さて、今回は韓国においての親日がどのような意味を持つのかと、日本のメディアなどが言う「実は韓国人は親日が多い」の親日は本当に親日なのか?という問題についてとなります。
韓国人や日本のメディアなどが普段主張する内容として以下のようなものがあります。
それは「日帝統治時代を美化したり擁護したりするやつらを批判しているだけで、韓国人は一般の日本人を嫌っているわけではない」というものです。
たしかに、韓国の歴史観のおかしさはあるにせよ、それらな普通の日本人には関係ないことですし、以下のような事例からも韓国では親日派が売国奴と同じ意味で使われる場合が多いにせよ、それは歴史問題や政治問題に限定されているという事になります。
【社説】教科書に誤りあるからと殺害脅迫まで受けるのか=韓国
2013年09月13日17時09分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/144/176144.html?servcode=100§code=110&cloc=jp|article|related
出版社である教学社がつくった高校の韓国史教科書が、別の出版社7社の韓国史教科書とともに修正・補充手続きをとることになった。
(中略)
だが、教科書を出した出版社は自ら発行取り消しを検討しているという。この会社の関係者は「会社代表が殺害の脅迫電話まで受けた」とメディアに打ち明けた。殺到する抗議の電話と不買運動の圧力に勝てなかった自己救済策と思われる。2008年のBSE(牛海綿状脳症)問題当時、広告主への脅迫に対する最高裁判例があるように、企業を相手に特定の要求をしてこれに応じない場合に不買運動などの不利益を与えると表現したり集団行動をするのは、法の枠を超えた強要と脅迫だ。出版社への脅迫は結局、第一線にいる学校の教科書採択にも甚大な影響を与えうる。司法当局は、出版社への威嚇行為を厳しく扱うべきで、教育当局は、第一線の学校が強要や脅迫を受けることなく教科書を選択できるよう保護しなければならない。
教育部に対して教学社教科書の検定承認を取り消せと要求する民主党も、法の秩序に従うことを望む。検定承認の取り消しは教科用図書に関する規定によるべきで、誤りだけでは取り消せないようになっている。左派の人々がこの教科書に対して右偏向教科書、日本極右指向の扶桑社教科書よりもさらに親日教科書だとのレッテルをはって攻撃しても、検定基準に沿って検定手続きを通過した教科書は発行されることができる。それが民主社会の法律だ。教育部は教学社だけでなく検定を通過したほかの教科書についても誤りは修正しながらも多様な教科書が出てこられるように検定体制の趣旨を生かさなければならない。
しかし、実は韓国で起きている事例を見ていると、それだけでは説明できない事象が度々見られます。
たとえばこの事例。
「これはKARAがかわいそう!?」竹島問題で板挟みに……反日スタンスを強要される“出稼ぎ”K-POPアーティストの苦悩
日刊サイゾー 2012年8月28日 10時00分
http://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20120828/Cyzo_201208_post_11306.html
竹島問題で揺れる日韓両国だが、日本でも人気のK-POPガールズグループKARAが、韓国で猛バッシングを受けている。23日、ソウルで行われた帰国会見で、報道陣から「竹島はどこの領土か?」と質問されたが、言葉を濁してしまったからだ。
この記者会見を受けて、韓国のニュースサイトでは「韓流を代表するグループだから、当然それに合った行動を取る責任がある」と批判。また、韓国の大手紙も「韓国のネットユーザーからひんしゅくを買っている」と報じた。
「韓国では日本で活躍した自国の芸能人が、“踏み絵”のように竹島問題について見解を求められます。ぺ・ヨンジュンや少女時代、キム・テヒらも『独島は韓国の領土』と公言していますし、ユンソナに至っては『歪曲された日本歴史教育に悩み苦しんだ』などと発言し、日本のファンのひんしゅくを買ったものです。自国の芸能人に反日的なスタンスを強要するのは国民性なのでしょうが、大人げないというしかないですね。だったら、日本へ出稼ぎに来なければいいのに、と思いますけどね」(K-POPに詳しい音楽ライター)
KARAもこうした韓国芸能人らの先例に倣うかと思われたが、彼女たちの現状を考えると、そうもいかない事情があるようだ。「現在のKARAの芸能活動は日本に軸足を置いていますからね」と前出の音楽ライターが語るように、母国での人気は少女時代らに完全に水をあけられ、いまや人気の源は日本であると言っていいほど。「日本での活動を考えると、露骨な反日発言はできないでしょう。そもそも韓国では、KARAは“親日”ではないか、という批判がかねてからありました」(同)というから、彼女たちも苦しいところだろう。
(後略)
要するにこの事例では、わざわざ日本で活動している芸能人に政治的な「踏み絵」をさせて、答えに詰まったから親日派だとしているのです。
これは最早歴史問題や政治問題とは全く関係ありません、ここまで来ると魔女狩りと同レベルです。
また、「日本で活動している」という事そのものが親日派と定義される動機になっていることも重要です。
実はこれと良く似た事例が2010年にも起きています。
日本のメディアが仕掛けた韓流芸能人の一人にパク・ヨンハという人物がいたのですが、彼は2010年に自殺しました。
自殺の動機は自身の人気の低迷、事務所での金銭トラブル、父親の病気、兵役逃れ疑惑から来るバッシングなどがあったのですが、興味深いのは当初兵役逃れで叩かれていたのが、いつの間にか「日本を主な活動の場としている」と言う理由だけで親日派認定を受けてバッシングされていたという事です。
彼の自殺とこの親日派認定の直接的な関連性は不明ですが、重要なのは上記事例と併せて「歴史問題や政治問題と関係なくとも親日派とのレッテルを貼られて叩かれる」ということです。
つまり最初に書いた韓国人や日本のメディアの言分は現実とはまるで異なるわけです。
そしてそのうえで、韓国では「親日」と言う単語が非常にネガティブな言葉である事が解ります。
さて、ここからが本題です。
では日本のメディアが言うところの「実は韓国人には親日が多い」とはなんでしょうか。
彼らの記事などを読んでいると韓国で一般的に使われている親日とは意味が違うのは明白で、日本の伝統文化・ポップカルチャー・食事などが好きな人が多いとか、日本旅行へ来る韓国人が多い事などが親日の根拠とされているようです。
しかし、実はこういった人達は多くの場合我々の考えるところの親日とは違います。
そのうえ、実は本当の意味で日本を文化面から好きとしている韓国人は非常に少なく、更にそういった人達は「イルパ」と呼ばれ社会的マイノリティーとして蔑視や迫害の対象となっています。
そのため、そういった人達は常に「いかに自分達が民族に誇りを持っているか」「いかに日本を嫌っているか」をアピールして自分達を守らないといけない立場におかれています。
特に日本のマンガやアニメは韓国で「日本による文化侵略」として槍玉に挙がる事が多く、こういったものが好きで尚且つ本当の意味で日本の文化が好きとしている人々は、韓国社会から格好の迫害ターゲットとなります。
以下の記事を参照してください。
「僕たちは日本が好きなわけじゃないよ」
VOICE OF PEOPLE(韓国語)
http://www.vop.co.kr/new/news_view.html?serial=69709 (リンク切れ)
ソウルのデジテク高校コスプレサークル「カルペ・ディエム」。サークル創立から今年で2年目の新しいサークルだが、コスプレに対する熱意で頑張っている。
初めは困難も多かった。昨年、ソウル市のサークルフェスティバルに参加したが、舞台に上がることができなかった。
(中略)
そこで生徒たちは、今年こそ自分たちの実力を見せてやる、と意気ごんでいる。サークルのメンバーも 24人に増えた。特に、コスプレを経験したことのある新入生たちが大挙サークルに加入したことで、活気が増した。
既に先月25日には、アニメーション「ブリーチ」を素材にエバーランドコスプレ行事に参加もした。自分たちで生地を買って裁断し、裁縫して一着一着作った。親の助けを借りて早く服を作った生徒もいたが、2週間がかりで自力で一着を作った生徒もいた。かくして「ブリーチ」の浦原喜助、井上織姫、石田雨竜などのキャラクターが現実に再誕生し、彼らは今年、自分たちの初舞台に上がった。
コスプレ初体験だったというユン・ジンホ君(高1)は、「初めてだからぎこちなかった。カメラマンたちの頼みで写真も撮ってみたが。何より一緒にコスプレをした他校の人たちと仲良くなれて良かった」と言った。
2005年には光復節を控えて、ソウルコミックワールド(略称:ソコ)のコスプレ行事が開かれた。コスプレをする生徒たちの間で「聖地」と呼ばれているソコ。しかしこの日、着物(キモノ)を着て太極旗を腰に巻いた生徒がマスコミに報道されると、参加者達は一瞬で「イル・パ」(日本熱愛)で民族意識を喪失した「無思慮な」青少年になってしまった。
「カルペ・ディエム」の生徒たちの心配も、社会で自分たちのことを「イル・パ」と見ることだ。日本がアニメーションが発達しているので素材面で日本のアニメを選ぶが、日本が好きで選択しているわけではない。
コスプレサークルがあるという理由だけでデジテク高校を選んだファン・セリンさん(高1、サークル部長)は、「日本が好きで着物を着てコスプレをする人たちのことは、私たちも嫌い。これからは我が国のものでコスプレします」と言った。日本のアニメの代わりに選んだのが、我が国のゲーム「マビノギ」だ。
(中略)
今年「カルペ・ディエム」と一緒に、楽しくも大変な事を一緒に乗り切っていくキム・ムヒョン教諭(27)は、「コスプレをするには服をデザインせねばならないから創意性が発達するし、パフォーマンスをすることで協調心も育てることができる。生徒たちは日本アニメのコスプレをしていても、その中から韓国的な要素を捜そうと努力しており、この過程で自らのアイデンティティを捜している」と語った。
事情や背景は異なりますが、状況としては中東諸国における同性愛者と同じような状況に置かれているのがこの「イルパ」である事が解るでしょう。
つまり、日本のメディアの言うところの親日とは我々が想定するような親日の事ではありえないことがわかります。
そもそも先ほども書いたように彼らは社会的マイノリティーであり、明らかにその数が少ないからです。
では、一般的に韓国人で日本旅行を楽しんだりしているのはどんな人達でしょうか。
それはこんな人達です。
中高生32人、「韓国の歴史を訪ねて」日本探訪
東亜日報 JUNE 07, 2012 04:36
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2012060701698
日本の奈良県にある法隆寺を訪れた韓国の中高生32人が、写真で見たことのある百済観音像の前に立ち、深い感嘆の声を上げた。4日午前、彼らは長さ2.8メートル、8頭身の観音像の微笑みに完全に圧倒された。飛鳥時代の代表的な遺物である観音像は、左手には水瓶を持ち、右手は手の平を出して「救援」と「慈悲」の精神を表していた。寺の入口では、騒々しかった生徒たちが一瞬、静かになった。
生徒たちはできる限り近づき、観音像を頭からつま先までまじまじと見ていた。「温和な顔で、見る人の心を安らかにしてくれる」、「日本の有名な遺物には必ず三国時代の話が出てくるというが、それだけ韓国文化がすごかったようだ」。観音像を見た後、各自、百済文化について語り出し、また騒々しくなった。
SH公社が主催し、東亜(トンア)日報、ウリィ銀行、ロッテ観光、ソウル医療院が後援する青少年日本百済文化遺跡探訪「希望を夢見てGO!」探訪隊が日本を訪問した。今回は、苦しい環境にもかかわらず模範的に生活するソウル地域の中高生32人が参加した。彼らは、2日から5日までの4日間、大阪と京都、奈良にある寺や神社を訪れ、百済文化を探訪した。06年以降7回目の海外歴史探訪で、1~6回は白頭山(ペクトゥサン)に登ったが、今年初めて日本を訪れた。
生徒たちは今回の探訪で、法隆寺の金堂壁画、百済史など、直接・間接的に百済文化を見ることができる遺物を見学した。日本に論語と千字文を伝えた百済の王仁博士の墓も見学した。イ・ウンヘさん(17)は、「日本の文化に百済文化がこのように多くの影響を及ぼしたとは知らなかった」と驚いた。
日本の訪問が2回目のソン・ジョンヒョン君(18)が、寺の管理人に流暢な日本語で、「この寺は日本で何番目に大きい寺ですか」と尋ねた。管理人は、「大きさはよく分からないが、日本で最も古い寺です」と答えると彼はうなずいた。ソン君は、中学生の時から独学で日本語を学び、10年に日本語能力試験(JLPT)2級を取得した。
ソン君の夢は、韓国と日本を行き来する日本観光通訳ガイドになること。ソン君に今回の探訪は職業体験のようなものだった。できるだけ多くの日本人と話をして、これまで学んだ日本語を実践で試した。日本の文化財の中にある百済の跡を見て、互いの歴史についても考えた。ソン君は、「日本国宝1号であり、百済文化の影響を強く受けた京都の広隆寺の木造の弥勒菩薩半跏思惟像が最も記憶に残った」と話した。
ソン君は高校を卒業後、韓国内の免税店で働きながら、夢を叶える考えだ。免税店に来る日本人と話をして、実戦で日本語を学ぶことができるうえ、金も稼げるからだ。ソン君は、「将来、韓国と日本でサービス事業をしたい」と話した。
高校1年生のカン・テヤン君(15)は、歴史学者で小説家になることが夢だ。日本に放置されたも同然の王仁博士の墓を眺めながら、韓日両国の歴史と文化を素材に小説を書かなければならないと決心した。カン君は、「後日、両国の歴史のわだかまりを洗い流すことができる小説を書きたい」と誓った。SH公社のキム・ヨンジュン顧客管理チーム長は、「生徒たちが韓国文化に自負心を持ち、日本で新しい夢を育むことを望む」と話した。
つまり「日本の文化は我々が作ってやったのだ」と蔑視ありきの自民族中心主義の思想を持った人達なのです。
これは別に韓国では特別な事ではありません、韓国の学校教育で子供の頃から「未開な原始人だった日本人に我々が文明を与えてやったのだ」と教えられて育つので、そのことに疑問を持つ事が通常ないのです。
実体は、例えば百済は明らかに日本に服属していた事が中国歴代王朝の歴史書である「隋書」「唐書」「宋書」、朝鮮の歴史書である「三国史記」、日本の歴史書である「日本書紀」などにも書かれていますし、記事中にある王仁が日本に「百済文化を伝えた」などという記録もありません。
というより、言及のある「論語」や「千文字」はどちらも中国文化です。
そもそも王仁は記録によると百済人ではなく元々は楽浪郡に住んでいた漢人学者であったとする説が最も有力なうえに、日本書紀では「上毛野君の先祖である荒田別と巫別を百済に遣わせ、王仁を召しださせた」と書かれており、つまり「召しださせた」(古事記では百済が献上した)要するに連れてくるよう要求したと、百済の立場が当時の日本より弱かった事をしめしているのです。
(しかも王仁に関する記述は朝鮮にはない=これら日本側の記述を韓国が曲解している)
が、こういった事を普通の韓国人に指摘したところで意味がないです。
上でも書いたように子供の頃からそう教わっているうえに、韓国を代表するレベルの学者ですら上記の事実を頑なに認めないという現実があるからです。
韓国人が韓国内でそう信じている“だけ”なら特にこちらが干渉する必要もないでしょう、ほっとけばいいのです。
少し話が脱線気味になってしまいましたが、要するに日本のメディアの書くところの「親日韓国人」というのは、一般的に日本人が想定するような親日ではなく、蔑視ありきの自民族中心主義に染まった「普通の韓国人」のことなのです。
当たり前の事ですが、表面的な付き合いだけなら良いですが、深く関わったり最近一部の日本人達が積極的な「朝鮮通信士イベント」などの歴史関連イベントに一般的な価値観を持った日本人が関われば確実にトラブルになります。
韓国人のスタンスはこのKBS(NHKに相当する韓国の公共放送)の記事などを見ても明らかですから。
日本での朝鮮通信使行列 ことしは再開へ
KBS WAORLD 2014-07-19 13:59:01
http://world.kbs.co.kr/japanese/news/news_Cu_detail.htm?No=51163&id=Cu
韓日関係が冷え込んでいる中、17世紀から200年もの間、朝鮮王朝が韓国から日本に文化を伝えていた朝鮮通信使の活躍と意味を考える、恒例の「朝鮮通信使行列」が、日本で2年ぶりに再現されることになりました。
朝鮮通信使の再現行列は、長崎県対馬市で毎年8月に開かれている「対馬厳原(いずはら)港まつり」の中心行事として1980年から始められ、その後、釜山市、対馬市など両国の6つの都市に広げられています。
去年は、対馬の寺の仏像盗難事件で初めて中止となりましたが、今年は市民から開催を求める声が寄せられたことなどを受けて、主催団体である対馬市の朝鮮通信使行列振興会が5月15日の総会でことしは行うことを決めていました。
これを受けて韓国側の窓口である釜山市の外郭団体、釜山文化財団は、韓国国内でのイベントは、セウォル号の沈没で見送るものの、日本での行列には例年より多い市民を参加させることになり、大掛かりな朝鮮通信使行列を再現する計画を明らかにしました。
ことしの行列は、8月3日の対馬を手始めに、11月9日にかけて、北九州、福岡、下関の4つの都市で繰り広げられ、韓国から招いた正使・副使、舞踊団など、当時の衣装をつけた500人ほどの大行列となりそうです。
以前から何度も書いていますが、朝鮮通信士が日本に文化を伝えたなどという記録は一切存在しません、しかし韓国では一般的に「そういう事」になっています。
そして彼らはその歴史観を共有するよう日本人にも要求してきます、その背景にあるのが蔑視ありきの自民族中心主義です。
結局のところ、日本のメディアなどがやっている事は韓国人と関わる上でのリスクや予備知識を全く日本人に与えないまま、韓国人と交流させてトラブルを増やす事なのです。
ある意味、彼らが日韓の間のトラブルを増やしているとも言えるでしょう。
最後に、今回の内容は過去に書いた内容と被る部分をかなり省略しています、もちろんこれだけ読んでも問題を理解できるように書いてはいますが、以下の二つの過去記事を併せて読んでもらうとより問題が理解しやすいです。
実は韓国人は反日より親日のほうが厄介な場合が多い
http://ch.nicovideo.jp/ooguchib/blomaga/ar511280
韓国人にとって日韓友好と反日は矛盾しない
http://ch.nicovideo.jp/ooguchib/blomaga/ar611983