さて、本日は外国人問題の対立の一端にマスコミ報道が深く関わっている件について扱っていきます。
本日の投稿動画
www.nicovideo.jp
元記事
マスコミが作り出す対立構造
http://ooguchib.blog.fc2.com/blog-entry-586.html
お品書き
対立はこうして作られる
本当の論点は?
ズレは現実で修正される
注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています・「マスコミ問題」であり右派・左派等の陣営論争は本題ではありません
・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
・リクエストは原則受け付けていません
・引用ソースへのリンクが同時掲載のブログにあります
・毎週日曜日更新
※以下は動画のテキスト版です
マリサ
今回はマスコミ問題なので私が扱っていくぜ。
マリサ
最近「外国人問題」ってやたら見るよな。
ニュースでもSNSでも、数年で急に増えた感じがするんだぜ。
レイム
確かに多いわね。
でも、話題の中身は全部バラバラじゃない?
マリサ
そうなんだぜ。
治安、難民、文化摩擦…全部論点が違うんだぜ。
レイム
それぞれ全部別の話よね。
マリサ
なのに全部ひとまとめにされてるんだぜ。
レイム
それってどういうこと?
マリサ
結論から言うと、
対立は自然に起きてるわけじゃなく、異なる問題を一緒くたにすることで起きているって面があるんだぜ。
レイム
そうなの?
マリサ
論点がすり変わって、本来とは別の論争が作られていくんだぜ。
レイム
それって結構まずくない?
マリサ
そうだぜ。
しかも最後は現実とズレたまま進んでな、どこかで一気にひっくり返るんだぜ。
レイム
ひっくり返るって、どういうこと?
マリサ
それは本編でな。
まずは「対立はどう作られるか」から見ていくぜ。
対立はこうして作られる
レイム
それで、「つくられる対立」ってどういう事?
マリサ
突っ込みは後でやるとして、まずは共同通信のクルド人問題を扱った内容を見てほしいぜ。
ヘイトの矛先は在日コリアンから埼玉クルドに移り、子どもまで狙われ…ヘイトスピーチ解消法10年 なぜ差別が続くのか、何が必要か【多文化共生企画】
共同通信 2026/04/09
https://news.jp/i/1409778083436970772(一部抜粋)
▽2023年、突然標的に
「国を持たない最大の民族」といわれる中東のクルド人は、トルコなどで迫害を受け、1990年代から日本に逃れる人が増加。現在では埼玉県川口市、蕨市を中心に約2千人が住むとされる。多くがトルコ国籍のため統計はない。突然、標的にされ始めたのは2023年からだ。
蕨に事務所を構え、ヘイト問題に取り組む金英功弁護士が分析する。「2023年春に、国会で入管難民法の規制強化が審議されていました。クルド人たちが難民申請をしても認定されない危機感を訴えたことで注目され、攻撃され始めました」
SNSでのヘイトに続き、デモや街宣が川口、蕨で頻繁に行われ、2月の川口市長選と衆院選でも候補者や応援弁士によって繰り広げられた。
日常生活でも影響は深刻だ。クルド人の幼い女児が盗撮され、SNSに「万引していた」と虚偽投稿された。盗撮事件は数多く、クルド人住民の多くが写真や動画を撮られることに過敏になっている。協会や支援団体には「殺せ」「出て行け」などの電話やメールが送りつけられている。
街宣禁止の仮処分を受けた渡辺氏は、かつて川崎市で在日コリアンを標的とするヘイト街宣をしていた。川崎で2019年、ヘイトスピーチに刑事罰を科す全国初の条例ができたのを機に、街宣団体が川口に流れたとの指摘もある。ただ、金弁護士はその説を打ち消した。
(要約)
・クルド人は23年以降に突然標的化
・報道注目で対立が増幅
・標的は移動し攻撃が連鎖拡大
マリサ
この記事、一連の埼玉のクルド人問題を扱ってるんだが、論点の並べ方に特徴があるんだぜ。
本来別々の問題が、最初から一つにまとめられてるんだぜ。
レイム
難民制度の話と地域トラブルの話、全部同じ枠で語られてる印象を受けるわね。
マリサ
そこなんだぜ。
「なぜ反発が起きたか」とか、制度の背景が抜けたまま、ヘイトって言葉だけが前に出てるんだぜ。
レイム
つまり、何が問題だったかより先に、“差別された側”って構図が出来てるのね。
マリサ
その結果、原因が見えなくなるんだぜ。
そして次にこれとは別件の、朝日新聞が報じた群馬県大泉町の町職員の採用試験の国籍要件撤廃に関する記事だぜ。
「外国人が地域支える」人口減を補い経済に活気 定着に奔走する首長
朝日新聞 2026年3月26日
https://www.asahi.com/articles/ASV3T2RSGV3TUHNB00BM.html群馬県大泉町は人口の2割、約9千人が外国籍。自動車関連など製造業が盛んで、1990年代以降、労働力を求めてブラジルやペルーから積極的に日系人を受け入れた。その後、東南アジア出身の技能実習生も増えた。
「多文化共生の先進地」として知られ、その街づくりの先頭に立つのが、町議を経て2013年に町長になった村山俊明さん(63)だ。17年には、町民に人権が尊重された街づくりへの協力を求める「あらゆる差別の撤廃をめざす人権擁護条例」を施行。定住や永住を考える日系人が増えたことが理由の一つだ。
24年には町職員の採用試験の国籍要件を撤廃した。これまでに町に191件の意見が寄せられ、うち182件が「国を売る気か」「スパイが入ったらどうする」などと反対する声だった。同様に県職員の国籍要件を廃止していた三重県は、情報漏洩(ろうえい)の恐れを理由に要件の復活を検討中だ。
だが村山さんは「反対の8割は町外から。絶対に国籍要件は復活させない。情報漏れなどの問題が起きたら、即刻、辞表を出す」と言う。
(後略)
(要約)
・大泉町は外国人受入で人口維持
・町職員採用に国籍要件を撤廃
・「スパイ」「売国」等反対の8割は町外から
マリサ
この記事で妙なのは、本来は採用制度の話なのに、“スパイ”とか“売国”って極端な声ばかり前に出てるところだぜ。
レイム
でもそれ、
記事で言及しているのはブラジルやペルーの日系人の話なのに、ずいぶん飛躍してる感じがするわね。
マリサ
そうなんだぜ。
制度設計の話が消えて、差別問題に起因するわかりやすい敵味方論だけが残ってるんだぜ。
レイム
つまり、本題より先に、対立だけ強く見える形にされてるのね。
マリサ
この2つの記事に共通することとして、様々な論点があるのに全てが「ヘイト」にされてしまっている事だぜ。
本当の論点は?
マリサ
差別か、共生か。
そんな二択を迫る裏で、さっき引用した記事が触れたがらない『不都合な情報』があるんだぜ。
レイム
不都合な情報? 単なる反対意見のことじゃないの?
マリサ
違うぜ。
どう違うのかは実例を見てほしいから、まずは新小岩の住民トラブルの事例から
「入れ墨の入ったギャングのような男が外壁をよじ登り…」 急増する中国人との共生に頭を悩ませる東京・新小岩の住民 「火がついたままのタバコをポイ捨てすることも」
デイリー新潮 2026年01月23日
https://www.dailyshincho.jp/article/2026/01231556/?all=1(一部抜粋)
ただしその結果、“招かれざる客”を呼び寄せることも。「団地に新しく入居する中国人には、火がついたままのタバコを平気でベランダからポイ捨てするなど、こちらの常識が通用しない者も少なくない。私の部屋は3階ですが、以前、日中にふとベランダに目をやると、ギャングと見紛うような全身に入れ墨の入った坊主頭の男が外壁の配管を伝ってよじ登ってくる場面に出くわした。そのまま中国人の住む隣室に入ろうとしたので慌てて注意すると“(隣室の)鍵が閉まっていた。友人だ”とたどたどしい日本語で釈明し、そのままどこかに立ち去った。一瞬、強盗かと思って凍り付きました」(60代の男性住人)
「店舗が売りに出されると、中国人やベトナム人が買い取る」
中国人の場合、単身でなく、家族連れで越してくるケースが大半だと話すのは別の住人である。
「一時、近隣の小学校の1学年の3分の1近くが中国人だったことがあります。子どもたちは日本語を話せても親が全く話せないケースは多い。学校側が保護者に向けた案内を児童に持たせても、日本語が読めないので梨のつぶて。先生が直接説明しても“日本語ワカラナイ”などと言われ、意思の疎通に苦労していました。その小学校では低学年の保護者は通学時、見守り役として子どもに同行する決まりがあったのですが、中国人の親御さんは全くといっていいほど姿を見せませんでした」(50代男性)
本誌(「週刊新潮」)記者も団地内で見かけた中国人とおぼしき幾人かに声をかけたが、日本語を理解できない様子で会話が成立することはなかった。
(要約)
・新小岩で生活摩擦が顕在化
・コミュニケーション不能で問題が悪化
・不安が増幅し対立認識が固定化
マリサ
この事例で出てくるのは、中国人との生活ルールの摩擦なんだぜ。
注意しても意思疎通できず、それが対立を深めてるんだぜ。
レイム
さっきの記事だと、受け入れ側の日本人に一方的に問題があるかのような書き方だったけど、外国人側にも相当問題がありそうね。
マリサ
そうなんだぜ。
本来この問題を扱うなら「双方の問題」を等しく扱わないといけないのに、「偏る」から不満が大きくなっていくって構造があるんだぜ。
現場の問題が軽く扱われるほど、不満は積み上がるんだぜ。
レイム
「これが問題だ」と訴えても、全部「ヘイト」と一緒くたにされたら、相当ストレスよね。
話し合いの余地すらなく全否定だもの。
マリサ
そして次に、2番目の朝日の記事に関係するんだが、そもそも抗議の声が挙がったのは中国人の問題なんだぜ。
中国の国家情報法
国立国会図書館 調査及び立法考査局
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11000634_po_02740005.pdf?contentNo=1(一部抜粋)
第7条
いかなる組織及び公民も、法に基づき国家の情報活動を支持し、協力し、及びこれと提携し、知り得た国家の情報活動の秘密を守らなければならない。
国は、 国家情報活動に対し支持、 援助及び協力を行う個人及び組織を保護する。
(中略)
第 14 条
国家情報工作機関が法に基づき情報活動を展開する場合、関係する機関、組織及び公民に対し、必要な支持、協力、及び提携を求めることができる。
(要約)
・中国は国家情報法で協力義務明記
・個人と国家が結びつく構造
・安全保障懸念が継続的に増幅
マリサ
中国には「国家情報法」というのがあって、事実上中国籍者は国の諜報活動に協力義務が法律上明記されているって問題があるんだぜ。
レイム
なるほど。
さっきの朝日の記事での違和感は、本来「スパイ」や「売国」って抗議は、この中国の国家情報法を危惧しての物だったのに、ペルーやブラジルの日系人にそういう抗議が来ているような印象になっているからだったわけね。
マリサ
そういう事だぜ。
法律や安全保障という『具体的な懸念』があるのに、マスコミはそれを『得体の知れない不安』や『差別意識』としてパッケージ化するんだぜ。
レイム
つまり、反対派を『理屈の通じない差別主義者』に仕立て上げることで、議論そのものを成立させなくしているのね。
マリサ
その通りだぜ。
論点をズラせば、マスコミにとって都合のいい『正義の味方』を続けられるからな。
本来であれば、大泉町の場合、町職員なら県や国ほどに問題になる情報を扱わないって判断だろうから、そこを指摘すればいいだけなんだぜ。
マリサ
そして次は、クルド人を巡る「不都合な情報」を扱った産経の記事なんだが
「難民なんて全部ウソ」「働くため日本へ」川口の難民申請者の8割、トルコ南部3県に集中
産経新聞 2024/11/24
https://www.sankei.com/article/20241124-2ZMA4FNKGBJOZIXA6CMPV3RRTM/(前略)
同胞からの迫害ないクルド人の村長(58)によると、村人約1180人のうち1割近くの約100人が日本にいるという。「みんな仕事の機会を求めて日本へ行った。単純に経済的な理由だ。一人が行くと、親族や知人が彼を頼って日本へ行く」
村は昨年2月のトルコ地震の震源に近く、倒壊した家も多かった。十数人が犠牲になったといい、家を失って日本へ避難した人もいたが、最近は落ち着いてきたという。
村の配管工のクルド人男性(47)は自身も日本で13年間働き、しっかりとした日本語を話した。
「航空券代は10万円くらいだから、ちょっと働けば買え、日本でもっと稼げる。借金して行く人もいるが、すぐに稼いで返せる」。川口に在留しているクルド人に触れると、「われわれが難民だなんてウソ。みんな上手にウソをつく」と話し始めた。
「入管で『国へ帰ったら殺される』『刑務所へ入れられる』と言うでしょ? 全部ウソ。本当にウソ。みんな日本で仕事したいだけ。お金が貯まったら、村へ帰る。私の国で迫害なんて絶対ない」
トルコの憲兵隊(治安警察)は怖くないか尋ねると、「なぜ怖い? この辺りはクルド人が多く、憲兵にも警察にもクルド人が多い。なぜ同胞が同胞を迫害するんだ」。
男性は別れ際、「もう一度日本に行きたい。シャシミ(刺身)が食べたい」と言った。
産経新聞 2024/11/24
(要約)
・難民申請は特定地域に集中・経済目的が混在し制度乖離
・制度不信が拡大し対立が加速
マリサ
トルコのクルド人の難民申請が特定の地域に偏っているので、産経が現地に取材に行ったら、少なくともこの地域では弾圧なんてなく、単純に経済的な動機で日本にやってきたという話が出てきたんだぜ。
レイム
ああそういうことね。
こういう問題ってどこでもそうだけど、同じ国でも地域によって事情が違ったり、政治の状況で対応が変わったりするから、「何十年も同じ境遇」という事ではない場合もあるわけね。
マリサ
そうだぜ。
勿論、この記事が偏っている可能性もあるから、要検証ではあるんだが、クルド人問題を扱うほとんどのメディアが、それすらせずにただ「ヘイト」を大義名分に、異論を排除しているから、余計にこじれるんだぜ。
マリサ
問題なのは、
どちらか片方だけでは全体像が見えないことなんだぜ。
差別の実態も、制度悪用の疑いも、両方検証して初めて議論になるわけだ。
レイム
でも、そういう「本来の役割」をするメディアが圧倒的に少ないのが現状よね。
マリサ
その通りだぜ。
そうやって片方の目をつむって『理想の共生』を叫び続けた結果、どうなったと思う?
その結果、「不満が爆発した」事例があるんだぜ。
ズレは現実で修正される
レイム
「不満が爆発」って、随分物々しいけどどういうこと?
マリサ
まずは、スウェーデンで発生した「ズレ」の問題を扱った2024年のこの記事を見てくれ。
ナオミ・アブラモヴィッチ「グレタさんはZ世代の代表ではない」
ヨーテボリ・ポステン(スウェーデン語) 2024年7月7日
https://www.gp.se/ledare/greta-ar-inte-representativ-for-generation-z.74500874-610e-4509-b979-5eb90e647988(前略)
さらに、気候変動の脅威よりも多くの若者にとってより身近な問題として、治安や犯罪に関する問題が挙げられる。1995年から2012年生まれのZ世代は、「屈辱強盗」といった言葉を語彙に持つ最初の世代である。この概念は10年前にはほとんど存在しなかったが、 2020年にスウェーデン・アカデミーの新語リストにようやく掲載された。彼らは親世代よりも不安定な時代に育った。彼らが暮らすスウェーデンでは、銃撃や爆発事件はセンセーショナルな出来事ではなく、ほぼ日常茶飯事なのだ。
2022年の議会選挙に関連したユースバロメーターの選挙後分析によると、最年少の有権者は将来に対して強い悲観的な見方をしていることが明らかになった。その理由を尋ねたところ、主な理由は気候変動の脅威ではなく、治安の悪化と犯罪だった。そのため、多くの若者が気候変動よりも治安維持を優先する政党に投票したことは驚くべきことではない。しかし、若者の意見が大人社会が期待する意見と一致しない場合、彼らの考えを考慮に入れることはあまり興味深いことではないようだ。
メディアを含む大人世代は、若者の声に耳を傾けるよりも、自分たちの考えを押し付けているようにさえ見える。大人たちは、若者の間で最も大きな潮流となっている右派の台頭よりも、バリケードに立つ若い環境活動家たちを支持する傾向にある。もし初めて投票する若者に選択権が与えられていれば、右派勢力は前回の議会選挙でかなりの差をつけて勝利していたであろうにもかかわらず、である。
しかし、若者の間で右傾化が進んでいる現状は、それほど注目に値するものではないようだ。そもそも、若者は理想主義的な左派であるべきだという前提があるからだ。Z世代には、グレタ・トゥーンベリ以外にも、耳を傾ける価値のある人物はたくさんいる。
(要約)
・若者は治安悪化で価値観が変化
・報道は気候偏重で現実を切り取り
・認識乖離が拡大し不信が蓄積
マリサ
この記事で面白いのは、若い世代が一番気にしてるのが、気候じゃなく治安だって点なんだぜ。
なのにメディアは、若者=気候変動に関心、って形で報じ続けたそうだぜ。
レイム
つまり、若者の本音より、“こうあってほしい若者像”を先に作ってるのね。
マリサ
そうなんだぜ。
こうしたズレが続けば、メディアへの不信が強まるのも自然なんだぜ。
マリサ
ちなみに、最近の共同通信の世論調査によると、日本でも「移民の増加」を問題視する10代が増えているって結果が出ているぜ。
参考記事
「移民が課題」回答3倍に 日本財団の若者意識調査
共同通信 2026/04/09
https://news.jp/i/1414713416843084285
レイム
現実の不安を無視したままじゃ、若い世代ほど離れていくのも当然ね。
マリサ
そして次に、今度はドイツの事例なんだが、こっちではもっとストレートに、「マスコミが報じない事」が強い不信を発生させたって事例で。
「マスコミは移民の犯罪を報じない!」不満爆発が政策を変えた 「移民先進国」ドイツのリアルとは
デイリー新潮 2025年10月07日
https://www.dailyshincho.jp/article/2025/10070612/?all=1(一部抜粋)
送還促進、流入制限に追い込まれた左派政権2021年12月に発足したショルツ政権は、SPD、緑の党、自由民主党(FDP)の3党連立の左派リベラル政権だった。
本来ならば寛容な、受け入れ加速の政策をとるのが自然だろう。しかも、ドイツでは政治のあらゆる問題にナチ・ドイツによるユダヤ人大量殺戮(ホロコースト)の教訓が作用する。外国人犯罪を取り出して問題を指摘すれば、差別とか排外主義といった非難が巻き起こる。しかし、この左派リベラル政権が厳しい外国人政策を取らざるを得なかったところに問題の深刻さがあった。
不法移民・難民流入第3波を受けて、2024年2月27日、「送還改善法」が施行された。「送還収容」をこれまでの10日から28日に延ばし、当局が送還の準備を行うために十分な時間を確保し、逃亡を防止することを可能とした。ドイツの場合、身柄の拘束は刑法犯に限るという考え方が強かったが、改正により収容施設で被送還者の部屋以外にも警察官が立ち入ることも可能とした。現場職員がいかに送還にてこずっていたかが想像できる。
流入制限に関しても、それまでオーストリア、ポーランド、チェコ、スイスとの国境で実施していた検問を、24年9月16日からは、一応6か月を期限に、ドイツに隣接するすべての国に拡大した。シェンゲン協定に基づき、圏内で国境管理をなくし、人、物の往来を自由化するのがEUの理念だが、棚上げもやむを得ないという判断が優先された。
流れを変えたケルンの集団暴行事件
外国人問題の影響は多面的で、時間は前後するが、2015年大みそかに起きた女性への集団暴行事件は、報道のあり方、ひいては戦後ドイツの「政治的正しさ」を見直すきっかけになった。
観光地として有名なケルン大聖堂周辺の広場が、大みそかの花火を打ち上げる若者などでごった返す中、女性が大勢の若い男たちに取り囲まれ、体を触られたり、財布を盗まれたりする事件が続発した。2人が強姦されたとの情報もある。2016年1月20日までの時点で、652件の被害届があり、容疑者の多くがアフリカ出身のアラブ系青年を中心とした難民申請者や不法残留者であることが明らかになった。
事件そのものの悪質性と並び、問題となったのは、警察の対応や報道の遅れである。シュピーゲル誌によると、すでに2016年1月1日午後にはSNSで、難民申請者などから性犯罪の被害に遭ったことを示唆する書き込みが広まっていた。しかし、地元警察は当初、大みそかの治安はおおむね平穏だった、と発表していた。記者会見を開いて事件の概要を発表したのは、4日午後になってからだった。警察は政治的に微妙という理由で、容疑者の身元を意図的に報告書に記載しなかった。
難民の犯罪を報じないメディアへの批判も
全国メディアが報道を始めたのも、ようやく4日の警察記者会見からで、公共放送ZDFは、同日午後7時からのニュース番組でも事件を取り上げなかった。ZDFには「自分の政治的主張に適合するかどうかで記事を取捨選択するのは問題だ」などの抗議が殺到した。編集幹部は5日、「報道しなかったのは間違った判断だった」と謝罪した。
この事件を機に、ARDが報じる世論調査で、移民受け入れに対する肯定と否定の意見が逆転した。その後の調査では、受け入れ反対が、賛成を上回っている。最新の23年10月の調査では「移民は不利益をもたらす」が64%、「利益をもたらす」が27%だった。難民を積極的に受け入れるドイツは、ナチ・ドイツの過去を克服し、高い道徳性を持つに至ったのだ、とドイツ人自身が誇っていた。ドイツの「歓迎文化」(ドイツ語でWillkommenskultur)が人口に膾炙したが、この事件以降は鳴りを潜める。
(要約)
・移民犯罪の報道が遅れ不満爆発
・政治配慮で情報が抑制
・不信が臨界に達し世論が逆転
マリサ
この事例では、2015年の大みそかに発生した移民が関係する集団犯罪事件を、警察やメディアが十分に伝えなかった結果、不満が蓄積し10年を経て移民を規制する法改正に繋がったって事例だぜ。
レイム
この件は、マスコミが報じる内容と現実とのズレが極大化した典型例に見えるわね。
「不都合を隠す」って、信用を失う典型的な態度だし。
マリサ
そうなんだぜ。
日本のマスコミにも言える事なんだが、情報が隠されたままズレが放置されると、あとから現実が強制的に修正してくるんだぜ。
不満が延々と蓄積されるからな。
レイム
そういえば、さっきのスウェーデンの事例では、何か変化は起きなかったの?
マリサ
起きているぜ。
こちらでも移民関連の法改正が進んでいて
スウェーデン、国籍取得を厳格化へ 要件は「真面目に働いて暮らしている人」 語学力や一般常識も必要
AFP 2026年2月11日
https://www.afpbb.com/articles/-/3621768(一部抜粋)
【2月11日 AFP】北欧スウェーデンは9日、国籍取得に関する規則を厳格化する計画を発表した。「真面目に働いて暮らしている」ことを要件とし、言語能力および一般常識に関する試験を導入し、居住期間の要件を現行の5年以上から8年以上に引き上げる。議会で承認されれば、新規則はスウェーデンの建国記念日である6月6日に発効し、既に処理中の申請にも適用される。
スウェーデンのウルフ・クリステション政権は中道右派3党による少数連立政権で、極右政党「スウェーデン民主党」の閣外協力を受けて過半数を確保している。
ヨハン・フォシェル移民相は、記者団に対し、現在、スウェーデン国籍の取得は簡単すぎると指摘。
「国籍は、もっと大きな意味を持つべきだ」「誇りとは、何かに一生懸命取り組んだ時に感じるものだ。しかし、そうしたことが国籍取得で求められていない」と述べた。
「スウェーデン語を一言も話せず、スウェーデン社会について何一つ知らず、無収入でも、5年で国籍を取得することができる」
さらに、最近話題になった事件に言及し、「殺人罪で服役している間にも国籍を取得することができる」と述べた。
「これは明らかに、真面目に働いて暮らしている人々と、既にスウェーデン国籍を得ている人々の両方に、全く間違ったメッセージを送っている」と述べた。
(要約)
・国籍取得要件が大幅に厳格化
・制度の緩さが不信を蓄積
・現実圧力で政策転換が発生
マリサ
2026年になって、スウェーデンでは外国人の国籍取得が厳格化され、「申請すればただ手に入る」というものではなくなり、色々な条件が付くようになったそうだぜ。
レイム
ああ、若い世代だけじゃなくて、色々な問題が起きている件を深刻にとらえている人は結構な数がいたって事ね。
マスコミがそれを伝えなかっただけで。
マリサ
日本ではかつてスウェーデンを移民政策の理想みたいに報じる事が度々あったが、そのスウェーデンで「やっぱ無理」となったのは大きいぜ。
ネットを通じて、あの国の移民問題は色々と漏れ伝わっていたしな。
レイム
たしか、治安が悪化しすぎてパトカーや救急車が迂闊に近付けない地域とかあったのよね?
マリサ
一部では治安悪化が深刻な地域も出ていて、立ち入りに注意が必要とされるエリアがあるとも言われているんだぜ。
こういう事があったのに、マスコミはその報道の扱いが限定的だったからってのもあるぜ。
レイム
タブー視され過ぎて不満が蓄積された典型例ね。
マリサ
こうしたズレが積み重なれば、どこかで現実が修正を始めるんだぜ。
今回のまとめ
・マスコミが外国人問題で論点のすり替え
・現実には様々な問題が発生
・外国でも「報じないマスコミ」が問題化
マリサ
ところでレイム、今回の件ってなんか既視感を覚えないか?
レイム
それ、ずっと頭の片隅にあったのだけど、2002年の日韓共催サッカーワールドカップを契機に、マスコミ不信と嫌韓が爆発的に増えた事例と似たパターンよね。
マリサ
そうなんだぜ。
当時は韓国側の運営や試合環境などを巡って、さまざまな批判が出ていたんだぜ。
でも日本のマスコミでは扱いに差があって、問題点が広くは知られにくかったんだぜ。
レイム
この件を境に、嫌韓という存在が出てきたと同時に、マスコミ業界への強い不信が生まれたし、それが巡りにめぐって現在のマスコミ不信の遠因にもなっているのよね。
マリサ
最近の日本も、ある意味マスコミやそこに連なる人たちの「理想の押し付け」に対する、「揺り戻し」が起きているともいえるぜ。
レイム
つまり、同じ構造が形を変えながら繰り返されているってことね。
マリサ
というわけで本編はここまでだぜ。
大口
おつかれ~。
今回もちょっと小話を。
マリサ
今回はなんだ?
大口
今回はスナドリネコさんです。
水にかなり特化したネコ科なんですよ。
レイム
ネコって水苦手じゃなかった?
大口
普通のイエネコはそうだね。
ただスナドリネコは例外で、水辺で魚を取って生活するんだよ。
マリサ
ほぼ魚食ってるネコってことか?
大口
そういうこと。
しかも前脚に軽い水かきまであるんという。
レイム
それもう半分水生生物じゃない?
大口
かなり近いね。
さらに爪も引っ込められないという、ちょっと特殊な構造なんですよ。
マリサ
ネコの常識ほぼ全部外してきてるなそれ。
大口
大きさはイエネコより少し大きめくらいで、意外とコンパクトだね。
レイム
大口
そういうこと。
マリサ
そんなわけで今回はここまでだぜ。
レイム・マリサ・大口
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