日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

マスコミが伝えない韓国


さて、本日の内容なのですが、厳密には「そのもの」ではないですが、この記事の前半分に類似した内容は日経新聞産経新聞が記事にはしています、その点だけご注意ください。


初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由

注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


現在国際社会では北朝鮮の核問題と共に人権問題も話題に挙がっており、複数の人権団体が状況の改善を訴え、また日本やアメリカなども問題を取り扱っているが、韓国の文政権だけは逆にこの問題を無かった事にしようとしている。


またこれに関連し、現在の韓国では脱北者や支援団体などへの圧力が露骨に行われている上に、文政権は自分達の意に沿わない相手を権力を使って露骨に弾圧するため、実質政権に対して意見を言えるところが殆ど存在しない。


更に、この動きには北朝鮮が「人権問題を無かった事にしたい」という意図が関わっているが、韓国の文政権以外にも日本のメディアにも「北朝鮮の意を汲んでいるメディア」が存在しており、同じように北朝鮮の人権問題の打ち消しを狙っている。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:北朝鮮の人権問題


まず最初に少々この件についての予備知識を書いておくと、知っている人は知っている事ですが、ここ最近北朝鮮の核問題に隠れて日本ではあまり問題にされていませんが、「北朝鮮との交渉で人権問題を取り上げて欲しい」という訴えが、多数の人権団体から出てきています。


脱北者が記者会見 「北朝鮮に人権問題解決を要求して」 トランプ氏に呼び掛け AFP 2018年10月10日


しかし北朝鮮としては、核交渉を材料に経済制裁を中止させ経済支援を得る、さらに韓国の軍事的脅威を取り払うという意図があるため、人権問題のように北朝鮮が一方的に不利になる材料には触れて欲しくなく、可能な限り「無かった事にしようと」振舞っています。


これが現在の情勢なのですが、そのうえでこちらの記事を

【寄稿】文政権が静かに支持する北朝鮮の残虐性
ウォールストリートジャーナル 2018年10月3日
https://jp.wsj.com/articles/SB10174653378051494177104584507051824472122

韓国・文大統領の英語の声明は聞こえがいい、だが自国語で話す言葉は降伏に近い

――筆者のグレッグ・スカラトー氏は、米民間団体「北朝鮮人権委員会(HRNK)」の事務総長

***

 ドナルド・トランプ米大統領北朝鮮金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長は6月に首脳会談を行って以来、英語で一連の声明を出してきた。韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領もそこに一枚加わってきた。非核化や北朝鮮市民の生活向上への希望を抱かせる曖昧な言葉をちりばめてだ。しかし、文氏が自国語で語るのは別の物語だ。

 文氏が9月に北朝鮮で行った演説を考えてみよう。9月18日の夕食会では、文氏は「平壌の発展に心から驚いている」と語った。この「発展」が北朝鮮市民にいかなる好影響を与えたかについては言及しなかった。平壌の外では、北朝鮮国民は苦しんでいる。政権が核弾頭やミサイル、そして幹部らを満足させておくためのぜいたく品に国の資源を集中させるなか、北朝鮮の子供の3分の1は栄養失調に陥っている。

 演説で文氏は、南北間の協力が「大陸を通じてロシアや欧州にまで、海を通じてASEAN東南アジア諸国連合)諸国やインドにまで広がる」可能性があると期待感を示した一方で、米国には触れなかった。また正恩氏に対し、もし2人が「頭と心を一つにすれば」、「南北朝鮮の軍事、経済、社会、文化」を発展させる道が見つかるはずだと述べた。ただ、総兵力120万人の北朝鮮軍の約80%は前方展開されたままで、今も変わらず攻撃態勢にある。北朝鮮の長距離砲は開城(ケソン)近くに配備され、いつでも韓国を攻撃する用意ができている。

 文氏はまた、正恩氏との最初の対面で2人が軍事境界線をまたいだ時は「互いに手を取り、愛情あふれた恋人同士のよう」だったと振り返った。それは結構なことだが、それ以降、正恩氏は隣国への脅威を減らすことは何もしていない。そして正恩氏は今も、悪名高い政治犯収容所で10万人を超える男女や子供への虐待を続けている。

 夕食会の翌日、文氏はマスゲームに集まった北朝鮮の多くの「核心階層」を前に演説した。同氏は正恩氏の言い回しをそのまま使い、「核兵器と核の脅威のない」朝鮮半島に向けて共同の取り組みを進めると強調した。実際のところ、韓国には1991年から核は配備されていない。核兵器を放棄しなくてはならないのは北朝鮮だ。正恩氏にとって「朝鮮半島全体」の非核化とは、韓国が米国の核の傘から外れることを意味する。文氏は実質的に、米韓同盟を終わらせるという正恩氏の目標への支持を表明した格好だ。

 文氏はさらに、北朝鮮の同胞らが築こうとする国の様子を目にして、胸が「熱くなり、鼓動が高鳴った」と述べた。同氏は、困難な時期にも「民族の誇り」を失わない北朝鮮市民への称賛を口にした。たぶん1990年代の飢饉(ききん)を指すのだろう。真実はこうだ。同盟関係にある共産主義諸国から北朝鮮に届けられる生活支援物資が90年代には途絶えた。それでも政権は国を改革しなかった。わずかに入手した貴重な資源は全て、軍と政治エリート層に分け与えた。北朝鮮の階層制度である「成分」で身分の低い人々は、飢えを余儀なくされ、食料や医薬品など必要な物資を入手するルートが断たれた。政権は米国を非難したうえ、この試練の中にあっても「苦難の行軍」を通じ、民族の誇りを保ち続けよと国民に告げた。文氏の言葉は、この偽りの物語を支持するものだ。

 文氏は両指導者が民族自決による南北統一を目指す「自主の原則」で合意したと述べた。この原則は、北朝鮮の自主独立路線を表す「主体(チュチェ)思想」に由来する。この言葉を韓国・朝鮮語で検索すると、北朝鮮の政治宣伝サイトである「我々民族同士(ウリミンジョクキリ)」や「朝鮮中央通信」などが表示される。また「民族自決による南北統一」は部外者、特に米国を排除するものだ。

 文氏の演説のテーマは平和構築のように思える。だが北朝鮮の思想に通じた者からすると、正恩氏が主導する全体主義の正当性を証明するのはチュチェ思想であると、暗黙のうちに認めている。これは北朝鮮の思想やそれに付随する全てのものへの支持表明であり、そこには核兵器も含まれる。文氏は演説を通じ、正恩氏の腐敗した恐ろしい統治に正当性を与えた。

 北朝鮮政権が行う国民への抑圧や韓国への脅威に反対することは、韓国を文氏が率いている限りは一段と難しくなっている。文政権は北朝鮮の人権保護団体への資金支援を90%以上カットし、非武装地帯の向こうに風船でビラを飛ばしたり、拡声器で宣伝放送を行ったりすることも中止した。文氏がこの先、正恩氏への温かい称賛をやめ、北朝鮮の悲惨な人権状況を訴えるようになるとは、どうしても想像しがたいのだ。


記事にもあるように、韓国の文政権は平和を謳っているが、実際は北朝鮮の人権問題を無視し弾圧を続ける金正恩体制を肯定していると批判する記事です。


また先月ですがBBCでも以下のような記事が掲載されています。


韓国大統領初、文氏が北朝鮮マスゲームで演説 白頭山にも BBC 2018年09月20日


北朝鮮マスゲームは、北朝鮮内での深刻な児童虐待に繋がっている可能性があるにも関わらず、文大統領は北朝鮮訪問時にそれを賞賛し、北朝鮮プロパガンダを肯定しているとして批判しています。


日本では日経と産経が「北朝鮮の人権問題」が最近国際社会で話題に挙がっている事は記事にしていますが、こうした「北朝鮮の人権問題を無かった事にしようとする動き」に対して、韓国の文大統領が支援するような言動をし、複数の人権団体から批判されている事はほぼ日本のメディアで取り上げられていません。


北朝鮮問題というと核問題が話題になりがちですし、韓国の最近の非常識な態度もそれに関連したものばかり話題になっていますが、実は今回引用した記事にもあるように、この政権は北朝鮮の人権問題があたかも「存在しないかのように」振舞っているため批判されているという面もあるのです。

2:韓国内でも弾圧


更に問題なのが、韓国の文政権は単に北朝鮮の行いを間接的に支援しているというわけではない事です。


例えば以下の事例のように


対北ビラ散布規制、韓国与党議員らが法案提出 朝鮮日報 2018/09/29


韓国では北朝鮮を批判するビラやUSBメモリ、或いは韓国からのラジオ放送を受信するための小型ラジオなどを大型の風船に取り付けて北朝鮮へ送るという活動を、複数の人権団体や脱北者団体などが行っていました。


しかし文政権になると、文大統領はこれを「北朝鮮との交流の邪魔になる」として妨害するようになり、最近とうとう記事にある「対北ビラ散布禁止法」まで成立させようとし始めたのです。


他にも最近判明した事として、韓国の公共放送であるKBSが長年行ってきた北朝鮮向けラジオ放送の出力が、何の報告もなしにいきなり下げられたりしています。
(※現在のKBSトップは文政権の意向に沿った人物に変更されています)


北朝鮮向けラジオ放送、KBSが無断で出力を縮小 朝鮮日報 2018/10/09


また、先月のことですが文政権は複数の北朝鮮問題を扱う人権団体から「韓国政府は北朝鮮の人権問題から目を背けているだけでなく、脱北者による人権関連の活動まで弾圧している」とか「韓国では北朝鮮の人権活動家が検閲や制裁を受けており、活動に必要な予算が削減されるなど、ほとんど声を出せない状況が続いている。これは非常に遺憾なことだ」といった批判を受けているのです。


北の人権問題から目を背ける韓国政府に不満を示す米国の人権団体 朝鮮日報 2018/10/03 (1/2ページ) (2/2ページ


他にも、「文在寅ムン・ジェイン)政権は北朝鮮人権団体に対する資金援助の90%以上を減らし、非武装地帯では北朝鮮に対する宣伝放送を中止させ、北朝鮮に送られるUSBメモリーの内容を検閲している」といったように、とにかく北に不利になる事を文政権が徹底して弾圧しているため、そのことが現在国際問題になっています。


ここまで読んでもらえれば解るでしょうが、元々「北朝鮮の人権問題」だったものが、現在は「韓国政府による弾圧問題」まで加わっており、単純な北朝鮮の人権問題というわけではなくなってきているのです。


現在韓国は「北朝鮮の人権問題で批判する側」ではなく、「北朝鮮と一緒に人権問題で批判される側になっている」わけです。
これが日本のテレビや新聞などでは殆ど伝えられない北朝鮮と韓国を取り巻く世界情勢です。


3:日本での問題


このように、現在韓国は「北朝鮮の人権問題を無視する」というところを突き抜け、「北朝鮮に不利な活動を積極的に妨害する」というところまで来ているわけですが、この問題は日本も無関係ではありません。


なぜかというと、この「北朝鮮の人権問題を有耶無耶にするための活動」を日本で行っている人々がいるからです。


この事を説明するためには、北朝鮮の人権問題の一つである「日本人拉致問題」についてと、北朝鮮慰安婦問題の関係についての背景を知っておいてもらわないといけません。


過去記事でも何度か言及していますが、北朝鮮はかなり古くから「慰安婦問題」に関わってきており、最も有名な事例は過去動画でも説明した以下の件です。

動画版


動画のテキスト版
http://ch.nicovideo.jp/ooguchib/blomaga/ar1418667


動画で解説したように、2000年代に起きたいわゆる「NHK番組改変問題」に関連し、実はこの件で問題になった「女性国際戦犯法廷」には、北朝鮮の黄虎男という政府高官(2006年の北朝鮮制裁決議で国連安保理から工作員認定された人物)が検事役として「身分を隠して」参加していました。


要するに、この模擬裁判は北朝鮮政府のコントロール下にあったという事なのですが、なぜ彼らがこんな事をしていたかといえば、それは「北朝鮮に向けられた」拉致という人権問題を、「慰安婦問題」で打ち消すためです。


慰安婦問題で人権を無視している日本に拉致問題を持ち出す資格は無い」とやるために、積極的に現在も関わっているわけです。
(※実際2007年頃には、これが原因で拉致問題が国際的に無視される事態になりました。)


南北が慰安婦など日本戦争被害国際大会を開催 ハンギョレ新聞 2018-10-07


そしてこれも過去に動画にしていますが、そもそも日韓の間の慰安婦問題は解決不能です。

動画版


動画のテキスト版
http://ch.nicovideo.jp/ooguchib/blomaga/ar1405818

動画でも解説したように、韓国は慰安婦問題を「日本の政府や軍が公式に軍人や官憲に命じて行った組織的な奴隷狩り」と定義しており、日本に対してその「法的責任を認めるよう」要求しています、しかし上記のような事例が存在しない事は中央大学の吉見義明教授なども認めています。


つまり韓国は「存在しない事の法的責任」を日本政府に求めているから慰安婦問題は拗れに拗れているという背景があるのですが、北朝鮮はこの韓国側の動きを煽りまくっているというわけです。
そうすれば、結果的に韓国が日本人拉致問題や対北朝鮮での連携の足を引っ張る事になるからです。


さて、こうした背景を踏まえたうえで、ハンギョレ新聞と朝日新聞の記事を読んでみてください。
まずはハンギョレ新聞から

ノーベル平和賞のムクウェゲ氏「日本人にも性暴力に立ち向かう責任がある」
ハンギョレ新聞 2018-10-07
http://japan.hani.co.kr/arti/international/31795.html

(一部抜粋)
彼は2016年にソウル平和賞を受賞し韓国を訪問した時も、日本軍「慰安婦」被害者問題に関心を示したことがある。彼は受賞後のマスコミインタビューを通じて「被害者ハルモニ(おばあさん)の証言資料に接し、日本軍“慰安婦”問題を知っている」として「性暴力被害生存者と人間の尊厳を守るために、試練に耐え抜いた方々にこの賞(ソウル平和賞)を捧げる」という所感を伝えた。

今年のノーベル平和賞を受賞した人物が慰安婦問題に言及しているわけですが、これは明らかに韓国の「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(旧挺対協)」が関与しており、この団体も北朝鮮と繋がっています。


そしてこの人物のコメントを読む限り、明らかに「慰安婦問題が拗れている原因」を把握していません。


参考記事
【従軍慰安婦問題】最近の朝日新聞が必死すぎるので突っ込みを入れてみる


これを踏まえた上で以下の朝日の記事を読んでみてください。


(社説)ノーベル平和賞 性暴力の撲滅へ行動を 朝日新聞 2018年10月6日


最近の北朝鮮の人権問題に関連した「”現在進行形の”韓国の人権問題」を一切伝えない朝日が、この件は社説にしているのです。


しかも朝日は、「韓国の望む慰安婦の定義」を批判した韓国の朴裕河教授が裁判で有罪判決を受けた事を「かなり詳しく知っている」ので、韓国が何を望みなぜこの問題が拗れているのかを詳細に知っています。


朝日は、この平和賞受賞者が『日韓で拗れている原因を知らない』ことを知っていることが明らかなのです。


つまり朝日は、問題が「慰安婦の定義」であり、韓国の望むような定義を日本政府が受け入れない事を知りながら、その事を隠しこんな記事を書いているわけですが、その動機は何かが問題です。


あらゆる意味で、この平和賞受賞者のコメントも含め、現状慰安婦問題が拗れる事は北朝鮮にとってタイミング的にも「非常に都合が良い」のです。
朝日のやっている事は大筋で韓国の文政権と何ら違いがありません。



お知らせ。
このニコニコのブロマガの仕様上、コメントが新たにあった事は解るのですが「どの記事にコメントがされたのか」を確認することが困難です。
そこで、もし過去記事に質問等私が何らかの回答を必要とするコメントをされた方は、お手数ですが最新の記事かtwitter@ooguchib」のアカウントのほうへその旨を書いていただけると助かります。



人気ブログランキングに参加中です、もしよかったらクリックをお願いします。


クリックで人気ブログランキングへ


以下は当ブロマガのお勧め記事マイリストです、もしよかったらこちらもどうぞ。




動画版マイリスト



番外編マイリスト