さて、本日はメディア等では比較的好意的に取り上げられていた先日の日韓首脳会談が、実は日韓の方針の違いを表面化させていた件について扱っていきます。
初めて来られた方はまずこちらを先に読むことをお勧めします。
ブログ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています
・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
先日行われた日韓首脳会談について、メディアなどでは友好的に終わり成功だった等と書かれているか、或いは日韓の歴史問題が原因で踏み込んだ安保協力ができなかったといった論調が多い。
韓国の報じ方もそれに近いものがあるが、実際には韓国が中国や北朝鮮をうかがい、積極的な安保協力を避けたがっているという背景があり、そこで歴史問題を口実にして拒んでいるという側面がある。
実際、特に歴史問題などが無いアメリカに対しても、安保問題で対中や対北での協力を韓国側が拒み続け、関係がどんどん悪化しているという経緯があり、結局のところは韓国側の問題で「何も先に進まない」という状態になっているのが分かる。
以下から本文
1:日韓首脳会談
まずはこちらから
日本と韓国、緊急時にジェット燃料など石油製品の融通検討…きょう首脳会談で共同文書発表へ
読売新聞 2026/05/19
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20260519-GYT1T00002/
(前略)
判明した文書案によると、原油の大部分を中東からの輸入に頼り、石油化学や精製に強みを持つ日韓両国が、緊急時に円滑な協力ができるよう官民の対話を進める。同対話は、原油や石油製品を相互に融通し合う協力に焦点を当てる。供給が危機的状況となった際に融通し合うもので、石油製品はジェット燃料などが念頭にある。
石油製品などの輸出規制の抑制や、原油の調達や輸送面での協力も同対話の対象となる。韓国は輸出する燃料油の約1割を日本に供給している。日本政府関係者は「危機下でも不必要な輸出規制をしないことが重要だ」と語る。
日本は液化天然ガス(LNG)の世界第2位、韓国は第3位の輸入国であることから、供給網の強靱化や相互融通に関する協力を強化することも盛り込む。
日本が主導する東南アジアなどへの総額約100億ドル(約1・6兆円)のエネルギー調達を巡る金融支援枠組み「パワーアジア」について、日韓両国が協力する可能性を検討することも明記した。新設する「産業・通商政策対話」には経済産業省と韓国の産業通商資源省の高官が参加し、一連の協力策を協議するとした。
読売の記事なのですが、今回の首脳会談で取り決められたことなどを取り上げており、石油やその生成物を融通し合う「官民の対話を進める」ことや、「供給網の強靱化や相互融通に関する協力を強化することも盛り込む」など、エネルギー政策に関わる内容が多かったことが分かります。
ただし、何かが決定されたわけではなく「対話を進める」という段階です。
また次を読むと
李大統領「供給網協力拡大」 高市首相「原油の相互融通推進」
聯合ニュース 2026.05.19
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20260519003900882
【ソウル聯合ニュース】韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は19日、自身の故郷である慶尚北道・安東で高市早苗首相と首脳会談した。両首脳は米国とイランの軍事衝突など不安定な国際情勢の中、エネルギーと供給網(サプライチェーン)分野で協力を拡大することで一致した。
一方、中東情勢を巡っては、李大統領は「中東地域の平和と安定が早期に回復しなければならないとの認識で一致した」と表明。高市首相はホルムズ海峡の自由で安全な航行を含む中東情勢の沈静化に向けて努力することを確認したと述べた。
朝鮮半島情勢に関しては、李大統領は「踏み込んだ意見交換を行い、南北が平和的に共存し、共に成長する『戦う必要のない平和な朝鮮半島』を構築するという韓国政府の立場を説明した」と述べた。高市首相は北朝鮮の核・ミサイル問題について議論したとして、韓日・韓米日が緊密に連携し、北朝鮮問題に対応することを改めて確認したと表明した。また、日本人拉致被害者問題の解決に向けた支持に謝意を示した。
(後略)
韓国の大手通信社の聯合ニュースの記事なのですが、朝鮮半島情勢に関し「踏み込んだ意見交換を行い、南北が平和的に共存し、共に成長する『戦う必要のない平和な朝鮮半島』を構築するという韓国政府の立場を説明した」と書かれていますが、結局のところは現状維持で何も変わっていません。
また次に時事通信の記事を読むと
故郷相互訪問で関係アピール 日韓首脳、歴史問題は封印―米中ロ朝「リスク」共有
時事通信 2026年05月20日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026051901067&g=pol
(一部抜粋)
◇安保協力深化難しく
両首脳が関係改善を急ぐのは両国が「地政学リスク」を共有しているためだ。覇権主義的な動きを強める中国、核・ミサイル開発を進める北朝鮮、両国と連携するロシアなど、東アジアの安保環境は厳しい。日韓両国にとっては米国を含めた日米韓の連携がカギとなるが、米国第一主義を掲げるトランプ米大統領の外交姿勢は揺れている。
首相は13~15日の米中首脳会談についてトランプ氏から北京出発直後に電話で報告を受けたが、会談時間は約15分。米韓首脳の電話が実現したのは17日だった。両首脳は共同記者発表で、日米韓3カ国による「連携の重要性」を強調した。
もっとも、日韓間には温度差もある。日本側は安保協力深化に向け、韓国との物品役務相互提供協定(ACSA)締結を目指すが、韓国側は慎重姿勢を崩していない。植民地支配の歴史を踏まえ、大統領の支持層が自衛隊と韓国軍の連携強化に反発していることが背景にあるとされる。
連携があまりうまくいっていない理由として、「植民地支配の歴史を踏まえ、大統領の支持層が自衛隊と韓国軍の連携強化に反発していることが背景にあるとされる」と書かれており、歴史問題で相違がある事が原因としています。
2:実際の原因
実際問題として、例えば次にあるように
韓国野党代表「韓日首脳会談は極端な親日…通貨スワップ拡大延長など成果を出すべき」
ⓒ 中央日報日本語版2026.05.19 11:07
https://japanese.joins.com/JArticle/349276
韓国野党「国民の力」の張東赫(チャン・ドンヒョク)代表が19日に開催される韓日首脳会談について「韓日首脳会談が『選挙用写真撮影』になってはいけない」と強調した。
(中略)
張代表は「あす高市首相が安東(アンドン)を訪れる。高市氏は日本の政界でも代表的な右派」とし「先月も靖国神社に供物を奉納した。先月の『昭和100年』記念式典でも立場は明確だった。過去の日本の首相らが形式的にでも入れてきた『反省』や『お詫び』という表現も口にしなかった」と指摘した。
続いて「今年、日本政府は『竹島(独島の日本名)は日本の領土』と記載し、『強制動員』を『募集』と記述した高校の教科書を検定で合格させた」とし「過去の李在明(イ・ジェミョン)の主張によると、高市氏と向き合って座ること自体が『極端な親日』」と主張した。
また「保守政権が韓日首脳会談を行うたびに強硬な要求をし、少しでも自分たちの意に沿わなければ『朝貢外交』だと攻撃してきた」とし「それなのに本人は日本に行って楽しそうにドラムまで叩いてきた。過去の問題や独島はテーブルに載せなかった。福島処理水への抗議どころか、福島産水産物の輸入まで議論した」と批判した。
(中略)
その一方で、張代表は「いずれにしても首脳会談を行うことにしただけに、国益だけはしっかりと確保しなければいけない」とし、エネルギー・サプライチェーン協力の拡大、韓日通貨スワップの拡大・延長、北朝鮮の核に対抗する韓日安全保障協力の強化、韓米日安全保障協力の拡大などの成果を引き出すべきだと提示した。
韓国最大野党「国民の力」が「今年、日本政府は『竹島(独島の日本名)は日本の領土』と記載し、『強制動員』を『募集』と記述した高校の教科書を検定で合格させた」と主張しており、そもそも韓国側に歩み寄る意思自体がありません。
実際、韓国側でこの「国民の力」の要求が通り解決に向かうと考えている人がどれだけいるか分かりませんが、野党は同時に「北朝鮮の核に対抗する韓日安全保障協力の強化、韓米日安全保障協力の拡大」なども主張していることから、安保協力を阻む主な要因ではなさそうだ、と分かります。
ではなぜ安保協力ができないかといえば、その主な原因は次にあるように
韓日首脳会談「エネルギー協力、原油スワップを推進」
朝鮮日報 2026/05/20
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2026/05/20/2026052080022.html
(前略)
対北朝鮮・対外政策における温度差が感じられる場面もあった。李大統領は記者会見で「戦う必要のない平和な韓半島」の構築を強調し、北朝鮮の核問題や北朝鮮による拉致被害者問題などには言及しなかった。それに対し、高市首相は北朝鮮の核・ミサイル問題を直接取り上げ、「日本人拉致問題の即時解決に向けた李大統領の支持に改めて感謝する」とも述べた。
李大統領は「北東アジアの経済・安全保障など様々な側面で互いに密接に連携しているだけに、域内の真の平和と安定のためには、韓中日3カ国が互いに尊重し、協力し、共通の利益を模索することが重要だと強調した」と述べた。しかし、高市首相は中国への言及なしに「自由で開かれたインド太平洋の実現」「インド太平洋地域の平和・安定の促進」に言及した。
こちらの朝鮮日報の記事を読むと、高市総理は北朝鮮の諸問題に触れましたが、李大統領は「北朝鮮の核問題や北朝鮮による拉致被害者問題などには言及しなかった」と書かれています。
また、李大統領は「韓中日3カ国が互いに尊重し、協力し、共通の利益を模索することが重要だ」とも発言していることから、韓国側が日本との安保協力に消極的なのは、この2国が主な原因と分かります。
そして次に、インド太平洋の政治・外交・安全保障などを扱っているアメリカメディアのザ・ディプロマットの記事を読むと
第3回李高市サミットの議題は何ですか?
The Diplomat(英語) May 19, 2026
https://thediplomat.com/2026/05/whats-on-the-agenda-for-the-3rd-lee-takaichi-summit/
(一部抜粋)
李氏と高市氏の3回目の会談で浮上する可能性のあるもう一つの議題は、二国間調達相互支援協定(ACSA)の可能性である。2026年5月7日、韓国と日本の外務省と防衛省による初の次官級「2+2」対話において、両国は軍事ロジスティクスの交換と支援のためのメカニズムを確立する可能性について協議した。
しかし、韓国国防省の代表は会談の中で、ソウルは現時点で東京とそのような協定を結ぶ意図はないと即座に表明した。懸念の主な理由は、ACSA(米韓安全保障協力協定)が緊急事態における朝鮮半島での日本の自衛隊の駐留拡大につながる可能性や、日本との過剰な軍事・安全保障上の連携が北朝鮮と中国双方からの反発を招く恐れがあることにある。
しかしながら、ACSA問題は、東アジアと中東の戦略的な海上航路が依然として混乱の危機に晒されている現状において、サミットの議題として重要な位置を占める可能性は依然として高い。加えて、トランプ大統領が習近平国家主席との会談で北朝鮮の核問題にほとんど注意を払わなかったこと、そして台湾に関する曖昧な発言は、東京とソウル双方において、地域における潜在的な危機への対応における連携と相互支援の強化の必要性に対する懸念を高めている。
この意味で、ACSAは単なる軍事ロジスティクスに関する技術的な合意にとどまらず、日韓間の戦略的信頼と作戦上の連携のレベルをも反映している。ACSAは、韓国国内で反日感情を引き起こす可能性があり、また、東京とソウルの関係を象徴的な協力からより実質的な安全保障協力へと転換させる転換点となる可能性もあるため、今日の二国間関係において最もデリケートな問題の一つとみなされている。
日本との安保連携に韓国が消極的な理由として「朝鮮半島での日本の自衛隊の駐留拡大につながる可能性」と同時に、「日本との過剰な軍事・安全保障上の連携が北朝鮮と中国双方からの反発を招く恐れがあることにある」と書かれています。
そもそも自衛隊が韓国に駐留する必然性がほぼないうえに、(もし)駐留があるとすれば、(地理的な)可能性としてはフィリピンの方が最もあり得ること、歴史問題があっても安保連携を望む声が韓国内にある事などを考えると、やはり韓国側が消極的な主な原因は中国と北朝鮮の顔色をうかがっている事にある可能性が高いです。
※そもそも自衛隊が外国に一時展開・駐留するようなケースは、近年の日比VFA(訪問部隊協定)の動きや共同訓練を見ても分かる通り、南シナ海に面したフィリピンなどの方が現実的です。それに比べれば、韓国に自衛隊が駐留する必然性はほぼありません。
3:アメリカともトラブル
そして、こう考えるのには他にも理由があり、最近韓国はアメリカとの関係がうまくいっていないことも挙げられます。
例えば次を読むと
米国と太平洋同盟諸国の軍事情報協力体制スタート…日・豪・比など参加、韓国は含まれず
朝鮮日報 2026/05/18
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2026/05/18/2026051880015.html
日本・オーストラリア・フィリピンなど6カ国が参加
このほど終了した米国・フィリピン主導の多国籍軍事演習「バリカタン」で、米国・日本・フィリピン・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの軍事協力体制「米インド太平洋軍(USINDOPACOM)ミッション・ネットワーク(IMN)」が初めて実戦運用された。米国が太平洋地域の軍事同盟国をまとめる新たな協力体制を打ち出したものだが、韓国はその対象に含まれていない。
米軍事メディア「海軍ニュース」と「インド太平洋防衛フォーラム」が17日に報じたところによると、こうした事実は、サミュエル・パパロ米インド太平洋軍司令官が先日のバリカタン演習閉会式で演説した際に公表したものだという。パパロ司令官は「今回の演習でオーストラリア・カナダ・日本・ニュージーランド・フィリピンと米国の部隊を一つに連動させるIMNが稼働した」「いかなる危機にも対応できるよう、信頼と相互運用性を構築した」と語ったとのことだ。
IMNは、在韓米軍・在日米軍などを管轄する米インド太平洋軍が2022年から構想し、具体化させた協力体制だ。米国が同盟国との統合作戦を円滑に遂行できるよう、軍事作戦データと戦場情報を安全に共有することが骨子だ。今回のバリカタン演習は、米軍情報ネットワークが深刻な侵害を受けた状況に対処することを方針として実施されたと言われている。フィリピン軍司令部がある首都マニラ近郊のアギナルド基地にIMNを運用するための連合指揮センターが設置された。
(後略)
「米国・日本・フィリピン・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの軍事協力体制「米インド太平洋軍(USINDOPACOM)ミッション・ネットワーク(IMN)」が初めて実戦運用された」と書かれているのですが、ここに韓国の名前はありません。
目的として「米国が同盟国との統合作戦を円滑に遂行できるよう、軍事作戦データと戦場情報を安全に共有することが骨子だ」と書かれているのですが、その枠の中に韓国は入っておらず、中国や北朝鮮の顔色をうかがっている事が影響しているのはほぼ確実です。
また次を読むと
【社説】北核の失踪と「イラン戦争圧力」、韓米同盟亀裂の現住所
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2026.05.13 11:44
https://japanese.joins.com/JArticle/349029
(前略)
外交現場における「韓国疎外」の兆しも感知されている。ベッセント米財務長官は昨日、日本で高市早苗首相や財務相、経済産業相と相次いで会談して為替協力を約束し、エネルギーと鉱物資源のサプライチェーン問題を議論した。今日ソウルでは中国の何立峰副首相と会談する。李在明(イ・ジェミョン)大統領を表敬訪問する予定というが、訪韓した米国の経済トップが具潤哲(ク・ユンチョル)経済副首相など韓国側のパートナーと別途の会談を行わないのは極めて異例だ。これは外交的非礼を越え、韓国の戦略的価値が後回しにされている傍証としても解釈可能だ。あす行われる米中首脳会談で韓国側の立場が反映されないまま北核問題が適当に妥協されたり、米国と北朝鮮が電撃的に接触する事態が生じたりしないか懸念されるほどだ。
現在の韓米同盟の亀裂は決して正常なものではない。初期に正さなければ、不確実な国際情勢の中で我々が支払う代償はさらに増えるだろう。政府の冷静な状況認識と実質的な外交能力発揮が強く求められる。
ベッセント米財務長官が訪日し高市総理らと会談、「為替協力を約束し、エネルギーと鉱物資源のサプライチェーン問題を議論した」と書かれており、また訪韓後は「中国の何立峰副首相と会談する」と書かれています。
そして、当の韓国とは十分な協議が行われていないと書かれており、「外交現場における「韓国疎外」の兆しも感知されている」と問題視しています。
また次にあるように
トランプ政権1期目の韓米国防長官会談「惨事」の記憶
東亜日報 May. 20, 2026
https://www.donga.com/jp/article/all/20260520/6234028/1
韓米国防長官が2020年10月、ワシントンで対面した安全保障協議会(SCM)は、両国同盟史上「惨事」と呼べるものだった。結果だけ見ても、それまでの共同声明に毎回明記されていた「在韓米軍の規模維持」の文言が消えた。報道陣に公開された会談の雰囲気も険悪だった。徐旭(ソ・ウク)国防部長官(当時)が戦時作戦統制権(戦作権)の早期移管を強調した直後、エスパー米国防長官(当時)は、移管条件の充足には時間がかかると反論した。
特に、両長官の共同記者会見が開催3時間半前に突然取り消された。韓米両国は理由を説明しなかった。その内幕は2年後、エスパー氏の回顧録を通じて明らかになった。
(中略)
李在明(イ・ジェミョン)政権の出発は文政権とは異なった。李氏が訪米前に日本を先に訪問するなど、韓米日安全保障協力を前面に掲げた実用外交は、米国の政界を安心させた。だがその後、非武装地帯(DMZ)の出入り統制権を巡る衝突や、韓米機密漏洩問題に伴う米国の情報共有制限まで、同盟はたびたび軋轢を露呈した。損得勘定で同盟を扱うトランプ氏への対応は重荷だが、だからといって米国と距離を置けないのも厳然たる現実だ。
こうした時こそ、同盟の不協和音を決定的な亀裂へ広げないよう細心に管理する「ワンチーム」精神が必要だ。しかし現政権は内部から足並みを乱し、逆方向へ向かっている。機密漏洩問題の当事者である鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官が、誰かがその事実を公表した意図を疑うと発言したこと自体、外交・安全保障ライン内部で自主派だの同盟派だのと反目している実態を露呈した。
さらに外交と通商が別々に動いているかのような様相まで見せている。李氏は最近の閣議で、金正官(キム・ジョングァン)産業通商資源部長官に対し、米国と協議する前に国家安全保障室や外交部と内容を共有するよう求め、もっと仲良くするよう指示した。対米投資交渉という同盟の敏感な懸案に臨む局面ですら、省庁間で主導権争いをしていたことを意味する。同盟の異常気流を鎮めるため総力戦を展開しても足りない状況だ。警告音を放置してはならない。
記事では、現在のアメリカとの同盟が内部対立や政策不一致によって不安定化しており、同盟関係を安定化させるためにも「2020年の韓米国防長官会談の失敗」を繰り返してはならないと警告しています。
過去、文政権がトランプ政権と深刻な対立関係にあったことが、エスパー元米国防長官の回顧録で指摘されており、同じようなことがまた起きてはならないと指摘しています。
文政権の場合も、同じように中国や北朝鮮の顔色をうかがい、アメリカとの間に溝を作ったわけですが、今回引用した事例のように、李政権ではそれ以上に亀裂が大きくなっているのです。
こうしたことから、今回の日韓首脳会談で当たり障りのない事しか話し合われなかったのも、結局のところ中国や北朝鮮の顔色をうかがう韓国が、踏み込んだ話を嫌った結果であり、それを誤魔化すために歴史問題を持ち出しているというわけです。
結局のところ、韓国側が変わらない限り何も先には進まないわけです。
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