利権」を守っているようで、実は守っているのは「視聴者」なのだ。

なかなか進まない通信と放送の融合ではあるが、それを遅々とさせているものは、視聴者全体のリテラシー、なのかもしれない。


マリサ
「テレビの視聴者の大半は「シニア」であることを考えると、今回のような措置は仕方ない部分があるとは考える」と書かれているんだぜ。
つまり、だいたい60歳以上の人が電源を入れた時点でネット画面も同時に表示された場合、「テレビ放送と勘違いしてクレームを入れてくる事もありえる」から問題だと「視聴者保護のためだ」としているわけだ。


レイム
ちょっと待って、いくらテレビのメイン視聴者がシニア層だからってそれで混同してクレームを入れてくるって、相当なレアケースじゃない?


マリサ
そうなんだぜ。
そもそもテレビ業界って、元々意味不明なクレームが一定数あるようだし、レアケースが多少増えたところでそんなの誤差の範囲でしかないはずだぜ。
なにせ「ワクチンで5Gがどうたら」みたいなクレームが日常の世界らしいしな。


レイム
そもそも、2011年のフジデモの切っ掛けの一つになった「フィギュアの世界大会で東日本大震災の追悼セレモニーを行ったら、それを全カットしてキム・ヨナ特集」みたいな事例のクレームすら完全に無視した業界が、こんなレアケースを気にしているとは考えられないのだけど。


フィギュア=リンクに日の丸投影、世界選手権で震災犠牲者に黙とう | ロイター


マリサ
そうなんだぜ。
だからネット上では

「ネット」排除ミエミエの民放 スマートテレビCM拒否の裏側
J-CAST 2013年07月08日
https://www.j-cast.com/2013/07/08178966.html?p=all

パナソニックが発売したスマートテレビ「スマートビエラ」のテレビコマーシャル(CM)の放映を、民放各社が拒否したと報じられた。

スマートビエラでは、画面上に、ある程度目立つ形でネット機能が設定されている。テレビ番組を視聴しながらインターネットで動画やウェブサイトの閲覧を楽しむためだが、テレビ局側は「放送局が提供する番組とネットコンテンツが混在すれば、視聴者の混乱を招くというのだ。

今後のCM放映については民放各局と協議中

パナソニックは公式サイトで、スマートビエラのCM映像を配信している。親子3人がリビングで、リモコンや自分の声を使ってテレビのチャンネルを変えたり、ネット検索したりする様子が分かる。見ていて不快な映像ではなく、なぜこのCMが「放送禁止」なのか視聴者の立場では理解できない。

パナソニック広報に電話取材すると、CM放映を拒否されたのが事実かを含めて「コメントは差し控えます」とだけ話した。ただ商品が発売されたのは2013年4月。新製品で、しかも次世代の主力商品になるであろうスマートテレビのCMが発売以降テレビでは1度も流れていないうえ、今後の放映についても民放各局と協議中で現段階では未定というのは何とも不自然だ。

2013年7月7日の読売新聞電子版によると、放送局が共同で策定したガイドラインでは、「テレビ起動時、テレビ映像を画面全体に表示するのが望ましい」と明記しているという。だがスマートビエラの起動時画面を見ると「放送中のテレビ番組」が画面の半分以上を占めている一方、同じ画面の右側や下には動画投稿サイト「ユーチューブ」や無料ネット電話「スカイプ」、交流サイト、ウェブブラウザのアイコンが表示されている。スイッチを入れれば画面いっぱいに番組映像が広がる従来のテレビにはないつくりだ。

読売新聞の記事中にあるガイドラインとは、2007年8月28日付、地上放送事業者連絡会とBS放送事業者連絡会の連名で出されたものと思われる。放送局は視聴者層を幅広く想定し、視聴の際に誤解のないよう画面や番組構成などの演出に配慮しているという。例えば料理番組の最中に台風情報を放送する際、テレビ画面にはメーンの料理番組を出しながら、空きスペースに台風情報を出すことで視聴者が混乱せずに両方の情報を受け取れるといった具合だ。だが「複数の放送番組を同時に表示したり、番組と直接関係のない情報を同時に表示する受信機」では、放送局が提供していない情報までもが「テレビから流れた」と視聴者に勘違いされる恐れがあるという。

電波産業会の「地上デジタルテレビジョン放送運用規定」では、「放送番組及びコンテンツ全体としての一意性確保のため、受信機は以下の事項を守ることが望ましい」と、テレビ受信機に「注文」をつけている。ガイドラインで特に強調されたのは、「放送番組及びコンテンツの提示中に、それと全く関係がないコンテンツ等を意図的に混合、または混在提示しないこと」という点。放送の映像とネットのブラウザ画面が「一体であるかのように視聴者に誤解させるような機能を装備すること」を問題視しているのだ。
「ネットを本気で取り入れようする覚悟が足りない」

ガイドラインには、テレビ受信機の「望ましい」姿として、電源を入れてテレビを起動させた際に「テレビ映像を表示画面全体に表示する」とある。またテレビ映像とそれ以外のコンテンツを同時表示する際は、後者について「テレビ映像とは異なるサービス」と明確にわかる画面構成にする、と説明されている。規定を守らなかったテレビ受信機の処遇をどうするかについては、特に明記されていない。だがスマートビエラが「望ましい」受像機でないことは明らかだろう。「CM拒否」はその「おしおき」だったのだろうか。

上智大学文学部新聞学科の碓井広義教授(メディア論)はJ-CASTニュースの取材に、民放側が掲げる「視聴者の混乱を招く」という理屈に違和感があると話す。ネットがこれほど普及している今日、「同じ画面上に番組とウェブが表示されて、視聴者が困惑するとは思えません」。

碓井教授が教える学生も、テレビ番組だけを食い入るように見ている人は少ない。むしろ番組を横目で見ながらパソコンやスマートフォンに感想を書き込んだりして楽しむスタイルに変わりつつある。ネットに慣れない高齢者への配慮は必要だが、1台でテレビもネットも使えるスマートテレビは時代に沿った製品と言えそうだ。若者世代を「テレビ離れ」から引き戻すツールになるかもしれない。一方、前出のガイドラインが策定されたのは6年前。「デジタルの世界では『大昔』にできた業界ルールを、進化したデジタルメディアに当てはめること自体がおかしい」と批判する。

スマートテレビになれば、例えばドラマや歌番組を見ながらその横にはツイッターで厳しい批評が書き込まれる可能性はある。しかもそれは放送局側がコントロールできない。碓井教授は「テレビ業界はそれを望んでいないのでしょう。ネットを本気で取り入れようとの覚悟が足りないです」と述べた。


マリサ
この記事みたいに上智大学の教授が「ネットがこれほど普及している今日、同じ画面上に番組とウェブが表示されて、視聴者が困惑するとは思えません」と指摘していたり、ドラマや歌番組の放送中に、その横で批判が書き込まれることを業界が受け入れられないのではないかと指摘しているな。


レイム
これさ、記事ではドラマや歌番組とか書いているけど、恐らく一番気にしているのは報道番組関連よね、酷いのいっぱいあるし。


マリサ
元々あの業界、ネット上での批判を無視し続けている事から見ても、主な原因はあきらかにこれなんだよな。
そして次の記事では

【ネットろんだん】業界ルール違反?時代遅れ? ビエラCM、ネットでも賛否 (1/4ページ)
SankeiBiz 2013.7.28
https://www.sankeibiz.jp/business/news/130728/bsj1307281613000-n1.htm

 番組とインターネットのサイトが起動時に一緒に表示されるパナソニックスマートテレビをめぐり、民放各局が「業界の技術ルールに反する」としてCMを放映していないことが明るみに出た。ネット上でも「テレビ局は既得権を守りたいだけ」「いや、ルールは妥当」などと賛否が渦巻くが、図らずもテレビの未来を考える契機となったようだ。

 「スマートテレビは新しい分野のサービスであり、放送・通信の新たなルールづくりが進められようとしている現在、コメントは差し控えさせていただきます」。パナソニックが公表した短いコメントに、テレビが直面する現実が凝縮されていた。

 4月発売の「スマートビエラ」は、テレビをつけると番組の下と右にサイトや動画が表示される。だがテレビ局側は、家電メーカーとつくる電波産業会の運用規定で、視聴者が番組とネット情報を混同しないような表示方法を推奨しているとして、CMを放映していない。

 世界各国でスマートテレビが広がる中、ネット上では「視聴者の使い勝手を考えれば、現行ルールは時代遅れでは」といった声も上がった。

https://www.sankeibiz.jp/business/news/130728/bsj1307281613000-n2.htm

ネットと融合進むラジオ

 放送分野では、ラジオが本格的に「ネットとの融合」に踏み出している。番組を同時配信する「radiko(ラジコ)」は平成22年12月に始まり、現在は民放100局のうち37都道府県の68局が参加する。

 運営会社の前身「IPサイマルラジオ協議会」の幹事代表を務めた元電通職員、三浦文夫関西大教授(55)は「背景には業界の危機感があった」と振り返る。ラジオの広告費は3年の2406億円をピークに、24年は1246億円。だが、17年にラジコの実験を始める際は「総務省から反対というか時期尚早と言われた」という。名称をradikoにしたのは「radio.jp」「radico.jp」のドメインが空いていなかったためだとか。

 月間利用者は今年4月で1297万人。地上波の聴取者と比べればまだまだだが、参加するニッポン放送は「それまでラジオを聴かなかった若い世代がスマートフォンで聴いてくれるようになった」(広報室)と、未来への手応えを話す。スマートビエラは、標準装備でラジコが聴ける唯一のテレビでもある。

https://www.sankeibiz.jp/business/news/130728/bsj1307281613000-n3.htm

メタデータ」の活用模索

 TBSメディア総合研究所の氏家夏彦代表(57)は「テレビが視聴者を囲い込もうと、どんなに壁を高くしても、外側で人々はネットで動画やニュースへ接している。ネットとの共存共栄を図っていかない限り、テレビの未来はない」と語る。

 ソーシャルメディアとの連動番組など模索が進むが、氏家さんは「本当の意味での『スマートなテレビ』は、もっと大きな連動だと思う」と話し、一例として番組情報などテレビ局の持つ「メタデータ」(データについてのデータの意)の活用を挙げた。調査会社「エム・データ」(東京)はすでに番組で紹介された商品情報などを人力で収集し、ヤフーなどのネット通販へ提供している。

 既存メディアはネットとどんな関係を結んでいくのか。ネットの普及で既存メディアによる「情報の独占」が崩れる中、スマートビエラが投げかけた問いは、思いのほか深いのかもしれない。(徳)

https://www.sankeibiz.jp/business/news/130728/bsj1307281613000-n4.htm

スマートテレビ 放送番組だけでなく、インターネットを通じてサイトやメール、動画、ゲームなども楽しめるテレビ。スマートビエラのようにテレビ受像機本体にパソコン並みの処理装置を組み込む形と、外付けの電子機器で高度な機能を実現させる形がある。世界ではスマートフォンの「次」の市場として米国のアップルやグーグル、韓国のサムスン、LGなどが開発競争を繰り広げている。


マリサ
記事では「世界各国でスマートテレビが広がる中、ネット上では視聴者の使い勝手を考えれば、現行ルールは時代遅れでは」という声があったり、本格的に「ネットとの融合」を取り組み始めたラジオの事例を紹介したりしているな。


マリサ
しかも同業のTBSメディア総合研究所の所長すら「テレビが視聴者を囲い込もうと、どんなに壁を高くしても、外側で人々はネットで動画やニュースへ接している。ネットとの共存共栄を図っていかない限り、テレビの未来はない」と、この件を批判的に評価しているんだぜ。


レイム
記事を読む限り、世界的な潮流も日本国内の他メディアの動きも無視して、テレビ業界が「ガラパゴス化」しているって事よね。


現実無視


マリサ
そしてこの「ガラパゴス化」の最大の問題点は、他の事例みたいに「日本に独自の生態系があった」、つまり独自の需要があったからではなくて、「自分達の縄張りにネットが入ってきてほしくない」という、業界の願望の結果という事だぜ。


レイム
というと?


マリサ
つぎに2013年のこちらの記事を見てほしいんだが

「テレビに関する意識調査」スマートテレビ浸透中!テレビでのネット利用者は4人に1人に。テレビを見ながらPC、スマホなどの情報機器を使う人は約7割スマートテレビのニーズは「直感操作」「リモコンいらず」「情報・コンテンツのシェア」
株式会社イード 2013年7月4日
https://www.iid.co.jp/news/report/2013/0704.html

株式会社イード(本社:東京都中野区、代表取締役:宮川洋 以下、イード)は、20代以上の男女を対象に「テレビに関する意識調査」を実施しました。

【TOPIC】

若者のテレビ離れはウソ!?テレビを見る時間も頻度も世代によってほぼ変わらず

テレビを1日2時間以上観ると答えた人は、平日(70.9%)、休日(82.8%)と多数にのぼり、インターネットの視聴時間を上回りました。また、テレビは「自宅で過ごす時間を楽しく過ごすのに重要」(71.3%)と考えられているようです。
スマートテレビ浸透中!テレビをネットにつなぐ人が4人に1人(26.0%)に

テレビをネットにつなぐことがある人が26.0%に達し、テレビでのネット接続が常識化しつつある傾向が見られました。具体的には「番組への参加」や「インターネットの閲覧」、「動画共有サービスの利用」などを行っています。
テレビを見ながら情報機器を使う人は約7割。
20~30代の4人に1人が「テレビを見ながら情報機器を使う機会が増えた」と回答

テレビを見ながら情報機器を使った経験のある人は約7割。パソコンやスマートフォンタブレットなどを活用して、さまざまな情報を検索・共有しているようです。特に20~30代ではテレビを見ながら情報機器を利用する機会が増えたと4人に1人が回答しています。また、テレビを視聴するきっかけとして「ネットで取り上げられていた」と回答する人が約4割(36.8%)いるなど、テレビと情報機器の連携は確実に進んでいるようです。
スマートテレビが浸透しつつある今、ニーズが高いのは「直感操作」「リモコンいらず」「情報・コンテンツのシェア」

現在のテレビに45.9%の人が不満を感じています。不満点としては「画質」を抑え、「画面サイズ」と「応答性能」、「リモコンの操作性」がランクインしています。一方でスマートテレビの機能やコンテンツで関心が高いのは「分かりやすく直感的な操作」(52.4%)、「リモコンを使わない操作」(21.0%)、「スマホと映像や写真の連携」(20.5%)などでした。
若者はデジアナ双方でテレビ情報の「共有」ニーズも高い。テレビを人と囲むことが「増えた」20代が4割強

テレビを人と囲むことが「増えた」という人は33.5%。20代では42.5%が「増えた」と回答、人と一緒にテレビコンテンツを見る・シェアする若者が多いようです。「テレビ情報をもっと簡単に共有したい」人は43.6%と、テレビとネットの連動や、色々な人とシェアしやすい多様なコンテンツが今後ますます求められそうです。
世代を問わず大画面、新機能、多機能性に魅力を感じている。スマホ連動も当然したい。

テレビの魅力ついて世代を問わず「大画面は魅力」(71.3%)、「新機能は魅力」(58.9%)、「多機能は魅力」(50.9%)と考えています。スマホ連動へのニーズも高く、「テレビのスマホ再生」などに関心があります。

■若者のテレビ離れはウソ!?テレビを見る時間も頻度も世代によってほぼ変わらず

若者のテレビ離れが叫ばれている昨今ですが、その実態はどうなっているのでしょうか。調査ではまず、「テレビの視聴時間」について聞きました。平日に関しては、「1日に2時間~3時間未満」という答えが最も多く、全体の27.6%。休日では、「1日に3時間~5時間未満」が最も多く、31%となりました。さらに、1日2時間以上と答えた人を合計すると、平日は70.9%、休日は82.8%と多数にのぼり、まだまだ多くの人が日常的にテレビを視聴している現状がみてとれます【グラフ1】。同じく「インターネットの利用時間」についても聞いたところ、1日に2時間以上ネット利用をする人は平日が66.2%、休日が72.7%であり、テレビの視聴時間がインターネットの利用時間を上回りました【グラフ2】。なお、テレビの視聴時間は世代別にみても大きな開きはなく、20代で1日に2時間以上テレビを視聴している人は、平日(65%)、休日(80.5%)となっています。

「テレビについての考え」を複数回答で聞くと、「楽しい気持ちになる」(72.3%)という答えが最多となり、「自宅で過ごす時間を楽しむのにテレビは重要だ」、「知的好奇心が満たされる」、「テレビを見ているとリラックスできる」と答えた人はそれぞれ71.3%、69.4%、67.5%となりました【グラフ3】。

【調査概要】

調査名:テレビについてのアンケート
対象者:テレビ・インターネットの利用者
有効回答数:800サンプル(20代~50代以上の男女、各100サンプル)
調査期間:2013年6月6日(木)~6月10日(月)

テレビ視聴時間

スマートテレビ浸透中!テレビをネットにつなぐ人が4人に1人、テレビを見ながら情報機器を使う人は約7割

インターネット接続が可能で、従来のテレビにはないさまざまな機能を搭載した「スマートテレビ」。現在、その存在はどこまで浸透しているのでしょうか。「現在、テレビをインターネットに接続して利用しているものはありますか。」という質問では、全体の4人に1人にあたる26%が、テレビをインターネットに接続し、何らかのサービスを利用していることが分かりました。徐々にではあるものの、テレビでのネット接続が常識化してきているようです。具体的には、「番組への参加(双方向アンケートや投票)」(14.0%)、「ウェブの閲覧」(10.8)%、「『YouTube』などの動画共有サービス」(8.5%)などとなっています【グラフ4】。

また、テレビの“ながら見”に関して、テレビを見ながらその他の情報機器を使った経験のある人は約7割にのぼりました。パソコンやスマートフォンタブレットなどを活用し、番組に関することやそれ以外のことを調べたり、TwitterやLINEといったSNSを利用したり、さまざまな情報を検索・共有しているようです【グラフ5】。特に20~30代ではテレビを見ながら情報機器を利用する機会が増えたと4人に1人が回答しています【グラフ6】。また、テレビを視聴するきっかけとして「ネットで取り上げられていた」と回答する人が約4割(36.8%)いるなど、テレビと情報機器は確実に連携が進んでいるようです【グラフ7】。
テレビをインターネットに接続して利用しているもの

スマートテレビが浸透しつつある今、ニーズが高いのは「直感操作」「リモコンいらず」「情報・コンテンツのシェア」

現在所持しているテレビについては、45.9%の人が何らかの不満を感じています。具体的な不満点としては「画質」(8.9%)を抑え、「画面サイズ」(14.0%)と「応答性能」(12.3%)、「リモコンの操作性」(9.0%)が上位にランクインしています【グラフ8】。一方でスマートテレビの機能やコンテンツで関心が高いものを聞くと、「分かりやすく直感的な操作」(52.4%)、「リモコンを使わない操作」(21.0%)、「スマホと映像や写真の連携」(20.5%)がトップ3に。スマートテレビが今後さらに浸透していくためには、こういったニーズに応えていくことが重要と言えそうです【グラフ9】。

■若者はデジアナ双方でテレビ情報の「共有」ニーズも高い。テレビを人と囲むことが「増えた」20代が4割強

テレビの視聴状況について、もう少し詳細に聞きました。「家族など人と一緒にテレビを囲むことが増えた」かどうかという質問では、全体の33.6%が「増えた」(あてはまる、ややあてはまるの合計)と答え、20代では42.5%が「増えた」と回答。特に若い世代に、人と一緒にテレビコンテンツを見る・シェアする人が多いようです【グラフ10】。「テレビ情報をもっと簡単に共有したい」かどうかでは、全体の43.6%が「あてはまる」「ややあてはまる」と回答するなど、テレビとネットの連動や、色々な人とシェアしやすい多様なコンテンツが今後ますます求められそうです【グラフ11】。

■世代を問わず大画面、新機能、多機能性に魅力を感じている。スマホ連動も当然したい。

テレビの魅力について複数回答で聞くと、世代問わず約7割(71.3%)が、「大きいサイズのテレビ」に魅力を感じていました。「新しい機能に魅力を感じる」と答えた人は58.9%、「機能が多いことは魅力である」と答えた人は50.1%と、テレビのインチアップや、魅力的な新機能は、テレビ買い替えのきっかけになるかもしれません【グラフ12】。さらに、スマートフォンタブレットの連携ができるテレビで、どんなことをしたいと思うか、複数回答で聞くと、「録画したテレビ番組のスマホタブレットでの再生」(17.5%)、「アプリの利用」(12.6%)が高く、「スマホタブレットの映像をテレビで見る」(10.3%)、「スマホタブレットをリモコンとして利用」(9.6%)、「テレビ電話」(9.5%)、「テレビのライブ映像をスマホタブレットで再生」(8.5%)、「番組情報の共有」(8.0%)などが続きました【グラフ13】。

総評】

■常識化する「スマートテレビ」。更なる普及には「直感操作」「情報・コンテンツのシェア」「スマホタブレット連携」などが鍵に

今回の調査で、4人に1人がテレビをネットに接続して利用していることが明らかになりました。いよいよ「スマートテレビ」の浸透も進んできているように感じます。現在所持しているテレビへの不満や、スマートテレビに期待することをみていくと、今後の普及に際しては、「インチアップ」需要に応えること、リモコンの操作性向上やリモコンいらずの直感操作の確立、スマホタブレットとの連携機能の強化などがポイントになりそうです。

また、LTEWi-Fi技術の進化によって大容量データのやり取りが容易になってきており、スマホタブレットとテレビ間でリッチコンテンツを共有する流れは今後ますます加速するでしょう。若者のテレビ離れがよく指摘されますが、平日休日問わず、1日にある程度まとまった時間テレビを視聴する人はまだまだ多いようです。若い世代を中心に、家族やその他の人と一緒にテレビを囲む機会が増えているというのも興味深い結果でした。自宅で過ごす時間を楽しむために、テレビを複数で視聴しながら、ネットでもリアルでも色々な情報・コンテンツを共有する。そういった新しい視聴スタイルが求められているのかもしれません。


マリサ
ネット上でのマーケティングリサーチなどを行っている株式会社イードってところが2013年に行った調査によると、テレビを見ながら情報機器(PCやスマホタブレット)を使う人が7割もいて、しかも「20~30代の4人に1人がテレビを見ながら情報機器を使う機会が増えた」と回答しているそうなんだぜ。


マリサ
そして、2013年の時点で実は「若者のテレビ離れ」はあまり進んでいなくて、自主的にテレビと情報機器の連携をしている人の割合が増えてきているって結果が出ていたわけだ。


レイム
この記事を読む限りだと、2013年の時点での視聴者のニーズとしては、テレビとネットが積極的に連携していく事を望んでいたって事になるわね。


マリサ
そう、でもテレビ業界は「同じ画面に番組批判が出る事」を嫌って、電源を付けた時点でネット画面がテレビに自動的に表示される機能を拒否し、結果的にネットとの連携を拒否したわけだ。


レイム
いくらテレビ業界がネットとの積極的な融合を拒否しても、ユーザー単位では連携が進んでいたから、全く意味がないのにね。


マリサ
そう、そして現在こうなったわけだ

10代のネット利用、平日は1日224分…5年前から倍増
読売新聞 2021/10/06
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20211006-OYT1T50167/

国内でも、子どもや若年層のインターネット利用の在り方が課題となっている。接触時間は増加傾向にあり、長時間の利用には、学力への影響を懸念する見方も出ている。

 総務省情報通信政策研究所は8月、テレビやネットなどの利用状況に関する2020年度分の調査結果を公表した。対象は全国の13~69歳の男女1500人で、調査は今年1月に行った。

 この中で、10歳代の平日1日あたりのネット利用時間は平均224分だった。15年度は112分で、5年前から倍増した。「テレビ(リアルタイム)視聴」の73分を大幅に上回る。

 10歳代のネット利用は、多くがスマートフォンを通じたSNSによるものだ。長時間のスマホ使用は、子どもの学力に悪影響を及ぼすとの調査結果もある。

 脳科学者の川島隆太・東北大教授と仙台市教育委員会の調査によると、スマホを平日に1時間以上使う子どもは、1時間未満の場合に比べて、成績の伸びが低くなったという。


マリサ
こちらの記事によると、10代のネット利用が2015年と比べて倍増、テレビの1日当たりの視聴時間73分を3倍も上回ったわけだ。


レイム
しかもさっきの情報と合わせると、テレビの視聴は自主的にテレビとネットを連携させての「ながら視聴」って事よね。
テレビ業界が2013年に拒否した。


マリサ
そういう事になるぜ。
しかも次の記事を見ると

テレビを見ないが過半数「男20代と女10代」の衝撃
東洋経済 2021/06/02
https://toyokeizai.net/articles/-/431686

NHK調査でわかった地上波放送の終わりの始まり

5年に1度、NHK放送文化研究所(文研)が行っている大規模な世論調査「国民生活時間調査」の最新結果が5月20日に公表された。折しも5月上旬に出そろった在京キー局の2020年度決算では新型コロナによる大打撃が明らかになったが、その凋落にダメ押しをするような調査結果だった。

NHK文研の衝撃的な調査結果を見る前に、まずは在京キー局の決算状況を数字で見てみよう。

売上高は全局とも前年を割り込み、売り上げの大半を占めるCM収入も日本テレビ以外は前年比2桁のマイナス。番組制作費も各局とも大きく減らしている。こんなに減らして大丈夫かと思う方もいるだろうが、今回は大丈夫。理由は後で説明する。

数字だけではピンとこないと思うので、グラフにしてみる。

売上高ではフジテレビの減り方が目立つが、CM収入の下げ幅が最も大きいことが主な要因だ。

営業利益でテレ朝だけが増益なのは、コスト削減をそうとう頑張ったためとのこと。確かに下のグラフで見ると、番組制作費では金額でも前年比でもテレビ朝日が5局の中で最も削減している。日テレの営業利益が、前期も今期も別次元の高さなのが目を引くが、これについても後で分析する。

※TBSの番組制作費には、人件費や減価償却費といった部門を横断して発生する費用が配賦基準に従って配分されている

CM収入の前年比マイナスは、2009年度のリーマンショック時を上回る深刻さだが、番組制作費はさらに大幅減少した。とくにテレビ朝日とフジテレビは、前年より2割以上も減らしている。
再放送や総集編、五輪延期が影響

ただ、番組制作費削減によるダメージは数字から受ける印象より少なかったはずだ。もちろん、制作費をこれだけ削れば制作現場はボロボロになる。しかし昨年は新型コロナでドラマやバラエティーなどの制作ができず、昔の作品の再放送や総集編などで乗り切った。つまり制作費自体が発生しなかった。

また各社とも東京オリンピックに備え、費用も人手もかかる大型特番を予算段階で減らしていたという事情がある。オリンピック・パラリンピック延期で来年度にまわった費用は、その穴埋めとして作られた番組の制作費より、はるかに高額になるだろう。にもかかわらず、来期については各局とも強気の予想を立てている。なぜか。

https://toyokeizai.net/articles/-/431686?page=2

以下の表は連結の予想だが、テレビ朝日は、売り上げは他局よりはるかに強気な反面、利益では1社のみ減益と予想。逆にフジは売り上げ減、利益増の予想だ。

予想に新型コロナの影響をどれだけ見込むかで売り上げも利益も大きく変わるとはいえ、各局の強気予想の背景には、昨年度のスポット収入の急回復があるとみるのが妥当だろう。そこで、過去3年間の四半期ごとの前年比での推移をみてみたい。

上記グラフで見ると明らかにわかるように、2020年度第1四半期は異常ともいえる落ち込み。景気が悪くなると真っ先に削られるのが広告費と言われているが、どの局もその影響をもろに受けた。

映画公開の延期や、観光など人の移動制限で出るはずだったさまざまなテレビ広告が出なくなった。その穴埋めで昨年の5〜6月に、どの局にもACジャパンの広告が頻繁に流されたのを覚えている方もいるだろう。

ところがスポットは第3四半期から急回復し、どの局も下半期は前年比でプラスになっている。前年度の第3四半期がかなり落ち込んだ反動もあるが、この回復基調は第4四半期も、そして今年度も続くと見込まれている。

ではこれで、テレビ局の広告収入は底を打ったのか。答えは否だ。
リーマンショックを上回る厳しさ

テレビのCM収入のこの15年間の変遷をみれば、楽観などできる状況ではないことがわかる。

上記を見てもわかるとおり、リーマンショックを上回る厳しさはデータ上でも明らかである。日本テレビ以外の4局はリーマンショック時のレベルを下回っている。一強の日本テレビも含め全局が急減。テレビ朝日、TBS、フジテレビはほぼ同じ低い水準で並んでいる。とくにフジテレビは15年前から半減するというとてつもない厳しさだ。

各局同様に衰退しているように見えるが、視聴率、CM収入、番組制作費のこの10年間の「変化」を比べると、それぞれの局の特性が見えてくる。以下に表示するグラフは、2011年度のプライム帯年度平均視聴率、CM収入、番組制作費を「1」としてそれが10年間にどのように変遷したのかを見たもの。

あくまでも局ごとに変化をみるためのもので、数字を比べるものではない。

日本テレビは、視聴率は徐々に下がっているがCM収入はかなり増えている。注目点は、収入は増えていても制作費は増やしていないところ。コントロールが非常に利いていて、経営的には理想的といえる。これが日本テレビの強みともいえる。

テレビ朝日は、2017年度までは視聴率は下がっているのに制作費は高いレベルのまま。CM収入も同様なので、コントロールはされている。しかし2018年度からは視聴率が上がっているにもかかわらず、収入は下がっている。ここにテレビ朝日の問題が隠れている。

https://toyokeizai.net/articles/-/431686?page=3

テレビ朝日は広告主が必要としている若年層にあまり見られていないのだ。昨年度平均の世帯視聴率では全日(6〜24時)で2位、ゴールデン(19〜22時)で2位、プライム(19〜23時)で1位と絶好調だ。しかし男女13歳から49歳の個人視聴率をみると、全日、ゴールデン、プライムとも4位に転落する。

テレビ朝日の視聴者は高齢者が多いということが広告主にわかってしまったので、世帯視聴率が高くてもテレビ朝日には広告を出さないという広告主が増えたと推測される。

TBSはよくも悪くも変化が少ない。毎期、毎期、翌年度の収入を予測し、それに合わせた制作費予算をたて、それをしっかり守っていく。そんな実直な経営が垣間見える。悪く言えば小さくまとまっていて、リスクをとって勝負に出る勇気がないという印象だ。

金額的には他局より圧倒的に少ない制作費なのに、工夫と努力で視聴率をもぎ取っている。テレビ東京の番組プロデューサー数人に話を聞いたが、彼らは自分たちの立ち位置を理解したうえで、高いプライドを持って番組作りに臨んでいる。他局の半分以下の制作費にもかかわらず、そこをなんとかしてやろうという意気込みはほかのキー局には見られないものだ。苦境に立つほど粘り強さを見せる、そんなところが視聴者にも広告主にも評価されている。

最も苦しいのがフジテレビ。この10年間、視聴率の下落でCM収入は下がり続けているのに、番組制作費の削減が追いつかない状況が続いている。2000年代初頭までのフジテレビの絶頂期を知る者には、信じられない凋落ぶりだろう。

むしろ絶対的な成功体験が逆に災いしているのではないだろうか。番組制作費は2011年度からの6年間で4割も減らし、ピークの2009年度から考えるとほぼ半減。全局の中で最も激しい削減となっている。

しかしここ数年、視聴率は下げ止まりの傾向にある。さらにテレビ朝日とは逆で、高齢者も含んだ世帯視聴率では全日・ゴールデン・プライムで4位だが、男女13歳から49歳の個人視聴率では、全日・ゴールデン・プライムとも2位。そこに希望を見いだせそうだ。

各局10年間の変遷で、テレビ局が陥っているかつてないほどの苦しい状況が見えてきたところで、いよいよNHK文研の最新調査結果を見てみたい。

https://toyokeizai.net/articles/-/431686?page=4

上記のグラフは、NHK文研がWeb上で提供している調査データを筆者が加工したもの。注目は1日に15分以上、テレビを見る人の割合(テレビの行為者率)だ。グラフは男女別に世代ごとのテレビの行為者率が、1995年から5年おきにどう変化したかを表している。

男女で多少の違いはあるが、2010年までの15年間は男女ともほとんど変化がない。高齢者に比べると若い世代のほうがテレビを見ている人が少ないが、それでも8割以上が毎日テレビを見ている。

しかしNetflixが日本でサービスを開始し、サブスク型のネット動画サービスが本格的に普及し始めた2015年には、若い世代を中心に一気にテレビ離れが進んだ。とくに男性の10代から40代の減り方が激しい。これだけはっきりテレビ離れ現象をとらえた調査はほかにはない。当然、5年後の2020年の調査結果がどう出るか非常に注目された。そして出てきた結果は、テレビ業界の人間には衝撃的だった。

若い世代でテレビを見る人が激減し、男性20代と女性10代では50%を切ったのだ。若い人たちやネットを使い倒している人たちからすれば当然だと思えるだろう。しかしテレビ業界では、まさか半分以下になるとは! そこまでテレビが見られなくなるとは!という衝撃だったはずだ。
スポンサーも考え直す「広告費」の使い方

テレビ局のメシのタネはCM収入だ。しかし巨額の広告費を投入する広告主も、若い世代がこれだけテレビから離れれば、金の使い道を考え直すだろう。YouTubeの広告のほうがいいかもしれない、と。

ではネット動画はどれだけ見られているのか。NHK文研は2020年調査からネット動画の行為者率も調べ始めた。それを加えたのが以下のグラフだ。

テレビにはまだ追いつかないが、男女とも10代、20代はテレビに迫る勢いだ。5年後の2025年調査では、おそらく逆転しているだろう。動画を除く趣味・娯楽・教養のネット利用では男性20代、30代、女性20代ですでにテレビより多くの人がネットを利用している。

この調査結果から明らかになったのは、「10代から30代の若い人たちはテレビを見なくなりネット動画を見るようになっている。地上波テレビ放送に執着しているのは60代以上の老人ばかり」という現実だ。その60代以上の高齢者でさえ、ネットを使い始めている。

この時代の変化にテレビ局はどう対応していくのか。メディアがすさまじい勢いでネットに移行していくこの時代に、フェイスブックツイッターなどのSNSなどを使ったことのない60代以上の高齢者が経営者でいる限り、テレビ局は急激に加速する変化に対応できないのではないか。

もしどこかのキー局の社長を、元Google Japan社長の村上憲郎氏や、Zホールディングス社長の川邊健太郎氏、DeNA会長の南場智子氏、KADOKAWA取締役でドワンゴ社長の夏野剛氏がやったら、どうなるだろう、どんな変化をもたらしてくれるだろうと筆者は夢想してしまう。テレビ局が変化しなければならないのは、今、この瞬間だ。それができない局は、早晩、自然淘汰されるだろう。


マリサ
2010年頃には若い世代でもテレビ視聴時間にそれほどの減少がなかったのが、2015年頃から激減し始め、2020年の調査では2015年と比べて若い世代のテレビ視聴時間が半減、
今でも減り続けているようで、今後は視聴時間に変化の無かった60歳以上でも減っていくって予測が出ているんだぜ。


レイム
つまり、ネットとの連携が嫌で「シニア世代のため」と言い訳していたのに、そのシニア世代すら「テレビ離れ」が起きつつあるって予測が出てきたというわけね。


マリサ
そう、変な縄張り意識とプライドで、ネットからの「リアルタイム批判」を恐れてネットとの融合ができず、その言い訳に「シニア世代のために必要なんだ」と言っていたら、いつの間にか全世代がテレビから離れだしたというわけだ。


レイム
まさに「自滅」ね。

今回のまとめ

・テレビ業界がスマートビエラの新機能を拒否
・「シニア層のため」と言っていたが、実態はネットからの批判を問題視
・結局全世代でテレビ離れが進む


マリサ
そしてな、結局のところこうなっている原因は、テレビや新聞業界が自分達を特別視しすぎていたって事だぜ。


レイム
というと?


マリサ
たとえば、以前説明したようにテレビや新聞業界は「ネットを一段低く見ている」って話しただろ?


レイム
そうね、でも実際にはネットもテレビも新聞も「プラットフォームでしかない」のよね。


マリサ
そう、なのにあの業界の人達は「テレビや新聞である事」がネットより高級で特別な事のように思いこんでいたわけだ。


マリサ
この勘違いのわかりやすい事例としてな、たとえば韓国との一連の「輸出優遇解除」の件、あれって特定の新聞やテレビでは今でも「歴史問題を理由とした輸出規制」とか言っていて、実態の「韓国の輸出入管理が杜撰」という事実を一切報じないよな。


レイム
そうね、いくつかのメディアやネットではちゃんと実態を報じているのにね。


マリサ
でだ、この「輸出規制」という話を「有料の紙面」に掲載したら、それはネットで指摘される「輸出優遇解除の実態」の情報より価値が出るのかって事だぜ。


レイム
まあ出るわけないわよね。
ただのデマ報道だもの。


マリサ
そういう事だぜ。
結局はネットであろうとテレビであろうと新聞であろうと、その情報の価値は「個別の事例ごとに等しく違う」のに、それを理解せずに自分達を無駄に特別視しているからこんなことになったんだぜ。


レイム
なるほどね。


マリサ
そんなわけで今回の本編はここで終わるぜ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~


大口
まず初めにお詫びがあります。
前回の補足の補足動画の方で、台湾の金門島を中国と表記してしまった件なのですが、上記のような経緯です。


朝コメントを見て動画作成決定

台湾と韓国以外の画像保存

「台湾の日本ぽくない場所」として金門島の画像を保存
(ここまで都市名しか画像に入れず)

用事があったので中断し出かける

夜帰宅し動画の事を思い出し慌てて作成開始

台湾と韓国の画像がない事を思い出し集める(最初の事情をすっかり忘れる)

時間がないのでテキストにせず文章直打ち

何もチェックできず気付けば金門島が中国に


大口
完全に私のミスであり、不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。


レイム
要するに、画像を集めている途中で外出したことと、テキストに起こさずに直打ちしたことでチェックできなかったのが原因って事ね。


大口
はい、そういう事になります。
申し訳ありませんでした。


大口
次にちょっと残念なお知らせです。


マリサ
まだ何かあるのかよ。


大口
予定していたホラー系変な生き物なのですが、数日前に某有名ユーチューバーさんが動画にしていましたので、ボツになりました。
まあネタばらししてしまうと予定していたのは「トキソプラズマ」です。


マリサ
このタイミングでやったら「パクリ」認定受けちゃうしな。


レイム
それにしても、ものすごいタイミングでネタ被りしたわね。


大口
説が出てきたのは数年前ですが、数週間前にナショジオでも特集していたので、ある意味仕方がないです。
そして皆さん、実はホラー系には「第二候補」がありまして、こういう事があった以上、またネタ被りはいやなので、次回はホラー系をやることが決定しました。
年末か年始頃にアップ予定ですのでご期待ください。


マリサ
なんでこっちは第二候補だったんだ?


大口
グロではないけど、昆虫系なのでトキソプラズマみたいな見た目は印象の薄い系統と違って、嫌な人は嫌かなと考えたので。
一応、見た目ほぼ同じ近縁種が都市部の人家近くでも普通に見かけられるんだけどね。


レイム
まあ昆虫系はね。
そういうことなので、次回の変な生き物動画は、苦手な人はクリックしない事を推奨します。


マリサ
そんなわけで今回はここで終わるぜ。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~



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