日韓問題(初心者向け)

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【慰安婦合意】慰安婦像問題がこじれる理由


さて、本日は去年末に成立した慰安婦合意に関連し、なぜ今でも韓国で「慰安婦像の移設」が問題になっているのかについて書いて行きます。


日韓の間で慰安婦合意がなされ、慰安婦像に関しても韓国側が「関連団体と協議し適切に処置する」と合意したにも関わらず、韓国では現在「慰安婦像を移設するかどうか」でモメており、また韓国政府は「合意に慰安婦像は含まれていない」と主張している。


なぜこんな事が起きるのか、以前から書いているように韓国では契約の概念が私達とは異なる事、蔑視ありきの自民族中心主義においては、他者の劣等性の指摘こそが自己の優越性の証明である事、更に「被害者が最も偉い」という概念などが関係している。


そして更に、実は韓国における「公共」の概念が私達とは全く異なっていることも関係しており、韓国では以前も紹介した「ウリとナム」という概念における「ウリの利益」こそが公共の利益との認識であり、慰安婦像を日本大使館前に設置する事が「ウリの利益=公共の利益」との認識であることから、「移設は公益に反する」との認識になっているからこそモメるという背景がある。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:独特の価値観により慰安婦像設置が正当化される


※今回朝鮮半島独特の「ウリとナム」という概念が何度も出てきますが、それに関しては以前記事にしているので以下を参照してください。
大雑把に書くと、ウリという概念は自己及び自己と利益を共有する身内や仲間・共同体などを指す概念で、「我々」という単語よりも自他の境界が曖昧になった概念です。
(今回は読者がこの概念を知っているという前提で進めます)


韓国人独特の「ウリ」と「ナム」という概念


まずはこちらの記事から

韓国政府「少女像撤去、約束全くない」繰り返し明らかに
2016年04月28日16時41分
[ⓒ 中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/129/215129.html

韓国政府は昨年12月28日に成立した日本軍の慰安婦問題に対する韓日合意において在韓日本大使館前の少女像撤去についての約束はないと繰り返し明らかにした。

趙俊赫(チョ・ジュンヒョク)外交部報道官は28日の定例記者会見で、少女像撤去が両国の暗黙的な了解事項という一部の日本側の人々の合意解釈についての質問を受けて、「合意内容に(少女像)撤去についての約束は全くない」として「これと(慰安婦支援)財団設立は完全に別個の事項であり、合意文面にもそれに関する連携性は全くない」と明らかにした。

また趙報道官は「韓国政府の立場は一貫して明らかだ」として「日本側のそうした恣意的な解釈や合意内容に合わない発言については私どもの立場を明確にし、抗議が必要な事項については抗議を続けてきた」とも述べた。

関連記事
少女像撤去?…朴大統領「言及もされていない」vs日本政府「合意事項」 中央日報 2016年04月27日
慰安婦合意、再交渉を=韓国最大野党 時事通信 2016/04/27



上記のように、現在韓国では慰安婦合意に関連し日本大使館前の慰安婦像の移設が合意に入っていたのかいないのか、その辺りが大きく問題になっています。


しかし、実際には合意に際して韓国政府は日本政府に対し「日本政府が公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し、可能な対応について関連団体との協議を通じ、適切に解決されるよう努力する」と約束しており、韓国政府の見解である「合意の過程で言及も全くされていない問題」というのは明らかに事実に反します。


朴大統領、公然と“国際公約”破りか 少女像撤去「全く言及されていない」 zakzak 2016.04.27 (1/2ページ)(2/2ページ


そもそもなぜ慰安婦像が問題になるのかといえば、「外交関係に関するウィーン条約」の22条の2において「接受国は、侵入又は損壊に対し使節団の公館を保護するため及び公館の安寧の妨害又は公館の威厳の侵害を防止するため適当なすべての措置を執る特別の責務を有する。」となっており、韓国政府はこの条約を批准しているからです。


日本大使館前に慰安婦像を設置する事は「公館の安寧の妨害又は公館の威厳の侵害を防止」に違反しており、本来は合意がなくとも韓国政府の責任において慰安婦像を日本大使館前から撤去しなければいけない義務があります。


しかし韓国側は、この事を完全に無視して「慰安婦像設置は民間の行いであり政府が関与できることではない」と主張しており、今回の合意における約束も無視しています。


なぜこんな事になるのか、以前から書いているように韓国は非常に特異な価値観を有する社会であり、約束をしても後々都合が悪ければ内容を変えても良いという認識である事。


蔑視ありきの自民族中心主義を前提とした価値観では、他者の劣等性の指摘が自己の優越性の担保となるという考えがあり、慰安婦問題で日本の劣等性を指摘すれば韓国の優越性が証明されるという認識になっています。


また、徹底した序列社会であり対等の概念が希薄な韓国では、「被害者が最も偉い」という独特の概念があり、被害者である事をアピールすれば無条件に「序列が上位の存在」になれることから、日本に対して被害者である事を主張することがきわめて重要であるという背景もあります。


ここまでが彼等が慰安婦像を日本大使館前に設置し続けたい動機の基本的部分となるわけですが、日本人の感覚からすると韓国側の行いは「私益」を主張しているだけであり、ウィーン条約に違反しているのだから「公益に反している」と認識されます。


しかし、韓国人の一般的な認識では「ウリ」の利益こそが公益であることから、条約に違反していようとこれは「公益」という認識なのです。
以下では「なぜそうなるのか」について書いて行きます。


2:「公共」の概念がまるで異なる


一般的に、「韓国には公共の概念が存在しない」と言われています。
これは基本的には正しく、実際のところ韓国には「私達が定義する」公共の概念は存在していません。


ただし、韓国にも「公共」とか「公益」という単語は存在しており、厳密には「概念そのものが無い」というわけではなく、「私たちとは全く異なる公共・公益の概念が存在している」というのが実際のところです。


公共の概念に関しては、日本とたとえば個人主義が発達した西洋でも少し認識にズレがあるわけですから、一見すると「単に日本が特殊なだけではないのか」と考える人もいるでしょうが、日本と西洋の公共に対する考え方には「ズレがある」のに対して、韓国のものは「全く異なる軸線上の発想である」のです。


たとえば、先日の熊本地震に関連して韓国の三大紙のひとつである朝鮮日報が興味深い記事を掲載しています。


この記事の中で、「日本人が地震の際に秩序だって冷静なのは、権力に従順であり迷惑をかける人間は共同体から排除されるという受容、放棄、虚無主義があるからだ」「逆らう事ができなければ受け入れるからだ」としています。
(記事ではそれと違って韓国は現状を変えようとする強い力があり、「現実は心の持ち方によって変わってくる」という観念論者であるとしています。)


【コラム】日本人と違って韓国人に「不可逆」的なものはない 朝鮮日報 2016/04/25 (1/2ページ)(2/2ページ


今回慰安婦像の問題とは直接関係の無いこの記事を引用したのは、日本人と韓国人の「公共」の概念の違いが非常に良く解る記事だからです。


実際のところ、なぜ私達が地震などの災害に際して自己の主張を極力抑え、多少の事は我慢し秩序を優先するのでしょうか。


それは「皆が他よりも優先して自己の主張をし続ければ、結果的に支援活動全体が滞り、支援活動が滞る事は最終的に自己に対する支援も滞り復興も遅れる事になる」という合理的判断がされ、公共の利益を優先することが中長期的には自己の利益になると考えるからです。


これが日本人の一般的な公共に対する認識となるわけであり「困ったときはお互い様」という言葉もここから来ています、当然ですが記事中の韓国人による日本人観とは大きく異なります。


要するに、韓国人には「困った時はお互い様」という概念が理解できないため、彼らの常識に日本人の行動を当てはめ「主張しないのは権力に従順で諦めているからだ」と認識しているのです。


どうしてこのような発想になるのかといえば、彼らの概念における「公共」や「公益」とは「ウリ」の利益を指しており、彼ら独特の主観的・絶対的正しさという概念と相まって、「ウリは常に正しく徳が高いのだから、ウリの利益を優先することが公共の利益なのだ」という発想があるからです。


記事中で韓国人は常に他者に対して「なんとかしろ」と要求し、それは常に「変えられない物は無いと認識しているからだ」としていますが、それはつまり裏を返せば「ウリの利益は正しいのだからウリの利益が得られるようにするのは当然だ」という認識があるからです。


そして更に、日本人の「困ったときはお互い様」という概念は、韓国社会における一般的な価値観では「ナムの利益」も含まれてしまうため、彼らは「なぜ日本人はナムの利益まで認めるのか」という事が解らず、結果的に上記記事のような解釈になっているわけです。


よく韓国人は「3人集まると7つの派閥が出来る」と言われていますが、それも要するに皆が皆「ウリの利益こそが優先されるべきだ」との認識だからです。
ウリの範囲が状況によって可変し、その都度要求先も変わるため多数の派閥ができるわけです。


3:慰安婦像は公益であり公共物という発想


このように、韓国社会においては公共の利益=ウリの利益の事であるわけですが、慰安婦像問題にこの概念を当てはめると、彼等がなぜ日本大使館前からの撤去に条約違反をしてまで強固に反対しているのかが見えてきます。


韓国において慰安婦像設置は「道徳的に正しい行い」であり、また世界中の人々は「韓国人の正しさを知っている」という認識が彼らのなかにあるため、「ウリ」の範囲が世界中殆ど全ての人と定義されています。


彼らの認識では、「反対しているのは過去を美化する日本の一部右派勢力だけ」という事にもなっているので、その人々が「ナム」であり、条約に違反していようが彼らの中では慰安婦像設置は公共の利益との認識なのです。


当然のことですが、慰安婦像設置は(ウリの)公共の利益であるため、移設は「ナムの利益を優先する」事となってしまい、彼らにとってはありえないことなのです。
韓国社会においてナムの利益は公益に反するからです。


だから韓国政府も、無茶であろうが何であろうが「慰安婦像は合意に含まれていない」と強弁するしかないのです、国際常識ではウィーン条約を優先することこそ公益ですが、韓国社会でそれをやってしまったら「(ウリの)公益に反する行いをした」事になるわけですから、できるわけがありません。


この発想は、慰安婦像以外でもよく見られます。
たとえば「『妻をめとらば韓国人!?』篠原令著 文藝春秋社」には以下のようなエピソードがあります。


『妻をめとらば韓国人!?』篠原令著 文藝春秋
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167679108/249-1173025-7336313
(一部抜粋)
父親の仕事の都合で、日本の幼稚園や小学校で何年か学んだ韓国の子が、韓国に 帰ってから何事につけ同級生たちに遅れをとって困るという話もよくききます。他人を思いやったりしているうちに何でも先を越されてしまうそうです。こうなると韓国社会への復帰は容易ではありません。

私が韓国で娘たちと公園へ行くとよく目にする光景があります。それは例えばブランコの前で子どもたちが順番を待っているところへ、子どもを連れたお母さんなり、おばあさんがやってきます。すると並んで待っている子はおろか、ブランコに乗っている子も引きずり降ろしてその大人の連れて来た子がブランコに乗ってしまうのです。その他の子どもたちもそれをまたごく当然の事として受けとめているのです。

良い悪いは別にして、これが韓国人の行動パターンの原型です。自分の事しか考えないのです。他人のことを思いやったり、他人への迷惑を気にするのはバカげた事なのです。我が家でも夫婦喧嘩をする原困のほとんどは。私が他人の事を心配したり、親切にしてあげたり、思いやったりすることから始まります。妻に言わせればすべてよけいな事なのです。「そんなひまがあったら、なぜもっと私の事を考えてくれな いの」というわけです。日本人と韓国人は似たように見えてもこれほど違う民族なのです。


根本の発想はこれも同じで、「ウリの利益が何よりも優先」であり「ウリは道徳的に正しい」からこそ、常に譲り合いではなく主張のし合い、奪い合いになるわけです。


また過去中央日報で「韓国の子供は他国の子供に比べて他人への配慮に欠ける」という記事が掲載された事がありますが、これも韓国社会の価値観から来る必然であり、常に誰もが「ウリの利益こそ最優先であり、ウリは常に正しい」と考えているからこそ、他人を理解したり尊重したりするという発想が無いのです。


韓国小学生「他人への配慮に欠ける」…日英仏と比較 2008年06月03日


それは韓国社会において「ナムの利益を優先してしまう」事になるからです。


日本人と韓国人はここまで根本的な発想が違うのです。
そして違うからこそ、日本大使館前の慰安婦像移設問題でここまでモメるのです。


日本人的発想ですと、彼らの主張は私益ですから「なぜ条約や合意を無視してまで日本大使館前に拘るのか」が理解不能でしょうが、視点や価値観の違いから彼らの中では「公益の観点から日本大使館前以外にはあり得ない」というわけです。


そしてこの問題は、日本人と韓国人が全く相容れない価値観を持つもの同士である事を証明する典型的事例でもあります。
だからこそ日本と韓国は必要以上に関わるべきではないのです。


今回の事例を見ても解るように、何をやっても「常識がかみ合わない」のですから。


お知らせ
次回更新なのですが、5月4日は私用でお休みし次回更新は5月7日となります。



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