さて、本日は最近韓国で開催され騒動となった、「世界スカウトジャンボリー」と韓国的価値観について扱っていきます。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブログ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています
・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
今月韓国で開催され、準備不足から次々と問題が発覚した「世界スカウトジャンボリー」では、問題の本質的な原因が政治家が票集めのために空港建設や土地開発の口実としてイベントを誘致し、イベントの事を誰も真剣に考えていなかったことが事態を招いたことが判明している。
また問題が発覚しジャンボリーを続けられなくなると、彼らは「表面的な結果さえよければいい」という考え方である「外華内貧」の考え方に基き、イベントの主旨とは全く関係ない韓国観光やK-POPイベントを行い、それで「成功したこと」にしてしまっている。
更に、前政権と現政権、地方と中央がお互いに責任転嫁をしあったうえに、相手を追い落とすことが目的化して政争化しており、6月の洪水の件や去年の梨泰院事故の件と同じく、問題の原因解決には誰も目を向けない状態となっている。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
以下から本文
1:イベントは口実
まずはこちらの記事から
【社説】得票狙った税金の無駄遣いの大型事業、「セマングムジャンボリー」に限った話だろうか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.08.15 09:28
https://japanese.joins.com/JArticle/307801
セマングム世界スカウトジャンボリーは、多くの課題を与えた。放漫運営や準備不足など「無能行政」の原因を究明する作業が不可欠だ。政界と
地方自治体が地域票を得るために先を争う大型事業の乱脈ぶりも、これを機に必ず暴かなければならない。今回のジャンボリーでは、政府と
自治体がセマングム開発を名分に
天文学的な予算をつぎ込んだだけで、肝心のメイン行事は気にかけない矛盾が赤裸々に露呈した。
国民の力の宋彦錫(ソン・オンソク)議員室は、セマングムジャンボリーと関連して投入されたインフラ予算が11兆ウォン(約1兆1972億円)だと主張した。文在寅(ムン・ジェイン)政府がジャンボリーを理由に予備妥当性調査を免除したセマングム新空港事業が8000億ウォン程度で、建設中のセマングム~全州(チョンジュ)間高速道路に1兆9200億ウォン、セマングム新港湾に3兆2000億ウォンなどだという。ジャンボリーキャンプ地を新しく埋め立てなければならない敷地に設け、政府が観光レジャー用地を農業用地に変え、農地管理基金の2150億ウォンも使わせた。しかし、全羅北道の金寛永(キム・グァニョン)知事は「数十兆ウォンの予算を繰り上げて使ったという主張は事実と異なる」と反論している。
歴代の複数の政府にわたって開発が進められ、地域票がかかっているため進歩・保守政府を問わず、セマングム開発に異見を示したケースはあまりなかった。全羅北道も2018年に発刊したジャンボリー誘致活動報告書に「国際空港建設およびSOC構築などセマングム内部開発に拍車をかける名分が必要だった」と述べるほどだった。しかし、セマングムでの行事が失敗に終わり、すぐにセマングム新空港白紙化の主張が出ている。政界と地方自治体が一丸となって作った襄陽(ヤンヤン)・務安(ムアン)空港など11の地方空港が赤字に苦しみ、醴泉(イェチョン)空港は閉鎖された。にもかかわらず、全国で9つ以上の空港建設が進められている。
財政が劣悪な自治体が政府の支援で地域発展を図ることを無条件に過ちと言うことはできない。しかし、政界と地方自治体が合作して予算をばらまいた後、誰も責任を負わない「穴の開いた壺」のような事業は全国に散在している。予備妥当性調査免除を厳格にし、自治体首長が変わる度に新事業を推進するのを防ぐ法的装置が必要だ。無分別な国家予算執行で莫大な税金が浪費されることを防ぐ牽制システムが急がれる。
文在寅前大統領が昨日、ジャンボリー問題について「国格と誇りを失った」と述べ、大会招致当時の大統領として謝罪の意を表明した。謝罪の表現が記されたが、前政権の責任論を提起する与党への反応として受け止められている。双方とも責任から自由でない与野党は、誰の過ちの方が大きいかをめぐって争う余裕がない。「パンドラの箱」が開かれたのに対策を立てなければ国民の怒りに共倒れすることになるだけだ。
記事によると、元々今回のイベントは干拓地の開発と空港誘致の口実に利用されていたようで、地方票が欲しい政治家や自治体が、イベントの成功をほとんどだれも気にしていなかったようなのです。
いわゆる「ばらまき行政」の結果というわけです。
またこうした背景があったため
「ジャンボリー予算でセマングムのインフラ構築か」 韓国国会で2年前に警告
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.08.16 10:10
https://japanese.joins.com/JArticle/307850
全羅北道(チョルラブクト)とセマングム開発庁などがジャンボリー大会を利用してセマングムのインフラを構築しようとしたという疑惑が浮上している中、国会がすでに2年前にジャンボリー予算がインフラ構築に活用されることに懸念を表していたことが15日に確認された。
2021年9月に発行された「女性家族部所管の歳入・歳出決算」検討報告書によると、当時、国会女性家族委員会のチャ・シンスン首席専門委員は「当初計画されていなかった上下水道など基盤施設設置のための施設費205億4200万ウォン(約22億円)が(ジャンボリー予算に新たに)反映された」とし「こうした永久的な基盤施設はジャンボリー大会予算とは別に『セマングム開発計画』で設置されるべきものだが、結果的にセマングム開発庁が遂行すべき事業を女性家族部がしたとみられる」と分析した。
また「女性家族部の綿密な検討が不足し、当初のジャンボリー事業費総額491億ウォンの72.3%にあたる355億1100万ウォンが増額した」とし「これは当初の国費の4倍、地方費2倍にのぼる金額で、ジャンボリー予算にセマングム開発目的の予算が含まれたと見ることができる」と指摘した。そして「女性家族部はこれを効率的かつ透明に執行することに特に注意を傾ける必要がある」と付け加えた。
ジャンボリー閉営式以降、与党は莫大なジャンボリー予算が行事にまともに投入されずセマングムSOC拡充に使用された疑惑を集中的に調べている。監査院も全羅北道とセマングム庁がジャンボリー招致を大規模SOC事業推進および予算確保手段として利用したかを確認する方針だ。こうした中、2年前に国会検討報告書を通じて、一部のセマングムインフラ事業予算がジャンボリー大会を活用して増額した状況が確認された。全羅北道は「ジャンボリーを利用したセマングムのインフラ構築は虚偽事実」という立場だ。
全羅北道の金寛永(キム・グァンヨン)知事は前日の記者会見で「ジャンボリー大会を利用して数十兆ウォンの予算を引き込んだなどの虚偽事実を主張し、全北人の自尊心を深刻に傷つけて名誉を失墜させる行為はこれ以上黙過しない」とし「セマングム事業はジャンボリー招致のはるか前から国家事業として推進してきた」と述べた。
一方、与党・国民の力のユン・ヒソク報道官はこの日の論評で「金知事は全羅北道の安易な行政を叱る国民の声に『これ以上黙過しない』と脅迫をためらわなかった」とし「監査院の監査を通じて、インフラ事業予算確保手段としてジャンボリーを利用したか、全羅北道がまともに施設費を投入したか、ジャンボリーの裏に利権カルテルがないかなど徹底的に明らかにされるだろう」と述べた。
2年も前から干拓地の開発予算がイベント予算に上乗せされている疑惑が提起されていたにもかかわらず見逃され、今になってその件で調査が入るという状況になっているようなのです。
またこうした背景から
閉幕したのに予算執行率62%…世界スカウトジャンボリー会場の工事を続ける全羅北道
朝鮮日報 2023/08/16
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/08/16/2023081680090.html
韓国
全羅北道セマングムでの「世界スカウトジャンボリー」が開幕当初混乱したことに関連し、
全羅北道が「予算は
組織委員会の指揮の下で大部分が執行される」として責任を
中央政府に転嫁したが、
全羅北道が直接執行するはずの事業の予算執行率が62%にすぎないことが15日までに分かった。主に
上下水道などインフラ関連事業だった。関連予算が付いているにもかかわらず、適時に使うことができず、インフラが不十分なままとなり、それが運営の混乱につながった。
鄭宇沢(チョン・ウテク)国会議員(国民の力)が全羅北道から提出を受けた「ジャンボリー行事関連予算現況」によると、2018年から23年7月まで全羅北道が直接執行した事業の総事業費は265億ウォン(28億9000万円)が配分され、うち165億4900万ウォンしか執行できなかった。開幕日(8月1日)直前の執行率は62.4%にとどまった。
265億ウォンのうち235億ウォンはインフラ整備、30億ウォンは大集会場整備の予算として編成された。セマングムキャンプ地が水たまりで覆われ、キャンプ地に木陰が一つもなかった問題と直接接している予算だ。
上水道26キロ、下水道31キロ、臨時下水処理施設3カ所、駐車場3カ所、避暑用の樹木トンネル7.4キロなどを設置するインフラ整備予算235億ウォンのうち執行されたのは148億ウォンだけだった。当初計画では21年12月に着工し、上下水道、駐車場は今年5月、内部排水路および追加排水施設(簡易ポンプ場)の設置は6月に工事が終了するはずだったが、完成は12月にずれ込む見込みだ。大会が終了後も工事が続くことになる。ジャンボリーの大集会場は、30億ウォンの予算のうち17億4900万ウォンだけが執行された。
鄭議員は「国際イベントを誘致後、予算だけ確保し、事がうまく運ばないと中央政府に責任を転嫁することが繰り返されないようにするため、自治体の行政能力と責任の強化が必要だ」と指摘した。
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/08/16/2023081680090_2.html
全羅北道による直接執行事業予算のうち半分は国費が投入された。政府関係者は「すべての国庫補助事業は精算報告書を作成しなければならず、主務省庁長(全羅北道知事)は精算報告書を確認した後、執行残高を(政府に)返却するのが原則だ」と述べた。
ジャンボリー組織委員会の過失もあった。会場では蚊と害虫が大量発生し、虫に刺された隊員が多かったが、組織委はキャンプ場の防虫作業を従業員が10人にも満たない零細企業に任せていた。調達庁によると、3月に約4億9300万ウォンの予算が配分された防虫作業の契約には641社が入札し、A社が3億5000万ウォンで落札した。
A社は適格審査に合格した業者のうち最低価格を提示するなど正常な手続きを経て受注したが、2018年設立で、従業員数8人の零細業者に大規模イベントの防虫対策の経験はほとんどなかった。A社関係者は本紙の電話取材に対し、「軍部隊宿舎での防虫作業の経験もあり、それなりの技術力で最善を尽くした」としながらも、具体的な従業員数などは明らかにしなかった。
大会初期に浮上したトイレとシャワー場の衛生問題も予想できたとの批判がある。組織委が4月、清掃業者の入札を公告する際にまとめた「指示書」によれば、トイレ、シャワー場を含む「衛生施設」780カ所に配置された清掃要員は15人にすぎなかった。組織委が衛生設備の清掃員に分類した15人が担当した区域はトイレ330カ所、シャワー場300カ所、給水台125カ所、分別収集場25カ所に達した。組織委関係者は「清掃員が不足し、大会3日目に扶安郡に人材補充を要請した。100人が到着して問題が解消された」と説明した。
キム・テジュン、金承材(キム・スンジェ)記者
世界スカウトジャンボリーに用意された、本来であれば干拓地の水捌けをよくするためや、トイレなどのインフラを整備するために用意された予算が、イベント終了後でも6割程度しか使われておらず、工事の終了が今年12月になっていたようなのです。
世界スカウトジャンボリーの問題では、自治体や議員による観光目的の出張や議員の関連企業への仕事の斡旋に利用されたという疑惑も提起されていますが、最大の問題はこの「干拓事業の予算獲得のために利用された」事でしょう。
最初から失敗するべくして失敗したわけです。
2:外華内貧
世界スカウトジャンボリーは台風の接近によって最終的に中断されたわけですが、先ほど説明した背景にあるように、「土地そのものに問題があった」事が確実であるため、たとえ台風が来なかったとしても結果は同じだったでしょう。
そしてこの状態で韓国政府は
ジャンボリー大会の混乱を収拾した10代のKポップスターたちの活躍
東亜日報 August. 15, 2023
https://www.donga.com/jp/List/article/all/20230815/4358278/1
「Kポップコンサートは、トラブルが続いていた2023世界スカウトジャンボリー大会のリリーフ投手だった」
行き過ぎた言葉ではなかった。全羅北道扶安郡(チョルラブクド・プアングン)のセマングムで1日開かれた2023世界スカウトジャンボリー大会は、6年間もの準備期間にもかかわらず、大会前半からずさんな運営でトラブルが相次いだ。セマングムは、日陰のない干拓地であるにもかかわらず猛暑対策が不十分で、シャワー場やトイレなどの必須衛生施設がはるかに不足していた。
幸い、トラブルで始まったジャンボリーは、歓声で締めくくられた。当初は6日、セマングム特設舞台で開かれる予定だったKポップコンサートは、猛暑と台風の影響で場所と日程が変更され、11日、ソウル麻浦区(マポグ)のソウルワールドカップ競技場で開かれた。この日のコンサートでは、153ヵ国、4万3000人のスカウトがKポップコンサートを楽しんだ。テレビで生中継された放送で、青少年のスカウトたちは、カメラが自分たちを映した時、出身国名を表示したスマートフォンを振りながら興奮した。世界の人々に嘲弄されたジャンボリーのずさんな運営に対する批判的世論を挽回しようとするかのように、コンサートの中継カメラもやはりKポップアーティストたちのパフォーマンスと熱狂する世界のスカウトたちの姿を交差的に放送した。Kポップの高くなった地位を実感し、残念でありながら一方では幸いだった。
2時間ほど生中継されたKポップコンサートには、ニュージーンズやアイブ、NCTドリームなど有名なKポップアーティスト19チームが総出動した。ニュージーンズは当初、出演する予定ではなかったが、日程を調整して舞台に立った。アイブも、コンサート開催日の変更で不参加の意思を明らかにしたが、公演前日にコンサートへの参加意向を明らかにした。Kポップのスターたちは、歌を歌う前に、そして歌の合間に世界のスカウトたちに向けて英語で挨拶をした。英語圏の国の出身か居住経験のあるアーティストたちは、流暢な英語能力でスカウトたちに話しかけた。英語は流暢ではないが、英語の文章を一生懸命覚えてスカウトたちに挨拶をするアーティストも相当いた。歌手たちは、ジャンボリーを準備した組織委員会や政府省庁の関係者でもなかったが、同日、ステージのために海外ファンに贈る言葉を直接英語で準備してくる愛情を示した。大雨にもかかわらず、一部のガールズグループはハイヒールを履いたまま振り付けをこなし、大会のトラブルの隙を埋めた。ジャンボリー組織委員会側が、スカウトの新型コロナの検査費用の負担について問い合わせたソウル市公務員に対し、「セマングムを離れた瞬間、私たちの所管ではない」と話した(東亜日報の12日付のA2面)無責任な姿とあまりにも対比される様子だった。
Kポップコンサートを控えて、与党「国民の力」の成一鍾(ソン・イルジョン)議員は、フェイスブックに「国防部は11日、Kポップコンサートに現在一部が兵士の身分にある防弾少年団(BTS)が皆参加し、大韓民国の国格を高められるようあらゆる措置を取ってほしい」と発言し、批判を浴びた。BTSのファンは、「ジャンボリーのトラブルの後始末をBTSにさせようとする権威主義的発想だ」とし、直ちに反発した。海外メディアも似たような評価を出した。ロイター通信とAFPなどは、「猛暑や非衛生的な環境などで色あせした世界スカウトジャンボリー大会が、Kポップコンサートと謝罪で終わった」「韓国政府は、混乱した状況を収拾するために、(日程を変更して)Kポップコンサートを開いた」と厳しく批判した。
6年間準備したジャンボリーを通じて国格を高めるべき対象は、10代中心のKポップスターではなく、組織委と全羅北道、関係政府省庁だ。国際行事のトラブルの隙を世界で活躍するスターたちで埋めるアマチュア的な行動が、これ以上繰り返されないことを願う。
本来最終日に予定されていたK-POPコンサートを前倒しし、また本来出演するはずではなかったグループも出演させ、ロイターやAFPなどの大手通信社から、「猛暑や非衛生的な環境などで色あせした世界スカウトジャンボリー大会が、Kポップコンサートと謝罪で終わった」「韓国政府は、混乱した状況を収拾するために、(日程を変更して)Kポップコンサートを開いた」と批判されたという記事です。
これは当たり前で、ジャンボリーに参加した人たちはK-POPコンサートを見に韓国へやってきたわけではなく、あくまで「ボーイスカウト・ガールスカウト」の一環として、キャンプ等のアウトドアをしに来たわけですから、それが事前準備の不備で続行不能になったのなら、それは失敗です。
しかし韓国のいくつかのメディアでは
ため息で始まり最後は歓声…世界スカウトジャンボリー、ソウルでのK-POP公演で全日程終了
朝鮮日報 2023/08/12
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/08/12/2023081280010.html
153カ国・4万3000人が参加
ボーイスカウト・ガールスカウトの祭典「第25回世界スカウトジャンボリー」が11日、閉幕式とK-POPコンサートで幕を閉じた。今回のジャンボリーは今月1日に全羅北道扶安郡セマングムで開幕して以降、猛暑への不十分な備えや非衛生的な環境などにより序盤からずさんな運営が明らかになった。8日には台風6号の北上を受けてセマングムのキャンプ地からスカウト隊員たちが撤収した。ジャンボリー運営が空回りするや、韓国政府はもとより企業・宗教関係者・市民らが総力を挙げて支援に乗り出し、12日間(当初予定)の日程は紆余(うよ)曲折の末、終幕を迎えた。
【写真】弾ける笑顔…K-POPのコンサートを楽しむスカウト隊員たち
153カ国・4万3000人のスカウト隊員たちは11日、ソウル・ワールドカップ・スタジアムで30分間行われた閉幕式に出席した。隊員たちは約2時間にわたり19グループが出演したK-POP公演も鑑賞した。韓国大統領室の金恩慧(キム・ウンヘ)広報首席秘書官は同日、「尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が『ジャンボリー閉幕式とK-POPコンサートの安全に万全を期してほしい』と韓悳洙(ハン・ドクス)首相に指示した」と述べた。尹大統領は「閉幕式が終わっても、すべての国のスカウト隊員が全員出国するまで宿泊・交通・文化体験・観光などを最大限支援せよ」と言った。今回のジャンボリーでは序盤にずさんな運営が批判を浴びただけに、「有終の美」を強調したものだ。
フィリピンのスカウト隊員チェイル・マヒネさん(17)は「セマングムにいた時は正直暑くてつらかった。しかし、ジャンボリー期間中に会った韓国人たちは皆、あいさつしてくれて温かかった。必ずまた韓国に来る」と言った。ベルギーのスカウト隊員バン・ホーフ・ネレ・キャトリンさん(16)は「セマングムにいた時もつらくはなかったし、楽しい時間を過ごした。ジャンボリー期間中に会った韓国人たちは皆、私たちにほほ笑みかけてくれたし、先に話しかけてくれる人もいて、思い出になった」と語った。
今回のジャンボリーには総事業費1171億ウォン(約127億5000万円)のほかに、猛暑対策などで69億ウォン(約7億5000万円)の予備費が緊急投入された。8日、台風の影響で150カ国のスカウト隊員約3万6000人を全国8市・道に分けて移動させ、宿泊費・食費・運送費などで数百億ウォン(数十億円)の追加費用が発生したという。韓国政府関係者は「宿泊費だけ見ても、研修センターや寮など、宿泊形態・地域ごとに違う」「ジャンボリーが終わった後、地方自治体との協議過程で算出が可能になるだろう」と述べた。
キム・スンヒョン記者、キム・ウンジュン記者、チョ・ジェヒョン記者
こちらの朝鮮日報の記事にあるように、参加者からの好意的なコメントを紹介したうえで、「K-POPイベントが成功したからジャンボリーも成功」という事にしてしまっているのです。
そして次の記事によると
ジャンボリー大会、問題収拾に少なくとも310億ウォン追加投入
東亜日報 August. 11, 2023
https://www.donga.com/jp/List/article/all/20230811/4350034/1
「第25回世界スカウトジャンボリー」が、準備段階から大会進行まで相次ぐ問題発生で、収拾だけで少なくとも310億ウォン以上かかったことが分かった。2017年に開催地に選定された時、総事業費は491億ウォンと策定されたが、増額を繰り返し、今月1日のイベント開始時点で2倍以上の1171億ウォンに膨れ上がった。さらに準備不足とずさんな運営で、これより多くの
血税を浪費することになったと指摘されている。
10日、ジャンボリー組織委員会などによると、政府は大会開催4日目の4日、総事業費のほかに予備費69億ウォンを支出することを決めた。不十分な猛暑対策のため、熱中症で倒れる参加者が続出し、準備していた医薬品まで底をつき、急きょ冷房バスや医療物資などを補給しなければならなかった。衛生問題が指摘されたトイレに清掃員100人を追加投入し、おやつも追加で配給した。組織委員会は、大会開始前にすでに給食と日よけ、医療施設、猛暑対策、トイレの清掃などに167億ウォンを費やしていた。
さらに台風6号(カーヌン)」の北上により、8日に参加者約3万7千人が全羅北道扶安郡(チョルラプクト・プアングン)のセマングム会場から早期撤収して8つの都市に分散し、宿泊費と交通費だけで200億ウォン近くかかった。参加者らは自治体の研修院や大学の寮などに宿泊した。
自治体が策定した参加者1人当たりの経費は宿泊費15万ウォン(2人1室基準)、食費5万ウォンなど。宿泊費を1人当たり約50万ウォンとすると、3泊4日で計185億ウォンかかる見通しだ。参加者の輸送に緊急投入した輸送バス約1千台の賃借料はまだ精算も行われていない。
さらに、閉営式とKポップ公演の場所をキャンプ場からソウル上岩(サンアム)ワールドカップ競技場に変更する費用や各種文化イベント・体験を新たに運営するための費用まで追加された。当初Kポップ公演及び開・閉営式に計上された予算(45億ウォン)に少なくとも10億ウォン追加された。ただし、ジャンボリー組織委員会関係者は、「総予算のうち、精算されていないものが混ざっているため集計が難しく、正確な規模はイベント終了後に算出できる」と話した。
大会開始前の誤ったキャンプ場の選定などで追加でかかった予算まで加えると、「収拾費用」はさらに増える。3年間1846億ウォンをかけて埋め立て工事を行ったにもかかわらず、排水に問題があり、今年5月の大雨でキャンプ場が浸水したため、強制排水施設を作るために30億ウォン、排水路の拡張などに18億6千万ウォンが投入された。
追加された予備費のほか、宿泊・輸送費、会場変更費用、排水工事費用などを合わせると約310億ウォンとなる。これは過去に開催された海外のジャンボリーの総予算に匹敵する。日本スカウト連盟によると、2015年に山口県で開催されたジャンボリーの総事業費は395億ウォンだった。明知(ミョンジ)大学経済学科の趙東根(チョ・ドングン)教授は、「大会が終われば、準備不足で無駄になった血税がいくらなのかを徹底的に分析し、反面教師にしなければならない」と話した。
趙健熙
「現在分かっている範囲」だけでも、日本円で31億円が追加投入されたようで、元々失敗が予想されていたイベントを強行し、結果当初の予定より2倍以上の約117億円もかかったイベント費用に、更に31億円以上の額が追加され、その大部分が国の予算であったことになるわけです。
これは、以前も説明したことのある、表面的な結果さえよければ実態がどうであろうと問題ないとする韓国の考え方、「外華内貧」の典型例です。
3:政争化
そしてこの問題は、6月の洪水被害や去年10月の梨泰院事故と同じ道をたどり始めています。
【社説】ジャンボリー監査、国家財政1171億ウォンをどこに使ったのかから突き止めてほしい=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.08.14 10:16
https://japanese.joins.com/JArticle/307763
準備不足と未熟な運営で物議をかもした「2023セマングム世界スカウトジャンボリー」が閉幕した翌日に
与野党政界がお互いを責めながら政争に入った。共に
民主党の
キム・ソンジュ政策委首席副議長は13日「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の『3無』国政が明らかになった象徴的事件」とし、大統領の謝罪や首相の辞退、
国政調査を要求した。反面、国民の力のユ・サンボム報道官は「2017年ジャンボリーの誘致を確定した
文在寅(
ムン・ジェイン)政府と
全羅北道(チョルラブクド)がしっかりと準備せず失敗したという結果をもたらした」と反論した。
みっともない。事態の責任はジャンボリーを誘致した前政権と開催した現政権、予算を執行した全羅北道にすべてある。自ら責任を認めて謝罪しても足りない状況で、相手を責めるのは「自ら墓穴を掘る」ようなことだ。国民はこのような政争の論争にいかなる関心もない。6年以上の準備期間に1000億ウォン(約108億円)以上の予算を投入した国際行事が幕を閉じたことに対する実体的な真実究明と再発防止だけが関心事だ。
一体その大金をどこにどのように使ったのか、予算の使途から調べなければならない。総事業費1171億ウォンのうち中心とされるキャンプ場の造成費用はわずか11%(129億ウォン)しか編成されなかった。このため、排水施設の不備で泥沼になった干潟に設置されたキャンプ場は、粗末なテントシャワー場、不十分で汚いトイレで世界の嘲弄の種となった。猛暑の中、3日で温熱患者が1000人に達したが、初期は多数が放置されていた。医薬品予算(3600万ウォン)が1人当たり1000ウォンにも及ばなかったため、当然の結果だ。ついに米国・英国が撤収するなど事態が深刻になるやジャンボリー開営以降、後始末だけで310億ウォンを使わざるを得なかった。すべて税金だ。
反面、予算の74%に達する869億ウォンは組織委運営費になった。このお金で全羅北道(チョルラブクド、55回)・扶安郡(プアングン、22回)など公務員の海外出張は99回にもなる。2018年5月、全羅北道の公務員たちは「ジャンボリーの成功事例調査」という名分でジャンボリー開催経験もないスイス・イタリアに6泊8日間出張した。扶安郡の公務員たちも2019年上海に最長6泊7日間のクルーズ旅行に行った事実が明らかになった。ジャンボリーを資金源にして外遊性出張を楽しみ、実際に基幹施設であるキャンプ場は安値で手抜きだったので、事故が起きざるを得ない。480億ウォンを投じても来年になって完工するというジャンボリーのメインセンターの建物など関連工事の「土着利権カルテル」と最大69.1%に達したという各種随意契約の不正疑惑も必ず突き止めなければならない。
今回の事態は「G8」を自負する大韓民国のずさんなシステムを如実に露わにした。決して見過ごしてはいけない事故だ。監査院の監査と検察の後続捜査を通じて前・現政権を問わず責任者を明確にすることから始めなければならない。実務者だけに責任を負わせる行動が繰り返されてはならない。
こちらの記事にあるように、最大野党「共に民主党」は、尹政権の無能が引き起こした問題と政府批判を行い、与党の「国民の力」は「2017年ジャンボリーの誘致を確定した文在寅(ムン・ジェイン)政府と全羅北道(チョルラブクド)がしっかりと準備せず失敗したという結果をもたらした」と、文政権を批判するという状況になっています。
また次のこの記事では、
ジャンボリー大会運営巡り…全羅北道知事「組織委が予算権限」vs与党「今になって責任転嫁」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.08.15 08:37
https://japanese.joins.com/JArticle/307798
与党が2023セマングム世界スカウトジャンボリー大会のずさんな運営責任を
全羅北道(チョルラブクド)に転嫁すると、金
寛永(キム・グァニョン)
全羅北道知事は14日、
全羅北道庁で記者会見を開き「
全羅北道が間違った部分があるとすれば、当然それにともなう責任も負う」としつつも、「虚偽事実を主張して
全羅北道人の自尊心に深刻な傷を与え、名誉を失墜させる行為はこれ以上黙って見過ごさない」と述べた。
金知事は全羅北道が中央政府のセマングム関連の社会間接資本(SOC)予算を引き出すためにジャンボリーを利用したという主張に「虚偽事実」と強く反論した。金知事は「セマングム事業はジャンボリーが誘致されるずっと前からすでに国家事業として推進されていた」とし、「10兆ウォン(約1兆円)規模のセマングムSOC事業はジャンボリーと関係なく、セマングム基本計画によって推進された事業」と述べた。金知事は、「今回論争になったセマングム南北道路の場合、ジャンボリー誘致(2017年)以前の2011年にすでにセマングム基本計画に反映されていた」と説明した。予備妥当性調査が免除されたセマングム国際空港事業についても「文在寅(ムン・ジェイン)政府から国家均衡発展のために地域が希望する予備妥当性調査免除の案件を出すように言われて免除された」とし、加徳島(カドクド)新空港のような事例だと主張した。
全羅北道知事が務めたジャンボリー執行委員長が、実際は実務を総括したのではないかという批判についても、金知事は否定した。金知事は「執行委員20人で構成された執行委で予算を審議し、最終的に女性家族部長官が承認すれば事務総長(女性家族部派遣)の指揮の下、(組織委で)870億ウォンが執行された」と述べた。ジャンボリー全体の予算は1171億ウォンだった。また、金知事は「全羅北道が予算を執行したのは上下水道、蔦のトンネル、簡易ポンプ場などで、その他の大半は組織委が契約も行い、業務に当たった」と述べた。今回物議をかもしたトイレ、シャワー室も女性家族部が指揮した組織委の仕事だったと強調した。金知事は「女性家族部がもう少し多くの努力を傾けていたらという残念な思いがある」と述べた。
金知事は「SNSによる意思疎通が過去より活発になり、序盤に問題がイシュー化された」とし、ジャンボリーが円滑に行われなかった理由としてSNSを挙げた。特に「英国スカウト代表団が撤収し、その理由を正当化するためにトイレ問題を浮上させた」とし、トイレ問題を英国代表団のせいにしたりもした。金知事は「開催地の道知事として責任を痛感し、心の傷を負った国民にも深く謝罪する」と謝罪の意も示した。
国民の力の全珠恵(チョン・ジュヘ)院内報道官は、「排水問題が指摘されたにもかかわらず、埋め立てもされていないセマングムに(ジャンボリーを)誘致しようと主張したのは全羅北道と共に民主党の政治家たちだった」とし、「各種予算執行や契約締結などの実質的権限を行使していながらも、今になって自分たちは責任がないという全羅北道、そして自分たちは関係ないという文在寅政府は一抹の良心まで捨ててしまった」と批判した。与党からは金知事が「虚偽事実」と主張した「SOC引き出し」への再反論も出た。全羅北道はジャンボリーを通じて全羅北道に必要な空港・港湾などセマングムSOCを早期構築すると対外的に述べてきたためだ。
民主党はジャンボリー国政調査が必要だと主張した。朴洸瑥(パク・グァンオン)院内代表は「民主党が無限に責任を持って適切な白書を記録し、教訓を残すようにする」と述べた。
自治体側は「干拓事業は国家事業であり自分達には責任がない」と、与党側は「埋め立てもされていないセマングムに(ジャンボリーを)誘致しようと主張したのは全羅北道と共に民主党の政治家たちだった」とお互いに責任転嫁をしあっている状態です。
結果、与野党が自分達の問題を棚に上げつつ互いの落ち度を指摘し、政争の口実としてこのイベントが利用される状況になっているわけです。
更に
文前大統領「セマングム世界ジャンボリー、準備不足で天も助けてくれなかった」発言、文化日報が社説で痛烈批判
朝鮮日報 2023/08/15
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/08/15/2023081580022.html
韓国大統領室は「留意している」とコメント
韓国大統領室は14日、「セマングム世界ジャンボリー大会」に関連し、現政権の責任論を指摘した文在寅(ムン・ジェイン)前大統領を「開き直り」「厚顔無恥」と表現したあるメディアの社説について、「留意している」と言及した。
大統領室関係者は「文前大統領が現政権批判論に加わった」という記者の質問に対し、「韓国の代表的な新聞が社説で『開き直りで厚顔無恥』と書いた」とし、「そうした評価を留意している」と述べた。
これに先立ち、文前大統領はフェイスブックに「セマングムジャンボリー大会で我々は多くのものを失った。国格を失い、誇りを失った。国民が恥をかいた」と指摘。続けて「人による準備が足りなかったので、天も助けてくれなかった。どうか今回の失敗が苦い教訓として残り、大韓民国が見事に再起することを願う」と書いた。また、「失望が大きかった国民、全世界のスカウト隊員、全羅北道民と後援企業に大会誘致当時の大統領として謝罪と労いの気持ちを伝える」とした。
セマングム世界ジャンボリー大会は、文在寅政権下で誘致に成功し、5年間の準備期間を経た。文前大統領の「人による準備不足」は現政権を批判したものであり、ジャンボリー大会を「失敗」と評価したものと受け止められた。
これに対し、文化日報は同日の社説で「開き直りであり、厚顔無恥な行動だ」とし「正常な人間ならば有終の美を飾るために最善を尽くした人々にまず感謝したはずだ」と指摘した。
大統領室関係者は「ジャンボリーを計画通りに進められなかった側面があるため、その理由については点検し、今後の対応策も講じる必要がある」とした上で、「そうした過程が消耗的な政争になってはならず、生産的な改善策を導き出さなければならない」と述べた。
この関係者は野党が海兵隊元捜査団長を検事時代の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に例え、「ダブルスタンダード」と批判したことについては「不適切な比喩だ」と答えた。
イ・ヘジン記者
前大統領の文在寅氏が、「人による準備が足りなかったので、天も助けてくれなかった。どうか今回の失敗が苦い教訓として残り、大韓民国が見事に再起することを願う」と、現政権の失態であると受け取れるコメントをフェイスブックに書き込み、与野党対立の火に油を注ぐ状態となっているのです。
ここで重要なのは、ここまでの経緯自体は韓国の国内問題であり、日韓問題と関係はないのですが、注目すべきは今回の騒動で韓国人達がとった態度です。
問題は「特定のどこか」に限定されているわけではなく、どこにも多かれ少なかれ問題の責任があるにも関わらず、全ての人々が「相手が悪い」と責任の押し付け合いをしており、問題の根本的解決にまるで向かっていない事です。
これは、「自分は常に正しい」という前提で思考する彼らの考え方が関係しており、韓国社会では基本的に、どんなに問題が起きようと、そこにどれだけ自身が関わっていようと、「自身に原因がある」という発想に行き着く人が殆どいません。
「自分は常に正しい事をしている」はずなので、間違うわけがなく、問題が起きるのは常に他人のせいだからです。
なので全ての人が問題の責任転嫁を行い、現在のような状況になっているわけですが、これはつまりどんな問題が起きても問題が彼ら自身の手で解決されることは無いという事です。
なぜなら、とにかく他人のせいにしてしまえば「解決したこと」にできてしまうので、責任感など持ちようがないからです。
そしてこのことが日韓問題にも大きな影響を与えています。
日韓関係悪化の原因となった、慰安婦問題、徴用工問題、レーダー照射問題、福島原発処理水問題などに関して、日本でもあたかも尹政権が解決へ向けて動いているかのように評価している人がいますが、実際にはこのどれもが現状「保留状態」で、今年3月の日韓首脳会談のころからまるで前進していません。
また次の記事を読んでもらうとわかるように
「韓日は協力パートナー」…光復節に尹大統領が異例のメッセージ、日本は応えるべきだ【8月16日付社説】
朝鮮日報 2023/08/16
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/08/16/2023081680016.html
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は8・15
光復節演説で「
独立運動は単に奪われた国権を取り戻すことではなかった」と述べ、
共産主義勢力に対抗した
自由民主主義の守護、産業化と
民主化につながる
大韓民国現代史がまさに
独立運動の延長線上にあるとの認識を示した。尹大統領は「共産
全体主義勢力に盲従し、捏造(ねつぞう)と扇動で世論をゆがめ、社会をかく乱する反国家勢力は今も横行している」「このような勢力に決してだまされたり、屈服してはならない」と訴えた。
尹大統領はさらに「韓日両国は安保と経済の協力パートナーだ」とも述べ、演説で日本との関係にも重点を置いた。尹大統領は北朝鮮が南侵した際、日本国内にある7カ所の国連軍司令部後方基地が「自動的に直ちに介入する」と言及し、日本について「北朝鮮の核とミサイルの脅威に対抗する安全保障上のパートナー」と説明した。反日・克日のメッセージを常に前面に出してきた歴代大統領の8・15演説とは異なり、日本を「普遍的価値を共有するパートナー」と位置づけ、韓日協力の重要性を強調したのだ。
尹大統領は前政権で破綻直前となった日本との関係改善に向け外交面で努力を重ねてきた。韓国の大統領として12年ぶりに首脳会談目的で日本を訪問し、これが岸田文雄首相のソウル訪問へとつながった。最大の障害だった徴用賠償問題も「第三者弁済案」を提示し解決の糸口を示した。文在寅(ムン・ジェイン)前政権が破棄を宣言した韓日GSOMIA(軍事情報保護協定)を正常化し、首脳間のシャトル外交も再開させた。韓日関係がここまで回復したのは尹錫悦政権が先に手を差し伸べたためと言っても過言ではない。
尹錫悦政権にとってこれらは国内の政治的な負担や反発を甘受する文字通りの「大胆な決断」だったが、日本側の対応はまだ不十分だ。日本政府は徴用賠償に日本企業が参加することを今も禁じている。福島汚染水放流については尹錫悦政権が求めた「韓国の専門家参加」などにも1カ月以上にわたり回答を示していない。さらに今週末に米国で開催される韓米日首脳会議では汚染水問題を議題とするよう無理な要求までしてきた。支持率を挽回したい岸田首相が「日本人拉致被害者の送還」に向け、韓国の頭越しで北朝鮮と極秘に接触したとの見方も浮上している。
このような日本の態度には失望するしかないが、ある程度は予想されたことだ。しかし相手国を失望させることが繰り返されれば、困難な中で進められてきた関係改善のチャンスを失いかねない。破局に陥った両国関係を元に戻すには大胆な勇気と忍耐が求められる。韓国は焦ることなく、また日本は水を差すべきではない。
未だに韓国側は日本に対して「追加措置」を要求しており、今回の国際スカウトジャンボリーの事例と同じく、韓国側は問題の責任を日本に転嫁しようとしているような状態で、韓国側は殆ど前向きな問題の解決になど動いていないのです。
なぜなら、先ほども書いたようにどんなことでも「間違うのは常に他者」という考えがあり、問題に対する責任を負うという発想自体が無いので、問題の解決を常に相手に求めようとするからです。
今回の国際スカウトジャンボリーの事例は、この韓国の「無責任体質」を知る非常に良い機会であり、日韓問題がなぜ進展しないのか、彼らの価値観を知る上でも非常に有用な出来事だったというわけです。
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