さて、本日なのですがタイトルにある通りです。
突然の事で急遽この記事を書く事にしたので、今回あまりまとまっていません。
ただ、本来書く予定だった記事に関係している部分が多いので、全く準備無しというわけでもないですが。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブロマガ『日韓問題（初心者向け）』を始めた理由
※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブやウェブ魚拓（別サイト）へのリンクです。
１：国内事情？
まずこの件なのですが、多くの人は知っているでしょうが、本日以下のような発表がありました。
安倍首相発言全文＝平昌開会式出席
時事通信 2018/01/24
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018012400482
安倍晋三首相が２４日午前、自身の平昌冬季五輪開会式への出席に関し、首相官邸で記者団に語った発言の全文は次の通り。
事情が許せば、平昌五輪開幕式に出席したい。２０２０年に東京五輪がある。同じアジアで開催される平昌五輪の開幕式に行き、選手団を激励したい。同時に（文在寅韓国大統領と）首脳会談を行い、日韓の慰安婦合意について日本の立場をしっかりと伝えていきたい。北朝鮮の脅威に対応していくために、日韓米でしっかりと連携していく必要性、最大限まで高めた（対北朝鮮）圧力を維持していく必要性について伝えていきたい。
発言では「事情が許せば」とはなっているでしょうが、この感じだと恐らく行く事はほぼ確定でしょう。
そして問題は、元々安倍総理に出席の意向はまるで無かった事です。
これは説明するまでもない事でしょうが、昨年末に韓国政府が行った「慰安婦合意の見直し」に関連し、政府内どころか外務省などからも反発があり、「行く行かない以前にいけるような状況ではない」のは確かでした。
また、複数のテレビ局や新聞社がかなり必死に「出席の呼びかけ」をしていた事からも、逆説的に安倍総理側に行く意向がない事が確認できていました。
このため私も過去記事で「行く意思が無いとしても」という言い回しをつかっていました。
つまり、少なくとも今月半ば頃までは安倍総理サイドでは「出席しない」方向で話が進んでいた事が確実でしょう。
それが「出席」という形に傾いた原因として、国内事情で最もありえそうなのが、以下の記事です。
官邸はありがた迷惑？ 自公幹部「安倍晋三首相は平昌五輪出席を」 菅義偉官房長官は「どうなるかは直前にならないと難しい」と慎重姿勢 産経新聞 2018.1.17 （1/2ページ） （2/2ページ）
今月17日に安倍総理は自民党の二階氏と公明党の井上氏と会談を行っており、その中で両名から開会式出席を打診されていた事が書かれています。
そしてこれは勿論憶測でしかないですが、このとき今年9月に行われる自民党総裁選に関連し、何らかの取引があった可能性があります。
要するに、自民党総裁選での全面協力などと引き換えに開会式出席を了承した可能性です。
この場合外交をまるで無視した駆け引きが行われた事になりますが、タイミング的にありえることです。
また、以下の朝日の記事にあるように、世論調査でも「出席すべき」といった意見が多かった事が影響したかもしれません。
首相の改憲姿勢への評価、ほぼ二分 朝日新聞世論調査
朝日新聞 2018年1月23日
https://www.asahi.com/articles/ASL1Q4S0SL1QUZPS002.html
（一部抜粋）
韓国の平昌（ピョンチャン）冬季五輪の開会式に安倍首相が「出席した方がよい」は５３％、「そうは思わない」は３０％。首相の開会式出席は、韓国側が慰安婦問題について新方針を表明したことで不透明になっているが、韓国の対応に「納得できない」とした人で「出席した方がよい」は５０％、「そうは思わない」は３５％だった。
２：韓国の問題
次に韓国の問題に関してなのですが、これは本来今日書く予定だった記事に関連しています。
元々どんな記事を書く予定だったかといえば、「北朝鮮に操られる文政権」というタイトルで大体の察しがつくでしょう。
以前も書いたように、韓国の文在寅大統領は平昌五輪に関連し「自身の功績」を欲しがっているのが確実です。
元々文大統領は勢力的に「親北」に分類される人物ではありますし、支持母体は明らかに北朝鮮と繋がっていますが、彼の言動や北朝鮮の動向をみていると、直接的なパイプは無いように見えます。
例えば最近の以下の事例
北朝鮮、五輪参加の撤回示唆＝韓国団体の集会非難 時事通信 2018/01/23
韓国内で反北朝鮮のデモが行われた件に関連し、北朝鮮が五輪不参加を示唆するような発言を行っているわけですが、例えば文政権に北との直接のパイプなどがあれば、わざわざこんな揺さぶりをかける必要はありません。
また北朝鮮は五輪に関連しもう一つ韓国に揺さぶりをかけており、以下のように五輪開会式前日に軍事パレードを行おうとしています。
北朝鮮 平昌五輪開幕前日の軍事パレードを準備＝韓国政府筋 聨合ニュース 2018/01/18
こんな事をすれば平昌五輪にとってマイナスとなるのが確実です。
しかも文政権が失策で支持率を落としたこのタイミングでそれをやっていることからも、北朝鮮に文政権と連携を取る意思がなく、むしろ文大統領の名誉欲を刺激して「失敗したくないなら言う事を聞け」と圧力と脅しをかけているようにみえます。
そして文大統領は北朝鮮に言われるがまま、「金正恩お気に入り」のスキー場で合同訓練や五輪前夜祭を行おうとしています。
上記の軍事パレードの最中にです。
「人権弾圧の象徴」馬息嶺で南北合同練習、制裁決議違反との声も 朝鮮日報 2018/01/19
北馬息嶺スキー場での南北合同練習…実は五輪とは関係ない政治行事 中央日報 2018年01月19日
ここで私が考えたのが、恐らく北朝鮮の狙いは韓国世論を親北に誘導するというよりも、韓国内の政治対立を激化させ、政情不安の状態にする事ではないかということです。
実際、韓国では盧武鉉政権頃からネットを使って世論を煽る北朝鮮の工作が活発に行われており、恐らく今回韓国のNAVERが「政府批判を意図的に煽っている」と文政権支持者から糾弾され大騒ぎになっている事例も、北朝鮮による工作の結果の可能性が高いです。
政府批判コメント急増、韓国ポータルサイト大手が捜査を依頼 朝鮮日報 2018/01/22 （1/3ページ） （2/3ページ） （3/3ページ）
結果現在韓国では、文政権批判が難しい状態になりつつあり、支持率急落のタイミングであったこともあって、文大統領への不満を持つ人の潜在的な鬱憤は溜まり続けています。
韓国世論を懐柔するよりも、核開発を進めるためには政情不安にして政府を機能不全にし「何もできない」状態にする事を狙ったのではないかというわけです。
しかもこうなってくると、失点続きで「成果」が欲しい文政権は余計に五輪成功のために北朝鮮の言いなりになるしかなくなります。
そして私は、「このまま行くと韓国は、北朝鮮に言われるがまま対北朝鮮包囲の致命的な破綻を引き起こすような決断をしてしまうのではないか」と書く予定でした。
そこにきて安倍政権の開会式出席報道があったため、こう軌道修正してみたわけです。
もしかすると、すでに文政権に「対北包囲で致命的になる動き」の兆候が出てきており、その情報を得た安倍政権が水際でそれを阻止するために動いたのではないかということです。
あくまで憶測でしかないですが、それほど現在の文政権は不安定であり、このままいくと文政権も野党も支持されず、政治的な不安定さから対立だけが激化するという事態も充分にありえるわけですから、そこで更に対北包囲網すら機能しないとなると、全てが北朝鮮の思惑通りになります。
勿論これはこれまでの経緯と状況証拠から「矛盾の無い状態」を導き出しただけの憶測でしかなく、最初に書いたようにあくまで「自民党総裁選を睨んだ取引」の可能性もあるわけですが。
いずれにせよ「後手に回っている」のは確実です。
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