日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

「韓国を説得できる」という間違い


さて、本日は最近日本のメディアで「韓国を説得できる」という前提での記事が連続して掲載されたため、その考え方に問題があるという件について、手短に書いていきます。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由

注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:「韓国を説得する」という前提の記事


まずは以下の3つの記事から

ニッポン放送飯田浩司のそこまで言うか!】韓国内で文政権に“お手上げ”の声 「韓国を共産化しようとしている」 ソウル取材で分かった内情…日本は韓国を“利用する”手も?
zakzak 2019.10.16
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私は先週月曜日まで3泊4日で、韓国・ソウルで出張取材をしてきました。文在寅ムン・ジェイン)政権について、同国の安全保障や経済の専門家がどう見ているのかが知りたかったのです。

 結論から言えば、文政権のデタラメぶりに業を煮やしてはいるが、韓国大統領の持つ「強大な権力」を前に、指をくわえて見ているしかないということでした。

 安全保障では、韓国陸軍出身の国民大学政治大学院の朴輝洛(パク・フィラク)教授に話を聞きました。米朝実務者協議が決裂した日で、北朝鮮が新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験をした数日後でした。

 朴氏は、韓国駆逐艦による海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射事件や、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄決定も、文政権に責任があると指摘し、「日本政府には、関係を良くする努力も、悪くするような決定もしてほしくない」と言いました。

 小野寺五典元防衛相が折に触れ言っていた「丁寧な無視」を、韓国の識者も提案しているのです。この意味は非常に大きく、それだけ「良識派が追い詰められている」現状が見てとれました。

 朴氏はさらに、「文政権は韓国を共産化しようとしている」と明言し、「日本の安全保障にとって、それでいいのか?」と問題提起しました。

 そのうえで、第三者的ポジションに終始する日本に対し、「アジアの自由民主義体制の勝利のためにできることを考えて、積極的に出るべきだ。韓国を批判しても現実は変わりませんよ」と覚悟を問いました。

とはいえ、韓国側の言うことを無条件に受け入れて仲良くすることも、日本の国民感情からいってもあり得ません。だからといっていきなり「日韓断交!」というのも、リスクが高いことも自覚しなくてはいけません。

 仮に、北朝鮮主導で朝鮮半島が統一され、日本の防衛ラインが対馬海峡に下がったとき、日本をどう守っていくのか?

 敵基地攻撃能力の保有や、米国の中距離核戦力の導入なども容認するのか? 自衛隊の増強に予算を割けるのか? 憲法改正も必要ではないか? そのことも含めて「日韓断交」するのか? あるいは「丁寧な無視」で現状を維持し、北朝鮮とのクッションとしての韓国を生かすのか?

 ともかく、文政権のGSOMIA破棄決定のように、国内向けのアピールのために外交・安保関係を犠牲にする姿勢は最悪です。朴氏が言うように、文政権の間は「何もしない」我慢も必要でしょう。韓国は都合が悪くなると日本にすり寄ってきます。日本を利用する「用日だ」と言います。

 ならば、われわれも一足飛びに断交ではなく、冷徹な「用韓」も選択肢ではないかと、今回の取材で感じました。甘い考えでしょうか?

 ■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!COZY UP!」(月~金曜朝6-8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。


編集部の<秀逸>「たもつさん」さん
毎日新聞 2019年10月13日
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20191011/pol/00m/010/001000d

「たもつさん」さんのコメント「永遠の隣人との関係」

 文政権に対する評価では、尾上さんの意見は私見とは異なるようですが、韓国との関係を重視すべきとの意見はもっともなものと受け止めます。

古来、朝鮮半島における独立国の存在は、極東の島国たる日本の安全にとって要の役割をしてきました。(中国の底力を過小評価して大陸に攻め込んだ何度か大失敗を例外として。)韓国がなければ中国のプレッシャーを直に受けることになります。

韓国併合」という大失政の後遺症が癒えるには時間がかかるであろうし、それなりの経済的負担を覚悟しなければならないでしょう。日韓基本条約ですべてが解決されたという安倍政権に認識は、おめでたいというか、歴史知らずというべきでしょうか。

 韓国の人たちの「反日感情」の先には、中国に従属した「統一朝鮮」の成立しかありえないでしょう。その道へ進むように煽ってどこに日本の安全があるのでしょう。ここは、多少のことは冷静に受け止めるべき時期だと思うのですが。


抵抗か翼賛か 保阪正康氏が語る国会の岐路
朝日新聞 2019年10月15日
https://www.asahi.com/articles/ASMB35WFSMB3UTFK011.html

日韓の関係悪化や過熱するナショナリズムにどう向き合うのか。外交を担う政府を監視する立法府の姿勢が、改めて問われている。臨時国会のスタートに合わせ、国会に求めるものを、近現代史を研究してきたノンフィクション作家の保阪正康さんに聞いた。

 臨時国会では、立法府つまり国会が行政府から本当に独立しているのか、三権分立が機能しているか、が問われる。試金石となりうるのは、日韓問題だ。

 日本政府は1965年の日韓基本条約・請求権協定に基づき、元徴用工の補償問題は「完全かつ最終的に解決済み」との立場を取ってきた。韓国政府も同じ立場だったが、昨年10月の韓国大法院(最高裁)が覆した。これだけをみれば、安倍政権が言う「韓国は約束を守らない」というのも、その通りだと思う。

 しかし、65年当時、韓国は軍事体制下であり、東西冷戦のさなかだったため、条約や協定があいまいさを残していたことは否めない。ここに目をつむったまま、日本政府が「私たちが正しい」と主張しているだけでは、「協定を認めない」とする韓国政府と平行線のままだ。

安倍政権がそれでいいと言うなら、日韓問題を政治的プロパガンダに使っていると受け止められる。敵を作って世論を勇み立たせる形で、支持率アップや政権浮揚に利用していると。これでは、際限なく対立が拡大していき、両国の国民間の感情はとげとげしくなる。

 いや、世間に広がる韓国への妙な感情の高揚は、昭和10年代の「中国をやっつけろ、中国を支援している米国をやっつけろ」という感情の流れに近いと言ってもいい。ナショナリズムが一度はびこると、その先に待ち構えるは暴力の正当化だ。昔だったら戦争になっているかもしれない。

 手を打てるのは立法府だ。与野党を問わず、議会は行政府の問題点をただす役割を担っている。65年当時の国際状況を鑑みて、請求権協定の有効性に関する韓国側の言い分に議会として耳を傾ける。そのうえで、日本政府に「それでも韓国政府の言い分は間違っているのか」と問いかけ、冷静に議論を進めるべきだ。「約束をほごにされた」と言うだけでは、行政府を追認しているだけの立法府になる。

 かつて自民党内に戦争体験世代の良心派がいた。そういう大物の保守政治家は、基本条約・請求権協定の約束は約束として、日本が韓国を植民地化した歴史を踏まえて、「韓国の言い分も分かるね」と政治的な落としどころを探し、冷静な議論を心がけた。

 野党にも問題はある。歴史的座標軸が欠けているため、今の局面だけを切り取り、安倍政権を批判したいだけの揚げ足取りの質問に終始しているように見える。もう少し工夫が求められる。

 野党の対応で気になることがあった。日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を韓国が協定を破棄した際、立憲民主党枝野幸男代表が「韓国は明らかにやり過ぎだ。毅然(きぜん)とするというのは日本政府の対応としてはありだ」と政府の対応を支持したことだ。危惧するのは、外交問題を国会の俎上(そじょう)に載せないとの判断にならないかということ。それが国益だと思うならば大いなる錯覚だ。姿勢を改めなければならない。

 韓国に厳しい世論がさらに強まったときに、迎合して野党が与党よりも強硬意見を述べ、政府を励ますようになれば、自分たちの保身、選挙での集票しか考えていないと見られる。それだけはやってはいけない。

 ファシズムという言葉はどこか仰々しく聞こえるが、簡単に言えば、行政府が立法府と司法府を下に置くことだ。それが行政独裁だ。戦前に行政府に対峙(たいじ)していた「抵抗国会」は、1933年ごろを境にして政府を追認し、ご機嫌とりに終始した「翼賛国会」に変容した。

 第2次安倍政権になってからの自民党特定秘密保護法や安全保障関連法など政府が進める政策への異論を挟まず、行政の下請け機関のようになった。異論を唱える野党に対しては閣僚が威圧的に答弁したり、論理を平気ですり替えたりする。議会の討論が死滅状態になっている。抵抗国会か翼賛国会か。真の意味で今、岐路に立っている。(聞き手・永田大)

 ほさか・まさやす 1939年生まれ。ノンフィクション作家。2004年に昭和史研究で菊池寛賞、17年には「ナショナリズムの昭和」で和辻哲郎文化賞。著書に「昭和史七つの謎」「田中角栄の昭和史」など多数。



上記記事なのですが、まずzakzak毎日新聞の記事では、冷戦時代の延長線上として「韓国の位置に北朝鮮が来たらどうするのか」という前提で話が進んでいます。


そして朝日の記事では、相変わらずの「韓国は1965年の日韓条約時に独裁政権だった」云々という「いつもの」内容です。


まず前者に関しては、そもそもそれが成立しなくなってきたからこそ今があるのであり、これは「日本と韓国が共通の利益を持つことができなくなった」という事です。


ですので、「これまで通りの関係」を保つには全く別の「共通の利益」を探しその前提で話を進めないといけないにも関わらず、これらの記事ではその部分が完全に抜け落ちています。
解決策がないにも関わらず、解決すべきと書いているだけなのです。


そして次の朝日の記事に関しては、過去に何度も指摘してきたように、「過去がどうであれ今都合が悪いから条約は無効だ」などとやっていたら、そもそも「韓国とは条約も協定ももう二度と結べない」という事にしかなりません。
つまり論外です。


そして問題はそうした個別のことではなく、これら記事全てにおいて「韓国と同じ価値と利益を共有できる」という前提で、「説得できる」としている事です。
それができなかったからこそ今があるにも関わらずです。


2:問題は韓国


国防問題は重要ですが、そもそも日韓で利益の共有ができないのならば、まず利益の共有を行わないといけないのですが、現在の韓国はそれが不可能になっています。
次に以下の記事を



ブルックス元司令官「北が韓国に対米自主圧力、GSOMIA破棄と関係がある」 朝鮮日報 2019/10/16


上記記事では、元米韓連合司令官だったビンセント・ブルックス氏が、「北朝鮮が『自主』の概念を強調し、韓米同盟を弱体化させようとしている」と警鐘を鳴らしています。


この「自主」とは、いわゆる便宜上の韓国の左派とかリベラルの人々がよく口にする言葉で、「アメリカに依存するのではなく、自主的な国防を行い真っ当な独立国になるべきだ」とする主張で、記事でもあるように北朝鮮がこれを利用し、頻繁に米韓同盟にゆさぶりをかけています。


そしてこれには「GSIOMIA破棄も関係している」とブルックス氏ははっきりと言及しているわけですが、現在の韓国ではGSOMIA破棄がおおむね世論から好意的に受け取られている事を見ても、「北朝鮮の論調」にかなり韓国が融和的になっている事がわかります。


ただし、韓国において反米は一部の親北団体以外公言しておらず、韓国人の多くは「最も信頼すべき国」としてアメリカを挙げている人が多いという、ある種矛盾した状態になっています。


これがあるため、韓国が北に完全に流されアメリカと「袂を分かつ」可能性は極めて低いです。
おそらく、「北についても不利になるだけだ」という打算が働いているからでしょう。
なので「日本との関係が悪化した」ということと、韓国が北朝鮮化するという主張はイコールの関係にありません。


韓国が信頼できる国1位は米国、警戒すべき国は? 朝鮮日報 2019.10.02


つまり、韓国人にとっては日本より北朝鮮のほうが利益の共有化をしやすいが、アメリカが最も重要と考えられているという事です。


そのうえで以下の事例のように


慰安婦損害賠償訴訟裁判が再開…徴用判決「第2ラウンド」に? 中央日報 2019.10.16
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https://s.japanese.joins.com/JArticle/258578


韓国内で慰安婦問題の損害賠償裁判が行われつつあります。
これが起きた場合、事実上韓国は2015年末の慰安婦合意を破棄することと同じになります。


おそらく徴用工裁判と同じで、裁判所が日本政府への賠償命令判決を出し、それに政府が追従するという名目になるでしょう。


そしてそうなると、いよいよ韓国は日本と利益の共有を行うことができなくなり、さらに「離れていく」ことになります。


つまり、最初の3つの記事では「日本が韓国を挑発すべきでない」とし、日本が動かなければ韓国との関係が悪化しないという論調になっていますが、実際にはこの慰安婦裁判の動きや、今年中に行われることがほぼ確定している徴用工裁判での三菱や新日鉄の資産売却など、韓国側が次々と「原因を生産している」のが問題の根底なのです。


そしてこうなるのは、(実態がどうかは別として)韓国人たちが「日本と利益の共有化を行うよりこちらの方が利益がある」と考えているからです。


当たり前のことですが、こうなってしまっては共通の利益を見つけ出して協力していくことなど不可能ですし、韓国が変わらなければ状況が好転することもないわけです。


にもかかわらず、いまだに日本のメディアでは、今回紹介したように「日韓で利益の共有ができる」という前提で、韓国を日本が説得すべきとする論調がまかり通っているのです。


もし、本当に韓国を説得できるとしているならば、まずはこの状況で「利益の共有ができる新たな枠組み」を作り出さないといけないわけですが、そうした提案は一つもありません。


また朝日のいうように日本が大幅譲歩して韓国側に歩み寄っても、すでに「利益の共有化ができていない」現状では、さらなる要求が来るだけで状況はまず改善しませんし、譲歩は慰安婦合意の二の舞になるだけです。


そのうえで、今後韓国がどうなるかは未知数です。
zakzakや毎日の記事では、日本が強気に出れば「韓国が北に飲み込まれるぞ」と指摘していますが、先ほども書いたように韓国人の多くは本気で北と共闘する意思などみじんもありません。


なので少なくとも今の段階で「日本が強気に出ると韓国が北朝鮮に飲み込まれる」というのが間違いであり、この辺りは日韓関係ではなく米韓関係の範疇になります。



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