お待たせしました、第六回お笑いマスコミグランプリ、開幕です!
本日の投稿動画
www.nicovideo.jp
注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています・「マスコミ問題」であり右派・左派等の陣営論争は本題ではありません
・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
・リクエストは原則受け付けていません
・引用ソースへのリンクが同時掲載のブログにあります
・毎週土曜日更新
※以下は動画のテキスト版です
海老でんす
古くから築地の一部エリアでのみ提供されてきたとされる、一見さんお断りの謎の伝統料理。
江戸時代、「海老でんす」の噂を聞き付けた水戸藩の佐々宗淳が、主のために入手を試みようとしたところ、店主から「海老でんすがないと駄目ですか?」と言われ完全論破されてしまったという伝承が一部で語られているような気がした。
マリサ
第六回
レイム
お笑い
レイム マリサ
マスコミグランプリ~
大口
どんどんどんどん ぱふぱふぱふ
マリサ
さあ今年もやってまいりました、第六回お笑いマスコミグランプリ、進行を務めるマリサと
レイム
レイムよ。
マリサ
今年も近所の公民館の一室を丸1日貸しきっての豪華ステージで行っていきます。
それではまず審査委員を紹介します。
レイム
審査委員長うp主、副審査委員長カグ太、審査委員匠さん、審査委員遠田さん、以上の4名による厳正な審査で、ジャーナリスト日本一を決めていくわ。
マリサ
そして審査には参加しませんが、今年も豪華な応援団のみなさんが駆けつけてきてくれています。
レイム
グレイさん、蛾男さん、自称光の使徒カグ雄、近所の鈴木さん、そして今年は特別ゲストとして、大ヒット映画「エイリアンvsカッパ2 ~決戦!高尾山~」で主演を務めたジェーンさんが応援に駆けつけてくれました。
マリサ
そして今年も「畳が傷つく」「ペット禁止」と言われ入室できなかったカリコテリウムのカリちゃんと、鈴木さんのペットのケルベロス君は、残念ながらまたもやリモート参加です。
レイム
今年も予選を通過したジャーナリスト達の応援のため、豪華なゲストの皆さんが応援に駆けつけてくれましたね。
マリサ
それでは、第六回お笑いマスコミグランプリ、開幕です。
レイム
トップバッターは東京新聞です。
マリサ
おおっと、前大会優勝者の東京新聞が一番手ですか、どん
なネタを披露してくれるのでしょうか。
降ってわいた「江戸城天守閣」の再建ばなし 政治家たちが何かと「城」を持ち出したくなる心理を考えた
東京新聞 2023年11月17日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/290480江戸時代に焼失した江戸城天守閣の再建に、菅義偉前首相が言及した。かねて賛否がある東京の懸案事項だが、今回は直近まで内閣総理大臣を務めた人物の発言。どんな思惑があるのか、タイミングも含めて臆測を呼んでいる。政治家が前のめりの城は他の地方にも。コロナ明けのインバウンド(訪日客)ブームとはいえ、為政者が心引かれるのはなぜなのか。(西田直晃、安藤恭子)
◆菅義偉元首相が「大きな方向性と世論を」と発言
菅氏が天守閣再建に触れたのは、12日のフジテレビ「日曜報道 THE PRIME」。番組ホームページによると、「なかなか簡単ではない」と慎重な姿勢も示しつつ、「推進するためには大きな方向性と世論をつくらなければならない」と再建への道筋を示した。
江戸城の天守閣は50年間だけ存在した。千代田区観光協会によると、徳川家康が江戸幕府を開いた直後の1607年に完成。将軍交代のたびに2回築き直されたが、57年の明暦の大火で焼失した。経済的理由などで再建は見送られ、現在は皇居東御苑に高さ約11メートルの石垣の台座(天守台)だけが残る。再建話は今に始まったわけではない。民間有志はNPO法人「江戸城天守を再建する会」を2004年に設立。これまでに江戸城跡の案内ツアーを企画したり、天守閣再建の経済効果を試算するなどしてきた。昨年から衆参両院への請願署名も募り、現時点で約6000筆が集まっている。
12年には、都知事選に出馬した松沢成文・現参院議員が、外国人観光客誘致のため寄付金による復元を公約に掲げた。
今回、菅氏は設計図の存在を念頭に発言した。実際に復元する場合には、具体的にどう計画が進むのか。◆手続きや費用はまったく不明
再建する会の浅井純一事務長によると、当時の棟梁が残した図面「建地割図」をもとに、城郭研究の権威として知られる三浦正幸・広島大名誉教授が手順を検討した報告書を16年に作成している。外観は国産の木材を活用し、元通りの総木造で復元。内部に消防設備やエレベーターを取り付ける。工期は未定だが、「木を伐採し、材木を乾かすのに5年間必要。それなりの年数がかかるだろう」(浅井さん)という。
とはいえ、課題も多い。天守台が残る東御苑は皇室用財産のため、法改正や国の特別な許可が必要になる可能性が高い。再建する場合はどんな手続きが取られるのか。所管する宮内庁報道室は「民間有志の運動で復元されるのか、政府の観光施策として決まるのか、前提が分からないので答えようがない」とコメントした。
費用も見通せない。再建する会によると、10年前の専門家の試算で約350億円と推計されたが、浅井さんは「材質や工法などでかなり異なってくる。名古屋城の木造復元の事業費が約500億円。その程度はかかると言う人もいる」と説明する。財源について寄付金でまかなうのか、税金が投じられるのかなど、不透明な部分も多い。
こうした事情も影響してか、X(旧ツイッター)で「大阪万博が大失敗しているのに」「この不況の中、そんなものを作る必要などない!」といった投稿が目立っている。16日昼、江戸城天守台の周辺を観光していた山田良恵さん(68)は「天守閣がなくても特に気にならない。お金がそれほどかからなければ、復元してもいいとは思うけど」と話した。
◆官房長官時代には否定していたのに…なぜ?
江戸城天守閣を巡っては、2017年の天皇の退位等に関する参院特別委員会で松沢氏が「皇居東御苑の御下賜をいただいて、恩賜公園あるいは城址公園として国又は東京都が整備を」と質問している。当時官房長官を務めていた菅氏は「皇居の一部分を成している地域」「皇室用財産としての供用を見直すことは当面考え難い」と答弁で否定していた。
その菅氏が、今回再建を口にした意図は何なのか。今年10月にテレビ番組で共演したジャーナリストの鈴木哲夫さんは、カジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)に触れて「IRもそうだがインバウンドは、菅氏がこだわってきた『一丁目一番地』。首相時代はコロナ禍で十分に果たせなかった政策だが、そのための江戸城再建なら、言及してもおかしくはない」と受け止める。
◆「ポスト岸田」候補と連携した動きなのか菅氏はこのところ積極的に発言している。一般ドライバーが有償で乗客を送迎する「ライドシェア」の解禁もその一つ。8月の長野市の講演で、インバウンド急回復でタクシー不足が深刻化している実情を「現実問題として足りない。いろいろな観光地で悲鳴を上げている」と訴え、議論に火を付けた。
岸田文雄首相も10月の臨時国会の所信表明演説で「ライドシェアの課題に取り組む」と言及。今月22日には導入に関する超党派勉強会の初会合が開かれる予定で、会長には菅氏と同じ神奈川選出の小泉進次郎元環境相が就任する見通しという。鈴木さんは「岸田政権の支持率が低迷する中、首相退陣後は発言を控えてきた菅氏が動き出した。河野太郎氏や石破茂氏といった『ポスト岸田』候補とも連携し、自分がやり残したことと政局の双方をにらんだ動きだ」とみる。
◆そういえば名古屋城にも復元の動きが
政治が進める天守閣再建。建築エコノミストの森山高至さんは、明治初期の廃城令で城が多数取り壊された経緯に触れ、「再建したいという気持ち自体はあって良いものだと思うが、地域の総意があってこそだ」と受け止める。
ただし江戸城の場合、幕閣重臣の保科正之が明暦の大火で疲弊した庶民の救済や災害復旧を優先すべきだと主張した後、そのまま天守が建てられることはなかった。「むしろ江戸城に天守がないことこそが平和な時代の民生安定の象徴。インバウンドには、建てない判断をした徳川幕府と東京の歴史を伝えた方が良いのでは」と提案する。天守閣といえば、名古屋城の復元計画も揺れている。名古屋市は6月に木造復元の基本計画を文化庁に提出する予定だったが、直前にあった市主催の市民討論会で、車いす利用者が天守閣上層階まで昇降機設置を求めたところ、参加者から「ずうずうしい」「おまえが我慢せい」などと差別する発言が上がった。河村たかし市長含め市側もその場で制止しなかったことが問題となり、計画の策定は止まっている。
駒沢大の山崎望教授(政治理論)は「城というのは、ナショナリズムや地域愛を起こさせるふわっとした統合のシンボルでもあり、政治家がこだわるのは分かる。再建自体に反対する人はあまりいないだろうが、名古屋城の場合、障害者への配慮、多様性の尊重といったリベラルな価値観とぶつかった途端に、問題化した」とみる。菅氏の本気度は見えていないとしつつ、こう話す。
「江戸城再建の提案自体は右派層の反応が良いだろうし、前首相として耳目を集めることもできる。ウクライナ、パレスチナの戦争や国際対立で日本の安全保障政策も問われる中、一見牧歌的な話と思えるが、為政者からすれば、厳しい現実から国民の目をそらせ、都合の良い提案だ」
◆デスクメモ
江戸時代から残る国宝・姫路城の天守閣は、米軍の空襲でも無事だった。市街地は焼け野原になったが、変わらぬ白鷺城の姿が戦後の市民を元気づけた。時代劇の江戸城にも使われる景観は、世界文化遺産にも指定されている。大勢の外国人観光客も、その歴史を見に来るのだろう。(本)
マリサ
記事では、江戸城再建問題に触れ、法改正等の難問が山積みなうえに、費用も膨大にかかることから、反対の意見を書いています。
マリサ
そのうえで、駒沢大教授の言葉として「「城というのは、ナショナリズムや地域愛を起こさせるふわっとした統合のシンボルでもあり、政治家がこだわるのは分かる」「江戸城再建の提案自体は右派層の反応が良いだろうし、前首相として耳目を集めることもできる。ウクライナ、パレスチナの戦争や国際対立で日本の安全保障政策も問われる中、一見牧歌的な話と思えるが、為政者からすれば、厳しい現実から国民の目をそらせ、都合の良い提案だ」と書かれています。
マリサ
これは一発目からかなりのクオリティーです!
レッテル貼りからの陰謀論という非常に高度なテクニックが使われています。
マリサ
それでは審査員の皆様、得点をどうぞ。
大口
7点
カグ太
9点
グレイ
7点
遠田
5点
マリサ
7点、9点、7点、5点、合計28点!
おおっと、意外なことに得点があまり伸びませんでした、審査委員長、解説をお願いします。
大口
これはですね、「安全保障問題」から、流れるように江戸城再建を陰謀論につなげている事が非常に高クオリティーです。
大口
また、「城というのは、ナショナリズムや地域愛を起こさせるふわっとした統合のシンボル」「江戸城再建の提案自体は右派層の反応が良いだろう」と、お城ファンを一括で「右翼」認定しているうえに、お城のプラモデルで有名な「フジミ模型」さんや「童友社」さんまでも被弾しています。
大口
そして更に、日本を代表するゲーム会社である「スクウェア・エニックス」さんまでも被弾するという、見境なきレッテル貼りが行われており、ネタとしては申し分ないハイクオリティー作品です。
大口
ただ惜しいのは、全体としてコンパクトにただの政治批判でまとめてしまっており平凡なうえに、メインは大学教授の言葉、肝心の記者のコメントはこじんまりしていてインパクトがなく、これが大幅な減点要素となっているので、それだけに惜しい作品です。
マリサ
なるほど、ネタの高いポテンシャルを記者が生かしきれなかったという事ですか。
ただまだ1人目、今後の点数次第ではまだまだ上位を狙える可能性もゼロではありません。
レイム
それでは次の方どうぞ
マリサ
おおっと!
近年「下ネタ芸人」からの脱却に成功し、全盛期の実力を
取り戻しつつある毎日新聞さんです。
一体どんなネタを披露してくれるのでしょうか。
いつの間にか世の中が「右」に 今回のゲスト ラサール石井さん(その1)
毎日新聞 2023/1/15
https://mainichi.jp/articles/20230115/ddm/001/200/090000c<迫る>
お笑いタレント・俳優 ラサール石井さん芸能人の政治的な発言はタブー視される傾向が強く、時にはバッシングされることもある。そんな風潮でも、お笑いタレントで俳優のラサール石井さん(67)は、ツイッターやコラムなどで積極的に自らの考えを発信している。批判や反論が殺到し「炎上」することもあるが、ひるまない。ジャーナリストの池上彰さんとの対談では、政治批判や、芝居への情熱などを語った。
池上 ツイッターを読みましたが、政府を批判するラサールさんの意見には避難や攻撃的な返信が数多く寄せられています。この状況を見るとネトウヨ(ネット右翼)たちも戦っているという印象です。
ラサール 「パヨク」なんて言われています。僕自身は昔からずっと中道のつもりでいるんですけどね。我々の若い頃は反体制フォークの時代。政府に批判的な立場でいる事は当たり前でした。でも、いつの間にか世の中が「右」に寄っていって。気が付いたら「左」と言われるようになっていたんです。
池上 政府を批判するのは、民主主義ならば当たり前のことです。それでも、タレントや俳優といった方々が政治的な発言をすることに疑問を感じたり、批判的に捉えたりする人が多くなっているようです。
ラサール 日本には多いですね。でも正直なところ「昔のテレビ業界ならば、このぐらいの発言は問題にはならなかったなあ」という感じはありますが。
池上 ラサールさんが安倍晋三首相の国葬に反対する意見をツイッターで発信すると、これもまた「亡くなった人を慎むことができないのか」といった批判が押し寄せました。
亡くなった方のご冥福をお祈りするのは当然のこと。あのような事件も決して起こってはならない。でも亡くなったからといって、そのか亜が生前にやってきたことが全て帳消しにあるわけではありません。まだ解明されていない問題はたくさんある。しかも国会でも議論もない。ですから僕は国葬の実施に反対したのです。
(中略)
池上 政府批判する意見を発信していると、テレビに呼ばれなくなる?ラサール 昔のワイドショーならば政府の方針に賛成。反対の立場の人を呼んで意見を戦わせることが多かった。それが4、5年前ぐらいからでしょうか、政府寄りのコメンテーターが一気に増えました。政府に物申す人はいないに等しい。
池上 そうなったのはテレビ局の上層部の意向なのか、それともネットで叩かれたり、抗議されたりすることをスタッフらが避けようとしているのか…。
ラサール 真相はわかりませんが、今のテレビ局いは番組制作の予算が少ないこともえいきょうしていると思います。だからスポンサーといった外部の意見を気にせざるを得ないのでしょう。
池上 昔のテレビにはやんちゃな面がありました。今ならばコンプライアンス(法令順守)上問題になり、放送できないであろう番組内容もありました。
ラサール コンプライアンスは大切です。その一方で、テレビ局に新しいものを作ろう、とにかく面白い番組を作ろう、とにかく面白い番組を放送しようという考え方がなくなってきました。あ他局でちょっと人気になった番組をすぐマネしたり、低予算で番組を制作したりといったことが当然になってしまい、元気が失われています。
池上 政治的な話に戻りますが「選挙に出ませんか」と誘われることも多いのでは。「政治の世界の中から改革してほしい」と。
(後略)
マリサ
毎日新聞の2023年1月15日朝刊1面トップを飾った、ラサール石井氏と池上彰氏による対談なのですが、前半部分は平凡な「ネトウヨ論」で面白みはありません。
マリサ
凄いのは後半で、ラサール氏が政府批判をし続けたところテレビに呼ばれなくなったと臭わせる論を展開、そのうえで「政府寄りのコメンテータしか呼ばれない」「テレビ局の上層部の意向なのか、それともネットで叩かれたり、抗議されたりすることをスタッフらが避けようとしているのか」と批判しています。
マリサ
しかしラサール氏があまりテレビに呼ばれなくなったのは、コロナ禍の最中にTBSの番組に出演し、「僕の噂では東京都で死者数10倍」と、根拠不明の陰謀論を展開するという放送事故を起こして批判されたのが切っ掛けです。
関連記事
ラサール石井「僕の噂では東京都で死者数10倍」発言が物議 「根拠示して」「トンデモ発言」批判の声集まる
リアルライブ 2020年05月12日
https://npn.co.jp/article/detail/200003948
マリサ
他にも、2019年に沢尻エリカ氏が麻薬取締法違反で逮捕された事例と、2020年に槇原敬之さんが覚醒剤所持等の疑いで逮捕された事例では、「政府に批判が向くと芸能人が逮捕され話題反らしに使われる」という陰謀論を展開し、かなりの批判を受けています。
関連記事
ラサール石井、沢尻容疑者の逮捕受け「政府が問題を起こし、マスコミがネタにし始めると芸能人が逮捕される」
スポーツ報知 2019年11月17日
https://hochi.news/articles/20191117-OHT1T50145.html?page=1
堀江貴文さん「馬鹿はほっとけ」 槇原敬之さん逮捕でのラサール石井さんの「逮捕者リスト」ツイートに
ガジェット通信 2020/02/16
https://getnews.jp/archives/2405780
マリサ
つまり、自身がテレビに出演できなくなったのは、実際には「政府批判」という名目で、検証されていない陰謀論を喋るので、テレビ局側がそれを「リスク」と考えるようになったからです。
マリサ
にも関わらず、自身の論調が受け入れられないのは「世の中が右傾化したからだ」と嘆いているのです。
顔部装甲の強度が戦車の正面装甲並みに強化されており、非常に高いクオリティーです。
レイム
それでは審査員の皆さん、得点をどうぞ
大口
9点
カグ太
9点
匠
9点
遠田
8点
マリサ
9点、9点、9点、8点、合計35点。
これはかなりいい得点が出ました、残りのジャーナリストたちの得点次第では十分優勝を狙える数字です。
それでは審査委員長、解説をお願いします。
大口
これなのですが、ラサール氏がボケて池上氏がそれをスルーするという、非常に高度なコントが繰り広げられており、ネタの完成度はかなり高いです。
大口
そして、このネタも先ほどの東京新聞のネタと同じく、完全に外部の人間に頼っているため、このコントだけでは高得点は狙えないのですが、毎日新聞はこのネタを朝刊一面トップに持ってくるという高難度技術を駆使しており、毎日新聞のこのネタに対する熱意が伝わり、それが大きく得点に貢献しています。
マリサ
なるほど、ネタそのものだけではなく、「どう魅せるか」も重要という事ですね。
レイム
さて、ここまでで前半戦が終了よ。
得点は東京新聞が28点で暫定2位、毎日新聞が35点で暫定1位となっているわ。
マリサ
異常気象の影響で、新鮮なジャーナリズムの収穫が芳しくないといわれている昨今においても、これだけハイクオリティーなネタが存在するというのが、この業界のポテンシャルの高さを物語っているのではないでしょうか。
レイム
それでは、CMを挟んでお笑いマスコミグランプリ後半戦を行っていくわ。
提供
ナレーション
この番組は、ご覧のスポンサーの提供でお送りいたします。
マリサ
それでは第六回お笑いマスコミグランプリ、後半戦を始めます。
レイム
それでは次の方どうぞ。
マリサ
ああっと!これはどういうことでしょうか?
東京新聞が再度エントリーですが、これはありなんですか?
レイム
運営委員会より回答があったわ。
ネタのエントリーに一社一ネタという縛りは無く、実際に予選には各社複数のネタをエントリーさせています。
そのため、理屈の上では決勝が一社のみで行われることも可能であるので、予選を勝ち抜いた以上、大会のシステム上これは「あり」となっているとのことです。
マリサ
なるほど、それではあらためて東京新聞さん、ネタをどうぞ。
<突撃イバラキ>カラス肉の生食文化 究極のジビエに挑戦
東京新聞 2023年3月7日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/235065「カラスの刺し身を食べに来ませんか?」。取材で知り合った男性から誘われ、のけ反った。県内の一部地域に伝わる食文化とのことだが、水戸支局在勤四年目にして初めて聞いた。ジビエ(野生鳥獣肉)料理は嫌いでないし、実はカラスも焼き鳥ならぬ「焼き烏(からす)」なら試したことはあるのだが、生食となると話は別。悩んだ末、「やめた方がいいんじゃないか…」と心配する上司をよそに、好奇心が勝って行ってみることにした。さて、お味の方は−。(宮尾幹成)
(中略)
◆世界平和に後日、カラス肉の扱いについて県の担当部署に確認しておいた。
カラス肉を調達する方法は、免許が必要な「狩猟」と、わななどを用いる「有害鳥獣駆除」の二通り。環境政策課によると、県内の捕獲数はともに年四千羽前後で推移している。
基本的には、煮て食おうが焼いて食おうが自由とのこと。だが生食については、生活衛生課の担当者から「食中毒のリスクはかなりある。禁止されているわけではないが、控えてほしい」とくぎを刺された。カラス料理研究家・塚原直樹さんが著した「本当に美味(おい)しいカラス料理の本」(SPP出版)という本も手に取ってみた(元都知事が推していたミートパイのレシピも載っている)。カラス肉は高タンパク、低脂肪、かつ鉄分やタウリンも豊富でヘルシーな食材だと太鼓判を押しつつ、やはり「生食は絶対にやめましょう」と書いてある…。
そうは言っても、カラスの刺し身は想像以上に魅力的だった。牛肉のユッケや「とりわさ」のように商業ベースに載せるのはハードルが高いだろうが、この貴重な食文化がゲテモノ扱いされたまま先細ってしまうのはあまりにも惜しい。
他では味わえないごちそうを存分に堪能した日、別の常連さんが力説していた。「食べ物への偏見は差別につながる。偏見をなくすことが世界平和につながるんです」。膝を打った。
◇ ◇
「突撃イバラキ」は随時掲載します。
マリサ
2023年3月の記事なのですが、東京新聞の記者が「カラスの刺し身」の食レポをしている記事です。
そして保健所などからは「生食は控えてほしい」と釘を刺されたが、カラス食の常連さんは「食べ物への偏見は差別につながる。偏見をなくすことが世界平和につながるんです」と答えていたと、差別問題につなげて締めています。
マリサ
これは凄い!
カラスと言えば雑食性が強く知能も高いため、人と獣双方の食料を口にすることが多く、そのため人獣共通感染症のリスクが非常に高い生き物です。
マリサ
そのため、記事に対し、医師や科学ジャーナリストから疑問や批判の声が相次ぎ、更には厚労省が異例の注意喚起をするという事態になったのですが、東京新聞は「記事で掲載した通りです」と訂正も注意喚起もしなかったという記事です。
関連記事
医師も注意喚起「挑戦するな、死ぬぞ」 東京新聞の「カラスの生食」紹介が波紋
リアルライブ 2023年03月08日
https://npn.co.jp/article/detail/200027914
「ジビエは中まで加熱して食べよう」 厚生省が注意喚起 SNSではカラス生食巡る報道に物議
ITmedia 2023年03月08日
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2303/08/news184.html
カラス肉の刺身を「究極のジビエ」と紹介 東京新聞コラムが物議...厚労省も注意喚起「非常に危険」
J-CAST 2023.03.09
https://www.j-cast.com/2023/03/09457555.html?p=all
マリサ
きっとあれでしょう、東京新聞は昨今の地球温暖化を憂い、人類に対して「火を使う前の生活に戻れ」と警告しているのではないでしょうか。
それでは審査委員の皆さん、得点をどうぞ!
大口
10点
カグ太
10点
匠
10点
遠田
9点
マリサ
10点、10点、10点、9点、合計39点!
これはまた凄い点数がでました。
それでは審査委員長、解説をお願いします。
大口
これはですね、記事では一応カラスの生食はするべきではないという意見を紹介しながらも、なぜか生食を進めるような論調になっており、更にはそこから流れるように差別問題や世界平和につなげているところも高得点ポイントです。
マリサ
なるほど。
ただのゲテモノ食い食レポで終わらず、「東京新聞らしさ」をさりげなく表現しているところが高評価ポイントということですか。
クロウイーターは伊達ではないという事ですね。
レイム
東京新聞さん、ありがとうございました。
次の方どうぞ
マリサ
きたああああああああああああああああああああああああ!
やはり来ました、前大会で東京新聞と共同新聞コンビニ破れ、屈辱の準優勝に終わった笑帝「朝日新聞」の登場です!
これは期待せざるをえません。
レイム
それでは、ネタをどうぞ。
「エビデンス」がないと駄目ですか? 数値がすくい取れない真理とは
朝日新聞 2023年10月31日
https://www.asahi.com/articles/ASRBZ3JWJRBWUCVL003.html何をするにも合理性や客観性が求められ、数値的なエビデンス(根拠)を示せと言われる時代。そのうち、仕事でもAI(人工知能)が導く最適解に従うことになるのかもしれない。なんだか自分の感覚や経験則には、なんの価値も無いような気がしてしまう。「客観性の落とし穴」(ちくまプリマー新書)の著者で、大阪大学教授の村上靖彦さん(53)に、エビデンス重視の世の中にどう向きあえばいいか聞いた。
数値データがないと耐えられない――著書が売れています。社会の動きだけでなく、人の気持ちも数値化していった結果、失われたものがあるのではないかというテーマの本です。
会社員の方からの反響が大きかったです。みんな数字に追われてつらいのでしょう。SNSでも、データを持ち出してきて、自分の気に入らない投稿を批判するような書き込みが目につきます。エビデンスという道具を使って、他者をたたきたいという暗い欲望が蔓延(まんえん)しているように感じます。
――教え子の大学生たちから、「先生の考えに客観的な妥当性はありますか」と聞かれることもあるそうですね。
僕の研究は、ヤングケアラーや看護師、困難を抱えている当事者たちの語りを分析する内容で、数値的な証拠は積み上げない。まだ統計の意味をしっかり学んでいない若い学生は、数値データを使わないことに耐えられないのかもしれません。現代社会では、客観性や数字的なエビデンスこそが真理だとされているので、無理もありません。
しかし、個人のそれぞれの経験のなかにも、普遍的な事実はあるはずです。語りの中に小さく折りたたまれた細部を読み解き、語り手の内側にある視点から社会構造を描くと、どうして差別が生まれるのか、困難な状況に追い込まれる人がいるのかが見えてくる。数値的なエビデンスや客観性がとる視点とは逆向きの視点の置き方ですね。
――たった1度の個人の経験も学問になるのですか。
挑戦的な研究だとは思います。「客観性」という言葉が普及したのは19世紀半ば以降といわれていますが、自然科学を中心とした近代的な学問では、再現性や統計的な蓋然(がいぜん)性が重視されてきました。でも、個人的な体験の中で感じたことはその人にとっても一つの真実です。同時に誰にとっても意味のあるものになり得る。小説や映画はそうした経験をとらえ、多くの人に伝わる表現に落とし込んでいますが、僕らはそれを現象学で試みている。エビデンスが重視される世界のなかで、個別的な経験から普遍的な意味を取り出すことの意味を問い直したいと思っています。
「エビデンスに殴られている」 分断の道具に使われる客観性――去年、小学生の間で「それってあなたの感想ですよね」というフレーズが流行しました。論破ブームも続いています。いつでも数値的な根拠が必要で、自分の経験や考えには価値がない気がしてしまいます。
(後略)
関連記事
朝日新聞は「それってあなたの感想ですよね」には絶対に勝てない!? 今はエビデンス=量的客観性優位の時代ですから。
FORZA STYLE 2023.11.8
https://forzastyle.com/articles/-/69527
マリサ
2023年10月の記事なのですが、何事にも数値的なエビデンス(根拠)を求める社会的風潮に警鐘を鳴らし、「個人的な体験の中で感じたことはその人にとっても一つの真実です」と、感性的な部分の重要性を説いています。
マリサ
そしてエビデンスが分断の道具に使われているとして、ネットの有料版では「福島は処理水エビデンスのせいで分断している」「ALPS処理水の安全性を示すことは、エビデンスを振りかざし、エビデンスで殴る行為であり、それが住民を分断している」と書いているそうです。
マリサ
これは凄い。
ALPS処理水が安全かどうかは客観的なデータに基づく数値として証明されているわけですが、それを「感性的な部分」で否定し、更には「エビデンスによって分断が起きている」と、あたかも数値的な根拠を求める行為に問題があるかのように書いています。
マリサ
え?あ、ちょっと待ってください、なんと記事には別日に掲載された続きがあるようです。
「決定的なもの」とされるエビデンス 背景に白黒つけたい欲求
朝日新聞 2023年12月7日
https://www.asahi.com/articles/ASRD62DFJRD4UPQJ00F.html
(前略)
雑多なものがひとくくり一般の人々も、ネットなどにあふれる情報を選ぶためエビデンスを求める、というところまでは学問の世界と重なります。しかし、その後に「エビデンスがあるか、ないか」の二者択一に陥りやすい。実際は「エビデンス」というカタカナ語が持つ曖昧さゆえ、その中身は怪しげなものもあれば、実験データや専門家の発言、ネットアンケートまで、雑多なものがひとくくりにされています。
なぜ「エビデンス」でなく「証拠」と言わないのか。カタカナ語のエビデンスには、証拠という言葉の持つ「決定的なもの」とは異なる、境界があいまいなニュアンスがあり、使いやすいのでしょう。
それなのにコミュニケーションにおいては、エビデンスは「決定的なもの」と扱われがちです。その理由の一つに、データや数字が「人の介入がない絶対的なもの」と見える点があるでしょう。人が見えれば「あの人はうそつきだ」といった批判もできますが、匿名化されればとっかかりがありません。
もう一つは、エビデンスの背景に科学者などの専門家がいるという重みです。虎の威を借る狐のように、エビデンスを示せば相手の意見や主張を「あなたの感想ですよね」と封じ、「論破」もできる。ですが本来、「あなたにしかわからない」という個人の経験も重要だし、「個人の意見だから正しくない」わけでもありません。
科学とて「何を研究するか」「どの証拠を採用するか」をめぐり価値観に基づく選別からは逃れられません。長い時間をかけて価値観が変わり、かつては異端だった見方が通説になることもあります。
科学にもグラデーションや時の流れがあり、全てが決定的というわけではないのです。エビデンスを求めたくなった時には、そのことを意識する必要があるでしょう。(聞き手・田中聡子)
マリサ
2023年12月の記事なのですが、この中で社会学者の言葉として「証拠という言葉の持つ「決定的なもの」とは異なる、境界があいまいなニュアンスがあり、使いやすいのでしょう」と、言葉の定義の違いを指摘し、安易にエビデンスイコール根拠としてしまう事に警鐘をならしています。
マリサ
しかし先ほどの「「エビデンス」がないと駄目ですか? 数値がすくい取れない真理とは」では、エビデンスを「根拠」「証拠」として定義して使用しており、非常に美しい弧を描きブーメランが刺さっています。
マリサ
おおっと、まだ更なる続きがあるようです。
「速く」「分かりやすく」で単純化する社会 覆う不寛容と遠のく対話
朝日新聞 2023年12月7日
https://www.asahi.com/articles/ASRD44G95RD4UPQJ00D.html(前略)
目的化した「バズる」私が書いている書評や映画評の世界でも、「速く」「分かりやすく」が起きています。人目をひく解釈で、「これはこいう作品だ」とぱっと提示する人がウェブ媒体などで重宝される。私には「バスるよう文章を書いている」というより、「パズるように作品を読んだり見たりしている」人が多いように見えます。「バズる見方」が先にあり、他の見方を切り捨ててしまっているのではないでしょうか。
分かりやすい答えを求める人も多い。小説などの読者レビューにはしばしば、「作者が何を言いたいのか分からない」と書かれます。そんな様子を見ていると、答えを決めないで耐える、分からなさを耐えることは、とても精神力がいるのだと感じます。
複雑なものを複雑なまま受け止められない社会では、物事は単純化され、短時間に善悪や正しさが決まります。とたんに「お前が悪い」という攻撃になる。
さらに、弱い立場の人たちが抱える「抑圧されるけどうまく言い表せない」という状況をぴたりと言い当ててくれた「もやる」「マウンティング」などの言葉も、あらゆる場面に浸透して、攻撃に使われるようになりました。私はSNSで「昔は~だった」と書いただけで「マウント」と言われました。「自分が正しい」「お前は間違っている」というバトルのツールが増大し、エビデンスの突きつけ合いになるのは不毛だと思います。
分からなさや違和感を抱えながら、答えは出なくとも、他者と長い時間をかけて話すのが対話のはずです。そういう土壌が失われ、不寛容が覆っている。その中で追いつめられる人たちが増えていくのではと懸念しています。
(聞き手・田中聡子)
マリサ
記事では、やはりエビデンスを求める風潮を批判しているのですが、そこで引き合いに出されるのが書評や映画評という、元々売上以外では数値上のデータをほとんど必要としない、福島原発の処理水の件とは全く異なる分野です。
そして朝日新聞が「客観的な根拠を求められている事例」は、映画や小説の感想ではなく、処理水の危険性という意見への根拠です。
マリサ
更に、「分からなさや違和感を抱えながら、答えは出なくとも、他者と長い時間をかけて話すのが対話のはずです。そういう土壌が失われ、不寛容が覆っている。その中で追いつめられる人たちが増えていくのではと懸念しています」と書いていますが、処理水の「エビデンス」の件でも、放出反対派と根拠を前提とせずに長い時間をかけて話し合えという事なのでしょうか。
マリサ
これは凄い!
怒涛のエビデンスラッシュです。
それでは審査員の皆様、得点をどうぞ。
大口
10点
カグ太
10点
匠
10点
遠田
10点
マリサ
10点、10点、10点、10点、合計40点。
出ましたパーフェクトです!笑帝の実力は健在のようです。
毎日新聞の顔部装甲も、クロウイーター東京新聞の平和論もまるで太刀打ちできません。
それでは審査委員長、解説をお願いします。
大口
これはですね、なんとかしてALPS処理水を危険なものとして定着させようとし、毎回根拠付きで否定されたため、今度はその前提となっている「客観的な根拠」そのものを否定しようと、次々と論点をすり替える論調の記事を外部執筆者に書かせたが、ことごとく裏目に出るという、強烈なボケを連続して繰り出しています。
大口
更には、そのボケの魔力にあがないきれず、読者が自然と突っ込み役にならざるを得ない、皆の力を集めることで強大な力を生み出すという離れ業まで行っています。
驚くべき実力です。
マリサ
なるほど。
「みんなの元気をオラに分けてくれ」方式ですね。
納得の高得点です。
レイム
それでは、第六回お笑いマスコミグランプリ優勝は、朝日新聞に決定しました。
マリサ
前回、またもや優勝を逃し引退説まで出てきていた「笑帝」朝日新聞ですが、今回その実力の健在っぷりをしっかりと見せつけてくれました。
また、近年めきめきと実力を上げている東京新聞、そしてかつての実力を取り戻しつつある毎日新聞にも、これからのジャーナリズム業界をしょって立つ存在として、また朝日新聞を超える事を目標に頑張ってほしいです。
マリサ
それでは、第六回お笑いマスコミグランプリ、これにて閉幕です。
また来年お会いしましょう!
レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。
大口
おつかれ~。
大口
ところで、実は重要なお知らせがあります。
マリサ
いきなりどうしたんだ?
大口
今回読売新聞さんが予選敗退したことで、決勝戦連続出場記録がストップ、毎日新聞が単独2位に躍り出ました。
マリサ
「地味キャラ」としての地位を確立し、地味に固定ファンも増えていた読売新聞が、毎日新聞との2位争いから脱落か…。
大口
近年の地方紙の台頭とも相まって、これからのマスコミ業界の動きには注目だね。
マリサ
四天王のうち毎日と朝日以外の3社に勢いが無さすぎるんだぜ。
レイム
むしろ読売にとっては喜ばしいのでは?
マリサ
そ、そんなことは無いはずだぜ!
グランプリ出場は名誉なことなんだぜ!
マリサ
そんなわけで今回はここで終わるぜ。
レイム マリサ 大口
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