日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

ノーベル賞と韓国のパリパリ精神


さて、今回はまず皆さんに質問があります。
皆さんは、日本以外の国どこでも良いですが、特定のどこかの国の科学分野におけるノーベル賞受賞者の合計人数を、一切何も調べずに答える事ができるでしょうか。


殆どの人は、まず日本人の受賞者が合計何人なのかがわからないでしょうし、それがわかる人でも他国の受賞者の数となると解る人は更に減るでしょう。
日本ではこれが普通です、「どんな内容で受賞したのか」には注目しても、合計何人目なのかまでは大半の人が注目しませんし、それが更に他国の人数となると解らない人がほとんどで当たり前です。


特に「他国の受賞者の数を知らない」は、日本以外でも殆どの国で同じ傾向にあるでしょう。


しかし韓国では様相がかなり変わります、相当な数の韓国人が「日本人のノーベル賞受賞者の数」を知っているのです。
それはなぜなのかといえば、韓国のメディアなどが10月頃になるとしきりに「日本人受賞者の数」を繰り返し報じるので、必然的に知っている人が増えるのです。


なぜ日本人受賞者の数がしきりに韓国で報じられるかといえば、それは韓国人がノーベル賞を欲しい最大の理由が「日本人が取っているから」です。
韓国は非常に権威主義の傾向の強い国ですから、ノーベル賞という権威にも特にこだわりがあるわけですが、それ以上に「日本が取れて韓国が取れない」ということが我慢ならない人が多く、結果として「日本人がいくつ取れたのか」を気にする傾向にあるので、その報道が韓国で特に多くなるのです。


そしてもう一つタイトルにもあるパリパリ精神なのですが、これは日本語で「早く早く」とか「急げ急げ」と訳される言葉で、韓国にはせっかちな人が非常に多く、社会全体としてどんな事でも早急に結果を欲しがる傾向にある事から、その事を揶揄してパリパリ精神と呼ばれています。


(※パリパリ精神について少し注釈をします、厳密には単語表記としてはパリパリではなく「パルリパルリ」が正しいです、ただし発音としてはパリパリが近く、また韓国系メディアなどの日本語訳では、朝鮮日報以外ほぼ全てが「パリパリ」で統一されているため、ここでもそちらに準じます)


・韓国人は日本人が受賞しているからノーベル賞が欲しい
・韓国ではどんな事にでも早急に結果を求める人が多い


この2つが今回特に取り上げる内容であり、更にそのことが韓国人の対日観や対日外交にも少なからず影響を与えており、後半ではそのことも取り上げます。


まずはこちらの記事を


ノーベル賞:なぜ韓国の科学界は日本に大差を付けられているのか
朝鮮日報 2015/10/07
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/10/07/2015100701012.html
日本「ノーベル賞ラッシュ」の秘密
2002年に続き物理学賞受賞
100億円以上かけて作った廃鉱実験室がノーベル賞の宝庫に
他の研究者がしない実験にこだわる「職人気質の科学者」を全面支援

スポーツの試合で言えば「21-0」という大差だ。6日、東京大学宇宙線研究所の梶田隆章教授(56)がノーベル物理学賞の受賞者に決まったと発表された。これで、科学分野でノーベル賞を受賞した日本人は21人になった。しかも、医学生理学賞を前日受賞した北里大学大村智特別栄誉教授に続く、二日連続のノーベル賞受賞だ。国内総生産GDP)に占める研究・開発(R&D)投資の割合が世界1位の韓国からはまだ一人もノーベル賞受賞者が出ていない。なぜ韓国の科学界はこれほどの大きな差を付けられて日本に後れを取っているのだろうか。
(後略)

日本が韓国よりノーベル賞受賞者がずば抜けて多い理由
2015年10月07日13時17分
[ⓒ 中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/655/206655.html
韓国の聯合ニュースによると、日本が韓国に比べてノーベル賞受賞がずば抜けて多いのは歴史的・制度的な背景と文化的な差などがあるためだと6日、報じた。

同メディアは、「韓国は金大中(キム・デジュン)元大統領が平和賞を受賞したことを除いて実績がなく、ノーベル賞は韓国が日本との格差をはっきりと実感する領域だ」と明らかにしながら、このように伝えた。

同メディアは歴史的・制度的な背景や文化的な差について、(1)明治維新を通じていち早く科学技術の土台を整えたこと(2)1995年の科学技術基本法制定によって予算を拡大したこと(3)研究者が素粒子物理学分野に力量を集中していること(4)特有の几帳面な性格や代を継承する職業観を持っていること--など例にあげて説明した。

一方、日本の科学分野における受賞者数は21人で、米国・英国・ドイツ・フランスに続き世界5位だ。



韓国ではこうした記事が非常に多いです。
そして毎年のように「なぜ日本が取れて韓国が取れないのか」が話題に上がり、その中には見当違いなものもあれば至極真っ当な物もあります。
また上記の記事のように、一見真っ当ですがどこか「ズレている」記事もかなりあります。


そしてなぜ「ズレ」ているのかは、こちらの記事を読むと解りやすいです。


【噴水台】リピートの中のノーベル賞剥奪感=韓国
2015年10月07日10時59分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/647/206647.html
(前略)
こうした集団的な切実さを政府がそのまま見過ごすわけがない。2008年教育科学技術部はある大学の研究所に研究サービスを任せた。そして『ノーベル科学賞分析およびアプローチ戦略研究』という189枚の長い報告書が作成された。結論として「韓国人ノーベル科学賞受賞者輩出のための戦略」が提示された。ウルフ賞ラスカー賞などノーベル賞に次ぐ国際的な賞を受賞できる人を発掘して支援し、若い学者が40歳以前に有名学術団体の正会員に加入するよう誘導するという「要領」が盛り込まれた。窮余の策であることを考慮しても、面映ゆくなるような「戦略的」アプローチだ。

ノーベル賞受賞者の発表は、応援するプロ野球チームのポストシーズン脱落や冷たくなった空気が一年の終わりを予告するのと共に、秋の喪失感を刺激する定例行事となった。「国家的・国民的な自尊心が関わることではないか」。このような決心をしてみるが、食べられないブドウを新ブドウだと話す不正の自己保護のようでやはり苦々しい。不幸なのか幸いなのか判別が難しいが、この国民的な剥奪感は、何日か後には基礎科学の育成に対する「瞬間的な関心」と共に消えていくのは明らかだ。毎年そうだったように。



ようするに、どんな研究をするのかではなく「ノーベル賞を取る事」ありきで事を進めようとする傾向にあるのです。
先ほど挙げた「日本人が取っているから欲しい」と「何事も早急に結果を欲しがるパリパリ精神」が非常に顕著に現れています。


韓国はこのノーベル賞ありきの人材育成をもう20年近くやっているようなのですが、まるで成果が得られず現在まで来ています。
そして数年前からは、日本を含む各国のノーベル賞受賞者に「なぜ賞を取れたのか」を聞いて周っていたようなのですが、それでやっと「ノーベル賞ありきではいけない」という事に気付いた人も出てきましたが、全体としては以下のような状態です。


【取材日記】ノーベル賞シーズンになると憂鬱なソウル大
2014年10月15日07時49分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/329/191329.html
(前略)
しかし韓国の科学政策は違う道を進むようだ。人文学部のC教授は「韓国の政策は、ノーベル賞受賞者を出すといって可能性がある学者に巨額を集める」とし「さらにノーベル賞を受賞できそうな学者を韓国に迎えようという雰囲気もある」と述べた。ノーベル賞という花を咲かせることができる基本の土壌を作るより、苗木を移して植えるということだ。ノーベル賞はその国の科学が世界的なレベルに発展したという証拠にすぎず、目標にはならない。一つの分野に没頭する研究者が増え、その研究者の熱意を後押しするシステムを構築するのがもっと重要だ。「科学に飽きた」という学生の心がまた科学に向かう時、私たちはノーベル賞を話すことができる。

ノーベル賞レベルの研究」 …ソウル大が100億ウォンの顕微鏡導入へ
2013年12月09日10時51分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/198/179198.html
ソウル大が100億ウォン(約10億円)台の最先端顕微鏡を導入する。大学内の基礎科学研究共同機器院(機器院)は2日、「調達庁を通じて競争入札を進行中」と明らかにした。
(中略)
ソウル大はノーベル賞レベルの研究のために装備の導入を決め、昨年4月に理工系教授を対象に装備需要調査をし、この顕微鏡を選定した。


パリパリ精神に基き、「ノーベル賞の取れそうな研究」にお金を出したり、「ノーベル賞の取れそうな機材」を買ったりしているのです。


韓国人の多くは常に早急な結果を求め、地道な作業という物を非常に嫌う傾向にあるので、どうやっても努力の主体が研究ではなく「ノーベル賞をとること」になってしまうわけです。
しかも韓国人は、以前から書いているように他者の劣等性で自己の優越性を証明する傾向にあるため、「韓国人より民族的に劣等なはず」の日本人が多く受賞している事が気に入らず、余計にノーベル賞に拘るというわけです。


しかしこれでは研究の本分から大きく逸脱してしまう上に、日本人がとっていることが気に入らないからと、日本人ノーベル賞受賞者を多く出した研究を「取れそうな研究」として重点的な投資対象にする事は、結局のことろ二番煎じ三番煎じを量産するだけであり、余計にノーベル賞からは遠のきます。


そしてこの事が韓国人の対日観に非常に大きな影響を与えています。
それを知ってもらうために、パリパリ精神のもう一つの側面を以下の記事から。


かっとなる韓国人、衝動的殺人・放火が急増
朝鮮日報 2013/09/19
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/19/2013091900053.html(リンク切れ)
http://web.archive.org/web/20130919003008/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/19/2013091900053.html(ウェブアーカイブ
怒りの社会…我慢できない韓国
マンションなどの騒音で相次ぐ隣人殺害、叱られて逆切れし母親殺害のケースも
他人を配慮しない文化、衝動制御障害患者も急増、潜在的な葛藤が一気に爆発
前頭葉の判断機能まひ、自分でも気付かぬうちに残忍な犯罪へ
「騒音問題でなぜ殺人にまで至るのか」

 今年の旧正月連休中、マンションの騒音問題が原因の殺人・放火事件が相次いだ。「その程度の問題で乱暴な犯罪を働くなんて理解できない」という反応も多い。韓国社会が忍耐力を失い、衝動的な社会となったのではないかという指摘も出ている。

 このように「かっとして」犯罪を働くケースが最近頻繁に起きている。
(中略)
警察庁の犯罪統計では、瞬間的なストレスで「衝動的殺人」を犯す容疑者は2000年(306人)以降、毎年増加し、10年には465人に至った。「衝動的放火」も2000年の347人から10年には583人へと増加した。
(中略)
専門家は忍耐力不足という個人的な性格に葛藤が深刻化するような社会風土が結び付いて衝動的な犯罪が増加していると分析する。東国大学警察行政学科のクァク・テギョン教授は「常に自分が正しく、自分を威嚇する相手を敵と見なして直ちに懲らしめようとする極端な利己主義がはびこっている結果だ。また、急激な経済的変化や社会的葛藤の中で、相手への思いやりや対話という文化が衰退しているためだ」と話した。

 高麗大病院精神健康医学科のイ・ミンス教授は「すぐに結果を出そうという韓国人特有のパルリパルリ(急げ急げ)文化によって、我慢し妥協するというプロセスが待てなくなっている」と分析した。

金哲中(キム・チョルジュン)医学専門記者


要するに早急に結果を出したがる傾向が、他者への攻撃性として発揮される事例が、特に近年若い世代を中心に韓国で非常に多くなってきているのです。


この事が韓国人の対日観にも少なからず影響を与えています。
今まで書いてきたように、韓国人の多くは日本人がノーベル賞を取っている事が気に入りません、なので韓国なりの努力をしてはいるのですが、地道な研究の継続や人材育成は長い時間がかかるため、なんとかして短期的に結果を出そうとして全て失敗しています。


そして結果が得られない事の苛立ちの矛先が往々にして日本へと向きやすいのです。
苛立つ理由はノーベル賞を取れないこともそうですが、順位や序列に拘る彼らの価値観的には他者から評価されるという事は非常に重要なことのため、「道徳的に劣等な日本が評価された事」が許せないからです。
(参考資料:【コラム】日本の精神的・道徳的優位に立って堂々と(1)(2)2015年08月14日 中央日報


以前から書いていることですが、自己の優越性や正しさを他者の劣等性を担保に証明する価値観が韓国には存在しているのですが、この韓国独特の価値観に添って考えた場合、彼らはどうやって自己の正しさや道徳的優位性を証明しようとするかといえば、ノーベル賞を受賞し続ける日本の道徳的劣等性を世界に証明すれば良いとなるのです。


これが近年韓国が官民あげて頻繁に各国で行っている反日の正体です。
ノーベル賞に限ったことではないですが、彼らの価値観的には日本が道徳的に劣っている事を世界各国に証明すれば、同時に彼らの中では「韓国の道徳的優越性の証明」ともなるわけです。


つまり韓国は、日本人がノーベル賞などで国際的に評価されればされるほど、韓国の行う「ノーベル賞を取るための努力」が実を結ばなければ結ばないほど、それが我慢ならず日本人からみた反日外交(韓国人にとっての道徳外交)が激しくなっていくのです。


まあそもそも、「日本がノーベル賞を取ったのになぜ自分達は」という、日本との比較ありきな事が最大の問題なのですが。


最後に。
こうした韓国の傾向は、日本の日韓友好論者の言動がエスカレートさせている側面もあります。
以下の記事を。


日本に追いつき、追い越す韓国の科学技術政策
WEBRONZA 2015年08月13日
http://webronza.asahi.com/science/articles/2015071300001.html
20年遅れのスタートで全力疾走してきた歴史を俯瞰する

 韓国の東側に位置する鉄鋼のまち浦項市にある浦項工科大学(ポステク)は、英国の教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」による創立50年未満大学のランキングで3年連続世界1位となった大学である。1400人余りの学部学生、2100人余りの大学院生が学ぶ。

コンパクトにまとまったメインキャンパスには、訪学したノーベル賞学者が植樹した「ノーベルガーデン」がある。中庭にはアインシュタインニュートンの胸像が並び、その一角にある胸像抜きの台は未来の韓国人ノーベル賞学者のために用意されたという。韓国にはノーベル科学3賞の受賞者はまだいない。どれほど受賞を熱望しているか、こんなところからも伺い知れる。

 6月に第9回科学ジャーナリスト世界会議のために韓国を訪問して、韓国の科学技術は日本を20年遅れで追いかけているのだと実感した。技術先進国となった韓国が、中国の猛追を恐れている構図も、日本がすでに経験してきたことに似る。だが、大統領制をとる韓国は、日本より「とんがった政策」を取ることができる。国際化や女性研究者支援、情報通信技術(ICT)の活用といった面では日本より先を行き、そうした政策がサムスンなどの韓国企業の躍進を支えてきた。ノーベル科学3賞の受賞者こそ19人を数える日本だが、朝鮮戦争終了後から必死に科学技術立国を目指してきた韓国の努力を知ることも、未来を考えるうえで必要だと思う。
(後略)


ここで挙げられている浦項工科大学の「ノーベル賞受賞者の胸像を飾るための台座」は、韓国人のパリパリ精神の最たるものですし、なによりこの大学は「ノーベル賞を取るための研究」の中心地のような場所です。
またそれ以外にしても、今まで書いてきたように明らかに韓国のやっていることは科学技術の研究の本分から逸脱した行為ばかりです。


にも拘らず、こうした日本の日韓友好論者達は韓国の行為を肯定してしまっており、「これをしていればいずれ日本を追い越せますよ」と耳打ちするのです。
そして多くの韓国人はその言葉を真に受け信じます。


その結果は明白で、彼らにとって「ノーベル賞を日本が取れて韓国が取れないこと」がより一層理不尽に感じる事となるでしょう、なにせ日本人が「追い越せる」と言っているのにいつまで経っても差が縮まらないのですから。
そして理不尽さは苛立ちに変わり、それはいずれ怒りとなり、更なる「反日外交」の原動力となるのです。