日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国人の言葉を信じてはいけない理由


さて、今回なのですがこれはあくまで「我々の常識を前提にして、韓国人の言葉を信じてはいけない」という意味です。


それは以前から書いているように、韓国人と私達は根本から価値観やあり方が異なるので、表面上は同じ意味の事を言っていても、彼らの中では我々の常識とはまるで異なるプロセスを経てその言葉が発せられている場合が多々あるからです。


たとえば、韓国人とのやり取りでは頻繁に起きる事なのですが、当初双方合意のもとでAと決めていたものを守らないため、その事を咎めると「最初からBのつもりだった」と前提条件を変えてしまう、彼らは双方の合意で決めたことでも都合が悪ければ簡単に覆してしまい、しかも当初の方針とは全く異なる事をし始める、そんな事が発生します。


これは以前から書いているように、契約や約束の概念が我々とは全く異なり、彼らの中ではそれらが「同じ席で話をした」「話をして打ち解けた」程度の意味でしかなく、後々都合が悪ければいくらでも内容を変えて良いという発想から来ています。


ついでに書けば、相手が同じ事をすることは彼らは決して認めません、それをすれば「約束を破った」と怒り出します。
彼らの常識では後々約束事を覆して良いのは「(主観で彼等が判断した)徳の高い存在」だけであり、徳の高い存在が「それは間違った約束である」と考えれば、正当な動機での行為となり、逆に相手=徳の低い存在が行えば「徳の高い者との約束を破った」となり、不当な動機での行為となるからです。


そして更に、これは双方の合意という約束事だけではなく、たとえば韓国人が自らの意思で決めたことでも全く同じロジックが働きます。
自身が考え公言したことでも、都合が悪くなれば「有徳の存在」はいくらでも覆していいのです、なぜなら「そうせざるを得ない理由があったから」「(徳の低い)相手に問題があったから」と考えるからです。
結果として、彼らの言葉を我々の常識に当てはめて信用する事はできなくなるわけです。


今回はその事を、今年4月頃から韓国政府が対日政策で掲げている「ツートラック・アプローチ」の現在の顛末を元に説明していきます。


まずこの「ツートラック・アプローチ」とはなんなのかを知らない方のためにざっと説明しておくと、今年の始め頃まで韓国政府は、「日本が慰安婦の軍による組織的強制連行を認める」「竹島を韓国領と認める」「歴史教科書を韓国の歴史観に合わせる」などの条件を出し、それができなければ首脳会談は行わないとのスタンスでした。


が、その結果韓国の安全保障や経済に様々な弊害が発生した上に、アメリカが日本を支持し始め、更にアジア・バンドン会議の席上では日中首脳会談が行われ、韓国内で「このままでは韓国が孤立してしまう」との世論が高まった結果、今年の4月頃からその方針を転換し、歴史問題は歴史問題としながらも、安全保障問題や経済問題では日本と協力していく、そのために日韓首脳会談を行うとし、その方針の名称を「ツートラック・アプローチ」としました。


それが現在どうなっているのかといえば、こうなっています。


韓日首脳会談開催なるか 慰安婦問題も絡み「神経戦」
聯合ニュース 2015/10/02
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2015/10/02/0400000000AJP20151002001300882.HTML
【ソウル聯合ニュース】韓中日首脳会談が今月末か来月初めに韓国で開催されるのに合わせ、朴槿恵(パク・クネ)大統領と安倍晋三首相による初の韓日首脳会談が開かれるとの見方が強まる中、韓日両国が神経戦を繰り広げている。

 日本は韓日首脳会談の開催を根気強く要求し続け、韓国も韓中日首脳会談を機にした会談開催の可能性を示唆している。ただ、先月30日に米ニューヨークで開かれた韓日外相会談では、日本の岸田文雄外相が韓日首脳会談の開催を希望したのに対し、韓国外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は「次の段階で実務者間、局長級の協議を通じ検討する」と答えた。

 こうした微妙な温度差の背景には旧日本軍慰安婦問題があるとみられる。首脳会談は韓日関係改善を実質的に勢いづけるものでなければならず、そのためには歴史問題の核心となっている慰安婦問題の実質的な進展が必要だというのが、韓国政府の大方の見解だ。よって、韓日首脳会談開催に先立ち慰安婦問題の実質的な進展を図ろうと、韓国政府は日本にメッセージを送っているといえる。
(中略)
韓日首脳会談とともに慰安婦問題をある程度の解決に導くのか、あるいは慰安婦問題解決を多少先送りにし、韓日関係において歴史問題とそのほかの問題を切り離す「ツートラック」戦略を首脳会談にまで広げて適用するのか、韓国政府は戦略的な選択を迫られているという指摘がある。
(後略)



先ほども書いたように、元々韓国の「ツートラック」は日韓首脳会談を行うための手段として、歴史問題と安保・経済を切り離す目的で始まった物だったのですが、いつの間にか首脳会談がツートラックから除外されていたのです。


参考までに、過去の韓国の方針等を


【社説】再開された韓日閣僚級会談、首脳会談につながることを期待する
2015年05月25日13時06分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/856/200856.html
歴史問題で中断されていた韓日閣僚級会談が次々と再開されている。先週末、東京とフィリピンのボラカイでは両国間の財務相と通商相の会談があった。ともに2年以上中断されていた会談だ。第14回アジア安全保障会議(別名シャングリラ対話)が開催されるシンガポールでは、およそ4年ぶりに韓日防衛相会談が開かれる。先月、東京では観光相会談も開かれた。首脳会談を除いた政府レベルの韓日対話が正常化する状況だ。
韓日関係を改善するためには「ツートラック」アプローチが避けられない。歴史・領土問題と経済・安保問題を分離して接近する必要がある。短期間での解決が難しい歴史・領土問題が足かせになって両国間に必要な他の分野の協力まで支障が生じるのはお互いマイナスだ。政府が各種閣僚級会談を再開したのは遅くなったものの幸いだ。

朴槿恵(パク・クネ)政権発足後に初めて開かれた財務長官会談で、崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)副首相兼企画財政部長官と麻生太郎副総理兼財務相は「政経分離」原則のもと、経済・金融分野の協力を強化することにした。韓日中自由貿易協定(FTA)の進展のためにともに努力し、少子高齢化・企業留保金の投資転換・新規ベンチャー企業の育成など共同の関心事でも協力する考えで一致した。特に北朝鮮の核とミサイルの脅威がますます強まる状況で、韓日防衛相会談が再開されるのは少なからず意味がある。最近、北朝鮮は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)射出実験までした。韓日米3カ国の安保協力強化の名分を北朝鮮が自ら提供したということだ。


歴史問題と領土葛藤にもかかわらず、中国の習近平国家主席安倍晋三首相は2度も首脳会談をした。自民党が組織した約3000人のマンモス訪中団が象徴するように両国は急速に関係を復元している。歴史問題を伏せてしまうということではない。それはそれとして扱い、協力することは協力しようということだ。このような原則は首脳会談にも同じように適用される必要がある。再開された閣僚級会談が近いうちに首脳会談につながることを期待する。


【コラム】日本はなぜ謝罪しないのか(2)
2015年05月06日09時59分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/939/199939.html
(前略)
韓国も同様だ。成人病のような過去の問題と政治・経済的協力を別に議論する「ツートラック」という話が出るのもそうしたことからだ。

このままでは北東アジアで仲間はずれにされるという懸念があちこちから聞こえる。まだ活路はある。韓中日首脳会談を韓国主導で開催するのも方法だ。体面を傷付けることなく対日関係を改善する道を探さなければ韓国外交の将来はますます暗くなる。



当たり前の事ですが、国のトップが自ら掲げた方針に沿わず例外扱いしているようでは、そもそもそんな方針に何の意味もありません、更に現在のこの韓国政府の態度をメディアが批判するどころか、「韓国政府は戦略的な選択を迫られているという指摘がある。」と肯定してしまっているようでは、我々の常識で考えれば論外も良いところです。


更に、では首脳会談以外ではツートラックの有言実行ができているのかといえば、それもまるでてきていません。
以下の記事を


韓半島有事時の在韓日本人退避問題、韓国側の拒否で議論深まらず
2015年10月02日10時16分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/443/206443.html
日本が政府実務ラインを通じて韓半島朝鮮半島)有事時の在韓日本人を退避させる協議を提案したが、韓国側が拒否していると朝日新聞が1日、報じた。同紙によると、韓国政府関係者は日本側の提案に対して「非常に敏感な問題であることに加え、韓日関係の冷え込みも影響を及ぼしていると思われる」と話した。

安倍内閣は安保法成立にともなう集団的自衛権行使の一例に、日本人を乗せた米軍艦船の防護を挙げたが、韓国側の拒否により在韓日本人を米軍艦船まで移動させる議論が深まらないでいる。

日本外務省の資料によると、韓国に在留中の日本人数は昨年10月現在で約3万7000人。日本政府は1994年第1次朝鮮半島核危機以来、在韓日本人の退避策を検討してきた。


要するに韓国側が「歴史問題」を背景に在韓邦人保護の議論そのものを拒否しているというニュースです。
こちらも我々の常識で考えれば矛盾でしかなく、韓国人はツートラックを実行する意思そのものがないように見えます。


しかし、どちらの事例も彼らの常識では矛盾ではないのです。
最初に書いたように、彼らの価値観では自ら公言したことであったとしても、後々不都合が出てくれば「有徳の存在」は何度でもそれを覆し、前提条件をひっくり返しても問題ないのです。


なぜならば、不都合が起きたのは相手に問題があるからであり、絶対的に正しいはずの自分達はその不都合を正す権利がある、彼らの常識ではそうなっているのです。
今回の場合ならば、ツートラックを掲げながら矛盾しているように見えますが、「正しい歴史を認めない日本が悪い」のです。


またこれは前回書いたことにも関係しますが、現在韓国の行っている対日方針は反日外交ではなく、「道徳外交」との認識が韓国世論のなかでの一般的な共通認識です。
そしてこれも以前から何度か書いてきたことと関係するのですが、彼らは「正しさ」や「徳の高さ」を自らの行いでは無く、「他者の劣等性」を担保に自覚する独特の価値観「蔑視ありきの自民族中心主義」を判断基準としています。


このことから、そもそも彼らのなかで歴史問題を抜きにした対日外交などありえないのです。
対日政策で歴史問題を引き合いに出せない場合、韓国的価値観では自らの正しさを証明する手段がなくなってしまうからです。


このような背景から、彼らは彼らの価値観で判断し「ツートラック」の前提条件を変更し、首脳会談は例外としているわけです。
そしてこれを前提として、彼らは「韓国がツートラックをできるように、日本が韓国に配慮すべき」と考える傾向にあります。


最初に引用した記事の背景には、こうした彼ら独特の価値観が関係しているわけです。
ですから私達は、彼ら韓国人の言葉を我々の常識に当てはめて信じ・解釈してはいけないのです、彼らは彼ら独自の価値観に基き、私達とは全く異なるプロセスを経て、異なるロジックで答えを導き出しているのですから。



最後に。
今回はツートラックの関連のみに言及しましたが、こうした韓国による「自ら言い出した事を覆す」「不都合が起きるたびに次々と定義や解釈を変えてくる」行為は、本当に頻繁にありとあらゆる事柄で発生する現象です。


ここで重要なのが、現在日韓友好をしようと訴えている日本人の多くは、この韓国人の態度を安易に肯定してしまう人々があまりにも多すぎることです。
韓国人は都合が悪くなれば彼らの常識に沿って前提条件そのものを覆すわけですが、その覆した主張を彼等が安易に受け入れてしまうがために、日本から間違ったメッセージが頻繁に発せられており、韓国側の要求が次々とエスカレートしていく傾向にあります。


その結果、エスカレートしすぎた韓国側の要求を物理的に許容することが不可能になり、その先に一歩も進めなくなったのが現在の日韓関係の姿です。


そしてにも拘らず、それでも彼らの要求を安易に受け入れ、前言を次々と覆し定義や前提条件を変える彼らの態度を安易に肯定し擁護し、韓国に否定的な反応をする人々を一緒くたに差別主義者とレッテルを貼り続けているのが日韓友好論者の姿です。


現在の日韓問題は、日韓の間にある価値観の深い隔たりと共に、こうした日韓友好論者による、価値観の違いを無視した安易な態度が深く関係しています。