日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

【ゆっくり解説】テレビ・新聞離れの原因

さて、本日は「マスコミで言われる「テレビ・新聞離れ」の原因について書いていきます。


本日の投稿動画
www.nicovideo.jp


youtu.be


以下は動画のテキスト版です

注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています

・「マスコミ問題」であり右派・左派等の陣営論争は本題ではありません

・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブロマガにあります

・毎週土曜日更新


レイム マリサ
ゆっくりしていってね


マリサ
さて、今回はマスコミ問題なので私がやっていくぜ。


レイム
ねえマリサ、今回のお題って近年テレビの視聴率が落ちたり新聞の購読者が減ったりした事例のこと?


マリサ
そうだが、何かあるのか?


レイム
前々から思っていたのだけど、あれって信用云々じゃなくて少子化が一番の原因じゃない?


マリサ
まあ、その要素もあるんだろうけど、数字で見ると実はそれ以外の要素の方が大きくてな、今回はその件を中心に扱っていくんだぜ。


レイム
そんなに目に見えて信用低下を示す数字があるの?


マリサ
直接ではないんだが、色々と関連情報を総合するとそうとしか見えないって事例だぜ。


レイム
なるほどね。


マリサ
そんなわけで本編へ行くぜ。


テレビ・新聞離れ


マリサ
まずな、近年言われ始めている「テレビ・新聞離れ」ってな、重要なのはここ数年で発生した現象ではないって事だぜ。


レイム
少子化以外の要素というと、インターネットの普及とか?


マリサ
まあそれもあるんだが、この2006年の毎日新聞紙面版に掲載された記事を見てくれ。

読書に熱中する息子を見て・・・・
毎日新聞(紙面) 2006年1月29日 大阪版

会社員 須藤 典明(愛知県美浜町 59歳)
 この年末年始に、30代の息子が帰省した。
 テレビ局はさまざまなバラエティー番組を組んでいたが、息子はテレビを見ずにひたすら本を読んでいた。

 私や娘が番組に大笑いしていてもである。
 本の題をちらっと見ると、韓国や中国を批判する内容の本であった。

 私は息子に「本はいつでも読めるから、テレビを見たらどうだ」と言った。
 ところが、息子はその言葉を完全に無視して本を読み続けた。

 この息子を見て、危機感を感じた。

 一つはバラエティーなどのテレビ番組を見ない若者が最近増えているが、それで人間的幅が広がるのかという心配だ。
 家族がわいわい騒いでも我関せずという姿勢は、将来協調性が持てるのだろうか。

 最近男性の結婚難、それに伴っての少子化が叫ばれている。
 このようなひとり本に熱中する息子を見ると、この先どうなるかと心配になった。

マリサ
今から15年も前の記事なんだが、帰省した30代の息子が中韓批判の本を読んでいてテレビを見ないことを危惧しているという親の投書だぜ。


マリサ
そして本題はこっちでな、この時点ですでに「バラエティーなどのテレビ番組を見ない若者が最近増えている」という認識が社会に芽生え始めていたって事だぜ。


レイム
あれ?
「若者がテレビを見ない」って2010年代からの事かと思ったら、2000年代半ば頃にはそういう認識が社会にあったの?


マリサ
そうだぜ。
そして次にこの2012年の記事を見てくれ

親世代も新聞離れか「活字読むの面倒」「ネットある」
アメーバニュース 2012年10月20日
https://web.archive.org/web/20121023100959/http://yukan-news.ameba.jp/20121020-504/

新聞の発行部数は減るばかりで、“若者の新聞離れ”が叫ばれる昨今。かつては、親が子供に対して「新聞を読みなさい」と言ったものだが、近頃は親世代でも新聞離れが進んでいるようだ。

 Benesse教育情報サイトでは、幼い子供を育てる保護者を対象に「新聞記事を子育てに活用していますか?」という質問で、オンライン投票を実施した。その結果を見ると、「活用している」が8.8%、「ときどき活用している」が28.2%、「あまり活用できない」が32.8%。そして「購読していない」は、30.8%に及んだ。もはや親世代でも3割が新聞を購読していないのだ。

 新聞を購読していない保護者のコメントを見ると、

「活字を読むのは面倒くさく、新聞代もばかになりません。今はネットやTVで十分情報が得られるので、新聞に必要性を感じません」
「新聞ではなく、ネットで情報を集めてしまうのでまったく読まなくなりました」

 などと、主にニュースなどの情報はネットで入手するという人が多かった。また、それだけではなく、

「テレビも新聞も不信感があるのでニュースはネットで済ましてしまう」
「ゴミになるだけなので、購読していない。内容も大したことないので」

 と、新聞の内容に不満や不信感を抱いているという意見も寄せられていた。


マリサ
こちらの記事では、「若者の新聞離れ」について言及しているんだが、注目すべきはこの記事では「親世代も新聞離れが進んでいる」と言及されていて、その親世代ってさっきの記事の30代頃のことになるって事だぜ。


レイム
つまり、2000年代にテレビを見なくなった年代層と2010年代に新聞を購読しなかった年代層が重なっていて、しかも「その下の層」のテレビ・新聞離れが2012年の時点で社会的に一般化していたって事ね。


マリサ
そしてこの記事で言及している親世代は主に「ネットで情報を集める」傾向にあって、情報収集の優先順位が「ネット>テレビ>新聞」になっているって事をこの記事は表しているわけだぜ。


レイム
つまり、2000年代に入った時点で、既にテレビは娯楽の中心ではなくなり、2010年代には新聞の情報的価値も低下していたって事ね。
つまり、ネットが既存のメディアの地位を奪ったって事ね。


マリサ
まあそのあたりは後でやるから、今は単純に「それだけ」ではないとだけ言っておくぜ。
そして次はこれ

繰り返される「若者のテレビ離れ」議論に若者たちから「うっせえわ」
マネーポスト 2021年5月28日
https://www.moneypost.jp/793510

「若者のテレビ離れ」と言われて久しいが、最近また話題になっている。NHK放送文化研究所が5月21日に発表した調査結果によると、国民全体で1日にテレビを視聴する人は、2015年の85%から、2020年の79%へと減少。特に下げ幅が大きかったのが10代で、10~15歳は78%から56%、16~19歳では71%から47%へと大幅に減少している。今や「10代の若者の2人に1人がテレビを見ていない」という結果が明らかになった。この結果を受けてまたしても「若者のテレビ離れ」への議論が蒸し返されているわけだが、当の若者からは呆れる声が聞こえてくる。
「テレビが若者から離れているのでは?」

「なんでもかんでも『若者の○○離れ』といいますが、なぜ、そこまで若者をターゲットにしたがるんでしょうか。繰り返し、繰り返し、何かの風物詩のように『若者が……』と名指しされる。知らんがなって感じです。いい加減『うっせえわ』と言いたい」

 そう憤りを隠さないのは、IT企業に勤める20代の男性会社員・Aさん。「若者のテレビ離れ」については、逆に「テレビが若者から離れているのでは?」と指摘する。

「久しぶりに見たら、クイズや健康系の番組ばかり。情報番組やニュース番組も東京五輪やコロナの話題で、すでにネットにあがっている話が多い。それ以外にも、TwitterYouTubeなど、こちらが数日前に見たようなネタが地上波でわざわざ紹介されている。情報鮮度として遅いから、若者向けではないですよね。50代の親も『見るものがない』と言うくらいなので、若者どころか中高年にも見向きされなくなる日が来るのでは」(Aさん)
情報取得元は「テレビである必然性がない」

 建設会社に勤める20代の男性会社員・Bさんは、「若者のテレビ離れ」について、「テレビの役割が変わったこと」に注目する。

「テレビは、昔は流行を生み出すものだったらしいですが、それは他に情報源がなかったからでしょ? 今は、流行を生み出すのはSNSYouTube。素人から流行が生まれることが多いわけです。そして、テレビはそれを追いかける側。情報源としての価値はもうあまりない気がします」(Bさん)

https://www.moneypost.jp/793510/2/

 Bさんは、情報を得るスタイルの変化にも注目する。特に若者は、情報の取得元として「テレビである必然性がない」と指摘する。

「みんながみんな、テレビで情報を均一に得るという時代は終わったと思うんです。コンテンツもプラットフォームも様々なものがあふれる今、各人が自分の好きなものを深堀りできる。『若者のテレビ離れ』というか、もともと若者はテレビにくっついてない。昔の若者のイメージと、今の若者のイメージを同じにしないでもらいたい」(Bさん)
「局によってアプリが違うのも面倒」

 人材紹介会社に勤める20代の女性会社員・Cさんは、1人暮らしの部屋に「一応、テレビ機器はある」としながらも、「時々YouTubeNetflixを見るための大型モニター」でしかないという。Cさんも、なぜ、テレビがそんなに「若者」にこだわるのか疑問に感じている。

「そもそも今の若者は数が少ないし、昔の若者より断然忙しい。圧倒的に人口が多く時間も余っている『シニア向け』の需要に振り切ればいいのに、なぜ『若者のテレビ離れ』が何か『問題』であるかのように論じられるのでしょうか。

 クイズやバラエティ番組では、いわゆる若者世代のタレントやYouTuberが出ていて、『若者世代を取り込みたい』という意図は感じられますが、いかんせん企画が魅力的に思えない。

 漫画やアニメ原作で若手俳優を起用したドラマなんかは、見ている若者も一定数いると思いますが、個人的にはそろそろお腹いっぱい。確かに業界の将来を支えてくれる、ということを考えたら若者を取り込みたいのはわかりますけど、そういう『若者はこういうものが好きだろ?』感を出されるとシラケます」(Cさん)

https://www.moneypost.jp/793510/3/

 デバイスの問題もある。動画コンテンツの視聴デバイスは、パソコン、スマホタブレットと多様化している。Cさんも普段はスマホタブレットで動画を見るというが、だからといって、スマホでテレビ番組を見ようという気にはならないという。

「テレビ局のアプリなどで、ネットで話題になっていた番組を、たまに後から見る程度。ただし無料配信期間中に限ります。いちいち局によってアプリが違うのも面倒だし……。なんだったら、最初からYouTubeのような開かれたプラットフォームに、すべてネットコンテンツとして配信してくれたら見るかもしれません。テレビ同様、無料で」(Cさん)

 少子化で若者人口が減少の一途をたどる中、いつまで「若者のテレビ離れ」といわれるのか……。


マリサ
こちらの記事を読むと、そもそもテレビ番組自体が「シニア向け」で若者向けではないうえに、若い世代にとってテレビは「選択肢の一つ」でしかなく必須のものではなく、しかも若い世代が見たいと思えるような番組を作れていないと書かれているな。


レイム
ああ、要するに数が多いシニア世代に向けた番組が多くなっているって事よね、これ。


マリサ
それだけじゃないぜ、この記事から解るのは、テレビ業界が「情報の多様化」に付いていけていないって事だぜ。


レイム
要するに、若い世代の需要を満たせる番組自体が無いって事ね。


マリサ
そういう事だぜ。
そして次のこちらの記事は、マスコミ業界の大きな勘違いが書かれているぜ。

「新聞読んでる10代ほぼゼロ」という衝撃の調査を受けて
文春オンライン 2021/10/26
https://bunshun.jp/articles/-/49528

先日、選挙ドットコムという媒体の動画企画で論客の西田亮介さんとご一緒する機会があり、その席で「おい、一郎。情報通信白書読んだか。ついに新聞を読んでる10代がゼロになったぞ」と教えてもらったんですよ。

 見物にいったら、やっぱり新聞を読んでいる10代はほぼゼロになっていました。
政治や社会問題の争点が遠い世界のことに

 これは大変なことだと思うんですよね。

総務省:情報通信白書令和2年版
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd252510.html

 何が大変だって、新聞やラジオに親しんできた60代から80代以上の世代と、これから日本社会を担う10代の若者たちの間では、当たり前のことですが「どの媒体から情報を得て、何に信頼を置くのか」がまったく異なるようになってしまうということですよ。

ある調査では、年代別政党支持率の参考にする次回投票意向先について、10代、20代は47%から49%が自民党に投票し、最も低い60代が30%ほどであることを考えると、中高年は特に「政治はこうであるべき」という気持ちが強いこともあって「若者の右傾化」みたいなことをいう人が増えるのも事実なんですよね。

 ただ、今回の総務省が出した情報通信白書のように、そもそも若い人が新聞を読まないよとなると、例えば党派性の強い朝日新聞東京新聞といった媒体からの情報を得なくなる。それどころか、10代20代における新聞に対する信頼がテレビよりも低いという状態になると、彼らのリテラシーからすれば政治に関する問題やいま起きている社会問題に対する争点などは遠い世界のことになってしまう。

 他方、20代の大学院生や社会人と話をしていると、かなりナチュラルに「就職先がちゃんとある自民党のほうがいいです」とはっきり言ってくる人たちもいる。政治について語ることが若者の間でさしたるタブーにならなくなり、いまの生活に概ね満足だから自民党政治を追認するという、安保闘争を戦い抜いてきた団塊世代が聴いたら憤死しかねない発言をけっこう普通にするんです。出世をあまり考えず、給料は安くても働き口があるならば、生活ができて概ね満足という「志のない若者が増えた」と中高年が思うのは、新聞を通じて「こういう社会であるべき」というイデオロギーが希薄になって生活保守が強くなってしまったからなのでしょうか。

https://bunshun.jp/articles/-/49528?page=2

若い人に投票を促すほど自民党が有利に

 左翼系野党の活動家や政治家は、若い人は現状に不満を持っているのだから、彼らの投票率を上げれば野党にとって有利だろうと思っている節があります。しかし、実際に起きていることは「若い人たちは概ねいまの生活に満足している」ゆえの現状追認自民党支持の割合がとても高いという話になるので、無党派層掘り起こしで若い人に投票を促せば促すほど自民党が有利になってしまうという事態が進行しているわけですね。

 選挙の現場でも、労働組合の組織率が大幅に低下し、選挙実務を担ってくださるボランティアさんやサポーターさんの「高齢化」が問題になっています。公示前、仕事である候補者の事務所を訪問したところ、印刷したポスターの束を運ぼうとしてぎっくり腰を再発した高齢男性が入口で悶絶していて肩を貸したりしました。ジジイ無理すんなよと声を掛けたら候補者本人で、哀愁を漂わせます。

 連合など労働組合の皆さんは「若い人は労働組合に関心が無くてね」と頭をかいておられましたが、私の側から見ると若い人たちの働き方も変わり、しっかりした労働組合のある企業に勤める正社員による組合活動だけでは若い人との利害は一致しなくなっているように見えます。やはり不正規雇用の人たちやフリーランス個人事業主のような多様な働き方の人たちの労働環境を守るために、連合は何ができるかを考えたほうがいいですよと言いたくなったけどやめました。なんせ、労働争議は「闘争」なもんでねえ。

 いわば、政治的な活動は闘争を含むのであって、団結して労働者としての権利を勝ち取るのだという文脈で労働組合が左派系野党を支持し活動を支えるといっても、ここがいまや流動化してしまって身動きが取れなくなってしまっているのが実情なのではないでしょうか。
立憲民主党の支持率が冴えない理由

 一方で、すでに報じられましたが全トヨタ労連が自前出身の組織内議員でもある古本伸一郎さん(愛知11区・無所属)の支持を取りやめてしまい、衝撃が走りました。自民党など与党と対抗的な立憲民主党よりも政策実現を果たせる自民党公明党、維新の会などへの明確なシフトを見せるなど、いままでの「保守VS革新」のような、新聞メディアや労働組合に支えられた「Jリベラル」勢力的野党の支持率が伸び悩んでいます。

 実際、次回投票意向先や政党別支持率で立憲民主党が冴えないままなのも、リベラル左派を代表する野党第一党としての立憲民主党に期待するというよりは、反自民党・反権力的な現状批判票の受け皿としての存在でしかなくなってしまったことの証左ではないかとも思うのです。なので、いまの自民党公明党による岸田文雄政権があの体たらくであるあいだは、反自民票を取り込める野党候補一本化で選挙に勝つことはできても、立憲民主党共産党を支持している国民は多数派にはならず、彼らの望み焦がれる政権交代にまでは到底至らない、というのが実情なのではないでしょうか。

https://bunshun.jp/articles/-/49528?page=3

トヨタ労連が立憲民主党を見限るのも仕方がない

 そして、日本を取り巻く経済環境は一変しており、いまや国内産業においては当面のエネルギー政策についてや、カーボンニュートラル(CN)、脱炭素社会に向けて、政治も社会も経済も産業も雇用も一気にシフトしなければならなくなりました。小泉進次郎さんや河野太郎さんが出てきて再生エネルギーは大事だよと旗を振るパフォーマンスだけでなく、足元のエネルギー調達で脱炭素は待ったなしで、再生エネルギーとして何に期待し、どうやってそれに見合った産業構造にしなければならないか考えていかなければなりません。

 前述の全トヨタ労連はまさに世界で戦う大正義トヨタ自動車を頂点とする、すそ野を入れれば800万人近い人々の生活を担う労働組合であることを考えると、LGBT法だ夫婦別姓だとハフポスト的「Jリベラル」の掲げるダイバーシティを政策の主眼に据えるような立憲民主党を支える必要さえも感じていないのではないかと思います。極論いうと、その政策は労働組合関係ないじゃん、左翼の反権力ってだけで。

 ダイバーシティは大事なことだけどそれで飯が喰えるわけでもなく、年金を含む社会保障をどうするのか、雇用政策、少子化対応と並んで大きな課題となったカーボンニュートラルを実現するために、もっとも国際経済の潮流に敏感な全トヨタ労連が一足先に立憲民主党を見限るのも仕方がないことなのかもしれません。

「保守VS革新」という一軸の政治図式の終焉

 これらは、ある意味で、イデオロギー上の対立をもって成立してきた新聞業界と、それが支えてきた「保守VS革新」という一軸の政治図式の終焉を意味しているように感じます。実際に、政党支持率で見た場合に日本全体でも右派と目される維新の会の支持率が上昇し、大阪から近畿圏を中心とする地域政党という殻を破り、全国に支持者を集められるような政党へと脱皮する可能性も秘めています。

 一方、労働組合からの支持を失って党勢衰亡を隠し切れず、いまや公党としての地位さえも確保できなくなりそうな社会民主党(旧社会党)と同じように、イデオロギーを抜きにしていま足下の経済問題やカーボンニュートラルの対応に迫られる産業界は、革新を見捨てる怖れさえあります。

https://bunshun.jp/articles/-/49528?page=4

「自分以外の人の意見を聞く」ことの重要性

 このような図式の中で、本来ならば「あるべき日本社会とは何か」「政治問題において木鐸を打ち鳴らす」的な議題設定能力を担ってきた新聞の機能低下は著しく、ネット社会となり新聞記事の品質と新聞記者の取材能力が引き続き維持できているにもかかわらず、日本人が必ずしも新聞を信頼しなくなったというのは驚きとともに恐怖です。

 拙宅山本家も、まあ私が新聞を読むからというのもありますが、子どもたちに新聞を読ませようとしているのも単に「新しい時事問題を知る」だけでなく、その問題についての解説を読み解くことで「自分以外の人の意見を聞く」ことに興味と関心を払ってほしいからに他なりません。ただ、若い人の新聞離れがここまで進んだとなると、自分の意見はあるが、いろんな立場の人たちの意見を聞いて意志決定をするトレーニングをどのようにして積ませれば良いのか、我が子たちを前にして悩むところは多いのです。

新聞は、紙を捨てた後に何を残すのか

 何よりも、若い人にリーチしなくなった新聞を作っている新聞産業の人たちが長年の低落傾向を前に悩んでおられたのだろうと思いますが、ついに10代でほぼゼロとなってしまった新聞は、紙を捨てた後に何を残すことになるのでしょうか。海外の事例では、デジタルシフトを鮮明にしてサブスクリプション(月額課金など)に移行して影響力を保っている新聞社も出ていますが、なにぶん、日本の新聞社は巨大であり、事実上不動産業みたいな状態になっている面もあるので、あまり機動的な対応ができないまま衰退が決定的になってしまった印象です。

 再生エネルギーにせよ原発再稼働にせよ、イデオロギーとしてしか見ず、産業の転換や社会の変容のところまで読み解けないまま汚染水放流反対と論陣を張った新聞社たちの自業自得もありつつ、とはいえ新聞社が担ってきた「機能」は残っていくでしょうから、その次をどうするのか実に悩ましい局面になったなあと思います。

 若い人の読者が「ほぼゼロ」の媒体って、死ぬしかないと思うので。


マリサ
こちらの記事では、総務省の調査結果から、「10代で新聞を読んでいる層がゼロになった」という事がわかったという事が書かれていて、政党支持率でも自民党の方は若い世代に人気で、「若者はいまの生活に満足」していて、政治にあまり関心を持っていないからとしているな。


レイム
これおかしくない?
そもそも左派とかリベラルとかって、民主党が政権をとった時期には「内政と外交は別」とか「庶民の生活が大事」とか言っていたのに、新聞が読まれないのが「(若い世代には)政治に関する問題やいま起きている社会問題に対する争点などは遠い世界のことだから」って、矛盾しているじゃない。


マリサ
そう、実際問題「今の生活」を争点としているなら、そもそもこの結論なら野党支持が多いはずで、なぜそれが「社会問題に興味が無いから」という原因に変わっているんだって事だぜ。
ちょっと前まで野党は「庶民感覚」とか言ってたのに認識に矛盾があるわけだ。


若者に不人気な政党


マリサ
実はこれが面白くて、テレビや新聞は2000年代の時点で既に若い世代から不人気になっていたけど、政党支持率はそうではなくてな

ネット選挙、性別や年齢層による支持政党の傾向がくっきりと
日経TECH 2013.07.19
https://xtech.nikkei.com/it/article/COLUMN/20130719/492722/

 投開票が2013年7月21日に迫った参議院選挙。インターネットを活用した選挙活動の動向をミニブログTwitter」から読み解いてみよう(関連記事:ネット選挙、政策より「事件」に話題集中---Twitter投稿分析より(1))。

 今回は投稿者のプロフィール分析を基に、性別や年齢層でTwitterの投稿を分析してみる。分析結果は、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションから提供を受けた。集計期間は6月27日(月曜日)~7月16日(火曜日)である。「Twitter投稿分析より(1)」の記事で分析結果を提供したプラスアルファ・コンサルティングと同様、略称を含めて政党を含む投稿を抽出している。ただし略称の認識の仕方の違いなどから、政党別の投稿数や順位は両社で異なっている。

 図1が、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションによる全投稿数に占める各政党の投稿数で、日本維新の会に関する投稿のシェアがプラスアルファ・コンサルティングの分析結果より少ない。政党名は「日本維新の会」か「維新の会」のどちらかで識別しているといい、「維新」だけでも識別する場合があるプラスアルファ・コンサルティングとの違いのようだ。表記のぶれはキーワード分析でつきまとう問題であり、単純に「共産党」「民主党」で検索した投稿には、中国共産党や米国民主党を指した投稿も含まれてしまう。分析で工夫が必要なポイントの一つだ。

 維新の会の投稿数を除けば、傾向や投稿数はプラスアルファ・コンサルティングのものと近い。

https://xtech.nikkei.com/it/article/COLUMN/20130719/492722/?P=2

 公示日前(6月27日~7月3日)と公示日後(7月4日~16日)の投稿数の増減も政党別に示した(図2)。上位の党では共産党の伸びが目立つ。下位政党は元々投稿数が少なかっただけに、みどりの風新党大地新党改革がいずれも公示後に投稿数を何倍にも増やしている。

新党改革」「みどりの風」は女性の関心が高い

 プロフィール分析は、Twitterのプロフィール欄を分析して性別や年齢を判定する。プロフィール欄に手がかりがない場合は、投稿内容に性別や年齢を特定するキーワードがないかを調べて、プロフィールを推測する。こうして一定の確度が見込めるアカウントを対象に、投稿内容を分析するものだ。

 まずは政党名が含まれる投稿を、政党ごとに男女で区分してみた(図3)。左から男性比率が高い政党を並べいき、右にいくほど女性比率が高い政党となる。投稿はポジティブかネガティブかで分類していないので政党支持には直結しない。ただし「関心が高い」「話題になっている」ことを判断する有力材料にはなる。

 最も関心を持つ層の男性比率が高いのが共産党で、以下、公明党民主党、維新の会まで、男性の投稿が6割を占める。一方、女性の関心が高いのが新党改革みどりの風。女性が5割を超えたのは新党改革を含む3党だけだ。投稿全体では男性の投稿が58%を占めている。

https://xtech.nikkei.com/it/article/COLUMN/20130719/492722/?P=3

f:id:oogchib:20211030231717j:plain
年齢別政党支持率(2013年)

 投稿を、政党ごとに年齢層に分けても示した(図4)。「10代なら15歳」「20代なら25歳」というように年代の平均年齢を仮定し各年代の投稿数で加重平均した、近似的な「投稿者の平均年齢」も算出した。最も若い人の関心を呼んでいる政党はみんなの党だった。以下、新党改革民主党、維新の会と続く。みんなの党は、投稿者の平均年齢は35.8歳である。内訳を見ると投稿者は20代と30代が中心であることが特徴的だ。2番目に付けた新党改革は、実に5割弱が30代に集中している。

 一方、関心を持つ人の平均年齢が高い政党は、42.9歳の生活の党、41.1歳の共産党、40.3歳のみどりの風などとなった。生活の党は40代と60代以上の投稿数が分厚い。共産党は各年代に投稿が分散しているのが特徴的だ。自民党も同じ傾向が見られる。一方、社民党は40代に分厚い投稿者がいる。

候補者の投稿、リツイートは限定的

 立候補者のうち、フォロー数が多いTwitter上での著名人の動向にも着目した(表1)。上位10位のうち、1位の田宮嘉一候補は38万に迫るフォロワーを抱える。テレビなどマスコミでの露出は少ないが、他のタレント候補や著名な候補を抜いて1位に付けた。2位は無所属で出馬している山本太郎候補、3位はテレビ討論番組などへの出演も多い山本一太候補と続く。

https://xtech.nikkei.com/it/article/COLUMN/20130719/492722/?P=4

 ランク入りした候補はもとより投稿が概ね活発で、選挙期間に入りさらに増えた。公示日前(6月27日~7月3日)と後(7月4日~16日)で、上位の候補5人について投稿数を比較した。1位の田宮候補は、1日当たりの投稿数が22.1から74.3に、2位の山本太郎候補は5.1から19.2に増えている。以下、3位の山本一太候補が2.7から5.9に、4位の佐藤正久候補が6.9 から22.9に、5位の世耕弘成候補が1.7から6.6にと活発になっている。

 ただし候補者のフォロワーが投稿を自身のフォロワーに広げる「リツイート」の件数は、候補者によって大きな差が見られた。1位の田宮候補の投稿に対するリツイート数が1日数十~300件程度。38万フォロワーを抱える投稿者としては少ない印象だ。唯一、10万超のリツイートを記録した投稿は7月7日、ある写真家の作品について投稿した内容だったという。

 5人のうち、投稿がリツイートされやすいのは山本太郎候補と佐藤候補だった。山本太郎候補は投稿に1日1000弱~1万台のリツイートがあり、16日には5万超のリツイートを記録した。佐藤候補も1000~4000台のリツイートがある。

 ツイッター日本法人はネット選挙でのTwitter活用について、米国のようにハッシュタグが活用されていないと残念がる。米国では候補者が有権者から質疑を受け付けると同時に専用のハッシュタグを設けて、質疑の流れを追いやすいようにしている。

 候補者と双方向でつながるなど、有権者が参加意識を持てるネット選挙を実現するには、工夫や改善すべき点が多く残されているようだ。


マリサ
2013年にNTT系列の調査会社が調べた統計では、実は民主党の方が若い層に人気で、自民党の支持者は40代以降に集中する傾向にあったという事がわかるんだぜ。


レイム
これはちょっと意外ね。
てっきりテレビや新聞の影響力低下とリンクしているのかと思ったら、実はそうでもなかったのね。
じゃあ今のようになったのはいつからなの?


マリサ
厳密にはわからんが、少なくともこの記事にあるように

比例投票先、立憲伸び13% 希望11% 朝日世論調査
朝日新聞 2017年10月18日
https://www.asahi.com/articles/ASKBL3V1XKBLUZPS001.html

 朝日新聞社は17、18日、衆院選に向けた世論調査(電話)を実施した。比例区投票先を政党名を挙げて聞くと、自民党が34%(3、4日実施の前回調査は35%)と堅調。立憲民主党が13%(同7%)に伸び、希望の党11%(同12%)を上回った。公明党7%、共産党5%、日本維新の会4%などが続いた。

 内閣不支持層に限ってみると、立憲25%、希望20%、共産11%の順。政権批判票は依然、分散している。

 年齢別にみると、18~29歳では41%が自民と答え、希望13%、立憲6%を上回った。一方、60代では自民27%、立憲20%、希望10%と、立憲の支持が比較的高い。

 立憲に「期待する」は31%、特に内閣不支持層では48%が「期待する」と答えた。支持政党別では、自民支持層の20%、共産支持層の45%が「期待する」と答えた。一方、希望に「期待する」は29%で、9月26、27日実施の前々回45%、前回の35%から連続の減少。「期待しない」が60%にのぼった。

 今後、どのような政権がよいか尋ねると、「自民党を中心とした政権」37%(前回43%)、「自民党以外の政党による政権」36%(同33%)と割れた。ただ、国会で自民だけが強い勢力を持つ状況は「よくないことだ」73%が、「よいことだ」15%を大きく上回った。内閣支持層でも58%と半数以上が「よくないことだ」と答えた。

 衆院選の直前に、民進党が分裂し、同党の前議員は希望、立憲、無所属に分かれて立候補した。こうしたことは「よくなかった」が50%で、「よかった」25%を上回った。内閣支持層も57%が「よくなかった」と答えた。
安倍首相続投「望まぬ」51%

 安倍内閣の支持率は38%(前回40%)、不支持率は40%(同38%)だった。

 安倍晋三首相に今後も首相を続けてほしいかを聞いたところ、「続けてほしい」34%で、「そうは思わない」が51%と半数にのぼった。

 支持政党別にみると、自民支持層は「続けてほしい」68%が、「そうは思わない」22%を大きく上回った。公明支持層では「続けてほしい」43%、「そうは思わない」43%と割れ、与党内でも温度差が出た。

 男性の40%が「続けてほしい」と答えたのに対し、女性は29%と低め。年齢別では18~29歳は「続けてほしい」が49%と多かったが、30代では拮抗(きっこう)。40代以上は「そうは思わない」の方が多かった。60代では60%が「そうは思わない」と答えた。


マリサ
2017年の朝日新聞が行った調査では、「18から29歳で41パーセントが自民支持、立憲は6パーセント」逆に60代以上では「自民27パーセント、立憲20パーセント」となっていて、4年間で若い層の支持が一気に移っている事がわかるんだぜ。


レイム
というか、これを見る限りだと、さっきの文春の記事とは裏腹に、実は新聞やテレビの不人気と政党支持率はリンクしていないって事?


マリサ
そうともいえるし違うともいえるぜ。


原因は複数


マリサ
まず最初に知っておいてほしいのは、テレビや新聞離れの原因は複数の要素が関わっていて、単独の原因ではないって事だぜ。


マリサ
そこで重要なのが、若い世代がテレビも新聞もみなくなったのは事実だけど、大手メディアのニュース自体をみなくなったわけではないって事だぜ。


レイム
どういう事?
なんか矛盾しているように見えるけど。


マリサ
今のご時世な、大抵の人はニュースってスマホのアプリで見ているよな。


レイム
ああそうか、テレビや新聞自体をみていなくても、スマホのニュースで大手メディアの配信するニュースは見ているって事ね。
でもそれだと影響力自体はあるってことにならない?


マリサ
それが違ってな、以前もどこかで言及したが、スマホでニュースを見る場合、記事のタイトルには注目しても、「どのメディアが報じたか」にはあまり注目が行かないんだぜ。


レイム
ああ、つまり全国紙や全国放送という「肩書」はあまり意味がないって事ね。


マリサ
こう考えてもらうとわかりやすいが、今までは新聞やテレビという「商品」は「特別な目立つ棚」に展示販売されていたが、今は他と同じ棚で販売されているって事だぜ。


レイム
つまり、他との差別化ができないから商品価値が低くなって手に取ってもらえない事が多くなったって事ね。
そしてこれはテレビ番組も本質的には同じね、いくらユーチューバーやネットで人気の動画を紹介しても、ネット以上にはなれないしね。


マリサ
そう、これが一つ目。
そして二つ目は、これは今までこの動画シリーズでいくつも紹介しているが、マスコミ業界の不祥事に対する不誠実な態度がネット上には無数に記録されていて、その一つでも見ればマスコミ不信に繋がる可能性があるって事だぜ。


レイム
まあこれも当然よね。
ネットをやっていれば、いずれどこかしらでマスコミの起こした問題にはたどり着くわけだから、隠し通すのなんて無理だし。


マリサ
結果、マスコミ業界は自分達で自分達の価値を落としているわけだ。
そして最後なんだが、これが「若い世代ほど自民党支持」に関係してくることなんだが、次にこの毎日新聞の2013年の記事を見てくれ

サンデー時評:居所不明の小中学生千人と「親」
サンデー毎日 2013年3月6日
https://web.archive.org/web/20130309014705/http://mainichi.jp/opinion/news/20130306org00m010016000c.html

居所不明の小中学生が全国に千人近くもいる。文部科学省の調査でわかったそうだ。驚きである。それとも、こんな数字には、世間もあまりショックを受けなくなったのだろうか。

 大阪の女児不明事件は、出生直後に死んでいるのに(殺したらしいが)両親が児童手当を不正受給していたことがわかり、詐欺容疑で逮捕されたという。居所不明の千人がどこで何をしているか不安が先に立つが、大阪のような恐ろしいケースがほかにないことを祈るばかりだ。

 やはり親子関係がおかしい。親の子殺し、子の親殺しは論外だが、しかし、その背景にはうっすらとした親子不信が広がっているようにも思える。深刻なテーマだが、どうしたらいいのか、処方箋があるようで、ない。

 先日、高齢者中心のある集まりがあって、一人が以前に聞いた話として次のような親子物語をしてくれた−−。

 その男は妻を早く亡くし、幼い娘と二人暮らしだった。娘が十二歳の時、体調が悪くなる。医者に薬をもらいにいって帰ってきたが、折り返し医者から、

「残念ながらお嬢さんはあと一年の寿命……」

 と電話があった。男は途方にくれる。思いあまって、近所の人が信仰している五感観音に出かけた。五感は目(視覚)、耳(聴覚)、鼻(嗅覚)、舌(味覚)、身(触覚)のことで、それらを守る観音さまだ。男は祈った。

「私の五感の一つをご供養に捧げますから、娘の寿命を十年延ばしていただきたい」

「五感一つでかなえられるのは五年じゃ、十年が望みなら、二つ捧げるのじゃ」

 と観音さまはおっしゃる。それでは、と男は視覚と聴覚を捧げますと誓った。一気に目と耳を失ったのだ。

 娘が二十一歳になった時、恋人ができ結婚した。しかし、命はあと一年。男は再び五感観音にまいって、

「もう十年」

 とお願いし、こんどは嗅覚と味覚を差し出した。娘は幸せに暮らし、子供にも恵まれた。そのうちにいい薬が発見され、娘の病気が治る。

 男は娘夫婦と孫の四人で抱き合い、喜び合った。娘たちの涙が男の手のひらにポタポタと落ち、すでに四つの感覚を失っている男だったが、確実に涙を感じ取ることができた。

「ああ、最後に触覚を残しておいてよかったなあ」

 と男は心からつぶやいたのだった−−。

◇視覚聴覚失った復員兵 乳房吸わせた岸壁の母

 集まりに参加していた全員がシーンとなった。作り話ではあろうが、父親の捨て身の情愛に感じ入り、おれにできるかな、と自らに問うたからである。とても、そこまでは犠牲的になれそうにない、とみんなが思った。物語の提供者に質問がでた。

「捧げる順番には、何か理由があるのですか」

https://web.archive.org/web/20130309022121/http://mainichi.jp/opinion/news/20130306org00m010016000c2.html

「いえ、たまたまそうなったのだと思いますよ」

「それなら、私は最後に視覚を残したい。孫の顔も見えるし、涙だって見える」

 五感のうちどれが失われてもつらいことだが、確かに盲目ほど残酷なことはない、と目明きは単純に思う。

 一方、盲目になって初めて見えてくることもたくさんある、という話も聞くし。

「最後に残すものを一つ選べと言われれば、おれも視覚だ。暗やみではとても生きていけそうにないから」

 という声も出たが、この話、なかなか交わらない。

 そのうちに、別の一人が、

「子供のころ母親から聞かされたんだが、時々思い出すんです」

 と言って、〈岸壁の母〉の話をした。敗戦後しばらく、外地から帰還する復員兵の息子や夫を待って、母や妻が毎日、帰還港の岸壁に立ちつくす。京都・舞鶴港が中心だったが、どの港に帰りつくかわからない。〈岸壁の母〉という歌まで作られヒットした。その話というのは−−。

 一人の母親がある日、下船してくる復員兵たちのなかに、ついにわが息子の姿を発見した。ところが、悲しいことに、息子は傷病兵で、失明しているだけでなく聴力も失っていた。駆け寄って、腕をとり、

「おお、おまえ」

 と何度呼びかけても通じない。母親はとっさに何をしたか。立ったまま乳房を出し、息子の口に押し当てて吸わせたのである。二人は初めて抱き合い、息子の生還と再会を喜んだのだった−−。

 すぐに質問が飛んだ。

「赤ん坊の時に吸った感触を、その兵隊さんは覚えていたということですかねえ」

「そうじゃないんですよ。公衆の面前で、そんなことができる女性は世の中に母親一人しかいない。息子もすぐにわかったんじゃないですか」

 と話題提供者が答え、質問者は愚問を恥じた。

 さて、居所不明の小中学生約千人の話に戻ると、二つの親子物語に登場するような父親、母親がいたころ、居所不明事件など起こるはずがなかった。親子が深い情愛で固く結ばれていたからだ。いまは情愛が浅く、薄くなったと簡単に言い切ってはいけないと思いつつも、やはり親子関係は次第に疎遠に流れているように見えて仕方ない。

 例が適当でないかもしれないが、以前から気になっていた。観光地をのぞいても、食べもの屋に入っても、列車に乗っても、とにかく女性グループが目立つ。みんなで渡れば、でもあるまいが、女性同士で楽しむ情景を見るたびに、

「子供はどうしているのかな」

 と思ってしまう。私が小中学生のころ、帰宅すれば必ず母親がいた。どの家庭でもそうだった。

https://web.archive.org/web/20130309022126/http://mainichi.jp/opinion/news/20130306org00m010016000c3.html

いま母親がいないことに子供のほうも慣れ、一人部屋でゲーム機を相手に満足している。母子の会話量も、母親が叱る回数も格段に減っているのではなかろうか。これは恐ろしい変化だと思ったほうがいい。

<今週のひと言>

 おごるなよ、自民党

サンデー毎日2013年3月17日号)


マリサ
記事ではまず「今の親子関係がおかしい」という話から始まって、戦後の復員兵の親子関係の話になり、「いま母親がいないことに子供のほうも慣れ、一人部屋でゲーム機を相手に満足している。母子の会話量も、母親が叱る回数も格段に減っているのではなかろうか。これは恐ろしい変化だと思ったほうがいい。」と書かれているぜ。


マリサ
そしてそこで終わると思いきや、最後に唐突に「今週の一言」という文章の後に「おごるなよ、自民党。」と書かれて終わっているぜ。


レイム
…何この…、何?


マリサ
意味不明すぎるだろ?
でな、2012年末からの自民政権以降、特定のメディアがずっとこの謎テンションでな、「このノリ」で「自民独裁が~」とか「民主主義の危機が~」とかやっているんだぜ。


マリサ
特に問題も大規模不正もなく何度も選挙が行われ、世論の支持を受けて政権が続くという、「民主主義に則った政治」が行われていたのにな。


レイム
ああそうか、普通の人から見たら「何が独裁」で「何が民主主義の危機」なのかさっぱりわからないわけね。


マリサ
もちろん野党がちゃんと存在感を示せなかったというのもあるけど、同時にこのわけのわからないテンションでマスコミが野党と一緒になって政権叩きをしていたから、「内輪」以外からはドン引きされたんだぜ。


マリサ
もっと言えばこういう論調は傍から見ていて「ワクチンで5Gがどうたらこうたら」というノリと全く同じでな、あまりにも理解不能でひたすら気味が悪いだけなんだぜ。


レイム
まさに「自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう」ができていないって事ね。
その結果、今だけ見ると若者のテレビ・新聞離れと自民支持が完全にリンクしているように見えてしまっていると。

今回のまとめ
・テレビや新聞の低迷は2000年代半ばころから始まっていた
・若い世代の民主党離れとテレビ新聞離れにはラグが存在していて、完全な相関関係には無い
・マスコミが「内輪受け」する事しかしなくなった。


マリサ
それでな、重要なのは「若い世代を中心としたテレビ・新聞離れ」ってな、右傾化とか保守化とか、或いは「政治に関心がなくなったから」とか、そういう「野党支持」とリンクした話だけでは、ちゃんと説明できないって事だぜ。


レイム
まあ確かに。
実際問題、それだとこういう「謎テンション」で自民たたきをしていたメディアの低迷の説明はついても、「テレビや新聞全体」の低迷の説明にならないしね。


マリサ
結局は、「ネットとの共存や差別化」に失敗した業界の問題という事と、これまで業界の不祥事にちゃんと向き合わなかったことのツケが数字になって現れたってだけなんだぜ。


レイム
そしてそのうえで、一部のメディアと野党が、内輪にしか理解不能な謎テンションで「自民を支持する若者に問題がある」なんて論調で煽るから、若い世代の自民支持がどんどん増えて、それが今の結果に至るというわけね。


マリサ
テレビ・新聞離れ全体としては、「マスコミが世間ずれしているだけ」という一言で片付くんだがな。


マリサ
そんなわけで今回の本編はここで終わるぜ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~


大口
ところで、前回のナマケモノに関してなんだけど、ちょっと気になる情報があったんですよ。


レイム
いきなり何?


大口
YouTubeの動画で大分マリーンパレス水族館「うみたまご」で飼育されているフタユビナマケモノのゆめ子ちゃんが、なんか自主的に水の中を泳ぐそうで、実際に泳いでいるところが動画になっていたんですよ。


マリサ
つまり、実はフタユビナマケモノも泳げるって事か。


大口
それがねぇ。
元々私が知っていた情報では、フタユビナマケモノは体の構造上水面に顔をあげられないとなっていて、泳ぐのは不可能なはずなんだよ。


レイム
でも実際に泳いでいる動画があるのなら、その知識が間違っていたって事じゃないの?


大口
それがね、実はゆめ子ちゃんの繁殖相手として連れてきた個体は、一緒の檻に入れたら溺死しちゃったみたいで、この個体が特殊なだけの可能性もあり得るんだよ。


マリサ
他にフタユビナマケモノが泳ぐって事例はないのか?


大口
他には「神戸どうぶつ王国」の個体も泳ぐって話があるみたいだけど、それが一般化できるものなのかどうかちょっとわからないんだよ。


レイム
調べてみると泳ぐって書かれているものと泳げないって書かれているものがあってよくわからないわね。


大口
そこで、フタユビナマケモノが泳げるのかどうかは「謎」って事にしておいてください。


マリサ
そんなわけで今回はここで終わるぜ。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~


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