朴槿恵政権が反日の理由
さて、今回は手短に朴槿恵政権が反日の理由について書いてみます。
「朴政権が反日って、韓国政府は常に反日じゃないの?」と思う人もいるでしょう。
それはたしかにその通りです。
ただし、朴政権の反日は今までの反日とは少し違うのです。
盧武鉉政権にしても李明博政権にしてもそれ以前の歴代政権にしても、国内的にずっと反日であったことには変わり無いのだが、政権前半は基本的に日本との融和路線をとり比較的うまくやっていたところがあるし。結局約束は守られなかったが、盧武鉉大統領も李明博大統領も就任直後は「もう反日はしない」と公的に宣言していた。
それが変わったのはどちらの政権も中盤~後半に入ってから。
盧武鉉大統領、李明博政権ともに政権基盤を揺るがしかねないスキャンダルや失政が報じられるようになり、政権の支持率が落ちてからだ。
つまり韓国歴代政権の反日というのは、国内的な支持率低下や自身の求心力や政策に問題が生じた時、多かれ少なかれその矛先逸らしとしての役割があったわけだ。
しかし、朴槿恵政権の場合には違う。
就任早々反日政策を取り、各国で反日外交を行い、いかに日本のイメージを落すかに腐心している。
なぜこんな事が起きているのか、以前にも何度か書いているが、韓国内には親北派或いは従北派と呼ばれる人々がいる。
こういった勢力は、文字通り北朝鮮に融和的であり反韓国なのだが、この人々が朴正煕大統領の娘である朴槿恵大統領を大統領選挙前から「親日派の子供」と攻撃していたこと、更に朴正煕大統領の行っていた慰安婦政策やベトナム戦争でのライダイハン問題などを政争の道具として使い、朴槿恵政権を攻撃し続けた事が大きく関係している。
その結果、朴槿恵政権は就任直後から親日派というレッテルを恐れて閣僚のなり手がおらず、満足に政策決定も予算決定も出来ない状態が続いた。
そしてこの流れは現在も続いており、朴槿恵政権にはまともに政策決定のできるブレーンが殆どいない。
結果、朴政権は「創造経済」なる政策を打ち出してはいるが、目標数値だけでどう実行するのかの具体的方針は不明のまま、また財閥による寡占体質に手を入れることを政策目標とし、ベンチャー企業への優遇政策や経済成長目標なども打ち出したが、これらも言葉ばかりが先行し何もできていない。
挙句、本来なら今まで政権中盤から後半に取り沙汰されてきた大統領のスキャンダルが、親北派の活発な活動もあり政権1年目から次々とメディアを賑わしている有様だ。
しかしそれでも朴政権の支持率はそこまで低くない、むしろそこそこ高いほうと言ってもいいだろう。
理由は簡単だ、反日外交を繰り返しているので韓国内では「外交は良くやっている」という評価だからだ。
ある意味それだけ韓国では反日であるかどうかが重要だという事なのだが、裏を返せば朴政権には反日しか売りがないという事でもある。
本来は政権後半にその場しのぎとしてやっていた反日が、朴政権では主要政策となってしまっているのだ。
先日ハーグで行われた日米韓首脳会談で朴槿恵大統領が不貞腐れていたのもそれが主な原因だ。
反日しか政権の売りがないのに、反日をするなと釘を刺されてしまったので、立場がないのだ。
挙句実はそれ外にも不貞腐れていた理由がある。
実は韓国では、政権末期になるとレームダック状態を回避するために「統一ビジョン」なる物を歴代政権が打ち出してきた。
要するに「統一すればこんなに経済発展できますよ」「統一すれば大国になれますよ」というプロパガンダであり、これも反日と同じ支持率底上げのためのものなのだが、朴政権は政権1年目でこれをやってしまった。
当然この統一ビジョンは北との融和が大前提なのだが、ハーグで日米が要求したのは北の核問題であり「韓国はどちらにつくのか」という踏み絵だ。
統一ビジョンの目的は支持率であり、韓国側に本気で統一する意思などないのではあるが、統一すれば韓国人はこんなに幸せになれると宣伝しているところにこれでは朴政権の「内政からの矛先逸らし」が失敗してしまいかねない。
だからあの態度だったというわけだ。
以上のような理由から朴槿恵政権は反日であり、反日は完全に韓国の国内問題に起因しているのだが、では朴槿恵大統領自身はどうなのだろうか?一部のメディアなどが書いているように、本人自身は親日家なのだろううか?
実のところ、「朴槿恵は親日」という話は大統領選挙直後くらいから日本でちらほらと見かけたのだが、実際のところ彼女が親日であるという事を示す情報は一切存在しない。
日本との関係も希薄で、過去何度か自民党の閣僚や総理と会談した事があるという程度だ。
これは当時から朴槿恵大統領が李明博大統領に継ぐ大統領候補だったからであって、特に特別な事でも親密さをあらわすものでもない。
中国語が話せて親中であるという情報は以前からあったが。
では親日家という話はどこから出てきたのだろうか。
それは上で少し取り上げた親北派による朴槿恵叩きが関係している。
要するに、「朴正煕大統領の娘だから親日家である」という親北派のプロパガンダを、日本のメディアなどが都合よく曲解し、「彼女は本来親日家なのに、日本の態度が悪いから反日なのだ」と政治的に利用しているだけに過ぎないのだ。
そしてもう一つ、日本のメディアでは朴槿恵大統領は人権意識から慰安婦問題を扱っているかのよに報じているが、それも大きな間違いだ。
彼女は上に書いた事情から反日がしたいだけなのだ。
それを良くあらわすエピソードがある。
1960年代、朴正煕大統領は外貨獲得のため、ベトナム戦争に実質的な傭兵として韓国軍を送ったわけだが、その中でベトナムの民間人に対する拷問や大虐殺が行われ、更に強姦事件などが頻発し「ライダイハン」とよばれる数万人単位の混血児問題を引き起こした。
これに対し、長年韓国はこの問題を無視し続けてきたのだが、金大中政権の頃にベトナムとの国交回復と資源を目的として、事実上の「ベトナムへの謝罪」が大統領公式声明として発表された。
が、これはすぐに撤回される事となった。
そして現在の韓国では政府の公式声明として「ライダイハンは自由恋愛の結果」という事になっている。
理由は韓国でベトナム戦争に参戦した退役軍人会が大規模な抗議を行い、収拾不能の大混乱を引きこしたからなのだが、この時退役軍人会の音頭を取り神輿となったのが当時の朴槿恵だったのだ。
人権問題を本気で考える人間ならば当然こんな事はしないだろう、朴槿恵大統領にとっては、ライダイハン問題も慰安婦問題も、自身の支持基盤を固める道具でしかないという事だ。
以上となります。
本来政権末期に行う国内向け政策を、政権1年目にして両方ともやってしまった朴政権。
この後どうするつもりなんでしょうかね。
いずれにせよ、国内の支持率目的で反日をダシにされている日本としては、韓国の事情など考慮する必要は無いのですけどね。