さて、本日は日中情勢に隠れてあまり報じられていない、最近起きている李在明政権の大きな変化について扱っていきます。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブログ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
日本では韓国との表向きの融和的な動きが主に報じられ、その裏で進む問題が軽視され、李在明政権の対日方針に問題がないという印象を受ける内奥ばかりで、表面的には問題が起きる要素がなさそうに見える。
実は李在明政権では現在、日本との足並みをそろえられそうにない事態がいくつもおきており、特に対北朝鮮関連では北との関係改善を最優先し、日本との齟齬が大きくなってきている。
また、こういった態度から、既にアメリカとの間で様々な方針の食い違いが出てきており、アメリカ側が直接苦言を呈するといった事態にまで発展しており、日本との足並みもそろいそうにない状況に向かってきている。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
以下から本文
1:日本での報道
まず、最近の日本発の報道では、李在明政権は特に日本に対して敵対的ではなく、友好を望んでいるといった論調が多く、実際に李政権の日本への態度も表面的にはその通りです。
例えばこちらでは
駐日韓国大使「共同体になる努力を」 歴史問題、互いに配慮が重要
時事通信 2025年12月05日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025120500957&g=int
駐日韓国大使が日本記者クラブで会見し、「共同体になろうとする努力を民間レベルでも後押しする必要がある」「(歴史認識問題については、両国の政治家が)相手に配慮して発言することが重要だ」と答えたと書かれています。
また、原潜保有に関連し、「地域の安定に反するとは考えていない」と抑止力のために必要であると説明しています。
また、この会見を伝えるTBSの記事では
駐日韓国大使 日韓関係「安定を取り戻した」日中関係では「仲裁の役割を果たすことになる」
TBS 2025年12月5日
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2332252?display=1
大使は「韓日関係が安定を取り戻して、未来に向けて本当に生産的なお互いにウィンウィンの関係に発展しようとしていると思います」としたうえで、北朝鮮の拉致問題に言及し、「平和と安定のために韓国と北朝鮮との対話が再開されることが当然必要」と答え、記事では「日本と韓国、そしてアメリカを交えた協議を進め、協力関係を強化していく姿勢を改めて強調しました」と書かれています。
そして産経の記事でも
「対日重視外交は支持率上げる動力」 李赫駐日韓国大使、日本記者クラブで会見
産経新聞 2025/12/5
https://www.sankei.com/article/20251205-DRLYLRLQ4ZK6VJTFLLL4NAKBTI/
拉致問題について「李大統領が7月の記者会見で協力を表明している」と書いたうえで、大使による「具体的な協力に関しては韓日当局で情報交換や協議をしなければならない」という前向きな回答をしています。
これらを読むと、李在明政権が日本に対してある程度融和的というだけではなく、北朝鮮による拉致問題でも協力していくと語っており、同じ「共に民主党」の文在寅政権とは明らかに違うという印象を受けます。
2:本当に協力できるのか?
しかし実は、最近の李在明大統領や与党「共に民主党」の言動を見ると、特に「拉致問題での協力」が本当に可能なのか疑問です。
12月3日に行われた李在明大統領の記者会見での事なのですが
李大統領「国民の北朝鮮拘束、初耳」 翌日大統領室が「早期の南北対話で解決へ」
東亜日報 December. 05, 2025
https://www.donga.com/jp/article/all/20251205/5996875/1
北朝鮮専門メディアNKニュースの記者からの、北朝鮮に拘束中の韓国国民に対する対策を問う質問に「初めて聞く話だ」「韓国国民が拘束されているというのは本当か。いつ、どのような経緯か」と答え物議を醸したという件を受け、「国民的な共感を基盤に、早期の南北対話再開の努力を通じて解決していく」と後日大統領府が釈明したと書かれています。
そして、この問題を受けて大統領府が「現在、脱北民3人を含む韓国国民6人が2013年から16年にかけてスパイ罪などの容疑で拘束されていると把握している」と答えたそうなのですが、実際にはそれ以外にも
李在明大統領「韓国国民が北に抑留されているなんて初耳」発言に拉致被害者家族会反発「被害者無視の妄言」
朝鮮日報 2025/12/08
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/12/06/2025120680029.html
6・25戦争(朝鮮戦争)で北朝鮮に拉致された人々の拉致被害者家族会が存在しており、李大統領の発言に反発、「拉致された家族を75年間待ってきた被害者たちの前で、大統領が『初めて聞く話』だと言ってうろたえる様子に、悲痛さと憤怒を感じた」「キム・ジョンウク宣教師、崔春吉(チェ・チュンギル)宣教師、コ・ヒョンチョル氏、キム・ウォンホ氏、ハム・ジンウ氏など少なくとも6人いると推定される北朝鮮抑留韓国人の家族に、同病相哀れむ惨憺(さんたん)たる心情で慰労を送る」とコメントしたと書かれています。
更にこの件では、発端となった質問をした記者からも新たな問題提起がされており
北が拘束中の韓国人6人は? 李在明大統領に質問した米記者「フェイクニュース広めたとか身の安全に気を付けろと言われた」
朝鮮日報 2025/12/09
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/12/09/2025120980060.html
質問以降、「身の安全に気を付けろ」と脅迫を受けたり、「先の文在寅(ムン・ジェイン)政権の元幹部からは『フェイクニュースを広めた』と非難を受けた」と告発しており、この件でむしろ与党関係者から非難されていると書かれています。
記者は、「韓国人拉致被害者に限ってはほぼ完全な沈黙が続くことに疑問を抱いてきた」「進歩・保守両陣営のいずれも拉致被害者を帰還させるために政治的リソースをほぼ使ってこなかった」と苦言を呈すると、与党議員から「事実関係に基づかない報道姿勢は無用なフェイクニュースを広めるだけだ」と叩かれたそうなのです。
この件なのですが、恐らくですが李大統領は拉致被害者の事は把握しています。
なぜなら、この件は韓国で度々話題にされており、知らない韓国人の方が少ないからです。
ではなぜ李大統領が知らないと答えたかといえば、それは北朝鮮の顔色を窺っているからです。
これは李政権に限らず「共に民主党」全体に言える事ですが、彼らは北朝鮮が嫌がる拉致問題の件には以前から触れようとせず、「共に民主党」の基となった「開かれたウリ党(2003~2007年)」時代から、可能な限りこの問題には触れないようにしてきたという背景があります。
そういった経緯があってのNKニュース記者の苦言なのですが、特に現在李在明政権は北朝鮮から相手にされておらず、対話の呼びかけも無視されている事から、なんとか北朝鮮の関心を買おうと躍起になっており、そんななかで拉致問題に触れる質問をされたため、「意図的に認識がないふりをした」のではないでしょうか。
また、こうした経緯がある以上、駐日韓国大使が拉致問題での協力に言及したところで、それは形だけになり、日本の「拉致問題解決」には何の影響も及ぼさない可能性の方が高いわけです。
3:アメリカとの対立
また他にも、李政権は様々な問題が起きており、その一つがアメリカとの対北方針対立です。
次を見ると
駐韓米大使代理「韓米合同軍事演習は軍の生命線」
東亜日報 December. 09, 2025
https://www.donga.com/jp/article/all/20251209/6002839/1
関連記事
李大統領「南北平和構築の時は、韓米合同軍事演習は行わない方が望ましい」
東亜日報 November. 25, 2025
https://www.donga.com/jp/article/all/20251125/5979511/1
韓国の統一部長官が「先月「来年初めの米朝首脳会談の実現のためには韓米合同軍事演習の調整が不可避だ」と発言した件をアメリカ側が問題視、駐韓米国大使代理が「安圭伯(アン・ギュベク)国防部長官が韓米合同軍事演習を『軍の生命線』と表現し、重要性を強調した」「これが今後われわれが期待する方向だ」と苦言を呈したという内容です。
実は「共に民主党」は、文政権時代にも北朝鮮の顔色を窺い米韓軍事演習を「延期」や「中止」させた事があり、今回の件は同じことが起きないよう、大使が先に忠告をしたというわけです。
また次の事例では
米国「韓国は調整されたメッセージ出すべき」…対北朝鮮融和策の速度調節を要求
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.12.09 10:13
https://japanese.joins.com/JArticle/341920
関連記事
[社説]韓米対北協議体、まもなく稼働… 「直取引の脱線」を防ぐために安全版になる
東亜日報(韓国語 2025-12-12
https://www.donga.com/news/Opinion/article/all/20251211/132951019/2
記事では、「複数の消息筋によると」と前置きしたうえで、駐韓米大使代理が11月に「米国側は、トランプ大統領の対話提案により対北政策に対する関心が高まった状況で、複数のメッセージが混在すれば不必要な混乱が生じるとして、調整されたメッセージの発信を要請した」と書かれています。
記事によると、これは「キム大使代理が対北朝鮮制裁の維持と北朝鮮の人権問題を強調するべきと説明したのも、これを念頭に置いているためという解釈が出ている」と書かれており、これは李大統領が対北制裁の緩和などに言及したため、それに苦言を呈したというわけです。
またこちらの中央日報の社説では
【社説】韓国統一長官と米国の対北朝鮮政策に食い違い…韓米連携に問題はないのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.12.10 14:19
https://japanese.joins.com/JArticle/342000
同じく駐韓米大使代理が、韓国の統一部長官と面会し、「対北朝鮮制裁を維持しなければいけないという点を伝達した」「キム大使代理が制裁関連の主務部処でなく統一部長官に会ってこのような立場を明らかにしたのは異例と評価される」と書かれており、統一部長官による10月の北朝鮮関連発言が相当に問題視されている事が分かります。
このように、実のところ李在明政権は対北朝鮮政策に関し、アメリカの方針とかなりの部分で食い違ってきているため、当然の事ですがアメリカと足並みをそろえている日本とも、対北朝鮮政策で食い違いが起きている事になります。
日本のメディアでは、あたかも李政権と良好な関係が維持できているかのような報道が多いですが、実際には今回引用した事例からもわかるように、李政権の方針は到底日本と足並みをそろえられるようなものではなく、いずれこの食い違いが大きな問題になるであろうことが十分に予想できるわけです。
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