日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

さっそく「罠の効果」が出始めた韓国


さて、今回は前回に引き続き中国の罠にはめられた韓国が、その罠によって中国の意のままに踊らされている現状について書いて行きます。


前回記事
「罠にはめられた」事に気付かない韓国


前回書いたように、韓国は中国との交渉で「何も得るものが無い」まま中国の要求を受け入れる状況に陥り、更にその危険性に全く気付いていないという非常に危険な状況に陥っている。


更に韓国は、中国と事実上の「約束」をしてしまったいわゆる「3不原則」に縛られ、対北朝鮮での日米韓の協力も、MDやTHAADでのアメリカとの連携も「できない」状況に陥っており、独自のバランサー外交と言いつつ実体は中国の意向で外交をする状況になっている。


しかもこの状況で、中国との貿易改善や新市場の開拓を歓迎する動きまで出てきており、経済の中国依存を加速させる方向へと進んでいるため、自ら「外交カード」を捨て続ける結果になってきている。


始めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由




※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:「3不」の裏合意


まずはこちらの記事から

韓経:トランプ大統領の「インド・太平洋戦略」…「右往左往」混線する青瓦台
2017年11月10日10時16分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/285/235285.html

米国と日本が最近首脳会談を契機に取り上げた「自由で開かれたインド・太平洋構想」に韓国が参加するかをめぐり混戦が起き、韓国政府が鎮火に乗り出した。

インド・太平洋構想は日本の安倍晋三首相が昨年8月にケニアで開かれたアフリカ開発会議基調演説で発表した外交戦略で、米国・日本・インド・オーストラリアの4カ国が中心となってアジア・太平洋地域の航行の自由と法の支配、公正で互恵的な貿易などを推進するという構想だ。米国も今月6日に米日首脳会談を契機に「インド・太平洋」という表現を使い、インド・太平洋構想は米日共同の戦略として浮上した。この構想の目指すところが「中国包囲」というのが大まかな見解であるため、韓国政府は悩みを抱える側面がある。

青瓦台(チョンワデ、大統領府)高位関係者は9日、韓米共同メディア発表文に「トランプ大統領は韓米同盟がインド・太平洋地域の安保・安定と繁栄のための核心軸であることを強調した」と言及した背景を問う記者らの質問に「トランプ大統領が強調したということであって、韓国が同意したということではない」と話した。続けて「共同メディア発表文に出てきた内容はトランプ大統領文在寅ムン・ジェイン)大統領が一緒に話したことではなくトランプ大統領の話」とし、「文大統領は事実上初めて聞く概念であるため私たちは合意文から除外することにした」と説明した。

また、「これは日本が推進してきた問題で、私たちは現在の様々な国際情緒や環境を考慮すると参加することは望ましくないと考え、トランプ大統領の話を傾聴しただけ」としつつ「それ以上のことではない」と話した。

金顕哲(キム・ヒョンチョル)青瓦台経済補佐官はこの日記者らに「日本の場合、インド・パシフィック(太平洋)ラインだと言って日本・オーストラリア・インド・米国を結ぶ外交ラインを構築しようとしているが、韓国はそこに入る必要がないと見る」と説明した。

しかし、外交部は正反対の立場を見せた。魯圭悳(ノ・ギュドク)外交部報道官は同日、金補佐官の発言後の定例会見で「米国が新しく提示した(インド・太平洋)戦略は韓国の政策方向と一致する部分がある」とし、「韓米が協議しながら可能な協力方案を模索していける」と説明した。

青瓦台と外交部間の混線と見なされると青瓦台は再び同日午後に公式的立場の資料を出した。青瓦台はこの資料で「(米国の)インド・太平洋地域の概念は韓国が推進している外交多角化政策とも合致する部分や共同の戦略的目標を推進していくのに適切な地域概念なのかということ関し、もう少し協議が必要だ」とし、「米国の新しいイニシアチブについては韓米間で緊密に協議しながら可能な協力方案を模索していく」と明らかにした。

韓米日共助強化の意味合いでインド・太平洋構想に参加することを要求する米国とその構想に反対する中国の間で政府の悩みはしばらく続くものと見通される。


これなのですが、要するに政府(青瓦台)と外交部(日本の外務省に相当)との間で、対中国の南シナ海問題を巡る政策に食い違いが出ており、政府と外交部が異なる見解を発表してしまった事を伝える記事です。


そして記事中にある「インド・太平洋構想」なのですが、韓国政府は「日本が主導したもので韓国には関係ない」としていましたが、後に発言を翻し外交部の見解に近いコメントをしたことからも解るように、本来は韓国が拒否する理由などない案件です。


しかし、前回の記事で書いたように韓国は中国と実質的な3不「約束」(韓国政府は「原則」である事を強調)で「韓米日安保協力が軍事同盟に発展しない」としてしまっているため、これが足かせとなり日米が主導するインド・太平洋構想に参加する選択肢がもう無いのです。


そしてこの事から、韓国側は「3不に裏合意は無い」としていますが、実際にはこの「約束」はもっと踏み込んだ「日米と南沙問題で軍事的連携を取らない」という意味がある事がわかります。


この事は別の件からも解ります。
例えばこちらの記事では、先日行われた日米の軍事演習に韓国も参加するはずであったが、韓国側の反対で日米と米韓で別々に演習をする事となったと書かれています。


米空母中心の韓米日合同訓練、韓国の反対で白紙に 朝鮮日報 2017/11/11 (1/2ページ) (2/2ページ
【社説】北核解決までは韓日米軍事協力の強化を 中央日報 2017年11月13日



これなのですが、「3不」では「韓米日安保協力が軍事同盟に発展しない」としているだけですから、合同軍事訓練ならば「安保協力」の範囲のはずです。
名目は対北朝鮮有事を想定しているのですから。


これに関して、韓国内には「日本と軍事協力すると日本がまた朝鮮半島に駐留する」という世論が一定数あり、これは明らかに北朝鮮による工作の結果なのですが、この件を差し引いても拒否する理由が「表面上は」見当たりません。


類似の事例
英首相、ロシアの介入工作は「分かっている」 演説で非難 CNN 2017.11.14


しかしこの軍事訓練の件、名目上の目的以外に「対中国の南沙問題」があるのが明白なので、「日米と南沙問題で軍事的連携を取らない」という裏合意がある可能性が高いのです。


中国に韓国が「してやられている」ことが、韓国政府の対応の「ちぐはぐさ」からバレバレというわけです。


ちなみに、南沙諸島周辺は日本にとっても韓国にとっても重要なシーレーンですから、中国がここの支配権を確立してしまうと、「THAAD制裁」より酷い結果が待っています。
具体的には、政治的・経済的に中国の意向に反する行為をした場合、「THAAD制裁」より被害の大きい制裁をされる事となるわけです。


2:中国に踊らされる韓国


以前から書いている事ですが、韓国では現実よりも「(自分達の望む)かくあるべき姿」が優先される傾向にあり、彼らはそれを前提に事を進める傾向にあります。


例えば以下の事例なのですが、韓国政府は「APECの首脳会談で中国はTHAAD問題に触れない」という公式見解を発表していました。
この時点でその根拠は不明でしたが。


文大統領-習近平国家主席、11日に首脳会談…「THAADは扱わない」 ハンギョレ新聞 2017.11.10


そして実際の会談では、中国側からTHAAD問題が提起され、しかもそれが中国メディアによって報じられると、韓国側は慌てて「(中国メディアの)報道内容は、中国が既存の立場を確認したまで」とし「10・31THAAD共同発表文の範囲から抜け出したものではない」と釈明しました。


“封印”されたはずのTHAAD問題、再び論議、なぜ? ハンギョレ新聞 2017.11.12


しかし更にその後、中国メディアから「THAAD問題の段階的処理で認識が一致した」という中国政府公式発表が報じられ、なぜか「3不」の「THAAD追加配備排除」という話が、「THAAD全撤去を約束した」という話にされてしまっていたのです。


大統領府と中国国営メディア、THAAD問題巡り異なる主張 東亜日報 November. 15, 2017


要するに、韓国側が「かくあるべき姿」を前提に中国との首脳会談を行ったため、THAAD問題に対する対策が一切出来ておらず、そのうえで会談中に問題を出されたためいいように踊らされたわけです。


結局のところ、しなくてもいい「3不」約束をしてしまった事で韓国は最早中国に絡め取られどうにもならなくなったという事です。
今後韓国は、THAAD問題でアメリカと中国双方から正反対の要求をされ続ける事になります。


韓国側はそれでも「バランサー外交」をしているつもりのようですが、実体は「中国の意のままに踊っているだけ」なのです。


3:それでも「歓迎」する韓国


このように、現在の韓国は中国にいいように操られる結果となっているのですが、韓国の多くの人々は事の重大さに全く気付いていません。


一応、韓国の三大紙(朝鮮日報中央日報東亜日報)では文政権の外交の杜撰さを非難する記事が出ていますが、それでも「中国による飴と鞭」の飴に気付いていません。


中国の交渉術 東亜日報 November. 15, 2017


例えばこちらの事例では、


中国、韓国コスメのコピー商品業者に相次ぎ実刑 朝鮮日報 2017/11/14
韓経:韓中関係改善に光棍節効果まで…化粧品など中国消費銘柄「頂好!」 韓国経済新聞/中央日報 2017年11月14日


中国が韓国の化粧品メーカーのコピー商品摘発に乗り出した事や、中国内での売り上げが伸び始めた事を歓迎する論調となっています。


しかしこれは、前者は本来中国がやらなければいけない事をこれまでやっていなかっただけであり、後者はいわゆる「THAAD制裁の結果売り上げが落ちていた」だけなので、マイナスがゼロになっただけです。


しかし韓国側は、これが外交上のプラス効果のように扱っているのです。
単なる飴と鞭の飴であるのが明らかである上に、中国依存が元に戻っただけなのですから、また同じ事が起きる可能性が高いにも関わらずです。


またこちらの事例では、


K-POPに劣らない「キャラクター韓流」…中国・光棍節一日の売り上げ46億ウォン()() 中央日報 2017年11月14日
韓流スターに劣らないラインフレンズの中国での人気 東亜日報 November. 14, 2017


韓国のキャラクター商品が中国で好調になりつつあるとする記事なのですが、こうして中国依存を増やせば「次の制裁対象」が増えるだけです。
しかし中央日報東亜日報もそれを危惧する論調が一切無く歓迎しています。


更にこちらの事例では、アメリカで韓国が開発しているシェールガス採掘の件で、「米国を経由して中国市場に進出」と歓迎している記事です。


シェールガスの富鉱帯、米国に「コリアン油井」が108個 東亜日報 November. 13, 2017


最早何が問題なのかは説明するまでも無いでしょう。


このように、現在の韓国は「これまで何があったのか」をまるで忘れてしまったかのように、次々と「中国依存」を復活させており、今後よりいっそう「中国に逆らえない」自称バランサー外交を進めていく事となります。


いずれ韓国もその「危険性」に気付くときが来るでしょうが、恐らくそのときには何もかもが手遅れになっているでしょう。


そして問題は、そうなったときに助けを求める相手は日本だという事です。
実際、韓国は現在雇用問題で苦しんでおり、その解決の糸口を「若い世代を日本で就職させる」という形に求めています。


しかし、ここまで中国に絡め取られてしまっている以上、下手に韓国を助ければ日本も確実に巻き込まれます。
更に、最初の方で書いたようにこのまま中途半端に韓国との軍事的関係を維持していくと、南沙諸島問題で深刻な影響を受けてしまう可能性があります。


今後日本は、あらゆる意味で官民共に「韓国との関係の再編成」をしないといけなくなるでしょう。
「今のままを続けていく」や、メディアの言うような単純な「関係改善」はまずありえません。


ここまで来ると、近い将来日本は何らかの「大きな決断」を迫られる事になります。
一部の人の言うような単純な「断交しろ」ではなく、国際的な信用を失わない形で韓国発の損害を防ぐ「周到な」準備が必要なのです。


一番良いのは、安保や北朝鮮問題も含め、韓国との全ての関係を表面的に関わっているだけの「形骸化」することで、韓国の影響を受けなくする事ですが。



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