日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国では3人集まると7つの派閥が出来る


さて、本日は韓国が慰安婦像問題などで決断が出来ず、なぜずるずると問題が長引くのかについて、「派閥の国」とも揶揄される朝鮮の特徴という側面から掘り下げてみます。


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現在韓国では釜山の慰安婦像問題を巡り、撤去をするのか残すのかについて韓国内で延々と結論の出ない対立が続いているが、当の韓国政府はアメリカの仲介に頼るか、或いは日本に譲歩してもらうかという状態で、政府に問題解決能力が無い状態となっている。


これには韓国独特の相手の劣等性から正しさを導き出す考え方と、自己を中心に相対的な基準でその範囲が可変する「ウリとナム」の考え方、また対等の概念が希薄で常にどちらが上か下かが重視される序列社会としての考え方が関わっている。


こうした独特の価値基準によって序列を定義し、成功すれば「正しさ」によって物事が進むが、出来ない場合はそれぞれが「相手の劣等性」を指摘して派閥に分かれるため、今回のように「何も選択できない」状態となる。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:「何も決定できない」韓国


まずはこちらの記事から

「少女像」問題、韓国政府は機能停止 解決の糸口は?
TBS 2017年2月8日
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2978877.html

長嶺大使が韓国から一時帰国して1か月が経とうとしているわけですが、日本政府は強い姿勢を崩していません。この長引いている事態を打開する手立てはあるのかどうか、ソウルからの報告です。

 日本政府は、長嶺大使をソウルに戻すには、韓国側の前向きな対応が必要だという立場です。しかし、機能停止状態の今の韓国政府は頭を抱えるばかりで、切れるカードがありません。

 こうした中、在日韓国人の団体でつくる民団の代表団が6日、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相と面会しました。この場で、民団側は「釜山に像が設置されて在日同胞は困難に直面している。少女像が移転されるよう努力してほしい」と要望をして、尹外相は「重く受け止める」と応じました。

 世論の反発で慰安婦像について動きがとれない韓国政府が、民団を通して韓国内にメッセージを発したという見方も出ています。

 こうした厳しい状況の中、来週、ドイツでG20の外相会議が開かれます。韓国政府は、この場で事態打開の糸口がつかめないかと淡い期待を抱いています。なんとか外相会談をセットして日本に譲歩してもらう、もしくはアメリカの仲介に期待しているわけですが、逆に言うと、他力本願の戦略しか描けない状況です。

 仮に今後、長嶺大使が帰任した後も、慰安婦像を動かすのは容易ではなく、日韓関係の冷え込みはしばらく続きそうです。

関連記事
外交まひ1カ月「最悪の韓日関係」…ミュンヘン安保会議が峠だ 中央日報 2017年02月07日


記事にもあるように、現在韓国では慰安婦像問題の自力解決を完全に諦めており、「日本かアメリカに何とかしてもらう」という完全な他力本願状態に陥っています。


なぜこうなっているのかといえば、以前も書きましたが大統領候補の文氏ら野党側の人々などが、像の撤去をしようとすると「親日派だ」とレッテルを貼るため、それを恐れて国益に沿った「撤去」という決断ができないわけです。


またこうした事態は在日韓国人の団体である民団でも発生しており、先月17日に民団のトップが「慰安婦像撤去は在日韓国人の総意」とコメントをすると、即座に同じ在日韓国人らから「総意ではない」という批判が噴出しました。


民団が韓国政府に「少女像撤去」要求 在日から疑問の声も 聨合ニュース 2017/01/17


そして今月に入るとまた撤去するべきだとする公式コメントを行ったわけですが、すると今度は「韓国政府からの働きかけがあったのだ」といった声が出始め、韓国政府が火消しを行う状態となりました。


釜山少女像は移転すべき 来韓中の民団団長が改めて訴え 聨合ニュース 2017/02/06
韓国民団団長「少女像の移転を望む…在日同胞は困難な状況」 中央日報 2017年02月07日
駐日韓国大使が民団に影響力行使? 釜山の少女像撤去要求で 聨合ニュース 2017/02/02


この事例でも一応「撤去すべき」という結論を主張してはいますが、民団として統一見解を述べているかといえばそうではなく、組織内でのコンセンサスも取れていません。
内部で反対派と賛成派に分裂したままトップが上記のような発言をしていたのです。


他にも、慰安婦像の周辺に反対派と賛成派双方の主張の張り紙が張られ、本来ならばどちらも違法のはずであり、法的には全て撤去しなければいけないはずなのですが、実際には「どちらも撤去できない」という状態になっている事例が発生しています。


また、本来外国の公館前では政治的なアピール活動が法的に禁止されており、釜山の警察もそう判断して釜山の日本領事館前でのダンスパフォーマンスを禁止していたわけですが、なぜか韓国の地裁が「暴力的ではないから合法」という良くわからない理屈で許可を出すよう警察に求める判決を出してしまうという、実質的な無法状態が続いています。


[写真]少女像周辺に日本擁護の張り紙 聨合ニュース 2017/02/06
警察が禁じた少女像周辺での公演 地裁が許可=韓国・釜山 聨合ニュース 2017/02/06


全ての事柄で、本来決断すべき組織が決断をしなかったり、決断が実質的に無視され違法行為がまかり通ってしまったり、或いは組織としてのコンセンサスが取れないままそれぞれが好き勝手に主張を行うという状態になっていることがわかります。


2:全ては「劣等性」で決まる


なぜこのような状態になっているのか、朴政権が実質崩壊状態で実権を失っており、リーダーシップ不在である事も一応は関係していますが、実際問題朴政権が「無事」な状態であったらこうした事例でしっかりと対応できたかといえば恐らくできません。


どうしてかといえば、以前から書いているように韓国では自身の正当性を証明する方法として自身の行いがほぼ考慮されず、「相手がいかに間違っているか(劣等か)」で持論の正しさが決定される独特の価値観が存在しています。


また、序列社会の韓国では対等の概念が希薄であるため、上記の劣等性によって正しさを決定し、「正しいほうが偉い」という判断が行われ、劣等性を指摘された側は序列が下位の劣等な存在と定義されます。
単純に正しい・間違っているという状態ではないわけです。


彼らはウリ(日本語の「私達」よりも自他の境界が曖昧な概念)は常に正しいという前提で思考しているため、自分達と異なる考え方は劣等な「ナム」であると判断するわけですが、根本的に「相手の劣等さ」そのものが極主観的な判断によるものなので、変な話ですが「劣等さのコンセンサス」がとれなければ、それぞれがそれぞれに正しいと信じる劣等さを主張する事になります。


更に、韓国のウリの概念においては、このウリの範囲は主観による相対的な立ち位置で決まるため、韓国社会で「劣等さのコンセンサス」をとることが出来なければ、個人個人が主観的に正しいと感じる内容も異なる事になるため、ウリの範囲も主観によって変わり、しかもその時の状況や感情によってその範囲は変動するため、だからこそ多数の派閥に分裂するわけです。


韓国を揶揄する表現として「3人集まると7つの派閥が出来る」というものがありますが、それはこうした作用によって発生するわけです。


慰安婦像関連の件でもこれは同じで、彼らの主張を観察しているとそれぞれが「いかに対立する相手が劣等であるか」を指摘していることがわかります。


民団の事例でも、撤去の動機として「今の韓日関係の悪化で在日同胞らは苦労が多い。商売がうまく行かず自殺した同胞もいる」と、慰安婦像があの場にあることで自分達が被害者になっている(慰安婦像の加害性+日本の嫌韓の加害性)と指摘することで、自分達の正当性を証明しようとしている事がわかります。


またこれが更にわかりやすい事例として、先日朝鮮日報に掲載された現在の韓国の保守系の動きがあります。


【コラム】韓国の「愛国保守」が見逃しているもの 朝鮮日報 2017/02/05 (1/3ページ) (2/3ページ)(3/3ページ


上記記事では、保守系の一部が「朴大統領救済」に拘っており、本来の目的である「親北左派系が政権をとらないこと」がおざなりになっていると警告する記事なのですが、なぜこんな本末転倒な分裂が発生しているかといえば、「朴大統領が親北派から不当な弾圧を受けている」と、親北派の劣等性を指摘することが一定の支持を得ているからです。


基準が主観による「相手の劣等さ」であり、そこから自己の正しさを導き出す独特の価値観だからこそ発生する問題ともいえます。


逆に親北左派系は「朴大統領の劣等性」を指摘することで支持を伸ばしているので、いかに韓国人にとって「相手の劣等性を指摘すること」が大事なことなのかがわかります。


こうして韓国では相手の劣等さで正しさを判断し、またその時々でウリの範囲が変動し続けるため、慰安婦像のような外交問題と国内問題で利害が対立する事例では劣等性のコンセンサスをとることができず、それぞれが「正しさの応酬」を行い、結果として行政はどんな判断をしても「劣等なナム」と定義されるため何も決断できないわけです。


3:日本人が陥りやすい錯誤


今回書いたように、韓国ではその独特な価値観によって物事の正しさを判断するため、劣等性を定義できなければ「3人集まると7つの派閥が出来る(異なる劣等性を指摘する派閥ができる)」という状態になるからこその現状となっています。


そしてこの問題において重要なのは、現在の韓国でより多くの人が納得できるコンセンサスを得るための方法は、「より多くの韓国人がウリと実感できる状態で、ナムの劣等さの指摘をできる」場合のみです。


そして現在韓国でそれが可能な対象は「日本」です。
慰安婦問題で韓国は明確に日本の加害性(劣等性)を認識できるからです。


そのため、多くの日本人はこれを韓国の「反日」と定義しているわけですが、実際には「日本だから」ではなく「日本は劣等性を指摘しやすい」である事がポイントです。
一見同じことのように見えますが実際にはこれは大きな違いです。


つまりこの問題を反日と定義すると、たとえば慰安婦像の撤去を主張する韓国人は「反日ではない」という理屈が成り立ちますが、実際には撤去を要求している側も「他者の劣等さ」を基準にしているため、他の問題ではいくらでも「日本の劣等性の指摘=反日」をしてきます。


これまでの日韓問題が拗れに拗れた原因にはこの事が関係しており、ある問題で「反日ではない」態度をとる韓国人がいたからと、そういった人々と交流を持てば良いと考え行動した結果、「反日ではないはずの人々が反日をしてきた」という状態が繰り返されてきたからです。


朴大統領が就任当初、日本のメディアを中心に「反日ではない」という評価がされていましたが、実際に蓋を開けてみたら「かつての盧武鉉大統領と同レベルの告げ口外交をしてきた」のもこれが原因です。


反日だから」ではなく、「劣等性を指摘しやすい相手の劣等性を指摘し、それによって自己の正当性を証明しようとしたから」なのです。
私が「韓国の問題は反日ではない」とするのにはこうした理由もあります。


また、かつての韓国の歴代大統領が政権末期になると皆過激な反日になっていったのも、レームダック状態を回避するために、「ナムの劣等性の指摘」をして自己の優越性や正当性を韓国内にアピールしようとしたからです。


日本人は韓国を「反日かどうか」で判断しがちですが、それは今回書いたように単なる勘違いであり、実際には「劣等性のコンセンサス」を取れるかどうかによって結果的に反日になっているだけであり、今回のようにコンセンサスが取れなければ内に向かって「劣等性の指摘」が発生して無数の派閥に分裂し、「何も決定できない状態」になるだけなのです。


またこれは、現在日本の一部で言われているような「次の政権は反日反日でないか」という評価自体が無意味という事でもあります。



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