さて、本日はTHAAD問題で中国から行われている経済的な嫌がらせに関連し、韓国が「日本に何とかしてもらおう」としている件について書いていきます。
去年韓国が米軍のTHAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)配備を決定した事に中国が反発、以後中国は韓国に対して様々な圧力をかけてきたが、特にここ数ヶ月は韓国が力を入れてきた観光と韓流に焦点を当てた「嫌がらせ」が目立ち始めている。
このため韓国では、「中国で減った需要を日本で補おう」という動きが出てきており、以前よりあった「第二の韓流」へ向けての動きが活発化の傾向にあり、日本国内でもこの動きに積極的に加担する動きがある。
一見すると、これで日韓関係が好転するようにも見えるが、実際には韓国的な価値観では「日本が要求を受け入れた」という事にしかならず、要求を受け入れれば受け入れるほど更なる要求が増えるだけであるため、結果として「これまでと何も変わらない」状態にしかならない。
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1:期待していた中国需要が消滅の危機
まずはこちらの記事から
【コラム】「韓国たたき」は中国の素顔を見抜く絶好の機会だ
朝鮮日報 2017/03/03
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韓国経済を取り巻く重大な不確定要素の一つが終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備を理由とする中国の報復の動きだ。昨年7月から始まった中国の脅しは最近、慶尚北道星州郡への配備先確定で「準断交」「不買運動」「韓流禁止令」といった侮辱レベルにまで至っている。今年上半期にTHAAD配備が完了後もしばらく続く可能性が高い。
しかし、中国のこうした攻勢は韓国の対応いかんによって、プラスの効果を生む決定的なきっかけになる可能性も十分にある。まずTHAAD問題をめぐる脅しは、「中国は善良な隣国だ」という韓国人の純真な錯覚と夢を完全に壊したからだ。現存する北朝鮮の核の脅威から安全を確保するという防衛目的のTHAAD配備に対する中国の稚拙な脅迫は、内政干渉を超え、韓国人全体の自尊心と対中ビジネス意欲を踏みにじった。これをきっかけとして、貿易・観光分野で中国への依存度を下げ、インド、東南アジア、中東などへの市場拡大と徹底した現地化に成功すれば、韓国の経済体力はさらに強まるはずだ。
THAADへの報復は中国の国益をも侵害する自殺行為でもある。まず中国に進出する韓国企業約2万3000社で数百万人分の雇用が脅かされ、中国を訪れる観光客で1-2位の韓国人が激減するのは明らかだ。中国は保護貿易を排斥し、開放を支持するという習近平主席の発言がうそだと判明し、国際的な信頼度やイメージが低下することになる。
中国の経済報復措置が国際舞台で連戦連勝を収める「万能カード」ではないことにも注目すべきだ。2010年に中国の反体制人権運動家、劉暁波氏をノーベル平和賞受賞者に選んだノルウェーは、同国産サーモンの輸入禁止という報復を受けたが、多角化戦略で輸出量を増やし、中国の報復を乗り越えた。昨年春に発足した台湾の蔡英文政権は、中台関係の悪化で台湾を訪れる中国人観光客が1年で30%以上も減少したが、東南アジア10カ国、南アジア6カ国の攻略で、昨年は過去最高の観光客を誘致した。
(後略)
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韓国首相「THAAD、不可欠な措置…中国の経済報復に必要な対策を立てる」 中央日報 2017年03月03日
上記記事にもあるように、現在中国はTHAADミサイル配備に関連し、土地を提供したロッテや韓国が力を入れていた韓流および観光関連に事実上制限をかける制裁を行い始めています。
以前より中国は、政府としては表立って明確な「制裁」を口に出してはいませんでしたが、韓国製の工業製品などに対して様々な規制をかけたり、韓国の芸能人がテレビ番組に出演することを実質禁止したりと嫌がらせを続けていました。
そしてここにきて、ロッテが韓国政府にTHAAD配備のための用地の引渡しを実行した事を契機に更に露骨になり、嫌がらせが目に見えた実害となってきたため上記のような記事が出てきたわけです。
韓国の場合、2011年のフジテレビデモや、2012年の李昭博大統領による一連の反日的な言動によって日韓関係が悪化、以後日本から韓国への観光客が激減し、韓流関連もその多くが日本から消滅したため、これらの売り込み先の代替案として中国市場を頼った事が今回の大打撃となった背景があります。
韓流関連では以下のように、去年の8月頃から限韓令(韓流コンテンツ禁止令)とよばれる実質的な規制が始まっており、去年末にはその影響で韓流コンテンツの輸出そのものがマイナスになるという事態になっています。
THAADで中国が報復開始? 韓流イベントキャンセルも 聨合ニュース 2016/08/05
韓流締め出し、中国当局者が明かした「五つの理由」 朝鮮日報 2016/11/23
中国、「限韓令」を全面適用…チョン・ジヒョンのドラマ、ソン・ジュンギ広告も「禁止」(1) (2) 中央日報 2016年11月21日
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中国の「限韓令」余波で韓流輸出が急減 中央日報 2016年12月13日
元々韓国の芸能コンテンツは輸出依存の傾向が非常に強く、過去には売り上げの殆どを日本に頼っていた状態をそのまま中国にスライドさせて「何とかした」背景があったため、この中国による規制が大打撃となりました。
そして更に、先月になるとテレビ放送以外にネットでの活動すら制限するようになり、事実上中国一国に依存状態だった韓流が壊滅状態になります。
中国が韓流禁止令強化か 動画サイトへのアップも遮断 聨合ニュース 2017/02/26
また観光に関しても、以前より中国は韓国への観光客に制限をかける嫌がらせをしていたわけですが、今月に入ると以下のように中国の旅行代理店による韓国への団体旅行などを実質的に禁止する措置を取りました。
中国が韓国旅行商品の販売中断指示 THAADで「報復」 聨合ニュース 2017/03/03
THAAD:中国政府が「観光報復」、団体客の韓国渡航を全面禁止 朝鮮日報 2017/03/03 (1/2ページ) (2/2ページ)
中国、自国民の韓国観光を全面統制 中央日報 2017年03月03日
(※1)
中国、韓国観光禁止…中国人観光客の60~70%が来ないかも NATEニュース(韓国語) 2017-03-03
これに関しても、元々韓国は日本のメディアなどと組んでの韓流ごり押しにより、日本人観光客誘致に力を入れていた過去があり、それが実質的に失敗した後でその代替案として中国人観光客に依存した観光政策を行っていたため、中国からのこの措置で大打撃を受けることとなりました。
要するに韓国は、日本で発生した嫌韓の原因を正確に分析しようとしないまま、「日本がダメなら中国を頼ればいい」という安易な政策転換を行ったために、逆に現在中国に外交カードを握られてしまい危機的状況に陥っているわけです。
2:中国がだめならまた日本へ
上記のように、韓国は現在中国依存で成り立たせていた国策事業である韓流と観光事業が、中国の政治的意図によって危機的状況に陥っており、外需依存によって産業を成り立たせる政策が完全に裏目に出ています。
この状況に対して韓国では対中国で効果的な解決策がなく、THAAD配備をこのまま続行すれば韓国の産業に致命的なダメージを受け、配備を中止すれば米韓同盟に致命的な亀裂が発生する、どうにもならない状態に陥っています。
こうなった背景には、元々韓国人がTHAAD問題を国内の政争に利用していたため、そこを中国に利用された背景があり、中国としてはTHAAD配備そのものを問題としているというよりも、THAAD問題で揺さぶる事で韓国とアメリカの関係を悪化させたい意図が主な動機です。
つまり韓国の自業自得なわけです。
そしてこの状態でどうにもならない韓国が目をつけたのが日本です。
THAADをそのまま配備し、なおかつ観光や韓流などに致命的なダメージを負わないようにするためにはどうすれば良いのか、「また日本で売ればいい」となったのです。
元々韓国では日本で「第二の韓流」を起こそうという動きがあり、日本の一部メディアなどがそこに協力していたわけですが、日本側の動きが鈍かったことと、韓国側でもあまり力を入れていなかったためそこまで目立つ状況にはなっていませんでした。
が、去年後半に中国による「嫌がらせ」が露骨になってきた頃からこの活動が活発化し始めます。
たとえば韓流の場合、以下のように中国による実質的な規制と連動して日本市場での韓流売込みの動きが活発化してきています。
韓国文化体育観光部長官「韓日コンテンツ企業間の協業を積極的に支援」 中央日報 2016年10月21日
韓経:駐日韓国文化院長「若い韓流ファン増やしてこそ韓日関係よくなる」 韓国経済新聞/中央日報 2016年12月12日
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韓経:K-POP業界、今年は中国より日本市場へ(1) (2) 中央日報 2017年01月25日
日韓交流フォーラム 10日に新潟で開催 聨合ニュース 2016/12/08
またこれに関連し日本のメディアなどでも韓国関連の露出が増えており、同時に恐らく元々中国で売り出そうとしていたいわゆる「K-POPアイドル」の日本進出も増えています。
たとえば以下は私が確認した範囲での「今年に入ってから」の事例です。
【個別インタビュー】「CLC」、ことしは1位候補にもオリコンTOP5にも入りたい! WoWKorea 2017年1月14日
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日本の女子高生の「TT」ブーム、韓国でも取り上げられる…TWICEの日本デビューに“高まる期待” Kstyle 2017年02月26日
また他にも、日本のメディアなどがこうした韓国政府の動きに協力する事例も多数出てきており、この動きが特にこれまでとは違います。
日韓交流フォーラム 10日に新潟で開催 聨合ニュース 2016/12/08
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このように、今回の事例では中国での売込みが事実上不可能になったという背景があるため、「依存先」をまた日本に戻そうする動きに繋がった事が活発化の背景として存在しています。
観光の場合にもこれは同じです。
たとえば以下の事例のように
韓日の観光関係者が交流会開催へ 相互交流1千万人目標 聨合ニュース 2016/12/12
訪韓日本人 4年ぶり増加も訪日韓国人の半数 聨合ニュース 2017/02/13
訪韓日本人を増やすには? 日本旅行業協会長が提言 聨合ニュース 2017/03/03
日本からの観光客誘致にかなり積極的になっています。
そしてこの件には別の問題が存在しており、最後の記事で「韓国観光公社も団体旅行客の減少などを踏まえ、5月に日本の旅行会社と学校を対象とした「修学旅行セミナー」や視察旅行を実施し、修学旅行などの団体客を積極的に誘致する計画だ。」となっています。
以前から書いているように、韓国では民族主義的な背景から「古代の日本は韓国人が作ったものであり、日本人は近代に入るまで韓国人を文化の伝道者として神のように崇めていた」と教育しており、日本人もこの歴史観を持つように望んでいます。
(※2)
日本は私たちが渡って作成された新しい国であった(1) 将忠清日(韓国語) 2017.03.02
当然の事ですが、韓国が修学旅行生を誘致する場合に望むのもこの歴史観ですし、韓国は最近「歴史観光」を目玉商品にしようとしていますから、日本から来た修学旅行生にこの歴史観を受け入れるよう要求してくることになります。
日本では韓国との問題というと近代史の件が話題になりがちですが、韓国起源説の背景となっているこうした古代史の歴史観のほうが韓国では先鋭化した民族主義の影響を強く受けており、また日韓友好論者などはこの歴史観に批判的な態度を取ると「差別主義者」とレッテルを貼る傾向にある事から、安易な韓国への修学旅行は様々な問題を生み出す土壌となります。
このように現在の韓国では、中国による「THAADに関連した制裁」の影響で国内産業にダメージを受けるようになったことから、政策の失敗を「日本に助けてもらう事」で補完しなんとか立て直そうとしているわけです。
3:安易に助けると問題が継続
今回書いたように、背景を調べてみると韓国は外交政策の失敗の尻拭いを日本にやってもらいたいのが実情であり、現在の「韓流ごり押し復活」の動きはそのためのものです。
しかもこうなった背景には、過去のごり押しによって生まれた日本の嫌韓の流れを無視し、「中国で売り込むから日本はもういい」と放置した結果韓国が負ったリスクがあるわけですから、今回書いた韓国側の動きはこの問題を全て日本に丸投げしている事になります。
当然の事ですが、この状態で安易に韓国側の「要求」を受け入れた場合、日韓友好論者が主張するような「友好」など実現するわけもなく、韓国の失敗を日本が解決するという過去の悪習を復活させるだけにしかなりません。
そしてこの悪習が韓国による日本への「要求」をエスカレートさせ、結果現在の関係悪化に繋がった背景があるわけですから、政府レベルであれ民間レベルであれ、安易に韓国側の要求を呑み、それが韓国の問題を解決する手助けになる状況を作り出してはいけないのです。
またそもそも韓国による中国への接近そのものにしても、元々韓国では「いよいよ困ったら日米が何とかしてくれるはずだ」という思惑があったから接近した経緯がありますので、ここで助けた場合また「同じ事をする」可能性が極めて高いのです。
当たり前の事ですがそんな関係が正常なわけがなく、どんな失敗をしてもその尻拭いをしてくれる相手がいてくれるとなった場合、韓国は今後も致命的な失敗をし続け、その影響を日本が被り続けるという状態になります。
その結果どうなるかは明白で、「共倒れ」になるだけです。
日本は韓国の保護者でも運命共同体でもなんでもないわけですから、こんな「非正常」な状態を続けてはいけませんし、何より今回書いたような問題の指摘さえ一緒くたに「右翼だ」とか「差別主義者だ」などとレッテルを貼る人々が韓国との友好を主導している今の有様で、今回の韓国側の「要求」を実現させる場合、どうやっても行き着く先は単なる言論弾圧です。
言論弾圧とは政府だけが行えるものではなく、メディアという権力があれば可能であり、実際に過去にはそれが行われてきたわけですし、その際たるものが過去の「韓流ごり押し」だったわけですから。
「同じ事」を繰り返してはいけないのです。
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以下は当ブロマガのお勧め記事マイリストです、もしよかったらこちらもどうぞ。
(※1)
中国、韓国観光禁止…中国人観光客の60~70%が来ないかも
NATEニュース(韓国語) 2017-03-03
http://news.nate.com/view/20170303n02943
(ソウル=聨合ニュース) イ・ドヨン記者
中国政府がミサイル防御体系(THAAD・サード) 配置に対する仕返しで、自国旅行社を通じて中国人の韓国観光を禁止したと知られ、国内観光業界が超緊張状態に入った。
まだこの措置による影響がどれ位なのか速断しにくいが、旅行社を通じて訪韓する中国人観光客が60~70%に達するという点から、韓国観光業界がかなり大きい打撃を受けるものと憂慮される。
韓国の宿泊業、免税店、食堂などが売上げ減少に直面する可能性があり、特に中国人観光客に対する依存度の高い済州島は相対的に大きな打撃を受けるものと予想される。
3日、中国現地旅行業界によると、中国国家観光局はこの日午後遅く北京一帯の旅行社を召集し、韓国行き旅行商品に対しオン・オフラインを網羅する全面的な販売中断を口頭で指示した。
この指示により、韓国行きの団体観光だけでなく旅行社を通じた自由旅行も不可能になった。
このような韓国観光商品販売禁止措置は、この日首都である北京を始まりにこれから地域別会議を通じて全国へ拡大支持されるものと知られた。
ここに国内観光・旅行業界には非常事態となった。
中国国家観光局の新しい指示に従えば、今すぐ訪韓観光市場の半分近くを占める中国人観光客の誘致に赤い火が灯るからである。
(※2)
日本は私たちが渡って作成された新しい国であった(1)
将忠清日(韓国語) 2017.03.02
http://www.ccdailynews.com/news/articleView.html?idxno=912789
一年の間、夏場を除いては、3季節のほとんどが北西風が吹く韓半島の特性上、東海岸の江陵、三陟、浦項などで船が漂流すると、日本の西海岸に到着して、釜山近海で流されていくと、福岡近海に着く、済州島で時化に会えば琉球(沖縄)に到着する。このような理由から、先史時代から多くの韓半島人が今の日本に渡って住むようになるが、日本列島の民族構成は、大きく三つに分けられる。
第一は大陸が列島と繋がっていた古代の移住と、氷河期に凍った海を渡って住むようになった韓半島地域の北方渡来人と、第二に南方地域の海洋文化を持った勢力の北上で主流が構成され、白ロシア系のアイヌ族が勢力的に位置している。本格的に大規模な人員が渡日することになる歴史的な出来事が百済の時だろう。
2010年12月23日、明仁日本国王は新年の演説でこう言った。 「私自身としては、桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると続日本紀に記されていることに韓国とのゆかりを感じています。」ここで言及した明仁日本国王の言葉のように、日本の王室は百済系から来たという事実を教書を通じて告白したわけである。
桓武天皇の母である華氏夫人が百済人というのは、よく知られた事実である。華氏夫人の父は、倭の王室で「百済祖神」という官職を務めたファサウル ギェで彼は百済武寧王(501~523年)の直系の子孫である。この内容は「続日本紀」に記録されており、韓日の歴史学界がそのまま認めている。
武寧王はまた、日本で生まれたことで有名だが、その理由は西暦475年に高句麗の長寿王の奇襲攻撃を受けた今の漢江流域に漢城百済の蓋鹵王が戦死する前に、急いで弟の昆支を呼んで臨月になった王妃「ヘラソファ」を連れて日本に避難させて、大阪難波に向かう途中、北九州の加唐島で出産することになり幼名をドグン(嶋君)とし、倭国から再び百済に連れてきて育っている。
熊津に遷都した百済は文周王、三斤王、東城王が順番に王位に上がるが王道遷都の混乱と貴族勢力間の軋轢にいずれも疑惑の死を迎えることになって、不惑の年に武寧王がその後を継いで25代百済王に即位することになるのである。そして660年31代義慈王ときの百済滅亡の際、5万人の人員が日本に渡って行くことになるが、流民の首長として後日38代天智天皇になる人物で、中大兄皇子が今の京都の近く近江八幡に率いて定着することになる。
このような歴史的事実で見たとき、日本の王室と貴族勢力の大半が韓半島から渡ってきた渡来人で構成されていたという事実に成り行きが注目されるところである。彼らはいつも祖国を懐かしがっており、そのような詩と歌は「万葉集」にそのまま盛り込まれている。推測すると、そうした遺伝子がエディプス的なコンプレックスに作用して、いつも領土侵奪の野望に変形して現れるのではないか、そして壬辰倭乱を起こし乙巳条約で朝鮮併呑を敢行したのだろうと類推してみる。