日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

【マスコミ問題】支離滅裂なマスコミ


本日は以前動画にした「テレビ局と放送法」の実質的な続きとなります。

元記事
支離滅裂な放送法を巡る報道
「利権を守りたいだけ」のマスコミ
「矛盾」だらけのテレビ局


関連動画
【マスコミ問題】テレビ局と放送法 前編
【マスコミ問題】テレビ局と放送法 後編





youtube
https://youtu.be/DXJ3EqO3-iA




以下は動画のテキスト版です

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由


注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています

・「マスコミ問題」ですので、イデオロギーや属性等は一切関係ありません

・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・キャラ崩壊あり

・動画の拙い部分は生暖かく見守ってください、そのうちなんとかします


レイム マリサ
ゆっくりしていってね


マリサ
さて、今回は久々にマスコミ問題なので私が解説していくぜ。


レイム
そういえば今回は過去の問題じゃなくて最近の問題なのよね。


マリサ
そうだぜ、去年11月にやった「テレビ局と放送法」の前編・後編の実質的な続きになるな。


レイム
また何か新しい動きがあったって事?


マリサ
ありまくりだぜ。
まあ、詳細は本編でな。


おさらい


マリサ
今回もまず始めに過去動画のおさらいから始めるぜ。


レイム
元々は2008年に現在の外務大臣河野太郎氏が、「テレビ局の電波使用料だけが異様に安すぎる」と問題提起したのが、放送法を巡る問題の『公的な』出発点なのよね。


マリサ
その後2016年、安保法を巡るテレビ放送で、いくつかのテレビ局が明らかに政治的中立性に違反する報道を行い、その件で政府が放送法違反と停波に言及すると、テレビ局側は「放送法二章四条は倫理規定で義務ではないと言い出し、更に国連報告者のデビッド・ケイ米カリフォルニア大アーバイン校教授を呼んで、記者会見で「政府は放送法4条を廃止しメディア規制から手を引くよう勧告する」と発表したわけだな。


レイム
このケイ教授の記者会見をマスコミ各社が「無批判に」報じたことがポイントなのよね。


マリサ
そうだぜ。
この部分が今回の本題になるから、後で詳しく説明するぜ。


マリサ
それで、まずこの放送法に関してマスコミ側の何が問題かというと、一つ目が彼らの主張が「テレビ局には公共性がある」と主張している事なんだぜ。


レイム
でも実際には、テレビ局って公共の電波の私的利用を繰り返しているのよね。


マリサ
そうだぜ。
代表的な事例では、過去動画でも紹介したこれがあるな。

好業績の民放各局 収益支えるイベント、グッズ、不動産事業
NEWSポストセブン 2012.03.21
http://www.news-postseven.com/archives/20120321_96167.html

昨年7月の地デジ化以降、テレビを観ることを止めた人の数を示すNHK解約件数は16.3万件(今年2月末見込み)に達している。

 視聴者のテレビ離れは確実に進んでいるにもかかわらず、不思議なことが起こっている。民放キー局の2012年3月期決算(通期)予想は、震災の影響など微塵も感じさせない好業績のオンパレードなのだ。

 日本テレビは3005億円の売り上げを見込み、経常利益は340億円と、歴代2位の数字。フジテレビは3226億円の売り上げで、経常利益242億円。視聴率万年4位のTBSでさえ、売り上げ3445億円、経常利益は125億円といった具合だ。

 こうした収益を支える主役となっているのが、各局の「副業」だ。

 フジテレビは本業である放送収入は4%減なのに、シルク・ドゥ・ソレイユベルリン・フィル公演、映画『ステキな金縛り』のサイドビジネスが好調で、経常利益を押し上げた。

 それらの収益はすべて、公共の電波を使って宣伝を行なったことにより得られたものだ。他企業であれば、同じ宣伝効果を望めば何百万~何千万円の出費を強いられるが、テレビ局は電波にタダ乗りでやりたい放題。その手口は最近、ますます巧妙になっている。

 とりわけ業績の好調な日テレとフジは、新たにドラマと連動した通販事業に本格的に乗り出している。

 松嶋菜々子主演の大ヒット・ドラマ『家政婦のミタ』(日テレ)内で主人公が使用したバッグや、小泉今日子主演『最後から二番目の恋』(フジ)に登場する食器など、劇中アイテムを自社ホームページの特設コーナーで販売するドラマ連動型通販ビジネスである。

 視聴率40%の『ミタ』のような大ヒット作を生めば、「自社でライツを有するバッグや本など関連グッズの売り上げだけで数十億は見込める」(日テレ関係者)ばかりか、他の自社の通販商品への波及効果も計算できるという。

 震災に“便乗”して、東北の観光誘致や特産品販売フェアなどを積極的に行なったTBS「赤坂サカス」の累計来場者は2800万人を超え(2008年3月オープン)、同社の不動産事業の収入は年間160億円と、いまや収益の大きな柱だ。

 この手法を真似て、日テレは元本社跡地の麹町に高層ビル群を建設して再開発事業に乗り出す構えで、テレ朝も西麻布と六本木の超一等地を買い漁り、新本社や商業施設を建設する計画をブチ上げている。電波を宣伝に流用し放題なのだから集客効果は抜群で、リスクのないオイシイ計画だ。


マリサ
要するにだ、テレビ局は他の企業であれば「公共の電波」に宣伝を乗せるため莫大な広告費を支払わないといけないにも関わらず、テレビ局はテレビ放送と全く関係ない自社イベントや自社ブランドの製品の宣伝を、一切の負担なく公共の電波で放送しているわけだ。


レイム
公共性があるという建前の下でテレビ局の寡占状態が容認されているのに、テレビ局は公共性を無視して電波を私的に利用しているわけね。
でも、これってNHKは当てはまらないわよね。


マリサ
そんな事は無いぜ。
例えば科学番組とかで企業と大学が共同研究しているとか、次世代エネルギー等を企業が研究していて、その結果出てきた製品を番組中で取り上げるとか、そういうのなら問題ないんだが、NHKってどういう規準で選んだのか不明な、私的な企業の「製品」や「店舗」を番組内で宣伝している場合があるんだぜ。


レイム
ああ、要するに同業他社でも似たような製品があったり、似たようなお店もあるのに特定の店舗を集中的に報じていたりする場合ね。
確かにそれは公共性が不明で不公平ね。


マリサ
で、もう一つの問題が、テレビ局の立場を利用して他国のプロパガンダに積極的に加担している事例な。


マリサ
マスコミは政治的中立性があると自称しているけど、例えば以前の動画で解説したNHKのこちらの事例みたいに

Christopher R. Hill, Assistant Secretary for East Asian and Pacific Affairs
US Embassy, Tokyo
Tokyo, Japan February 6, 2007
http://www.state.gov/p/eap/rls/rm/2007/80100.htm(リンク切れ)
http://web.archive.org/web/20070219080621/http://www.state.gov/p/eap/rls/rm/2007/80100.htm

(前略)
QUESTION: My friend from the Chinese diplomats, he just mentioned some dissatisfaction over the Japanese Government, you know, insisting on something on the abductees issues. They just always complain that that's an obstacle for the further progress on the Six-Party Talks. So I see some gaps in the perception between Japan and other countries. So how can you just persuade the Japanese Government?

ASSISTANT SECRETARY HILL: Well, you know, I don't know who your friends are in the Chinese Foreign Ministry, but the Chinese Foreign Ministry people I talked to understand that this is a big issue for Japan, and the Japanese Government cannot ignore this issue. So I think the Chinese try to look at these problems with a sense of realism, and the reality is it's an issue. So we'll see what we can do.
(後略)

NHK:私の友人の中国人外交官は日本政府の態度に不満を持っていて、日本政府が拉致問題にこだわっていることに不満です。彼らはいつも6者会合の進展にとって拉致問題は障害であると文句を言っており、日本と他の国の間に、この問題でギャップがあります。
日本政府に、この点について、貴方は説得できますか?
ヒル:貴方の友人の外交官が中国外交部の誰なのか知りませんが、私の話している中国外交部は、この日本にとって大きな問題を理解しています。日本政府がこの問題を無視できない事を理解しています。中国はこの問題を現実的な観点で解決しようとしていて、実際それは問題なわけです。我々は何が出来るのかを今後知る事になるでしょう。


マリサ
2007年のブッシュ大統領へのインタビュー時に、「私の友人の中国人外交官は日本政府の態度に不満を持っていて、日本政府が拉致問題にこだわっていることに不満です。彼らはいつも6者会合の進展にとって拉致問題は障害であると文句を言っており、日本と他の国の間に、この問題でギャップがあります。日本政府に、この点について、貴方は説得できますか?」なんて「要求」をしていたりするんだぜ。


レイム
これじゃNHK北朝鮮や中国政府のメッセンジャーをやっているようなもので、報道の中立性なんてあったもんじゃないわね。


マリサ
他にもこんな事例を紹介したよな。

第154回国会 衆議院安全保障委員会 第9号
(平成14年7月25日(木曜日))
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/154/0015/15407250015009a.html

○杉嶋参考人
(一部抜粋)
 私の身柄引き取り交渉に進展が見えず、日本国政府の態度に業を煮やした焦りからか、二〇〇〇年六月二十一日にピョンヤンで記者会見を開き、日本国政府に圧力をかけるという計画がございました。そのとき、私の担当調査官は、日本の有力メディアが、とにかく一発記者会見をピョンヤンで開いてくれれば、我々はそれを受けて日本の政府に働きかけるということになっていると言いました。私はびっくりしまして、私の帰国運動に名をかりた身の代金要求交渉を進めようとしている北朝鮮のお先棒を担いでいる日本の有力メディアはどこかと考えました。帰国後、そうした北朝鮮側の情報操作の受け皿が何とTBSだったことを、家内へのTBS外信部長岡元隆治氏の手紙で判明しました。


マリサ
2002年の衆議院安全保障委員会で、北朝鮮にスパイ容疑で拘束されていた日経新聞の記者が、北朝鮮が日本政府に対して実質的な身代金要求をした時に、TBSが北朝鮮の片棒を担いで情報操作の受け皿になっていたという証言をした事例な。


レイム
この事例でも、報道の政治的中立性なんて一切守られていないわよね。


マリサ
そうだぜ。
で、問題はこの行為よりも「どこのテレビ局も」この明らかに政治的中立性を無視した行為に一切批判も問題提起もしていない事なんだぜ。


ダブルスタンダード


マリサ
で、ここまでが以前の動画のおさらいで、ここからが本題になるわけなんだが、先月末頃に政府はこんな発表をしたんだぜ。

放送の「政治的公平」撤廃も 政府、規制改革原案
通信と一本化検討
日経新聞 2018/3/26
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28585340W8A320C1EA2000/

 政府の規制改革推進会議が検討する放送事業改革の原案が明らかになった。テレビやラジオなどの放送事業とインターネットなどの通信事業で異なる規制を一本化する。放送番組の「政治的公平」などを定めた放送法4条の撤廃を視野に入れており、政治的に偏った番組が放送されるとの懸念がある。NHKへの規制は維持する方針で、NHKによる民業圧迫批判も高まりそうだ。同会議は6月にも改革案を安倍晋三首相に答申する。

 放送法4条は番組づくりの大原則となっており、放送業者の番組制作に「公序良俗」「政治的公平性」「正確な報道」などを求めている。インターネットなどの通信にはこうした規制はなく、通信にあわせるならこうしたルールは撤廃・縮小される。

 放送法4条だけでなく5条で規定した「報道」「教育」「娯楽」など番組の種別ごとに設けた編集基準の撤廃も検討課題になる。こうした規制がなくなれば番組制作の基準は事実上なくなる。

 原案ではこのほか、(1)放送設備の管理部門と番組の制作部門の分離(2)外資の参入規制(3)NHKのインターネット活用の同時配信の本格化――などの項目が並ぶ。規制改革推進会議は「放送と通信の垣根のない新しいコンテンツ流通環境を実現する」とうたっている。

 こうした背景には安倍首相の強い意向がある。首相は1月末の新経済連盟の会合で「ネットテレビは放送法の規制がかからない」と主張。自ら規制撤廃に意欲を示した。

 ただ、放送の規制が視聴者の利益に直結するかは疑問だ。放送法に詳しい立教大の砂川浩慶教授は「『フェイクニュース』が話題になったように情報が混乱するなかで放送法4条が撤廃されれば、放送の情報がどんどん偏る」と語る。「視聴者にとってなんのメリットがあるかわからない。健全な民主主義のためにも望ましくない」と指摘する。

 実際、野田聖子総務相は記者会見で「放送事業者は放送法の枠組みの中で、重要な社会的役割をしっかり果たしてきた」と強調。衆院総務委員会で「公序良俗を害するような番組や事実に基づかない報道が増加する可能性が考えられる」と語る。放送業界を所管する野田氏からも「フェイクニュース」への懸念が示されており、一定程度の規制が必要との意見もある。

 米国では、1987年に放送局に政治的な公平性を求めるフェアネスドクトリン規制が事実上撤廃された。一部で偏った放送も目立つようになり、報道への信頼性が大きく損なわれたとの反省がある。

 安倍政権はこれまで放送業界をけん制してきた。首相は14年衆院選でTBS番組に出演し「(一般の)声が反映されていない。おかしいじゃないですか」と同番組のインタビューに注文。16年には当時の高市早苗総務相が政治的な公平性を欠く放送を繰り返した場合は、電波停止する可能性に言及した。

 ただ学校法人「森友学園」問題で政権の支持率が低下するなか、放送法改正を実現すれば強い反発に遭うのは避けられない。政府関係者は「検討項目の中には、メディアをけん制する狙いのものもある」と話す。


マリサ
要するにだ、電波オークション制よりも更に突っ込んで、放送法四条を撤廃してテレビ事業の寡占状態そのものをなくしてしまい、ネット事業者や外資の参入も完全に自由化してしまおうってことだな。


レイム
テレビ局の寡占状態撤廃どころか、ネットとテレビの垣根を完全になくしてしまおうってことね。
随分おもいきったわね。


マリサ
まあ、放送法を有名無実化して好き勝手やってるのが現状のテレビ局である以上、報道の政治的中立性なんて存在意義ないしな。
建前上政治的中立を公言しながら、実際には政治的中立性なんて守る気もない報道を行うか、最初から「政治的に偏っていますよ」と宣言して報道するかの違いでしかないぜ。


レイム
まあ、政治的な中立性はあったほうがそれはいいけど、現在のテレビ局がどこも政治的中立性なんて守る気が一切無いのに、上辺だけ「守っている振り」をしている以上、偏っていると公言して報じたほうがまだマシよね。


マリサ
まあそういうことだぜ。
どっちにしろ偏るなら、偏っている事を公言されたほうが視聴者はわかりやすいうえに、テレビ業界は寡占状態を利用して公共の電波を私的に利用しているからな、こんな「利権」はさっさと撤廃したほうがいいわけだ。


マリサ
ついでにな、

首相、批判報道に不満か
毎日新聞 2018年3月28日
https://mainichi.jp/articles/20180329/k00/00m/010/136000c

(一部抜粋)
 この内容規制を外し、首相官邸が狙うように、インターネット事業者などが番組制作に参入した場合、内容の多様化の一方で、視聴率目的で極端な表現をする番組やフェイク(偽)ニュースが横行する恐れがある。実際に米国では、1987年に放送の「公平原則」(フェアネス・ドクトリン)を廃止してから、過激な論調の放送が増え、各放送局の政治的な党派色も強まった。米国内には、公平原則の復活を望む声もある。


マリサ
記事では「実際に米国では、1987年に放送の「公平原則」(フェアネス・ドクトリン)を廃止してから、過激な論調の放送が増え、各放送局の政治的な党派色も強まった。」と言っているんだが、TBSも毎日もなんでそれをデビッド・ケイ教授の記者会見のときに言わなかった?
特に毎日はケイ教授の件で特集まで組んでたのに。
この時点でかなり「偏ってる」よな。


マリサ
しかもだ、放送法ではこうなっているんだが

放送法
総務省
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC0000000132&openerCode=1

第二章 放送番組の編集等に関する通則
(放送番組編集の自由)
第三条 放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。
(国内放送等の放送番組の編集等)
第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。


マリサ
「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」とあるよな。
2016年にデビッド・ケイ教授は「政府は放送法4条を廃止しメディア規制から手を引くよう勧告する」と、テレビ局や新聞社の前で記者会見を開いたよな。
でも「現在」これを報じるメディアは存在せず、政府の方針に否定的な意見しか報じていないわけだ。


レイム
あー…
放送法を守れって主張をしながら本人達は放送法を守っていないわけね。


マリサ
まあこの問題、そもそもテレビ局各社の社長が記者会見を開いて「懸念」を表明して、それを各新聞社が報じてテレビ局ではそれを報じず、テレビで報じているのは「政治家が表明した懸念」だけなんだがな。
いずれにせよ両論併記していないけどな。

自民・岸田政調会長放送法4条「慎重に議論すべき」
TBS 2018年4月5日
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3334292.html

 テレビ、ラジオ番組への「政治的公平性」などを定めた放送法4条について、政府内で撤廃も含めた議論が行われていますが、自民党の岸田政調会長は「慎重に議論すべき」という考えを示しました。

 岸田氏は、放送法4条の扱いについて、「まだ党内で議論のテーブルには上っていない」とした上で、こう発言しました。

 「放送法の役割、この政治的な公平性とか、公序良俗の維持とか、さまざまな役割があるといわれています。慎重に議論すべきものではないか」(自民党 岸田文雄 政調会長

 放送法4条をめぐっては政府の規制改革推進会議で撤廃も含めた議論が行われてきましたが、政府・与党内からは撤廃に慎重な意見も出ています。


マリサ
他にもこんなのがあるぜ。

首相、批判的報道に不満か…放送事業の規制緩和
読売新聞 2018年03月18日
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20180317-OYT1T50010.html (リンク切れ)
https://archive.is/y9QNO

 安倍首相が目指す放送事業の見直しは、放送法4条などの規制の撤廃が目玉となる。背景には、首相に対する批判的な報道への不満があるようだ。

 今回の規制緩和は、AbemaTVに代表されるような「放送法の規制がかからないネットテレビ」(首相)などの放送事業への参入を狙ったものだ。首相は衆院選直前の昨年10月、AbemaTVで1時間にわたり自説を述べた経緯もある。政治的中立性の縛りを外せば、特定の党派色をむき出しにした番組が放送されかねない。

 ネット事業者などに放送事業の門戸を開放すれば、地上波キー局をはじめとする放送事業者の地盤沈下につながる。首相の動きに、放送業界は「民放解体を狙うだけでなく、首相を応援してくれる番組を期待しているのでは。政権のおごりだ」と警戒を強めている。


放送法の「政治的公平」撤廃を検討 政府、新規参入促す
朝日新聞 2018年3月24日
https://www.asahi.com/articles/ASL3Q6TVRL3QUTIL084.html

放送番組の「政治的公平」などを定めた放送法4条の撤廃が、政府内で検討されていることがわかった。放送の自律を守るための倫理規範とされる4条は、戦後に同法ができて以降、番組作りの大原則となってきた。インターネットテレビ局などが放送に参入する際の壁を低くする狙いとみられるが、政治的公平性が損なわれ、番組の質も下がるといった懸念が出ている。

 政府内でまとめられた文書「放送事業の大胆な見直しに向けた改革方針」によると、「コンテンツ産業における新規参入・競争」を進めるとして、「放送にのみ課されている規制(放送法第4条等)の撤廃」などを明記。「放送業界の構造改革を進め、放送と通信の垣根のない新しいコンテンツ流通環境を実現」するとした。NHKについては「放送内容に関する規律は維持」するという。

 4条を撤廃した場合、民間放送は政治的公平性や事実関係に配慮せずに番組を放送することが、理屈の上では可能になる。

 このため、放送を所管する野田聖子総務相が22日の衆院総務委員会で撤廃などについて問われ「4条は非常に重要で、多くの国民が今こそ求めているのではないか。(4条が)なくなった場合、公序良俗を害する番組や事実に基づかない報道が増加する可能性が考えられる」と述べるなど、政府内にも異論がある。日本民間放送連盟内からは「極端に政治的に偏った局ができる可能性がある」といった懸念の声も出ている。
(後略)



マリサ
読売の記事では、「政治的中立性の縛りを外せば、特定の党派色をむき出しにした番組が放送されかねない。」となっていて、朝日の記事では「民間放送は政治的公平性や事実関係に配慮せずに番組を放送することが、理屈の上では可能になる」となっているんだが、放送法は倫理規定で義務ではないとか言っていたのは誰だっけ?


レイム
要するに、テレビ局は政権に有利な放送局が出来る事を懸念しているわけね。


マリサ
まあ一応これは「政治的中立性が成り立っていれば」正論ではあるんだが、この正論を言う資格はテレビ局には無いんだぜ。
なんでかというとな、これを見てくれ。


高市氏の「停波」発言 ホントの怖さ
毎日新聞 2016年2月18日
https://mainichi.jp/articles/20160218/dde/012/010/060000c

 テレビ局が政治的公平性を欠く放送を繰り返した場合、電波停止(停波)を命じることができる−−。高市早苗総務相がそう述べたことに、「報道への介入だ」「言論の自由を脅かす」と反発する声が強まっている。この発言、ホントの怖さとは?【小国綾子、葛西大博】

威嚇?

 事の発端は8日の衆院予算委員会。「放送事業者が極端なことをして、行政指導をしても全く改善されずに公共の電波を使って繰り返される場合に、全くそれに対して何も対応しないということは約束するわけにはいかない」。高市総務相が、民主党奥野総一郎衆院議員の質問に対する答弁で、放送局が政治的公平性を欠く放送を繰り返せば、放送法4条違反を理由に電波法76条に基づき停波を命じる可能性に言及したのだ。

 9日の予算委でも「将来にわたって罰則規定を一切適用しないことまでは担保できない」と重ねて答弁。安倍晋三首相は10日の予算委でこの答弁を追認し、「政府や我が党が、高圧的に言論を弾圧しようとしているイメージを印象づけようとしているが全くの間違いだ。安倍政権こそ、与党こそ、言論の自由を大切にしている」と主張した。

 高市氏は「従来の総務省の見解を答弁しただけ」と強調する。だが質問者の奥野氏は「意図的に踏み込んだ発言」とみる。元総務官僚で放送行政に詳しい奥野氏は「役人なら、ああいう答弁は書きません。放送法違反で停波することはないか、という私の質問には『仮定の質問にはお答えできません』と答えるのが普通。しかし高市さんは紙を見ることなく自分の言葉で答弁していた」と振り返る。

 砂川浩慶・立教大准教授(メディア論)は「安倍政権はこれまでもメディアコントロールに積極的だった。それゆえ今回、従来の政府見解を重ねて示したというが、『停波』への言及は放送事業者への威嚇となり、表現の自由への攻撃になりかねない」と警告する。
萎縮する放送現場

 総務省によると、虚偽報道などを理由とした放送法に基づく総務相総務省局長名などの番組内容への行政指導は、1985年からの約30年間で36件。そのうち最初の安倍政権(2006年9月〜07年9月)の約1年では7件に上る。一方、民主党政権下では一件の行政指導もなかった。

 さらに現安倍政権下でも、衆院選を控えた14年11月、自民党は安倍政権の経済政策について街頭で聞いたTBSの報道が偏っていたとして、在京6局に「公平中立」を求める文書を出した。昨年4月にはNHKとテレビ朝日の番組内容について事情聴取し、NHKに総務相が行政指導をした。

 「米国で、オバマ大統領に批判的な報道をしたからといって、民主党がテレビの幹部を呼びつけるでしょうか」と砂川さん。「NHKは国会での自身の予算審議、民放は4月の番組改編を決める今の時期に、何度も『停波』の可能性に言及すれば、夏の参院選報道にも影響しかねない」と危惧するのである。

 国際ジャーナリストでテレビキャスターも務める蟹瀬誠一さんが打ち明ける。「『停波』発言が出れば現場はどうしても萎縮する。日本は企業ジャーナリズムで会社の縛りが強い。放送局の経営者は権力者側に近い面があり、そのような幹部の下では現場にもプレッシャーがかかる」

 放送法4条では「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」など放送事業者が番組編集上守るべき規則を定めている。放送による表現の自由憲法21条で保障されているため、放送法4条は憲法に抵触しないよう、放送局自身が努力目標として目指すべき「倫理規範」というのが多くの学者たちの解釈だ。しかし93年のテレビ朝日の「椿発言」をきっかけに、総務省は、罰則を科すことのできる「法規範」とする解釈を採用。電波法76条では、電波停止命令の権限が総務相に与えられている。

 高市氏が、一つの番組だけでも政治的公平性を欠いたと判断する可能性に言及したことも波紋を広げた。政府は12日、「一つの番組でなく放送事業者の番組全体を見て判断する従来の解釈に何ら変更はない」との統一見解を示したが、高市氏や安倍首相はその後も「『番組全体』は『一つ一つの番組の集合体』であり、一つ一つを見て全体を判断するのは当然」と述べている。

 蟹瀬さんは「昔ならともかく、多メディア、多チャンネル時代には、一つの番組を見て判断することは意味をなさない」と批判する。ジャーナリストの江川紹子さんも「さまざまな偏り方をした多様な番組が存在し、放送界全体で公平性が取れている方が国民は多様な情報に触れられます」。

 「一つ一つの番組の中でバランスを取れ、両論を扱えとなると、国民に対する情報提供の範囲は狭まってしまう」と憤るのは砂川さんだ。
自由が侵される

 高市氏は、民主党政権下の10年11月に、当時の平岡秀夫総務相が同じ趣旨の答弁をしている、とも主張する。

 江川さんが言う。「議事録によれば、平岡氏は総務省見解を述べた上で、罰則については『極めて慎重な配慮の下に運用すべきもの』と強調しています。片山善博総務相(当時)も『表現の自由基本的人権にかかわること』だから『極めて限定的』『厳格な要件の下』で『謙抑的でなければいけない』と答弁している。高市発言とのニュアンスの違いは一目瞭然です」

 市民団体「放送を語る会」と日本ジャーナリスト会議(JCJ)は「言論・表現の自由への許しがたい攻撃だ」と高市氏に辞任を求める声明を発表した。しかし、この問題に対する新聞報道には各紙に温度差がある。

 米国のAP通信や「TIME」誌での記者経験のある蟹瀬さんは「欧米メディアならば報道機関が連携し、抗議しているところでしょう。日本では放送局は許認可事業だからどうしても立場が弱い。新聞や雑誌が反対運動を展開する必要がある」と語る。

 江川さんは「一般の人々の関心が決して高くない」ことに不安を感じている。「『政治的公平性を守る』『一方的見解ばかりを取り上げない』といった政府の言い分は一見もっともらしいから」と分析しつつ、「安倍政権は、マスコミ不信という世論を利用し、自分たちの権限を拡大しようとしている。政府自身が政治的公平性を判断し、気に入らない報道があったら呼びつける、というのでは言論の自由は守れません」と訴える。

 砂川さんは警告する。「今回の『停波』発言は、決して『高市&安倍VSテレビ局』という構図じゃない。メディアが規制を受けることは間接的に国民の言論統制につながる。それは戦前の歴史を見れば明らかです」。本当に怖いのは、メディアが政治に屈することで、私たちの「自由」がじわじわと侵されかねないという点なのだ。

第4条 放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。

一 公安及び善良な風俗を害しないこと。

二 政治的に公平であること。

三 報道は事実をまげないですること。

四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。


マリサ
2015年にTBSの番組が政治的に偏った報道を行い、それが批判されたときにな、毎日は、「一つ一つの番組の中でバランスを取れ、両論を扱えとなると、国民に対する情報提供の範囲は狭まってしまう」と言っているんだぜ。


マリサ
つまりだ、一つの番組で政治的に偏っていても、他の番組で逆方向の報道をしたりしていれば、それでテレビ局全体では政治的中立性が成り立っているという主張な。



レイム
これおかしくない?
一つの番組で逆方向に偏っていたとしても、その番組を同じ視聴者が見るという前提が必ずしも成り立つわけじゃないし。


マリサ
そうなんだぜ。
しかもだ、この前提が成り立つなら同時に「1つの放送局というより、各放送局の放送全体を見て判断する必要がある」という理屈も等しく成り立つんだぜ。


レイム
ああそういうことね。
番組が偏っていても他の番組でバランスを取っていればいいという理屈が成り立つなら、放送局が偏っていても他の放送局がバランスを取っていればいいという理屈も同時に成り立つって事ね。


マリサ
そうだぜ。
んで、このTBSの「放送法違反の言い訳」に反発しなかったテレビ局が、今更「政権に有利な放送局が出来る」なんて文句を言うのは筋違いってことなわけだ。
元々民放労連の「放送法は倫理規定で義務ではない」なんて主張を一切批判しなかったのがテレビ業界なんだしな。


マリサ
要するにテレビ業界は、自分達でルールも秩序もぶっ壊しておいて、今更「ルールが壊れる」「秩序が崩壊する」と騒いでいるわけだな。


テレビ族議員


マリサ
今回の件からわかるのは、テレビ局は放送法なんて守る意思は無いうえに、公共の電波は自分達の商売のために利用しまくり、他国からの政治干渉も無批判に受け入れている、報道の中立性なんてどうでもいいと思っていることがはっきりと解るよな。


レイム
でも彼らは「政治的中立性が壊れる」「外資の介入を防げない」と批判しているわけよね。


マリサ
主張の前提が成り立っていないのに、それを建前にする理由なんて一つだぜ。
本当の動機を知られたくないからってだけだな。


レイム
本当の動機?


マリサ
つまりさ、テレビ局は現状寡占状態で公共の電波を独占し、それを好き勝手に私的な商売に利用したり、自分達の思想信条を一方的に放送したりしているわけだろ?
これ、物凄い強力な利権だよな。


レイム
確かにそうね。
本来は独禁法で摘発されるレベルの事を、放送法の縛りで制限をかけることで容認しているのに、テレビ局は「倫理規定だ、義務は無い」といって放送法を守らないわけだしね。


マリサ
んで、今回政府が発表した方針ではネットとテレビの垣根がなくなって、これまでテレビ業界が独占してきた利権に、他業種が無制限に入り込んでくるわけだ。


レイム
つまり、テレビ業界は自分達が独占してきた利権によそ者が入ってくるのが許せないわけだけど、それをストレートに言えないから建前の政治的中立性とか外資問題なんかの、自分達は守る気も無いルールを問題にしているわけね。


マリサ
そういうことだぜ。
んでな、面白い事にこの「テレビ業界が守る気も無いルール」を根拠に今回の政府の放送法撤廃を批判している議員が何人かいるんだぜ。


レイム
そうなの?
テレビ局が放送法を守る意思がないって事知らないって事?


マリサ
んな事を本気で考えている政治家いたら怖いぜ。
要するにな、そういう政治家はテレビ局が放送法を守る気が無いって事は知っている上で、「テレビ局の側に立っている」わけだ。


レイム
それに何の意味が?賄賂ってわけでもなさそうだし。


マリサ
確かに金銭や直接的な利益になるような賄賂は無いな。
でもな、テレビ局の側に立てば「政治的中立性」なんてまるで無視、公共の電波の私的利用に何の抵抗もないテレビ局は、そういう政治家を好意的に取り上げるよな。


レイム
ああそういう事ね。
テレビで好意的に宣伝してもらえれば、それだけ世間の自分に対する好感度が上がるものね。
利害関係が一致していると。


マリサ
でだ、特定の団体や企業のために「口利き」をする議員の事を、テレビや新聞はなんていっているかというと「族議員」と呼んでるよな。
つまり、今回の放送法を巡る一連の問題で「政治的中立性」を理由に撤廃を問題視している議員は、大半が利益供与目的の「テレビ族議員」って事になるわけだ。
テレビ局が政治的中立性を守っていると本気で考えているんじゃなくてって前提が必要だけど、そんな事を本気で考えている議員は政治家辞めたほうが良いしな。

今回のまとめ
・テレビ局は公共の電波を私的利用する事も、他国の政府の政治介入を受けることも、一切問題にしていない。
・テレビ局の反対意見はダブルスタンダードだらけ
・テレビ族議員大ハッスル


レイム
なんかさ、もうほんとテレビ局って利権ズブズブの業界なのね。


マリサ
日本最大の特権を持ち、規制緩和に反対する旧態依然な業界って事だぜ。


レイム
創作物の世界なら、薄暗い場所でテーブルを囲んで集まって、「その件は既に根回し済みだ、問題ない」とか言ってそうな人達ね。


マリサ
そんなわけで今回の本編はここで終わるぜ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~
今回も長くなりすぎたのでおまけはありません。
それでは今回はここで終わります。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~



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