マスコミは本当に中立なのか?
今回は「中立のつもりで偏る構造」と、報道の見せ方による認識のズレを解説します。
本日の投稿動画
www.nicovideo.jp
元記事
「テレビは中立」という建前でしか語れないマスコミ
http://ooguchib.blog.fc2.com/blog-entry-584.html
関連動画
【ゆっくり解説】MBS「強くてこわい」表記問題
ニコニコ動画版
https://www.nicovideo.jp/watch/sm45899766
YouTube版
https://youtu.be/TP5VVPYtsow
お品書き
・中立のはずなのに…
・見せ方で変わる現実
・なぜ訂正しない?
注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています・「マスコミ問題」であり右派・左派等の陣営論争は本題ではありません
・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
・リクエストは原則受け付けていません
・引用ソースへのリンクが同時掲載のブログにあります
・毎週日曜日更新
※以下は動画のテキスト版です
マリサ
今回はマスコミ問題なので私が扱っていくぜ。
レイム
ねえマリサ、「中立」ってよく言うけど違和感あるわよね。
あれって本当に中立なの?
マリサ
そこなんだぜ。
見てるとな、相手によって扱いが違うことがかなりあるんだぜ。
レイム
あー…言われてみると同じ問題でも温度差あるわね。
レイム
それって裏で何かあるって話?
マリサ
そういう話もあるけどな。
もっと単純かもしれないんだぜ。
レイム
というと?
マリサ
「中立」のつもりでやってることが、逆にズレてる可能性があるんだぜ。
レイム
それってどういうこと?
マリサ
それを本編で見ていくぜ。
中立のはずなのに…
レイム
それで、まずは何から扱うの?
マリサ
それなんだが、マスコミ関係者の「テレビ・新聞は中立」って話、聞いてて違和感ないか?
レイム
ああ、なんかたまにあるわね。
うまく言えないけど…認識がズレてるというかなんというか。
マリサ
そう、それなんだぜ、同じ「中立」って言葉なのに、意味がズレてる感じがするんだよな。
レイム
……あー、それはあるかも。
マリサ
最初に紹介するのは、そんな違和感のある東京MXの記事からだぜ。
SNSが台頭しオールドメディアは壊滅危機…公平性が問われるテレビの選挙報道の意義とは?
TOKYO MX 2026.02.13
https://s.mxtv.jp/tokyomxplus/mx/article/202602130650/detail/TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤激論サミット」(毎週金曜21:00~)。衆議院選挙を2日後に控えた2月6日(金)の放送では、“テレビの選挙報道”について議論しました。
◆テレビの選挙報道は“薄口”!?
昨今、選挙におけるテレビ報道のあり方が問われています。市民の情報源はマスメディアからネット・SNS・動画配信へと瞬く間に変化。2024年の兵庫県知事選挙ではSNSやYouTubeの影響力が注目された一方、マスコミの発信に批判が集中。テレビは“時代遅れ”、“権力寄り”などと揶揄され、以来“オールドメディア”という表現が定着しました。
(中略)
◆オールドメディア復権の鍵は?公平性の問題について、上智大学・文学部新聞学科の音好宏教授に話を伺うと「放送局側からすると、公平を意識するあまり極めて面白くない番組になりがち」、さらには「量的公平は時間をかければいいだけだから簡単。しかし質的公平は難しい。作り手が根性を入れてしっかりやらないといけない。ただ、その苦労はすごく意味があることだと思う」と解説。
加えて、近年のテレビの選挙報道には果たすべき重要な役割があると言い、「2024年の衆院選や兵庫県知事選の時、SNSに大量のショート動画が流れ、真偽不明の情報が人々に少なからず届いていた。オールドメディアは正しく伝えることをビジネスにしてきた経緯があり、そのノウハウや倫理観に基づいて情報を提供していくことにポイントがある」とテレビの可能性に言及します。
これには峯村さんも同意し「オールドメディアは信頼がなくなってきて本当に危機だと思うが、アメリカのメディアは完全に公平性を捨てている一方、日本はまだ公平性が残っている。これがアドバンテージで、SNSなどの怪しい情報の中で正しい情報が出せる余力が残っているし、これは復興のチャンスでもある」とオールドメディア再起の鍵を挙げます。
(後略)
(要約)
SNSの台頭でテレビの影響力は低下
“オールドメディア”と批判され信頼も揺らいでいる
マリサ
TOKYO MXの情報番組で、2026年2月の衆院選でのテレビの影響力の低下とSNSの台頭について扱っていたんだが、「テレビは時代遅れで権力より」と批判されていたと書かれているぜ。
レイム
権力寄り?
(要約)
それでもテレビは“公平性”が強み
マリサ
そのうえで、公平性を追求するという所に力を入れていかないと、としているな。
レイム
公平性の追求?
(要約)
正確な情報を出せる価値があるとされるしかし実際は公平を意識しすぎて内容が薄くなる
マリサ
ただ、公平性にこだわるあまりつまらなくなったり中身が薄くなる問題もあるが、それでもネットと違って正しい情報を出せる力がある…そういう前提なんだぜ。
レイム
世間のマスコミ観とマスコミ側の認識にズレがあるような。
マリサ
そこなんだよな。
「中立」って言葉もそうだが、前提が違うまま話が進んでる感じがするんだよな
レイム
根本的に世間のマスコミ批判と話がかみ合っていないわね。
マリサ
次に、テレビ朝日のプロデューサーの記事なんだが
【論考】2026年衆議院総選挙とメディア SNS時代の選挙と報道
東京財団 February 13, 2026
https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=4883SNSや動画配信サービスを通じて政治情報に触れることは、すでに多くの有権者にとって日常となっている。こうした情報環境の変化を背景に、今回の衆議院総選挙では、各党の公約や政策実現の具体策を整理する報道に加え、それらがSNSや動画を通じてどのように拡散し、有権者にどのように受け止められたのかという点が、選挙報道における重要な論点となった。
一方でマスメディアは、公示後の選挙期間中は平時以上に政治的公平を強く求められるため、制約の下での報道とならざるを得ない。中でもテレビは、放送法に基づく政治的公平、いわゆる「不偏不党」を強く意識せざるを得ない立場にある。放送法第4条は、番組編集の準則として、政治的公平性や事実に基づく報道を求めるとともに、意見が対立する問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることを定めている。
特定の立場や政党に偏らないことと、対立する意見や背景を幅広く示すことが、求められてきた。
こうした公平性への配慮が強く意識されるなかで、番組制作の現場では、各政党の扱いを時間や分量の面で均衡させることが重要な判断基準となり、特定の評価に傾いていると受け取られないよう、対立する見解を並列的に構成する編集が重視されてきた。さらに、政党や支持者からの問い合わせや抗議への配慮も重なり、報道姿勢が全体として慎重になりやすい状況も生まれていた。
その結果、候補者や政党の政策や公約について、必要な財源規模、制度変更の有無、実現までに要する時間といった具体的な条件が十分に整理されないまま伝えられる場面も見られた。
こうした報道のあり方が改めて問題視されたのが、前回の衆議院総選挙(2024年10月27日投開票)だ。外国人政策や対中問題など社会的関心が高まりやすいテーマでは、正確なニュースよりも、過激な情報の方が拡散しやすい。実際、特定の地域における、恣意的に切り取られた外国人犯罪をめぐる噂や、根拠を欠く外国人への誹謗中傷が、裏付けもないまま視聴者の関心に迎合する形で拡散していた。にもかかわらず、メディアによる検証は十分に行われていたとは言い難い。放送においても、扱うリスクの高さを理由に踏み込んだ検証を控え、距離を置く傾向がみられた。その結果、SNS上で拡散する情報は、客観的な事実関係の検証が不十分なままさらに拡散し、偏った認識が広がる結果となった。
(後略)
(要約)
SNSが主流になり選挙報道も変化テレビは“公平性”を強く求められている
マリサ
SNSが主流になったことで選挙報道も変わってきたが、テレビは公平性を求められる分
制約も多い。
そういう前提らしいな。
レイム
まあ、建前はそうなんでしょうけど。
(要約)
各政党を均等に扱い意見を並べて構成
マリサ
そのうえで、各政党を均等に扱って偏らないようにする。
でも、それでも抗議が来るから、慎重にならざるを得ない。
レイム
なんというか、全部“建前の話”に聞こえるわね。
(要約)
「その結果政策の中身が薄くなる」「さらに踏み込んだ検証も弱くなる」
マリサ
で、その結果だ。
中身が薄くなる、踏み込んだ検証もしづらくなる。
レイム
でも、それって、世間が感じてる違和感とちょっと違わない?
マリサ
そこなんだよな。
この説明って「マスコミ側の中では筋が通ってる」という感じがするんだぜ。
でもそれを外部が見ると強い違和感になるわけだ。
レイム
同じ話をしてるはずなのにズレて見えるのね。
見せ方で変わる現実
マリサ
じゃあなんでこんなズレができるかなんだが、以前も動画でとりあげたMBSの「(自民・維新)つよくてこわい」という表現の問題が分かりやすいぜ。
レイム
ああ、選挙前に政党ごとの印象操作をしていると抗議が来た件ね。
あれって結局どうなったの?
マリサ
この件はBPOで審議されたんだが、その内容がこれで
放送倫理検証委員会 議事概要 第215
BPO 2026年2月
https://www.bpo.gr.jp/?p=12746(一部抜粋)
毎日放送『よんチャンTV』は、進行役のアナウンサーが「きょうの現場」のコーナーで各党の立ち位置の図式を紹介する際、中道改革連合・国民民主・共産・れいわ新選組を「優しくて穏やかな日本」、自民・維新・参政を「強くてこわい日本」と紹介し、視聴者から「政党に特定の印象を与える意図的な誘導だ」といった意見や、当該番組で行われた謝罪や経緯の説明に対しても「単なる言い換えに終始し、視聴者の判断に影響を与える危険性に向き合った対応とは言えない」という意見が寄せられた。これについて委員からは、「『有権者の判断軸は?』と銘打って『優しくて穏やか』『強くてこわい』というイメージだけを放送しており、ソーシャルメディア上のイメージの伝達と一体どこが違うのだろうかという疑問を抱いた。
放送がイメージだけを語っていいのか、非常に違和感がある。そのイメージが事実に基づいて論評されているならば問題ないが、この番組にはその形跡が見えない」、「放送倫理の問題というより、コメンテーターのコメントをフリップに落とし込む際のセンスの問題ではないか」、「本来コメンテーターは、番組の伝えようとすることに対して意見を述べるのが役割だが、この番組は、コメンテーターの言っていることがそのまま番組で伝えようとしていることになっており、違和感を覚えた」、「異なる政策を持つ政党を単純に2つに区分けして報じているが、事実として果たして政策をそのように分類できるのか」といった意見が出た。
一方で、「『こわい』を『手ごわい』と受け取れなくもない内容だった」、「『強くてこわい』という表イメージは、現代の世界・社会情勢においては、必ずしもネガティブなイメージ一色だとは言えないのではないか。日本は強くあってほしいという考え方を持つ人もいる。イメージについて明確な基準を持って判断することは難しいと思う」、「コメンテーターが、自身の本意と異なる形で編集され、誤解を招いたということを訴えているのであれば、その点を取り上げることはあり得るが、コメンテーターも謝罪しており、この点は放送倫理上問題になりそうにない」、「昨年の参院選以降、各局が選挙報道について試行錯誤を続ける中での失敗だと思う」、「他のコメンテーターがこういう図式はおかしいと発言する場面があるなど番組全体としてはバランスをとろうとしていた。
また、番組で表現の稚拙さを謝罪したという対応もあり、速やかな修正がなされており、放送倫理違反とまでは言えないのではないか」という意見が出た。委員会は、事実に基づく報道の徹底やより慎重な表現を使用することが適切であると考えるが、放送倫理違反の疑いがあるとして検証をするまでの事案とは認められないと判断し、討議・審議入りはせず当該番組についての議論を終了した。
(要約)
番組内で政党を2つに分類“優しくて穏やか”と“強くてこわい”で表現
マリサ
2026年1月22日放送のMBS「よんちゃんTV」で、中道、国民、共産、れいわの事を「優しくて穏やか」という区分けに、自民、維新、参政の事を「強くてこわいと思われる日本」と区分けして、炎上した件だぜ。
レイム
あれは傍から見ると悪意があるように見えたのよね。
(要約)
政策ではなくイメージで分類SNSと何が違うのかという指摘も出る
マリサ
BPOはこの件を審議するなかで、SNS上のラベリングのようだという批判や、事実に基づいた評価ならいいが、イメージだけで語っていいのかという声があったと紹介しているぜ。
レイム
まあ当然よね。
実際そういう非難がかなりあったわけだし。
(要約)
しかし最終判断は問題なし謝罪もあり違反には当たらないとされた
マリサ
でもな、最終判断は問題なし。
「強くてこわい」は必ずしもネガティブではない。
謝罪もあったし、番組内で異論もあった、だから審議入りせず、だそうだぜ。
レイム
ちょっとまって、「それ単体」でならそうでしょうけど、「優しくて穏やか」との対比で出してるのが問題だったんじゃないの?
マリサ
そこなんだよな。
全体の文脈じゃなくて、一つ一つに分けて見ると問題ないように見えるんだぜ。
つまり“全体としてどう見えるか”が抜けてるんだよな。
レイム
だから違和感だけ残るのね。
マリサ
こうした認識のズレからくる齟齬は最近の事例でもあるんだぜ。
レイム
最近の?
放送倫理検証委員会 議事概要 第217回
BPO 2026年4月
https://www.bpo.gr.jp/?p=12789
(一部抜粋)
3. 3月の視聴者・聴取者意見を報告3月に視聴者・聴取者から寄せられた意見で多かったこととして、沖縄県の辺野古沖で船が転覆して高校生らが亡くなった事故に関し、放送局全体で報道する回数が少ないのではないかという指摘
(要約)
事故報道について視聴者から指摘報道回数が少ないのではという声が多かった
マリサ
沖縄の事故の件なんだが。
「報道回数が少ないんじゃないか」って声が結構あったらしい。
レイム
ああ…あの転覆事故ね。
なんかあまり扱っていない印象はあるわね。
(要約)
大きな事故にも関わらず扱いが小さいしかしこれ自体は問題として大きく扱われていない
マリサ
出てないわけじゃないんだけどな。
レイム
でもなんか扱いが軽いような。
マリサ
そうなんだぜ。
レイム
つまりこういうこと?
「報道はされている」「でも扱いに差があるように見える」「その差で印象が変わる」と。
マリサ
こういうのって、外から見ると…
レイム
偏ってるように見える?
マリサ
そう感じる人も出てくる、ってことだぜ。
レイム
でも内側では普通にやってるつもりってこと?
マリサ
そのズレが、違和感になるんだろうな。
その結果、こういう事が起きるぜ
「選挙のSNS利用、法規制も検討を」 本紙編集委員が問題提起
毎日新聞 2026/3/16
https://mainichi.jp/articles/20260316/k00/00m/040/248000c毎日新聞専門編集委員の伊藤智永氏が16日、福岡市であった毎日・世論フォーラム(毎日新聞社主催)で「高市長期政権の条件」と題して講演した。
伊藤氏は、自民党の安定した政権基盤につながった2月の衆院選を振り返り、「近年の選挙は、営利目的のSNSが有権者の投票行動に影響を及ぼしている。選挙のSNS利用に何らかの法規制も検討すべきではないか」と問題提起した。
また、米国とイスラエルが続けるイランへの軍事攻撃を巡り、トランプ米大統領が原油輸送の要衝ホルムズ海峡での船舶護衛について日本などの協力に期待を示していることに触れ、「高市早苗首相の対応によっては世論に影響を与える可能性がある」と指摘。その上で「重大な法案を通したり、イラン攻撃へ対処したりといった決定を担う議会にもSNSが影響を与えており、果たしてそれでいいのか」と疑問を呈した。【宗岡敬介】
(要約)
SNSが選挙に影響を与えている「投票行動にも影響が出ている
マリサ
この件でも、衆院選を踏まえて、営利目的のSNSが投票行動に影響してる、って話になってるぜ。
レイム
まあ、影響はありそうだけど。
営利目的が問題なら、新聞社やテレビ局は?とならない?
(要約)
だからSNSは規制すべきではないか
マリサ
で、その流れで――
「規制も必要じゃないか」って話になってるぜ。
レイム
もちろんSNS特有の問題もあるんでしょうけど、それなら、他の媒体も同じ基準になる気がするけど。
(要約)
議会や世論もSNSの影響を受けていると指摘それでいいのかと問題提起
マリサ
さらに記事では、議会とか法案にも影響する、って話にもつながってるな。
レイム
それでいいのか、ってことね。
でもこれ、言ってること自体は分かるけど、同じことは他にも当てはまらない?
マリサ
そこがポイントだぜ。
でな、この記事の中では、たぶんこれ「普通の問題提起」なんだぜ。
レイム
ああ…
偏らせようとしてる、のではなくて普通に提案しているって感覚?
マリサ
そして更に一般人との間でズレが大きくなるんだぜ。
なぜ訂正しない?
マリサ
一連の流れでな、ちょっと気になる動きがあるんだぜ。
レイム
というと?
マリサ
イラン戦争絡みの話で、TBSの「ナフサ」報道だぜ。
TBS「報道特集」、ナフサ供給「日本は6月に詰む」発言で見解 高市首相らが「事実誤認」と否定、番組は「引き続き取材」
J-CAST 2026.04.07
https://www.j-cast.com/2026/04/07513590.html2026年4月4日放送の報道番組「報道特集」(TBS系)が波紋を広げている。
中東情勢の緊迫化に伴うナフサの供給問題を取り上げた回で、同番組の取材に応じた専門家が「間違いなく今の状況が続いたら日本は6月に詰む」と発言していた。しかし高市早苗首相が5日にXを更新し、番組名の名指しこそ避けたものの「日本は6月には供給が確保できなくなる」という発言は「事実誤認」だと否定していた。
TBSテレビ広報室は7日、専門家の発言について、「需要に供給が追いつかなくなり、日本にとって深刻な影響が出る恐れがある」という趣旨だったとJ-CASTニュースの取材に回答。また、番組の公式Xでも補足を加える方針だと明かした。
官房長官も「誤ったものと認識している」
4日放送の「報道特集」では、資源エネルギー庁の有識者委員を務める境野春彦氏に取材し、日本政府の対応に危機感を示す境野氏が「間違いなく今の状況が続いたら日本は6月に詰む。もう『ホルムズ海峡を通る』一択しかない」と発言する場面があった。
この箇所では、日本がナフサを調達するルート(2024年)について、国内で原油から精製する割合が39.4%、中東からナフサを輸入する割合が44.6%、中東以外から輸入する割合が16.0%だと紹介。
経産省はナフサ供給への対応について、中東以外からの輸入が通常の2倍になる見通しだと発表しているが、境野氏は同番組の取材に対し、「倍になったところで輸入の半分も満たしていない。だからどこが安心なんだという話」だと指摘していた。
だが放送翌日の5日、高市氏がXを更新し、「昨日の一部報道番組で、ナフサの供給について、『日本は6月には供給が確保できなくなる』との指摘がありました」と言及。「少なくとも国内需要4ヶ月分を確保しています」などと説明した上で、「事実誤認」だと否定した。
また木原稔官房長官も6日の会見で、「日本は6月には供給が確保できなくなる」という情報について、「これは誤ったものと認識している」と説明した。
(後略)
(要約)
番組内で専門家が発言“日本は6月に詰む”と断定
マリサ
2026年4月4日放送のTBS「報道特集」で、専門家が「ナフサ不足で日本は6月に詰む」と断言しているぜ。
レイム
「詰む」ってかなり強い言い方ね。
単語の意味通りに読めば「手詰まりになる」となるし。
(要約)
しかし政府側は事実誤認と否定
マリサ
で、その後に政府側が「事実と違う」って否定してるぜ。
レイム
まあ、事実と異なる内容をそのまま放置だと、経済が混乱しそうだしね。
(要約)
番組側は後に説明“深刻な影響の恐れ”という趣旨だったと修正
マリサ
で、ここからなんだが、後から番組側がこの件の説明を出してるんだぜ。
レイム
説明?
マリサ
「深刻な影響が出る恐れがある」って趣旨だった、ってな。
レイム
さっきの“詰む”とは、ちょっとニュアンス違わない?
マリサ
そうなんだぜ。
レイム
手詰まり、っていうより、可能性の話に変わってるような。
これって受け取り方、結構変わらない?
マリサ
やっぱそういう印象になるよな。
で、この件はメディア関係者からも問題提起されていて、かなり踏み込んだ批判が出てるぜ。
TBS「報道特集」はナフサ不足で炎上しても"補足"で逃げた…元テレビ局員が見た「視聴者を見下す傲慢さ」の正体
PRESIDENT Online 2026/04/17
https://president.jp/articles/-/111944
(前略)
■「補足」に見え隠れする“驕り”そして、日下部正樹キャスターが前の週の境野氏のコメントに言及した。「適切にお伝えできていない部分がありました」とした上で、「これは、6月にナフサの供給がなくなる、という意味ではありません」とし、上記の「補足」を繰り返している。
自分たちは、45年以上の歴史を誇る報道番組のパイオニアであり、「キャスター自ら現場に向かい、自分の言葉で伝える」(同番組ウェブサイトより)気概に満ちている。そんな自分たちが、わざわざ「補足」をしなければいけないほど、視聴者のリテラシーが落ちているのではないか。そんな傲慢さというか驕りが、一連の「補足」という呼び方に隠れてはいまいか。
「報道特集」初代キャスターの料治直矢を描いたルポライターの瀧井宏臣氏は、「トツトツとしたしゃべりながらも、一言で相手を納得させる表現力を持った独特のキャスターだった」(『武骨の人 料治直矢』講談社、2004年、108ページ)と評している。「りょーじしゃん」と愛された料治氏なら、「補足」をしなかったし、「その趣旨を適切にお伝えすることができなかった」などと生成AIのような紋切り型の定型文ではなく、少なくとも「自分の言葉」で語ったに違いない。
■「自分の言葉」はどこにあるのか
翻って、「自分の言葉で伝える」とウェブサイトで謳う、いまのキャスターたちは、相手を、つまり、私を含めた見る側を、どれだけ「納得させる表現力」を持っているだろうか。
放送した後に、Xだけではなく、1週間後のOAでも、2度にわたって「補足」をしなければいけないのは、相手=視聴者たちの理解力が劣っているからなのか。もし、料治のような表現力があるのなら、いちいち「補足」などしなくても済むのではないか。「自分の言葉」を持っているのなら、なぜ「補足」が必要なのか。
今回の炎上は、「自分の言葉」を打ち出し、これまで半世紀近くにわたって民放のみならず、日本のテレビ報道を牽引してきた同番組が、「補足」という、謝罪でも強弁でもない、木で鼻をくくるような、どっちつかずの表現を繰り返しているせいではないか。
いや、こんな問いかけ全てが、むなしい。「“政府発表”のウラ側を追い、“当たり前の常識”を疑う」とウェブサイトで打ち出す「報道特集」の人たちには、響かないだろうからである。高市首相がXで説明すればするほど、それを「政府発表」として追い、それを信じる人たちの「当たり前」を疑うのが、彼ら彼女たちの方針だからである。
しかし、まさしく、その姿勢こそ、自分たちが築き上げてきた長く尊い歴史を蝕むのではないか。
■「結論ありき」のテレビ報道の限界
今回の「間違いなく、今の状況が続いたら、6月、詰むんですよ、日本」との発言は、ディレクター側にとっても、また、発言した側にとっても、「おいしい」ものだったと思われる。私自身、取材する立場だったときから、今は取材される側としても、こうしたパンチラインが出ると、心の中で「これは使える」と安堵したり、喜んだりしてきた。
実際、発言の主である境野氏は、Xに「『報道特集』裏話シリーズ。」と題して、ある比喩表現をめぐり、「ディレクターから『もう一回、それ言ってください』と言われた」と明かしている。そのポストの末尾に「笑。」をつける程度の、つまりは、そこまで深刻ではない話題なのかと疑うのは、誤りなのだろう。「詰む」とか「一択しかない」と表現する境野氏と、それをOAに使う「報道特集」にとっては、こうした「笑。」を「自分の言葉」として使う点で、姿勢を共有しているのだろう。
その姿勢が、あくまでも「補足」と称して「結論ありき」にこだわり、「指摘されても謝らない」、そんな傲岸不遜さだと、少なくない人たちにとらえられているから、今回の炎上が起きたのではないか。その高慢さは、「調査報道」の看板を揺るがす限界を過ぎている。
(要約)
発言の問題に対し番組は「補足」で対応内容は「供給がゼロになる意味ではない」という説明だった
マリサ
番組は問題の発言に対して「補足」で対応したんだが、この記事では、これを謝罪ではなく“説明の微調整”に過ぎないと指摘してるんだぜ。
つまり「間違いだった」とは言っていない、あくまで「正しく伝わっていない」としているって構図だな。
レイム
ああ、「発言が誤りだった」じゃなくて、「受け手の理解の問題だから補足した」って形にしているわけね。
(要約)
視聴者の理解不足を前提にしているのでは結論ありきで修正しているのではという批判が出ている
マリサ
そうだぜ。
で、この記事が一番問題にしてるのはそこなんだぜ。
「補足」という言葉を使うことで責任の所在を“番組側”から“視聴者側”にずらしているように見えるってことだな。
レイム
たしかに、「詰む」とまで言っておいて、あとから「供給がゼロになる意味ではない」って説明だと、最初の表現が強すぎたのではなく視聴者が誤解した、という構図にも見えるわね。
マリサ
で、それをさらに踏み込んで、「わざわざ補足が必要なのは視聴者の理解力が低いからでは?」という“無意識の前提”があるんじゃないかって指摘してるんだぜ。
しかも、こうした対応自体が「結論ありきで修正している」「過ちを認めない姿勢」に見えてしまうと。
レイム
つまりこれは単なる言葉の問題じゃなくて、報道のスタンスそのものが問われているってことね。
マリサ
そういうことだな。
重要なのは、外からの批判じゃなくて、メディア関係者から見ても“そう見える”って点なんだぜ。
マリサ
そして最後に、この動画シリーズでもたびたび取り上げている日本ファクトチェックセンター もこの件に触れているんだが、ここにもメディア的な“処理の仕方”がよく出てるんだぜ。
イラン戦争をめぐってナフサは「確保」できているのか 専門家の「6月に詰む」という言葉の背景【ファクトチェック解説】
日本ファクトチェックセンター 2026年4月14日
https://www.factcheckcenter.jp/explainer/politics/is-naphtha-supply-sufficient/
(一部抜粋)
TBS報道特集「6月に詰む」発言を補足翌7日、TBSは報道特集のX公式アカウントで、境野氏の発言を補足する発信をしました。
「4月4日に放送した前半の特集の中で、ナフサの供給をめぐって、専門家の『間違いなく今の状況が続いたら6月には詰むんですよ、日本』という発言をお伝えしました。これは『需要に供給が追いつかなくなり、日本にとって深刻な影響が出る恐れがある』という趣旨での発言でした。番組としても、その趣旨を適切にお伝えすることができなかったと考え、補足させていただきます。石油やナフサの供給をめぐる問題については引き続き取材を続け、番組でお伝えして参ります(X)。
つまり、高市政権が反論した「6月に詰む」という部分について、「需要に供給が追いつかなくなり、日本にとって深刻な影響が出る恐れがある」という趣旨だったという説明です。
どちらの発言が正しい?ソーシャルメディア上では、TBSや境野氏に対して「でっち上げ」や「日本のナフサ供給不安を煽るデマ」などの批判が出ています。
「6月に詰む」という言葉を「6月に供給が確保できなくなる」という意味だととらえると、6月に供給がゼロになるわけではないので、政府の発信が正しいと受け取れます。
一方で、「6月に詰む」の意味を「需要に供給が追いつかなくなり、深刻な影響が出る恐れがある」という意味にとらえれば、誤っているとは言えません。
中東情勢は刻々と状況が変わり、各国の交渉も続くため、6月の段階でどうなっているかは、現時点では確定的なことはわかりません。現状で、ナフサや関連する石油化学製品は足りているのか見ていきます。
(中略)
境野氏に聞く 問題の本質は日本ファクトチェックセンター(JFC)は報道特集で「6月には詰む」と発言した境野氏に4月10日、改めて取材しました。
4か月分在庫があるのに不足するのはなぜ?Q 政府は「ナフサ在庫2か月分+川中製品2か月分で合計4か月分を確保した」と発表している一方で、製品が不足しているという声が広がっています。
境野氏: 政府が主張する「4か月分」という数字はあくまで計算上のものです。川中製品2か月分と言っても、ナフサからできる石油化学製品はエチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエンなどたくさんある。そこからプラスチックや合成繊維や合成ゴムや塗料など、膨大な中間製品をつくります。
何がどれだけ確保されているのか、詳細は経産省でも把握することが困難でしょう。まだ4月ですが、実際にシンナーが不足して工事を中止した、病院でゴム手袋などの入手が難しくなっているなどの声を聞くようになっています。
(要約)
“詰む”の意味は解釈次第と説明供給ゼロではないが影響が出る可能性とする
マリサ
この記事では、「詰む」という言葉について「供給が完全に止まる」という意味なら政府が正しい「需要に供給が追いつかず影響が出る」という意味なら番組も誤りとは言えないって形で、解釈次第で評価が変わると説明してるんだぜ。
レイム
でもそれって、TBS側があとから出した“意味の言い換え”に合わせて整理してるだけにも見えない?
(要約)
政府側が正しいとも受け取れる一方で誤りとも言い切れないとする
マリサ
そこなんだよな。
本来のポイントって、最初にどういう意味で伝わる表現だったか、その表現が適切だったか
のはずなんだが、この記事はそこを深掘りするというより、「解釈次第でどちらとも言える」って形に整理しているんだぜ。
レイム
つまり、「正しい/誤り」を判断するというより評価を相対化しているってことね。
(要約)
どちらとも断定せず曖昧な形で整理
マリサ
だからこれ、擁護というよりは、結論をぼかす方向の処理なんだよな。
ただ結果として、「どっちも間違っていない」「判断は留保される」って形になるから、視聴者から見ると“問題が曖昧にされた”ように見えるわけだぜ。
レイム
これはむしろ論点をずらしているようにも感じるわね。
マリサ
で、ここが重要なんだが、こういう「定義の取り方」で評価を動かす手法って、最初にやったBPO的な“解釈による相対化”と構造がかなり似てるんだぜ。
今回のまとめ
・マスコミ業界では「自分たちは中立である」という自己認識がある
・しかし実際の報道には方向性の偏りが生じている
・さらに内輪に対しては検証が甘くなりやすい構造がある
マリサ
それでな、なんでこんな状態で「自分達は中立」とか「政権寄り」なんて認識になるかわかるか?
レイム
それが分からないから最初に聞いたのだけど。
マリサ
ポイントはここなんだぜ。
マスコミの中では「自分たちは権力の監視者である」って前提が強くあるんだぜ。
レイム
それの何が問題なの?
マリサ
それ自体は本来正しい役割なんだが、問題はそこから先でな。
本来は「事実をチェックする」はずなんだが、いつの間にか「権力に対抗する側に立つ」「政府と対立する構図を取る」ことが“役割”みたいになってるんだぜ。
レイム
つまり、チェックすることと、対立することが混ざってしまってるってわけね。
マリサ
で、その状態になるとどうなるかっていうと、政府に批判的であれば「中立に見える」、逆に政府の説明をそのまま扱うと「政権寄りに見える」っていう、評価の基準そのものがズレるんだぜ。
レイム
なるほど、それで「中立のつもりなのに偏る」わけね。
マリサ
で、「政権寄り」って話が出てくる理由なんだが、よく言われるのが記者クラブで政府と距離が近いって話だよな。
でも実際には、それだけで論調が政府寄りになるわけじゃないぜ。
レイム
でも「近い=寄っている」って認識があるから、そう見えるってこと?
マリサ
その通りだぜ。
内部では「監視しているつもり」、外からは「近いのに厳しくない」と見えるわけだ。
そのズレがあるから、「中立のつもり」と「偏って見える現実」が同時に成立してしまうんだぜ。
マリサ
さらに、どちらでもない側から見ると、ナフサの件みたいに「誤りを認めず、内輪に甘い」と映るわけだ。
レイム
つまりこれは、報道内容の問題だけじゃなくて、立ち位置の認識そのもののズレってことね。
マリサ
そういうことだな。
だからこれは単発のミスじゃなくて、構造として起きている問題なんだぜ。
マリサ
というわけで、今回はここまでだぜ。
大口
おつかれ~。
今回はちょっとお知らせを。
マリサ
なにかあるのか?
大口
ゴールデンウイークの予定なのですが、4月29日水曜と5月4日月曜のブログ、それと5月2日の動画はお休みし、それぞれ再開はその次の週からです。
レイム
要するに、ゴールデンウイーク中は動画もブログもお休みするってことね。
大口
まあそういう事です。
ただし、予定が合えば「サプライズ」はあるかもしれません。
進行中の番外編企画が間に合えばですが。
マリサ
予定は未定だぜ。
マリサ
そんなわけで今回はここで終わるぜ。
レイム・マリサ・大口
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