日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国は2つに分裂している




(画像は聨合ニュースが撮影した本日の光化門広場とその周辺)


さて、本日は最近韓国の三大紙などで騒がれている「韓国内の分裂問題」について書いていきます。


朴大統領の弾劾裁判に関連し、韓国では弾劾推進派と反対派が激しく対立しており、双方が大規模デモを行い弾劾の判断を行う憲法裁判所に圧力をかけるという事態にまでなっていることから、韓国の主要紙では「国が分裂してしまう」といった危機感を持つ記事が出てきている。


しかし現状の韓国をよく観察してみると、既に三権(立法・行政・司法)の間で深刻な分裂が発生しており、この分裂が原因で国としての機能が働かなくなってきており、特に自治体や司法が勝手な解釈で世論に迎合して法を逸脱するといった行為が頻発するようになっている。


元々韓国では独特の「正しさ」の概念から分裂し易い傾向にあったが、これまで深刻な事態にならなかったのは、日本が韓国の要求を受け入れることで「劣等性の指摘」の矛先になってきていたからであり、現状のように日本が「要求を受け入れない」状態である以上、今後も韓国は「劣等性の指摘」の矛先が内に向かい続け混乱が続く事となる。


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:憲法裁判所に圧力をかけ続ける2つの勢力


まずはこちらの記事から


【社説】三・一節記念行事も左右分裂、解放直後と同じ状況に
朝鮮日報 2017/03/01
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 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に対する弾劾審判の最終弁論は27日に終了したが、それから最初のキャンドル集会がソウル市中心部の光化門で、また太極旗集会がソウル市庁前広場で3月1日に行われる。キャンドル集会は朴大統領の弾劾を、一方の太極旗集会は弾劾の棄却を求め、いずれも集会後には行進を予定している。ただ今回、太極旗集会側は初めて大統領府近くに向かう予定であることから、双方のコースが重なることも懸念されている。両集会とも主催者側は総動員を宣言している上に、憲法裁判所の決定も近づいていることから、どちらも神経が非常にピリピリしているようだ。そのため現場では何が起こるか予断を許さない状況だ。
(中略)
 憲法裁判所は今後10日以内に弾劾審判に対する決定を下すだろう。しかし国全体が今のように二分された状況が続けば、結論がどうなろうと大きな混乱は避けられない。集会の参加者はいずれも結構な数には見えるが、何も語らずただ国の先行きを心配する多くの国民に比べるとごく少数にすぎない。そのためこれらの過激な集会が結果として国の発展を阻害することになれば、双方が負うべき責任はあまりにも重い。

 一方で政治家たちは国が非常に危うい状況にあっても、自分の利益ばかりを計算し、群衆を集会への参加に扇動してきた。権力欲で何も見えなくなってしまった彼らにいくら自重を求め、あるいは呼び掛けても今や全く通じない。しかし少なくとも大統領の座を目指すような人物、とりわけ支持率が高い有力候補といわれる人物だけは、今からでも集会への不参加を決断し、特定グループのリーダーではなく国民全体の指導者を目指してほしい。それにはまず憲法裁判所の決定に承服することを10回、あるいは100回でも繰り返し宣言し、支持者にも常にそれを呼び掛け約束を取り付けなければならない。

 昨日、丁世均(チョン・セギュン)国会議長は談話を発表し、政界全体に憲法裁判所の決定への承服を改めて呼び掛けた。同じように憲法で定められた政府機関のトップたちはもちろん、政界・財界・教育界などの有力者たちも全員が声を上げ、憲法裁判所の決定に対する承服と、決定が出るまでの集会中断を呼び掛けてほしい。今は国の将来にとってあまりにも重大な時だ。

関連記事
【時論】皆が国を心配する愛国者だ=韓国(1) (2) 中央日報 2017年03月01日
衝突直前の弾劾列車、阻止する国家長老もいない国 東亜日報 March. 01, 2017



記事にもあるように、現在韓国では朴大統領の弾劾裁判に関連し、弾劾推進派と反対派が双方ソウル中心部の光化門広場とその前の大通りに集まり、憲法裁判所に対して「自分達の要求を受け入れろ」と圧力をかけています。


そして東亜日報の記事によると、特に弾劾反対派(太極旗集会)の集団の中には鎌やバットで武装したり、さらにはガソリンを所持している人物までいるらしく、警察がバリケードを築いてロウソクデモ隊との衝突が起きないようにしている状態にまでなっています。


[コラム] 誰が“広場の狂気”を焚きつけるのか ハンギョレ新聞 2017.02.27
殺害の予告・暴行・焼身自殺未遂、過激さを増す弾劾反対集会 ハンギョレ新聞 2017.02.27


ではこの弾劾反対派と対立している弾劾推進派(ロウソクデモ隊)のほうはどうかといえば、現場では反対派ほどには過激ではないようなのですが、音頭をとっている親北左派系の議員たちは、THAADの設置のための用地を提供したロッテに対し中国と一緒になって圧力をかけたり、


【社説】中国政府と同じく民間企業ロッテに圧力をかけた韓国最大野党 朝鮮日報 2017/02/28
[社説] THAAD問題は次期政府に任せるのが当然の道理だ ハンギョレ新聞 2017.02.27


現在次期大統領候補支持率トップの文在寅氏が「北朝鮮と交渉して韓国内で余っている米と北朝鮮の鉱物資源を交換する」と、国連安保理2270号決議で決定された北朝鮮からの鉱物資源輸入禁止措置を無視するような発言を行ったりしています。


【社説】北朝鮮核兵器も毒ガスも眼中にない文在寅氏 朝鮮日報 2017/02/27
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さらには慰安婦像問題でも、日本の公館前への像の設置が明らかな国際条約違反であるにも関わらず、韓国政府からの撤去要請を「日本の言いなりになっている」と批判し世論を煽っている状態です。


[社説] 少女像撤去圧迫に言いなりになる情けない韓国外交部 ハンギョレ新聞 2017.02.26


要するに彼らは北朝鮮に対する実質的な支援を行いながら、同時に法秩序を積極的に破壊して周っているのです。


武装して「やる気満々」の弾劾反対派も相当なものですが、対する弾劾推進派の側も単なるデモ隊ではないうえに、双方とも「自分達の要求を憲法裁判所に受け入れさせる」ために集まっているわけですから、「とんでもなさ」のレベルはどちらも同じくらいです。


しかも双方とも「憲法裁判所が自分達の要求を受け入れない場合判決を認めない」というスタンスなのですから、憲法裁判所の判断がどのような形になろうと大きな騒乱になる可能性が極めて高い一触即発の状態なのです。


更に問題なのが、このような状態なのであれば本来は政治家が事態の沈静化をはかる為に「裁判所の判決に従う」と宣言するべきなのですが、実際には多くの政治家が双方のデモ隊に参加し状況を煽っている状態になっているのです。


【社説】対立だけを煽る大統領候補、破局を望むのか=韓国 中央日報 2017年02月27日
朴大統領の弾劾反対派が大規模集会 与党議員も参加 聨合ニュース 2017/03/01


2:既に致命的な分裂は起きている


上記のような背景から、最初に引用した記事のように韓国の三大紙がこぞって「国が深刻な分裂に陥ってしまう」と危惧する記事を相次いで掲載したわけですが、実際にはこのデモ隊とは別のところで既に致命的な分裂が発生しています。


これを知ってもらうためには、まずこれまでの韓国で日本に対する抗議集会やデモがどのような状態にあったのかを説明しないといけません。


これまで韓国では、本来韓国の法律でも外国の公館前での政治活動やデモなどが禁止されていたわけですが、いわゆる「国民情緒法」によって法律が形骸化しており、日本大使館前では「文化祭」とか「記者会見」という名目で事実上の抗議集会やデモが頻繁に行われていました。



韓国環境団体 日本のWTO提訴に反発=水産物輸入規制 聯合ニュース 2015/05/22
朴槿令氏発言に韓国市民団体「反民族的で恥ずかしい」 朝鮮日報 2015/08/01
韓国環境運動団体、日本の捕鯨再開を強く批判 中央日報 2015年12月08日
日本大使館少女像前の集会で対応に苦慮する韓国警察 ハンギョレ新聞  2016.01.04


要するに、これは抗議デモや政治集会ではなく「文化祭や記者会見なのだ」という体裁を取っていたわけですが、私達の常識で考えれば単なる誤魔化しであり、実質的に違法行為をしていることになります。


しかし韓国の司法や行政は、上記のような理由をつけて事実上日本大使館前の抗議デモを容認してきたわけですが、裏を返すとこれが韓国政府の容認できるギリギリのラインだったという事でもあります。


元々韓国では約束よりも「その時の感情」が優先される文化がありますので、これが韓国ではある意味当たり前の措置だったともいえます。


しかし実は最近の韓国では、去年末の釜山日本領事館前への慰安婦像設置を皮切りにこの「最低妥協ライン」とも呼べるものが決壊を起こしており、政府や警察などがこのラインを超えるような行為を禁止しても、自治体や裁判所がそれを無視して容易に「法の一線を越えてしまう」状態になっているのです。


たとえば現在韓国政府は、条約違反である日本大使館前の慰安婦像を移動させるよう、像が設置されている歩道に管轄権を持つソウル鍾路区に対して公文書で協力を求めている状態です。


しかしそれに対して鍾路区は、像を区が管理できるよう区議会に法案を提出し、現在実質的な違法状態のまま設置されている像を、「公共造形物」と定義して区が管理・維持できるようにしようとしています。


鍾路日本大使館前の少女像「公共造形物」として管理…法的管理下へ 中央日報 2017年02月28日


要するに、国際条約を遵守しようとした政府の行いに反発し、地方自治体が「法的に条約を反故にできるような状態」にしようとしているわけです。


また、同じく条約違反であるうえに韓国の国内法にも違反する、外国の公館前でのデモ活動などに関しても、警察が許可しなかった釜山日本領事館前での抗議集会を、釜山地方裁判所が「平和的な集会だから」という理由で許可してしまっており、これに至っては本来「デモや集会」そのものが禁止だったものが、「平和的なら許可」という非常に恣意的な条件を裁判所が認めてしまっているのです。


韓国裁判所、警察が許可しなかった三一節釜山日本総領事館前の集会許可 中央日報 2017年02月28日


元々外交関係に関するウィーン条約では以下のように定められていますから、


外交関係に関するウィーン条約
https://www1.doshisha.ac.jp/~karai/intlaw/docs/diplomat.htm

第二十二条 
2 接受国は、侵入又は損壊に対し使節団の公館を保護するため及び公館の安寧の妨害又は公館の威厳の侵害を防止するため適当なすべての措置を執る特別の責務を有する。


要するに、現在の韓国では裁判所が条約に書かれた「及び公館の安寧の妨害又は公館の威厳の侵害を防止するため適当なすべての措置」の部分を無視し、前半部分のみが守られるのならば問題ないという解釈を公式にしてしまったのです。


2017年3月9日訂正
釜山のデモに関しては、韓国の法律集示法11条4項の例外条項(休日の日に限り許可)に該当するため、必ずしも違法とはならないようです。
ソウルの日本大使館前の水曜集会などは明らかに違法行為を国民情緒法でごり押ししていますが。


このように韓国では、政府や警察と自治体や地裁が正反対の方針を取り、事実上自治体や地裁が一線を超え、法や条約を公然と無視する分裂状態が恒常化してしまっているわけです。


これでは最早国として機能しているとは言えない状態なうえに、上記のような条約無視や違法行為容認は最初に紹介した「弾劾推進派」とリンクした活動ですので、このまま文在寅氏が大統領に当選した場合、この状態が国の方針となります。


韓国三大紙は「国が分裂しそうだ」と訴えていますが、既にそれは「起きている」のが韓国の現状なのです。


3:韓国だからこその問題


今回書いたように、現在の韓国は既に分裂状態にあり、その結果国として機能しなくなってきているわけですが、以前「韓国では3人集まると7つの派閥が出来る」でも書きましたが、元々韓国ではその独特の価値観から分裂が必然であり、この要素は常に潜在的に存在していました。


そしてこの分裂状態には、彼らの想定する「正しさ」や「優越性」が常に他者の劣等性に依存しており、特に冷戦終結イデオロギーによる色分けでの優劣の判別が現実的に難しくなった結果、「他者の劣等性」への依存度が高くなったことがこの件に深く関わっています。


こうした背景から、韓国では常に「誰かの劣等さ」を見つけ出すという行為が日常的に行われるようになっていたわけですが、これまでは日本が安易に韓国へ謝罪したり、或いは韓国からの要求を受け入れていたため、韓国人はどのような状況であろうと「日本の劣等性を意識すれば良い」状態にあったのです。


それが近年事実上不可能になり、日本から「劣等性を引き出す」事が出来なくなった結果、劣等性の引き出し先が「内に向かった」のです。


以前も少し書きましたが、朴大統領の行った事は間違いなく汚職ですし不法行為である事に間違いないですが、これと同レベルの事は過去の韓国歴代大統領は皆行っていました。


つまり、本来ならば朴大統領は「他の歴代大統領と同じだけの罪」を有していることにしかならないはずですが、現在の韓国では「歴代最悪の大統領」のように言われています。
似たような汚職は何度もあったのにです。


ここまでになった背景には、「劣等性の引き出し先」が内に向かった事が関係しており、恐らくそのトリガーとなったのが一昨年の慰安婦合意だったのでしょう。


慰安婦合意の結果、韓国は最も手軽な「劣等性の引き出し」を失ってしまい、しかも日本の総理大臣が安易に謝罪しなくなってしまったため、以後日本に対して優越性を簡単に自覚できなくなり、その矛先が合意を決定した朴大統領に向かった事が大きな要素であるというのが私の考えです。


また、慰安婦像問題や日本の公館前でのデモ活動などに関しても、勿論日本の劣等性を指摘するためという要素もあるでしょうが、意図して政府などの方針に逆らう事で、政府の劣等性を証明しようとしているように見えます。


勿論、これだけが原因ではなく、北朝鮮や中国からの介入や工作もあったでしょうし、恐らく与党内での親朴派と反朴派の対立なども関係しており、突発的要素が強かったのも事実ですが、この問題がここまで大きくなった背景にはこの韓国独特の価値観に根ざした特徴が大きく関係していると考えると、色々としっくり来るのです。



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