日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

徴用工裁判問題の現状と対応


さて、本日は一連の徴用工裁判と日本企業の資産売却の件が現状どうなっているのかについて書いていきます。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由

注意

・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


一連の徴用工裁判に関連し、判決の問題は大きく分けて3つ存在しており、「日韓請求権関連協定で正式に話し合われ合意した内容が無視されている」「徴用工裁判判決で「韓国側要求額に及ばないので、請求権協定の適用対象に含まれない」としている金額は、交渉にあたった当事者が『証拠として価値がない」と証言している」「日韓併合の違法性を証明できていないにも関わらず「違法」という前提で判決を出している」となっている。


そのうえで韓国政府は「裁判所の判決に口出しはしない」と、司法への不介入を宣言しているが、実際には現韓国政府は裁判所や検察に政治的な介入をし続けており、これが上辺の理由であることがわかる。


そして日本側の対応としては「韓国を懲らしめる」というより「韓国のカントリーリスクに対応する」という対処をする方が望ましい。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:問題点のおさらい


今回、何度目かの繰り返しになってしまいますが『非常に重要な事』であることと、これをしっかりと説明しているメディアが存在しないどころか、「どっちもどっち論」へと転嫁しているところまであるので、改めて書きます。


一連の騒動の発端となった2018年の徴用工裁判には大きく分けて3つの問題点が存在しており、それは以下になります。

:「日韓請求権関連協定で正式に話し合われ合意した内容が無視されている」

:「徴用工裁判判決で「韓国側要求額に及ばないので、請求権協定の適用対象に含まれない」としている金額は、交渉にあたった当事者が『証拠として価値がない」と証言している」

:「日韓併合の違法性を証明できていないにも関わらず「違法」という前提で判決を出している」

これを踏まえて以下の判決文を読んでもらうと

新日鉄住金徴用工事件再上告審判決(大法院2018年10月30 日判決)
http://justice.skr.jp/koreajudgements/12-5.pdf?fbclid=IwAR052r4iYHUgQAWcW0KM3amJrKH-QPEMrH5VihJP_NAJxTxWGw4PlQD01Jo

(該当部分抜粋)
差戻し後の原審において被告が追加して提出した各証拠なども、強制動員慰謝料請求権が請求権協定の適用対象に含まれないという上記のような判断を左右するものであるとは考えられない。

上記の各証拠によれば、1961年5月10日、第5次韓日会談予備会談の過程で大韓民国側が「他国民を強制的に動員することによって負わせた被徴用者の精神的、肉体的苦痛に対する補償」に言及した事実、1961年12月15日、第6次韓日会談予備会談の過程で大韓民国側が「8項目に対する補償として総額12億2000万ドルを要求し、そのうちの3億6400万ドル(約30%)を強制動員被害補償に対するものとして算定(生存者1人当り200ドル、死亡者1人当たり1650ドル、負傷者1人当り2000ドルを基準とする)」した事実などを認める事はできる。

しかし、上記のような発言内容は大韓民国や日本の公式見解でなく、具体的な交渉過程における交渉担当者の発言に過ぎず、13年にわたった交渉過程において一貫して主張された内容でもない。

「被徴用者の精神的、肉体的苦痛」に言及したのは、交渉で有利な地位を占めようという目的による発言に過ぎないと考えられる余地が大きく、実際に当時日本側の反発で第5次韓日会談の交渉は妥結されることもなかった。

また、上記のとおり交渉過程で総額12億2000万ドルを要求したにもかかわらず、実際の請求権協定では3億ドル(無償)で妥結した。このように要求額にはるかに及ばない3億ドルのみを受けとった状況で、強制動員慰謝料請求権も請求権協定の適用対象に含まれていたとはとうてい認めがたい。


まず「上記のような発言内容は大韓民国や日本の公式見解でなく、具体的な交渉過程における交渉担当者の発言に過ぎず、13年にわたった交渉過程において一貫して主張された内容でもない」という部分が第一の問題です。


韓国側が「具体的な交渉過程における交渉担当者の発言に過ぎず」としている部分、実際にはどうなっているかというと

第5次 韓・日会談 予備会談
一般請求権小委員会会議録
1-13次、1960-61
P340
一般請求権小委員会第12次会議 会議録
1961.4.28午前10時30分~12時20分
日本外務省会議室
http://www.f8.wx301.smilestart.ne.jp/honyaku/honyaku-2/718.pdf

(該当部分抜粋)
日本側 複雑な問題があるが、帰国時貰わないで帰って行った人が多い。それに朝連が手を伸ばしたのもある。具体的な事情は、後に話をする機会があるだろうと思う。

韓国側 給料、手当等その当時の規定によって貰えるものを貰えず帰還したので、日本側がそれを預受していると聞いている。

日本側 補償金とはどのような性格のものなのか。

韓国側 未収金はその当時の規定によって貰えるものを貰えないことをいい、補償金は生存者、負傷者、死亡者を含み被徴用者に対する補償、即ち精神的苦痛に対する補償をいうものだ。そしてこの被徴用者には軍人軍属を含む。

日本側 その他の項目としては、具体的に考えているものがあるのか。

韓国側 今としては予定していないが、1項目以下7項目のその他はその請求を留保している。

日本側 この項目は私的な請求がほとんどだと思い、従来このような請求は国交が正常化できなかったから解決をみられなかったもので、今後国交が回復し正常化すれば、日本の一般法律に沿って個別的に解決する方法もあると思うが、この点をどう思うか。

韓国側 解決方法としては色々あるだろうが、われわれは国が代って解決しようというのであり、またここで提示した請求は国交回復に先行して解決されなければならないと思う。



1961年の一般請求権小委員会第12次会議において、韓国側がそれまで8項目の対日請求要綱に含まれていなかった、「徴用者の補償」の問題を追加してきたため、日本側が「補償金とはどのような性格のものなのか。」と質問しています。


すると韓国側は「未収金はその当時の規定によって貰えるものを貰えないことをいい、補償金は生存者、負傷者、死亡者を含み被徴用者に対する補償、即ち精神的苦痛に対する補償をいうものだ。そしてこの被徴用者には軍人軍属を含む」と回答しています。


そして日本側が「今後国交が回復し正常化すれば、日本の一般法律に沿って個別的に解決する方法もあると思うが、この点をどう思うか。」と回答すると、「われわれは国が代って解決しようというのであり、またここで提示した請求は国交回復に先行して解決されなければならない」と答えています。


つまり、日本側が「補償金」に対して「国交正常化後の個別補償」を提案したところ、韓国側は正常化前の「韓国政府への一括支払い」を提案しています。


そして徴用工裁判では「交渉で有利な地位を占めようという目的による発言に過ぎないと考えられる余地が大きく、実際に当時日本側の反発で第5次韓日会談の交渉は妥結されることもなかった」となっていますが、実際に日本政府は韓国政府に「一括支払い」をしています。


つまり、実際には最終的に日韓請求権関連協定にこの内容が含まれており、韓国政府は一括で資金を受け取っているにも関わらず、「第五次予備会談は妥結されなかった」という部分のみを切り出して「交渉者の個人的見解に過ぎない」と論点をすり替えているわけです。


そして2つ目の問題は「上記のとおり交渉過程で総額12億2000万ドルを要求したにもかかわらず、実際の請求権協定では3億ドル(無償)で妥結した。このように要求額にはるかに及ばない3億ドルのみを受けとった状況で、強制動員慰謝料請求権も請求権協定の適用対象に含まれていたとはとうてい認めがたい」としている部分です。


「日帝被害者数103万人は適当に算出」 朝鮮日報 2005/01/21


それに関して、2005年に当時実際に交渉に参加した鄭一永元次官が朝鮮日報のインタビューに答えており「当時韓国側がまとめた数値は裁判所に持って行っても証拠能力のないもの」と答えています。


つまり韓国の大法院は、交渉に参加していた当事者が「証拠としての価値のない、裁判に提出しても負ける」としている金額を根拠に、「要求額にはるかに及ばないので請求権の適用対象に含まれない」という判決を出しているのです。


最後の3つ目は


英の学者ら「日韓併合不法論」支持せず 韓国主張崩れる  産経新聞 2001.11.27


韓国大法院は「日韓併合は違法である」という前提で判決を出していますが、上記記事にもあるように、2001年に韓国は「日韓併合は違法である」という結論を出そうと国際会議を開きます。


しかし韓国の思惑は外れ「自分で生きていけない国について周辺の国が国際的秩序の観点からその国を取り込むということは当時よくあったことで、日韓併合条約は国際法上は不法なものではなかった」「強制されたから不法という議論は第一次世界大戦(1914~18年)以降のもので当時としては問題 になるものではない」という意見が出され、これに韓国側は一切の反論ができませんでした。


つまり、韓国大法院は本来「違法」とするならば新たな国際法解釈をしなければいけないにも関わらず、それをせずに「違法」という「前提」で判決を出しているという事になります。


以上が一連の徴用工裁判の問題点です。

2:司法介入はしない?


そのうえで、現在韓国政府はこの件に対し以下のようなコメントをしています。


韓国大統領府「司法の決定に立場示すのは不適切」 徴用工訴訟巡り 聯合ニュース  2020.08.03


「司法の決定に立場示すのは不適切」として、政治による司法不介入の原則を根拠に見解を発表していません。
国家間の正式の協定を、明らかに問題のある内容で反故にする判決が出ているにもかかわらずです。


これに関してなのですが、上記だけでも大問題なのですが、実際にはさらなる問題があります。


現在の韓国大法院院長は金命洙という人物なのですが、この人物は以下にもあるように


韓国徴用工判決、在韓米軍撤退→北朝鮮による韓国軍事攻略→韓国吸収の最悪シナリオ Business Journal 2018.10.31


大法院判事の経験がない人物が大法院長に就任するという、韓国では極めて異例の人事で抜擢された人物です。


そしてその背景として、「ウリ法研究会」という裁判所内組織が関わっており、この人物はこの組織の会長を務めた人物です。


更に、このウリ法研究会とは以下にあるように


[社説]朴時煥最高裁判事は「ウリ法研究会」の解散を先導すべきだ 東亜日報 January. 29, 2010


イラクへの派兵は、不法への幇助であり違憲だ」「親日派の独裁により、富と権力を手にしている彼ら、そしてそれを世襲した連中は、血の付いた手を開こうとせず…」という露骨な反日反米組織であり、文政権とは非常に政治的に近しい関係にあります。


更には


【社説】憲法ではなく文在寅政権を守る憲法裁判所 朝鮮日報 2019/04/20


文政権になってからこの政治的に文政権に近しい「ウリ法研究会」関係者が次々と司法の場の要職に就くという状況になっており、そもそも文在寅政権は「政治の司法不介入」どころか、積極的に司法に介入し続けているのです。


つまり、徴用工裁判の判決も文政権の意向が強く反映されている政治的判決という事であり、「司法の決定に立場示すのは不適切」という韓国政府の公式見解は、「建て前にもなっていない」という事になります。


しかも文政権はそれだけではなく


尹錫悦検察総長「民主主義を装った独裁を排撃すべき」 朝鮮日報 2020/08/04 (1/3ページ) (2/3ページ) (3/3ページ


文政権の要職を務める人物の不正捜査を行う検察官を次々と左遷させ、更には最後に残った検察総長も様々な「不祥事」をでっちあげられ攻撃されており、「民主主義を装った独裁を排撃すべき」と批判されている状態です。


つまり、そもそも現在の韓国は司法が韓国政府のコントロール下にあり「司法の独立」など存在していないのです。


文政権は「韓国政府が日本との公式の協定を破った」という状況にしたくないがために、「司法が判断したことで政府は未介入だ」と言っているだけというわけです。
これが徴用工裁判の実態です。


3:今後の日本の対応


今回書いたように、韓国の行っていることは国際法上到底受け入れられるようなことではなく、もしこれを日本側が曖昧に決着させたりしてしまうと、日本は国際社会から「国家間の協定を守らせることができない国」という評価を受けることになります。


そうなってしまったら、今後日本と真っ当な条約や協定を結ぶ国はいなくなるでしょう。
協定破りという国際違反にろくな対応もできない国に信用などないからですから、他国も次々と日本との協定や条約破りを行う可能性があるからです。


つまり、この件で日本は「決して折れてはいけない」のです。


そのうえで、日本のいくつかのメディアは「どっちもどっち」的な論調であたかも日本にも落ち度があり、韓国の言い分にも理があるかのように、また韓国に「余裕がある」かのように書いているところもあります。


しかし実際には以下にあるように


日本製鉄、資産差し押えを避けるため「即時抗告方針」を表明 ハンギョレ新聞 2020-08-05


韓国の裁判所は「新日鉄が抗告した」という口実でまた「資産現金化の先延ばし」をしています。


更には


韓日GSOMIA終了「いつでも可能」 徴用訴訟問題は対話で解決を=韓国政府 聯合ニュース 2020.08.04


韓国政府は「GSOMIAはいつでも終了可能だ」と主張していますが、去年アメリカから圧力をかけられ破棄撤回をしたばかりにも関わらず、また同じことができるわけがありません。


これはどういうことかといえば、「韓国にはもう対抗カードがない」という事です。


だから「現金化できる」と言いながら様々な理由を付けて先延ばしし、交渉カードにもならないGSOMIAをあたかも有効なカードであるかのように装っているのです。
もし有効なカードがあるのならこんなことをする必要は当然ありません。


韓国はひたすら「日本が折れてくれるのを待っているだけ」という、もはや完全に手詰まり状態なのです。


そして今後の日本の対応なのですが、「韓国を懲らしめる」という態度ではなく、「韓国固有のカントリーリスクに対処する」という方針で企業も含めてやっていくのがいいでしょう。


なぜかというと、仮に今回の問題が何らかの形で「円満に解決した」としても、韓国にはその独特の価値観に基づく



【コラム】約束の差を理解してこそ韓日葛藤は解消 韓国経済新聞/中央日報 2020.05.16
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/266005


「正しさは約束や条約に優越する」という特有の考え方があります。

※独特の正しさの概念

彼らの正しさの概念は独特であり、根拠を必要としない。
また「この世には最初から一つの正しさが存在する」と考えられており、自分はその正しさを常に選択していると考える傾向にある。

そして正しさ同士がぶつかった場合には、(曲解でも捏造でもその件と全く関係なくともなんでもいいので)相手の劣等性を指摘する事でそれを自己の正しさの担保とする。

また相手の劣等性を指摘した時点で自身が指摘された問題は相手の問題にすり替わる。


youtube
https://youtu.be/PvEa1FjkkEw


このため、今回のような問題は今後も発生する可能性が極めて高く、日本は企業も含めそのたびに損害を被ることとなる上に、今回の件では韓国政府が「日本製品不買運動」を煽ったため、多数の企業がその被害を受けるという状況になりました。


しかも、この約束の概念の違いから「日本人が問題点を指摘しても韓国人は理解出来ない」ため、問題点の指摘自体に意味がなく、なので「懲らしめる」という態度にも一過性の効果しかありません。


ですので、「韓国とはこうした価値観の国なのだ」という認識で、それを「韓国特有の恒久的カントリーリスク」と定義し、そのうえでの対処をしていく事が重要となるというわけです。


「私たちの常識」で問題点を指摘する事は全くの無意味なのですから。



来週8月13日はお休みし、再開は8月20日になります。




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