日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

徴用工問題と韓国の司法


さて、本日の内容なのですが、本来は去年の11月にやっておくべき内容だったのですが、色々あってそのまま忘れてしまっていた内容となります。
また、今回の件は関連過去記事や動画を補完する内容となります。


過去記事
韓国の徴用工裁判について


過去動画







初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由


注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


現在韓国は一連の徴用工裁判に関連し、日本に対して事実上の協議拒否の態度を取っており、またこの件で「政府は司法判断に従っているだけ」としているが、実際には韓国の司法は三権が分立しておらず、司法は政府のコントロール下にある。


また、一連の裁判で韓国側は過去に「解決済み」とした韓国の裁判との矛盾を解消するために、「日韓併合は違法」という判決をしているが、実際問題日韓併合は当時としては合法であり、また韓国は日韓請求権関連協定に違反しない理由もこれで説明しようとしているため、韓国は国際法違反をしている事となる。


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:韓国司法は政治的


まずはこちらの2つの記事から

日本は謙虚な姿勢を 徴用判決の政治争点化「賢明でない」=文大統領
聨合ニュース 2019.01.10
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20190110002600882

【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領は10日、青瓦台(大統領府)で開いた新年の記者会見で、韓日関係と関連し、「日本政府は(歴史問題に)もう少し謙虚な立場をとるべきだ」と述べた。韓国大法院(最高裁)が日本による植民地時代に強制徴用された韓国人被害者への賠償を日本企業に命じる確定判決を出したことを巡り、「日本の政治指導者が政治的な争点とし、問題を拡散させているのは賢明な態度ではない。政治的な攻防に向かうことは望ましくない」と指摘した。

 文大統領は、「政府は司法の判決を尊重しなければならない」とし、「日本も同様だ。韓国裁判所の判決に不満があったとしても、基本的に仕方がないとの認識を持つべきだ」と述べて判決の尊重を求めた。

 さらに「韓国の司法が韓日請求権協定で解決されなかったと判断した問題に対し、そして被害者たちの実質的な苦痛を癒やす問題に対し、韓日両国がどう解決するのかを真剣に考えてみる必要がある」と語った。


韓国、回答期限を拒否=「30日以内」日本の協議要請に
時事通信 2019年01月15日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019011500916&g=int

【ソウル時事】韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた元徴用工訴訟をめぐり、日本政府が韓国政府に日韓請求権協定に基づく協議を求めたことについて、韓国政府高官は15日、「30日以内」とする日本側の回答期限設定を拒否する立場を明らかにした。

 この高官は「(日本の協議申し入れは)綿密に検討した上で回答する」と説明、「(回答の時期は)決まっていないが、必ず30日以内に答えなければならないとは考えていない」と断言した。
 韓国メディアは14日、日本政府が9日に韓国政府に送った文書で協議を要請した際、「30日以内に」回答するよう求めたと報道している。(2019/01/15-16:54)


最初の記事は、一連の徴用工裁判に関連し、韓国の文大統領が「韓国の司法が韓日請求権協定で解決されなかったと判断した」だから政府は司法判断を尊重したと主張しています。


次の記事では、この問題に関連し日本政府が日韓請求権関連協定で定められた問題解決手続きをしようとしたところ、韓国側が事実上協議を拒否してきた事を伝える記事です。


この件なのですが、実際のところ韓国の司法は三権として独立しておらず、事実上政府の制御下にあります。
最大の問題は、韓国の大法院院長(日本の最高裁判所長官に相当)は大統領に任命権があり、大統領が指名し国会の承認を得て院長になるため、その時の政権の影響を強く受けることです。


そのうえでこちらの記事を見てもらうと


金命洙候補、揺れる司法府の独立を守る首長なのか 東亜日報 September. 14, 2017


現在韓国の大法院院長となっている金命洙氏に関して、東亜日報が「ウリ法研究会」という団体に所属していた事、大法官(最高裁判所裁判官)の経験がないことから、文大統領の身内人事であるとして問題視しています。


特にこのウリ法研究会とは非常に政治的なイデオロギー色の強い団体であり、度々韓国内でその政治活動が問題となっており、例えば以下の2010年の記事のように


[社説]朴時煥最高裁判事は「ウリ法研究会」の解散を先導すべきだ 東亜日報 January. 29, 2010
【社説】「ウリ法研究会」から自主解体すべき 中央日報 2010年01月22日


この団体の目的は、法曹界を彼らのコントロール下におく事を目的としており、「ここ(韓国)が米国の53番目の州にでもあるのか…」や「親日派の独裁により、富と権力を手にしている彼ら、そしてそれを世襲した連中は、血の付いた手を開こうとせず…」といった政治的スローガンを掲げる問題のある団体だと指摘しています。


そしてこうした考え方は、文大統領の政治的な傾向とも非常に似通っており、だから金命洙氏は文大統領の「お気に入り」として大法院院長に選ばれたのだと、そうした批判が以前からあるのです。


日本ではこの問題を産経と日経と東洋経済くらいしか報じておらず、殆ど知られていませんが、見てのように韓国の政治家や大統領が「司法判断を尊重しただけ」と主張しても、それは「日本の司法判断」とはまったくの別物、殆ど自作自演に近いのです。


例えばの話ですが、日本の総理大臣が自身とイデオロギー的に近い人物を最高裁判所長官に推薦し、国会の多数派(与党)の承認を得て長官に就任したとして、誰が「司法の独立」を信じるのか、そういう事です。

2:判決は国際法違反


これだけでも充分徴用工裁判は問題と言えるのですが、問題はそれだけではありません。
以前記事や動画で少し言及しましたが、元々韓国でも以下の記事にあるように


「日帝徴用被害者不払い賃金、日本に請求権行使難しい」 中央日報 2009年08月15日


2009年の判決で「日帝動員被害者(不払い賃金)供託金は、請求権協定を通じて日本から受けとった無償の3億ドルに含まれているとしなくてはならないため、日本政府に請求権を行使しにくい」として棄却されていました。


が、2012年に以下のように


韓国最高裁「日本企業、徴用者に賠償責任ある」 中央日報 2012年05月24日


「1965年に締結された韓日請求権協定は日本の植民支配の賠償を請求するための交渉ではないため、日帝が犯した反人道的不法行為に対する個人の損害賠償請求権は依然として有効」としました。


そして去年10月の判決でも以下のように


韓国最高裁 新日鉄に4千万円賠償命じる=徴用工訴訟で原告の勝訴確定 聨合ニュース 2018/10/30
強制徴用:新日鉄住金に賠償命令の「記念碑的判決」、国際的に波紋呼ぶ恐れ 朝鮮日報 2018/10/31


「日本の判決は日本植民地時代の強制動員そのものを違法と見なしている韓国の憲法の中核的な価値と真っ向から対立する。韓国の善良な風俗と社会秩序に反した判決であることは明らかだ」としました。


どういう事なのかもう少し詳しく書くと、日韓請求権関連協定はあくまで未払い賃金に関する補償を行うためのものであり、「不法な植民地支配による損害賠償請求権は1965年の日韓請求権関連協定に含まれていない」という事です。


以前も少し言及していますが、韓国では「日韓併合は違法」であり、だからその違法期間に行われた徴用も全て違法としているのです。
韓国の判決には、個別の事例の検証する必要をなくすと同時に、過去の判決や日韓請求権関連協定との整合性を取るためにこのような判決を出した事になります。


ここで重要となるのは、韓国の主張する「違法」の定義とは国際法上違法という意味である事です。
日本側が併合は当時としては(国際法上)合法としていることに対する反論としてこう主張しているので、これは確実です。
(この部分非常に重要です)


そして過去動画で解説しましたが、この韓国側の主張は成り立ちません。
今回の件と深く関係するのでもう一度解説します。


英の学者ら「日韓併合不法論」支持せず 韓国主張崩れる 産経新聞 2001.11.27


2001年、韓国政府は「日韓併合国際法上違法である」という結論を出すために資金を出し、ハーバード大学主催で国際学術会議を開きました。


しかし、会議に呼ばれたケンブリッジ大学国際法学者、ジェームズ・クロフォード(James Richard Crawford)教授により、「自分で生きていけない国について周辺の国が国際的秩序の観点からその国を取り込むということは当時よくあったことで、日韓併合条約は国際法上は不法なものではなかった」「強制されたから不法という議論は第一次世界大戦(一九一四-一八年)以降のもので当時としては問題 になるものではない」という結論が出されました。


韓国側はこれに明確な反論ができず、この学術会議は無期延期となりました。


ここで重要となるのは、国際法という法律があるわけではなく、二国間、或いは多国間で結ばれた条約や協定、或いは国際的に通用する慣習法などを総じて便宜上国際法と呼んでいるという事です。


そしてクロフォード教授が「強制されたから不法という議論は第一次世界大戦(一九一四-一八年)以降のもので当時としては問題 になるものではない」と言ってるように、軍事的な背景などを含む併合が国際的に違法とされたのは第一次大戦以降なのです。


具体的には、軍事的な背景等を伴う併合が国際法上違法となったのは、1919年のパリ講和会議からという事になり、それ以前は該当する国際法は無いので合法となる、だから日本政府は『当時としては合法』と主張しているわけです。


つまり、違法か合法かの線引きが1919年に行われたことになるのですが、韓国側がこれを覆す場合、この国際法解釈を過去に無制限に遡って適用できることを証明するか、或いは線引きがもっと前の時代にされた事を証明するか、または全く新しい国際法解釈を韓国政府が作り出すか、この3つしかありません。


そして韓国政府はそのどれも現状行っていないのです。


そしてここで問題が発生します。
先ほども説明したように、韓国司法は2009年の判決との矛盾を「日韓併合が違法である」という前提で解消しようとしており、また「日韓併合は違法である」という前提で日韓請求権関連協定に矛盾しないと主張しています。


しかし、そもそも「日韓併合は違法である」という事を韓国側が証明できていないので、そもそもの判決の前提が成り立っていないのです。
だからこそ韓国政府や司法のやっている事は日韓請求権関連協定という「国際法」を無視した「国際法違反」なのです。


そして更に問題なのは、この問題は三権分立を無視し韓国政府と癒着した司法が、現在の国際法を無視して行った判決であるにも関わらず、日本でこれを支持する弁護士やマスコミ関係者・学者などが存在している事です。


彼らはこの意味を理解しているのでしょうか。
日韓併合国際法上違法」という事を彼らが証明できなければ、それは彼らが法治主義を否定したことになるのと同じなのですが。



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