日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

来月、慰安婦問題に関連した日韓局長級協議が開かれる事が決定したようなのでちょっと書いておきます


先日、オランダのハーグで開かれた日米韓首脳会談に伴い、来月日韓の局長級協議が開かれる事が決定しました。
これに関連して、今回は韓国政府と日本で韓国を支持する人達の主張の何がおかしいのかを書いておこうという趣旨になります。



まずこの件に関して、韓国側の主張はこうなっている。

2012年10月の国連総会より

韓国政府 国連総会第3委員会で慰安婦問題に言及
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2012/10/16/0400000000AJP20121016001600882.HTML
【ニューヨーク聯合ニュース】韓国政府は15日、国連総会第3委員会の「女性の地位向上」に関する議論で、旧日本軍の従軍慰安婦問題に対する日本の法的責任をあらためて強調し、国際社会に同問題を提起した。

 国連総会第3委員会で日本側の責任に言及するのは、昨年に続き2度目。国連代表部の辛東益(シン・ドンイク)次席大使は同日、女性の地位向上に関する議論で「軍隊の慰安婦問題は反人道的犯罪に該当する事案であり、韓日請求権協定により解決されたとは見なせず、日本政府の法的責任が残っている」と述べ、日本の積極的な対応を促した。
(中略)
 慰安婦問題については、韓日請求権協定の交渉で一切取り上げてられておらず、国連の報告書も同問題がサンフランシスコ講和条約などに含まれていないとしている点を指摘した。

 金塾(キム・スク)駐国連大使は今回の提起について、「使用した『軍の性奴隷』『慰安婦』などの言葉は昨年と同じレベルだが、全般的なトーンは上げた。日本政府が積極的に対応しない限り、問題の根本解決は難しいということを示した」と話した。

 一方、韓国外交通商部金星煥(キム・ソンファン)長官は先月28日の国連総会一般討論演説で、慰安婦問題や独島問題に初めて言及した。


要点は2つ

・1965年締結の日韓請求権関連協定では慰安婦問題が取り上げられていないのだから、新たな保障が必要である

・軍が軍命令として朝鮮の女性を「拉致」し「性奴隷」にした事を日本が認める


という趣旨になる。
軍の直接的関与に関してはそもそも証拠がなく、日本側で韓国の側に立つ人々も「軍の関与は問題ではない制度が問題だ」と誤魔化している有様なのだが、韓国政府ははっきりと関与したと定義している。
ここに大きな違いがある事は以前にも書いた。


そしてもう一つの「請求権関連協定では慰安婦が議題に上がっていない」という論点が今回の本題となる。
これに関しては、韓国側だけではなく日本国内からも「協議されていない」という趣旨の主張が数多くされており、以下の中日新聞の記事のようなものもある。


中日新聞 2012年9月8日(土曜日) 朝刊2面
竹島解決に向けて 坂本義和さん寄稿

慰安婦問題の反省こそ前提
 島根県竹島(韓国名・独島)をめぐる日韓関係の緊張緩和に向け、国際政治学者の坂本義和さん(八四)から本紙に寄稿があり、紹介します。
(中略)
 日本は一九六五年の日韓基本条約で、経済協力という名の下に五億ドルを支払い、韓国の対日請求権は終わったとしている。しかし、その時点では、慰安婦の存在そのものが双方に意識されていなかった。九一年以降、慰安婦だった女性たちが声を上げ、日本軍が占領したアジア諸国、オランダでも被害者が謝罪と補償を要求する権利を主張することになった。日本政府は対応を迫られ、九三年に河野洋平官房長官の談話が発表された。

(後略)


重要なのは、韓国政府の主張でもこの記事でも「認識そのものがされていなかった」「認識されていなかったのだから新たな保障が必要だ」とはっきり定義されているという事だ。
では実際はどうだったのか、こちらの資料を見てほしい。


日本公開の日韓会談文書
http://www.f8.wx301.smilestart.ne.jp/nihonkokai/nihon.html
第6次開示決定文書
http://www.f8.wx301.smilestart.ne.jp/6ji-all/6ji/6ji.htm


(クリックで拡大します)

日韓交渉報告(一二)
    請求権関係部会第二回会議状況 
久保田参与
二八、五、一九

四、なお、韓国側から主として左の項目について簡単な説明があり日本側との間に事実問題に関する質疑応答が行われた。

(四)南方占領地域慰安婦の預金、残置財産



日韓交渉会議議事要録(一二)
   第二回請求権関係部会
アジア局第二課
昭和二八、五、一九
一、日時及び場所、1953年5月19日午后三時10分ー四時、外務省419号室において
二、出席者
 日本側  久保田代表
       石田大蔵省理財局長
       吉田大蔵省理財局総務課長
       上田大蔵省理財局外債課長
       広田外務省アジア局第二課長、
       (重光外務省条約局第三課長は欠席)
 韓国側   張基栄外交委員会委員
       洪叙ル基法務部法務局長
       韓奎永駐日代表部三等書記官
       林松本外交委員会委員、(殖産銀行頭取)

三、議事概要
 (二)久保田代表から異議のない旨を答えたところ張代表は以下の四項目について説明を行つた。
(4)・・・占領地から引揚げた韓国人の預託金の問題・・韓国女子で戦争中に海軍が管轄していたシンガポール等南方に慰安婦として赴き、金や財産を残して帰国してきたものがある。軍発行の受領書を示して何とかしてくれといつて来るので社会政策的に受取りを担保にして金を貸したこともある。
 以上、述べた四項目については、後から貴方の資料で実態を堅めて行きたい。


見ての通り、議題に上がっているのだ。
要するに韓国政府も日本における韓国支持をしている人たちも、明らかな嘘をついている事になる。
要するに当時の韓国政府は、慰安婦の存在も制度も知っていたのだ。


さて、ここで重要となるのが、軍関与(軍命令による拉致や性奴隷化)という韓国側の主張だ。
韓国側はこの資料を見せれば、「慰安婦そのものは議題に上がっても軍関与については議題に上がっていない、だから別だ」と言ってくるだろう。
しかし、先ほども書いたように韓国の言うような軍の関与に関する客観的な資料は一切存在しないうえに、日本で韓国を支持する人達は「軍の関与は問題ではない制度そのものが問題だ」と言っている。
これは韓国の主張を客観的に証明する方法がない事を知っているからだ。


つまり、韓国側が言うような主張ならばまず軍命令による拉致や性奴隷化に関する客観的資料の提示が必要という事になるし、日本側の韓国支持者がいうように「制度そのもの」ということならば、既に条約で解決済みという事になる。


そのうえで、「制度の悪質な部分を当時の韓国は認識していなかった」という主張をあらためて彼らがしたとしよう。当時の韓国政府には日本の軍属の仕官クラスや総督府の官僚や警官だった人物も多数在籍していた上に、条約を締結した朴正煕大統領自体が日本の士官学校卒業後満州国の軍属だった人物た。


韓国政府の言うように、日本軍が当時の朝鮮半島で「軍命令による慰安婦狩り」をしていたのなら、
慰安婦制度の詳細を誰も知らないというのは不自然だし、仮に現在の韓国側が言うような問題があったにも関わらず、当時の韓国政府が調査を一切せずに「完全かつ最終的に解決」という条文の条約を締結したとしたら、それは日本の責任では無く韓国政府の責任だ。


そして、以前も貼ったがこの協定で韓国側は日本側の個別保障の提案を拒否し、一括保証を要求した挙句に、そこで得た資金を個人に回さず使い込んでしまっている。


「韓国政府、韓日会談で個別請求権放棄」
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/09/17/20040917000026.html(リンク切れ)
webアーカイブ
http://web.archive.org/web/20040923181057/http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/09/17/20040917000026.html

 太平洋戦争犠牲者遺族会(ヤン・スンイム会長)は17日、「1961年の韓日会談当時、韓国政府が日本政府の韓国人犠牲者に対する直接補償の提案を拒否し、国が補償金を受け取って支給する方法を選んだ」と主張した。

 遺族会はこの日、国会で記者会見を開き、その証拠として「第5回韓日会談予備会談会議録(一般請求権小委員会第12、13回会議録)」を公開した。

 遺族会は「会議録を見ると、韓日会談当時、韓国政府は労務者と軍人・軍属を含め、徴用の方法で国外に動員された生存者、負傷者、死亡者、行方不明者など、被徴用韓国人の肉体的・精神的苦痛に対する補償金の支給を請求した」とし、「しかし韓国政府は日本政府の韓国人犠牲者に対する直接補償の提案を拒否し、国が補償金を受け取って支給する方法を選んだことが記録されている」と主張した。

 遺族会はさらに「朴正熙(パク・チョンヒ)政権はしかし、65年の韓日協定締結後に受け取った5億ドルの対日請求権資金で、被徴用韓国人に対する補償を実施すべきだったにもかかわらず、浦項(ポハン)製鉄と京釜(キョンブ)高速道路の建設に投入し、維新政権時の70年代に軍人・軍属の死亡者8000人に限って補償をしたにとどまった」とした。


だから日本政府は「条約で解決済み」という立場というわけだ。
韓国政府も、日本で韓国を支持する人達も、いかにいい加減で嘘つきかがこれで良く解るだろう。





以上となります。
今回の内容は、ネット上では結構取り上げられ既出の内容ではありますが、来月の協議に向けておさらいもかねて書いてみました。
メディアじゃ絶対に伝えない内容ですしね。