日韓問題(初心者向け)

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日韓で異なる「礼儀」の概念


さて、本日はこれまでも何度か書いてきた「同じ単語でも概念が全く異なる」日韓の事例について書いていきます。


韓国では自国の事をよく「東方礼儀之国」と呼び、礼儀正しさを国や民族の特徴としていることが多いが、実際の言動では他者に対する礼儀を欠いたり、場合によっては意図して失礼な態度をとる場合もある。


これには、日本の礼儀の意味と中国の礼儀の意味が韓国で混在している事や、以前書いた「ソンビ精神」や「恨(ハン)」の概念と同じく、「かくあるべき姿」としての礼儀と実際の言動としての礼儀の間に乖離があるからであり、自国や民族の特徴として説明する場合には「かくあるべき」を説明しているからで、実際の言動とは実質的な概念が異なる。


また更に、この「礼儀」の事例の場合には韓国人自身も自分達は「かくあるべき」を実行していると考えており、実際の言動との間に乖離があるという自覚がない事が特徴であり、結果自覚が無いまま「礼儀を欠いた態度」を取っている場合が多い。


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:「礼儀」と「礼貌」


まずはこちらの記事から

「東方礼儀の国」の無礼な飲食店マナー
朝鮮日報 2014/05/05
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外国人が見た韓国の飲食店
-何かにつけて「ここ早く!」呼び出し
礼儀正しいはずの韓国人が飲食店では急変
料理代の元を取っているだけ…「お客様は王様」に異議あり
-食後のドタバタはもっと衝撃的
外交官らエリートでも紙コップを灰皿代わり、酔客なぜ多い?

 韓国で暮らして今年で7年半になるという米国人ジェイソン・ストラーダさん(35)は初めて飲食店に行った時の印象を「うるさすぎ」と言った。イギリスのBBC放送などに寄稿するフリージャーナリストのストラーダさん。「店の客たちは、静かに食事をしているほかの客に対して全く配慮がないように見えた」という。韓国語は敬語と、敬語を入れないぞんざいな言葉を相手や状況によって使い分ける言語だが、それが分かるようになった時、彼の目に映った韓国の飲食店の風景はあらためてショッキングだった。「韓国人は店員たちに非常に横柄で無礼な振る舞いをすることに気付いた」からだ。

 外国人の目に映る韓国の飲食店の様子はどんなものなのだろうか。本紙取材チームは、外国人特派員・留学生・駐在員のうち韓国語でコミュニケーションが取れる人々に「韓国の飲食店で経験した最もショッキングな瞬間」を尋ねた。韓国語における敬語の使い分け概念が分かっている彼らがまず挙げたのは「客が店員に対し平気で横柄な言葉を使うこと」だった。

 2010年から延世大学国際大学院で学んでいるオランダ人女性ポイティング・ラムさん(24)も同じ考えだ。「韓国ではよく知らない間柄なら自分より若い人に対しても敬語を使うと聞いたのに、なぜ飲食店ではそうしないのか。いつも礼儀正しい韓国人の友達が、店員に対しては肩をたたきながら横柄な言葉を使うのを見てがっかりした。だから『どうしてそんなに悪い言葉遣いをするの?』と尋ねた」

 韓国人は自分の国のことを「東方礼儀の国」と言って胸を張るのに、なぜ飲食店に行くとひどい言葉遣いになるのだろうか。ストラーダさんは「韓国社会の儒教ヒエラルキー階級意識)のせいだろう」と言った。「韓国の中年男性たちは『自分は命令する人』『自分はいい会社に勤めている人』『あんたはただの食堂のおばちゃん』と区別しているようだ。飲食店の店員だけでなく、サービス業に携わる人々に対してはすべて、そのように接している気がする。飛行機でもタクシーでも同じだ。韓国の飲食店の若い店員たちはよく考えもしないで『できません』と繰り返し、首を横に振るが、おばちゃんたちのサービスは最高(great and professional)だ。韓国に住んでいる間、一度も食堂のおばちゃんたちともめたことはない。ああいうベテラン店員たちに対して客がぶしつけな口を利くのは、客の自分たちの方が優れているという優越感のせい」と言った。
(後略)


記事では韓国在住が長い外国人による韓国への印象として、飲食店において韓国人が店員などに無礼な態度を平然と取る場面や、他の客に平然と迷惑をかける姿を度々目撃し、とても韓国人が自称する「東方礼儀の国」とは思えないといった内容が書かれています。


これなのですが、記事では読み方によってはあくまでサービス業限定の現象のようにも受け取れる記事ですが、実際には韓国ではこうした「礼儀を欠いた態度」はありとあらゆる場面で見られます。


またそれどころか、韓国を観察していると以前書いた「韓国の侮辱文化」のように、明らかに意図して失礼な態度を取って相手を公然と侮辱するような事例も頻繁に発生しています。


たとえば最近も、朴大統領の生家跡に朴大統領が囚人服を着た姿の案内板を設置したり、議員会館に風刺だといって朴大統領の顔をヌード画にコラージュした絵を飾った議員がいたりします。


大邱の朴大統領生家跡に「囚人服の朴槿恵」案内板を設置 ハンギョレ新聞 2017.01.20 23
「オランピア」と大統領風刺ヌード 東亜日報 January. 25, 2017


流石に後者は保守系議員たちから批判され設置した議員は処分されましたが、そもそもの問題としていくら朴大統領に問題があったからと、これは明らかに人権侵害です。
またどちらの行為も他者に対する礼儀も敬意も感じられません。


にもかかわらず、韓国では状況次第でそれが容認されてしまうわけですから、とても民族の特徴として「礼儀正しさ」を挙げる人々の行いとは思えません。


「朴大統領ヌード風刺画」騒動の表蒼園議員、党職6カ月停止処分 朝鮮日報 2017/02/03


これに関して、実は過去に日韓翻訳掲示板でも「韓国人の自称と実際の態度が違いすぎる」として度々話題に挙がっていたのですが、2006年にその問題に一つの答えを出すスレッドが立てられました。


このスレッドなのですが、インターネットアーカイブ等にキャッシュが残っていなかったうえに、アドレスで検索をかけても引用がでてこないため詳細はここで伝えることができませんが、要するに「東方礼儀」の礼儀の意味が実は違っていたのです。
(リンク切れですが一応アドレスは記載しておきます http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=thistory&nid=1553899


要約すると、元々「東方礼儀之国」と朝鮮を評したのは中国の明朝です。
つまり、明の人々からみて当時の朝鮮人は「東方の礼儀の国」だったという事になるわけですが、ここで問題となるのが「礼儀」という漢字表記です。


実は中国では、日本で言うところの「礼儀正しい」という場合に使う漢字が異なっており、この場合の意味ならば「礼貌」という漢字を使うのだそうです。


では「礼儀」のほうはどんな意味なのかといえば、これは儀礼的とか礼節を重んじるといった意味で、明が朝鮮を評して「東方礼儀之国」との文脈で使う場合には、「属国としてよく礼を尽くす国」といったニュアンスになるわけです。


この事と引用記事のような事例を総合すると、韓国における礼儀の実質的な意味とは、序列が上位の人間に対する礼節の事であり、また韓国の侮辱文化の事例で書いたように、彼らが主観によって「自分より序列が下である」と定義した相手には、どんな失礼な態度を取っても良いという事になります。


それどころか、他者の劣等性から自己の優越性や正当性を導き出す韓国的考え方では、積極的に他者を蔑視したり失礼な態度を取ることで自身の優越性を証明できるわけですから、彼らの主観によって「序列が下である」と定義された相手に対しては、むしろ「失礼な態度が推奨される」わけです。


だからこそ最初の引用記事にあるような出来事が発生するわけです。


2:日本と中国の概念が混在


このように、最初の引用記事にあるような韓国人達の言動は、中国語の「礼儀」の概念に根ざしたものであり、そこに韓国特有の「他者の劣等性から自己の優越性や正当性を導き出す考え方」や「対等の概念が希薄な序列社会」などが加わり、独特の「礼儀の概念」を形成している事になります。


ただ、実はこれだけではなく更に良く観察してみるともう一つ韓国社会における礼儀の概念には特徴的な要素がある事が解ります。


それは、以前「韓国人の「かくあるべき」と「ソンビ精神」と呼ばれる思想」や「韓国の「恨(ハン)」は2種類存在している」で書いたように、「かくあるべき姿」として公的に説明する場合と、実際の言動として現れる場合とで概念が異なっている事です。


韓国人達が一般的に世間に対して「礼儀」を語る場合、実は私達の認識する概念としての「礼儀」の意味で説明をします。
また、他者が自分達に対する態度において「礼儀が無い」と感じる場合にも、この概念に準じた考え方に根ざします。
(「礼儀がある」と感じる場合は少々状況が異なるので後ほど説明します)


しかし実際の言動となって現れる場合は多くの事例で今回説明した通りであるので、これが混乱を招く原因となります。
実態よりも「かくあるべき姿」を何よりも優先する韓国独特の価値観だからこその現象です。


そして彼らを観察しているとわかるのですが、実態がどうであれ韓国人の多くは「自分はかくあるべき姿としての礼儀を実践している」と認識している場合が多く、この認識のズレを目の当たりにして日本人は混乱するわけです。


つまり、日本における礼儀や中国における礼貌の概念と、中国における「礼儀」の概念が、韓国人の中で混在しているのです。


この認識のズレが非常に重要で、これがあるため韓国人は相手が行ったミスや礼儀を欠く態度には強く「謝罪を求める」傾向にあるのですが、自身が行ったミスや礼儀を欠く態度に対してはまるで無頓着です。


たとえば、以前「韓国では問題が起きるととりあえず何でも日本人のせいにする習慣がある」で書きましたが、南大門の修復工事で使用したにかわがすぐに剥がれてしまった問題のときに、韓国では当初「日本のにかわを使ったからだ」と日本批判を繰り返していました。


が、実際には韓国の職人とされていた人々にまるでにかわを使う技術が無かった事と、安い染料を使用していたため「剥がれた」事が後に解ったのですが、その事で日本に対して謝罪したり申し訳ないと感じたりする反応は一切ありませんでした。


また、去年3月にはそれまで韓国で「日本に奪われた」と長年宣伝されてきた韓国の国宝「原州法泉寺址智光国師塔」の基壇部の獅子像が、実は国立中央博物館の収蔵庫に保管されていた事が判明するニュースがありました。


日本に略奪されたという智光国師塔の獅子像、韓国中央博物館収蔵庫にあった 中央日報 2016年03月17日


この事例でも、韓国では特に日本に対して何らフォローするような行動を起こす事はありませんでした。


また2002年には、韓国で「日本のDNP006というラップグループが韓国を侮辱するラップを作った」と噂になり、これに韓国政府が反応して日本政府に対して公式の謝罪要求をした上に、百済という韓国のインディーズグループがそれに対抗して「fUCk zAPAN」という日本を侮辱する曲を発表、インディーズチャートで一時1位となりました。


当然の事ですが日本にDNP006などというラップグループは存在しておらず、その事は韓国でも後に知られたのですが、このことで韓国側から日本に対して謝罪などをした事は一切ありません。
韓国における「かくあるべき姿としての礼儀」に照らし合わせれば「失礼」に当たるにも関わらずです。


これとは逆の事例の場合は反応が正反対になります。


たとえば一昨年フジテレビの「池上彰緊急スペシャル!」において、「文化がとても多いです。そして外国人が本当に多く訪問しているようですね」と韓国人が喋っている部分に「嫌いですよ。だって韓国を苦しめたじゃないですか」とテロップをつけるという事件が発生しました。


フジテレビがでたらめ字幕 韓国人へのインタビューで 朝鮮日報 2015/06/29


このとき韓国ではかなりの反発が発生し、この番組を批判し謝罪を求める声が官民問わず高まり、フジテレビは謝罪しました。


また2011年には、トヨタのCMで豊臣秀吉ビートたけし氏が演じていたことに対し、「朝鮮を侵略した豊臣秀吉が21世紀に復活するという広告は非常識だ」として猛抗議を行っていました。


豊臣秀吉復活させたトヨタのCM、「韓国無視」と非難の声 中央日報 2011年12月06日


これはどういう事かといえば、前者の事例の場合には中国の「礼儀」の概念に基き、自分達よりも劣等である=序列が下」と想定している日本人に対しては、むしろ失礼な態度を取ることで自分達の優越性を確認できるため、間違ったからと謝罪しません。
むしろ謝罪したら自分達のほうが劣等となってしまうので礼儀正しい態度は取りません。


逆に後者の事例では、日本の「礼儀」や中国の「礼貌」の概念を当てはめているため、「日本はなんて失礼なんだ」と感じて抗議や謝罪を求めてくるわけです。


つまり、かくあるべき姿と実態に乖離があるだけではなく、自分が相手に行うか、相手が自分に行うかで「礼儀」の定義が変わるうえに、彼らの中ではどちらも日本の「礼儀」中国の「礼貌」の概念と認識されているのです。


3:特殊な礼儀の考え方


今回書いたように、「礼儀」という概念一つとっても日本と韓国では考え方がまるで異なっており、しかも韓国の場合にはその独特の価値観によって「かくあるべき姿」と「実態」とで認識がまるで異なっている背景があります。


このため、日本人から見ると「韓国人は失礼だ」と感じても、韓国人からは「自分達は礼儀正しい、むしろ日本が失礼だ」という認識の齟齬が発生するわけです。


そして更にもう一つ特徴的なことがあり、最初のほうで書きましたが韓国では「(自分達に対して)他者が礼儀正しい」と感じる場合には、多くの場合で「中国の礼儀の概念」に根ざした考え方が多いのです。


要するに、日本社会において対等な立場で礼儀正しくする態度ではなく、序列が下の相手が上の相手に行う礼節に準じる態度を取った場合に、「あの人は礼儀正しい」と感じるのです。


例えば具体的な事例では、一時期日本のメディアで「日本の○○は韓国の○○よりこんなに劣っている」といった表現が良く見られましたが、こうした事例が韓国では「日本人は礼儀正しい」と感じるのです。


また他にも、韓国のものを極端に褒め称える場合も「礼儀正しい」と認識され好まれることが多く、例えば最近の事例でも韓国ドラマを500本、1万時間ほど見たという日本人のことが東亜日報で紹介されていましたが、こうした態度こそ「礼儀をわきまえた日本人」と認識されます。


韓ドラに嵌って1万時間視聴、元出版人の藤分さんの韓ドラ礼賛 東亜日報 February. 02, 2017


日本人の発想からは遠く離れた「礼儀」の発想ですが、これが韓国における一般的な礼儀の概念に対する考え方です。
そしてこの事を知っておくと、最近の慰安婦問題などに対する韓国の態度も見え方が変わってくるでしょう。


彼らからしてみたら、韓国はこんなに礼儀正しく接しているのに、日本は何て失礼なんだと発想する人々が多いからこそ、慰安婦合意破棄や慰安婦像設置を支持したり、対馬の仏像返還に否定的意見を持つ人が多いという側面もあるのです。



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