さて、本日は現在韓国で起きている様々な騒動の原因とその背景について、分かっている範囲で書いていきます。
また、この件について最初に注意書きがあります。
「一方が間違っているからと、もう一方が正しいとは限らない」という事を頭の片隅に置いておいてください。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブログ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
現在韓国では尹大統領支持者が暴走し、デモや座り込みをするだけでなく、裁判所への襲撃まで行ったが、その背景には尹大統領の間接的な扇動があった。また不正選挙の件にしても、最終的に論点をすり替えて誤魔化すという状態になっている。
ただし、ここまで暴走したのには他にも原因があり、尹大統領を捜査している公捜処(高位公職者犯罪捜査処)が、「共に民主党」代表の李在明氏の件とは二重基準的な態度をとっているうえに、文前大統領の疑惑に関しても裁判所も含めまるで捜査しないことなどへの不満が募っているという経緯がある。
その原因として、文政権時代に創設された公捜処は、その創設過程からして当時の政権与党「共に民主党」を守る意図がある組織だったうえに、当時裁判所に「共に民主党」と思想的に近しい集団が多数中枢入りしたことなどが関係している。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
以下から本文
1:尹大統領の暴走
まずはこちらから
【社説】過激ユーチューバーと無責任な政治家が西部地裁暴動事態を招いた=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.01.21 15:37
https://japanese.joins.com/JArticle/328910
ソウル西部地裁襲撃事件、過激派ユーチューバーが尹大統領支持者らを扇動か
韓国警察「関連を捜査」
朝鮮日報 2025/01/20
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/01/20/2025012080034.html
記事にもあるように、裁判所襲撃後も尹大統領支持者(必ずしも「国民の力」支持者とは限らない点に注意)達が暴走しており、更に便乗したユーチューバーが事態を煽り、状況を悪化させているうえに、それを一部の政治家が扇動するという事態になっています。
こうした扇動者の中には、記事にもあるような「極右ユーチューバー」だけでなく、記者で野党系ユーチューバーの金於俊なども含まれます。
参考記事
韓国与党代表の射殺計画? ユーチューバーが「情報受けた」と証言
聯合ニュース 2024.12.13
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20241213004100882
韓国国会で参考人・金於俊氏が「韓東勲代表射殺計画」主張、与党「事実でなければ共に民主党と崔ミン姫委員長は責任取れ」
朝鮮日報 2024/12/14
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/12/14/2024121480017.html
ただ、尹大統領支持者の暴走には以下にあるように
尹大統領が官邸前の弾劾反対派デモ隊に手紙「今の大韓民国は危険です」「皆さんと共に国を守るため最後まで戦います」
朝鮮日報 2025/01/02
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/01/02/2025010280012.html
「正々堂々と捜査を受ける」と言った尹大統領が「官邸籠城」、与党も「自ら出頭すべき」
東亜日報 January. 04, 2025
https://www.donga.com/jp/article/all/20250104/5381275/1
尹大統領自身が、支持者達を「手紙」等でけしかけ、官邸前に集まる支持者を増やし対立を激化させたという背景があり、今回の裁判所乱入の件も、尹大統領の言動に間接的とはいえ責任があるという背景もあります。
さらに問題なのが次で
「不正選挙の証拠あまりにも多い」と言っていた尹大統領、今になって「ファクトチェックの見地から」【1月22日付社説】
朝鮮日報 2025/01/22
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/01/22/2025012280029.html
記事にもあるように、尹大統領は当初から「不正選挙の証拠はあまりにも多い」「選管のでたらめなシステムも全て明らかになった」と、不正選挙が存在したという前提で戒厳令の動機を説明していたにも関わらず、いざ裁判になると「非常戒厳宣布前、選挙の公正性に対する信頼に疑問を抱くことがいろいろとあった」「選挙が全て不正なので信じられないという陰謀論を提起しているのではなく、ファクトチェック(事実確認)をしようという見地だ」と言い出しています。
つまり、「証拠がある」から「疑惑があるから検証する」に論点が変わっているという事で、こうした論点のすり替えは韓国関連でよく見かける手法です。
そして問題は、元々尹大統領自身が総選挙関連での「口利き」に関与していた疑惑がある上に、大統領夫人には上記以外に株価の不正操作に関与していた疑惑があり、戒厳令の動機として「野党による弾劾連発による国政停止」問題以外に、自身の疑惑を有耶無耶にする目的があったのではないかという疑惑が強まったという事です。
関連記事
韓国での戒厳令について
https://oogchib.hateblo.jp/entry/2024/12/05/020324
【ゆっくり解説】韓国での戒厳令について part1/2
https://oogchib.hateblo.jp/entry/2024/12/08/210000
【ゆっくり解説】韓国での戒厳令について part2/2
https://oogchib.hateblo.jp/entry/2024/12/11/210000
2:野党に関連した問題
そして今回の件では騒動が拡大した原因に、尹大統領を捜査している公捜処(高位公職者犯罪捜査処)や裁判所の問題もあります。
次を見てもらうと
「野党代表」という理由で李在明・曺国を逮捕しなかったのに「現職大統領」尹錫悦に逮捕状を発付した司法【1月20日付社説】
朝鮮日報 2025/01/20
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/01/20/2025012080018.html
最近収監された祖国革新党の曺国(チョ・グク)元代表の場合、国会議員になる前から実刑判決を受けていたにも関わらず、法廷拘束されなかったため選挙に出馬し議員に当選でき、「共に民主党」の李在明現代表は、複数の疑惑で起訴され令状も出たにもかかわらず、」「政党の現職代表として公職監視と批判の対象となる点を勘案した」等の理由で拘束しなかったにもかかわらず、尹大統領は「証拠隠滅の可能性がある」として拘束されており、二重基準的な態度が問題視されています。
また次のように
殺害された公務員が北朝鮮で逮捕された直後、韓国軍が最初にしたこと
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.12.07 16:05
https://japanese.joins.com/JArticle/298541
2020年に漁業指導船の船員が海に転落し漂流、北朝鮮の兵士に捕まり射殺された事件では、「(転落した)イ氏が北の軍に逮捕された事実を把握すると、『越北』フレームをかぶせて有利な証拠を確保しようとして、文在寅の国家安保室と軍が指示する権限もない漁業指導船にライフジャケット全数調査をさせた」という疑惑が持ち上がっています。
文政権は何とかして事故ではなく「自ら北に向かった」という事にして北朝鮮の機嫌を取ろうとしたという疑惑が出ているという事になるわけですが、公捜処も裁判所もこの件でほとんど動いておらず、この件も与党系などから批判を受けています。
また公捜処に関しては次にあるように
「書信のやりとり禁止は反人権的行為」 尹大統領側、高位公職者犯罪捜査処の捜査手法に反発
朝鮮日報 2025/01/22
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/01/22/2025012280100.html
どうやら尹大統領の弁護士から「証拠隠滅の恐れがあるという確定的な証拠もないのに書信のやりとりを禁止するのは反人権的行為に当たる」「接見が続いていたのに妨害された」と批判しており、どうやら公捜処が自分達の権限を越える措置をしている疑惑が出てきています。
こうした公捜処による本来の権限を越えた行いも、尹大統領支持者や与党関係者の司法への不信感や批判に繋がっています。
尹大統領を巡る措置にも様々な問題があるようです。
尹大統領支持者達の暴走には、元々韓国に存在していた男女対立が再燃し、与野党の対立が激化し始めたという背景も関係しているようですが、今回引用したような二重基準的な態度が特に影響を与えているようです。
3:公捜処と司法に問題
ではなぜこんな事になっているかというと
とうとう検察・警察の上に君臨する捜査機関登場
朝鮮日報 2019/12/31
https://web.archive.org/web/20191231024218/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/12/31/2019123180015.html
関連記事
「検察改革する」と言いながら検察より強い怪物作った=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.12.31 10:03
https://japanese.joins.com/JArticle/261041
公捜処が設立した直後の2019年の記事なのですが、どうも制度上は状況次第で公捜処が検察などよりも強い権限をもつ仕組みになっているうえに、「大統領が人事権を握った公捜処が民主社会のための弁護士会(民弁)出身者中心の与党寄りの捜査機関になり、検察や警察を統制する絶対的な権力を行使するのではないかとする懸念が高まっている」と批判しています。
つまり、文政権時代に「共に民主党」の息のかかった人物で公捜処の人事が固められているという懸念が出ていたのです。
そしてこの流れが現在まで続いているため、公捜処が「共に民主党」の私設捜査機関のようになっている可能性があり、そのため野党代表と尹大統領とで扱いがまるで違うという状況になっているのではないかという事です。
また他にも次のように
韓国・文政権で発足の捜査機関、記者や野党議員らの個人情報を収集
朝日新聞 2021年12月30日
https://www.asahi.com/articles/ASPDY756ZPDYUHBI01D.html
2021年に発覚した問題ですが、公捜処が本来自分達の管轄外であるはずの「韓国の報道機関などの約120人の記者を対象に、通信会社に住民登録番号や住所などを照会していた」事が判明し、問題化しています。
また「裁判官や検事、弁護士らで構成する刑事訴訟法学会の会員約20人も対象になった」としており、この20人は文政権の進める「学会は検察改革に反対してきた」と書かれており、どうも文政権に都合の悪い人々を、公捜処が自分達の権限を越えて「調査」していたようなのです。
つまり、元々公捜処は「共に民主党」という政党が実質的な人事権を持つ組織であり、党に批判的な人物を調べ上げるという越権行為を以前から平然とやっていた事になります。
また次にあるように
ソウル西部地裁乱入事件 韓国司法府が考えるべきこと【1月21日付社説】
朝鮮日報 2025/01/21
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/01/21/2025012180019.html
[社説]朴時煥最高裁判事は「ウリ法研究会」の解散を先導すべきだ
東亜日報 January. 29, 2010
https://www.donga.com/jp/article/all/20100129/310230/1
祖国革新党の曺国元代表や、元正義記憶連帯代表理事の尹美香元議員の裁判の判決までが異様に長かった背景として、ウリ法研究会という組織の人間が、文政権時代に韓国司法の中枢に大量に入り込んだことが原因と指摘されています。
現在の尹大統領と「共に民主党」の李在明代表や祖国革新党の曺国元代表との扱いに違いが出る件にもこのことが関わっているようです。
更には、この「ウリ法研究会」というところは、「ここ(韓国)が米国の53番目の州にでもあるのか…」「親日派の独裁により、富と権力を手にしている彼ら、そしてそれを世襲した連中は、血の付いた手を開こうとせず…」といった、「共に民主党」が昨年末に提出した最初の尹大統領の弾劾理由に書かれた内容と酷似した、極めてイデオロギー的な主張をする裁判所内組織だったことが分かります。
こうした事は、現在の韓国でも与党系や尹大統領支持者の間で問題視されており、こうした「法の下の平等」が成り立っていない状況が、尹大統領支持者達を過激な方向に向かわせたという背景もあるわけです。
ただし、「国民情緒法」のある韓国では、これ以前から「政権についた側による司法への介入」は日常的に行われていたという背景があり、元から司法に信用が無かったという経緯もありますが。
※国民情緒法
韓国では根拠や客観性よりも感情(情緒)が何より優先されるため、法や約束よりも「その時の感情」が上位に来る場合が多く、またこの「情緒」を全ての人が「等しく共有しているはず」という前提で話が進むため、この情緒に合わない態度を取ると社会的に迫害を受ける場合がある。
そのため韓国では裁判所などが法や憲法を無視した判決をする場合があり、それを韓国人自身が皮肉った言葉。記事
非常に厄介な韓国人の国民情緒・民族情緒 - 日韓問題(初心者向け)
動画
【日韓問題】韓国の国民情緒法
【日韓問題】韓国の国民情緒法 - ニコニコ動画
- YouTube参考記事
国と国の約束覆す判決 韓国「国民情緒法」が与える打撃
朝日新聞 2018年10月31日
https://megalodon.jp/2018-1031-2107-12/https://www.asahi.com:443/articles/ASLBZ63TXLBZUHBI02W.html
法より感情を優先の韓国社会 「国民情緒法」の末に朴槿恵前大統領恩赦
Forbes 2021.12.26
https://forbesjapan.com/articles/detail/45158
もしよかったらクリックをお願いします
blog.with2.netお知らせ。
転載について
・個人の利用であれば、一般的に「引用」とされる範囲での転載は自由にしてもらってかまいません、報告も必要ありません。
・企業・団体等が「転載」する場合は私の方へ事前連絡いただき、許可を取ってから行ってください。
・イデオロギー色の強い団体等に関しては、理由の如何に関わらず「転載は原則禁止」とさせていただきます。
以下は当ブロマガのお勧め記事です、もしよかったらこちらもどうぞ。
韓国人が日本人から嫌われる根本的原因 - 日韓問題(初心者向け)
【韓国起源説】日本人の反論は韓国人に通じない - 日韓問題(初心者向け)
日本人と韓国人とでは「約束・契約」の概念が全く違う - 日韓問題(初心者向け)
日韓問題(初心者向け)の方針について色々 - 日韓問題(初心者向け)
【河野談話】韓国政府が自爆しました - 日韓問題(初心者向け)
フランスのJapan Expoから韓国がいなくならない原因 - 日韓問題(初心者向け)
「Japan Expoに寄生しないで独自のコリアエキスポやればいいのに」→過去にやった事があります - 日韓問題(初心者向け)
韓国人の差別意識の特徴とタイの嫌韓 - 日韓問題(初心者向け)
嫌韓の出発点、2002年日韓共催ワールドカップで何が起きたのか - 日韓問題(初心者向け)
嫌韓を「排外主義者=ネトウヨ」と考える人達に対する考察をしてみた - 日韓問題(初心者向け)
「韓国に対して謝罪すれば解決する」は大きな間違い - 日韓問題(初心者向け)
韓国では異論が徹底的に排除される - 日韓問題(初心者向け)
日韓問題基礎知識簡易版まとめ 前編 - 日韓問題(初心者向け)
日韓問題基礎知識簡易版まとめ 後編 - 日韓問題(初心者向け)
韓国社会では「記憶の改変」が起きているわけではない? - 日韓問題(初心者向け)
【再現】2002年日韓ワールドカップ Public Viewing in 国立競技場 - 日韓問題(初心者向け)
動画版マイリスト
番外編マイリスト