大変お待たせしました、変な生き物動画第14回、今回は「ゴカイ」について扱っていきます。
本日の投稿動画
www.nicovideo.jp
お品書き
・環形動物
・新種や新事実発見
・ゴカイ豆知識
※以下は動画のテキスト版です
レイム マリサ 大口
ゆっくりしていってね。
大口
さて、大変お待たせしました、1年ぶりの変な生き物紹介です。
レイム
というか、なんで1年も更新無かったのよ。
マリサ
サボりすぎなんだぜ。
大口
まあサボりと言えばそうなのかもしれませんが、後で詳しく説明しますが、当初ゴカイ科のみでの紹介を計画していたんですよ。
でも色々あって予定を変更してゴカイを含む多毛類全般の動画にすることになり、最終的に成り行きで多毛類も含む環形動物全般にまで話が広がり、収拾がつかなくなったのです。
レイム
で、投げたと。
大口
なんというか、今回ゴカイの奥深さを知る切っ掛けとなったんですよ。
マリサ
なんか意味不明な事をいいだしたぞ。
というか、それならもういっそ環形動物専門でやれよ。
レイム
それはもはや変な生き物紹介動画と言えるの?
大口
それで色々と考えた結果、ゴカイを中心に環形動物全般を浅く広く扱う事にしたわけです。
マリサ
全国1000万人のゴカイファンの皆様にとっては物足りないかもしれないが、その点をご了承して欲しいんだぜ。
大口
それと、引用元のソースを同時掲載のブログ版に貼っておくので、もしよかったら参考にしてください。
そんなわけでそろそろ本編へ行きます。
レイム
それで、なんでゴカイ単体ではなくなったの?
大口
事態をややこしくしているのが、元々生物って見た目で種の区分けをしていたのだけど、遺伝子解析の技術の発達で、実は全くの別系統と思われていた生き物が同系統だったり、その逆だったりという事がいくつも出てきたのね。
大口
そしてゴカイの仲間の場合、「ゴカイっぽい生き物」に次々とゴカイを冠した名前を付けた結果、系統樹的にゴカイの含まれる多毛類の別系統のケヤリムシの仲間が「〇〇ゴカイ」と名付けられていたり、更には多毛類も含まれる環形動物の別系統に「〇〇ゴカイ」という名付けがされていたりしている状態だったことがわかってきたんですよ。
ハナカンムリゴカイのなかま
http://www.ha.shotoku.ac.jp/~kawa/KYO/SEIBUTSU/DOUBUTSU/sango/okinawa/kankeidoubutsumon/kanmuri/01.html深海に住むゴカイの仲間7選:チューブワームもゴカイ!
Aqua Picks 2020年7月20日
https://aquariumpicks.com/deep-sea-polychaeteNatalie Mahara @nataliemahara
https://twitter.com/nataliemahara/status/1395064560483061763
No microscope needed for this perfect Tomopteris pacifica we grabbed yesterday!
午前2:11 · 2021年5月20日
レイム
まあ要するに狭義のゴカイ(ゴカイ科)と広義のゴカイ(環形動物門)がいるわけね。
マリサ
例えるなら犬や猫や熊とかが含まれる食肉目で、系統樹的にイヌやクマに含まれる生き物に「〇〇ネコ」と名付けられてしまっているような、ややこしい状態になっているって事か。
大口
そういう事。
ちなみに、ミミズやヒルも環形動物ね。
で、実態はもうちょっと複雑で、「環形動物門の高次系統」というのを調べてみると、環形動物の上位系統である環輪動物(A)と環形動物の内部系統(B)という系統樹になっていて、実のところ専門家でもない限りややこしすぎて手におえないし、私の知識で動画にまとめられる自信もないんですよ。
環形動物門の高次系統に関する概説
京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所 July 26, 2021
https://www.jstage.jst.go.jp/article/edaphologia/109/0/109_9/_pdf/-char/en
レイム
色々とややこしいのはわかったわ。
で、なんでそれでも環形動物全般を扱うの?
大口
わけのわからない変なのがいっぱいいるから。
これはやるしかないでしょ!
マリサ
結局それか!
新種や新事実発見
大口
たとえば多毛類のなかには、口も消化器官もなく深海などの熱水噴出孔や冷水湧出帯付近に住んでいて、噴出孔から出て来る硫化水素を分解してエネルギーを得ている硫黄酸化細菌と共生し有機物を供給してもらっている、いわゆるシボグリヌム科のチューブワーム(ケヤリムシ)なんてのもいるのね。
レイム
まあチューブワームは有名よね。
というか、あれもゴカイの仲間なのね。
大口
そして重要なのはここからで、石川県能登町の九十九湾で発見されたマシコヒゲムシという多毛類は、同じく硫黄酸化細菌と共生いているのだけど、硫化水素の供給源が生物の死骸由来で、大半のシボグリヌム科の仲間が深海に生息しているけど、この種は水深25メートルで発見されているのね。
「口も肛門もない」何も食べない奇妙な生物…新エネルギーのヒントになるかも
読売新聞 2022/05/07
https://www.yomiuri.co.jp/science/20220507-OYT1T50077/石川県能登町の九十九湾だけで見られるマシコヒゲムシは、温泉街のにおいの源にもなる硫化水素を栄養にして生きる奇妙な生き物だ。
「口もなければ肛門もない。消化器系がまったくない。だから何も食べない」
マシコヒゲムシの観察技術を磨く小木曽正造さん金沢大学・臨海実験施設の主任技術職員、小木曽正造さんはその特徴をこう話す。
かわりに利用しているのが、海底にたまる魚やプランクトンの死骸などが腐ったときに出る硫化水素だ。
世の中には、普通の生物にとって毒にしかならない硫化水素を食べてエネルギーに変えられる特殊な細菌が存在する。マシコヒゲムシは、その細菌を体内にすまわせてエネルギーを作らせ、おこぼれをもらっているらしい。硫化水素は体の表面などから取り入れて細菌に渡しているとみられるが、わからないことは多い。
マシコヒゲムシが生息する九十九湾(国土地理院の空中写真から)マシコヒゲムシのように消化器系を持たないヒゲムシ類は世界で多数の種類が知られている。だが、数千メートルの深海にすむものがほとんどで、水深が研究の障害となってきた。
小木曽さんは「九十九湾のマシコヒゲムシは世界で最も浅い海に暮らすヒゲムシ類だ。世界中の研究者に格好の研究環境を提供できる」と話し、観察技術の改良に力を入れている。
地上の生物の常識からかけ離れたマシコヒゲムシの生態の究明が進めば、人類にとって新しいエネルギー源の探求などで発想のヒントがあるかもしれない。(能登支局 石黒穣)
◆ マシコヒゲムシ =水深25メートルほどの九十九湾で見つかり1970年代に新種認定された。針金のように細長い体を持つ。そのほとんどを海底の泥にうずめ、ひげのようなひらひらがある頭の部分だけ泥から出す。分類上はミミズに近い。
マシコヒゲムシについて
金沢大学生体分子生理学研究室
http://pronet.w3.kanazawa-u.ac.jp/J/STUDY/mashiko.html石川県能登半島先端近くの九十九湾には金沢大学の臨海実験施設が設立されている。この前面の海は対馬暖流が流れ込む暖かい、しかも水深26m程度しかない浅い海である。しかしながら、世界で例外的に、ここだけヒゲムシとしては最も原始的な種類の1種が棲息し、それは1973年(1977年の深海艇アルビン号によるハオリムシの発見の4年前!)に国立科学博物館の今島実博士によって、ヒゲムシの新種としてマシコヒゲムシ(Oligobrachia mashikoi)と記載された。この和名は当時、臨海実験所所長であった益子帰来也(ましこ・きくや)氏に献名されたものである。また、2003年にこの種が分類されている属として世界で始めてマシコヒゲムシが全長に渡って採集され、その結果、特徴的な終体部をもつことが明らかになった(文献:比較生理生化学, 21, 30-36 (2004).から抜粋)。その後、2007年には、マシコヒゲムシが海底で生きている様子が観察された(Zool.Science, 24, 131-136(2007)。
参考文献笹山雄一, 又多政博, 福森義宏, 松野あきら, 三田雅敏, 今島 実 有鬚動物マシコヒゲムシ終体部の外部形態と共生細菌 うみうし通信 40, 8-9 (2003).
笹山雄一 有鬚動物門マシコヒゲムシはどのように生きているか:その形態学的, 生理学的 特 徴. 比較生理生化学, 21, 30-36 (2004).
Sasayama Y, Matada M, Fukumori Y, Umebayashi M, Matsuno A, Nakagawa T, Imajima M. External morphology of the posterior end, the "opisthosoma", of the beard worm Oligobrachia mashikoi (Pogonophora). Zool.Science, 20, 1411-1416(2003)
Sasayama Y, Higashide Y, M Sakai, Matada M, Fukumori Y. Relationship Between the Lifestyle of a Siboglinid (Pogonophoran) Polychaete, Oligobrachia mashikoi, and the Total Sulfide and Nitrogen Levels in its Habitat. Zool.Science, 24, 131-136(2007)
マリサ
つまり、熱水噴出孔の無い浅瀬にもチューブワームの仲間がいたって事か。
大口
そういう事。
他にもこの事例みたいに
背中に乗った「一寸法師」
矮雄(わいゆう)をもつウロコムシの新種を発見
国立極地研究所 2021年4月12日
https://www.nipr.ac.jp/info/notice/20210412.html国立極地研究所の自見直人日本学術振興会特別研究員、伊村智教授、東京大学の波々伯部夏美大学院生、鳥羽水族館の森滝丈也学芸員、三重大学の木村妙子教授らの研究グループは、三重県沖の熊野灘の深海で採取されたゴカイが、雌に比べて極端に小さい雄「矮雄(わいゆう)」をもつウロコムシの新種であることを確認しました。
釣り餌のアオイソメやイワムシ等で知られるゴカイの仲間(環形動物)は世界中の海に見られ、多くの種がほかの生物と共生することが知られています。共生は時に生物の特殊な進化を誘引することから、共生生物の研究は生物多様性創出機構の解明にも繋がる、重要なテーマです。
研究グループは熊野灘の深海から採集されたヤドカリおよびクマサカガイから、殻の内側に共生している体長約2cmのウロコムシを発見しました。鳥羽水族館での飼育・観察や、形態観察、DNA解析の結果、ウロコムシの背中にさらに小さな(体長約5mm)同種のウロコムシが乗っており(図1)、大きいほうが雌、小さいほうが雄であることが明らかとなりました。環形動物でこのような矮雄は非常に稀で、ウロコムシ科ではこれまで見つかっていませんでした。
さらなる形態観察、薄片切片による生殖器官の観察、DNA配列による系統関係の推定や、飼育・観察を進めたところ、本種はウロコムシ科Eunoe属の未記載種であることが明らかとなり、矮雄はヤドカリとの絶対共生性(共生でしか生きられない性質)によって進化したことが示唆されました。
このウロコムシは小さな雄にちなんで、イッスンボウシウロコムシと命名されました。本種は現在、鳥羽水族館で生体展示されています。また、本成果が掲載された学術誌「Journal of Zoological Systematics and Evolutionary Research」の表紙に、イッスンボウシウロコムシの写真が選ばれました。
研究の背景
無脊椎動物である環形動物門に属する多毛類(いわゆるゴカイの仲間)は、主に海に生息しており、釣り餌に使われるイワムシ等がその代表です。ゴカイの仲間は日本において1600種以上の生息が確認されています。多様な生態を示すことでも有名で、終生浮遊生活を送る種や、自分で餌を採らない種なども知られています。他生物と共生する種も多く、共生することによって特殊な形質・生態が進化している例が見つかっています。共生による進化は生物多様性が生まれる要因の一つであることから、生物が進化の過程でいつ共生生態を獲得したか、また、共生によってどのような形態や生態が進化したかを明らかにすることは、生物多様性の理解においても重要なものとなっています。
研究の結果
研究グループは、2016年6月に熊野灘の深海から採集されたヤドカリおよびクマサカガイの殻の中から、ウロコムシという背中に鱗をもつゴカイの仲間を採取しました(図2)。周辺海域における200回以上の底引き網による調査の結果、このウロコムシは必ずヤドカリかクマサカガイの殻の中から発見され、自由生活性のものは見つかりませんでした。そのためこの種は宿主に生活を依存する絶対共生性の生態をもつウロコムシであると考えられました。体長2~3cmのこのウロコムシの背中にはさらに小さな、体長5mm程度のウロコムシが乗っていましたが、採取の時点では、同種のウロコムシが乗っているのか、別種のウロコムシがさらに共生しているのかは体長が大きく異なることから分かりませんでした。
そこで研究グループは、光学顕微鏡・走査型電子顕微鏡を用いた形態観察による種の同定、薄片切片の作成による内部生殖器官の観察、DNA塩基配列の決定および系統解析による個体の種同一性と系統的位置の解明、鳥羽水族館における共生生態の観察と先行研究のレビューなどを行い、それらを統合し祖先形質推定(注1)を行いました。
その結果、大きなウロコムシとその背中に乗っている小さなウロコムシは両方同じ種で、大きい方が雌、小さい方が雄(図3)であることがわかりました。これは、雄が雌に比べて極端に小さくなる「矮雄」と呼ばれるもので、チョウチンアンコウ等で知られる極端な性的二型です。環形動物においては非常に稀で、ウロコムシ科ではこれまで知られていませんでした。
また、本種はウロコムシ科Eunoe属であり、さらに今まで報告されたどの種とも一致しなかったことから、新種と判断し、イッスンボウシウロコムシ(学名: Eunoe issunboushi Jimi, Hookabe, Moritaki, Kimura and Imura, 2021)と命名しました。和名および学名のイッスンボウシは小さな雄にちなんで名付けました。
考察と今後の展開矮雄が確認されたのはウロコムシ科において初めてであることから、本種または近縁種において獲得されたものだと考えられます。分子系統解析・共生生態観察・祖先形質推定の結果、本種の矮雄という形質の獲得タイミングは絶対共生性の獲得タイミングと一致しており、ヤドカリやクマサカガイとの絶対共生性によって獲得されたことが示唆されました。宿主に生活を依存する絶対共生は居住空間である貝殻の中の狭さによる雌雄間競争等を招き、矮雄の獲得はそれらのリスクを避けることに役立っている可能性があります。
今後は、本種を題材に、矮雄への進化と共生獲得の関係についてさらに詳細な研究を進める予定です。
本種は現在、鳥羽水族館において生体展示されています。
大口
メスに比べてオスが非常に小さい生き物を「矮雄」というのだけど、三重県から和歌山県にかけての海域「熊野灘」で、ウロコムシとしては世界で初めて「矮雄」の新種が発見されていて「イッスンボウシウロコムシ」と命名され、現在は三重県の鳥羽水族館で生体展示が行われているそうな。
レイム
ああ、オスがメスの背中に乗っているから「イッスンボウシ」ね。
大口
他にもウロコムシの事例では、
大西洋深海の新種:光るウロコムシ
ナショナル ジオグラフィック 2010.07.08
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/2853/深海に住むこのウロコムシは濃い青色のグラデーションで点滅するウロコを持つが、まったく光のない場所に住んでいるため、ウロコが光る理由はよくわかっていない。
「硬い毛のような足で海底をぎこちなく歩き、なにかの小さな粒やかけらを拾って(食べて)いる」と、調査チームのモンティ・プリエデ氏は話す。
この奇妙な生物は、イギリスで最も深く潜ることができる遠隔操作無人探査機(ROV)イシスによって大西洋中央部で2010年6月に発見された。イシスは水深3600メートルに及ぶ深海を調査し、実に豊富な海洋生物が生息することを明らかにして研究チームを驚かせたとプリーデ氏は説明する。
Photograph courtesy David Shale
深海に住むこのウロコムシは濃い青色のグラデーションで点滅するウロコを持つが、まったく光のない場所に住んでいるため、ウロコが光る理由はよくわかっていない。「硬い毛のような足で海底をぎこちなく歩き、なにかの小さな粒やかけらを拾って(食べて)いる」と、調査チームのモンティ・プリエデ氏は話す。この奇妙な生物は、イギリスで最も深く潜ることができる遠隔操作無人探査機(ROV)イシスによって大西洋中央部で2010年6月に発見された。イシスは水深3600メートルに及ぶ深海を調査し、実に豊富な海洋生物が生息することを明らかにして研究チームを驚かせたとプリーデ氏は説明する。
大口
2010年に大西洋の推進3600メートルの海底で、青のグラデーションで点滅する発光ウロコムシの新種が発見されているのだけど、点滅発光する理由は不明だそうな。
大口
他にもウロコムシの仲間では
南極の深海で発見されたという謎のクリーチャー、この生物はいったい?
カラパイア 2012年08月11日
https://karapaia.com/archives/52096522.htmlロシア系サイトからの引用なので、詳しい情報はわからないのだが、アメリカの南極遠征隊が、南極の深海675メートル地点で発見したという謎の生物の画像が公開されていた。
体長は約20cmほど。伸縮自在の約2cmくらいの顎と、鋭い牙を持っており、体はムカデのような無数の肢のようなものが付いている。
ということで、生物班の諸君、この生物は実在するのか?いるとしたら何なのか?教えて欲しいんだ。
※正体判明!
生物班のおともだちにより、この生物は「エウラギシカ・ギガンティア(Eulagisca gigantea」)であることが判明した。
ソース:Antarctic Invertebrates: Eulagisca gigantea
環形動物門多毛類に属する生物で、スミソニアン博物館に現在2体の標本があり、大きさは全長14.8cmのものと、30cmのものがあるそうだ。
南極の海底500~700メートル付近に生息しているそうで、その外観から「ブラシ虫」とも呼ばれている。通常は頭部が体の中に納まっており、餌を見つけると亀のように頭部が出てくるのだそうだ。
どうやらこの動画の生物らしい。
南極の海底で発見 色も形も奇妙な「エウラギシカ・ギガンティア」
ライブドアニュース編集部 2018年1月11日
https://news.livedoor.com/article/detail/14145354/南極の深海には、およそこの世のものとは思えない、色も形も奇妙なスケールワームが生息しているとのこと。
南極の海底で発見された、驚くべき生物の姿をご覧ください。
こ、これが地球上の生き物!?
エイリアンのような恐ろしい体に、金色のブラシのようなキラキラの体毛。
恐ろしくもあり、美しくもある……。
その正体は「エウラギシカ・ギガンティア」というウロコムシ科の一種で、南極の海底500mに生息し、サイズは20cmほど。
(Eulagisca gigantea - Wikipedia)アメリカのスミソニアン博物館で標本を見ることができるそうです。
海外掲示板のコメントをご紹介します。
●このワームは幼虫の状態で、もっと大きくなる。
●人間の2倍の速度で泳ぐけど、めったに動くことはなくほとんど休眠状態である。
●これを見て、地球温暖化対策を全力でやらなきゃいけないと確信した。
●場合によっては、生物が絶滅してもまったく問題ない。これはその代表例だ。
●顔の部分。
[画像を見る]●エイリアンは実在した。
↑こういうことか。
[画像を見る]●我々の子孫は、火炎放射器とショットガンでこいつらと戦うことになるんだ。
●釣りのルアーみたい。
●これは本当に現実にいる生き物なんだな……。気分が劇的に変化した。
↑少なくとも南極を避けるのは簡単だ。
●いいペットになるんだろうか。
●これはうちの羽ぼうきではない……。
●質問がある。
その光ってる部分は針のようになってる? もしそうなら毒性はある?
そうでないなら柔らかい? 口を避けて撫でたりできる?
(追記)自分で調べてみたが、そのゴールドは剛毛で移動や防御に使われている。頭は引っ込められる咽頭で、食べるときにエイリアンのような2つ目の頭が飛び出してくる。↑情報をありがとう。
↑じゃあ光ってるところは触ってはいけないんだな。残念。
危険を感じるとこの目立つうろこを外して“おとり”にするとのことですが、まだ生態について判明していることは少ないとのことです。
大口
2012年に南極の深海675メートル地点で発見されたこんな生き物がいるのね。
マリサ
地球外生命体だ、捕獲しろ!
大口
いや、これウロコムシの仲間だから。
エウラギシカ・ギガンティアと名付けられた体長20センチ前後のこの新種のウロコムシに関しては、この姿は幼体で、大人になるとこんな姿だそうな。
レイム
ああ、あのエイリアンっぽい頭は子供のうちだけなのね。
大口
いや、あれは捕食を行うときに体内から出て来る口で大人だとこんな感じだそうな。
マリサ
なんかエイリアンっぽさが増したんだぜ。
大口
ちなみにこれまでの画像は裏側で、表側はこんな感じ。
レイム
なんか別の意味アレね…。
大口
で、他にもゴカイの仲間では色々な事が解ってきていて
環形動物も大きな音を鳴らすことを発見 -キムラハナカゴオトヒメゴカイのマウスアタック-
京都大学 2019年07月09日
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2019-07-09後藤龍太郎 フィールド科学教育研究センター 助教、平林勲 串本海中公園 主任学芸員、A. Richard Palmer アルバータ大学 教授らの研究グループは、環形動物の1種であるキムラハナカゴオトヒメゴカイが、口を寄せ合って行う特異な種内闘争(マウスファイティング)の際、口吻で相手を弾き飛ばす高速攻撃(マウスアタック)とともに単発の大きな音を出すことを発見しました。
海生哺乳類をはじめ、魚類や甲殻類など、水中で大きな音を出す動物は数多く知られています。しかし、環形動物などの体の大部分が柔らかい構造からなる無脊椎動物では、これまで音を出すものは知られていませんでした。
キムラハナカゴオトヒメゴカイの生成した音は、 水中での音圧レベルは最大で、157デシベル(dB)re1µPa@1mにもおよび、周波数は6.9キロヘルツ(kHz)付近をピークとして、90kHz以上まで幅広い値を示しました。さらに、マウスアタックの際に急速に膨らむ咽頭の形態変化とその筋構造から、音が生成されるメカニズムについても推察しました。
本研究成果は、これまで音を出さない(出せない)と考えられていた柔らかい無脊椎動物であっても、瞬間的に大きな水中音を出せることを初めて示した点において意義深く、無脊椎動物における発音の役割やメカニズムの解明に貢献することが期待されます。
本研究成果は、2019年7月9日に、国際学術誌「Current Biology」のオンライン版に掲載されました。
世界初、ゴカイが鳴らす音確認 飼育中に変な音がして…
朝日新聞 2019年7月9日
https://www.asahi.com/articles/ASM786GP0M78PLBJ00D.html海に生息するゴカイの一種が「カチッ」と大きな音を鳴らすことを、京都大や串本海中公園(和歌山県串本町)などのチームが発見した。人間が指を鳴らすぐらいの音量だという。ミミズやゴカイなどが属する環形動物で、音を鳴らす種が確認されたのは世界初だという。
このゴカイは、キムラハナカゴオトヒメゴカイ。体長約2センチで、日本の太平洋沿岸に生息する。飼育中に変な音がすることに気づいた同公園の平林勲主任学芸員と京大の後藤龍太郎助教(海洋生物学)が、水中マイクで録音を試みたところ、口から音を鳴らしていることがわかった。縄張り争いで口を寄せ合う習性があり、その際に音を出しているという。
後藤さんは「今後、音の役割や、音を出すメカニズムを解明したい」と話している。
研究成果は9日、米科学誌カレント・バイオロジー電子版(https://doi.org/10.1016/j.cub.2019.05.047別ウインドウで開きます)に掲載された。(野中良祐)
大口
キムラハナカゴオトヒメゴカイというゴカイ科の種を京都大や串本海中公園が飼育していたところ、時々変な音がしているのが発見され、調べてみたらこの種は縄張り争いをする際にお互いに口を使づけて相手を弾き飛ばそうとするらしく、その際に「カチッ」という、人が指を鳴らすのと同じくらいの音を発するんだそうな。
マリサ
体長2センチ程度の発声器も発音器もない水中の軟体生物が、人間が指を鳴らすときと同等の音を出すってすごいな。
大口
他にも近年発見された新種で
青紫に光るゴカイ3新種を発見 名古屋大、石川などで
共同通信/47NEWS 2023年3月29日
https://www.47news.jp/9121376.html
名古屋大などのチームは、石川、三重、鳥取の3県の海で青紫色に発光するゴカイを新たに3種発見したと29日付英科学誌に発表した。青紫に光る生物は世界的にも珍しいといい、名古屋大の自見直人助教(分類学)は「発光のメカニズムを明らかにしたい」としている。チームは2016年から、各地でゴカイの仲間のヒカリフサゴカイ約100個体を採取。遺伝子解析などの結果、3新種と判明し「オニビフサゴカイ」「アオアンドンフサゴカイ」「イケグチフサゴカイ」と命名した。それぞれ体長5センチほどで、触手が青紫色に発光する。
自見助教によると、ゴカイの仲間は世界に約1万5千種いる。
海中のライトショー、バイオレットにきらめくゴカイの3新種を発見 ~多様な生物発光機構の理解と生命技術開発につながることが期待~
名古屋大学 2023.03.29
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2023/03/3.html
国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院理学研究科の自見 直人 助教、別所-上原 学 特別助教らの研究グループは、産業総合研究所、株式会社エビデント、日本水中映像株式会社、はてのうるま、鳥取県山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館、北海道大学の協力により、世界的にも珍しい青紫色に発光するヒカリフサゴカイ属の3新種を新たに発見しました。
本研究では、日本各地から得られたヒカリフサゴカイを観察したところ、それらは今まで知られていない3新種であり、その3新種全てが発光することを発見しました。
この3新種のうち2種を、青紫色に発光することから連想しオニビフサゴカイ、アオアンドンフサゴカイと命名し、残り1種は、能登島水族館の元館長である池口新一氏に献名しイケグチフサゴカイと命名しました。
未知の生物多様性把握と発光現象の結びつけを行っていくことにより、多様な生物発光注2)機構の理解と生命技術開発に繋がっていくことが期待されます。
本研究成果は、2023年3月29日午前8時1分(日本時間)付国際科学雑誌「Royal Society Open Science」に掲載されました。
【ポイント】・石川県能登島、鳥取県岩美、三重県菅島において、世界的にも珍しい青紫色に発光するPolycirrus属フサゴカイ注1)の3新種を発見し、オニビフサゴカイ、アオアンドンフサゴカイ、イケグチフサゴカイと命名した。各種が発光する様子も動画撮影に成功した。
・フサゴカイの発光は、発光生物の中でも珍しい短波長のため注目され、発光に関わる遺伝子解析等が行われているが、種を同定するのが難しく研究の正確性を担保しづらい状況であった。
・日本各地のフサゴカイの標本を観察し、日本における多様性を整理した上で3新種として記載した。また3新種が全て発光することを発見したことで、発光生物研究に利用しやすい材料として確立することができた。【発光動画】
https://www.youtube.com/watch?v=KEsU0kWAEfg&t=29s
https://www.youtube.com/watch?v=24dxvPlBDB0
https://figshare.com/articles/media/Supplementary_video_3/22249045(引用元:日本水中映像)
◆詳細(プレスリリース本文)はこちら
【用語説明】
注1)フサゴカイ:
ミミズ等が含まれる環形動物門の一種。環形動物の仲間には釣り餌で知られるアオイソメ等のゴカイが含まれる。フサゴカイは頭部に触手をもち、岩の隙間や泥の中に住む。ヒカリフサゴカイではその触手が発光する。注2)生物発光:
ホタルの光のように生物が化学反応を用いて発光する現象。基本的に生物発光を担う化学反応は、発光酵素を介した発光基質の酸化反応である。ホタルのように自身で生物発光する生物や、チョウチンアンコウのように生物発光する生物を共生させて光る生物を発光生物と呼ぶ。生物に備わる仕組みによって起きる現象であるため、工業的な製品の利用だけでは困難な遺伝子を介した発光の制御ができ、医学・生命科学研究に広く応用されている。
【論文情報】雑誌名:Royal Society Open Science
論文タイトル:Investigating the Diversity of Bioluminescent Marine Worm Polycirrus (Annelida), with Description of Three New Species from the Western Pacific
著者:Naoto Jimi, Manabu Bessho-Uehara, Koji Nakamura, Masahiko Sakata, Taro Hayashi, Shuhei Kanie, Yasuo Mitani, Yoshihiro Ohmiya, Aoi Tsuyuki, Yuzo Ota, Sau Pinn Woo, Katsunori Ogoh
DOI: 10.1098/rsos.230039
URL: https://royalsocietypublishing.org/doi/full/10.1098/rsos.230039
【研究代表者】大学院理学研究科附属臨海実験所 自見 直人 助教
https://www.bio.nagoya-u.ac.jp/~SugashimaMBL/
大口
2016年から名古屋大学などの研究チームが日本各地からヒカリフサゴカイという、頭部に多数の触手を持ち触手が発光する多毛類フサゴカイ目の種100個体を採取して遺伝子解析を行った結果、3種が新種であるとわかり、「オニビフサゴカイ」「アオアンドンフサゴカイ」「イケグチフサゴカイ」と命名したそうな。
マリサ
なんか、「イケグチフサゴカイ」だけ異様に存在感があるんだが?
大口
ああ、これね。
石川県にある「のとじま水族館」の元館長である池口新一氏に献名してそう名付けられたそうな。
というか、「オニビフサゴカイ」は「鬼火」から「アオアンドンフサゴカイ」は妖怪「青行燈」にちなんでいるから。
レイム
これもなんか、妖怪というよりモンスターよね。
大口
そしてお次はこれ…と言いたいところだけど、この種に関してはかなり興味深い特徴があるので、いずれこれ単体でやることにするよ。
マリサ
気になるからもったいぶってないで今やれよ。
大口
これに関してはそれだけで10分超える動画作れるし、単体でやるだけの価値あるから。
ゴカイ豆知識
大口
まあそんなわけで、ゴカイの仲間が変な生き物だらけって事がよくわかっただろうけど、最後にゴカイの豆知識的な小ネタをいくつか紹介するね。
大口
まずゴカイの仲間がいつ頃地球上に現れたかなんだけど、現在解っている範囲では、5億年くらい前じゃないかと言われているのね。
5億年前の驚異の化石、ゴカイ類の新種、神経は初
ナショナルジオグラフィック 2018.01.26
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/012500032/「衝撃的に良好な状態」と研究者、早い段階から頭部が進化か
5億年以上も前のこと。いまのカナダ、ブリティッシュ・コロンビア州クートニー国立公園にあたる場所で激しい泥流が発生した。このとき、水中にいたゴカイのような小さな生きものが死に、泥に閉じ込められた。
これは近年発見された化石について、カナダ、トロント大学の博士課程学生であるカルマ・ナングル氏が考えた仮説の1つだ。(参考記事:「ギャラリー:奇跡の恐竜化石、世紀の大発見」)
この生きものはゴカイなどが含まれる多毛類(ゴカイ類)の新種で、Kootenayscolex barbarensis と名付けられ、1月22日付けの学術誌「カレントバイオロジー」に発表された。(参考記事:「閲覧注意!?「国際ゴカイの日」が制定される )
論文の主要筆者であるナングル氏は、この化石を「衝撃的に良好な状態」と評価する。体長が約2センチしかない小さな体の両側には、髪の毛ほどの細さの微小な剛毛が多数生えている。さらに驚くべきことに、ゴカイやミミズ、ヒルなどを含む環形動物の化石では初めて、神経や管状の組織らしき跡が見つかった。
頭部には「副感触手」という長い筒のような構造があり、前方の地面の様子を感じ取るのに使ったのではないかとナングル氏は言う。カンブリア紀に生きていたこの生物は、海底を這いながら有機物を食べ、そしてほかの種に捕食されることで、食物網のサイクルに関わっていた。彼らの子孫であるいまのヒルやミミズもよく似た機能を担っている。
500種を超える化石のなかでも「決定的」
数億年前、この化石が見つかった地域には、同様の小さな多毛類が無数にいただろうと研究者たちは考えている。
この化石を発掘するにあたり、研究チームは国立公園のなかにある「マーブル・キャニオン」という狭い発掘サイトに的を絞った。かの有名な化石堆積層であるバージェス頁岩の一部だ。このサイトが2012年に初めて見つかって以降、初期の多毛類の化石が500種以上も見つかっているが、なかでも軟らかい組織の跡が残るこの化石は「決定的」とナングル氏は評価する。(参考記事:「化石と絶景 カナダのヨーホー国立公園」)
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/012500032/?P=2
なぜなら、こうした生物の体を作っている軟組織は、普通は簡単に分解されてしまい、化石になりにくいからだ。対して、この化石は保存状態が良好であり、研究者たちにとって、環形動物門の頭部がどう進化したのかを解明する手掛かりになっている。
従来の研究では、グリーンランドで見つかった環形動物の化石に基づき、これらの種に頭部はあったが、体との区別はつかなかったとされていた。ナングル氏によると、それらの化石は、近年カナダで見つかった物に比べて保存状態がずっと劣るという。新しい化石は、これまでよりも体の多くの部分がはっきり確認できるとのことだ。
「私たちは従来の説とは違い、環形動物の頭部は進化の早い段階から頭らしくなっていたと考えています」とナングル氏。(参考記事:「恐竜から深海魚まで、世界で活躍する若き日本人研究者」)
「物語はまだ終わっていません」ナングル氏は次のステップについて、カンブリア紀の広い範囲の生態系で、これらの生物が果たしていた役割を調べることだと話す。こうした多毛類が生きていたときは、太古の節足動物とも共存していただろう。現在の動物ではカニ、クモ、昆虫などを含むグループだ。
あらゆる動物は、太古の姿から進化して今に至っている。ナングル氏は、比較的進化の初期段階におけるこうした生物の形質の解明を進め、生命の進化をひもとく科学に貢献したいと考えている。(参考記事:「謎の古代生物タリーモンスターの正体がついに判明」)
今回の化石発見について、「これまでよりもずっとイメージが鮮明になりました」と言いつつ、ナングル氏はこう続けた。「物語はまだ終わっていません」
大口
2018年に学術誌に発表された内容によると、カナダのブリティッシュ・コロンビア州クートニー国立公園バージェス頁岩で、5億年前のカンブリア紀の地層から多毛類の新種の化石が発見されて、クートネイスコレックス・バーバレンシスと命名されたそうなのね。
大口
で、本来この手の軟体動物は骨がないので化石として残りにくいのだけど、この化石には微細な剛毛や神経、管状の組織らしき跡まで確認できていて、多毛類の頭部がどう進化していったかの手掛かりになるのではないかと言われているのね。
マリサ
やはりゴカイは地球外生命体だったか!
レイム
マリサ、唐突にネタを振るのはやめてね。
つまり、ゴカイの仲間は5億年前には今の姿に近い形状になっていたって事ね。
大口
そういう事になるね。
そしてお次はこちら
釣りエサから奇跡の担い手に? ゴカイがヒトの代替血液に貢献の可能性
AFP 2017年8月7日
https://www.afpbb.com/articles/-/3138403【8月7日 AFP】暗いピンク色のぬめぬめした食べられない生き物──ゴカイの使い道といえば、何世紀にもわたって釣りエサだけだった。しかしフランスの研究チームによって、その血液に類いまれな酸素運搬能力があることが判明した。活用すればヒトの血液の代用物として、人命を救ったり、手術後の回復を速めたり、移植患者の役に立ったりする可能性があるという。
フランス西部ブルターニュ(Brittany)地方の海岸線にある養魚場「アクアストリーム(Aquastream)」の生物学者グレゴリー・レイモン(Gregory Raymond)氏は「ゴカイのヘモグロビンはヒトのヘモグロビンの40倍以上の酸素を肺から各組織に運ぶことができる」「また、すべての血液型に適合できるという利点もある」と語る。
レイモン氏率いるチームは2015年、バイオ技術企業Hemarinaと提携した。今ではこの養魚場で毎年130万匹以上のゴカイを生産している。
医療の世界がゴカイに関心を持ったのは2003年。欧州で狂牛病が大流行し、世界中でHIV(ヒト免疫不全ウイルス)がまん延したことで血液の供給に影響が出始めた年のことだった。
動物のヘモグロビンをヒトのヘモグロビンの代用とする際の問題点は、アレルギー反応を引き起こし、腎臓を損傷する恐れがあることだ。しかしゴカイの場合、ヘモグロビンは血中に溶けて存在し、ヒトのように赤血球に含まれているわけではない。つまり、血液型が問題とならない。一方でその成分は、ヒトのヘモグロビンとほぼ同じだ。
2006年には大掛かりな研究が行われ、ゴカイの可能性が実証された。酸素を豊富に含んだゴカイの血液が人体に安全なことが証明されれば、敗血性ショックに対処でき、移植用臓器の保存にも役立つ。
2015年、この代用血液の臨床試験が始まった。2016年、ゴカイのヘモグロビンはフランス西部ブレスト(Brest)の病院でヒトの腎移植10例に使用された。現在フランス全土で60人の患者がこの臨床試験に参加している。
ゴカイのヘモグロビンの秘密は、波打ち際の砂の中に潜るなど極限環境でも生き延びることができるゴカイの能力にある。ゴカイは体長約25センチにまで成長し、体の側面にはえらが複数ついている。満潮時に海の底に沈んでいる間に多量の酸素を蓄え、干潮で水から出ても8時間以上も生き延びることができる。
ゴカイのヘモグロビンの潜在力に研究者らは沸いている。その一方で人体に安全かつ有効と認めるには厳格な試験を経なければならないとも指摘した。
レイモン氏は「ゴカイから抽出した細胞外ヘモグロビンの特性は、移植した皮膚の保護や骨再生の促進に役立つばかりか、万能血液の誕生につながる可能性もある」と述べている。
この構想が実現すれば、ゴカイの血液を使って、移植用臓器を体外でより長い時間生かしておくことが可能になり、大勢の移植患者を救う可能性もある。いつの日か凍結乾燥されたゴカイの血液が、通常の輸血用血液の重要な代替品となり、戦場や災害現場で役立つかもしれない。(c)AFP/Wafaa ESSALHI
大口
2017年のニュースなのだけど、フランスの研究チームが2006年頃からゴカイの血液中のヘモグロビンの研究をして、「ヒトのヘモグロビンの40倍以上の酸素を肺から各組織に運ぶことができる」ということと、「(ヒトの)すべての血液型に適合できる」という事を実証し、2015年からは人への臨床試験も始まっているそうなのね。
マリサ
というか、ゴカイって5億年前には今に近い姿だったようだから、人とはかなり「遠い」はずなのに、ヘモグロビンは適合するのか?
大口
記事によると、ゴカイのヘモグロビンの成分は人とほぼ同じで、しかも人のように赤血球に含まれているわけではなくて血中に溶けて存在しているので、血液型に関係なく輸血できるそうな。
レイム
で、それがどう医療に役立つの?
大口
まず、血液型を問わない万能血液として通常の輸血用血液の代替品になり得るという事と、人の40倍も蓄えられた酸素を利用して移植用臓器を体外でより長い時間生かしておくことが可能になるんじゃないかと言われているね。
マリサ
で、2017年のニュースって事はもう実用化したのか?
大口
続報がないっぽいので、まだ臨床試験中なんじゃないかな。
大口
ちなみに余談になるけど、今回ゴカイを調べていく過程で「ゴカイやイソメを食べた」というレビューがいくつか出てきたのね。
レイム
いや、食べなくていいから。
マリサ
で、どうだったんだ?
大口
なんか評価が二分していて、泥臭いうえに磯臭くてただひたすら不味いという評価と、貝の肝や柔らかめのエビという評価や、癖のない貝ヒモのようという評価があって、これが下処理の違いなのか何なのかが解らなかったんですよ。
レイム
なんで?
大口
種や生息環境にもよるんだけど、どんなに下処理をしても、長時間きれいな水のなかで泥抜きをしても、強烈な磯臭さや泥臭さが消えない生き物って結構いるんですよ。
マリサ
じゃあ生息環境次第ってことか?
大口
そこも問題で、程度の差もあるんだろうけど、この磯臭さや泥臭さが気にならない人というのがいて、一般的に臭いがきつくてあまり好まれない魚とかでも、そういう人は気にならず美味しいといって食べるんですよ。
レイム
要するに人によるって事ね。
大口
そういう事。
なので判断がつかなかったので、試す人は自己責任でお願いします。
ただし、環形動物って種によっては有毒の場合もあるので、その辺りもちゃんと調べて試してください。
マリサ
というか食べるやついるのか?
大口
さあ?
そんなわけで今回の本編は終わります。
レイム マリサ 大口
ご視聴ありがとうございました。
大口
おつかれ~
大口
ところで、前回の動画「見た目インパクトな魚特集」についてお詫びがあります。
レイム
何か問題があったの?
大口
動画内でこの魚を「ギンザメ」と紹介していたのですが、この魚はギンザメの仲間ではなく、タラ目ソコダラ科マクロウルス・ベルグラス(Macrourus berglax)という魚です。
EYE, EYE, CAPTAIN! Fisherman baffled after reeling in terrifying alien-like creature with giant eyes off Norwegian island
THE SUN 15 Sep 2019
https://www.thesun.co.uk/news/9931982/fisherman-ratfish-norwegian-island/
大口
画像を集める際に画像のタイトルを間違えており、そのまま勘違いして動画で誤った情報を伝えてしまっていました。
申し訳ないです。
マリサ
画像を整理せずに片っ端から保存しているからこういうことが起きるんだぜ。
大口
ほんとう申し訳ないです。
大口
それと、今回紹介しきれていない環形動物が結構いるので、先細紹介したシリス科の環形動物を紹介する際に、一緒にまとめて紹介する予定です。
大口
そんなわけで今回はここで終わります。
レイム マリサ 大口
またいつか~
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