日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

職人文化を蔑ろにすると大変な事になる


さて、今回はちょっとタイトルが変則的です。
これはどういう事かと言うと、今回は韓国独特の価値観や日本との違いというよりも、日本でも同じ事が起きる可能性が十分にある問題であり、韓国で現在進行形で起きている問題を知ることが反面教師となるので、このようなタイトルとなります。


韓国は現在、「韓国料理の世界化」という計画を官民挙げて行っているわけですが、実はこの計画はもう10年以上前からずっと行っており、そして未だ何一つ目立った成果がありません。
毎年日本円にして数十億円規模の予算をつぎ込んでいるにも関わらずです。


なぜなのかというと、韓国では昔から職人軽視の傾向が続いており、それが現代の「合理化志向」と融合した結果、「能力がある人材を集めてそこに集中投資すれば良い」という、いわゆるトップダウン式のエリート育成が社会の主流となり、それが投資に見合う「金を稼げる人材」ばかりが厚遇される拝金構造に繋がり、従来の職人による技術の継承がどんどん先細り、殆どの分野で職人が壊滅してしまったからです。


(※少々余談になりますが、韓国は職人軽視の国で職人がいないと言われていますが、確かに職人蔑視は昔からではあるのですが、それでも70年代頃までは職人と呼べる人々が存在しており、伝統文化が細々と継承されていました。)


つまり今の韓国の料理界は、その殆どが職人ではなく「お金を稼ぎたい人」のみなわけです。
伝統的な技術の継承が断絶して、技術の向上を常に目指す職人としての料理人がいないのです。
職人によるピラミッド構造は存在していませんから、当然何もかもが「薄っぺら」になり、これではどんなに国が税金を投入しても国際社会に受け入れられるわけがありません。


勿論、日本は韓国ほど極端な職人軽視社会ではありませんから、一概に単純比較はできませんが、最近は「センスさえあれば職人修行は必要ない」という考えの人も出てきており、長年韓国の姿を観察してきた身からすると「これは危険な傾向だな」と感じたわけです。


まずはこちらの記事から


韓国料理関連の政策総括 政策協議会発足へ
朝鮮日報 2015/10/20
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/10/20/2015102002151.html
【ソウル聯合ニュース】韓国の農林畜産食品部と文化体育観光部は20日、韓食(韓国料理)に関する政策を総括・調整する韓食政策協議会を設置すると発表した。

 同協議会は今後、複数の官庁にまたがる韓食振興関連の政策と事業を統合し調整する。農林畜産食品部長官と文化体育観光部長官が共同委員長を務め、外交部、農村振興庁、文化財庁、韓食財団、韓国観光公社などの関係機関と専門家が参加する。

 また、同協議会の活動を実務的に支えるための韓食政策実務協議会も立ち上げた。

 農林畜産食品部と文化体育観光部は21日にソウルで開かれる韓食政策協議会の発足式で韓食振興政策強化策を発表する。

 「世界の人が楽しむ健康な韓食」というビジョンの下、韓食を韓流拡大、国家ブランド向上、農産物加工品の輸出拡大などをリードする中核的なコンテンツとして育成するとの目標を立てた。

 5大重点政策として▼韓食の価値再発見▼韓食と文化・観光の融合・複合拡大▼韓食と農産物加工品の海外進出支援▼国内外での韓食の広報強化▼韓食振興基盤の強化――を掲げた。

 具体的な政策課題には、韓食の国連教育科学文化機関(ユネスコ無形文化遺産登録推進、韓食情報オンライン統合プラットホーム構築、グルメ観光コース「Kフードロード」の開発、韓国観光公社旧社屋への韓食体験・展示館造成などが含まれた。



外国人の韓国料理評価は「C」、最も厳しく評価した国は
Record China 2015年3月16日
http://www.recordchina.co.jp/a104324.html
2015年3月16日、韓国文化観光研究院は、訪韓外国人観光客810人に対して行った韓国飲食満足度調査の結果を公表した。結果は100点満点で74.44点となり、「C」に当たる低評価だった。韓国・亜州経済を引用し人民日報が伝えた。
(後略)


要するに彼等がやっている事は、韓国という国のブランドイメージの向上と韓国料理というビジネスの成功です。


こうした考え方は、要するにビジネスとして成功するため、「いかに効率よく金を稼ぐか」を突き詰め、職人的な思考を徹底的に排除した結果です。
またこの考え方はなにも食文化に限らず、韓国では何もかもが同じコンセプトでおこなわれているので、例えば韓流なども過去以下のような批判を受けていました。


【コラム】韓流アイドルに他国の食文化を教えよう(1)
2011年06月29日10時03分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/290/141290.html
最近、K-POPのフランス公演が話題だ。世界各国の若者が韓国のアイドルの歌を覚えようと韓国語を勉強する姿を見ると、中年世代は好きなポップソングを歌うために辞書で英単語を調べた当時のことを思い出す。しかし現地では「韓国のアイドルは未成年時代から集団教育で、ひたすらその分野だけを集中教育して作り出した単純演芸技術者にすぎない」という批評があるのも事実だ。
(後略)


基本はどれも同じです、「ビジネスとして稼げる製品」を追求しているのです。
上記のような考え方では、投資に見合う成果を出す事が最も重要視されるため、ビジネス面から見ると非効率的でもある職人文化による技術の継承とは非常に相性が悪く、職人的な拘りよりも儲けの効率が最優先されます。


また、こうした職人的思考の欠落から韓国ではビジネスとして「商品に高級感のあるブランドイメージを付加する」という考え方にかなり偏重しており、結果以下のような状態が続いています。




画像は2012年3月22日に日本テレビ系列、ぐるぐるナイティーナイン「グルメチキンレース13ゴチになります!」において紹介された評判の超高級韓国料理店のメニューの一つ。



画像はペ・ヨンジュンプロデュース、韓国皇室宮廷料理の継承者であり、韓国ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」の料理監修を務めたハン・ボクジン教授監修の韓国高級レストラン、高矢禮(ゴシレ)の15000円コースの前菜。



画像は同上のランチメニュー3500円コース


料理人としての拘りよりも、「商品に高給な付加価値をつける」というビジネスに偏重した結果がこの有様です。
ちなみに高矢禮は2006年オープン当初から非常に評判が悪く、その後もメディアの宣伝の支援を受けて支店が日本各地に開業しましたが、その全てが2014年までに閉店しました。
職人軽視の考え方はビジネスとしても失敗したのです。


また、こうした韓国の傾向は極端な拝金主義へとつながり、韓国や日本以外でも以下のような問題を引き起こしています。


米ロスで韓国人経営の和食店100店以上が日本で有害扱いの魚を「ホワイトツナ」、巨額賠償の危機
FOCUS-ASIA 2015年03月26日
http://www.focus-asia.com/socioeconomy/photonews/413173/
コリアデイリーによると、米ロサンゼルス地域で韓国人が経営する和食店100店以上に、訴訟を予告して巨額の補償を求める手紙が送られているという。

原因は韓国人経営の和食レストランがメニューに「ホワイトツナ」と表記しながら「エスカラー(Escolar=アブラソコムツ)」を出していたため。記事はエスカラーについて「サバの一種で、日本食レストランでは一般的にホワイトツナと呼ばれている」などと紹介しているが、有害な成分を含むために日本では販売が禁止されている魚だ。

昨年末から米国の弁護士が、こうした韓国人経営の和食レストランを対象に損害賠償請求訴訟を起こし始めた。訴訟を予告する手紙はこれまでに100店以上に送られているとみられる。

これを受け、韓国人経営者60人余りが「米州韓人和食業協会」を結成、問題に共同で対処することにしたという。初代協会長となった韓国人経営者は「この事件は、公益訴訟制度を悪用した悪意ある訴訟だ」と訴えている。


参考資料
自然毒のリスクプロファイル:魚類:異常脂質 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_det_08.html
(一部抜粋)
有毒種
ギンダラ科のアブラボウズErilepis zonifer、クロタチカマス科のバラムツRuvettus pretiosus及びアブラソコムツLepidocybium flavobrunneumが特に有名な中毒原因魚である。バラムツアブラソコムツは、沖縄では"インガンダラメ"(胃がゆるみ下痢をするという意味)という。

中毒発生状況
中毒は散発的。最近20年間では、1990年に栃木県の旅館で発生したアブラソコムツによる中毒(患者11人)のみである。(厚生労働省発表)

中毒症状
下痢

毒性
アブラボウズのトリグリセリド[1]:栄養価も高く毒性はない。
アブラソコムツおよびバラムツのワックスエステル[2]:アブラソコムツおよびバラムツの筋肉またはアセトン抽出油(約90%がワックスエステル)をラットに投与すると(投与量は筋肉では7.5 g/日、アセトン抽出油では1.5 g/日)、油が皮膚からしみ出す皮脂漏症(セボレアseborrhea)が2日でみられた。最初は口や腹部が油でぬれたようになり、日が経つにつれて全身に及んだ。皮脂漏症とあわせて下痢もみられ、大部分のラットが1週間程度で死亡した。皮脂漏症および下痢の原因はワックスエステルである。


「いかに効率よく金を稼ぐか」に偏重した結果がこの有様なのです。
また、彼らは和食は稼げるという考え方のもと、「寿司の握り方」「魚のさばき方」「料理の仕方」を覚えただけで次々とアメリカに出店をおこない、職人としてちゃんとした技術の継承を受けたわけではありません、そのことも問題に拍車をかけています。


もう何年も前の事になりますが、日本人も修行へ行くフランス料理店のオーナーだったか料理長だったか、その辺りの事は忘れてしまいましたが、インタビュー記事でこんな事を言っていました。
「最初のうちは本人のやる気と根気を確かめるために、意図して単調な仕事や辛く面倒な仕事をやらせる、それを乗り越える事が出来た人材だけに技術を教えている」と。


私はそれを読んで「職人気質はどこの国でも変わらないのだな」と感じて印象に残ったわけですが、韓国を見ていて改めて思うのは、結局辛い修行というのは本人にどれだけやる気があるかや、困難に立ち向かえるだけの根気をテストし、安易で楽な方向へと流れない人材を選別しているのだという事です。


上記のようなプロセスを経ずに、安易に店を出した結果が今回紹介した韓国系による惨状なのでしょう。
彼らにはプライドも根気もやる気もこだわりもありません、そうしたプロセスを経ずにただ「技術を学んだだけ」です。
結果そんな人材が韓国政府の音頭で「韓国料理の世界化」を目指したために、10年以上経っても何も成果が得られないという状態に繋がったのです。


そして、以下のような考え方はだからこそ危険であり、私はこの考えに全く同意できません。


松本人志ホリエモンの「寿司職人が何年も修行するのはバカ」に持論
マイナビニュース/ニコニコニュース 2015/11/8
http://news.nicovideo.jp/watch/nw1883703
お笑いコンビ・ダウンタウン松本人志(52)が、8日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~10:55)で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏の発言に関して持論を述べた。

一人前になるには、「飯炊き3年、握り8年」の修行が必要と言われている寿司職人。この説を推奨するブログ記事に対して、堀江氏はツイッターで「バカなブログだな。今時、イケてる寿司屋はそんな悠長な修行しねーよ。センスの方が大事」と発言。インターネット上で賛否両論、さまざまな意見が上がる中、「時間を大事にしない奴らが多いと感じるコメントが並ぶ。技術習得は接客や素材選びなども含めた話。集中力とセンスがあれば数ヶ月でも一流になれると思う」「そんな事覚えんのに何年もかかる奴が馬鹿って事」などと主張した。

この日は、『ラスト・ナイツ』(11月14日公開)でハリウッド初監督を務めた紀里谷和明氏がゲスト出演。番組内で堀江氏の発言が取り上げられ、紀里谷氏は「お寿司屋さんがどういうプロセスでなるのか分からないから言えませんが」と前置きし、「少なくとも自分は、カメラマンや映画監督になるための下積みは必要ないと思う。自分もしてないですし」と意見。仮に下積みの相談をされた場合は、「今すぐに写真を撮れ。映画も同じ」とアドバイスするという。

一方の松本は「堀江さんの言っていることは何も間違っていないと思います」と共感。ただ、否定的な声が上がる原因を「間違ってないんですけど、モヤモヤっと何でするんやろうと思うと、たぶんこの人が寿司の皿を一枚も洗ったことがないからだと思うんです」と分析し、「寿司職人の名人と言われる人が全く同じセリフを言ったら誰も何も文句もない。気持ち良く聞けるんですけど」「たぶん言う人が違うんやろうなと。セリフは間違ってない」と語っていた。

2015年11月19日追記
この記事では言及されていないですが、松本氏の発言には以下のような続きがあるようです

「でもその寿司職人の名人さん達は今まで誰一人としてそんな事(ホリエモンが言ってた事)言ってないんだから間違っているんでしょうね」


この論争の大本となった発言の記事も長いですが追記しておきます。


寿司職人の“飯炊き3年握り8年”は時代遅れ? ホリエモンの斬新な考えとは
しょくヨミ!! 2015/4/10
https://job.inshokuten.com/foodistMagazine/detail/8
ホリエモンこと堀江貴文氏がYouTubeで配信している「ホリエモンチャンネル」という番組をご存知でしょうか。これは、視聴者から寄せられたビジネスに関する質問に、堀江氏が鋭い視点をもって回答するというもの。幅広い知識と、歯に衣着せぬ発言が話題となり、今やYouTubeの人気コンテンツになっています。そんな「ホリエモンチャンネル」で、飲食業界にまつわるユニークなQ&Aが放送されたので、その内容をご紹介しましょう。

■視聴者の質問

「コロンビアで寿司屋を開きたいのですが、どう思いますか?」

■堀江氏の回答

「いいんじゃないですか。寿司アカデミーで学べば数か月でノウハウが学べますよ。開店資金も自分で貯めずに、現地の金持ちに出資してもらえばいいよ。“自分はノウハウあるから店の運営やりますよ”ってね」

寿司アカデミーって一体なに?
寿司職人といえば、“飯炊き3年握り8年”という言葉がある通り、修行は10年以上かかると言われています。そんな寿司職人を目指す視聴者に対して、堀江氏がおすすめしたのが「寿司アカデミー」。

聞きなれない言葉ですが、「寿司アカデミー」とは寿司職人の養成学校のことで、日本はもちろん、海外で活躍する「寿司シェフ」を育てることを目的にしています。例えば新宿にある「東京すしアカデミー」では、「寿司シェフコース」をメインのコースに据えており、海外で活躍できる寿司シェフを1年間で育てると謳っています。
(中略)
ホリエモンチャンネル」で紹介された「コロンビアで寿司屋を開きたい」という質問に対しては、堀江氏の「寿司アカデミーで学び、短期間で寿司職人になればいい」という回答がまさしく正解でしょう。しかし、これが「銀座でミシュランの星を獲得できる寿司職人になりたい」という質問だとしたら、別の答えが用意されたのかもしれません。

寿司職人は多すぎるのか?
堀江氏はこの番組で、このような意見も述べています。

「昔はよく言ったじゃん? 寿司職人になるには10年以上の修行が必要だって。あれ、なんでかわかる? (寿司職人が増えすぎないように)わざと教えないようにしてるんだよ」

総務省の調べによると、全国の寿司店は35,000店ほど。マクドナルドに代表されるハンバーガー店ですら5,000店ほどですから、いかに寿司店が多いのかがわかります。この数字を見ると、堀江氏の発言通り、これ以上ライバルを増やしたくない…という考えを持つ大将がいることも想像できます。

しかし寿司は日本の伝統食であり、美食の象徴でもあります。やはり一流を目指すとなると、現在第一線で活躍する巨匠たちの辿ってきた道、つまり“飯炊き3年握り8年”を実践するのが一番確かな道です。この修行時代の試練は、寿司職人に限らず、腕一本で生きていく職業に就く人たちにとって避けては通れないものなのかもしれません。



私は別に「それが伝統だからだ」という理由で反対しているわけではないのです。
現実に「バカなブログだな。今時、イケてる寿司屋はそんな悠長な修行しねーよ。センスの方が大事」というお金稼ぎ偏重の安易な考え方の結果が、日本の隣に山のように実例として存在しているからこそ反対なのです。


上記のやり方で技術のみを学び、安易な「ビジネス」として外国へ出店し、寿司のイメージが悪化したら目も当てられません。
イタリアやフランスが行っている認証制度は、そうした行為による劣化を防ぐためのものでしょう。


勿論、職人や料理人も商売ですから、お金を稼ぐ事が出来なければお話にならないという現実もあるにはありますから、商売としての側面を全否定する事はできませんが、だからといってそちら側に偏重しても成功などありえないという事です。
重要なのはバランスであり、職人文化に拘りすぎて商売をないがしろにしても、商売に偏重して職人文化をないがしろにしても、どちらも間違いという事でしょう。


ちなみに余談になりますが、飯炊き3年、握り8年という考え方は、それだけの時間を費やしても一人前になれないなら諦めろという意味があるそうです。



以下は当ブロマガのお勧め記事マイリストです、もしよかったらこちらもどうぞ。






実は本日体調を崩してしまいまして、具合が悪く本日中の質問の受け答えや誤字脱字等の修正はちょっと厳しいです、明日以降にさせてください。
まあ、それを言い訳にしてはいけないのですが、流石に少しきついのでご勘弁を。